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イープラスの再びの不正アクセス|ポルノ超特急2021のFESアプリ 3,571件 氏名・電話番号・メールアドレス 2026

@SOHO編集部
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イープラスの再びの不正アクセス|ポルノ超特急2021のFESアプリ 3,571件 氏名・電話番号・メールアドレス 2026

この記事のポイント

  • ✓イープラスの情報流出について
  • ✓音楽フェス『ポルノ超特急2021』専用FESアプリの管理システムへの不正アクセスの件を公式発表どおりに整理
  • ✓3,571件の氏名・電話番号・メールアドレスが漏えい

株式会社イープラスは2026年10月30日、音楽フェス『ポルノ超特急2021』専用の「FESアプリ」の管理システムが第三者からの不正アクセスを受け、3,571件の個人情報が漏えいしたと発表しました。漏えいした項目は氏名、電話番号、メールアドレスで、前方指定観覧エリアに申し込んだときに登録した情報です。クレジットカード情報と、イープラスのチケット販売システムのログイン用パスワードを含む会員情報は対象外とされています。

対象になりうる人がまずすることは3つです。イープラスから届く個別のお知らせのメールを確かめること。氏名と電話番号を知っている相手からの電話やSMSでも、個人情報や支払いを求められたら応じないこと。不審な連絡が届いたら、イープラスのお客様対応窓口に知らせることです。

イープラスは2026年9月にも、別のシステムへの不正アクセスを発表しています。今回はそれとは別の事案で、イープラス自身も「本年9月に発生した不正アクセスによる個人情報漏えい」の対策を進めていた「さなかに再び」起きたと書いています。この記事では、イープラスの公式発表に書かれている範囲だけを使い、2026年11月5日時点で分かっていることを整理します。

2026年11月5日時点で分かっていること

イープラスが発表したのは「弊社システムに対する不正アクセスの発生および個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(10月30日)」です。報道が広がったのは11月4日ごろですが、会社の発表そのものは10月30日に出ています。中身を表に整理すると次のとおりです。

項目 イープラスの発表の内容
対象のシステム フェス専用アプリ「FESアプリ」の管理システム(前方指定観覧エリアの申込情報を管理)
対象の興行 音楽フェス『ポルノ超特急2021』(2021年12月17日から19日に開催)
漏えいした件数 3,571件
漏えいした項目 氏名、電話番号、メールアドレス
対象外とされた項目 クレジットカード情報、イープラスのチケット販売システムのログイン用パスワードを含む会員情報
原因 管理画面への総当たり攻撃による侵入
発生と判明 2026年10月11日に不正アクセスが発生、10月13日に3,571件の漏えいが判明
問い合わせ先 お客様対応窓口(ウェブのフォーム。対象の人には専用のフリーダイヤルを案内)

この件で大事なのは、イープラスが「漏えいした」と言い切っている点です。調査の結果、システム内に保管されていた個人情報がダウンロードされ、外部へ流出したことが確認されたと書いています。「可能性」や「おそれ」の段階ではありません。

一方で、範囲ははっきりと限られています。対象は2021年12月に開かれた1つのフェスの、前方指定観覧エリアへの申し込みの情報です。イープラスでチケットを買ったことがある人すべてが対象になるわけではありません。

『ポルノ超特急2021』のFESアプリとは

発表によると、イープラスは主催者から音楽フェスなどのチケット販売を受託するとき、一部の興行で専用の公式アプリを提供しています。今回の対象は、2021年12月17日(金)から19日(日)に開かれた音楽フェス『ポルノ超特急2021』のために提供したアプリです。

このアプリには、前方指定観覧エリアへの申し込みを受け付ける機能があり、その申し込みの情報を管理するシステムが攻撃を受けました。前方指定観覧エリアとは、ステージに近い前方のエリアで観覧するための枠のことで、申し込みの際に氏名や電話番号、メールアドレスを登録する形だったと発表から読み取れます。

