Googleパスワードマネージャーの使い方|設定から移行まで


この記事のポイント
- ✓google パスワードマネージャー使い方を
- ✓入口の見つけ方から最初にやる設定
- ✓端末側で暗号化する設定
google パスワードマネージャー使い方で調べている人の多くは、「どこにあるのか分からない」か「保存したはずなのに出てこない」のどちらかで止まっています。結論を先に書くと、保存先は1つで、そこへ入る入口が複数あるという構造です。この構造さえ分かれば、あとは迷いません。
追加の費用はかからず、新しくアプリを入れる必要もありません。すでにGoogleアカウントを使っているなら、機能としては手元にあります。あとは設定を正しく入れて、使い方を覚えるだけです。
この記事では、入口の見つけ方、最初にやっておく設定、保存と自動入力の実際、漏れを調べる機能の読み方、端末側で暗号化する設定、他のツールへの移し方、そして仕事で使うときの線引きまでを順に説明します。画面の名前や場所は更新で変わることがあるので、名前が違っていても位置で探せるように書いています。
保存先は1つ、入口は3つ
最初に構造を押さえます。保存された情報は、Googleアカウントに紐づいて1か所に置かれています。同じアカウントでログインしていれば、パソコンでもスマートフォンでも同じ一覧が見えます。
入口は3つあります。1つ目が、パソコンのChromeの設定の中です。設定画面を開くと、自動入力やパスワードに関する項目があり、そこから一覧に入れます。
2つ目が、ブラウザから直接開く専用の画面です。Googleアカウントにログインした状態で開くと、保存された一覧と、後で説明する点検の機能がまとめて見られます。管理の作業はここがいちばん見通しがよく、整理をするときはこの入口が向いています。
3つ目が、スマートフォンの設定の中です。Android搭載の端末では、設定のGoogleに関する項目の中に自動入力の設定があり、そこから同じ一覧に入れます。
3つの入口は、できることが少しずつ違います。
| 入口 | 向いている作業 | できないこと |
|---|---|---|
| パソコンのChromeの設定 | 日常の保存と修正 | 端末をまたいだ整理はやりにくい |
| ブラウザから開く専用の画面 | 一覧の整理、点検、書き出し | ブラウザを開かないと使えない |
| スマートフォンの設定 | アプリでの自動入力の設定 | 大量の項目の整理には不向き |
整理や点検をするときは専用の画面、日常の保存はChromeの設定、スマートフォンのアプリで使うときは端末の設定。この使い分けで迷いがなくなります。
「保存したのに出てこない」という現象の原因は、たいていこの3つの入口で別々のGoogleアカウントにログインしていることです。仕事用と私用でアカウントを分けている人に起こりがちで、保存は成功しているのに、見ている場所が違うという状態になっています。まず、どのアカウントでログインしているかを確認してください。
最初にやっておく設定4つ
使い始める前に、済ませておくと後が楽になる設定が4つあります。
1つ目が、Googleアカウント自体の2段階認証です。ここを飛ばすと、保存した全部の鍵がパスワード1つで守られている状態になります。管理ツールを使う意味がかなり薄れるので、必ず先にやってください。
2つ目が、保存を確認する設定を有効にしておくことです。ログインのたびに保存するか聞いてくれる形にしておくと、入れ忘れが減ります。
3つ目が、自動ログインの扱いです。保存した情報で自動的にログインまで進む設定は便利ですが、端末を共有している環境では危険が上回ります。1人で使う端末なら有効、共有する端末なら無効、という基準で決めてください。
4つ目が、Googleアカウントの回復用の連絡先を、今使っているものに直しておくことです。ここが古いままだと、端末を失くしたときにアカウントごと戻れなくなります。保存した情報は、そのアカウントに入れることが前提です。
この4つは合わせておよそ15分で終わります。使い始めてからでは面倒になるので、先に片づけるのが得です。
保存する操作と、後から手で足す操作
保存の入り口は2つあります。
1つが、ログインしたときに出る確認です。IDとパスワードを入れてログインすると、保存するかどうかを聞く表示が出ます。ここで保存を選ぶだけです。
