住友林業クレストの情報漏えいのおそれ|サポート詐欺で端末を遠隔操作 製品納入先の氏名・住所・図面 2026


この記事のポイント
- ✓住友林業クレストの情報漏洩のおそれについて
- ✓2025年4月15日の第1報と12月23日の調査完了の発表を整理
- ✓サポート詐欺で遠隔操作ソフトを入れた経緯
住友林業クレスト株式会社は2025年4月15日、従業員の業務用パソコンがサポート詐欺による不正アクセスを受け、個人情報が漏えいしたおそれがあると公表しました。2025年12月23日には調査の完了を発表し、対象は同社の製品を住宅メーカーや工務店を通じて納入した客の氏名・住所・電話番号・顧客コード・図面・見積書と、従業員(退職者を含む)の氏名・所属部署・役職だと整理しています(人ごとに項目は異なります)。2026年11月1日時点で、同社のお知らせ一覧に12月23日より後の続報は掲載されておらず、悪用された事実は確認されていないと発表されています。
家を建てたりリフォームしたりしたときに同社の階段や床材、建具などが納入された人は、住宅メーカーや工務店からの連絡があったかを思い出し、間取りや住所を知っているかのような訪問や電話には、その場で答えずに契約した会社の窓口へかけ直してください。不明な点は住友林業クレスト総務部(052-205-8401、平日9:00から17:00)で確かめられます。
この記事では、2回の公式発表で分かったことを日付ごとに分け、漏えいしたおそれのある項目、原因になったサポート詐欺の仕組み、自分が対象かを確かめる方法、対象かもしれない人がすること、在宅で仕事をする人が同じ被害を受けないための備えを順に整理します。
住友林業クレストの発表の要点(2026年11月1日時点)
住友林業クレストは、住友林業株式会社が100%出資する名古屋市の会社で、会社概要によると木質系の住宅関連部材や住宅設備機器、集成材、階段部材、カウンターなどを製造・販売しています。家の持ち主が同社と直接契約することは少なく、多くの場合は住宅メーカーや工務店が同社の製品を選んで家に取り付けています。今回の件で「住友林業クレストという会社と取引した覚えがないのに、なぜ自分の情報が」と感じる人がいるのは、この流通の形によるものです。
公式発表の要点は次のとおりです。
- 2025年3月24日、品質保証に関するカスタマーサポート業務に携わる従業員が、業務用パソコンでサポート詐欺のサイトへ誘導され、遠隔操作ソフトをインストールした
- その結果、パソコンが外部から不正なアクセスを受けた
- 外部の調査会社の調査では、第三者へのファイル転送など、個人情報が漏えいした明確な痕跡は確認できなかった
- ただし、一部の客をはじめとする関係者の個人情報が漏えいした可能性を完全には否定できないと判明した
- 対象の客には、住宅メーカーや工務店を通じて連絡している。住所の変更などで通知が難しい人には、ホームページでの公表を本人への通知の代わりとしている
- 2026年11月1日時点の公式の記載では、個人情報が悪用された事実は確認されていない
同社の表現は一貫して「漏えいしたおそれ」「漏えいした可能性」です。「流出した」と断定した発表ではありません。この記事でも同社の言葉をそのまま使います。
12月23日のお知らせには、同社が2025年4月15日の第1報を受けて調査を進め、客への連絡と調査が完了したことが次のように書かれています。
外部調査会社による調査の結果、第三者へのファイル転送等、遠隔操作ソフトを利用した不正アクセスにより個人情報が漏えいした明確な痕跡は確認できないものの、一部のお客様をはじめとする関係者の個人情報が漏えいした可能性を完全に否定することができないことが判明しました。 出典: 住友林業クレスト「当社において発生した不正アクセス事案に関する個人情報漏えいのおそれに関するお知らせ」(2025年12月23日)
公表の経緯:2025年4月15日の第1報と12月23日の調査完了
この件の発表は2回です。第1報の時点では調査中の項目があり、調査完了の発表で対象の範囲が整理し直されています。検索で古い記事に当たると、第1報の数字だけが書かれていることがあるので、日付ごとに分けて見てください。
