共立メンテナンスの情報漏洩|フィッシング起点の不正操作で氏名や電話番号の閲覧等を確認 入居者や家族を含む可能性 2026


この記事のポイント
- ✓共立メンテナンスの情報漏洩について
- ✓2025年11月28日の第1報と2026年2月5日の調査結果を整理
- ✓フィッシングメールを起点に業務用端末が不正に操作され
共立メンテナンスの情報漏洩について、株式会社共立メンテナンスは2025年11月28日付けの第1報で、従業員が受信したフィッシングメールを起点に業務用端末が第三者に不正に操作され、個人情報が外部に流出した可能性があると発表しました。2026年2月5日には調査が完了したとして、端末上に保存されていた、または端末から参照できた個人情報の一部について、第三者による閲覧等が行われたことが確認されたと報告しています。対象の情報は氏名、電話番号、メールアドレス、連絡先情報等で、入居者、入居者の家族、取引先・業務委託先の担当者、見学申込者、従業員等の情報が含まれる可能性があるとされています。 関係するかもしれない人がまずすることは、共立メンテナンスや担当者の名前で届いた身に覚えのないメールやメッセージを開かず、リンクを押さず、返信しないことです。分からないことは、総務部の個人情報お問い合わせ窓口([email protected])に尋ねます。 2026年11月1日時点で、2026年2月5日の調査結果より後の続報は、掲載先のお知らせ一覧に出ていません。件数は公表されておらず、二次被害は確認されていないとされています。
この記事は、2026年11月1日時点で、共立メンテナンスが運営する高齢者向け住宅「ドーミーシニア」の公式サイトのお知らせに、共立メンテナンス名義で掲載された2つの発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道や解説記事の内容は入れていません。
共立メンテナンスの情報漏洩で何が起きたのか
共立メンテナンスは、学生寮、ホテルの「ドーミーイン」、高齢者向け住宅の「ドーミーシニア」などを運営する会社です。今回の件は、会社のサーバーが攻撃されたのではなく、従業員1人が使っていた業務用の端末が入口になった事案です。
発表によると、2025年10月23日、会社のセキュリティ対策ソフトウェアが、従業員の業務用端末で普段とは違う通信の動きを検知しました。会社はすぐにその端末をネットワークから切り離して回収し、原因と影響の範囲を調べ始めました。調べた結果、従業員が受信したフィッシングメールをきっかけに、外部の第三者がその端末を不正に操作していたことが分かったとされています。
フィッシングメールとは、実在する会社やサービスを装って偽のサイトに誘導したり、不正なプログラムを入れさせたりするメールのことです。警察庁のフィッシング対策のページは、偽のメールやSMSで偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどの情報を盗んだり、マルウェア(不正なプログラム)に感染させたりする手口だと説明しています。今回の発表には、メールの中身や、端末がどのように操作されたかの細かい手順は書かれていません。
調査が終わった2026年2月5日の発表では、次の3つが確認されたと書かれています。
- 端末上に保存されていた、または端末から参照できた個人情報の一部が、第三者に閲覧等された
- 端末で使われていた一部のインターネットサービスのアカウントが不正に利用され、メールとダイレクトメッセージが送られた
- 端末から個人情報が外部に直接送信されたことを裏付ける痕跡は確認されていない
「閲覧等された」ことと「外部に送信された」ことは、発表の中で分けて書かれています。この記事でも、その違いを崩さずに書きます。
公表の経緯と2つの発表で分かったこと
共立メンテナンスの発表は、2025年11月28日付けの第1報と、2026年2月5日の調査結果の2つです。どちらもドーミーシニアの公式サイトのお知らせに、関係者各位あての文書として掲載されています。
| 日付 | 出来事 | 内容 |
|---|---|---|
| 2025年10月23日 | 検知 | セキュリティ対策ソフトウェアが業務用端末の普段と違う通信を検知。端末を切り離して回収 |
| 2025年11月11日 | 報告 | 外部への情報流出の可能性を確認し、個人情報保護委員会に報告(速報) |
