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イープラスの情報漏えい|スマチケ払戻し管理システム 1,463件 カナ氏名・メールアドレス・口座情報 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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イープラスの情報漏えい|スマチケ払戻し管理システム 1,463件 カナ氏名・メールアドレス・口座情報 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓イープラスの情報漏洩について
  • ✓2026年9月29日の公式発表をもとに整理
  • ✓スマチケの払戻し管理システムから1,463件のカナ氏名やメールアドレス

イープラスの情報漏洩について、株式会社イープラスは2026年9月29日、電子チケット「スマチケ」の払戻し情報を管理するシステムが第三者から不正アクセスを受け、払戻しを申請した人の個人情報が漏えいしたと発表しました。対象は合計1,463件で、全員にメールアドレスとカナ氏名、払戻しの対象になった公演名・会場・開催日時が含まれ、銀行振込で返金を受けた751件には振込先の口座情報、郵便振替払出証書を選んだ68件には送付先の郵便番号・住所・氏名も含まれます。 スマチケで受け取ったチケットの払戻しを申請したことがある人がまずすることは、イープラスからの個別のお知らせメールが届いているかを確かめること、口座の入出金に見覚えのない動きがないかを見ること、そしてイープラスや金融機関を名乗るメール・電話・SMSで口座やカードの情報を答えないことです。 クレジットカード情報とイープラスのログインパスワードは対象に含まれていないと明記されています。

2026年11月1日時点で分かっていることも先に書きます。9月29日の件そのものについて、件数の訂正や補償の案内などの続報は、イープラスの「大切なお知らせ」の一覧に掲載されていません。一方で、2026年10月30日に、別のシステム(フェス専用アプリの管理システム)への不正アクセスで3,571件の氏名・電話番号・メールアドレスが漏えいしたという、別の事案の発表が出ています。2つは対象者も漏れた項目も違うため、後半の節で分けて説明します。

この記事は、イープラスのお客さまサポートに掲載された公式発表を2026年11月1日に開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

イープラスのスマチケ払戻しシステムで何が起きたのか

不正アクセスを受けたのは、イープラスの会員情報やチケットの購入履歴を保管する中心のデータベースではありません。電子チケット「スマチケ」の管理システムのうち、公演の中止や延期にともなう払戻しの情報を管理するシステムです。払戻しのお金を送るために、申請者のメールアドレスや氏名、振込先の口座などが保管されていました。

スマチケとは、スマートフォンのアプリでチケットを受け取り、入場のときに画面を見せる電子チケットのことです。公演が中止や延期になると、チケット代を返してもらう払戻しの手続きをします。スマチケで受け取ったチケットの場合は、スマチケから払戻しを申請し、返金の方法として銀行振込、クレジットカードへの返金、郵便振替払出証書(郵便局で現金に換えられる証書)のどれかを選ぶ仕組みです。

発表によると、このシステムに第三者が複数回にわたって不正にアクセスし、保管されていた払戻しの情報の一部が漏えいしました。イープラスは「漏えいしたことが判明いたしました」と書いており、「可能性」や「おそれ」の段階ではなく、漏えいの事実を確認した発表になっています。

対象になるのは、2022年6月30日から2026年9月11日までの間に、スマチケから払戻しを申請した人のうち一部の人です。紙のチケットなど、スマチケ以外の受け取り方法でチケットを受け取って払戻しをした人の情報は、今回の対象に含まれないと明記されています。

また、対象のお客さまには、イープラスの会員ではない同行者も含まれると書かれています。チケットを複数枚まとめて買い、同行者がスマチケで分配を受けていた場合など、自分で会員登録をしていない人でも対象になりうる点は、見落としやすいところです。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

発表に書かれている日付を順に並べると、次のとおりです。

日付 出来事
2026年9月11日(金)19時58分から9月12日(土)2時44分 払戻し情報を管理するシステムに不正アクセスが複数回発生
2026年9月14日(月)から15日(火) 不正アクセスと個人情報の漏えいの事実を確認。15日中にセキュリティ設定を見直し、不正アクセスを遮断
その後から9月29日まで 管理下の全システムの再検査とセキュリティ強化の措置を実施
2026年9月29日(火) 公式発表。対象のお客さまへ順次、個別にお詫びとお知らせのメールを送付開始
2026年10月30日 別の事案(フェス専用アプリの管理システム)を公表。発表の中で9月の件にも触れている