つまり、対象になりうるのは、2021年のこのフェスに参加し、アプリから前方指定観覧エリアに申し込んだ人です。フェスに参加しても前方指定観覧エリアに申し込んでいない人や、イープラスでほかの公演のチケットを買っただけの人は、この件の対象として発表には書かれていません。

開催から5年近くたっているため、申し込んだかどうかを覚えていない人もいるはずです。当時の申し込みの完了を知らせるメールや、アプリの画面を撮った写真が残っていれば、それが手がかりになります。スマートフォンを買い替えてアプリが残っていない人も、メールの受信箱を「ポルノ超特急」「前方」といった言葉で検索すると、当時のメールが見つかることがあります。その場合は、後で説明するように、イープラスからの個別のお知らせのメールを確かめるのが確実です。

公表の経緯を日付で追う

発表に書かれている日付を順に並べます。

日付 出来事
2021年12月17日から19日 音楽フェス『ポルノ超特急2021』が開催される
2026年10月11日(日) 「FESアプリ」の管理システムへの不正アクセスが発生
2026年10月13日(火) 3,571件の個人情報漏えいが判明
2026年10月30日 イープラスが発表

不正アクセスが起きたのは10月11日で、2日後の10月13日には漏えいの件数まで分かっています。発表はそれから2週間あまり後の10月30日です。その間に、対象の人への個別のお知らせのメールの準備や、システム内の個人情報の削除、個人情報保護委員会への報告などが行われたと発表から読み取れます。

利用者にとって意味があるのは、情報が持ち出されたのが10月11日だという点です。発表やニュースで知るより前から、氏名と電話番号、メールアドレスが外に出ていたことになります。10月11日以降に、フェスやチケットの話を持ちかける見慣れない電話やSMS、メールを受け取っていた人は、その内容を思い出しておいてください。心当たりがあれば、イープラスの窓口に知らせる材料になります。

報道は11月4日ごろに広がったため、ニュースで初めて知った人も多いはずです。会社の発表は10月30日付なので、日付を確かめるときは発表の日付を基準にしてください。

漏えいした項目と、対象外とされた項目

イープラスの発表から、漏えいした項目についての記載を引用します。

対象件数:3,571件 漏えいした項目: 氏名、電話番号、メールアドレス クレジットカード情報、およびイープラスのチケット販売システムのログイン用パスワードを含む会員情報は本システムでは保持しておらず、今回の漏えい対象に含まれません。 出典: 株式会社イープラス「弊社システムに対する不正アクセスの発生および個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(10月30日)」

これを、漏えいしたものと対象外とされたものに分けると、次のようになります。

区分 項目
漏えいした 氏名、電話番号、メールアドレス(前方指定観覧エリアへの申し込み時に登録した情報)
対象外(このシステムでは保持していない) クレジットカード情報、イープラスのチケット販売システムのログイン用パスワードを含む会員情報

ここから言えるのは、イープラスの会員としてのアカウントに、この件だけを理由に入られる心配は小さいということです。ログイン用のパスワードは対象外とされているからです。カード情報も対象外です。

注意したいのは、氏名・電話番号・メールアドレスの3つがそろっている点です。この3つがあれば、相手は名前で呼びかけながら、電話でもSMSでもメールでも連絡できます。さらに、相手は「2021年のフェスで前方エリアに申し込んだ人」だと知っている可能性があります。この組み合わせが、偽の連絡を本物らしく見せる材料になりえます。

原因:管理画面への総当たり攻撃

イープラスは原因を、「FESアプリ」の管理システムに対し、第三者が管理画面への総当たり攻撃を行い、侵入したことによるものと説明しています。

総当たり攻撃とは、パスワードとして考えられる文字の組み合わせを、片っ端から順に試して当てようとする攻撃です。人の手では到底できない回数でも、プログラムを使えば短い時間で大量に試せます。パスワードが短かったり単純だったりすると、当てられやすくなります。また、何度間違えてもログインを拒まない作りだと、試し続けられてしまいます。

