エクセルの複合グラフ|棒と折れ線を重ねる手順


この記事のポイント
- ✓エクセルの複合グラフで棒グラフと折れ線グラフを重ねる手順を
- ✓挿入タブから作る方法と
- ✓作った棒グラフの系列を折れ線に変える方法の2通りで説明します
エクセルの複合グラフは、棒グラフと折れ線グラフのように種類の違うグラフを1つにまとめ、売上と利益率、来店数と客単価のような単位の違うデータを同時に見せるためのグラフです。作り方は、挿入タブの「複合グラフの挿入」から作る方法と、先に作った棒グラフの一部の系列を折れ線に変える方法の2通りがあり、どちらも数分で終わります。この記事では、表の準備から、第2軸の設定、目盛の調整、見やすく整えるコツ、思いどおりにならないときの直し方までを、Windows版、Mac版、Googleスプレッドシートに分けて説明します。
複合グラフとは何か
複合グラフとは、1つのグラフの中に、2つ以上の種類のグラフを重ねて表示したものです。いちばんよく使われるのは、棒グラフ(縦棒)と折れ線グラフの組み合わせで、金額や数量を棒で、割合や推移を線で示します。
複合グラフが必要になる理由
たとえば、毎月の売上と利益率を1つのグラフで見せたいとします。売上は数百万円、利益率は数十%と、数字の大きさも単位もまったく違います。同じ目盛で棒グラフにすると、利益率の棒は小さすぎて見えません。パソコン関連の情報サイトでも、この問題が複合グラフを使う理由として説明されています。
今回は、図01のような複合グラフの作り方を紹介する。表を見ていただければわかるが、「人口」と「売上」のデータは、大きさが桁違いに異なる。つまり、2軸の棒グラフを作成したとしても、売上のデータが小さすぎて見えなくなってしまうのだ。 出典: pc-webzine.com
複合グラフにして、利益率を右側の別の目盛(第2軸)で表示すると、売上の大きさと利益率の動きを1枚で見比べられるようになります。
2軸グラフとの違い
複合グラフと似た言葉に「2軸グラフ」があります。2軸グラフとは、グラフの左右に別々の目盛を持つグラフのことで、左を主軸(第1軸)、右を第2軸と呼びます。複合グラフは「グラフの種類を組み合わせたもの」、2軸グラフは「目盛を2つ持つもの」という違いがあり、実務では両方を同時に使う場面がほとんどです。棒と折れ線を重ねて、折れ線だけを右の目盛で読ませる形が、もっとも一般的な複合グラフです。
作れる組み合わせと作れない組み合わせ
複合グラフは、どんなグラフの種類でも組み合わせられるわけではありません。Microsoftの公式ヘルプには、次の条件が書かれています。
複合グラフを作成するには、2-D 折れ線、2-D 縦棒、散布図、バブル チャートなどの 2-D グラフを使用する必要があります。 出典: Microsoft サポート 複合グラフを作成する
2-Dとは平面のグラフのことです。立体的に見える3-Dのグラフは、複合グラフにできません。また、円グラフと折れ線グラフのように、性格の違うグラフどうしも組み合わせられません。組み合わせに使えるのは、縦棒、折れ線、面、散布図などの平面のグラフだと覚えておくと迷いません。
作る前に表を整える
複合グラフがうまく作れない原因の多くは、グラフの操作ではなく、元の表の形にあります。作り始める前に、表を次の形に整えておきましょう。
複合グラフに向いた表の形
例として、ある店舗の半年間の売上と利益率を表にします。
| 月 | 売上(万円) | 利益率(%) |
|---|---|---|
| 4月 | 320 | 18 |
| 5月 | 350 | 21 |
| 6月 | 290 | 15 |
| 7月 | 410 | 24 |
| 8月 | 380 | 22 |
| 9月 | 430 | 26 |
左の列に横軸に並べる項目(ここでは月)、右の列に数値を入れます。1行目には「売上(万円)」「利益率(%)」のように、列の名前と単位を入れておきます。この列の名前が、グラフの凡例(どの色が何のデータかを示す見出し)にそのまま使われます。