| 発表日 | 題 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2025年4月15日 | 当社におけるサポート詐欺の不正アクセスに伴う情報漏えいのおそれがある事案の発生について | 3月24日に従業員がサポート詐欺のサイトに誘導され、遠隔操作ソフトをインストール。端末のインターネットと社内ネットワークへの接続を遮断。漏えいした可能性のある情報として、客の氏名約500件、従業員の顔写真・携帯電話番号約300件、顧客情報を含む図面・見積書などの業務用の情報(調査中)を挙げた |
| 2025年12月23日 | 当社において発生した不正アクセス事案に関する個人情報漏えいのおそれに関するお知らせ | 外部調査会社の調査が完了。明確な転送の痕跡は確認できないが、可能性を完全には否定できない。対象を「製品を納入した客」と「従業員(退職者を含む)」に分けて項目を示した。客への連絡は住宅メーカー・工務店を通じて実施 |
第1報では、客の情報は「氏名 約500件」とされ、図面や見積書は「調査中」でした。調査完了の発表では、客について氏名に加えて住所・電話番号・顧客コード・図面・見積書が並び、「対象者様ごとに漏えいしたおそれのある項目は異なります」と添えられています。一方で、12月23日の発表には件数の記載がありません。第1報の約500件が最終的な人数かどうかは、公式の文面からは読み取れないため、この記事では件数を断定しません。
従業員の情報も、第1報では「顔写真、携帯電話番号 約300件」、調査完了の発表では「氏名、所属部署、役職」と書かれています。2回の発表で挙げられた項目が違うので、従業員や退職者の人は、両方の発表を読んだうえで会社からの案内を確かめるのが確実です。
第1報で同社は、関係する行政機関への報告、判明していた関係者への連絡、外部の調査会社による被害状況と影響範囲の調査を始めたと説明しています。端末の接続を切ったのは被害の判明後で、その時点で個人情報が悪用された事実は確認されていないとも書かれています。
2026年11月1日時点で、同社のお知らせ一覧には2025年12月23日のお知らせより後に、この件の続報は掲載されていません。一覧には2026年10月1日付の「本社移転のご案内」がありますが、これは今回の事案とは関係の無い案内で、問い合わせ先の電話番号は変わらないと書かれています(窓口の節で触れます)。
漏えいしたおそれのある情報と、記載が無い情報
調査完了の発表で示された項目を、対象の区分ごとに整理します。公式の注記どおり、すべての人にすべての項目が当てはまるわけではありません。
| 対象 | 漏えいしたおそれのある項目(2025年12月23日の発表) |
|---|---|
| 住友林業などの住宅メーカーや工務店を通じて、同社の製品を納入した客 | 氏名、住所、電話番号、顧客コード、図面、見積書(人ごとに異なる) |
| 同社の従業員(退職者を含む) | 氏名、所属部署、役職(人ごとに異なる) |
| 公式の記載が無いもの | 扱い |
|---|---|
| クレジットカード番号 | 発表に記載が無い。含まれるとも含まれないとも書かれていない |
| 銀行口座の番号 | 発表に記載が無い |
| メールアドレス | 発表に記載が無い |
| 生年月日 | 発表に記載が無い |
| 件数(調査完了時点) | 12月23日の発表には記載が無い(第1報は客の氏名約500件) |
ここで注意したいのは、同社が「この情報は含まれない」と明記した項目が無いことです。ほかの社の漏えいの発表では「クレジットカード情報は含まれません」と書かれることがありますが、今回の発表にはその種の一文がありません。記載が無いことを理由に「カード情報は大丈夫」と言い切ることはできません。ただ、同社は建材のメーカーで、家の持ち主から直接代金を受け取る立場にないことが多いため、心配な人は窓口でカードや口座の情報を同社が持っているかを尋ねるのが近道です。
図面と見積書は、ほかの社の発表ではあまり見ない項目です。図面とは、家の間取りや階段・収納・建具の取り付け位置を描いた図のことで、見積書は製品の品番や数量、金額を並べた書類です。どちらも人によって中身が違い、図面に施主の名前や現場の住所が書き込まれていることもあります。同社はどの客のどの図面が該当するかを公表していないため、自分の図面にどこまでの情報が載っていたかは、家を建てた住宅メーカーや工務店に聞くのが確実です。
顧客コードとは、会社が客を見分けるために振る管理番号のことです。番号そのものでログインや支払いができるわけではありませんが、「お客様番号は○○ですね」と番号を読み上げて信用させる電話の材料になり得ます。