もう1つが、手動での追加です。一覧の画面には、新しい項目を自分で足す機能があります。ブラウザ以外のアプリで使うアカウントや、確認の表示が出なかったサービスは、この方法で足します。
保存するときに、入れておくと後で効く項目が2つあります。1つはサイトのアドレスです。ここが正しく入っていると、自動入力が正しい場面でだけ出てきます。もう1つがメモの欄です。1つのサービスに複数のアカウントを持っている人は、ここに「仕事用」「家族用」と書いておくと、選ぶときに迷いません。
もう1つ、保存のときに決めておきたいのが、同じサービスの複数アカウントの扱いです。在宅で仕事をしていると、取引先ごとに別のアカウントを持つ場面が出てきます。同じサービスに5件も6件も並ぶと、自動入力の候補が増えて選び間違えます。項目の名前に取引先の名称を入れておくと、候補の一覧で一目で選べます。名前を後から直すのは面倒なので、保存した直後に書き換えるのが結局いちばん速い方法です。
保存しないほうがよいものもあります。金融機関の第2暗証番号や、取引先から一時的に預かった情報です。前者は保存を禁じている規約があり、後者は案件が終わったあとに消し忘れる事故が起きます。保存は便利ですが、「何でも入れる」と「入れる基準を決める」は別の話です。
自動入力が出てこないときの見方
使い始めて最初につまずくのが、自動入力です。原因はだいたい4つに分かれます。
1つ目が、保存したときのアドレスと、今開いているアドレスが違う場合です。同じサービスでも、ログイン専用の別のアドレスを使っている場合に起きます。一覧から該当の項目を開き、アドレスを直すか、別の項目として追加します。
2つ目が、IDとパスワードを別の画面で聞くタイプのログインです。1画面に両方ある前提の自動入力と噛み合わず、途中で止まります。この場合は一覧から開いてコピーし、貼り付けるのが確実です。
3つ目が、アプリの内側で開くログイン画面です。ブラウザの外なので、自動入力が届かないことがあります。
4つ目が、ログインしているアカウントの取り違えです。冒頭に書いた現象と同じで、見ている場所が違うだけという場合があります。
ここで1つ、覚えておくと得をする性質があります。保存したアドレスと違うサイトでは、自動入力は出てきません。つまり、本物そっくりの偽のログイン画面を開いたとき、いつも出てくるはずの自動入力が出てこないという形で違和感が生まれます。これは偽サイトを見破る合図として使えます。出てこないからといって、手で打ち込んで済ませないでください。
生成機能を使うと、考える手間がなくなる
新しくアカウントを作るとき、パスワードの欄を選ぶと、候補を提案してくれる機能があります。これを使うと、長さと複雑さを満たした文字列がその場で作られ、同時に保存まで済みます。
自分で考えなくてよくなることの価値は、想像より大きいところにあります。人が考える文字列は、どうしても意味のある単語や誕生日に寄ります。総務省が運営する「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、危険なパスワードの例として、名前や電話番号や生年月日、辞書に載っている英単語1つ、キーボードの並びなどを具体的に挙げています。生成機能を使えば、この全部を機械的に避けられます。
そして、使い回しが構造的に起きなくなります。毎回違う文字列が作られ、覚える必要がないからです。
もう1つ、生成された文字列を見て「覚えられないから自分で考えたものに直したい」と感じる人がいます。ここは我慢してください。覚える必要がないから強くできるのであって、覚えられる文字列に直した瞬間に、この機能の意味がなくなります。人が覚えられる複雑さには限界があり、その限界に合わせると必ず短くなります。覚えるのは、保存先に入るためのGoogleアカウントのパスワード1つで足ります。
注意点が1つあります。生成した文字列は、保存に失敗すると二度と分かりません。生成した直後に、保存されたかどうかを一覧で確認する癖をつけてください。特に、登録の途中で画面を閉じたときに起きやすい事故です。
点検の機能で、漏れと使い回しを洗い出す
保存した一覧を点検する機能があります。ここで見られるのは3種類です。
1つ目が、過去に外部へ流出したことが確認されている組み合わせです。表示されたからといって、今まさに使われているという意味ではありません。該当したサービスのパスワードを作り直せば、それで対処は終わります。