| 2025年11月28日 | 第1報 | フィッシングメールを起点に端末が不正に操作され、個人情報が外部に流出した可能性 |
| 2026年2月5日 | 調査結果 | 調査が完了。個人情報の一部の閲覧等を確認。アカウントの不正利用でメールとダイレクトメッセージが送られた |
第1報は、2025年11月28日の日付で書かれ、お知らせのページには2025年12月1日更新と表示されています。調査結果のページは2026年2月5日更新です。
2025年11月28日付けの第1報の題は「フィッシング被害に関するご報告と情報流出の可能性について」で、本文でも「外部に流出した可能性がございます」と書いていました。この時点では、外部の専門家と連携して、漏えいの有無と影響の範囲を調べている途中だとされていました。
2026年2月5日の調査結果の題は「不正アクセスによる個人情報の漏えいに関するお詫びとお知らせ」で、外部専門機関と連携した調査が完了したことを受けて出された報告です。第1報の「可能性」から、調査結果では「閲覧等が行われたことが確認」へと表現が進んでいます。
2026年11月1日時点で、ドーミーシニアの公式サイトのお知らせ一覧に、この件の3つ目の発表は見当たりません。
「流出した可能性」から「閲覧等を確認」へ
2つの発表を読み比べると、表現がどう変わったかが分かります。
第1報は、端末からお客様等の個人情報が「外部に流出した可能性」があると書き、漏えいの可能性がある情報として氏名などを挙げていました。
調査結果は、端末に対して第三者による不正な操作が行われ、その端末に保存されていた、または端末から参照できた個人情報の一部について、第三者による閲覧等が行われたことが確認されたと書いています。そのうえで、次の一文を加えています。
なお、当該端末から個人情報が外部に直接送信されたことを裏付ける痕跡は確認されておりません。 出典: dormy-senior.com
つまり、第三者がその端末を通じて情報を見ることができ、実際に閲覧等が行われたことは確認されたものの、データをまとめて外部に送り出した跡は見つかっていない、という整理です。
「閲覧等」の「等」が何を含むかは、発表には書かれていません。また、送信の痕跡がないことは、画面に表示された情報を第三者が見て控えた可能性まで否定するものではありません。会社が引き続き不審なメールへの注意を呼びかけているのは、そのためだと読めます。関係する人は、送信の痕跡がないことを理由に安心しきらず、後の節で紹介する備えを進めておくのが安全です。
閲覧等された可能性がある情報と対象の区分
調査結果に書かれている情報の項目と、含まれる可能性がある人の区分を整理すると次のとおりです。
| 区分 | 発表の内容 |
|---|---|
| 閲覧等が確認された情報の項目 | 氏名、電話番号、メールアドレス、連絡先情報等 |
| 含まれる可能性がある人 | 入居者、入居者の家族、取引先・業務委託先の担当者、見学申込者、従業員等 |
| 経済的な二次被害を直接生じさせうる情報 | クレジットカード情報等は現時点で確認されていない |
| 二次被害 | 本件に起因する個人情報の不正利用等は現時点で確認されていない |
情報の項目は、氏名、電話番号、メールアドレスに「連絡先情報等」が加わった形で書かれています。「連絡先情報」に住所が含まれるかどうかは、発表からは分かりません。この記事でも、住所が含まれるとも含まれないとも書きません。
人の区分について、発表は「含まれる可能性があります」と書いています。入居者、家族、取引先、見学申込者、従業員の全員の情報が閲覧等されたという意味ではなく、閲覧等された情報の中にこうした立場の人の情報が含まれる可能性がある、という書き方です。
クレジットカード情報については、第1報も調査結果も「クレジットカード情報等の経済的な二次被害を直接生じさせ得る情報は確認されておりません」と書いています。「含まれていない」と言い切る書き方ではなく、「確認されていない」という表現である点に注意してください。
件数が公表されていないことの意味
今回の発表には、閲覧等された個人情報の件数が書かれていません。第1報にも調査結果にも、何人分、何件という数字はありません。この記事でも件数は書きません。
