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エクセルの関数一覧|事務でよく使う関数と使い方

@SOHO編集部
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エクセルの関数一覧|事務でよく使う関数と使い方

この記事のポイント

  • ✓事務の仕事でよく使うものに絞って用途別に整理します
  • ✓IFやCOUNTIFの条件
  • ✓VLOOKUPとXLOOKUPの表引き

エクセルの関数一覧を探している人の多くは、全部の関数を覚えたいのではなく、「目の前の表をどの関数で片付ければよいのか」を知りたいはずです。Excelには400を超える関数がありますが、事務の仕事で日常的に使うのは30前後に限られます。この記事では、その30前後の関数を「合計する」「条件で分ける」「表から探す」「日付を扱う」「文字を整える」という用途ごとに並べ、書式と使い方の例を一緒に説明します。請求書の金額計算での使い方や、エラーが出たときの直し方、使っているExcelの版によって使えない関数があることまでまとめているので、一覧を見ながら手元の表で試してください。

事務の仕事で関数が求められる理由

事務の仕事の多くは、表の数字を集計し、条件に合うものを抜き出し、別の表から情報を引いてくる作業の繰り返しです。売上の集計、勤怠の時間の計算、請求書の作成、名簿の整理といった作業は、関数を使わなくても電卓とコピーで片付けられます。しかし件数が増えると、手作業は時間がかかるうえに、入力の誤りが起きても気づきにくくなります。

関数を使う最大の利点は、元の数字を直したときに結果が自動で変わることです。たとえば請求書の明細の単価を1か所直せば、小計、消費税、合計まで一度に計算し直されます。手で計算した数字を書き込んだ表では、1か所を直すたびにほかのセルも直す必要があり、直し忘れがそのまま誤った請求につながります。

求人の世界でも、Excelは事務の仕事の基本的な道具として扱われています。事務職の求人票には「Excel(関数が使える方)」「VLOOKUPやピボットテーブルが使える方」のような条件がよく書かれています。ここでいう「関数が使える」は、多くの場合、この記事で紹介するSUM、IF、COUNTIF、VLOOKUPのような基本の関数を、自分で式を組み立てて使えることを指しています。

Microsoftの公式サポートでは、すべての関数を機能ごとに分類したExcel 関数(機能別)の一覧が公開されています。数学、統計、日付と時刻、文字列、検索と行列、財務など多くの分類がありますが、最初から全部を読む必要はありません。まずはこの記事で紹介する関数を使えるようにし、足りない場面に出会ったときに公式の一覧から探す、という順番で十分です。

関数の基本の書き方

関数は、決まった計算をひとまとめにした命令です。セルに「=」に続けて関数の名前と丸かっこを入力し、かっこの中に計算に使う値や範囲を書きます。かっこの中に入れる値のことを「引数(ひきすう)」と呼びます。

たとえば、A2からA10までのセルの合計を出す式は次のとおりです。

=SUM(A2:A10)

「A2:A10」は、A2からA10までの範囲を表します。引数が複数あるときは、「,」(半角のカンマ)で区切ります。

関数を入力する方法は3つあります。

  1. セルに直接「=SUM(」と入力する。入力の途中で関数の候補が表示されるので、矢印キーで選んで Tab キーで確定できる
  2. 数式バーの左にある「fx」(関数の挿入)のボタンを押し、一覧から関数を選んで引数を入力する
  3. リボンの「数式」タブにある関数ライブラリから、分類を選んで関数を選ぶ

慣れないうちは、2つ目の「関数の挿入」を使うと、引数ごとに入力欄が分かれて表示されるので、何をどこに入れればよいか迷いません。

もう1つ覚えておきたいのが、絶対参照と相対参照です。式を下のセルにコピーすると、式の中のセルの番地もずれて動きます。これが相対参照です。消費税率のように、どのセルからも同じセルを見てほしいときは、番地の前に「$」を付けて「$E$1」のように書きます。これが絶対参照で、コピーしても番地が動きません。セルの番地を選んだ状態で F4 キーを押すと、「$」を付けたり外したりを切り替えられます。