表を整えるときの注意
- 結合したセルを使わない:セルの結合があると、グラフの範囲が正しく読み取られないことがある
- 空の行や列を挟まない:途中に空白があると、グラフが2つに分かれたり、データが欠けたりする
- 数値は数値として入力する:「320万」のように文字を混ぜると、エクセルが数値として扱えない
- 利益率はパーセントの書式にするか、数字だけにそろえる:0.18と18が混ざると目盛がずれる
特に、数値に単位の文字を混ぜてしまうのはよくある失敗です。単位は列の見出しに書き、セルには数字だけを入れるのが基本です。
月を数字で入れたときの落とし穴
横軸の項目を「4」「5」「6」のように数字だけで入力すると、エクセルがそれを横軸の項目ではなく、グラフにするデータの1つだと判断してしまうことがあります。「4月」のように文字を付けるか、セルの書式を文字列にしておくと、この問題を避けられます。年度を横軸にするときも同じで、「2024」「2025」と数字だけで入れると系列として扱われやすいので、「2024年」のように書くと安全です。
Windows版で複合グラフを作る手順
Windows版のエクセルで、挿入タブから複合グラフを作る方法です。Microsoft 365のエクセルのほか、Excel 2016以降でもほぼ同じ手順で作れます。
手順1 表の範囲を選ぶ
月、売上、利益率の見出しを含めて、表全体をドラッグして選びます。見出しの行を含めて選ぶと、凡例と横軸の項目が自動で入ります。
手順2 複合グラフを挿入する
- 「挿入」タブを開く
- 「グラフ」グループにある「複合グラフの挿入」のボタンを選ぶ
- 「集合縦棒 - 第 2 軸の折れ線」を選ぶ
これで、売上が棒グラフ、利益率が折れ線グラフになり、利益率は右側の第2軸の目盛で表示されます。売上と利益率のように単位の違う2つのデータなら、多くの場合これだけで完成形に近いグラフになります。
手順3 「ユーザー設定の複合グラフ」で細かく決める
既定の組み合わせが合わないときは、「複合グラフの挿入」の一覧の下にある「ユーザー設定の複合グラフを作成する」を選びます。開いた画面では、系列ごとに次の2つを指定できます。
- グラフの種類:集合縦棒、折れ線、マーカー付き折れ線、面など
- 第2軸:チェックを入れると、その系列が右側の目盛で表示される
売上、客数、利益率のように3つ以上の系列があるときも、この画面で1つずつ種類と軸を決めれば、思いどおりの組み合わせが作れます。
「おすすめグラフ」から作る方法
挿入タブの「グラフ」グループには「おすすめグラフ」というボタンもあります。選んだ表の形をエクセルが読み取り、合いそうなグラフの候補を並べてくれる機能です。候補の中に複合グラフが出てくることもありますが、出てこないときは、同じ画面の「すべてのグラフ」タブを開き、左の一覧の下にある「組み合わせ」を選びます。ここでも系列ごとにグラフの種類と第2軸を指定できるので、「複合グラフの挿入」のボタンが見つからない場合の代わりの入口として覚えておくと便利です。
キーボードで素早くグラフを作る
Windows版のエクセルでは、表を選んだ状態で「Alt」キーを押しながら「F1」キーを押すと、既定の種類のグラフが同じシートにすぐ作られます。「F11」キーだけを押すと、グラフ専用の新しいシートにグラフが作られます。どちらも最初は棒グラフになることが多いので、作った後に、次の章で説明する方法で一部の系列を折れ線に変えれば、複合グラフに仕上がります。毎日のようにグラフを作る人は、この操作を覚えておくと作業の時間を短くできます。
作った棒グラフを複合グラフに変える手順
すでに棒グラフを作ってある場合は、一部の系列だけ種類を変えることで複合グラフにできます。会議資料のグラフを後から複合グラフに直したいときに便利な方法です。
系列を選んで種類を変える
- グラフの中で、折れ線に変えたい系列(ここでは利益率の棒)をクリックする
- 右クリックして「系列グラフの種類の変更」を選ぶ
