JiraでWBSを作る手順と、課題の親子関係で作業を分ける方法


この記事のポイント
- ✓JiraでWBSを作る手順を
- ✓エピック・タスク・サブタスクの親子関係への当てはめ方
- ✓タイムラインでの日程の引き方の順に解説します
JiraでWBSを作りたいのに、Excelの表のように大項目、中項目、小項目と並べる画面が見当たらない。開発チームがJiraを使っているので、プロジェクト全体の計画もJiraに乗せたいが、どう作ればよいか分からない。中小企業のシステム導入を支援していると、発注する側の担当者からこの相談をよく受けます。
結論から言うと、JiraでのWBSは、作業項目の親子関係で作ります。エピックを大項目、その下のタスクを中項目、さらにその下のサブタスクを細かい作業に当てはめ、日程はタイムラインのビューで引きます。この記事では、Atlassianの公式ヘルプの記載をもとに、Jiraの階層の仕組み、WBSを作る具体的な手順、プランによる違い、WBSの分け方で失敗しないコツを説明します。Jiraが自分たちの規模には重いと感じた場合に、ガントチャートやカンバンを無料から使えるPinatecaのような道具を選ぶ方法も、後半で紹介します。
WBSとは何か
WBSとは、Work Breakdown Structureの頭文字で、日本語では作業分解構成図と呼ばれます。プロジェクトで行う作業を、大きなまとまりから順に細かく分けていき、木の枝のような構造で整理したものです。
たとえば、会社のWebサイトをリニューアルするプロジェクトなら、最初に「企画」「デザイン」「原稿作成」「開発」「公開準備」のような大きなまとまりに分けます。次に「デザイン」を「トップページのデザイン」「下層ページのデザイン」「スマートフォン表示の確認」に分け、さらに「トップページのデザイン」を「ラフ案の作成」「確認と修正」「確定」に分ける、という具合です。
WBSを作る目的は3つあります。1つ目は、やるべき作業の漏れを防ぐことです。大きなまとまりから順に分けていくと、考えていなかった作業に気づきます。2つ目は、見積もりを正確にすることです。「デザイン 1か月」と大まかに見積もるより、細かい作業ごとに日数を積み上げた方が、全体の期間の見込みが現実に近くなります。3つ目は、担当を決めやすくすることです。作業が細かく分かれていれば、誰が何をするかを1つずつ割り当てられます。
発注する側の立場から言えば、WBSは外注先との認識をそろえる道具でもあります。「ここまでが見積もりに含まれる作業です」とWBSで示せれば、あとから「それは見積もりに入っていません」というもめ事を減らせます。外注で失敗する原因の多くは、作業の範囲のあいまいさにあります。
WBSとガントチャートの違い
WBSとよく一緒に語られるのが、ガントチャートです。どちらもプロジェクトの計画に使う図ですが、役割が違います。この違いを押さえておくと、Jiraのどの機能で何を作ればよいかが分かりやすくなります。
WBSは、「何をやるか」を整理する図です。作業を大きなまとまりから細かく分け、漏れなく並べることが目的で、日程は含みません。一方、ガントチャートは、「いつやるか」を整理する図です。作業ごとの開始日と終了日を横棒で並べ、作業の重なりや順番を目で確かめられるようにします。
実際の計画では、先にWBSで作業を洗い出し、そのあとで作業ごとに日数と担当者を決めて、ガントチャートに日程を引く、という順番で進めます。WBSを飛ばしていきなりガントチャートを引くと、作業の漏れに気づかないまま日程を決めてしまい、あとから予定が崩れます。
Jiraに当てはめると、作業項目の親子関係がWBS、タイムラインのビューがガントチャートにあたります。同じ作業項目のデータを、親子関係の構造で見るか、日程の横棒で見るかの違いなので、WBSを作れば、日程を入れるだけでガントチャートもできあがります。Excelで別々に作っていた2つの資料を、1つのデータで管理できるのが、JiraでWBSを作る利点です。
Jiraの親子関係の仕組み
JiraでWBSを作る前に、Jiraが作業をどう階層で管理しているかを押さえておきます。
Jiraでは、管理する作業の1つ1つを「作業項目」と呼びます。以前は「課題」と呼ばれていたもので、古い解説記事では課題と書かれていることがあります。Atlassianの公式ヘルプでは、作業項目はJiraの基本構成要素で、ストーリー、バグ、タスクなどの作業タイプを表すと説明されています。作業項目には、個別に割り当てて追跡できるサブタスクを含められます。また、プロジェクトにあたる単位は、現在の画面では「スペース」と表記されています。
