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電子請求書の保存方法|メールとPDFで受け取ったとき

@SOHO編集部
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電子請求書の保存方法|メールとPDFで受け取ったとき

この記事のポイント

  • ✓電子請求書の保存方法を
  • ✓メールの添付やPDFのダウンロードで受け取った場合に分けて解説します
  • ✓電子帳簿保存法の3つのルール

メールに添付された PDF の請求書や、取引先のサイトからダウンロードした請求書を、どこにどう保存すればよいのかと迷う人は少なくありません。電子請求書の保存方法の結論は、「電子で受け取ったものは電子のまま保存する」「改ざんを防ぐ決まりを作る」「日付・金額・取引先で探せるようにする」の3つです。専用のシステムを入れなくても、事務処理規程(データを勝手に直したり消したりしないための社内の決まり)と、ファイル名の付け方をそろえるだけで対応できます。この記事では、国税庁の資料に沿って、電子取引にあたるかどうかの見分け方、保存の3つのルール、システムを使わない保存の手順、保存期間までを順に説明します。Mac で請求書の PDF をフォルダごとに見比べながら整理するなら、Atriensのようなファイル管理のアプリも使えるので、手順の節で触れます。

2024年1月から、電子で受け取った請求書は電子のまま保存する

電子帳簿保存法という法律では、取引の書類を電子データでやり取りすることを「電子取引」と呼びます。2024年1月からは、この電子取引のデータを電子のまま保存することが、法人にも個人事業者にも義務になっています。

国税庁のパンフレットは、保存が必要なのは請求書だけではないと説明しています。

取引に関して、書面でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・⾒積書・請求書など)に相当する電⼦取引データを受領又は交付した場合、その電子取引データの電⼦保存が義務付けられています。 出典: 国税庁「電子取引データの保存方法について」(令和6年11月)

つまり、メールで届いた見積書や、ネット通販でダウンロードした領収書も同じ扱いです。経費の精算サービスを提供している会社の解説でも、この点が強調されています。

2024年1月からは電子取引データの電子保存が義務化され、電子で受け取った請求書を紙に出力して保存することは原則できなくなりました。 出典: keihi.com

以前は、メールで届いた請求書を印刷して紙で綴じておけば済むと考える人が多くいました。いまは、印刷した紙は控えにすぎず、元の PDF を消してしまうと保存したことになりません。紙に印刷して綴じる運用を続けている会社は、まず元のデータを消さずに残すところから始めてください。

取引先ごとに請求書の届き方がばらばらだと、メールの添付、請求書のサービスからの通知、郵送の紙が混ざり、年度末にどれが届いていてどれが届いていないのかを確かめるだけで丸一日かかることがあります。届き方を問わず保存の場所と名前の付け方を1つに決めておけば、探す時間はほとんどかかりません。電子請求書の保存は、法律のためだけでなく、自分の手間を減らすための仕組みでもあります。

まず「電子取引」にあたるかを見分ける

保存の方法は、請求書をどう受け取ったかで変わります。最初に、手元の請求書がどれにあたるかを確かめます。

受け取り方 扱い 保存の方法
メールに PDF が添付されて届いた 電子取引 PDF をそのまま電子で保存する
取引先のサイトや請求書のサービスからダウンロードした 電子取引 ダウンロードしたデータを電子で保存する
ネット通販の購入履歴の画面で領収書を表示した 電子取引 画面の内容を PDF などで保存する
紙で郵送された 紙の書類 紙のまま保存するか、要件を満たしてスキャンして保存する

紙で受け取った請求書は、電子取引にはあたりません。紙のまま保存して構いませんし、決められた要件を満たせばスキャンしたデータで保存することもできます(これを「スキャナ保存」と呼び、希望する人だけが選ぶ制度です)。この記事では、メールや PDF で受け取った電子取引の請求書の保存を中心に説明します。

同じ取引先から、紙と PDF の両方が届くこともあります。この場合、どちらが正式な請求書なのかを取引先に確かめておくと迷いません。PDF が正式なものなら、PDF を電子取引のデータとして保存します。

