Googleの二段階認証をスマホで設定する方法

前田 壮一
前田 壮一
Googleの二段階認証をスマホで設定する方法

この記事のポイント

  • Googleの二段階認証をスマホだけで設定する手順を
  • 公式の案内に沿って最初から最後まで説明します
  • 2つ目の確認方法の選び方

まず、安心してください。Googleの二段階認証は、スマートフォン1台あれば設定できます。パソコンは要りませんし、特別なアプリを買う必要もありません。ただ、途中で出てくる言葉が耳慣れないため、どの選択肢を選べばいいのか分からなくなって止まってしまう方が多いのです。この記事では、設定の手順そのものと、その手前でつまずきやすい「2つ目の確認方法をどれにするか」の判断を、公式の案内に沿って順番に説明します。あわせて、機種変更やスマートフォンの紛失で困らないための備えまで扱います。読み終えたときに、迷わず最後まで進められる状態を目指します。

二段階認証とは何をしている仕組みなのか

二段階認証とは、パスワードだけでログインさせず、もう一つ別の確認を足す仕組みのことです。Googleの画面では「2 段階認証プロセス」という名前で出てきます。2要素認証と呼ばれることもありますが、中身は同じものだと考えて差し支えありません。

なぜ足す必要があるのかというと、パスワードは漏れるからです。どこか別のサービスから流出したパスワードを使い回していれば、そこから入られます。パスワードが漏れていても、手元のスマートフォンが無ければログインできない。この状態を作るのが二段階認証の目的です。Googleの説明も、まさにその前提で書かれています。

2 段階認証プロセス(2 要素認証とも呼ばれます)は、パスワードが盗まれた場合に備えてアカウントのセキュリティを強化する機能です。 出典: support.google.com

SSHの鍵と証明書を扱ったことがある方なら、考え方は同じだと分かるはずです。手元にしか無いものを使って本人であることを示す。パスワードという「知っていること」だけに頼らず、「持っていること」を足す。これが二段階目にあたります。

どれくらい必要な備えなのかは、数字で見ると実感できます。フィッシング対策協議会が公開している月次の報告では、2026年8月に寄せられたフィッシングの報告件数は82,338件で、前月より16,219件増えました。悪用されたブランドは96件にのぼります。フィッシングというのは、実在する会社やサービスになりすまして、ログイン用の情報を本人に入力させて盗む行為のことです。パスワードは、思っているよりずっと頻繁に狙われています。

スマートフォンだけで設定する手順

手順そのものは短いです。Googleの案内では、次の流れになっています。

まずGoogleアカウントの画面を開きます。スマートフォンのブラウザでGoogleにログインした状態から開いても、Androidの設定アプリの中にある「Google」から入っても、同じ画面にたどり着きます。iPhoneの方は、Gmailアプリの右上にある自分のアイコンをタップして「Googleアカウントを管理」を選ぶのが一番近道です。

次に「セキュリティとログイン」をタップします。画面の作りは時期によって多少変わりますが、セキュリティという言葉が入った項目を探せば見つかります。

その中の「Google にログインする方法」という区切りに、「2 段階認証プロセスを有効にする」という項目があります。これを選び、画面の指示に沿って進めれば設定は完了します。

途中で電話番号の確認を求められることがあります。ここで使う番号は、普段使っているスマートフォンの番号で構いません。逆に、もう使っていない番号や、解約予定の番号を入れないでください。あとで困るのはこの部分です。

所要時間は5分ほどです。ただし、このあとに説明する「2つ目の確認方法」をどれにするかで迷うと、そこで止まります。先に選択肢を知っておくと、手が止まりません。

2つ目の確認方法は5種類ある

パスワードの次に行う確認には、いくつかのやり方が用意されています。Googleの案内に出てくるものを整理すると、次のようになります。

1つ目は、Googleからのメッセージです。スマートフォンに通知が届き、「はい」をタップするだけでログインできます。Googleはこの方法をすすめています。コードを入力するより簡単で、しかも電話番号を乗っ取る手口を防げるからです。Androidでは、Googleアカウントにログインしているスマートフォンに届きます。iPhoneでは、Gmail、Googleフォト、YouTube、Googleのいずれかのアプリでログインしていれば届きます。この通知には、どの端末からどこでログインしようとしているかという情報が表示されます。自分に心当たりが無ければ「いいえ」を選んで止められます。