作業項目には階層があります。公式ヘルプ「計画のカスタム階層レベルを設定する」によると、既定では、レベル1の作業タイプとしてエピック、レベル0の作業タイプとしてストーリーが設定されていて、サブタスクはレベル-1、つまりストーリーより下位とみなされます。
これをWBSに当てはめると、次のようになります。
| Jiraの階層 | 作業タイプの例 | WBSでの役割 |
|---|---|---|
| レベル1 | エピック | 大項目(フェーズや成果物のまとまり) |
| レベル0 | タスク、ストーリー、バグ | 中項目(担当者に任せる作業) |
| レベル-1 | サブタスク | 小項目(作業の細かい手順) |
エピックとは、公式ヘルプによると、関連する多数の作業を集めるために使う既定の作業タイプです。エピックという名前は変更でき、名前を変えても機能は同じと書かれています。WBSの大項目として使うなら、「フェーズ」のような分かりやすい名前に変えてもよいということです。
既定の3段階で足りない場合は、上位の階層を追加する方法があります。公式ヘルプによると、Jira PremiumとEnterpriseのプランでは、レベル1を超えるレベルを追加して、企業管理対象のプロジェクトで大規模な取り組みを追跡し、複数のスペースをまたいで作業の計画を立てられます。たとえば「プロジェクト全体」というレベルをエピックの上に追加すれば、4段階のWBSになります。ただし、この設定はJira管理者の権限を持つ人だけが行えます。
JiraでWBSを作る前の準備
いきなりJiraに作業項目を入力し始めると、途中で構造を作り直すことになりがちです。まずは紙や表計算のファイルで、WBSの骨組みを作っておきます。
成果物から分ける
WBSの分け方には、作業の順番(フェーズ)で分ける方法と、作る物(成果物)で分ける方法があります。迷ったら、成果物で分ける方が漏れが出にくいです。「トップページ」「会社案内のページ」「お問い合わせのフォーム」のように、最終的に納める物を先に並べ、その物を作るのに必要な作業を下に分けていきます。
分ける細かさの目安
どこまで細かく分けるかの目安は、「1人の担当者が、数日から1週間程度で終えられる大きさ」です。これより大きいと進み具合が見えにくくなり、これより細かいと管理の手間が増えます。Jiraでは、この大きさの作業をタスク(レベル0)にし、それより細かい手順が必要ならサブタスクにします。
完了の条件を決める
作業ごとに、何をもって完了とするかを決めておきます。「トップページのデザイン」なら、「ラフ案を作った」なのか「発注者の確認が終わった」なのかで、完了の時期が変わります。完了の条件があいまいだと、進捗の数字が実態と合わなくなります。
JiraでWBSを作る手順
骨組みができたら、Jiraに入力していきます。ここでは、ソフトウェアのスペースで作る流れを説明します。
手順1 スペースを作る
プロジェクトのためのスペースを作ります。すでに開発チームが使っているスペースがあるなら、そこに作ってもかまいません。後で説明するタイムラインのビューは、公式ヘルプによると1つのスペースに関連付けられた作業項目でのみ機能するので、WBSの作業項目は1つのスペースにまとめておくのが基本です。
手順2 エピックを作る(大項目)
WBSの大項目を、エピックとして作ります。公式ヘルプによると、画面上部のナビゲーションバーの「作成」(+)を選ぶと作成のダイアログが開き、スペースと作業タイプを選んでタイトルを入力できます。作業タイプにエピックを選び、「デザイン」「原稿作成」のように大項目の名前を入れて作成します。同じ作業タイプで続けて作るときは、「もう1つ作成」のチェックボックスを使うと手早く入力できます。
手順3 タスクを作ってエピックにつなぐ(中項目)
次に、中項目をタスクとして作り、親にエピックを指定します。親を指定すると、タスクはそのエピックの子として扱われます。公式ヘルプによると、エピックに属する作業項目は、検索の条件に parent フィールドを使って探せます。以前は Epic Link というフィールドが使われていましたが、新しく検索の条件を作るときは parent を使うよう案内されています。
手順4 サブタスクを作る(小項目)
タスクの中にさらに細かい手順がある場合は、サブタスクを作ります。サブタスクは、親のタスクの画面から追加します。サブタスクにも担当者を割り当てられるので、1つのタスクを複数の人で分担するときに便利です。