2つ目が、使い回しです。複数のサービスで同じ文字列を使っている項目が並びます。初めて見る人は、想像より多く出てきて驚きます。
3つ目が、短すぎる、あるいは推測されやすい文字列です。
全部を一度に直す必要はありません。優先順位は、メール、金融、決済、仕事で使う共有ツールの順です。メールを先頭に置くのは、他のサービスのパスワード再設定の宛先になっているからで、実質的にすべての鍵の親にあたります。
この点検は、年に1回か2回で十分です。毎月やる種類の作業ではなく、負担を増やすと続きません。
端末側で暗号化する設定を入れるかどうか
もう一段強い設定があります。保存した情報を、端末の中にある鍵で暗号化する方式です。
この設定を入れると、提供する側でも中身を読めなくなります。安全性は上がりますが、引き換えに失うものがあります。パスワードを忘れたときに、中身を取り戻す手段がほぼなくなることです。
判断の目安はこうです。仕事の情報を入れていて、かつ復旧の準備、つまり回復用の連絡先と2段階認証のバックアップが整っているなら、入れる価値があります。準備がない状態で入れると、端末を1台失くした瞬間に全部を失います。
順番としては、復旧の準備を先に済ませてから、この設定に進んでください。逆にすると取り返しがつきません。
書き出しと、他のツールへの移し方
保存した情報は、一覧の画面から書き出せます。逆に、他のツールから書き出したファイルを読み込むこともできます。
書き出したファイルは、中身がそのまま読める形式です。ここが最大の注意点で、机の上に全部の鍵の複製を置いたままにするのと同じ状態になります。移し終わったら、その日のうちに削除してください。ゴミ箱を空にするところまでが作業です。
移行の手順は4つです。まず書き出す。次に移行先で読み込む。件数が合っているかを目で確認する。最後に、元の保存先から情報を消してファイルも削除する。
4つ目を飛ばすと、2か所に情報が残ります。どちらが最新か分からなくなり、変更したはずのパスワードで弾かれる事故が起きます。
逆に、他のツールからこちらへ移す場合も手順は同じです。書き出せることを先に確認してから始めると、途中で詰まりません。
一覧が散らかってきたときの整理のしかた
数年使うと、一覧が数百件になります。放っておくと、どれが生きている項目か分からなくなり、点検の結果も読みづらくなります。年に1回、次の順番で整理すると短時間で片づきます。
最初に、同じサービスが複数行に分かれているものをまとめます。ログイン画面のアドレスが途中で変わったサービスで起きます。古いほうを消して、新しいほうにまとめます。
次に、退会済みや使わなくなったサービスを消します。消す前に1つだけ確認してください。そのサービスに、まだ登録情報や購入履歴が残っていないかです。残っているなら、消すのは項目ではなくアカウントのほうが先です。
3つ目に、メモの欄を埋めます。仕事用か私用か、誰と共有しているか。この一言があると、次の年の整理が半分の時間で終わります。
4つ目に、点検の機能をもう一度回します。整理したあとに回すと、直すべき項目がはっきり見えます。
整理の所要はおよそ30分です。年に1度、確定申告の時期など決まった月に合わせておくと、忘れずに回せます。
パスワードを変えたのに、古いものが出てくるとき
よくある困りごとです。サービス側でパスワードを変更したのに、自動入力で古い文字列が出てきてログインできない。原因は3つあります。
1つ目が、変更の操作を保存先の外で行った場合です。別のブラウザや別の端末で変更すると、変更したことが伝わらず、一覧には古い文字列が残ります。一覧から該当の項目を開いて、手で直してください。
2つ目が、同じサービスに複数の項目が保存されている場合です。古い項目と新しい項目が並んでいて、自動入力が古いほうを選んでいる状態です。片方を消せば解決します。
3つ目が、同期が止まっている場合です。ブラウザやOSのアカウントからログアウトしていたり、同期の設定が切れていたりすると、端末ごとに別の内容を持ったままになります。設定の同期の項目を確認してください。
この3つのどれかで、ほぼ説明がつきます。何度も直しているのに戻る場合は、2つ目を疑ってください。重複した項目が原因であることが多く、一覧をサービス名で並べ替えると見つかります。
Googleアカウント1つに全部が乗っている、という意味