2つ目は、確認コードのアプリです。Google認証システムのようなアプリが数字を作り、それを入力します。インターネットにつながっていなくても、携帯電話の電波が届かない場所でも使えるのが利点です。

3つ目は、ショートメッセージや音声通話で受け取るコードです。登録した電話番号に6桁の数字が届きます。手軽ですが、Google自身が注意を添えています。コードがショートメッセージや音声通話で送られる場合、電話番号を利用したハッキングに対して弱くなるおそれがある、という説明です。使ってはいけないという意味ではなく、他の方法が使えるならそちらを優先するほうがよい、という位置づけです。

4つ目は、ハードウェアセキュリティキーです。小さな機器を買って、ログインのときに端末へ接続します。別途購入が必要ですが、フィッシングへの耐性はいちばん高い部類に入ります。

5つ目は、バックアップコードです。これは日常のログインで使うものではなく、スマートフォンが手元に無いときの逃げ道です。詳しくは後の節で扱います。

どれか1つに決める必要はありません。Googleからのメッセージを主に使い、バックアップコードを控えとして持っておく。この組み合わせが、多くの人にとって一番扱いやすい形になります。

パスキーという新しい選択肢

設定を進めていると、パスキーという言葉が出てきます。これは比較的新しい仕組みで、用語だけ聞くと身構えてしまうのですが、やっていることは単純です。

パスキーは、パスワードの代わりになるログイン手段です。指紋認証、顔認証、あるいは端末の画面ロックに使っているPINで、Googleアカウントにログインできます。パスワードと違って、端末の中にしか保存されません。紙に書き写すこともできませんし、うっかり誰かに教えてしまうこともありません。フィッシングのページに入力させようがない、という性質がここから出てきます。

一つ知っておくべき点があります。Googleの説明によると、パスキーを作ると、既定ではパスキーを優先する、つまりパスワードを使わないログイン方法に切り替わります。パスワードを先に使いたい場合は、アカウントの設定でこの既定を変えられます。切り替わった直後に「パスワードを入れる画面が出てこない」と戸惑う方がいますが、故障ではなく仕様です。

もう一つ。パスキーでログインした場合、2つ目の手順は省略されます。パスキーそのものが端末の所有者であることを確認しているからです。二段階認証を設定したのに確認を求められない、という状態が起きるのはこのためです。手抜きではなく、確認が済んでいるという扱いになっています。

パスキーを作るかどうかは、今すぐ決めなくても構いません。まず二段階認証を有効にして、Googleからのメッセージで運用し、慣れてきたらパスキーを追加する。この順番で問題ありません。

設定したあとに出てくる「え、なんで」を先に潰す

設定そのものより、このあとの挙動に驚いて問い合わせになるケースが多いので、先に挙げておきます。

一つ目。二段階認証用の電話番号を追加したとき、Googleがその番号を信頼できる番号として確認するまでに、最長で7日かかることがあります。追加したのにすぐ使えない、設定に失敗したのではないか、と思われがちですが、これは意図された仕様です。第三者が勝手に番号を足してアカウントを奪うことを防ぐために、時間を置いているわけです。パスキーやセキュリティキーを持っていると、この確認にかかる時間を短くできる、という案内もあります。

二つ目。追加した電話番号に不審な点が見つかった場合、その番号は無効になり、Googleから通知が届きます。通知を受け取ってから30日以内に、自分で追加した番号かどうかを確認しないと、その番号はアカウントから削除されます。通知を見逃さないようにしてください。