式の結果がおかしいときは、多くの場合、範囲の指定がずれているか、絶対参照にすべきところが相対参照になっています。式の入ったセルを選んで F2 キーを押すと、式が参照している範囲が色付きの枠で表示されるので、どこを見ているかを確かめられます。

まず覚える基本の関数

最初に覚えたいのは、合計、平均、最大と最小、個数、端数の処理の関数です。この数個だけで、日々の集計の多くが片付きます。

関数 できること 書式の例
SUM 範囲の合計を出す =SUM(A2:A10)
AVERAGE 範囲の平均を出す =AVERAGE(A2:A10)
MAX 範囲の最大値を出す =MAX(A2:A10)
MIN 範囲の最小値を出す =MIN(A2:A10)
COUNT 数値が入っているセルの数を数える =COUNT(A2:A10)
COUNTA 空白でないセルの数を数える =COUNTA(A2:A10)
ROUND 指定した桁で四捨五入する =ROUND(A2,0)
ROUNDDOWN 指定した桁で切り捨てる =ROUNDDOWN(A2,0)
ROUNDUP 指定した桁で切り上げる =ROUNDUP(A2,0)

SUMは、もっともよく使う関数です。合計したい範囲のすぐ下のセルを選んで、「ホーム」タブの「オートSUM」(Σの記号)を押すと、範囲を自動で判断して式を入れてくれます。

COUNTとCOUNTAの違いは、ここ、意外と見落としがちなところです。COUNTは数値の入ったセルだけを数え、文字の入ったセルは数えません。名簿の人数を数えたいときに、名前の列でCOUNTを使うと0になってしまいます。文字も含めて数えたいときはCOUNTAを使います。

ROUND、ROUNDDOWN、ROUNDUPの2つ目の引数は、どの桁で処理するかを表します。0なら小数点以下を処理して整数にし、1なら小数第1位まで残し、マイナス1なら一の位を処理して10円単位にします。金額の計算では、税額や手数料の端数をどう扱うかが決まっていることが多いので、決まりに合わせて使い分けます。

見た目の表示だけを整数にする「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタンは、実際の値を丸めているわけではありません。表示は整数でも、セルの中には小数が残っていて、合計すると1円ずれることがあります。金額を扱う表では、表示ではなくROUND系の関数で実際に値を丸めておくのが安全です。

条件で結果を分ける関数

「条件に合うかどうかで結果を変えたい」ときに使うのが、IFを中心とした論理関数です。

関数 できること 書式の例
IF 条件に合えば1つ目、合わなければ2つ目の値を返す =IF(B2>=80,"合格","不合格")
IFS 複数の条件を順に調べ、最初に合ったものの値を返す =IFS(B2>=80,"A",B2>=60,"B",TRUE,"C")
AND すべての条件に合うときに TRUE を返す =AND(B2>=60,C2>=60)
OR どれか1つの条件に合うときに TRUE を返す =OR(B2>=90,C2>=90)
IFERROR 式がエラーになったときに別の値を返す =IFERROR(A2/B2,"")

IFは、IF(条件, 条件に合うときの値, 合わないときの値) の形で書きます。たとえば、売上が10万円以上なら「達成」、そうでなければ「未達」と表示したいときは、=IF(B2>=100000,"達成","未達") と書きます。文字を返すときは、文字を「"」(半角の二重引用符)で囲みます。

条件が3つ以上に分かれるときは、IFの中にIFを入れる書き方もできますが、かっこが重なって読みにくくなります。Office 2019以降の版や Microsoft 365 では、IFSを使うと条件を順に並べるだけで済みます。上の表の例では、80点以上なら A、60点以上なら B、それ以外は C を返します。最後の「TRUE」は「それ以外のすべて」を表す書き方です。

ANDとORは、単独で使うよりIFと組み合わせて使うことが多い関数です。「出勤日数が20日以上で、遅刻が0回なら皆勤手当の対象」のような判定は、=IF(AND(C2>=20,D2=0),"対象","") と書けます。