不正アクセスが起きてから公表までは、約18日あります。発表では、その間に該当システム以外の漏えいや不正アクセスがないこと、データベースの改ざんがないことを確かめたと説明しています。

2026年11月1日時点で、9月29日の件について、対象件数の変更、原因の詳しい説明、お詫びの品や補償の案内といった続報は、イープラスのお客さまサポートの「大切なお知らせ」の一覧に掲載されていません。一覧の上では9月29日の発表の日付が10月30日に更新されて表示されていますが、本文の件数や項目は9月29日の内容のままです。今後の発表は、同じ一覧で確かめてください。

漏えいした情報と含まれない情報

漏えいした情報は、払戻しで選んだ返金の方法によって違います。発表の表をそのまま整理すると次のとおりです。

返金の方法 対象件数 漏えいした情報
銀行振込 751件 メールアドレス、カナ氏名、振込先口座情報(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義(カナ))
クレジットカード返金 644件 メールアドレス、カナ氏名
郵便振替払出証書 68件 メールアドレス、カナ氏名、郵便振替払出証書の送付先情報(郵便番号・住所・氏名)
合計 1,463件 どの方法でも、払戻しの対象になった公演名・会場・開催日時を含む

一方で、発表が「含まれない」と明記しているものは次のとおりです。

含まれないと明記されたもの 発表の説明
クレジットカード情報 システム内に保持していないため、漏えいの対象に一切含まれない
イープラスの会員情報・パスワード 該当システムは会員情報やチケット購入の情報を保管するデータベースとは独立している
スマチケ以外で受け取ったチケットの払戻し 紙チケット等で受け取って払戻しをした人の情報は対象外

クレジットカードへの返金を選んだ人でも、カード番号は漏れていません。返金先のカードの情報はイープラスのシステムに保持していないと書かれているためです。

注意したいのは、口座情報が漏れた751件です。金融機関名から口座名義までがそろうと、それだけで勝手にお金を引き出されるわけではありません。引き出しや振込には、暗証番号やインターネットバンキングのパスワードなど別の情報が要るからです。ただし、口座番号を知っている相手からの連絡は本物らしく見えやすく、「返金の手続きに不備があった」「口座の確認が必要」などの口実で、暗証番号やワンタイムパスワードを聞き出そうとする連絡に使われるおそれがあります。

また、公演名と会場、開催日時が含まれている点にも目を向けておきます。どの公演に行こうとしていたかという情報は、それ自体はお金に直結しませんが、「先日の○○公演の払戻しの件で」と具体的な名前を出されると、相手を信じてしまいやすくなります。

引用で確かめる発表の要点

発表のうち、対象範囲を決めている部分を引用します。

漏えいした個人情報は、電子チケット「スマチケ」でチケットを受け取り、公演中止・延期等に伴う払戻しにつきまして、2022年6月30日 ~ 2026年9月11日の間に「スマチケ」から払戻し申請を行ったうち一部のお客様の情報、合計1,463件です。 払戻し方法により、漏えいした情報が異なります。また、いずれも払戻し対象となった公演名、会場、開催日時の情報が含まれています。 出典: 株式会社イープラス「弊社システムに対する不正アクセスの発生および個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(9月29日)」(eplus.jp の重要なお知らせから掲載)

発表は、イープラスのトップページの「重要なお知らせ」と、お客さまサポートの「大切なお知らせ」の一覧から開けます。

原因について発表で分かっていること

原因について、発表は「2026年9月11日(金)から9月12日(土)にかけて、前述の払戻し情報を管理するシステムに対し、第三者から不正アクセスが行われたことによるもの」と説明しています。どのような手口で入られたのか、どの弱点が使われたのかは、9月29日の発表には書かれていません。手口を推測で書くことはしません。

発表で分かっているのは、次の点です。

  • 不正アクセスは9月11日19時58分から9月12日2時44分までの間に、複数回あった
  • 9月15日中に該当システムのセキュリティ設定を見直し、不正アクセスを遮断した
  • その後、同様の事象は起きていないことを確かめた
  • 該当システム以外へのアクセスや、ファイル等の改ざんは確認されていない
  • 管理下のシステムを調べ、対象箇所以外に漏えいや不正アクセスがないこと、データベースの改ざんがないことを確かめた