イープラスは、このような事態を招いたのは「不正侵入を未然に防ぐための対策が不十分であったことが最大の要因」だと書いています。そして、本件の責任はすべてイープラスが負っており、『ポルノ超特急2021』の主催者と出演したアーティストには一切の非はない、と明記しています。

あわせて、今回の件では、当該の管理システム以外への不正アクセスや、システム内のデータの改ざんなどは確認されていないとしています。攻撃を受けたのは、この1つのフェスのための管理システムに限られる、というのがイープラスの説明です。

9月の「スマチケ」の件とは別の事案

イープラスは2026年9月29日にも、不正アクセスによる個人情報の漏えいを発表しています。こちらは電子チケット「スマチケ」の払戻しの情報を管理するシステムへの不正アクセスで、1,463件のメールアドレスやカナ氏名、払戻し方法によっては振込先口座の情報などが漏えいしたという内容でした。

今回の件とは、対象のシステムも、起きた日も、漏えいした項目も違います。違いを表にすると次のとおりです。

比べる点 今回の件(10月30日発表) 9月の件(9月29日発表)
対象のシステム 『ポルノ超特急2021』のFESアプリの管理システム スマチケの払戻し情報を管理するシステム
不正アクセスの発生 2026年10月11日 2026年9月11日から12日
件数 3,571件 1,463件
主な項目 氏名、電話番号、メールアドレス メールアドレス、カナ氏名、振込先口座情報など

2つの件数は、別々の事案の数字です。足し合わせて考えることはしません。9月の件の詳しい中身と、対象の人が確かめることは、イープラスのスマチケ払戻し管理システムの件で整理しています。両方の件で対象になっている人がいる可能性もあるので、心当たりのある人は両方を確かめてください。

イープラスは今回の発表で、9月の件を受けて全システムの総点検とセキュリティ体制の強化を進めていたものの、「そのさなかに再び不正アクセスによる個人情報漏えいを発生させてしまったことを、重く受け止めております」と書いています。

イープラスの対応

発表に書かれている対応を、目的ごとに整理します。

目的 対応の内容
対象者への連絡 対象の人に、経緯とお詫び、今後の対応について個別にお知らせのメールを順次送付
被害の拡大を防ぐ 管理システム内に保管されていた個人情報を全件削除し、外部からのアクセスを制限
報告 個人情報保護委員会へ報告
再発防止 経営トップ主導の「危機管理委員会」を中心とした個人情報管理の徹底、アクセス・閲覧権限の見直し、多要素認証などの実装、早期に攻撃を検知する仕組みの導入、複数の脆弱性検査の実施

再発防止策に「多要素認証などの実装」が入っているのは、今回の原因が管理画面への総当たり攻撃だったことと関係しています。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号などでも本人を確かめる仕組みです。パスワードを当てられても、もう1つの確認を通らなければ入れないため、総当たり攻撃への備えとして効果があります。

発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。この記事でも、発表にないことは書きません。

再発防止策の言葉を読み解く

イープラスの再発防止策には、聞き慣れない言葉がいくつか並んでいます。利用者がこの先のイープラスの発表を読むときの助けになるよう、1つずつ言い換えます。

「アクセス・閲覧権限の見直し」とは、誰がどのシステムに入れて、どの情報を見られるかを整理し直すことです。仕事に必要のない人が個人情報を見られる状態をなくせば、仮に誰かのアカウントが乗っ取られても、見られる範囲を狭くできます。

「早期に攻撃を検知する仕組み」とは、総当たり攻撃のような不審な動きを、被害が出る前に見つけるための仕組みです。短い時間に何度もログインに失敗している、ふだんと違う場所から入ろうとしている、といった動きに気づければ、侵入される前に止められる可能性が高まります。

「複数の脆弱性検査」とは、システムに攻撃者が使えそうな弱い部分がないかを、いくつかの方法で調べることです。脆弱性とは、プログラムや設定にある、攻撃に使われうる弱点のことです。