IFERRORは、エラーの表示を見やすくするための関数です。割り算で割る数が空欄のときや、表引きで値が見つからないときに、セルに「#DIV/0!」や「#N/A」が表示されるのを、空欄や「該当なし」に置き換えられます。ただし、IFERRORはすべてのエラーを隠してしまうので、式そのものが間違っているときにも気づけなくなります。式が正しく動くことを確かめてから、最後に包むようにしましょう。

条件に合うものを数える・合計する関数

集計の仕事でもっとも出番が多いのが、条件付きで数えたり合計したりする関数です。

関数 できること 書式の例
COUNTIF 条件に合うセルの数を数える =COUNTIF(B2:B100,"東京")
COUNTIFS 複数の条件すべてに合う行の数を数える =COUNTIFS(B2:B100,"東京",C2:C100,">=10000")
SUMIF 条件に合う行の値を合計する =SUMIF(B2:B100,"東京",D2:D100)
SUMIFS 複数の条件すべてに合う行の値を合計する =SUMIFS(D2:D100,B2:B100,"東京",C2:C100,"10月")
AVERAGEIF 条件に合う行の値の平均を出す =AVERAGEIF(B2:B100,"東京",D2:D100)

COUNTIFは、COUNTIF(範囲, 条件) の形で書きます。条件には文字だけでなく、「">=10000"」のように比べる記号と数値を組み合わせたものも使えます。「〇〇を含む」という条件にしたいときは、「"東京"」のように「*」を前後に付けます。

SUMIFとSUMIFSは、引数の並び順が違うので注意が必要です。SUMIFは「条件を調べる範囲、条件、合計する範囲」の順ですが、SUMIFSは「合計する範囲」が最初に来て、その後に「条件を調べる範囲と条件」の組を並べます。Microsoftの公式の説明でも、SUMIFSの書式は SUMIFS(合計対象範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...) と書かれています。条件が1つでもSUMIFSで書く習慣にすると、並び順で迷わなくなります。

条件は、セルに入力した値を使うこともできます。たとえば、F1に「東京」と入力しておき、=SUMIFS(D2:D100,B2:B100,F1) とすれば、F1を「大阪」に書き換えるだけで大阪の合計に変わります。担当者別や月別の集計表を作るときは、条件をセルに書いておく方法が便利です。

条件を数値の比べ方で書くときは、記号と数値を「"」で囲み、セルの値と組み合わせるときは「&」でつなぎます。F1に入れた金額以上の行を数えるなら、=COUNTIF(C2:C100,">="&F1) と書きます。

表から値を探して取り出す関数

別の表から情報を引いてくる作業は、事務の仕事で特に時間がかかる作業です。商品コードから商品名と単価を引く、社員番号から氏名と部署を引く、といった作業には、検索の関数を使います。

関数 できること 書式の例
VLOOKUP 表の左端の列で値を探し、同じ行の指定した列の値を返す =VLOOKUP(A2,商品!A:C,3,FALSE)
XLOOKUP 探す列と返す列を別々に指定して値を返す =XLOOKUP(A2,商品!A:A,商品!C:C,"該当なし")
INDEX 範囲の中の指定した行と列の値を返す =INDEX(C2:C100,5)
MATCH 範囲の中で値が何番目にあるかを返す =MATCH(A2,B2:B100,0)

VLOOKUPは、VLOOKUP(探す値, 探す範囲, 返す列の番号, 検索の方法) の形で書きます。最後の引数には、完全に一致するものを探すなら FALSE、近い値を探すなら TRUE を入れます。Microsoftの公式の説明では、この引数を省略すると TRUE として扱われるとされています。コードや名前で探すときに省略すると、一致しない値が返ってくることがあるので、事務の作業では FALSE を必ず書く習慣をつけましょう。

VLOOKUPには、探す値が範囲の左端の列にないと使えない、列を挿入すると返す列の番号がずれる、という弱点があります。この弱点を解消したのがXLOOKUPです。Microsoftの公式サポートは、XLOOKUPを次のように説明しています。