手順5 担当者と期日を入れる
作業項目ごとに、担当者、開始日、期限を入れていきます。期日が入っていない作業項目は、次の手順のタイムラインに横棒として表示されません。
手順6 タイムラインで日程を確かめる
WBSに日程を引いた図、つまりガントチャートは、Jiraのタイムラインのビューで確かめます。公式ヘルプ「タイムライン ビューとは何ですか? どのように使用するのですか?」では、タイムラインは作業項目のタイミングと順番を視覚化して計画するためのガントチャートのビューで、スケジュールバーは各作業項目の開始日と期限を表すと説明されています。バーをドラッグして日程を変えたり、作業項目どうしの依存関係をつないだりできます。
同じヘルプには、親の項目の日付と進捗を、子の作業項目から自動で反映させる仕組みも書かれています。親の開始日は子の最も早い開始日に、親の終了日は子の最も遅い期限になり、親の進捗には子のステータスが反映されます。WBSの大項目の期間を手で計算しなくても、中項目の日程を入れれば自動でそろうということです。
例で見るJiraのWBS(Webサイトのリニューアル)
手順だけでは形がつかみにくいので、社員30人ほどの会社がWebサイトをリニューアルするプロジェクトを例に、JiraのWBSを組んでみます。期間は3か月、社内の担当者が2人、外注の制作会社が3人という想定です。
エピック(大項目)
エピックは、成果物と進め方のまとまりで5つ作ります。「企画と要件の整理」「デザイン」「原稿と写真」「開発」「公開準備」です。エピックの名前の頭に「1.」「2.」のような番号を付けておくと、一覧で並べたときに順番が分かりやすくなります。
タスク(中項目)
各エピックの下に、数日から1週間で終わる大きさのタスクを作ります。たとえば「デザイン」のエピックの下には、「トップページのデザイン案の作成」「下層ページのデザイン案の作成」「デザインの社内確認」「デザインの修正と確定」の4つを作ります。「原稿と写真」の下には、「会社案内の原稿作成」「サービス紹介の原稿作成」「採用ページの原稿作成」「写真の撮影」「原稿の社内確認」を作ります。
ここで大事なのは、社内の担当者の作業もタスクにしていることです。「デザインの社内確認」「原稿の社内確認」は発注する側の作業で、担当者は社内の2人のどちらかです。これを入れておかないと、確認の遅れが見えなくなります。
サブタスク(小項目)
細かい手順を分けて管理したいタスクにだけ、サブタスクを作ります。たとえば「写真の撮影」には、「撮影場所の手配」「撮影する人への連絡」「撮影の当日の立ち会い」「写真の選定」のサブタスクを付けます。全部のタスクにサブタスクを付ける必要はありません。
件数の目安
この例では、エピック5つ、タスク20件前後、サブタスク15件前後で、合わせて40件ほどの作業項目になります。この規模なら、画面から1件ずつ作っても1時間ほどで入力できます。週に1回の定例で、各担当者が自分の作業項目のステータスと期日を見直す運用にすれば、更新の手間も1人あたり数分で済みます。
外注先とJiraを共有するときの注意
外注先と同じJiraのスペースでWBSを管理すると、進み具合をお互いにいつでも確かめられて便利です。一方で、共有するときに気をつけたい点もあります。
1つ目は、権限の範囲です。料金ページでは、ユーザーのロールと権限、外部とのコラボレーションの機能はStandardプラン以上に含まれると案内されています。外注先に社内の別のプロジェクトまで見えてしまわないよう、スペースごとに見られる人を確かめます。
2つ目は、ユーザーの数です。Jiraの料金はユーザーの数で決まるので、外注先のメンバーを追加すると、その分だけ費用が増えます。Freeプランは最大10ユーザーまでなので、社内と外注先を合わせて10人を超える場合は、有料のプランを検討する必要があります。
3つ目は、更新のルールです。外注先と社内で、誰がどの作業項目のステータスを更新するのかを決めておきます。外注先の作業は外注先が、社内の確認の作業は社内の担当者が更新する、という分担がはっきりしていれば、ステータスが古いまま放置されることを防げます。
4つ目は、契約との関係です。WBSに載せた作業の範囲が、契約書や発注書の作業の範囲と合っているかを確かめます。WBSにだけ作業が追加され、契約の内容が変わっていない、という状態は、あとで費用の話になったときにもめる原因になります。作業の範囲が変わるときは、WBSと契約の両方を見直します。
WBSを運用で回すコツ