受け取り方ごとの保存のしかた

電子取引の請求書といっても、届き方はいくつもあります。国税庁の「電子取引データ保存要件チェックシート」は、取引先からのメールやクラウドで受け取った見積書・納品書・請求書のほか、ネット通販で買った商品の請求書や領収書、インターネットでしか確かめられないクレジットカードやネットバンキングや水道光熱費の明細なども電子取引にあたると説明しています。請求書だけを保存して、ほかの明細を見落とす失敗が多いので、届き方ごとに保存のしかたを決めておきます。

メールに PDF が添付されて届いた場合

最も多い形です。添付の PDF を、決めたフォルダに保存してから名前を付け替えます。メールの本文に金額や支払期日が書いてあり、PDF には書いていないときは、本文も PDF に書き出して同じフォルダに保存しておくと、あとで突き合わせるときに困りません。添付が圧縮ファイルで、パスワードが別のメールで届く形もあります。その場合は、展開した PDF を保存し、圧縮ファイルのままにしないでください。展開できなくなると中身を確かめられなくなります。

請求書のサービスから「発行されました」と通知が届いた場合

取引先が請求書のクラウドサービスを使っていると、メールには請求書そのものが添付されず、閲覧用のリンクだけが届くことがあります。リンク先で表示できる期間が限られていることもあるので、届いたらすぐに PDF をダウンロードして保存します。サービスの画面で見られるから大丈夫、と考えて保存を後回しにすると、閲覧の期限が過ぎたり、取引先が契約を切り替えたりしたときに手元に何も残りません。

ネット通販やカードの明細を画面で確かめた場合

ネット通販の購入履歴の画面で表示した領収書や、カード会社のサイトで見る利用明細も、電子取引のデータです。画面に「領収書を表示」や「PDF でダウンロード」のボタンがあれば、それを使って保存します。ボタンが無いときは、ブラウザの印刷の画面から PDF として保存する方法があります。経費として計上するものは、月に1回、まとめてダウンロードする日を決めておくと漏れが減ります。

スマートフォンだけで受け取っている場合

パソコンを持たずに、スマートフォンだけで請求書を受け取っているフリーランスもいます。チェックシートには、パソコンやプリンタを持っていなくても、近くの有料のプリンタなどですぐに出力できれば、見るための機器を備えるルールを満たすものとして扱うと書かれています。スマートフォンの中でも、ファイルのアプリでフォルダを作り、同じ名前の付け方で保存すれば考え方は変わりません。ただし、機種を変えるときにデータが移らないことがあるので、クラウドのストレージにも控えを保存しておきます。

保存のルールは3つ

国税庁のパンフレットは、電子取引のデータを保存するときの原則のルールを3つにまとめています。

ルール1:改ざんを防ぐ措置をとる

データを後から書き換えられないようにする措置です。次のどれか1つをとれば足ります。

  1. タイムスタンプ(その時刻にそのデータがあったことを証明する電子的な印)が付いたデータを受け取る
  2. 受け取ったデータに、自分でタイムスタンプを付ける
  3. 訂正や削除の履歴が残るシステム、または訂正や削除ができないシステムで受け取り、保存する
  4. 改ざんを防ぐための事務処理規程を作り、そのとおりに運用し、備え付ける

専用のシステムを入れていない会社や個人事業者にとって、最も始めやすいのは4つ目の事務処理規程です。国税庁は「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のサンプルを、法人の例と個人事業者の例に分けて Word のファイルで公開しています。自社の名前と責任者を書き込めば、そのまま使える形になっています。

ルール2:見るための機器を備える

保存したデータを確かめるためのディスプレイやプリンタなどを備え付けることです。パソコンとプリンタがあれば満たせます。税務調査のときに、保存したデータをすぐ画面に出したり印刷したりできる状態にしておく、という意味です。

ルール3:日付・金額・取引先で探せるようにする

保存したデータを「日付」「金額」「取引先」の3つで検索できるようにします。そのうえで、日付や金額の範囲を指定して探せること、2つの条件を組み合わせて探せることか、税務調査のときにデータのダウンロードの求めに応じられることのどちらかが必要です。

ここには大切な例外があります。基準期間(2年前、法人なら2期前)の売上高が5,000万円以下の人などは、税務調査でダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、この検索のルールを満たす必要はありません。小さな会社やフリーランスの多くは、この例外にあたります。ただし、ダウンロードの求めに応じられるよう、データを整理して保存しておくことは変わりません。