これらがいつまでに、どこまで進むのかは、発表には書かれていません。今後の続報で、対策の進み具合が示されるかどうかも、利用者が確かめておきたい点です。

「全件削除」と「アクセス制限」が利用者にとって意味すること

イープラスは、被害の拡大を防ぐために、管理システム内に保管されていた個人情報を全件削除し、外部からのアクセスを制限したと発表しています。この2つが利用者にとって何を意味するかを整理しておきます。

全件削除とは、攻撃を受けた管理システムの中から、申し込みの情報をすべて消したということです。これにより、同じシステムに再び入られても、そこから新たに情報が持ち出されることはなくなります。ただし、すでに10月11日に持ち出された3,571件の情報が戻ってくるわけではありません。外に出た情報は、削除によって取り消せるものではないからです。

外部からのアクセスの制限とは、管理画面にインターネットのどこからでも入れる状態をやめ、決まった場所や決まった方法からしか入れないようにしたということです。総当たり攻撃は、管理画面に外から何度も試せることが前提なので、入り口を絞ることは直接の対策になります。

利用者の側から言えば、システムの穴はふさがれたものの、すでに外に出た氏名・電話番号・メールアドレスへの注意は、これからも続ける必要がある、ということです。

自分が対象かを確かめる方法

対象かどうかを確かめる手がかりは、イープラスが送っている個別のお知らせのメールです。次の順番で考えると迷いません。

  1. 2021年12月の『ポルノ超特急2021』に、FESアプリから前方指定観覧エリアを申し込んだかを思い出す
  2. 申し込みのときに登録したメールアドレスの受信箱で、イープラスからのお知らせのメールを探す
  3. 見つからないときは、迷惑メールのフォルダも確かめる
  4. それでも分からないときは、イープラスのお客様対応窓口に問い合わせる

ここで気をつけたいのは、お知らせのメールを装った偽物です。本物かどうか迷ったら、メールのリンクを使わず、イープラスの公式サイトを自分で開き、お知らせの一覧に同じ内容があるかを確かめます。イープラスからのメールが本物かどうかの確かめ方は、イープラスからのメールは本物かで、公式のドメインと偽メールの見分け方として整理しています。

発表によると、対象の人には専用のフリーダイヤル窓口を案内しているとのことです。専用の番号は公式の発表には書かれていないので、番号はお知らせのメールで案内されたものを確かめることになります。そのメールが本物かどうかを先に確かめてから、電話をかけてください。

対象の人がすること(項目ごとに)

漏えいした項目に合わせて、要ることだけを具体的に挙げます。

電話番号について

電話番号が漏えいしているので、知らない番号からの電話とSMSに注意が要ります。名前を呼ばれたり、フェスやチケットの話をされたりしても、それだけで本物だと判断しないでください。電話で個人情報やカード番号、口座番号を聞かれたら、その場で答えずにいったん切り、公式サイトに載っている窓口に確かめます。SMSのURLは開かないのが一番の守りです。SMSの見分け方はスミッシング詐欺の見分け方で、電話番号が流出したときの備えは電話番号の流出チェックの方法で整理しています。

メールアドレスについて

イープラス、チケット、フェス、アーティストの名前を使ったメールで、リンクを開かせようとするものには注意します。送信元のアドレスと、リンク先のドメイン(URLの最初の部分)を確かめ、迷ったら開かずに削除します。偽のメールの一般的な見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方で手順にしています。

氏名について

氏名を知っている相手からの連絡は、本物らしく見えます。メールの書き出しに自分の名前が正しく入っていても、それだけで本物の証しにはなりません。それでも、パスワードやカード番号、口座番号を求められたら、偽物を疑ってください。氏名だけで、ほかのサービスに勝手にログインされることはありません。

パスワードとカードについて

この件では、イープラスのログイン用パスワードとカード情報は対象外とされています。そのため、この件だけを理由に急いで変える必要はありません。ただし、偽の連絡に応じてカード番号を入力してしまったときは、すぐにカード会社へ連絡します。