WBSは、作ったあとの運用で価値が決まります。Jiraで運用を回すためのコツを整理します。
ステータスは少なく
作業項目のステータスは、「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」の4つ程度に絞ります。ステータスが多いと、どれを選べばよいか迷い、更新が遅れます。
週に1回、期日を見直す
週に1回、タイムラインを全員で見て、期日が過ぎている作業項目と、今週期日を迎える作業項目を確かめます。遅れている作業項目があれば、その遅れが後ろの作業にどう影響するかを、タイムラインの依存関係で確かめます。
完了したエピックを閉じる
エピックの下の作業項目が全部完了したら、エピックも完了にします。完了したエピックを閉じておかないと、一覧が長くなり、進行中の作業が見えにくくなります。
振り返りに使う
プロジェクトが終わったら、計画の期日と実際の完了日を比べて、どの作業に想定より時間がかかったかを振り返ります。次に似たプロジェクトを計画するとき、見積もりの精度が上がります。
CSVでまとめて取り込む方法
作業項目が数十件を超える場合、1件ずつ画面から作るのは手間がかかります。Jiraには、CSVファイルから作業項目をまとめて作る機能があり、公式ヘルプにも「CSVインポーターを使用して作業項目を作成する」の手順が用意されています。
表計算のファイルでWBSを作っている場合は、それをCSVに書き出して取り込むと、手入力の手間を省けます。このとき、親子関係を正しく取り込むには、親の作業項目を見分けるための列を用意する必要があります。取り込みの細かい設定は、スペースの種類や権限によって変わるので、公式ヘルプの手順を確かめながら進めます。
大量の作業項目を取り込む前に、5件ほどで試して、親子関係が意図どおりになるかを確かめておくと、やり直しの手間を防げます。取り込んだあとで構造が崩れていると、1件ずつ直すことになります。取り込みに使うCSVは、Excelで作ったWBSの表から列を整理して作ります。大項目、中項目、作業の名前、担当者、開始日、期限の列があれば、取り込みの準備としては十分です。
タイムラインを使うときの注意
タイムラインは便利ですが、公式ヘルプにはいくつかの制限も書かれています。WBSとして使う前に知っておきたい点を整理します。
1つ目は、1つのスペースの作業項目しか表示できないことです。公式ヘルプ「Jira のタイムライン制限」によると、タイムラインのビューは1つのスペースに関連付けられたバックログの作業項目でのみ機能し、スペースをまたいだ計画は、Jira PremiumとEnterpriseに含まれるプランでのみ可能とされています。複数のチームが別々のスペースで作業している場合、全体のWBSを1枚のタイムラインで見るには、上位のプランが必要になります。
2つ目は、表示される階層の数です。同じヘルプには、フィルターを使うとタイムラインにはレベル1とレベル0の2つの階層だけが表示されると書かれています。サブタスクまで含めた細かいWBSを1画面で見渡したい場合は、この点に注意が必要です。
3つ目は、ボードに表示できる数の上限です。公式ヘルプには、ボードには一度に最大5,000個の作業項目を表示できると書かれています。通常のWBSでこの数に達することはまずありませんが、長期のプロジェクトで完了した作業項目が積み上がっていく場合は、フィルターで表示を絞る必要があります。
プランによる違いと費用の考え方
Jiraの料金は、Atlassianの料金ページで確かめられます。2026年10月13日に月額の請求で表示を確かめたところ、Freeは最大10ユーザーまで無料、Standardは1ユーザーあたり月額1,085円、Premiumは1ユーザーあたり月額1,987円と表示されていました。年間の請求に切り替えると最大17%割引と案内されています。表示はチームの規模や請求の方法で変わるので、契約の前に必ず料金ページで確かめてください。
WBSを作るという目的で見ると、プランの違いは次のように整理できます。
| プラン | WBSで使える範囲 |
|---|---|
| Free | エピック、タスク、サブタスクの3段階。1つのスペースのタイムライン |
| Standard | Freeの範囲に加えて、ユーザーのロールと権限、外部とのコラボレーション |
| Premium | エピックより上の階層の追加、スペースをまたいだ計画 |