「セキュリティ設定を見直し」とあるので、設定に関わる何らかの対処で遮断したことは読み取れますが、それ以上の中身は書かれていません。

イープラスの対応と今後の連絡

発表に書かれている会社の対応は次のとおりです。

  • 対象のお客さま(会員ではない同行者を含む)に、9月29日から順次、個別にお詫びとお知らせのメールを送っている
  • 個人情報保護委員会へ報告済みで、所轄の警察署への届出を準備している
  • 管理下の全システムの総点検を行い、セキュリティ診断の実施の間隔を短くする
  • 情報セキュリティの研修や社内規定の見直し、管理体制の強化を進める
  • 対象のお客さまには、専用のフリーダイヤルを案内している

お詫びの品や金銭の補償については、9月29日の発表には書かれていません。補償があるかどうかを推測することはしません。情報漏えいの補償が一般にどう扱われているかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理しています。

10月30日に公表された別の事案との違い

2026年10月30日、イープラスは「弊社システムに対する不正アクセスの発生および個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(10月30日)」を発表しました。題がほとんど同じなので、検索で見つけた人が混同しやすいのですが、9月29日の件とは別の事案です。

10月30日の発表によると、対象は2021年12月17日から19日に開かれた音楽フェス『ポルノ超特急2021』のために提供していた専用の公式アプリ(「FESアプリ」)の管理システムです。前方指定観覧エリアの申し込みの情報を管理していたシステムに、管理画面への総当たり攻撃(パスワードを次々に試して入り込む攻撃)で第三者が侵入し、個人情報がダウンロードされて外部へ流出したことが確認されたとされています。

比べる点 9月29日の発表 10月30日の発表
対象のシステム スマチケの払戻し情報を管理するシステム フェス専用アプリ(FESアプリ)の管理システム
対象の人 2022年6月30日から2026年9月11日にスマチケから払戻しを申請した人の一部 『ポルノ超特急2021』で前方指定観覧エリアに申し込んだ人
件数 1,463件 3,571件
漏えいした項目 メールアドレス、カナ氏名、公演名など。返金方法により口座情報や住所 氏名、電話番号、メールアドレス
不正アクセスの日 2026年9月11日から12日 2026年10月11日
原因の説明 第三者からの不正アクセス(手口の記載なし) 管理画面への総当たり攻撃による侵入

10月30日の発表でも、クレジットカード情報と、チケット販売システムのログイン用パスワードを含む会員情報はそのシステムに保持しておらず、対象に含まれないと書かれています。保管していた個人情報は全件削除し、外部からのアクセスを制限したとのことです。

再発防止として、経営トップが主導する「危機管理委員会」を中心に、アクセスや閲覧の権限の見直し、多要素認証などの実装を進めていると書かれています。9月の件を受けて全システムの総点検を進めていたさなかに再び漏えいが起きたことも、発表の中で触れられています。

自分がどちらの対象かは、届いたお知らせのメールの中身で見分けられます。スマチケの払戻しをしたことがある人は9月29日の件、『ポルノ超特急2021』の前方指定観覧エリアに申し込んだ人は10月30日の件の対象になりえます。両方に当てはまる人もいるので、それぞれのお知らせを確かめてください。

自分が対象かを確かめる方法

イープラスは、対象のお客さまに個別のお詫びとお知らせのメールを送っています。確かめる手順は次のとおりです。

  1. 払戻しを申請したことがあるかを思い出す。2022年6月30日以降に、公演の中止や延期でスマチケのチケットを払戻ししたかどうか
  2. その払戻しで選んだ返金の方法を確かめる。払戻し申請の完了メールや、口座への振込の記録、郵便で届いた払出証書が手がかりになる
  3. 2026年9月29日以降に、イープラスから「お詫びとお知らせ」のメールが届いているかを探す。迷惑メールのフォルダも見る
  4. 同行者として分配を受けただけの人も、自分のメールアドレスに届いていないかを見る
  5. 判断がつかないときは、イープラスのお客様対応窓口に問い合わせる

ここで気をつけたいのは、お知らせのメールを装った偽のメールです。本物のお知らせかどうかを、メールの中のリンクから確かめようとしないでください。イープラスの公式サイトをブックマークや検索から開き、お客さまサポートの「大切なお知らせ」の一覧と照らし合わせるのが安全です。

メールアドレスが、ほかの漏えい事案でも出回っていないかを調べたい場合は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で手順を紹介しています。