一緒に参加した家族や友人の情報はどうなるか

フェスには家族や友人と一緒に参加した人も多いはずです。一緒に参加した人の情報も対象になるのか、気になるところです。

今回の発表は、漏えいした情報を「前方指定観覧エリアへお申込み時にご登録いただいた情報」としています。申し込みのときに、同行者の氏名や連絡先まで登録する形だったかどうかは、発表には書かれていません。9月の件の発表では「イープラス会員ではない同行者様を含みます」と明記されていましたが、今回の発表には同行者についての記載がありません。

そのため、一緒に参加した人の情報が含まれるかは、発表からは分かりません。気になる人は、申し込んだ本人がイープラスのお客様対応窓口に、同行者の情報も対象になりうるかをたずねるのが確実です。また、念のため、一緒に参加した人にもこの件を伝え、イープラスやフェスの名前を使った連絡に気をつけるよう話しておくと安心です。

電話番号やメールアドレスを変えたほうがよいか

電話番号とメールアドレスが漏えいしたと聞くと、どちらも変えたほうがよいのでは、と考える人もいます。ここは落ち着いて考えたいところです。

電話番号を変えるのは、手間が大きい割に効果が限られます。仕事や家族、銀行など、多くの登録先に番号を伝え直す必要があるうえ、番号を変えても、すでに外に出た情報が取り戻せるわけではありません。知らない番号からの電話に出ない、出てしまったら個人情報を答えずに切る、SMSのURLを開かない、という対応で、被害の多くは防げます。

メールアドレスも同じです。変えることを考えてよいのは、迷惑メールが目に見えて増えて、ふだんのメールが埋もれて困るようになったときです。その場合は、新しいアドレスを作り、大事な登録先から順に切り替えていきます。

どちらも、変えるかどうかより、届いた連絡に反応して情報を渡さないことのほうが大切です。

本物のお知らせが届いたときに確かめる3つのこと

イープラスは、対象の人に個別のお知らせのメールを順次送っていると発表しています。本物のお知らせが届く一方で、それに似せた偽物が届くことも考えておく必要があります。本物かどうかを見分けるために、次の3つを確かめてください。

1つめは、内容が公式の発表と食い違っていないかです。件数の3,571件、項目の氏名・電話番号・メールアドレス、対象のフェスの名前が、発表と同じかを見比べます。発表にない項目が漏れたと書かれていたり、発表にない窓口が案内されていたりしたら、慎重に扱います。

2つめは、何かを入力させようとしていないかです。お詫びや報告のための連絡であれば、カード番号やパスワード、口座番号を入力させる必要はありません。今回の発表には、補償やお詫びの品についての記載もありません。受け取りのための入力を求める連絡は、まず疑ってかかります。

3つめは、急がせる言葉が並んでいないかです。「24時間以内に手続きしないと権利が失われます」といった言い回しは、考える時間を奪うための書き方です。

この3つを確かめても判断がつかないときは、メールに書かれた番号ではなく、公式サイトからたどった窓口に問い合わせてください。

今日のうちにできる点検

対象かどうかにかかわらず、手元でできる点検があります。どれも数分で終わるものです。

  1. 申し込みに使ったメールアドレスの受信箱と迷惑メールのフォルダで、イープラスからのお知らせのメールを探す
  2. スマートフォンで、迷惑電話や迷惑SMSを判定する機能が有効になっているかを確かめる
  3. イープラスのアカウントのパスワードを、ほかのサービスで使い回していないかを見直す
  4. クレジットカードの利用明細に、身に覚えのない請求がないかを確かめる
  5. 一緒にフェスに参加した家族や友人に、この件を伝える

4つめは、この件でカード情報が漏えいしたとはされていないので、念のための確認です。偽の連絡に反応してしまった場合に早く気づくための習慣として役に立ちます。

届きうる偽の連絡の形と見分け方

氏名、電話番号、メールアドレスと、「フェスの前方エリアに申し込んだ人」という情報がそろうと、ファンの気持ちに訴える連絡が作れてしまいます。実際にこうした連絡が確認されたという意味ではなく、項目の組み合わせから考えられる形として、見分けるときの目のつけどころを表にします。