住所が漏れたおそれがあるときの一般的な考え方は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で、起きやすいことと備えの順番を整理しています。今回は住所に加えて家の図面が関わる点が特徴なので、次の節以降で図面ならではの注意を書きます。
原因:サポート詐欺で遠隔操作ソフトを入れたこと
サポート詐欺とは、パソコンでWebサイトを見ている最中に「ウイルスに感染しました」といった偽の警告を出し、画面に表示した電話番号にかけさせて、遠隔操作ソフトを入れさせたり、修理代やサポート代を払わせたりする詐欺のことです。遠隔操作ソフトとは、離れた場所から相手のパソコンの画面を見たり操作したりできるソフトで、正規の会社も保守やサポートに使っています。ソフトそのものは正規の製品でも、詐欺師に操作の権限を渡してしまうと、パソコンの中のファイルを見られるおそれが生じます。
同社の発表では、2025年3月24日、品質保証に関するカスタマーサポート業務の担当者が業務用パソコンでサポート詐欺のサイトへ誘導され、遠隔操作ソフトをインストールしたことで不正なアクセスを受けたとされています。どの警告画面が出たのか、どのソフトだったのか、何分間操作されたのかは公表されていません。この記事でもそこは推測しません。
情報処理推進機構(IPA)は、偽のセキュリティ警告について次のように説明しています。
画面が表示されただけであれば、 パソコンは「コンピュータウイルス」には感染しておらず、「偽セキュリティ警告画面」を閉じるだけで問題ありません。 出典: IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」
つまり、警告画面が出た段階ではまだ被害は起きておらず、電話をかけて遠隔操作ソフトを入れる段階で被害が生まれます。同じページでIPAは、あわてて画面をクリックするとディスプレイいっぱいに表示されてマウスで閉じられなくなること、表示された番号に電話すると思わぬ被害に遭うことを挙げ、画面の閉じ方を練習できる体験サイトを用意しています。
今回の件でもう1つ読み取れるのは、標的が個人ではなく会社の業務用パソコンだったことです。サポート詐欺は家庭のパソコンを狙う詐欺として知られていますが、仕事中に開いたWebサイトでも同じ画面は出ます。業務用パソコンには、取引先や客の図面・見積書・名簿が保存されていることが多く、1台に操作の権限を渡すだけで、自分以外の人の情報まで見られる状態になります。手口の詳しい流れはパソコンサポートを装う詐欺の手口にまとめています。
住友林業クレストの対応
公式発表に書かれている同社の対応を、時系列で並べます。発表に無いこと(補償やお詫びの品の有無など)は書きません。
- 被害の判明後、該当する従業員のパソコンのインターネットと社内ネットワークへの接続を遮断した(第1報)
- 関係する行政機関へ報告した(第1報)
- その時点で判明していた関係者に連絡し、外部の調査会社による被害状況と影響範囲の調査を始めた(第1報)
- 調査を完了し、漏えいしたおそれのある対象と項目を公表した(2025年12月23日)
- 漏えいのおそれのある客に、住宅メーカーや工務店に声をかけて連絡した。住所の変更などで通知が難しい人には、ホームページでの公表を通知の代わりとした(2025年12月23日)
- 情報セキュリティの社内教育の徹底、個人情報を取り扱う業務プロセスの見直し、情報セキュリティ施策の強化を再発防止策として挙げた(第1報と12月23日)
補償やお詫びの品について、2回の発表には記載がありません。この記事でも補償の有無は推測しません。ほかの社の例や、補償を求めるときの一般的な考え方は情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理しています。
注目したいのは、通知の経路が「住宅メーカーや工務店を通じて」になっている点です。同社が客の連絡先を直接持っていない場合や、住宅メーカーとの契約上、客への連絡を住宅メーカーが受け持つ場合があるためと考えられますが、理由は公式には書かれていません。いずれにしても、対象の客に届く連絡は、住友林業クレストの名前ではなく、家を建てた住宅メーカーや工務店の名前で届く可能性があります。
自分が対象かを確かめる方法