件数が書かれていないため、自分が対象かどうかを数字から推し量ることはできません。会社が対象の人に個別に連絡しているかどうかも、発表には書かれていません。対象かどうかを確かめたい人は、後半で紹介する窓口に問い合わせることになります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページによると、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合の1つとして、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等が挙げられ、不正アクセスによる漏えいがその例として示されています。この場合、本人の数が1,000人を超えるかどうかにかかわらず報告の対象になります。共立メンテナンスは2025年11月11日付けで委員会に速報を出したと書いていますが、報告に件数が含まれているかどうかは公表されていません。
原因として発表されていること
原因について、調査結果は、従業員が受信したフィッシングメールを起点として、外部の第三者が端末を不正に操作したことが原因だと書いています。第1報では「原因と考えております」という表現でしたが、調査結果では「原因です」と言い切る形に変わっています。
どんなメールだったのか、メールのどこを開いたことで端末が操作されたのか、どのような仕組みで第三者が端末を動かしたのかは、発表には書かれていません。発表にない内容は、この記事でも推測で書きません。
一般的なフィッシングメールの特徴については、警察庁が手がかりを示しています。警察庁は、メールの文面には「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」「取引の停止」など、切迫感をあおってログインさせようとするものが多いと説明しています。また、メールは送信元の名前やアドレスを変えるのが簡単で、表示された送信元だけを見て本物かどうかを判断するのは難しいとしています。
仕事でメールを多く受け取る人ほど、取引先や社内の連絡に紛れたフィッシングメールに気づきにくくなります。今回の件は、1通のメールから業務用の端末が操作され、その端末から見られる情報にまで影響が広がったと発表されている点で、メールを仕事で使うすべての人に関係する事案です。
フィッシングメールから端末の操作に至る一般的な流れ
今回の件で、メールのどこから端末の操作に至ったかは発表されていません。ここでは、警察庁などの公的機関が説明している一般的な手口を紹介し、在宅で仕事をする人や関係者が自分の備えを考える材料にします。今回の事案がこのとおりだったという意味ではありません。
フィッシングメールの手口は、大きく2つに分けられます。1つは、偽のログイン画面に誘導してIDやパスワードを入力させる手口です。盗まれたIDとパスワードは、本人になりすましてメールやクラウドのサービスにログインするのに使われます。もう1つは、添付ファイルやリンクから不正なプログラムを入れさせる手口です。警察庁は、マルウェアに感染するとスマートフォンに登録された電話帳の情報が盗まれたり、自分の端末がフィッシングのSMSの発信源になったりすることもあると説明しています。
どちらの手口でも、入口は「本物らしく見える1通のメール」です。取引先からの請求書、社内の共有ファイル、宅配の不在通知、アカウントの確認など、仕事や生活でよく受け取る連絡の形をとります。端末を操作される被害を防ぐには、メールの段階で立ち止まることと、万一のときに異常に早く気づく仕組みを持つことの両方が要ります。今回の発表で、異常を最初に検知したのがセキュリティ対策ソフトウェアだったと書かれているのは、後者の仕組みが働いた例だと読めます。
アカウントの不正利用で送られたメールとメッセージ
調査結果で新たに分かったことの1つが、端末で使われていた一部のインターネットサービスのアカウントが第三者に不正に利用され、メールとダイレクトメッセージが送られたという点です。ダイレクトメッセージとは、SNSやチャットのサービスで、特定の相手に直接送るメッセージのことです。
どのサービスのアカウントだったのか、誰あてに何通送られたのか、どんな内容だったのかは、発表には書かれていません。ただ、従業員のアカウントから送られたメッセージは、受け取った側から見ると、普段やり取りしている相手からの連絡に見えます。知っている相手からの連絡ほど、リンクを押したり添付ファイルを開いたりしやすくなるため、注意が要ります。