届きうる連絡の形 見分けるときの目のつけどころ
「お詫びとして次の公演の優先予約の権利を差し上げます」というメール 権利の受け取りに、カード番号やログイン情報の入力を求めていないか
「前方エリアの当選者向けの特典の発送先を確認してください」というSMS SMSのURLから住所や電話番号を入力させようとしていないか
イープラスを名乗る「返金の手続き」の電話 その場で口座番号やカード番号を聞き出そうとしていないか
「この件の補償金を受け取る手続き」というメール 発表に補償の記載はない。手続きを急がせていないか

どの形でも、見分けの軸は同じです。入力や支払い、口座番号の聞き取りを求めてきたら、まず偽物を疑います。そして、イープラスの発表は、不審なメールや連絡が届いた場合はお問合せ窓口に一報してほしいと呼びかけています。偽物かもしれない連絡を受けたら、無視して終わりにせず、窓口に知らせることで、ほかの人の被害を防ぐことにもつながります。

総当たり攻撃から自分のアカウントを守る

今回の原因は、イープラスの管理画面への総当たり攻撃でした。会社の管理画面の話ですが、同じ攻撃は個人のアカウントにも向けられます。この機会に、自分のアカウントの守りも点検しておくと安心です。

総当たり攻撃に強いのは、長くて推測されにくいパスワードです。短いパスワードや、名前と生年月日を組み合わせたようなパスワードは、試す回数が少なくて済むため当てられやすくなります。英字や数字、記号を混ぜて、十分な長さにするのが基本です。

さらに効果が大きいのが、多要素認証を有効にすることです。パスワードを当てられても、スマートフォンに届く番号や指紋などの確認を通らなければ入れないため、総当たり攻撃だけでは突破できなくなります。最近は、パスワードの代わりにスマートフォンの生体認証などで本人を確かめる「パスキー」を使えるサービスも増えています。

パスワードの使い回しも見直しておきたい点です。1つのサービスでパスワードを知られたとき、同じパスワードを使っている別のサービスにも入られてしまいます。どのサービスから見直すかの順番は、メールやお金にかかわるサービスを先にする、と考えると決めやすくなります。

問い合わせ窓口

発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。

窓口 連絡の方法
株式会社イープラス お客様対応窓口 イープラスの公式サイトにあるお問い合わせのフォーム。対象の人には専用のフリーダイヤル窓口を案内

電話番号は公式の発表に書かれていません。窓口のフォームは、イープラスの公式サイトから、個人情報についてのお問い合わせとしてたどってください。メールやSMSに書かれたリンクや番号ではなく、自分で開いた公式サイトから窓口にたどり着くのが安全です。

問い合わせる前に、申し込みに使ったメールアドレスと電話番号、届いたお知らせのメールの日時を手元に用意しておくと、話が早く進みます。フォームに書き込むときは、聞かれていない情報まで書く必要はありません。特にカード番号やパスワードは、窓口への問い合わせでも書かないようにします。不審な連絡を受けて知らせる場合は、届いた日時と送信元、内容を控えておきます。

在宅で仕事をする人が気をつけること

フェスの申し込みに、仕事でも使っている携帯電話の番号やメールアドレスを登録した人もいるはずです。フリーランスや在宅で仕事をする人は、その番号やアドレスで取引先とやり取りしていることが多く、偽の連絡が仕事の連絡に紛れ込むおそれがあります。知らない番号からの電話を仕事の電話だと思って出たら、チケットの話を持ちかけられた、という形もありえます。仕事用の連絡先に届いた連絡も、送り主と用件を確かめる習慣が大切です。