対象になり得るのは、住友林業などの住宅メーカーや工務店を通じて、住友林業クレストの製品を家に納入した人です。同社の製品には、階段、床材、建具(室内のドアや引き戸)、収納、玄関収納、造作材などがあります。ただし、同社の製品が入った家に住んでいる人が全員対象というわけではありません。どの人が対象かは同社と住宅メーカー側の記録で決まります。
確かめる手順は次のとおりです。
- 2025年4月以降に、家を建てた住宅メーカーや工務店から、この件についての連絡(郵便、電話、メールなど)が届いていないかを思い出す。届いた書面があれば、差出人と問い合わせ先を控える
- 家の引き渡し書類や仕様書に、住友林業クレストの製品名や「BeRiche」などのブランド名が載っていないかを見る
- 連絡が無く、心当たりがある場合は、まず家を建てた住宅メーカーや工務店の窓口に、この件で自分が対象になっているかを尋ねる
- それでも分からないときは、住友林業クレスト総務部(052-205-8401、平日9:00から17:00)に問い合わせる
引っ越しをした人は特に注意が必要です。同社は、住所の変更などで本人への通知が難しい人には、ホームページでの公表を通知の代わりにすると書いています。つまり、引っ越し前の住所あてに案内が送られていて、本人には届いていないことがあり得ます。家を売った人や、親から家を相続した人も、元の名義で記録が残っている可能性があるので、心当たりがあれば窓口で確かめてください。
賃貸住宅や分譲マンションに住んでいる人は、製品を納入した時点の記録上の客が、建物の持ち主や売り主になっている可能性があります。自分が対象かどうかは住んでいる人の側からは分かりにくいため、気になる場合は管理会社や売り主の窓口に、この件の連絡を受けているかを尋ねる方法があります。
確かめるときに、相手から先に電話がかかってきた場合は注意します。「住友林業クレストの情報漏えいの件で」と名乗る電話がかかってきても、その場で生年月日やカード番号を答えず、いったん切って、手元の契約書類や同社の公式サイトに載っている番号へ自分からかけ直します。今回の発表では、同社がカード番号や口座番号を電話で聞くとは書かれていません。
図面と住所がそろうと起きやすいこと
住所・電話番号・図面が同じ人の情報としてそろうと、家の様子を知っているかのように話を進める連絡に使われやすくなります。2026年11月1日時点で、同社は悪用された事実は確認されていないと発表しているので、ここで書くのは「起きたこと」ではなく「備えておくと防ぎやすいこと」です。
想定しておきたい連絡の例を挙げます。
- 「お宅の階段(または床、建具)に不具合が見つかったので無料点検に伺います」と訪問の日時を決めようとする電話
- 製品の回収や無償交換を装い、作業費や部品代を先に振り込ませようとする案内
- 住宅メーカーやリフォーム会社を名乗り、「図面を拝見しました」と言って高額な工事を勧める訪問
- 顧客コードや見積書の品番を読み上げて信用させ、本人確認と称して生年月日や口座番号を聞く電話
- 「情報漏えいの補償の手続き」を装い、カード番号を入力させるサイトへ誘導するショートメッセージ
住友林業クレストの公式サイトには、実際に「謹告」として製品の点検や交換の案内が掲載されることがあります。本物の案内かどうかは、連絡してきた相手に聞くのではなく、自分で同社の公式サイトのお知らせ一覧を開いて確かめるのが確実です。訪問を求められたら、日時をその場で決めず、家を建てた住宅メーカーや工務店に「この会社から点検の連絡があったが本物か」と確かめてから決めます。
点検商法とは、無料点検を名目に家に上がり、不安をあおって不要な工事や商品を契約させる手口のことです。図面を持っている相手は、家の構造を言い当てられるため話に説得力が出やすく、断りにくくなります。家族、とくに日中家にいる高齢の家族には、「階段や床の点検の電話が来ても、すぐに家に入れず、契約した会社に確かめる」と一声かけておくと防ぎやすくなります。
住所と電話番号を使う連絡はメールより郵便や電話が中心になります。不審な郵便物が届いたときは、同封の振込用紙にすぐ払い込まず、差出人の会社の代表番号を自分で調べて確かめてください。困ったときは、消費者ホットラインの188番で最寄りの消費生活センターにつながります。
対象かもしれない人がすること