2025年10月ごろから、共立メンテナンスの担当者の名前やアカウントから、次のような連絡を受け取った覚えがある人は、内容を見直してください。
- 普段の用件と関係のない、急ぎを強調するメール
- ファイルの共有やログインを求めるリンクが付いたメッセージ
- 支払いの方法や振込先の変更を伝える連絡
- 心当たりのない添付ファイル
こうした連絡のリンクを押してしまった、IDやパスワードを入力してしまった場合は、そのIDとパスワードを使っているすべてのサービスでパスワードを変えます。警察庁も、フィッシングサイトに普段使っているIDやパスワードを入力してしまった場合は、それを使っているすべてのサービスでパスワードをすぐに変えるよう呼びかけています。アカウントを乗っ取られたときの手順は、アカウントが乗っ取られたときの対処法で詳しく説明しています。
自分のアカウントを不正利用されないための見直し
今回の調査結果では、端末で使われていたインターネットサービスのアカウントが不正に利用され、メールとダイレクトメッセージが送られたとされています。自分のアカウントが同じように使われないよう、次の点を一度見直しておきます。
- メールとSNSのアカウントに多要素認証を設定する。パスワードに加えて、認証アプリやSMSのコードがないとログインできないようにすると、パスワードを盗まれても入られにくくなります
- ログインの履歴を確かめる。多くのサービスには、どの端末や地域からログインがあったかを見られる画面があります。覚えのないログインがあれば、すぐにパスワードを変えます
- 連携しているアプリを見直す。使っていないアプリにアカウントへのアクセスを許したままにしていないかを確かめ、不要なものは連携を外します
- メールの転送や自動振り分けの設定を確かめる。自分で作った覚えのない転送先や振り分けの規則があれば、削除してパスワードを変えます
- 送信済みのメールやメッセージを確かめる。自分が送っていないメッセージが残っていれば、受け取った相手に、開かないよう連絡します
警察庁も、IDとパスワードを複数のサイトで使い回さないこと、ワンタイムパスワードなどの仕組みを活用することを勧めています。パスワードを覚えきれない場合は、パスワード管理アプリを使う方法もあります。
共立メンテナンスの対応
発表に書かれている会社の対応は次のとおりです。
- 2025年10月23日、通信の異常を検知した端末をネットワークから切り離して回収
- 原因と影響の範囲について、外部の専門家や専門機関と連携して調査
- 2025年11月11日付けで、個人情報保護委員会に報告(速報)
- 2025年11月28日付けで第1報、2026年2月5日に調査結果を公表
- 総務部に個人情報お問い合わせ窓口を設け、メールで受け付け
再発防止策について、2つの発表には具体的な記載がありません。補償やお詫びの品、対象者への個別の通知についても書かれていません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。
会社が関係者に求めているのは、フィッシングメールなどの不審なメールが送られる可能性があるので、身に覚えのない不審なメールの開封、リンクのクリック、返信などをしないよう十分注意することです。
自分が対象かを確かめる方法
件数も個別の通知の有無も公表されていないため、自分が対象かどうかを外から確かめる方法は限られます。次の順で考えます。
- 自分が発表の区分に当たるかを考える(共立メンテナンスの住まいの入居者、入居者の家族、取引先や業務委託先の担当者、見学を申し込んだ人、従業員など)
- 2025年10月ごろから、共立メンテナンスの担当者の名前で不審なメールやメッセージが届いていないかを見直す
- 会社から個別の連絡が届いていないかを確かめる
- 不安が残る場合は、総務部の個人情報お問い合わせ窓口にメールで尋ねる
発表は、入居者がどの住まいの入居者かを書いていません。掲載先はドーミーシニアの公式サイトですが、学生寮など、ほかの事業の入居者が含まれるかどうかは発表からは分かりません。自分がどの住まいを使っているかにかかわらず、心当たりがある人は窓口で確かめるのが確実です。
窓口に問い合わせるときは、自分の立場(入居者、家族、取引先など)と、関わりのある施設や住まいの名前、担当者とやり取りしていた時期をメールに書いておくと、確認がスムーズです。ただし、問い合わせのメールに、パスワードやカード番号など不要な情報は書かないようにします。