三つ目。毎回コードを求められて面倒だという場合は、ログイン画面に出る「このデバイスでは次回から表示しない」のチェックを入れます。ただし、これを入れてよいのは自分専用の端末だけです。家族と共有しているタブレットや、職場の共用パソコンでは入れないでください。

四つ目。Googleが電話をかけてきてコードの確認を求めることはありません。これはGoogle自身が繰り返し注意している点です。電話で「確認コードを教えてください」と言われたら、相手が誰を名乗っていても、その時点で切って構いません。

機種変更とスマートフォンの紛失に備える

二段階認証で一番怖いのは、破られることではなく、自分が入れなくなることです。ここに備えておけば、あとは気楽に使えます。

備えの中心になるのがバックアップコードです。8桁の数字がいくつか発行されるので、印刷するかダウンロードして、安全な場所に保管します。スマートフォンを紛失した場合に、2つ目の手順としてこれを使います。

保管場所には注意してください。同じスマートフォンの中のメモアプリに入れておくと、そのスマートフォンを失くしたときに一緒に消えます。紙に印刷して自宅に置く、家族と共有している金庫に入れる、といった形が確実です。パスワード管理のアプリを使っている方は、そこに入れておくのも手ですが、その管理アプリ自体のログインがGoogleアカウント経由になっていないかを確認してください。そうなっていると、同じ鍵穴に両方の鍵を入れているのと同じことになります。

機種変更の前に済ませておく作業は3つあります。1つ目、新しい端末でもログインできる方法を確保すること。Googleからのメッセージは、ログイン済みの端末に届く仕組みなので、まだログインしていない新しい端末では受け取れません。2つ目、電話番号を変える予定があるなら、変更前に新しい番号を登録して、確認が終わるのを待つこと。先ほど触れたとおり、最長で7日かかります。3つ目、バックアップコードが手元にあるかを確かめること。

なお、確認コードのアプリを使っている場合、アプリのデータを新しい端末へ移す作業が別に必要になります。端末を初期化してから気づくと戻せなくなるので、移行が終わるまで古い端末を初期化しないでください。

確認コードのアプリを使うときに気をつけること

2つ目の確認方法として、確認コードを作るアプリを選ぶ方も多いので、この使い方だけ補足しておきます。

このアプリは、時間とともに変わる数桁の数字を画面に出します。インターネットにつながっていなくても、携帯電話の電波が入らない場所でも数字が出るので、通信環境が不安定な場所で作業する方には向いています。出張や移動が多い方、地下で仕事をすることがある方は、この方法を持っておくと安心です。

注意点は2つあります。1つ目は、端末の時計がずれると数字が合わなくなることです。時刻を自動取得する設定にしておけば、まず起きません。手動で時刻を変えている方は、自動に戻してください。

2つ目は、機種変更です。アプリの中身は、端末を新しくしただけでは移りません。アプリ側に用意されている移行の機能を使って、古い端末から新しい端末へ移す作業が別に必要になります。ここを飛ばして古い端末を初期化してしまうと、コードが出せなくなります。そうなったときに頼りになるのがバックアップコードですから、アプリを使う方ほど、控えを紙で持っておく意味が大きくなります。

もう一つ、実務的な話を添えます。このアプリには、Google以外のサービスの分も登録できます。便利なのですが、全部を1台のスマートフォンに集めると、そのスマートフォンが使えなくなったときに、まとめて入れなくなります。仕事で使うサービスの分は、控えの方法を別に持っておくか、登録先を分けておくほうが安全です。どこに何を登録したかを紙の一覧にしておくだけでも、いざというときの動きが変わります。

ログインできなくなったときに試す順番

それでも入れなくなったときの順番を決めておきます。慌てて何度も試すと、かえって時間がかかります。

最初に、バックアップコードを使います。手元にあれば、これが一番早い道です。

次に、別の確認方法を試します。ログイン画面には「別の方法を試す」という趣旨の選択肢が出ます。Googleからのメッセージが届かない場合でも、確認コードのアプリやショートメッセージが選べることがあります。