漏えいしたおそれのある項目に合わせて、要る対策だけを並べます。パスワードやカード番号は今回の発表の項目に入っていないため、全部のサービスのパスワードを急いで変える必要はありません。
| 項目 | すること |
|---|---|
| 氏名・住所 | 家族に、住宅の点検や交換を名乗る訪問・郵便が来たら契約した会社に確かめるよう伝える。不審な郵便物は振り込む前に差出人を自分で調べる |
| 電話番号 | 知らない番号からの「住宅」「点検」「補償」の電話には、その場で個人情報を答えない。かけ直すときは手元の書類の番号を使う |
| 顧客コード | 番号を言い当てられても本物の会社だと判断しない。番号は信用の根拠にならない |
| 図面・見積書 | 家の構造や製品名を知っている相手でも、訪問の約束はその場でしない。住宅メーカーや工務店に確かめてから決める |
1つ目にするのは、家族との共有です。図面や住所は世帯で共通の情報なので、本人だけが知っていても、家にいる別の家族が電話に出れば防げません。2つ目は、家を建てた住宅メーカーや工務店の正しい連絡先を控えることです。引き渡し書類やアフターサービスの冊子に載っている番号を、電話帳やメモに保存しておくと、怪しい連絡が来たときにすぐかけ直せます。3つ目は、この件で届いた書面を保存することです。後から問い合わせるときに、差出人や日付が分かると話が早く進みます。
メールアドレスは発表の項目に入っていませんが、漏えいの話題に便乗した偽メールは対象かどうかに関係なく届くことがあります。メールの本文のリンクから補償の手続きを求められても開かず、公式サイトを自分で開いて確かめる習慣をつけておくと、ほかの事案でも役に立ちます。会社でメールの見分け方を教える仕組みについては、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。
従業員や退職者の人は、会社からの案内に従ってください。第1報で顔写真と携帯電話番号が挙げられていたことから、SNSのプロフィール写真と照らし合わせて本人を特定しようとする連絡や、会社名を名乗るショートメッセージに注意しておくと安心です。
サポート詐欺の画面が出たときの対処
今回の原因になったサポート詐欺は、誰のパソコンでも起こり得ます。画面が出たときの対処を、IPAの説明に沿って整理します。
- 表示された電話番号には電話しない
- 画面のボタンをあわててクリックしない
- 全画面表示になっているときは、キーボードの「ESCキー」を長押しして「閉じるボタン」を出し、ブラウザを閉じる
- 「ESCキー」の長押しで閉じるボタンが出ないときは、警告画面の中を一度クリックしてから、もう一度「ESCキー」を長押しする
- タブレット端末では、全画面表示の任意の場所を長く押すと画面中央の上側に×マークが出るので、それを押して閉じる
IPAは、この操作を練習できる体験サイトをパソコン向けに公開しています。画面が出ただけならウイルスには感染していないので、閉じれば問題ないというのがIPAの説明です。
すでに電話をかけてしまい、遠隔操作ソフトを入れてしまった場合は、次の順で動きます。
- パソコンをインターネットから切り離す(LANケーブルを抜く、Wi-Fiを切る)
- 会社の業務用パソコンなら、すぐに社内の情報システムの担当者や上司に報告する。住友林業クレストの対応でも、最初にしたのは端末の接続の遮断だった
- 個人のパソコンなら、入れてしまった遠隔操作ソフトを削除し、セキュリティソフトで検査する。自信が無ければ、次の相談窓口に手順を聞いてから進める
- 相手にクレジットカード番号を伝えたり、電子マネーで支払ったりした場合は、カード会社や支払いに使ったサービスに連絡する
- 判断に迷うときは、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口(電話 03-5978-7509、受付は10時00分から17時00分、土日祝日・年末年始を除く)に相談する
遠隔操作をされていた間に、パソコンに保存されたファイルを見られた可能性は残ります。業務で預かった客や取引先の情報があった場合、それは自分だけの問題ではなくなるため、「大ごとにしたくない」と黙っていると対応が遅れます。住友林業クレストの件では、判明した日から3週間あまりで第1報が公表され、約9か月後に調査完了が発表されました。外部の調査会社による調査には時間がかかることも、この経緯から分かります。