費用対効果を考えるときは、Jiraの料金だけでなく、運用にかかる時間も数字にしてみます。たとえば、10人のチームでStandardを使うと、料金ページの表示では1か月あたり10,850円です。一方、WBSの更新と進捗の集計に、プロジェクトの管理者が毎週2時間かけているとします。時間の単価を3,000円とすると、1か月あたり約4週で24,000円分の時間です。Jiraで各メンバーが自分の作業項目の状況を更新するようになり、管理者の集計の時間が半分になれば、1か月あたり12,000円分の時間が浮く計算になります。こうした試算をしてから、導入するかどうか、どのプランにするかを決めると、あとで「高い道具を入れたのに使われない」という事態を避けやすくなります。
WBSの分け方でよくある失敗
発注する側としてWBSに関わってきた中で、よく見る失敗をまとめます。
細かく分けすぎる
管理を厳密にしようとして、1時間で終わるような作業まで作業項目にしてしまう失敗です。作業項目が数百件になると、更新が追いつかず、Jiraの中身が実態と合わなくなります。結局、誰もJiraを見なくなり、表計算のファイルに逆戻りします。最初は粗めに分け、必要になった部分だけを細かくする方がうまくいきます。
担当者がいない作業項目がある
「レビュー」「調整」のように、誰の作業か決まっていない作業項目が残っていると、その作業は誰も手を付けないまま期日を迎えます。作業項目を作ったら、必ず担当者を1人決めます。
発注者側の作業を入れていない
外注先と一緒に進めるプロジェクトで、外注先の作業だけをWBSに入れ、発注者側の作業(原稿の提供、確認、承認など)を入れていない失敗は、とても多いです。発注者側の確認が遅れて全体が遅れても、WBSに載っていないので遅れの原因が見えません。発注者側の作業も作業項目にして、担当者と期日を入れておきます。
期日だけ入れて工数を考えない
期日は入れたものの、その作業にどれだけの手間がかかるかを考えていない失敗もあります。同じ人に、同じ週に期日の作業が5つ重なっていても、期日だけを見ていると気づきません。担当者ごとに、同じ週に何件の作業が重なっているかを確かめ、無理があれば期日を前後にずらします。
計画を作って更新しない
プロジェクトの最初にWBSを作り、そのあと更新しない失敗です。Atlassianのブログに寄稿された、Jira上でWBSとガントチャートを扱う拡張機能の解説記事(2017年)でも、この点が指摘されています。
プロジェクトは予定通りに行くことは、まずありません。プロジェクトの期間を通じて、スケジュールやリソース割り当ての見直しと修正が必要になります。 出典: atlassian.com
WBSは作って終わりではなく、毎週の定例などで見直す前提で作ります。
標準の機能で足りないときの拡張
Jiraの標準のタイムラインでは物足りない場合、Atlassianのマーケットプレイスで提供されている拡張機能を使う方法があります。前の節で引用したAtlassianのブログの記事では、WBSのビューとガントチャートのビューを提供する拡張機能が紹介されていて、作業の負荷の確認や、ベースライン(計画の開始時点の予定の記録)の作成などの機能が説明されています。
拡張機能は別料金になることが多く、提供元もAtlassianとは別の会社です。使うかどうかは、標準の機能でまず運用してみて、足りない点がはっきりしてから判断するのがおすすめです。まず小さく始めて、うまくいったら広げる、という順番の方が、無駄な費用をかけずに済みます。
Jiraが重いと感じたときの選択肢
ここまで説明したとおり、JiraでもWBSは作れます。一方で、Jiraはもともとソフトウェア開発のチームの作業管理から広がった道具で、スペース、作業タイプ、ワークフロー、権限と、設定できる項目が多くあります。開発チームがすでにJiraを使っていて、その流れに計画を乗せたいなら、Jiraで作るのが自然です。
反対に、開発チームがいない事業部の取り組みや、数人で回す小さなプロジェクトでは、Jiraの設定の多さが負担になることがあります。WBSの大項目と中項目をボードに並べて、ガントチャートで日程を見られれば十分、という場面です。