それも使えない場合は、Googleのアカウント復元の手続きに進みます。ここでは、過去に使っていたパスワード、アカウントを作ったおおよその時期、普段使っている端末といった情報を聞かれます。答えられる項目が多いほど、本人と判断されやすくなります。

ここで大事なのは、普段使っている端末と、普段いる場所から手続きをすることです。まったく別の端末や、旅行先の回線から申請すると、不審な動きとして扱われやすくなります。復元にどれくらいかかるかは状況によって変わるため、断定はできません。急ぎの用事がある方は、並行して別の連絡手段を用意しておくほうが安全です。

そして、予防の話に戻ります。復元の手続きは手間がかかります。バックアップコードを紙で持っているかどうかで、かかる時間が何日も変わります。設定を終えた今日のうちに、そこまで済ませてしまうのが結局は早道です。

復元の申請を出したあとは、同じ内容で何度も出し直さないでください。回数を重ねると、かえって判断に時間がかかることがあります。申請したら結果を待ち、届いた案内に沿って次の手順に進むのが結果的に早く済みます。待っているあいだに、過去のパスワードや利用していた端末の情報を思い出して書き出しておくと、追加の質問が来たときにすぐ答えられます。

会社や学校のアカウントで設定できないとき

職場や学校から配られたGoogleアカウントでは、自分で二段階認証を設定できないことがあります。Googleの案内にも、職場や学校、その他のグループのアカウントを利用している場合は、この手順で設定できないことがあり、その場合は管理者に問い合わせるように、と書かれています。

これは不具合ではなく、組織の管理者が設定の権限を握っている状態です。勝手に設定を変えられると、組織全体の運用が崩れるためです。設定したいときは、情報システムの担当者に相談してください。

逆の立場、つまり小さな会社で管理する側に立っている方は、全員に一斉に義務づける前に、逃げ道を用意してください。社員がログインできなくなったときに、管理者側からリセットできる手順を確認しておく。バックアップコードの保管について、社内のやり方を先に決めておく。この2つが抜けていると、導入した翌週に業務が止まります。

個人のアカウントと仕事のアカウントを、同じスマートフォンの同じブラウザで使い分けている方も多いはずです。この場合、どちらのアカウントで操作しているのかを取り違えると、設定した覚えのない画面が出て混乱します。設定の作業をするときは、一度すべてのアカウントからログアウトして、対象のアカウント1つだけでログインし直すと確実です。

設定の前に済ませておくと迷わない3つの下準備

設定の途中で手が止まる方の多くは、準備の段階でつまずいています。先にこの3つを済ませておくと、最後まで一気に進みます。

1つ目は、今そのアカウントのパスワードが分かっているかの確認です。二段階認証を設定する画面では、本人確認のためにパスワードの再入力を求められます。端末に自動で保存されていて、何年も打っていないという方は珍しくありません。分からない場合は、先にパスワードの再設定を済ませてから取りかかってください。順番を逆にすると、途中で止まります。

2つ目は、電話番号の確認です。今そのスマートフォンで使っている番号を、そのまま登録できる状態かどうか。近いうちに番号が変わる予定があるなら、変わってから設定するほうが手戻りがありません。すでに使っていない番号が登録されたままになっていないかも、この機会に見ておきます。

3つ目は、アカウントが複数ある方の整理です。個人用と仕事用、家族の端末で使っているものなど、Googleアカウントを2つ以上持っている方は、どれを設定するのかを決めてから始めます。ブラウザで複数のアカウントに同時にログインしていると、画面に表示されているアカウントを取り違えたまま設定を進めてしまい、あとで「設定したはずなのに有効になっていない」という状態になります。作業の前にいったん全部からログアウトし、対象のアカウント1つだけでログインし直すのが確実です。