工務店や住宅メーカーの担当者、従業員と退職者が気をつけること
今回の件では、客への連絡を住宅メーカーや工務店が受け持っています。そのため、施主から「住友林業クレストの件で自分の情報は大丈夫か」と聞かれるのは、まず住宅メーカーや工務店の担当者です。担当者が答えるときは、同社の2回の公式発表に書かれた範囲を超えて「カード情報は無事です」「件数は500件です」と言い切らないことが大切です。12月23日の発表には件数もカード情報の記載も無いため、分からないことは分からないと伝え、総務部の番号を案内するほうが、後で食い違いが出ません。
施主に説明するときに役立つのは、次の3点です。
- 漏えいの明確な痕跡は確認されていないが、可能性を完全には否定できないという、同社の結論の言い方
- 対象の項目は人ごとに違い、氏名・住所・電話番号・顧客コード・図面・見積書のうちの一部であること
- 点検や交換を名乗る不審な連絡があれば、施主が契約した会社の番号へかけ直してほしいこと
工務店の側でも、施主の図面や見積書を社外とやり取りする機会は多く、自社のパソコンで同じサポート詐欺の画面が出る可能性があります。客の情報を扱うパソコンで警告画面が出たら、電話をかけずに閉じる、閉じられなければ社内で相談する、という手順を事務所の全員で共有しておくと、同じ形の事故を防ぎやすくなります。
従業員と退職者は、会社から届く案内を確かめてください。第1報では顔写真と携帯電話番号、調査完了の発表では氏名・所属部署・役職が挙げられています。会社名と部署名を知っている相手から、取引先を装う連絡や、会社の担当者を装って社内の情報を聞き出そうとする連絡が来る可能性に備え、心当たりの無い連絡は社内の窓口に確かめてから対応すると安心です。
問い合わせ窓口
公式発表に載っている窓口は1つです。
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 住友林業クレスト株式会社 総務部 | 052-205-8401 | 平日 9:00から17:00 |
同社は2026年10月13日から、本社を愛知県名古屋市中区錦2-4-15 ORE錦二丁目ビル7階へ移しています。本社移転のご案内には、代表電話と各部の電話番号・FAX番号は変更が無いと書かれています。したがって、2026年11月1日時点でも上の番号が窓口です。
電話の前に、手元に次のものを用意しておくと話が早く進みます。
- 家を建てた(またはリフォームした)住宅メーカーや工務店の名前
- 引き渡しの年月と、当時の住所
- この件で届いた書面があれば、その日付と差出人
この窓口はあくまで今回の件の問い合わせ先です。製品の不具合や点検の相談は、同社のサイトにある製品のお問い合わせや、家を建てた会社のアフターサービスの窓口が担当していることがあります。点検を名乗る連絡が本物かを確かめたいときは、両方に尋ねてかまいません。
同社の第1報は、当社におけるサポート詐欺の不正アクセスに伴う情報漏えいのおそれがある事案の発生についてとして公開されており、2回の発表は同社のお知らせ一覧から開けます。
在宅で仕事をする人が取引先の情報を預かるときの注意
在宅で図面作成、CAD、見積書の作成、事務代行などを請け負う人は、今回の件を自分ごととして読む価値があります。住友林業クレストの件は、1人の従業員が1台のパソコンで遠隔操作ソフトを入れたことから始まりました。在宅で働く人の自宅のパソコンにも、取引先から預かった図面や名簿、見積書が保存されていることが多く、構図は同じです。
個人情報保護委員会は、個人データの漏えいやそのおそれが起きたときに、委員会への報告と本人への通知が義務になる場合を示しています。その1つが、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等(またはそのおそれ)で、例として外部からの不正アクセスが挙げられています。報告の期限について、委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料には次のように書かれています。
不正な目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から、60日以内 出典: 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」