XLOOKUP を使用すると、1 つの列で検索語を検索し、戻り列がどちら側にあるかに関係なく、別の列の同じ行から結果を返すことができます。 XLOOKUP は Excel 2016 および Excel 2019 では使用できません。 出典: support.microsoft.com

XLOOKUPは、探す列と返す列を別々に指定するので、列の位置に縛られません。4つ目の引数に、見つからなかったときに表示する値を書けるので、IFERRORで包む必要もありません。既定で完全一致を探すのも、VLOOKUPより間違いが起きにくい点です。

ただし、引用にあるとおり、XLOOKUPは Excel 2016 と Excel 2019 では使えません。取引先や社内のほかの人が古い版を使っている場合、XLOOKUPを使ったファイルを渡すと、相手の画面では正しく表示されないことがあります。ファイルを共有する相手の版が分からないときは、VLOOKUPか、どの版でも使えるINDEXとMATCHの組み合わせを使うのが無難です。

INDEXとMATCHの組み合わせは、=INDEX(C2:C100,MATCH(A2,B2:B100,0)) のように書きます。MATCHでB列の何番目に探す値があるかを求め、INDEXでC列のその番目の値を取り出す仕組みです。少し複雑に見えますが、左側の列の値も取り出せるので、VLOOKUPでは対応できない表で役立ちます。

日付と時間を扱う関数

日付の関数は、締め日や支払期日、勤続年数、勤務時間の計算で使います。Excelは日付を内部で連続した数値として扱っているので、日付どうしの引き算で日数が求められます。

関数 できること 書式の例
TODAY 今日の日付を返す =TODAY()
NOW 今日の日付と現在の時刻を返す =NOW()
DATE 年、月、日から日付を作る =DATE(2026,10,31)
EOMONTH 指定した月数後の月末の日付を返す =EOMONTH(A2,1)
WEEKDAY 日付の曜日を数値で返す =WEEKDAY(A2)
NETWORKDAYS 土日と指定した祝日を除いた日数を返す =NETWORKDAYS(A2,B2,祝日!A:A)
TEXT 数値や日付を指定した表示の形の文字にする =TEXT(A2,"yyyy年m月d日(aaa)")

EOMONTHは、請求の仕事で特に便利な関数です。「月末締め翌月末払い」の支払期日は、請求日がA2にあれば =EOMONTH(A2,1) で求められます。2つ目の引数を0にすればその月の月末、2にすれば翌々月の月末になります。結果が数値で表示されたときは、セルの表示形式を「日付」に変えます。

NETWORKDAYSは、2つの日付の間の営業日の数を数える関数です。3つ目の引数に祝日の一覧の範囲を指定すると、祝日も除いて数えられます。祝日の一覧は自動では用意されないので、別のシートに祝日の日付を入力しておき、その範囲を指定します。

TEXTは、日付や数値を決まった形の文字に変える関数です。「yyyy年m月d日(aaa)」の形を指定すると、「2026年10月31日(土)」のように曜日付きで表示されます。「aaa」は曜日を「月」「火」の1文字で、「aaaa」は「月曜日」の形で表します。請求書や案内文の日付を曜日付きで表示したいときに使います。

TODAYとNOWは、ファイルを開くたびに今日の日付に変わります。請求書の発行日のように、後から変わってほしくない日付には使わず、日付を直接入力します。Ctrl キーと「;」(セミコロン)キーを同時に押すと、今日の日付を固定の値として入力できます。

文字を整える関数

名簿や顧客の一覧を整える作業では、文字の関数を使います。ほかのシステムから取り出したデータは、余計な空白が入っていたり、姓と名が1つのセルにまとまっていたりすることが多く、そのままでは並べ替えや検索がうまくいきません。