今回の原因が管理画面への総当たり攻撃だったことは、在宅で仕事をする人にとっても他人事ではありません。仕事でウェブサイトの管理画面や、顧客の情報を扱うサービスの管理画面を使っている人は多いはずです。管理画面のパスワードが短くないか、使い回していないか、多要素認証を設定しているかを、この機会に確かめておくと安心です。設定の考え方と主な製品は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で解説しています。

在宅で仕事をする人が、今回の件をきっかけに見直しておきたい点を3つ挙げます。

  1. 仕事で使っている管理画面(ウェブサイト、ネットショップ、予約やフォームのサービスなど)を書き出す
  2. それぞれのパスワードが十分に長いか、使い回していないか、多要素認証を有効にしているかを確かめる
  3. 使わなくなった管理画面やアカウントは、中の情報を消したうえで閉じる

3つめは、今回の件と直接つながる点です。終わった案件のために作った管理画面が残っていると、誰も見ていない入り口が開いたままになります。

取引先から個人情報を預かる立場としての目線も持っておきたいところです。個人情報保護委員会は、個人情報を扱う事業者が、一定の場合に漏えいやそのおそれを委員会に報告する義務を負うと説明しています。その例として、次のように書いています。

不正アクセスにより個人データが漏えいした場合 個人データを格納しているサーバー等において、外部からの不正アクセスによりデータが窃取された場合 出典: ppc.go.jp

報告の期限は、まず発覚したら速やかに報告し、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。個人で仕事を受けていても、顧客の名簿や申込の情報を扱っていれば、こうした決まりと無関係ではありません。

運営者として見てきた、古いデータとの付き合い方

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、情報の事故は、今使っているシステムだけでなく、使い終わったはずの古いシステムやデータでも起きます。今回の対象は、2021年の1つのフェスのための管理システムでした。利用者の側から見ると、5年近く前に申し込んだ情報が残っていたことになります。

このことは、在宅で仕事をする人が自分の仕事を見直すきっかけにもなります。終わった案件の顧客名簿や、使わなくなったサービスのアカウントが、そのまま残っていないでしょうか。使わないデータは消す、使わないアカウントは閉じる、という整理をしておけば、万一のときに漏れるものを減らせます。

セキュリティの知識を仕事に生かしたい人には、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅で受けられる仕事の種類と求められる力を紹介しています。ネットワークの基礎を体系立てて学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の解説も参考になります。@SOHOでは、取引先と直接やり取りする在宅の仕事を探せるので、仕事用のアカウントを守る習慣は、そのまま信頼につながります。

イープラスの件は、2026年11月5日時点で発表から1週間ほどがたっています。対象の人へのお知らせのメールは順次送られているとのことなので、受信箱を確かめながら、届く連絡には落ち着いて対応してください。

よくある質問

Q. イープラスの今回の件で何が漏えいしたのですか?

イープラスの発表では、音楽フェス『ポルノ超特急2021』専用FESアプリの管理システムに保管されていた、前方指定観覧エリアの申込時の情報3,571件が漏えいしました。項目は氏名、電話番号、メールアドレスです。クレジットカード情報とログイン用パスワードを含む会員情報は対象外とされています。

Q. 9月のスマチケの件と同じものですか?

別の事案です。9月29日に発表された件はスマチケの払戻し情報を管理するシステムへの不正アクセスで1,463件、今回は10月30日に発表されたFESアプリの管理システムへの不正アクセスで3,571件です。対象のシステムも発生日も違うため、件数を足し合わせないでください。

Q. イープラスのパスワードを変える必要はありますか?

この件では、イープラスのチケット販売システムのログイン用パスワードは漏えいの対象に含まれていません。そのため、この件だけを理由に急いで変える必要はありません。ほかのサービスと同じパスワードを使っている場合は、別々のものにしておくと安心です。

Q. どこに問い合わせればよいですか?

イープラスの発表では、お客様対応窓口(公式サイトのお問い合わせのフォーム)が問い合わせ先で、対象の人には専用のフリーダイヤル窓口を案内しているとされています。不審なメールや連絡が届いた場合も、この窓口に一報するよう呼びかけています。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月7日
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