払戻しを申請した人がすること

漏れた項目に合わせて、要ることだけを順に挙げます。

銀行振込で返金を受けた人

口座情報が含まれているので、ここがいちばん手厚い対応になります。

  • 通帳やインターネットバンキングで、入出金の履歴に見覚えのない動きがないかを見る
  • 金融機関を名乗る電話やSMSで、暗証番号、インターネットバンキングのパスワード、ワンタイムパスワードを聞かれても答えない。金融機関がこれらを電話で聞くことは通常ないため、聞かれた時点で電話を切る
  • 不審な取引に気づいたら、すぐに口座のある金融機関に連絡する。連絡先は通帳やキャッシュカードの裏、公式サイトで確かめる
  • 心配なら、金融機関の窓口で口座番号の変更や、インターネットバンキングの通知の設定を相談する

インターネットバンキングで勝手にお金を移された場合の補償の考え方は、ネットバンキングの不正送金は補償される?全国銀行協会の基準と30日の期限、補償されない例 2026で説明しています。気づいてから金融機関に連絡するまでの日数が問われることがあるので、早めに動くことが大切です。

クレジットカードへの返金を選んだ人

漏れたのはメールアドレスとカナ氏名、公演の情報です。カード番号は含まれていません。そのため、今回の件だけを理由にカードを止める必要は発表では示されていません。

ただ、イープラスを名乗るメールで「カードの再登録」「本人認証の確認」などを求められても、メールのリンクから入力しないでください。カードの明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、カード会社に連絡します。明細の見方は、クレジットカードの不正利用の確認方法|明細の見方と身に覚えのない請求への対処 2026にまとめています。

郵便振替払出証書を選んだ人

送付先の郵便番号、住所、氏名が含まれています。自宅に、イープラスや公演の主催者を名乗る郵便物が届いたら、記載の電話番号やURLに連絡する前に、公式サイトの窓口で本物かを確かめます。住所が漏れたときに起きやすいことと備えは、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく扱っています。

全員に共通すること

  • イープラスのログインパスワードは対象外だが、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせをほかのサービスでも使っているなら、この機会に見直す
  • 「払戻しの手続きに不備があった」「追加の返金がある」「スマチケのシステム利用料が未払い」などのメールやSMSは、リンクを開かずに公式サイトで確かめる
  • 身に覚えのない申し込みがないか、イープラスの「申込み履歴(申込み状況照会)」を自分で開いて見る

同行者として分配を受けた人と、分配した人がすること

9月29日の発表は、対象のお客さまに「イープラス会員ではない同行者様を含みます」と書いています。友人や家族がまとめてチケットを買い、自分はスマチケで分配を受けただけ、という人も、払戻しの手続きの中で情報が登録されていれば対象になりえます。

分配を受けた人は、自分でイープラスに会員登録をしていないため、「自分には関係ない」と考えがちです。しかし、お知らせのメールは対象者の登録されたメールアドレスに届きます。イープラスからのメールを普段受け取っていない人ほど、迷惑メールのフォルダに振り分けられて見落としやすくなります。2026年9月29日以降のメールを、件名に「イープラス」「お詫び」を含むもので探してみてください。

反対に、チケットを買ってまとめて分配した人は、同行者に一声かけておくと安心です。伝える内容は次の3点で足ります。

  • イープラスのスマチケの払戻しの情報が漏えいしたという発表があったこと
  • お知らせのメールが届いていないか、迷惑メールのフォルダも見てほしいこと
  • イープラスや金融機関を名乗る連絡で、口座やカードの情報、パスワードを答えないでほしいこと

同行者がどの返金の方法を選んだかによって、漏れた項目が変わります。払戻しを代表者がまとめて申請したのか、各自が申請したのかによっても、誰の情報が登録されていたかが違ってきます。自分の分がどう扱われたか分からない場合は、イープラスの窓口に確かめるのが確実です。

しばらく続けて見ておくこと

漏えいの直後に何も起きなくても、数か月たってから偽の連絡が届くことがあります。漏れた情報は時間がたっても古くならず、名簿として使い回されることがあるためです。9月29日の発表の時点では二次被害について特に書かれていませんが、しばらくは次の点を続けて見ておくと安心です。