関数 できること 書式の例
LEFT 文字列の左から指定した文字数を取り出す =LEFT(A2,3)
RIGHT 文字列の右から指定した文字数を取り出す =RIGHT(A2,4)
MID 文字列の途中から指定した文字数を取り出す =MID(A2,4,2)
LEN 文字列の文字数を数える =LEN(A2)
FIND 指定した文字が何文字目にあるかを返す =FIND(" ",A2)
TRIM 余分な空白を取り除く =TRIM(A2)
SUBSTITUTE 指定した文字を別の文字に置き換える =SUBSTITUTE(A2,"-","")
CONCAT 複数の文字列をつなげる =CONCAT(A2,B2)
TEXTJOIN 区切り記号を入れて文字列をつなげる =TEXTJOIN(" ",TRUE,A2,B2)

LEFT、RIGHT、MIDは、決まった位置にある文字を取り出すときに使います。郵便番号の上3桁を取り出す、商品コードの末尾の枝番を取り出す、といった使い方です。

姓と名の間に空白がある氏名から姓だけを取り出すには、FINDで空白の位置を調べてLEFTと組み合わせ、=LEFT(A2,FIND(" ",A2)-1) と書きます。全角の空白と半角の空白が混ざっているデータでは、先にSUBSTITUTEで空白をどちらかにそろえておくと、うまく取り出せます。

TRIMは、文字列の前後にある空白と、単語の間に2つ以上続く空白を取り除きます。見た目は同じ名前なのにVLOOKUPやCOUNTIFで一致しないときは、どちらかに空白が紛れ込んでいることが多いので、TRIMで整えてから探すと解決することがあります。

複数の文字列をつなげるときは、「&」でつなぐ方法のほか、CONCATやTEXTJOINが使えます。TEXTJOINは、区切り記号を指定でき、2つ目の引数を TRUE にすると空白のセルを飛ばしてつなげます。住所を都道府県、市区町村、番地の列から1つにまとめるときなどに便利です。Microsoftの公式サポートでは、TEXTJOINは Office 2019 以降の版または Microsoft 365 で使える関数とされています。

新しい版で使える便利な関数

Microsoft 365 や Excel 2021 以降の版では、1つの式で複数のセルに結果を表示する関数が使えます。結果が自動で下や横のセルに広がって表示されるので、「スピル」と呼ばれています。

関数 できること 書式の例
FILTER 条件に合う行だけを抜き出す =FILTER(A2:D100,C2:C100="東京","該当なし")
UNIQUE 重複を除いた一覧を作る =UNIQUE(B2:B100)
SORT 範囲を並べ替えた結果を返す =SORT(A2:D100,4,-1)
XLOOKUP 探す列と返す列を別々に指定して値を返す =XLOOKUP(A2,B:B,D:D,"該当なし")

FILTERは、条件に合う行だけを別の場所に抜き出す関数です。元の表を変えずに、「東京の取引だけ」「今月の未入金だけ」の一覧を作れます。元の表に行を追加すると、抜き出した結果も自動で変わります。

UNIQUEは、重複を除いた一覧を作る関数です。取引先の名前が何度も出てくる売上の表から、取引先の一覧を作り、その横にSUMIFSで取引先ごとの合計を出す、という組み合わせがよく使われます。

自分の使っているExcelの版は、Windows では「ファイル」タブの「アカウント」から確かめられます。Mac では、画面上部の「Excel」メニューから「Excelについて」を選ぶと表示されます。会社のパソコンと自宅のパソコンで版が違う、ということもよくあるので、ファイルを作る前に一度確かめておきましょう。

前の節で書いたとおり、古い版の Excel を使っている人にファイルを渡すと、これらの関数は正しく表示されません。社外に渡すファイルや、長く使う社内の書式では、相手の版に合わせて関数を選ぶことが大切です。

請求書と報酬の計算で関数を使う例

ここでは、フリーランスや経理の事務でよく使う計算を例に、関数の組み合わせ方を紹介します。

まず、税抜きの金額から消費税と税込みの金額を出す計算です。A2に税抜きの金額、E1に税率の「10%」が入っているとします。

  • 消費税:=ROUNDDOWN(A2*$E$1,0)
  • 税込み:=A2+B2(B2に上の消費税の式を入力した場合)