この3つに10分ほどかけておくと、設定そのものは滞りなく終わります。逆に、準備なしで始めて途中で止まると、もう一度やる気を出すまでに何日もかかってしまいます。

家族のアカウントを設定してあげるときの進め方

自分の分が終わると、次は家族の分を頼まれます。ここで押さえておくと後が楽になる点があります。

まず、設定の作業そのものは代わりにやってよいのですが、受け取る先は必ず本人の端末にしてください。自分の端末に通知が届くようにしてしまうと、家族がログインするたびに連絡が来ます。数日は問題なく回りますが、出先で頼まれるようになると、お互いに困ります。

次に、バックアップコードの保管です。本人に渡すだけだと、置き場所を忘れます。かといって全部を自分が持つと、本人が自力で入れません。現実的なのは、本人の手元に1部、設定を手伝った人の手元に1部、という二重の持ち方です。紙で保管し、置き場所を口頭で共有しておきます。

説明の仕方も工夫が要ります。専門用語を並べると、内容ではなく「難しい」という印象だけが残ります。伝えるのは2つで足ります。ログインするときにスマホへ確認が出るので「はい」を押すこと。身に覚えのない確認が出たら「いいえ」を押して、こちらに知らせること。この2つだけです。

それから、Googleが電話でコードの確認を求めることはない、という点は必ず伝えてください。コードを聞き出す電話は、家族にこそ届きます。番号を人に教えない、という一点だけでも共有しておくと、被害の入口が一つ塞がります。

最後に、設定したあとしばらくは、本人が実際にログインできるかを一緒に確かめてください。設定して終わりにすると、数か月後に別の端末で入れなくなって、そのとき初めて連絡が来ます。その場で1回試しておけば、流れが体に入ります。

二段階認証を設定しても防げないこと

過度に期待して油断するのも困るので、限界も書いておきます。二段階認証はとても有効ですが、万能ではありません。

まず、自分から確認コードを教えてしまう手口は防げません。「Googleのサポートです、確認のためにコードを読み上げてください」という電話が典型です。仕組みとしては正しく働いていても、本人が鍵を渡してしまえば意味がありません。だからこそ、コードを人に教えないという原則が繰り返し案内されています。

次に、本物そっくりのログイン画面に、パスワードとコードを続けて入力してしまう手口です。偽のページが入力をそのまま本物のGoogleに中継すると、コードも一緒に渡ってしまいます。これに強いのがパスキーとセキュリティキーで、Googleもフィッシングへの対策としてこの2つを挙げています。用語が難しく見えますが、指紋や顔で入る方式、と理解すれば十分です。

さらに、端末そのものを他人に触られている場合も防げません。画面ロックをかけていないスマートフォンを置いたまま離席すれば、確認の通知もその場で承認されてしまいます。画面ロックは、二段階認証の土台にあたる部分です。

もう一つ。アカウントに結びついた再設定用のメールアドレスが古いままだと、そこから入り直される可能性があります。何年も使っていないアドレスが登録されたままになっていないか、この機会に見ておいてください。

つまり、二段階認証は「パスワードが漏れても入られない」という一点に効く仕組みです。その一点はとても大きいのですが、画面ロック、再設定用の連絡先、そしてコードを人に教えないという習慣と組み合わせて、はじめて全体が守られます。どれか1つが欠けると、そこから抜けられます。

仕事でGoogleのアカウントを使う人の追加の備え

在宅で仕事をしている方にとって、Googleアカウントは単なるメールではありません。納品物の置き場所であり、取引先との共有フォルダであり、請求書の保管先でもあります。ここが止まると、仕事そのものが止まります。

ですから、備えの優先順位は個人利用とは変わります。1つ目、取引先との共有ファイルが自分のアカウントにしか無い状態を避けること。定期的に手元の端末へも保存しておきます。2つ目、連絡先を別の場所にも控えておくこと。3つ目、請求と入金の記録を、アカウントの外にも残しておくこと。

セキュリティの設計や運用は、在宅の仕事としても需要があります。どんな依頼があるのかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に業務の種類ごとに整理されています。社内の道具の選定や使い方の整備まで含めた相談を受ける形はAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっています。