個人で仕事を請け負う人でも、業務で個人情報を扱えば、法律上の「個人情報取扱事業者」に当たることがあります。自分が報告の主体になるのか、委託元の会社が報告するのかは契約や扱う情報で変わるため、一般論で決めず、取引先と契約の内容を確かめてください。少なくとも、遠隔操作ソフトを入れてしまった、ファイルを見られたかもしれない、と気づいた時点で、すぐに取引先へ伝えることが前提になります。
在宅で働く人が今日からできる備えを挙げます。
- 仕事用のパソコンと、家族が使うパソコンやブラウザを分ける
- 取引先から預かった図面や名簿は、作業が終わったら契約に従って返却するか削除し、パソコンに残し続けない
- 遠隔操作ソフトは、取引先から指定されたもの以外を入れない。サポートを名乗る相手から入れるよう言われても、自分から正規の窓口に確かめる
- パソコンのログインやクラウドのアカウントに多要素認証を設定する
- 偽の警告画面が出たときの閉じ方を、IPAの体験サイトなどで一度練習しておく
セキュリティの知識は、そのまま仕事の幅にもつながります。社内のパソコンの管理やセキュリティ教育を手伝う在宅の仕事もあり、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
運営者として見てきたこと
在宅ワークの仲介サイトを2004年から運営してきた立場から見ると、仕事を受ける人のトラブルで多いのは、高度な攻撃よりも「急かされて、その場で操作してしまう」形のものです。偽の警告画面、身に覚えのない請求、取引先を名乗る急ぎの連絡は、どれも考える時間を奪うところに共通点があります。長く仕事を続けている人ほど、即答しない、自分で調べた番号にかけ直す、預かった情報を手元に残しすぎない、という地味な習慣を持っています。
もう1つは、取引先の信頼は「事故を起こさないこと」と同じくらい「起きたときにすぐ伝えること」で保たれるという点です。住友林業クレストの件でも、発表の中心は、接続の遮断、行政機関への報告、外部調査、関係者への連絡という順序でした。個人で仕事を請け負う人も、もしもの時に誰へ何を伝えるかを、取引を始める前に取引先と決めておくと、慌てずに動けます。
住友林業クレストの製品が家に入っている人は、まず家を建てた会社からの連絡を確かめ、住宅の点検や交換を名乗る連絡には即答しないことから始めてください。続報が出た場合は、同社のお知らせ一覧に掲載されるはずなので、気になる人は一覧を時々開いて確かめると安心です。
よくある質問
Q. 住友林業クレストの情報漏えいでは何件の情報が対象ですか?
2025年4月15日の第1報では、客の氏名約500件、従業員の顔写真・携帯電話番号約300件と書かれていました。2025年12月23日の調査完了の発表では、対象を製品を納入した客と従業員(退職者を含む)に分けて項目を示していますが、件数の記載はありません。2026年11月1日時点で、最終的な件数は公式に示されていません。
Q. 住友林業クレストと直接取引した覚えがなくても対象になりますか?
なることがあります。同社は、住友林業などの住宅メーカーや工務店を通じて製品を納入した客の情報が対象だと発表しています。家を建てた会社が同社の階段や床材、建具などを使っていれば、本人が同社と直接契約していなくても記録が残っている場合があります。まず家を建てた会社に確かめてください。
Q. クレジットカードの情報は漏えいしたおそれがありますか?
同社の発表には、クレジットカード番号や口座番号についての記載がありません。含まれるとも含まれないとも書かれていないため、断定はできません。同社は建材のメーカーで、家の持ち主から直接代金を受け取らないことが多いですが、心配な場合は総務部(052-205-8401、平日9:00から17:00)に尋ねると確実です。
Q. 住宅の点検を名乗る電話が来たらどうすればよいですか?
その場で訪問の日時を決めず、生年月日や口座番号も答えないでください。いったん電話を切り、家を建てた住宅メーカーや工務店の、手元の書類に載っている番号へ自分からかけ直して、本物の連絡かを確かめます。製品の点検や交換の案内が本物かは、住友林業クレストの公式サイトのお知らせ一覧でも確かめられます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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