ここで税率のセルを「$E$1」と絶対参照にしているのは、式を下の行にコピーしても税率のセルを見続けるようにするためです。端数を切り捨てるか四捨五入するかは、取引先との決まりや社内の規程に合わせます。

次に、原稿料やデザイン料などの報酬から差し引く源泉徴収税の計算です。国税庁の説明では、支払金額が100万円以下ならその10.21%、100万円を超えるなら超えた部分の20.42%に102,100円を加えた額とされ、求めた税額の1円未満の端数は切り捨てます。支払金額がA2にあるとき、式は次のように書けます。

=IF(A2>1000000,ROUNDDOWN((A2-1000000)0.2042+102100,0),ROUNDDOWN(A20.1021,0))

たとえば報酬が5万円なら、50,000×10.21%で5,105円となり、差し引いた後の振込額は44,895円です。報酬が150万円なら、(150万円−100万円)×20.42%+102,100円で204,200円になります。国税庁の説明にも同じ計算例が載っています。詳しくは国税庁の原稿料や講演料を支払ったときで確かめてください。どの報酬が源泉徴収の対象になるか、消費税を含めた額で計算するかは取引の内容で変わるため、判断に迷うときは税務署や税理士に確認しましょう。

月ごとの売上の集計には、SUMIFSが役立ちます。A列に日付、B列に取引先、C列に金額が入った表があるとき、10月の合計は次のように求められます。

=SUMIFS(C2:C500,A2:A500,">="&DATE(2026,10,1))-SUMIFS(C2:C500,A2:A500,">="&DATE(2026,11,1))

1つ目のSUMIFSで「10月1日以降」の合計を出し、2つ目のSUMIFSで「11月1日以降」の合計を出して差し引くと、10月の分だけが残ります。比べる向きを「以上」にそろえておくと、式を読み返したときに条件の向きを取り違えにくくなります。月の初日をセルに書いておけば、1つの式で毎月の集計に使い回せます。

エラーが出たときの読み方と直し方

関数を使っていると、セルに「#」で始まるエラーが表示されることがあります。エラーの種類によって原因が違うので、表示を見れば直す場所の見当がつきます。

  • #N/A は、探した値が見つからなかったことを表します。VLOOKUPやXLOOKUPで、探す値の綴りや空白、全角と半角の違いを確かめます。
  • #DIV/0! は、0や空欄で割り算をしたことを表します。割る数のセルが空になっていないかを確かめます。
  • #VALUE! は、計算に使えない値が含まれていることを表します。数値のつもりのセルに文字や空白が入っていないかを確かめます。
  • #REF! は、参照していたセルがなくなったことを表します。式が参照していた行や列を削除していないかを確かめます。
  • #NAME? は、関数の名前が間違っているか、使っている版にない関数を使っていることを表します。綴りと、自分の版で使える関数かを確かめます。

エラーは表示されないのに、計算の結果が変わらないこともあります。原因として多いのは2つです。1つは、計算方法が「手動」になっている場合で、「数式」タブの「計算方法の設定」を「自動」に戻すと直ります。もう1つは、数値が文字として入力されている場合で、セルの左上に緑の三角が表示されていることがあります。そのセルを選んで表示される注意のマークから「数値に変換する」を選ぶと直ります。

ほかのシステムから取り出したデータでは、数字が文字として入っていることがよくあります。合計が合わないときは、COUNTで数値のセルの数を数え、COUNTAの結果と比べてみると、文字として入っているセルがあるかどうかが分かります。

関数の覚え方と、仕事で生かすための資格

関数は、一覧を眺めて暗記するより、目の前の作業に1つずつ当てはめて覚えるほうが身につきます。手作業で30分かかっている集計があれば、それをSUMIFSやCOUNTIFSに置き換えられないかを考えてみる、という使い方です。最初は時間がかかっても、一度式を組んでしまえば翌月からは数秒で終わります。