Googleの各種サービスを仕事で扱うなら、公式の認定資格が理解の地図になります。広告の運用を扱うGoogle広告認定資格、アクセス解析を扱うGoogleアナリティクス認定資格は、どちらも無料で受けられる範囲があり、アカウントの権限や管理の考え方を学ぶ入口にもなります。資格そのものより、管理画面の構造を体系立てて覚えられる点に価値があります。

仕事の道具をどう選ぶかという相談も増えています。アプリやサービスの導入を任される場面では、機能の比較だけでなく、権限をどう分けるか、退職者のアカウントをどう止めるかまでが仕事の範囲になります。開発の現場でこの設計に関わる仕事の内容はアプリケーション開発のお仕事に整理されています。二段階認証の設定を自分の手で通しておくと、こうした相談を受けたときに話が具体的になります。

市場を長く見てきた立場からの観察

フリーランスと在宅ワークの市場を20年ほど運営してきた立場から言えば、アカウントを守る設定をしている人と、していない人の差は、事故が起きるまで表に出ません。そして事故が起きたとき、差はきれいに分かれます。設定していた人は半日で戻り、していなかった人は数日から数週間戻れないことがあります。

運営者として見てきた限りでは、長く続いている人ほど、この手の作業を「仕事の一部」として時間を取っています。案件の合間にやるのではなく、月初の30分を点検にあてる、といった決め方をしている。派手ではありませんが、止まらないという一点で効いてきます。

もう一つ感じるのは、間に業者が入らない直接の取引ほど、こうした自衛が効いてくるという点です。仲介が薄い取引は、同じ予算でも依頼する側はより多く頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%の仕組みが生きてくるのはここです。ただしその分、連絡も請求も当事者同士で完結するので、自分の連絡手段が止まると代わりに動いてくれる人がいません。守る作業を自分で持つ必要がある、ということでもあります。

自分の仕事の相場を知っておくことも、守りの一部になります。開発系であればソフトウェア作成者の年収・単価相場、書く仕事であれば著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、職種ごとの水準が整理されています。止まった期間にいくら失っているのかが具体的に分かると、点検の30分を惜しまなくなります。

設定の作業は地味です。ただ、これは保険に近い性質のもので、効いているときは何も起きません。何も起きなかった月が続いたら、それは設定が働いている証拠だと考えてください。今日、スマートフォンを手に取って5分で終わらせておけば、この先の数年はその話をしなくて済みます。

よくある質問

Q. スマホだけで二段階認証を設定できますか?

できます。Googleアカウントの画面を開き、セキュリティとログインの項目から「2 段階認証プロセスを有効にする」を選んで、画面の指示に沿って進めるだけです。パソコンは不要です。iPhoneの場合はGmailアプリの右上にある自分のアイコンから「Googleアカウントを管理」に入るのが近道です。設定そのものは5分ほどで終わります。

Q. 確認コードはショートメッセージで受け取っても大丈夫ですか?

使えますが、他の方法が選べるならそちらを優先してください。Googleは、確認コードがショートメッセージや音声通話で送られる場合、電話番号を利用したハッキングに対して弱くなるおそれがあると案内しています。すすめられているのは、スマートフォンに届くGoogleからのメッセージをタップする方法です。

Q. 二段階認証用の電話番号を追加したのにすぐ使えません。故障ですか?

故障ではありません。Googleの案内によると、追加した電話番号が信頼できる番号として確認されるまでに最長で7日かかることがあります。これは第三者が勝手に番号を追加してアカウントを奪うことを防ぐための仕様です。パスキーやセキュリティキーを持っていると、この確認にかかる時間を短くできます。

Q. スマホを紛失したらログインできなくなりますか?

バックアップコードを用意しておけば入れます。8桁のコードを印刷するかダウンロードして、スマートフォンの外に保管しておいてください。コードが無い場合はGoogleのアカウント復元の手続きに進みますが、過去のパスワードや利用状況を聞かれ、時間もかかります。設定した日のうちに控えを用意しておくのが確実です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月29日最終更新:2026年9月23日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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