専用システムを使わずに保存する手順

ここからは、専用のシステムを入れずに、パソコンのフォルダで電子請求書を保存する手順です。国税庁のパンフレットも、表計算ソフトで索引簿を作る方法と、決まった規則でファイル名を付けてフォルダにまとめる方法を、検索のルールを満たす簡単な方法として紹介しています。

手順1:保存のフォルダを決める

請求書を保存するフォルダを1つ決め、その下を年度ごとに分けます。たとえば「請求書(受領)」の下に「2026年度」「2027年度」のフォルダを作ります。取引先ごとに分けたくなりますが、取引先はファイル名で探せるので、まずは年度だけで分けるほうが迷いません。受け取った請求書と、自分が発行した請求書の控えは、別のフォルダに分けます。

手順2:ファイル名の付け方をそろえる

ファイル名は「日付_金額_取引先_書類の種類」の順にそろえます。国税庁のパンフレットも、日付・金額・取引先の順で名前を付けたデータを特定のフォルダに集める方法を紹介しています。

  • 20261015_110000_株式会社〇〇_請求書.pdf
  • 20261020_33000_△△工務店_請求書.pdf
  • 20261031_5500_□□商店_領収書.pdf

日付は8桁の数字で書くと、名前の順に並べたときに日付の順になります。金額は桁区切りのカンマや「円」を付けず、数字だけにします。日付は請求書の発行日か取引の日のどちらかに決め、社内でそろえてください。

手順3:索引簿を作る(必要な場合)

ファイル名だけでは探しにくいときや、検索のルールの例外にあたらないときは、表計算ソフトで索引簿(保存したデータの目録)を作ります。列は「連番」「日付」「金額」「取引先」「書類の種類」「備考」の6つで足ります。ファイル名の先頭に連番を付けておくと、索引簿の行とファイルを結び付けやすくなります。

手順4:事務処理規程を作って備え付ける

国税庁のサンプルをもとに、事務処理規程を作ります。サンプルには、データの訂正や削除を原則として禁じること、やむを得ず訂正や削除をするときは理由や日付を記録して責任者の承認を受けること、などが書かれています。作った規程は印刷するかデータで保存し、税務調査のときに見せられるようにしておきます。

国税庁が公開している個人事業者向けのサンプルは、とても短いものです。中身は「保存した取引のデータを訂正したり削除したりすることは原則として禁止する」という一文と、やむを得ない理由で訂正や削除をするときは「取引情報訂正・削除申請書」に記録して残す、という決まりの2つだけです。申請書に書く項目として、申請日、取引伝票番号、取引件名、取引先名、訂正・削除日付、訂正・削除内容、訂正・削除理由、処理担当者名の8つが挙げられています。法人の例は、これに責任者や承認の流れが加わった形です。1人で仕事をしている人なら、個人事業者の例に施行日を書き込むだけで形が整います。

手順5:受け取ったらすぐ保存する決まりにする

請求書のメールが届いたら、その日のうちに添付の PDF を決めたフォルダに保存し、名前を付け替えます。メールの受信箱に残したままにすると、受信箱の容量の整理で消してしまったり、担当者が辞めて受信箱ごと見られなくなったりします。週に1回、受信箱とフォルダを見比べて、保存し忘れがないかを確かめる日を決めておくと安心です。

パソコンの標準機能でファイル名をそろえる

請求書の数が増えると、1つずつ名前を付け替えるのが手間になります。パソコンの標準の機能でも、まとめて名前を変えることができます。

Mac の Finder で名前をまとめて変える

Apple の公式のサポートによると、Mac の Finder では、名前を変えたい複数の項目を選び、Control キーを押しながらそのうちの1つをクリックして「名称変更」を選ぶと、まとめて名前を変えられます。「テキストを置き換える」「テキストを追加」「フォーマット」の3つから選べ、たとえば「テキストを追加」で、選んだファイルの名前の後ろに「_請求書」を一度に付けられます。手順の詳細は Apple のMacでファイル、フォルダ、およびディスクの名前を変更するで確かめられます。

ただし、日付や金額や取引先はファイルごとに違うので、そこは1件ずつ入力することになります。まとめて変えるのは、書類の種類のように共通する部分だけ、と考えておくと作業がはかどります。