入居者と家族がすること
入居者と家族の情報は、氏名、電話番号、メールアドレスなどが含まれる可能性があるとされています。高齢者向け住宅の入居者の家族は、施設からの連絡を受ける窓口になっていることが多く、施設の名前を出した連絡を本物と思い込みやすい立場です。
施設や運営会社を名乗る連絡で、次のような話が出たら、その場で応じずに確かめます。
- 利用料の振込先が変わった
- 入居者の体調が急に変わったので、すぐに費用を振り込んでほしい
- 個人情報の確認のため、口座番号や暗証番号を教えてほしい
- 本人確認のため、リンク先で情報を入力してほしい
確かめるときは、届いた連絡に書かれた番号やアドレスではなく、契約書や入居の案内に書かれている施設の連絡先、または公式サイトに載っている連絡先を使います。電話番号が出回ったときに増えやすい迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。
高齢の入居者本人が直接連絡を受けることもあります。家族は、施設を名乗る電話でお金の話が出たら、いったん切って家族に相談するよう、入居者と決めておくと安心です。
家族の間で、施設からの本物の連絡がどの番号やアドレスから届くのかを共有しておくのも有効です。普段の連絡先が分かっていれば、見慣れない番号や、施設の名前に似せた別のアドレスから届いた連絡に気づきやすくなります。施設の担当者が変わったという連絡が届いたときも、施設の代表の番号にかけて確かめてから、新しい連絡先を登録します。
取引先・業務委託先の担当者がすること
取引先や業務委託先の担当者の情報も、含まれる可能性がある区分に挙がっています。仕事のメールアドレスと電話番号、担当者の氏名が分かると、取引先を装ったメールが本物らしく見えやすくなります。
取引先の担当者が気をつけたいのは、次のような連絡です。
- 請求書の送り先や振込先の口座を変えたという連絡
- 共有ファイルを見るためにログインを求めるリンク
- 普段と違うアドレスから届く、共立メンテナンスの担当者を名乗るメール
請求や支払いに関わる変更の連絡が届いたときは、メールの返信ではなく、以前から使っている電話番号に電話して、担当者本人に確かめます。社内で経理を担当する人にも、今回の件を共有しておくと、振込先の変更を装う連絡に気づきやすくなります。偽のメールを見分ける具体的な手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で紹介しています。
見学を申し込んだ人がすること
見学申込者の情報も、含まれる可能性がある区分に挙がっています。見学を申し込んだだけで入居していない人は、自分には関係ないと思いがちですが、申込みのときに伝えた氏名や電話番号、メールアドレスが対象になりえます。
見学の申込みをきっかけにした連絡を装い、「入居の枠を確保するため予約金を振り込んでほしい」「特別な割引があるので今日中に手続きしてほしい」といった話が届いたら、その連絡からは手続きせず、公式サイトに載っている問い合わせ先で確かめます。入居の申込みや費用の支払いは、施設の担当者と直接やり取りし、契約書の内容を確かめてから進めるのが基本です。
不審なメールとメッセージの見分け方
共立メンテナンスは2つの発表で、身に覚えのない不審なメールの開封、リンクのクリック、返信をしないよう呼びかけています。そのうえで、日ごろから次の点を意識しておくと、便乗した連絡に気づきやすくなります。
送信元の表示だけで判断しない
警察庁は、メールの送信元の名前やアドレスは簡単に変えられ、表示だけを見て本物かどうかを判断するのは難しいと説明しています。知っている名前からのメールでも、内容が普段と違えば疑ってかかります。
リンクは押さず、公式サイトから開く
メールやSMSのリンクは偽装できるため、ログインが必要な用件は、ブックマークや公式アプリから開きます。警察庁も、リンクを安易に押さず、公式サイトをブックマークに登録しておくよう勧めています。
急がせる文面ほど一度止まる
「今日中に」「至急」「アカウントが停止される」といった言葉は、考える時間を奪うための典型的な書き方です。急がせる連絡ほど、いったん手を止めて、別の方法で確かめます。
入力してしまったときは