この仕組みを使うときに、いちばん理解しておきたい点です。保存した鍵は、Googleアカウントという1つの鍵の内側にあります。
これは長所でもあります。守る対象が1つに絞られるので、そこだけを厳重にすればよいからです。2段階認証を強い方式にして、回復用の連絡先を整えて、バックアップコードを紙で持つ。この3つを済ませれば、全体の安全性が一気に上がります。
一方で、弱点も同じところにあります。そのアカウントを失うと、保存した鍵にも届かなくなります。メールも、写真も、連絡先も、同じアカウントの内側にあるからです。
だから対策の優先順位は、保存した個々のパスワードよりも、Googleアカウント自体の守りが先になります。順番を間違えると、細かい作業をたくさんやったのに全体は弱いまま、という状態になります。
もう1つ考えておきたいのが、分散です。金融や決済に関わる重要なサービスだけは、別の保存先に置くか、そもそも保存しないという選び方があります。1か所に集める利便と、分散させる安全は、どちらかを選ぶ話です。自分がどちらを重く見るかを決めておくと、運用がぶれません。
パスキーを保存できるようになっている
パスキーとは、パスワードの代わりに端末そのものを鍵にする仕組みです。対応するサービスが増えていて、この保存先でもパスキーを預かれるようになっています。
パスキーの利点は2つあります。1つは、偽のログイン画面では原理的に成立しないことです。鍵が「どのサイトに対するものか」を見ているため、アドレスが違えば反応しません。もう1つは、入力する文字列がないので、盗み見や打ち間違いが起きないことです。
ただし、当分はパスワードとの併用になります。対応しているサービスがまだ一部で、業務で使う古い管理画面はほとんど対応していないからです。パスキーに対応しているサービスから順に切り替えていき、残りはパスワードで運用する。この形が現実的です。
認証の方式ごとの違いをもう少し広く知りたい場合は、脆弱性管理ツール徹底比較|Tenable, Qualys, Rapid7の三強をプロが分析が、企業側がどういう観点で仕組みを選んでいるかを製品の比較として整理しています。
iPhoneやiPadで使うときの注意
iPhoneでも使えますが、設定が1つ増えます。OS側の自動入力の設定で、どの保存先を使うかを選ぶ項目があり、そこでGoogleの保存先を有効にする必要があります。ここを入れないと、Chromeの中でしか自動入力が出てきません。
そしてもう1つ、iPhoneにはOS標準の保存先もあります。両方を有効にすると、ログインのたびにどちらを使うか聞かれる場面が出てきます。煩わしいと感じるなら、どちらか一方に寄せるのが運用として楽です。
寄せ方の判断は、他にどんな機器を使っているかで決めます。パソコンがWindowsなら、機器をまたげるGoogleの保存先に寄せたほうが実用的です。手持ちがiPhoneとMacだけなら、OS標準に寄せたほうが操作が素直になります。
どちらに寄せるにしても、両方に同じ情報が中途半端に残っている状態がいちばん困ります。移行の項で書いた手順で、片方に集めてください。
導入してから1週間でやることを並べる
手順を日付の順に並べておきます。一度に全部やろうとすると止まるので、分けて進める形にしています。
| 時点 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 初日 | Googleアカウントの2段階認証を確認する | 10分 |
| 初日 | バックアップコードを発行して紙に印刷する | 5分 |
| 初日 | 回復用のメールアドレスと電話番号を更新する | 5分 |
| 2日目 | 保存の確認と自動ログインの設定を決める | 5分 |
| 3日目 | 点検の機能を回し、結果を眺める | 10分 |
| 4日目 | メールのパスワードを作り直す | 5分 |
| 5日目 | 金融と決済のパスワードを作り直す | 20分 |
| 7日目 | 重複と退会済みの項目を整理する | 20分 |
初日の3つが終わっていれば、残りは後日でも危険は大きく下がります。逆に、初日の3つを飛ばして5日目から始めると、土台がないまま上物を積む形になります。
4日目にメールを置いているのは、他のサービスのパスワード再設定の宛先になっているからです。ここが取られると、他をどれだけ強くしても順に開けられます。
この保存先が向いていない場面
便利ですが、万能ではありません。向いていない場面が3つあります。