Windows のエクスプローラーで変える

Windows のエクスプローラーでも、ファイルを選んで名前を変更できます。日付・金額・取引先はファイルごとに違うので、どのパソコンでも、請求書を開いて中身を確かめながら1件ずつ付け替えるのが確実です。

Mac で請求書のフォルダを見比べながら整理する選択肢

Mac で、受け取った請求書のフォルダと、発行した控えのフォルダ、年度ごとのフォルダを行き来しながら整理するなら、Atriensというファイル管理のアプリも使えます。Atriens の公式サイトでは、よく使うフォルダをサイドバーに登録して並べられること、選んだファイルを Enter キーで名前の編集にでき、日本語の入力の変換中も文字が消えないこと、スペースキーのクイックルックで中身を確かめられること、いま見ているフォルダ以下を検索できることが案内されています。Mac の中で使う機能はすべて無料で、iPhone や iPad から使うときだけ有料のプランになると案内されています。請求書の PDF を開かずに中身を見て、そのまま日付や金額の入った名前に付け替えられるので、名前の付け替えの往復が減ります。

Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Atriens はファイルを整理するためのアプリで、電子帳簿保存法に対応したシステム(タイムスタンプを付ける、訂正や削除の履歴を残す)ではありません。改ざんを防ぐ措置は、この記事で説明した事務処理規程で満たし、ファイルの整理と名前の付け替えに使う、という分け方になります。

間に合わないときの猶予措置

原則の3つのルールへの対応が間に合わない場合でも、次の2つの両方を満たしていれば、電子取引のデータを保存しておくだけで足りるという猶予措置があります。

  1. 原則のルールで保存できなかったことについて、税務署長が相当の理由があると認める場合
  2. 税務調査のときに、データのダウンロードの求めと、データを印刷した書面の提示や提出の求めの両方に応じられるようにしている場合

国税庁のパンフレットによると、1つ目の相当の理由には、事前の届出は要らず、「人手不足」「システム整備の資金不足」「システム整備が間に合わない」なども認められるとされています。パンフレットには「まずは、電子取引データを消さずに保存することが重要」という趣旨の一文もあります。

ただし、猶予措置にあたるかどうかは、最終的には税務署の判断です。いつまでも猶予措置に頼るのではなく、事務処理規程とファイル名の決まりを作るところまでは進めておくのが安心です。個別の事情で判断に迷うときは、税務署や税理士に確かめてください。

1人で回すフリーランスの最小の形

ここまでの手順を、1人で仕事をしているフリーランスが無理なく続けられる形に絞ると、次のようになります。

  1. 国税庁の個人事業者向けのサンプルに施行日を書き込み、事務処理規程として保存する(最初の1回だけ)
  2. パソコンに「請求書(受領)」と「請求書(発行)」のフォルダを作り、その下を年度で分ける(年に1回)
  3. 請求書が届いたら、その日のうちに PDF を保存し、「日付_金額_取引先_書類の種類」の名前に付け替える(届くたび)
  4. 月に1回、ネット通販やカードの明細をまとめてダウンロードし、同じ名前の付け方で保存する(月に1回)
  5. 月に1回、フォルダの中身を外付けのドライブかクラウドのストレージにバックアップする(月に1回)

前の年の売上高が5,000万円を超えていなければ、この5つで原則のルールと検索の例外の条件を満たせます。索引簿は、ファイル名だけで探せるなら作らなくても構いません。大事なのは、決めた形を毎回同じように繰り返すことです。保存の場所や名前の付け方が月によって違うと、税務調査で求められたときに出せなくなり、検索の例外の前提が崩れます。

確定申告の時期にまとめて整理しようとすると、1年分のメールを遡ることになり、取り逃しも増えます。届いたその日に保存する習慣が、結局は最も手間がかかりません。会計ソフトに経費を入力するときに、フォルダのファイル名を見ながら入力すれば、帳簿と請求書の突き合わせも同時に済みます。

税務調査で求められたときに出せるようにしておく

検索の例外や猶予措置を使うときには、どちらも「税務調査のときにダウンロードの求めに応じられること」が条件になっています。ダウンロードの求めとは、調査をする職員から、保存しているデータをそのまま見せたり渡したりするよう求められることです。応じられるようにするには、どこに何が保存されているかを自分ですぐに答えられる状態にしておく必要があります。