  • 口座の入出金の履歴を、月に1回ほどは見る。インターネットバンキングの入出金の通知を設定しておくと、見落としが減る
  • イープラスを名乗るメールが届いたら、公式サイトの「大切なお知らせ」の一覧に同じ内容があるかを確かめる習慣をつける
  • 公演の主催者やアーティストの事務所を名乗る「払戻しの再手続き」の案内が届いたら、主催者の公式サイトで本物かを確かめる
  • メールアドレスに、身に覚えのないサービスの登録確認や認証コードが届いたら、そのサービスの公式サイトから自分で開いて確かめる

身に覚えのない認証コードが届いたときの考え方は、認証コードが勝手に届くのはなぜ|放置してよいかと乗っ取りを防ぐ確認 2026で詳しく説明しています。

続報が出たときに見落とさないよう、イープラスのお客さまサポートの「大切なお知らせ」の一覧を、ときどき開いて確かめるとよいでしょう。件数や対象の範囲が変わった場合は、そこに掲載されるはずです。

イープラスを装う連絡の具体例と見分け方

イープラスは2026年10月11日、お客さまサポートで「【注意喚起】イープラスを騙った不審なメール等にご注意ください」を掲載しています。この注意喚起は、今回の漏えいとの関係には触れていません。ただ、イープラスを名乗る偽のメールが実際に出回っていることが分かる資料です。

そこに挙げられている偽のメールの例には、次のようなものがあります。

  • クレジットカードのご利用に関する確認のお願い(第三者からのチケット購入を装った利用明細の確認や停止の手続き)
  • 本人認証サービス(3Dセキュア2.0)に未登録のカードはアカウントから解除される、という案内
  • 未認証のアカウントは当選したチケットがキャンセルされる、という案内
  • アカウントの自動退会の予告、会員IDの有効期限の確認
  • スマチケの発券システムの利用料の請求(支払い用のQRコードやボタン、URLが載っている)
  • 一部保証金の返還、異常な決済やアクセスを検知したという案内

払戻しの情報が漏れた人に対しては、ここに「払戻し」や「返金」の話が加わると、さらに本物らしく見えるおそれがあります。たとえば「○月○日の○○公演の払戻しで振込に失敗したため、口座を再登録してください」という文面です。公演名や会場、開催日時が漏れているので、こうした具体的な文面を作られやすい点に注意が要ります。

見分けるときは、次の順番で考えると迷いにくくなります。

  1. メールやSMSのリンクは開かない。公式サイトはブックマークか検索から開く
  2. 文面がお金や期限で急がせていないかを見る(「本日中」「24時間以内」など)
  3. 口座の暗証番号、カードのセキュリティコード、ワンタイムパスワードを求めていないかを見る。求めていれば偽物と考える
  4. 公式サイトの「大切なお知らせ」に同じ内容が載っているかを照らし合わせる

もし偽のサイトで情報を入れてしまった場合について、注意喚起は次の対処を挙げています。クレジットカード情報を入れたときはカード会社へ、住所や電話番号を入れたときは最寄りの警察署や消費生活センターへ相談し、ログインIDとパスワードを入れたときは会員メニューからパスワードを変え、申込み履歴に身に覚えのない申し込みがないかを確かめる、という流れです。

SMSで届く偽の通知も同じ考え方で見分けられます。SMSは送り主の表示を偽ることができ、本物の通知と同じ並びに偽物が混ざって表示されることがあります。表示名が「イープラス」でも、それだけで本物とは言えません。本文の短縮URLを開かず、公式のアプリや公式サイトから自分で開いて確かめるのが確実です。

電話の場合も、相手が名乗った会社名や部署名を、その場で信じないことが大切です。一度電話を切り、公式サイトに載っている窓口に自分からかけ直して、同じ用件があるかを確かめます。本物の用件であれば、かけ直して困ることはありません。

問い合わせ窓口

9月29日の発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。

名称 案内
株式会社イープラス お客様対応窓口 イープラスの個人情報に関するお問い合わせのページ(eplus.jp の privacycontact)
対象のお客さま向けの専用窓口 対象のお客さまには専用のフリーダイヤルを個別のメールで案内

専用のフリーダイヤルの番号は、公開の発表には載っておらず、対象者へのメールで案内されています。番号を検索で探して見つかったものにかけるのではなく、届いたお知らせのメールの番号が、公式の窓口の案内と食い違っていないかを確かめてから連絡してください。