1つ目が、他人と共有する必要がある場合です。この保存先は個人のアカウントに紐づく設計なので、チームで権限を分けて共有する用途には向きません。仕事で複数人に渡す必要があるなら、共有の機能を持つ専用のツールを検討する場面です。
2つ目が、パスワード以外の情報も1か所にまとめたい場合です。契約書の控えや身分証の写し、取引先の接続情報まで入れたいなら、対応している専用のツールのほうが素直です。
3つ目が、Googleアカウントを業務で使えない場合です。支給された端末で利用が制限されているなら、そもそも選択肢に入りません。総務省の資料も、利用にあたっては企業ごとに決まりがあるので情報システム担当者に相談するよう書いています。
なお、各サービスごとに異なる充分に安全なパスワードを覚えておくのは大変なので、パスワードを覚える必要のない、パスワード管理ツールを使うことも推奨されます。スマートフォンやWebブラウザ標準機能、あるいは専用のアプリケーションのパスワード保存機能を活用しましょう。 出典: soumu.go.jp
同じ資料は、これらのツールをマスターパスワードや端末のロックで守る必要があることも書いています。道具を入れることと、その道具を守ることは別の作業だということです。
家族で1台の端末を使っている場合
在宅で仕事をしていると、リビングのパソコンで少しだけ作業する場面が出てきます。ここに落とし穴があります。
1台の端末に1つのブラウザの利用者しか作っていないと、家族全員が同じ保存先を共有する形になります。仕事の取引先の管理画面が、家族の誰でも開ける状態です。悪意がなくても、誤って操作される事故は起きます。
解決は2つです。1つ目が、ブラウザに利用者を分けて作ることです。家族それぞれが自分のGoogleアカウントでログインすれば、保存先も履歴も分かれます。切り替えは数秒で済みます。
2つ目が、端末そのものに利用者を分けて作ることです。OSの機能で、家族ごとにログインを分けられます。こちらのほうが分離は強く、ファイルまで分かれます。
そして、どちらを選んでも必ずやるのが、自動ログインを切ることです。保存した情報で自動的にログインまで進む設定は、1人で使う端末では便利ですが、共有の端末では無防備になります。
子どもが使う端末に仕事のアカウントを残したまま、というのが実務でいちばん多い形です。学校の課題で使う延長で、仕事のメールが開かれることがあります。分けるのに費用はかからないので、先に分けておいてください。
端末を手放す前と、人に貸す前に
見落とされがちな場面を2つ挙げます。
1つ目が、端末を売る、下取りに出す、譲るときです。初期化する前に、その端末からGoogleアカウントをログアウトさせてください。初期化だけで済ませると、端末の状態によっては情報が残ることがあります。順番は、ログアウトしてから初期化です。
2つ目が、修理に出すときです。預ける前に、ログアウトまではしなくとも、自動ログインの設定は切っておくのが無難です。
家族に一時的に貸す場面も同じです。ブラウザのゲストモードを使えば、保存した情報に触れられない状態で貸せます。「少しだけだから」と自分のログイン状態のまま渡すと、意図しない画面が開かれることがあります。
こうした端末の扱いは、企業から仕事を受けるときに確認されることが増えています。取引先から見ると、外部の人が使う端末は自社の情報が出ていく経路の1つだからです。その構図と対策の順番は、取引先経由のウイルス侵入を防ぐ!中小企業のサプライチェーンリスク管理が事例に沿って整理しています。
つまずきやすい点を、症状から引けるようにしておく
最後に、実際によく相談される症状と、見る場所をまとめておきます。
| 症状 | まず見る場所 |
|---|---|
| 自動入力が出てこない | ログインしているGoogleアカウント、保存したアドレス |
| 古いパスワードが入る | 同じサービスの重複した項目、同期の設定 |
| スマートフォンのアプリで出てこない | 端末の設定にある自動入力の選択 |
| iPhoneでChromeの外に出てこない | OS側の自動入力の設定 |
| 点検で大量に警告が出る | 優先順位を決めて順に直す。一度に直さない |
| 保存するか聞かれない | 保存の確認の設定、そのサイトが除外されていないか |
| 一覧が開けない | Googleアカウントの再ログイン、2段階認証の状態 |