そうした場面の選択肢の1つに、Pinatecaがあります。公式サイトによると、Pinatecaはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードとチャットを備えたプロジェクト管理の道具で、全部の種類のボードが無料プランから使えます。ガントのボードでは、カードの期間がそのまま横棒で並び、バーをドラッグして開始日と締切を変えられます。リソースのボードでは、人やチームごとに負荷の偏りを確かめられると案内されています。料金のページによると、5人まで、ボード10個までなら無料で、6人目からはスタンダードプランが税抜で1人あたり月額500円です。Trelloからボードやカード、添付ファイルごと移行する機能もあります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Jiraと比べて、どちらが優れているということではありません。開発チームの作業管理と一体で計画を回したいならJira、少人数で計画と日程を見える形にしたいならボード型の道具、というように、チームの規模と使い方で選ぶのが現実的です。
外注とプロジェクト管理の現場から見えること
最後に、WBSとプロジェクト管理が、外注や在宅の仕事でどう関わるかを整理します。
システムの開発やWebサイトの制作を外部に頼むとき、発注する側がWBSを用意できるかどうかで、見積もりの精度と、プロジェクトの進み方は大きく変わります。WBSの作成やプロジェクト管理の道具の導入を手伝う仕事は、在宅でも依頼されることがあり、AIコンサル・業務活用支援のお仕事と重なる部分が大きいです。このガイドでは、業務の改善を手伝う仕事の内容と求められる力がまとめられています。開発の仕事を受ける側にとっても、WBSは作業の範囲を確かめる大切な資料です。アプリケーション開発のお仕事のガイドでは、開発の仕事の進め方を確かめられます。
経営の課題を整理する立場からプロジェクトに関わる専門家もいます。経営の診断と助言を行う国家資格として、中小企業診断士の試験の内容と活かし方がまとめられています。介護や福祉の事業所のように、記録のデジタル化を計画的に進める必要がある現場の取り組みは、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で確かめられます。
中小企業の外注を支援してきた立場から見ると、外注がうまくいく会社は、道具の高機能さより、作業の範囲と責任の分担をはっきりさせることに時間を使っています。WBSはそのための共通の言葉です。在宅の仕事の仲介サービスを長く運営してきた経験からも、作業の範囲を最初に一緒に確かめる発注者と受注者ほど、長く良い関係が続いています。仲介の手数料がかからない手数料0%の直接取引では、発注する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。
プロジェクトの進め方を整える仕事に関心があるなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のガイドから、どのような依頼があるのかを確かめてみてください。
よくある質問
Q. JiraのFreeプランでもWBSは作れますか?
作れます。エピック、タスク、サブタスクの3段階の親子関係はFreeプランでも使えるので、大項目、中項目、小項目のWBSを組めます。Atlassianの料金ページでは、Freeは最大10ユーザーまで無料と案内されています。エピックより上の階層を追加したい場合や、複数のスペースをまたいで計画したい場合は、PremiumかEnterpriseが必要です。
Q. Jiraの「課題」と「作業項目」は違うものですか?
同じものです。Atlassianの公式ヘルプでは、現在は作業項目という表記で説明されています。古い解説記事では課題と書かれていることがありますが、機能は同じと考えて問題ありません。プロジェクトにあたる単位も、現在の画面ではスペースと表記されています。
Q. JiraでWBSを作るとき、どこまで細かく分けるべきですか?
1人の担当者が数日から1週間程度で終えられる大きさを中項目のタスクにし、それより細かい手順が必要な場合だけサブタスクにするのが目安です。細かく分けすぎると更新が追いつかず、Jiraの中身が実態と合わなくなるので、最初は粗めに分けて、必要な部分だけを細かくします。
Q. Jiraのタイムラインで全部の階層が表示されないのはなぜですか?
Atlassianの公式ヘルプには、フィルターを使うとタイムラインにはレベル1とレベル0の2つの階層だけが表示されると書かれています。エピックとタスクは表示されますが、それより上や下の階層はフィルターの結果に出ません。サブタスクの日程を確かめたいときは、親のタスクを開いて確認します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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