具体的には、年度のフォルダを開けば、その年の請求書がすべて日付の順に並んでいること、取引先の名前で検索すれば、その取引先とのやり取りがすぐに出てくること、の2つができていれば十分です。データを USB メモリなどに書き出して渡せるよう、フォルダごとコピーする手順も一度試しておくと安心です。

猶予措置を使う場合は、これに加えて、データを印刷した書面を求められたときに出せることも必要です。プリンタが手元に無いなら、近くの有料のプリンタで印刷する方法を確かめておきます。調査の対応そのものに不安があるときは、税理士に相談するのが確実です。

電子請求書の保存期間

電子で受け取った請求書も、紙の請求書と同じ期間だけ保存します。保存期間は、法人か個人か、青色申告か白色申告かで変わります。

立場 請求書などの書類の保存期間 根拠となる国税庁の案内
法人 確定申告書の提出期限の翌日から7年間(欠損金が出た年度などは10年間) タックスアンサー No.5930
個人(青色申告) 帳簿は原則7年間、請求書・見積書・納品書などは5年間 タックスアンサー No.2070
個人(白色申告) 収入と経費を記した帳簿は7年間、請求書・納品書・領収書などは5年間 タックスアンサー No.2080

国税庁の帳簿書類等の保存期間によると、法人は帳簿と書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。青色申告で欠損金(赤字)が出た事業年度などは10年間になります。

インボイスの保存期間は7年間

消費税の仕入税額控除(仕入れのときに払った消費税を、納める消費税から差し引く仕組み)を受けるには、適格請求書(インボイス)などの保存が必要です。国税庁のタックスアンサー No.6625 によると、その保存期間は、受け取った日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間です。ただし、6年目と7年目は、帳簿か請求書のどちらか一方を保存すればよいとされています。

個人の青色申告では請求書の保存期間が5年間でも、消費税の課税事業者でインボイスを使って仕入税額控除を受けているなら、7年間の保存が必要になります。どちらの期間に合わせればよいか迷うときは、長いほうに合わせて7年間保存しておくと、数え間違いの心配がありません。

保存期間が過ぎたデータの扱い

年度ごとにフォルダを分けておくと、保存期間を数えやすくなります。フォルダの名前の後ろに、自分の立場の保存期間から数えた保存を終える年の目安を書き添えておけば、どのフォルダをいつまで残すかが一目で分かります。ただし、期間が過ぎたからといってすぐに削除する必要はありません。取引先との間で、あとから過去の請求の内容を確かめたくなることもあります。電子のデータは紙と違って保管の場所を取らないので、迷うものは残しておき、削除するときは税理士など会計を任せている人に一度確かめると安心です。

自分が発行した請求書の控えも保存する

受け取った請求書だけでなく、自分が発行した請求書の控えも保存の対象です。PDF の請求書をメールで送ったなら、それも電子取引にあたり、送った PDF のデータを電子のまま保存します。

インボイスの登録をしている事業者(適格請求書発行事業者)には、取引先から求められたらインボイスを交付する義務と、交付したインボイスの写しを保存する義務があると、国税庁のタックスアンサー No.6498 は説明しています。請求書を作るソフトやサービスで発行している場合は、そのサービスの中にデータが残っていても、サービスを解約すると見られなくなることがあります。送った PDF を、自分のフォルダにも保存しておくと安心です。

控えのファイル名も、受け取った請求書と同じ「日付_金額_取引先_書類の種類」の順にそろえます。受け取ったものと発行したものでフォルダを分けておけば、同じ取引先とのやり取りでも取り違えません。

請求書を出し直したときは、元の PDF も残す

金額の間違いなどで請求書を出し直すことがあります。このとき、最初に送った PDF を消して新しいものだけを保存すると、取引先の手元にある請求書と自分の控えが合わなくなります。事務処理規程でも、訂正や削除は原則として禁止です。最初の PDF はそのまま残し、出し直した PDF には「再発行」と分かる名前を付けて、同じフォルダに並べて保存します。

  • 20261015_110000_株式会社〇〇_請求書.pdf
  • 20261018_99000_株式会社〇〇_請求書_再発行.pdf

あわせて、出し直した理由と日付を短く記録しておきます。個人事業者向けのサンプルにある「取引情報訂正・削除申請書」の項目に沿って、表計算ソフトに1行書くだけで足ります。送ったメールも削除せず、請求書のフォルダと同じ年度で探せるようにしておくと、取引先から問い合わせがあったときに、いつ何を送ったかをすぐに答えられます。