この表で引けない症状に当たったら、いったん別の入口から開いてみてください。パソコンで見えないものが専用の画面では見える、という形で原因が絞れることがよくあります。
そして、どうしても解決しないときは、書き出して別のツールへ移るという選択肢も残っています。書き出せる仕組みである以上、閉じ込められることはありません。この安心感があるだけで、試行錯誤がしやすくなります。
仕事で使う人にとって、鍵の管理は信用の一部
運営者として在宅の仕事の市場を20年見てきた立場から言うと、長く仕事が続く人ほど、道具の管理が地味に整っています。納品物の質より前に、情報を失くさない、預かったものを返せる、連絡が止まらない。この3つが揃っている相手は、依頼する側から見て手がかかりません。
もう1つ。中間に人が入らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%という仕組みが効いてくるのは、単発ではなく関係が続いたときです。そして関係が続くかどうかは、技術より事故を起こさないことで決まっている場面が多くあります。
仕事の幅を広げる方向で見ると、広告や解析の運用代行は、複数の取引先の管理画面を預かる仕事です。だからこそ鍵の扱いが直接評価につながります。入口としてGoogle広告認定資格は、広告の運用を仕事として受けるときの基礎を体系で押さえられ、Googleアナリティクス認定資格は数字の読み方を共通の言葉にしてくれます。どちらも提案の説得力が変わります。
需要の側も動いています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、企業が外部に出したい仕事の中身を領域ごとに整理したページで、依頼がどこに寄っているかが分かります。業務の中にAIをどう入れるかを支援する形ならAIコンサル・業務活用支援のお仕事が近く、こちらは継続契約になりやすい分野です。
単価は感覚ではなく統計で確かめたほうが判断が速くなります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場は職種ごとの年収と単価を公的な統計から整理したページで、技術寄りの仕事を受けるときの目安になります。書く仕事が中心なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場のほうが近い数字が並びます。
今日やることを1つだけ選ぶなら、Googleアカウントの2段階認証を確認することです。保存した鍵の全部が、そのアカウント1つに乗っているからです。点検の機能を回すのは、そのあとで構いません。
よくある質問
Q. 保存したはずのパスワードが出てきません。どうすればよいですか?
まず、どのGoogleアカウントでログインしているかを確認してください。仕事用と私用でアカウントを分けていると、保存は成功しているのに別の一覧を見ている状態になります。次に、保存したときのアドレスと今開いているアドレスが違わないかを見てください。この2つで大半は解決します。
Q. 端末側で暗号化する設定は入れたほうがよいですか?
復旧の準備ができているなら入れる価値があります。この設定を入れると提供する側でも中身を読めなくなりますが、引き換えに忘れたときの復旧手段がほぼなくなります。回復用の連絡先の更新と2段階認証のバックアップを先に済ませてから進めてください。順番を逆にすると取り返しがつきません。
Q. 他のパスワード管理アプリへ移せますか?
移せます。一覧の画面から書き出し、移行先で読み込みます。ただし書き出したファイルは中身がそのまま読める形式なので、移し終わったらその日のうちに削除し、ゴミ箱も空にしてください。移行後は元の保存先から情報を消し、2か所に残らないようにします。
Q. 仕事で取引先から預かったIDやパスワードも保存してよいですか?
契約書を先に確認してください。秘密保持契約で保管方法を定めている場合があります。またこの保存先は個人のアカウントに紐づく設計なので、複数人で権限を分けて共有する用途には向きません。チームで渡す必要があるなら、共有機能を持つ専用のツールを検討する場面です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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