- 開いた画面の下で、その系列のグラフの種類を「折れ線」にする
- 同じ行の「第 2 軸」にチェックを入れて「OK」を押す
リボンから操作するときは、グラフを選んだ状態で、「グラフのデザイン」タブにある「グラフの種類の変更」を選び、「組み合わせ」の項目から設定します。Excel 2016など少し前の版では、「グラフ ツール」の「デザイン」タブに同じボタンがあります。
系列は1つずつ変える
Microsoftの公式ヘルプには、系列の種類の変更について次の注意があります。
同時に 1 つのデータ系列についてのみ、グラフの種類を変更できます。 グラフ内の複数のデータ系列についてグラフの種類を変更するには、変更するデータ系列ごとにこの手順を繰り返します。 出典: Microsoft サポート 既存のグラフの種類を変更する
右クリックから系列を1つずつ変える方法では、複数の系列を折れ線にしたいときは、同じ操作を系列ごとに繰り返します。「グラフの種類の変更」の画面で「組み合わせ」を選べば、全部の系列の種類を一覧で決められるので、系列が多いときはこちらのほうが早く済みます。
系列が小さすぎてクリックできないとき
利益率のように値の小さい系列は、棒が低すぎてクリックできないことがあります。そのときは、グラフを選んだ状態で「書式」タブを開き、左上の「グラフの要素」の一覧から「系列 "利益率(%)"」を選ぶと、見えない系列でも選択できます。選んだ後は、「選択対象の書式設定」から「系列のオプション」を開き、「使用する軸」で「第 2 軸」を選べば、右側の目盛で表示されるようになります。
Mac版で複合グラフを作る手順
Mac版のエクセル(Microsoft 365 for Mac、Excel 2021 for Macなど)でも、手順の考え方は同じです。画面の名前が少し違うので、迷いやすい点を押さえておきます。
Mac版の基本の手順
- 表の範囲を選び、「挿入」タブから「縦棒」の集合縦棒グラフを作る
- グラフの中で、折れ線にしたい系列をクリックする
- 「グラフのデザイン」タブで「グラフの種類の変更」を選び、「折れ線」を選ぶ
- 第2軸にするときは、系列を選んだまま右クリックし「データ系列の書式設定」を開く
- 右側に出る画面で「系列のオプション」から「第 2 軸」を選ぶ
Mac版では、一覧から組み合わせを選ぶよりも、先に棒グラフを作ってから系列ごとに種類を変える流れのほうが確実です。
Mac版で第2軸のラベルを付ける
第2軸の目盛に「利益率(%)」のような見出しを付けるときは、グラフを選んで「グラフのデザイン」タブの「グラフ要素を追加」から「軸ラベル」を選び、第2縦軸のラベルを追加します。ラベルを付けておくと、右の目盛が何の数字なのかがひと目で分かり、資料を見る人が読み違えにくくなります。
Macのトラックパッドでの右クリック
Macで右クリックに当たる操作は、トラックパッドを2本指でクリックするか、controlキーを押しながらクリックします。系列の書式設定を開くときによく使うので、慣れておくと作業が早くなります。
第2軸の目盛を整える
複合グラフは、作った直後のままだと、棒と線が重なって読みにくいことがあります。第2軸の目盛を調整すると、ぐっと見やすくなります。
最小値と最大値を決める
目盛の範囲は、エクセルが自動で決めますが、手で決めたほうが見やすくなる場面が多くあります。第2軸の目盛の数字をダブルクリック(Macでは右クリックから「軸の書式設定」)すると、右側に「軸の書式設定」の画面が開きます。「軸のオプション」の「境界値」にある「最小値」と「最大値」に数字を入れると、目盛の範囲を固定できます。
たとえば、利益率が15%から26%の間で動いているなら、最小値を0、最大値を30にすると、線が棒と重なりすぎずに読めます。最小値を10にすると変化が大きく見えますが、実際より動きが大きい印象を与えるので、資料の目的に合わせて決めましょう。
左右の目盛の0をそろえる