よくある保存の失敗

電子請求書の保存で、実際によく起きる失敗をまとめます。

メールの受信箱に残したままにする

メールの受信箱は保存の場所としては不向きです。容量が足りなくなって古いメールを削除したときに、請求書ごと消えてしまいます。日付・金額・取引先で探すのも難しくなります。受け取ったら決めたフォルダに保存する、を習慣にしてください。

印刷して元のデータを消す

印刷した紙を原本だと思い込んで、元の PDF を消してしまう失敗です。電子で受け取った請求書は、電子のデータが原本です。紙は確認用の控えとして扱います。

上書き保存してしまう

PDF に書き込みをして上書き保存すると、受け取ったときの状態がわからなくなります。メモを書き込みたいときは、別名で保存したファイルに書き込み、元のファイルはそのまま残します。

同じ請求書を何度も保存して重複させる

メールで届いた PDF と、請求書のサービスからダウンロードした PDF が同じ請求書だった、ということはよくあります。両方を別の名前で保存すると、帳簿に二重に計上する原因になります。保存するときに、同じ日付と金額と取引先のファイルが既にないかをフォルダの中で確かめる習慣を付けてください。ファイル名を日付・金額・取引先の順にそろえていれば、名前の順に並べるだけで重複に気づけます。

1台のパソコンにしか保存していない

パソコンが壊れると、請求書のデータがすべて失われます。外付けのドライブや、会社で契約しているクラウドのストレージに、定期的にバックアップを取ってください。バックアップを取ったら、実際に開けるかどうかもときどき確かめます。

請求書の整理が整っている相手ほど、仕事の依頼が続く

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く受け手には、請求や書類のやり取りが正確で早いという共通点があります。発注する側は、請求書の取引先名や金額が毎回正しく、問い合わせたらすぐに控えが出てくる相手には、安心して次の仕事を頼みます。請求書の保存の仕組みは、税務のためだけでなく、取引先からの信頼にもつながります。

仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。その分、請求書の発行と保存は自分で正しく回す必要があります。在宅で働く環境を整える費用について知りたい場合は、テレワーク 助成金 2026で、テレワークの導入に使える助成金をまとめています。請求書の受け取りや保存の流れを、AI やツールを使って効率よく回す手伝いをする仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。社内の経理の仕組みそのものを見直したい会社は、中小企業の経営課題に助言する国家資格の中小企業診断士に相談する方法もあります。

よくある質問

Q. メールで届いた請求書を印刷して保存すれば足りますか?

足りません。2024年1月から、メールなど電子で受け取った請求書は、電子のデータのまま保存することが法人にも個人事業者にも義務になっています。印刷した紙は確認用の控えとして扱い、元の PDF は消さずに保存してください。紙で郵送された請求書は電子取引にはあたらないので、紙のまま保存して構いません。

Q. 専用のシステムを入れないと対応できませんか?

入れなくても対応できます。改ざんを防ぐ措置は、国税庁がサンプルを公開している事務処理規程を作って運用すれば満たせます。検索のルールは、ファイル名を日付・金額・取引先の順にそろえるか、表計算ソフトで索引簿を作れば満たせます。2年前の売上高が5,000万円以下なら、ダウンロードの求めに応じられれば検索のルールは不要です。

Q. 電子請求書は何年保存すればよいですか?

法人は確定申告書の提出期限の翌日から7年間で、欠損金が出た年度などは10年間です。個人の青色申告は請求書などが5年間、白色申告は5年間です。インボイスを使って仕入税額控除を受けている場合は、原則7年間の保存が必要になります。迷うときは長いほうに合わせて7年間保存しておくと安心です。

Q. 自分が発行した請求書の控えも電子で保存する必要がありますか?

PDF の請求書をメールで送った場合は、それも電子取引にあたるので、送ったデータを電子のまま保存します。インボイスの登録事業者には、交付したインボイスの写しを保存する義務もあります。請求書を作るサービスの中にデータが残っていても、解約すると見られなくなることがあるので、自分のフォルダにも保存しておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月1日最終更新:2026年10月25日
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