偽のサイトにIDやパスワードを入力してしまったときは、そのパスワードを使っているすべてのサービスで変えます。カード番号を入力してしまったときはカード会社に、お金を振り込んでしまったときは振込先の金融機関と警察に連絡します。契約やお金のトラブルについては、消費者庁の消費者ホットライン188にも相談できます。フィッシングサイトを見つけたときの報告先や最新の手口は、フィッシング対策協議会が公開しています。
従業員と元従業員がすること
発表は、含まれる可能性がある人の区分に「弊社従業員等」を挙げています。共立メンテナンスで働いている人、以前働いていた人も、氏名や電話番号、メールアドレスが閲覧等された情報に含まれる可能性があります。
働いている人は、社内の案内に従うことが第一です。そのうえで、会社の総務部や情報システム部門を名乗って、パスワードの再設定やアカウントの確認を求めるメールが届いたら、リンクから操作せず、社内の正規の連絡手段で確かめます。今回の件を知った人ほど、「セキュリティ対策のため」という名目の連絡を信じやすくなるため、便乗した偽の連絡に注意します。
すでに退職した人は、社内の案内を受け取れないことがあります。元の勤め先を名乗って、給与や退職金の手続き、源泉徴収票の再発行などを口実に、口座番号やマイナンバーを聞き出そうとする連絡が届いたら、その連絡には答えず、自分で調べた会社の代表の連絡先か、発表に載っている窓口で確かめます。
会社の発表を読むときに見るところ
情報漏えいの発表は、会社によって書き方が違い、言葉の選び方で意味が大きく変わります。今回の2つの発表を例に、読むときに見るところを整理します。
1つ目は「可能性」と「確認」の違いです。第1報は「流出した可能性」と書き、調査結果は「閲覧等が行われたことが確認」と書いています。調査が進むと表現が変わることがあるため、最新の発表がどれかを日付で確かめます。
2つ目は「閲覧」と「送信」の違いです。今回の調査結果は、閲覧等は確認された一方で、外部に直接送信された痕跡は確認されていないと分けて書いています。どちらが確認され、どちらが確認されていないのかを読み分けます。
3つ目は、件数と対象の書き方です。件数が書かれていない発表もあり、対象の区分が「含まれる可能性」と書かれている場合は、区分に当たる全員が対象という意味ではありません。自分が対象かは、個別の通知か窓口で確かめます。
4つ目は窓口の種類です。今回の窓口はメールだけで、電話番号は書かれていません。窓口の連絡先は、必ず会社の公式サイトに載っているものを使い、届いたメールに書かれた連絡先と照らし合わせます。
問い合わせ窓口
共立メンテナンスがこの件について発表に載せている窓口は次のとおりです(2026年11月1日時点)。
| 窓口 | 連絡先 |
|---|---|
| 株式会社共立メンテナンス 総務部 個人情報お問い合わせ窓口 | メール [email protected] |
発表に載っている窓口はメールだけで、電話番号と受付時間は書かれていません。ドーミーシニアの公式サイトには入居や見学の相談のためのフリーダイヤルが載っていますが、この件の窓口として案内されているのはメールの窓口です。
問い合わせのメールを送るときは、自分で宛先を入力し、届いたメールの「返信」は使わないようにします。不審なメールに返信すると、偽の相手に連絡してしまうおそれがあるためです。
在宅で仕事をする人が気をつけること
今回の件は、1人の従業員が受け取ったフィッシングメールから、業務用の端末が操作されたと発表されています。在宅で仕事をする人は、会社の情報システム部門のような守り手がいないことが多く、自分の端末とアカウントを自分で守る必要があります。
とくに気をつけたいのは、仕事用と個人用のアカウントを1台の端末で使っている場合です。今回の発表でも、端末で使われていたインターネットサービスのアカウントが不正に利用され、メールとダイレクトメッセージが送られたとされています。1台の端末が操作されると、その端末でログインしているすべてのサービスに影響が広がるおそれがあります。
取引先から個人情報を預かる立場の人は、個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページも一度読んでおきます。不正アクセスによる漏えいは、本人の数にかかわらず、委員会への報告が義務づけられる場合の例として示されており、報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。個人で仕事をしていても、顧客の名簿や取引先の連絡先を扱っていれば、個人情報を扱う事業者に当たることがあります。自分の扱いがどうなるかは事情によって変わるので、委員会の相談窓口などで確かめてください。