左右の目盛で0の位置がずれていると、棒の高さと線の位置の関係が読み取りにくくなります。左右とも最小値を0にしておけば、0の位置がそろいます。マイナスの値を含むデータ(前年比の増減など)を扱うときは、左右の目盛で、最小値と最大値の比率をそろえると0の高さが合います。たとえば左が「マイナス100からプラス400」なら、右は「マイナス5からプラス20」のように同じ比率にします。
目盛線を片方だけにする
左右の両方の目盛に横の線(目盛線)が出ると、線が二重になって見づらくなります。目盛線は主軸だけに残し、第2軸の目盛線は出さないのが一般的です。グラフの右上の「グラフ要素」のボタン(Windows版の「+」の印)から、「目盛線」の項目で出し分けられます。
見やすく整えるコツ
複合グラフは情報が多い分、整え方で読みやすさが大きく変わります。資料に使う前に、次の点を見直しましょう。
色は2色を基本にする
棒と線の色が似ていると、どちらがどのデータかが分かりにくくなります。棒は落ち着いた色、線ははっきりした色にすると、線の動きに目が向きます。会社の資料で決まった色があるなら、それに合わせます。色の数は2色から3色に絞り、強調したい1本だけ目立つ色にすると、伝えたいことが絞られます。
データラベルは必要な系列だけに付ける
棒の上や線の点に数値を表示する「データラベル」は、全部の系列に付けると数字が重なって読めなくなります。利益率の線だけに付ける、最新の月だけに付ける、のように絞りましょう。系列を選んで右クリックし、「データ ラベルの追加」を選ぶと付けられます。
棒の太さと線のマーカー
棒が細すぎると線との区別がつきにくく、太すぎると線が埋もれます。棒を選んで「データ系列の書式設定」を開き、「要素の間隔」の値を小さくすると棒が太くなります。線には「マーカー付き折れ線」を使うと、どの月の値なのかが点で分かりやすくなります。
タイトルと凡例で読み方を伝える
グラフのタイトルは「売上と利益率の推移(2026年4月から9月)」のように、何をいつの期間で示しているのかが分かる言葉にします。凡例はグラフの上か下に表示すると、横幅を広く使えます。左右の軸に単位のラベルを付ければ、凡例を見なくても読めるグラフになります。
うまくいかないときの直し方
複合グラフを作っていると、思ったとおりの形にならないことがあります。よくある症状と直し方を整理します。
折れ線が下に張り付いて動きが見えない
利益率の線がグラフの下端にほぼ平らに表示されるのは、第2軸が設定されていないためです。線の系列を選び、「データ系列の書式設定」の「使用する軸」で「第 2 軸」を選びます。これで右側に目盛ができ、線の動きが見えるようになります。
月が凡例になり、売上が横軸に並ぶ
横軸に「売上」「利益率」が並び、月が凡例になってしまうのは、行と列の向きが逆に読み取られているためです。グラフを選び、「グラフのデザイン」タブの「行/列の切り替え」を押すと入れ替わります。
横軸に余計な系列が出る
横軸の項目にしたい「4」「5」のような数字が、棒の1本として表示されてしまう場合は、前の章で説明したとおり、数字が系列として扱われています。表の見出しのセルを空にするか、「4月」のように文字を付けてから作り直すと直ります。作ったグラフを直すときは、グラフを選んで「データの選択」を開き、横軸のラベルの範囲を指定し直します。
組み合わせの一覧に目的の形が出てこない
3-Dのグラフや円グラフを元にしていると、組み合わせの一覧に目的の形が出てきません。いったん平面の集合縦棒グラフに変えてから、系列ごとに種類を変えましょう。
元の表を変えたのにグラフが変わらない
グラフの範囲の外に行を追加すると、グラフに反映されません。表を「テーブル」に変換しておくと、行を追加したときにグラフの範囲も自動で広がります。表を選んで「挿入」タブの「テーブル」を選ぶと変換できます。毎月データを追加していく表なら、最初にテーブルにしておくと手間が減ります。
複合グラフに向くデータと向かないデータ
複合グラフは便利ですが、何でも重ねればよいわけではありません。向いているデータと、別のグラフにしたほうがよいデータを見分けましょう。