覚える順番の目安は次のとおりです。

  1. SUM、AVERAGE、COUNT、COUNTA、ROUND系で、表の基本の集計ができるようにする
  2. IF、COUNTIF、SUMIFS で、条件付きの集計ができるようにする
  3. VLOOKUP か XLOOKUP で、別の表から値を引けるようにする
  4. 日付と文字の関数で、データを整えられるようにする

ここまでできれば、事務職の求人で求められる「関数が使える」の範囲は十分に満たせます。

Excelの力を客観的に示したいときは、資格を取る方法があります。マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、Word、Excel、PowerPoint などの利用スキルを証明する資格で、MOSの公式サイトによると、Excelには一般レベルと上級レベル(エキスパート)の2つのレベルがあります。転職や在宅の仕事の応募で、Excelの力を書類で伝えたいときの材料になります。

在宅ワークの仲介を20年続けてきた運営者として見てきた限りでは、事務やデータ入力の仕事を長く続けている人ほど、関数の数をたくさん知っていることよりも、依頼者が後から見ても分かる表を作ることを大切にしています。式に使う条件をセルに書き出しておく、どの列に何を入れるかを見出しで示しておく、といった工夫があると、依頼者は安心して次の仕事を任せられます。仲介の手数料がかからない直接の取引では、その分の予算が作業の量や単価に回りやすく、手数料0%で直接つながる関係では、こうした丁寧さがそのまま手取りの厚さと継続の依頼につながっていきます。

関数を使った表作りは、多くの仕事の土台になります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIを取り入れて効率を上げる仕事の内容と、求められる力を紹介しています。業務の改善を手伝う仕事では、まずExcelで今の作業の量や時間を集計し、改善の前後を数字で比べる場面が多く、関数の知識がそのまま役立ちます。

医療の事務の仕事も、会計や集計でExcelを使う場面がある仕事です。医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)では、医療事務の資格の内容と試験の概要をまとめています。資格の知識と、表計算の基本の力を組み合わせることで、受付や会計の仕事の幅が広がります。

データを扱う仕事の収入の目安を知りたい人は、研究者の年収・単価相場も参考になります。研究の仕事では、実験や調査のデータをExcelで整理し、集計してから分析に進むことが多く、この記事で紹介した関数がデータの下ごしらえに使われています。

よくある質問

Q. エクセルの関数は全部でいくつありますか?

Excelには400を超える関数があり、版が新しくなるたびに追加されています。ただし、事務の仕事で日常的に使うのは30前後に限られます。まずはSUM、IF、COUNTIF、SUMIFS、VLOOKUPなどの基本を使えるようにし、足りない場面でMicrosoftの公式サポートにある機能別の一覧から探す方法が効率的です。

Q. VLOOKUPとXLOOKUPはどちらを覚えればよいですか?

自分だけが使うファイルで、Microsoft 365 や Excel 2021 以降を使っているならXLOOKUPが扱いやすい関数です。ただし、Excel 2016 や Excel 2019 では使えないため、社外に渡すファイルや版の分からない相手と共有するファイルではVLOOKUPを使うほうが安全です。両方の書き方を知っておくと困りません。

Q. 関数を入れたのに計算結果が変わらないのはなぜですか?

多いのは、計算方法の設定が「手動」になっている場合と、数値が文字として入力されている場合です。「数式」タブの「計算方法の設定」を「自動」に戻すか、セルの左上の緑の三角から「数値に変換する」を選ぶと直ります。ほかのシステムから取り出したデータで起きやすい現象です。

Q. 事務の仕事に応募するには、どの関数まで使えればよいですか?

求人票の「関数が使える」は、多くの場合SUM、IF、COUNTIF、SUMIFS、VLOOKUPを自分で組み立てられる程度を指しています。日付や文字の関数でデータを整えられれば、さらに対応できる作業が広がります。力を書類で示したいときは、MOSのExcelの資格も選択肢になります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月24日最終更新:2026年10月25日
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