日ごろからできる備えとして、次の点を見直しておきます。
- 業務用の端末には、セキュリティ対策ソフトを入れ、最新の状態に保つ
- 業務用のアカウントには多要素認証を設定する
- 仕事用と個人用のアカウントで、パスワードを使い回さない
- 取引先から預かったファイルは、仕事が終わったら契約に従って返すか削除する
- 心当たりのないメールの添付ファイルやリンクは開かない
今回の件で、普段と違う通信を最初に見つけたのはセキュリティ対策ソフトウェアだったと発表されています。端末の異常に早く気づく仕組みがあるかどうかで、被害の広がり方は変わります。社員向けにフィッシングメールの見分け方を練習する訓練の仕組みは、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。個人で仕事をする人にとっても、自分のメールの受け方を見直すきっかけになります。
アカウントを守る力を仕事に生かす
フリーランスや在宅ワークの仲介を続けてきた中で見えてくるのは、仕事を長く続ける人ほど、納品物の品質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を積み上げているということです。メールの添付ファイルの扱いや、パスワードの管理、多要素認証の設定を自分で説明できる人は、新しい取引先にも安心して任せてもらいやすくなります。
今回の共立メンテナンスの件のように、1通のメールが入口になる事案は、規模の大小を問わず起きています。在宅で仕事をする人が、届いたメールを落ち着いて見分け、怪しいと思ったら別の方法で確かめる習慣を持っておくことは、自分と取引先の両方を守ることにつながります。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合も、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。取引先への連絡や報告の文面を正確に書く力を身につけたい人には、ビジネス文書検定の解説もあります。
よくある質問
Q. 共立メンテナンスの件で、自分の情報が漏れたかどうかはどうすれば分かりますか?
発表には件数や個別の通知の有無が書かれていないため、外から確かめる方法は限られます。入居者、家族、取引先の担当者、見学申込者、従業員などに当たる人で不安がある場合は、総務部の個人情報お問い合わせ窓口([email protected])に、自分の立場と関わりのある施設の名前を書いて尋ねてください。
Q. 情報は外部に送信されていないのに、注意が必要なのですか?
2026年2月5日の調査結果は、端末から個人情報が外部に直接送信されたことを裏付ける痕跡は確認されていないとしています。一方で、第三者による閲覧等が行われたことは確認されたと書いています。会社も不審なメールへの注意を呼びかけているため、身に覚えのないメールは開かず、リンクを押さないようにしてください。
Q. クレジットカードを止める必要はありますか?
発表では、クレジットカード情報等の経済的な二次被害を直接生じさせうる情報は、現時点で確認されていないとされています。今回の件だけを理由にカードを止める必要は示されていません。ただし、明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、すぐにカード会社に連絡してください。
Q. 共立メンテナンスの担当者からのメールのリンクを押してしまいました。どうすればよいですか?
その連絡が不審なものだった場合、リンク先でIDやパスワードを入力していれば、同じパスワードを使っているすべてのサービスで変更してください。カード番号を入力した場合はカード会社に連絡します。連絡が本物かどうか分からないときは、届いたメールに返信せず、自分で宛先を入力して会社の窓口に確かめるのが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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