複合グラフに向くデータの例
| 棒で示すもの | 線で示すもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| 毎月の売上 | 利益率 | 売上が伸びても利益が出ているかを見る |
| 来店者数 | 客単価 | 客数と1人あたりの購入額の関係を見る |
| 予算 | 達成率 | 計画に対して進み具合を見る |
| 毎月の降水量 | 平均気温 | 季節の変化をまとめて見る |
| 毎月の新規契約数 | 累計の契約数 | 毎月の増え方と全体の積み上がりを見る |
共通しているのは、「量」を棒で、「割合」や「流れ」を線で示している点です。この役割分担がはっきりしているデータほど、複合グラフで伝わりやすくなります。
別のグラフにしたほうがよいデータ
- 同じ単位のデータを比べるとき:売上と経費のように同じ単位なら、集合縦棒グラフや積み上げ縦棒で足りる
- 全体に占める割合を見せたいとき:構成比は円グラフや100%積み上げ縦棒のほうが伝わる
- 系列が5つ以上あるとき:重ねると読めなくなるので、グラフを分けたほうがよい
複合グラフは、2つの数字の関係を見せたいときの道具です。伝えたいことが3つ以上あるなら、グラフを2枚に分けるほうが読み手に親切です。
第2軸で誤解を招かないために
第2軸は、目盛の取り方しだいで線の動きを大きくも小さくも見せられます。会議の資料で、目盛の範囲を狭めて変化を大きく見せると、読み手に誤った印象を与えるおそれがあります。目盛の範囲は0から始めるのを基本にし、変化を拡大して見せたい場合は、その旨をグラフのタイトルや注記に書いておきましょう。
複合グラフで目標線を引く
複合グラフの応用として、棒グラフに「目標」や「平均」の横線を重ねる使い方があります。毎月の売上が目標を超えたかどうかを、1本の線でひと目で示せるので、営業の報告や店舗の振り返りでよく使われます。
目標の列を表に追加する
目標線は、図形の線を手で引くのではなく、表に「目標」の列を追加して作ります。たとえば、毎月の目標を350万円とするなら、表の右に「目標(万円)」という列を作り、すべての月に350と入力します。
| 月 | 売上(万円) | 目標(万円) |
|---|---|---|
| 4月 | 320 | 350 |
| 5月 | 350 | 350 |
| 6月 | 290 | 350 |
| 7月 | 410 | 350 |
| 8月 | 380 | 350 |
| 9月 | 430 | 350 |
この表を選んで集合縦棒グラフを作ると、売上と目標の棒が並びます。そのうえで、目標の系列だけを「折れ線」に変えると、350の高さに水平な線が引かれます。目標線は売上と同じ単位なので、第2軸にはせず、左の主軸のまま使うのがポイントです。第2軸にすると、目盛がずれて棒との位置関係が狂ってしまいます。
平均線を引くときは関数を使う
目標ではなく、期間の平均を線にしたいときは、表に「平均」の列を作り、各セルにAVERAGE関数で売上の平均を求めます。たとえば売上がB2からB7のセルにあるなら、平均の列のセルに「=AVERAGE($B$2:$B$7)」と入力して下までコピーします。$の記号は、コピーしても範囲がずれないように固定するためのものです。売上の数字を書き換えると平均線の高さも自動で変わるので、毎月データを更新する表に向いています。
線を目立たせすぎない
目標線や平均線は、あくまで基準を示す補助の線です。棒より目立つ色にすると、肝心の売上の動きが見えにくくなります。灰色や薄い赤の点線にして、線の右端に「目標350万円」のようなデータラベルを1つだけ付けると、読み手が迷わずに基準を読み取れます。線の種類は、系列を選んで「データ系列の書式設定」の「線」の項目から、実線か点線かを選べます。
予算と実績を重ねて見せる
複合グラフのもう1つの定番は、予算と実績を比べるグラフです。予算を太い棒、実績を細い棒にして重ねると、どれだけ届いたかが直感的に伝わります。