窓口に連絡する前に、次の点を手元にメモしておくと話が早く進みます。

  • 払戻しを申請したおおよその時期と公演名
  • 選んだ返金の方法(銀行振込、カード返金、郵便振替払出証書)
  • 届いたお知らせのメールの日時と件名
  • 不審な電話やメール、口座の動きがあれば、その日時と内容

窓口に問い合わせるときも、カード番号や暗証番号、パスワードを伝える必要はありません。もし電話口でそれらを聞かれたら、その番号が本当にイープラスの窓口かどうかを、公式サイトの案内と照らし合わせて確かめ直してください。届いたメールに書かれた番号と、公式サイトから辿れる窓口の案内が食い違っている場合は、公式サイト側を優先します。

在宅で仕事をする人が気をつけること

ライブや舞台のチケットを買う人の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいます。イベント制作やファンクラブの運営補助、チケットの手配の代行など、仕事でイープラスのアカウントや払戻しの手続きを使っている人もいるはずです。

在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿や申込者の一覧などを預かる立場になることがあります。仕事で複数枚のチケットを手配し、同行者として取引先の担当者や出演者の関係者に分配した場合、その人たちのメールアドレスが今回の対象に含まれている可能性もあります。会員でない同行者も対象になると発表に書かれているためです。心当たりがある場合は、分配した相手に「イープラスからお知らせのメールが届いていないか」を一声かけておくと親切です。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。外部からの不正アクセスでデータが盗まれた場合は、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。

  • チケットサイトや通販サイトのパスワードが、仕事のメールやクラウドストレージと同じになっていないか
  • 仕事で使うアカウントに多要素認証を設定しているか。設定の考え方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版が参考になる
  • 報酬の振込先として取引先に伝えている口座と、今回払戻しで登録した口座が同じかどうか。同じなら、取引先を名乗る「振込先の確認」の連絡にも注意する
  • 取引先から預かった申込者の一覧などを、仕事が終わったあとも手元に残していないか
  • 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。パスワードの使い回しをやめる、仕事と個人のアカウントを分ける、振込先の確認は必ず別の手段で取り直す、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

アカウントを守る力を仕事に生かす

情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、顧客向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を公式の発表から正確に読み取り、「何が含まれて何が含まれないか」「利用者は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

イープラスの件は、2026年11月1日時点で、9月29日の発表の内容から件数や項目の変更は出ていません。スマチケで払戻しを申請したことがある人は、お知らせのメールの確認、口座の動きの確認、イープラスや金融機関を装った連絡への注意の3つを先に済ませ、続報はイープラスのお客さまサポートの「大切なお知らせ」の一覧で確かめてください。

よくある質問

Q. イープラスでチケットを買ったことがあれば、全員が対象になりますか?

9月29日の件の対象は、2022年6月30日から2026年9月11日までにスマチケから払戻しを申請した人のうち一部の人、合計1,463件です。チケットを買っただけで払戻しをしていない人や、紙チケットなどスマチケ以外で受け取って払戻しをした人は対象に含まれないと発表されています。

Q. クレジットカードへの返金を選びましたが、カードを止める必要はありますか?

クレジットカードへの返金を選んだ644件で漏れたのは、メールアドレスとカナ氏名、公演名などの情報です。カード情報はシステムに保持しておらず、漏えいの対象に一切含まれないと明記されています。今回の件だけを理由にカードを止める必要は示されていませんが、明細に身に覚えのない請求があればカード会社に連絡してください。

Q. 口座情報が漏れると、お金を勝手に引き出されますか?

金融機関名や口座番号、口座名義だけでは、通常は引き出しや振込はできません。暗証番号やインターネットバンキングのパスワードなど別の情報が要るためです。ただし、口座番号を知っている相手からの連絡は本物らしく見えるので、電話やSMSで暗証番号やワンタイムパスワードを聞かれても答えず、入出金の履歴をこまめに見てください。

Q. 10月30日に発表された件と、9月29日の件は同じものですか?

別の事案です。10月30日の発表は、音楽フェス『ポルノ超特急2021』専用アプリの管理システムへの不正アクセスで、前方指定観覧エリアに申し込んだ人の氏名・電話番号・メールアドレス3,571件が対象です。9月29日の件はスマチケの払戻しのシステムで1,463件です。両方に当てはまる人もいるので、それぞれのお知らせを確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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