棒どうしを重ねる設定
予算と実績を集合縦棒グラフにすると、2本の棒が横に並びます。これを重ねるには、実績の系列を選んで「データ系列の書式設定」を開き、「系列のオプション」で実績を「第 2 軸」にします。次に、予算と実績それぞれの「要素の間隔」の値を変え、予算の棒を太く、実績の棒を細くします。こうすると、太い予算の棒の中に細い実績の棒が収まった形になり、どれだけ予算に届いたかが見て取れます。
このとき、第2軸の目盛の最小値と最大値を、主軸と同じ数字にそろえることを忘れないでください。目盛がずれていると、実績の棒の高さが予算と正しく比べられなくなります。そろえた後は、第2軸の目盛そのものは表示しないように設定すると、グラフがすっきりします。
達成率の線を加える
予算と実績の棒に、達成率の折れ線を加えると、3つの情報を1枚で伝えられます。達成率は「実績÷予算」で計算し、パーセントの書式にしておきます。このときは、予算と実績を主軸の棒、達成率を第2軸の折れ線にすると、目盛の役割が分かれて読みやすくなります。棒を重ねる方法と同時に使うと設定が複雑になるので、3つの情報を見せたいときは、予算と実績を横に並べた集合縦棒に達成率の線を加える形から試すと失敗が少なくなります。
部署ごとの比較に使うとき
横軸を月ではなく部署や店舗にすれば、予算と実績のグラフは部署ごとの比較にも使えます。ただし部署の数が10を超えると棒が細くなりすぎるので、上位と下位の数部署に絞るか、横棒グラフに変えて縦に並べるほうが読みやすくなります。
Googleスプレッドシートで複合グラフを作る
エクセルを持っていない場合や、チームでファイルを共有している場合は、Googleスプレッドシートでも複合グラフを作れます。Googleのヘルプでは、複合グラフについて「異なるデータ系列を折れ線と縦棒を使用して示す場合に使用します」と説明されています。
Googleスプレッドシートの手順
- 表の範囲を選び、メニューの「挿入」から「グラフ」を選ぶ
- 右側に開く「グラフエディタ」の「設定」で、「グラフの種類」を「複合グラフ」にする
- 「カスタマイズ」を開き、「系列」で折れ線にする系列を選ぶ
- 「軸」の項目を「右軸」にする
これで、エクセルの第2軸と同じように、線の系列が右側の目盛で表示されます。グラフをダブルクリックすると、いつでもグラフエディタを開き直せます。
エクセルとの違い
Googleスプレッドシートは、ブラウザだけで使え、複数の人が同じ表を同時に編集できるのが強みです。一方、目盛線や軸の細かい書式は、エクセルのほうが細かく調整できます。社内の共有用ならGoogleスプレッドシート、印刷や提出用の資料ならエクセル、と使い分けると無理がありません。グラフのカスタマイズの項目は、Googleドキュメント エディタ ヘルプで確認できます。
作ったグラフを資料に使う
複合グラフは、会議の資料や報告書に貼って使うことが多いグラフです。貼り方によって、後から直せるかどうかが変わります。
PowerPointやWordに貼るとき
エクセルのグラフをコピーして、PowerPointやWordに貼り付けると、貼り付けのオプションを選べます。「元の書式を保持しブックを埋め込む」を選ぶと、貼った先でもグラフを編集できます。「図」として貼ると、どのパソコンでも同じ見た目で表示されますが、数字を後から直せません。会議の直前まで数字が変わりそうな資料なら、編集できる形で貼っておくと安心です。
グラフをテンプレートとして保存する
毎月同じ形の複合グラフを作るなら、整えたグラフをテンプレートとして保存しておくと手間が省けます。グラフを右クリックして「テンプレートとして保存」を選ぶと、色や軸の設定ごと保存でき、次からは「グラフの種類の変更」の「テンプレート」から呼び出せます。
印刷する前に確かめること
印刷すると、画面では見分けられた色の差が分かりにくくなることがあります。白黒で印刷する資料なら、線を太くしたり、マーカーの形を変えたりして、色に頼らずに区別できるようにしておきましょう。
また、印刷の前には「ファイル」メニューの「印刷」で印刷プレビューを開き、グラフが用紙の端で切れていないか、文字が小さすぎないかを確かめます。グラフだけを1枚に印刷したいときは、グラフを選んだ状態で印刷すると、表を含めずにグラフだけが用紙いっぱいに印刷されます。
グラフを作る力が仕事になる場面
複合グラフのように、数字の関係を1枚の図で伝える力は、事務や企画の仕事で強く求められます。
資料作成とデータの見える化の仕事
企業では、売上報告、広告の効果測定、アンケートの集計など、数字をグラフにして伝える資料が毎月作られています。こうした資料作りやデータの整理は、在宅でも請け負える仕事です。広告やマーケティングの分野では、施策の成果を数字とグラフで報告する場面が多く、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、この分野の仕事の内容と求められる力を紹介しています。
見せ方の工夫はデザインの力にもつながる
色の使い方、情報の絞り方、読む順番の作り方は、資料の見た目を整えるデザインの仕事にも共通する考え方です。資料やグラフの見せ方を仕事にする人の報酬の目安は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で、事務やデータ入力の仕事から長く依頼が続く人には、「頼まれた表を作るだけでなく、読む人が判断しやすい形に整えて返す」という共通点があると感じてきました。複合グラフで第2軸の目盛をそろえたり、伝えたい1本の線だけを目立たせたりする工夫は、まさにその「判断しやすい形」を作る作業です。
依頼する側と受ける側が直接やり取りする仕事では、こうした一手間が次の依頼につながりやすくなります。仲介の手数料が間に入らない直接取引なら、依頼者は同じ予算でより多くの作業を頼め、受け手の手取りも厚くなります。エクセルの資料作りの力を仕事にしたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、業務の効率化を支える仕事の内容も確かめてみてください。
よくある質問
Q. エクセルの複合グラフはどのバージョンから作れますか?
挿入タブの「複合グラフの挿入」から作る方法は、Excel 2013以降で使えます。Microsoft 365のエクセルやExcel 2016以降なら、この記事の手順でほぼ同じように作れます。それより前の版でも、棒グラフを作った後に系列ごとにグラフの種類を変えれば、棒と折れ線を組み合わせたグラフを作れます。
Q. 折れ線グラフが下に平らに表示されるのはなぜですか?
折れ線の系列が、棒グラフと同じ左側の目盛で表示されているためです。売上と利益率のように数字の大きさが違うと、小さいほうの線が下端に張り付いて見えます。線の系列を選んで「データ系列の書式設定」を開き、「使用する軸」で「第 2 軸」を選ぶと、右側に別の目盛ができて線の動きが見えるようになります。
Q. 3つ以上のデータを複合グラフにできますか?
できます。「ユーザー設定の複合グラフを作成する」の画面で、系列ごとにグラフの種類と第2軸を指定すれば、3つ以上の系列も組み合わせられます。ただし、系列が多すぎると線や棒が重なって読みにくくなります。伝えたい関係が2つ以上あるときは、グラフを分けたほうが読み手に伝わりやすくなります。
Q. 円グラフと折れ線グラフを組み合わせることはできますか?
できません。複合グラフにできるのは、縦棒、折れ線、面、散布図などの平面のグラフどうしです。円グラフや3-Dのグラフは、組み合わせの対象になりません。構成比と推移を同時に見せたいときは、円グラフと折れ線グラフを別々に作り、資料の中で並べて見せる方法が現実的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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