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アイゼンハワーマトリクスの使い方|緊急度と重要度でタスクを振り分ける手順

@SOHO編集部
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アイゼンハワーマトリクスの使い方|緊急度と重要度でタスクを振り分ける手順

この記事のポイント

  • ✓アイゼンハワーマトリクスの使い方を
  • ✓緊急度と重要度の見分け方
  • ✓4つの領域への振り分け手順

アイゼンハワーマトリクスという名前は知っていても、実際に使おうとすると「このタスクは緊急なのか、重要なのか」で手が止まってしまう。4つの枠を書いてはみたものの、ほとんどのタスクが「緊急かつ重要」の枠に入ってしまい、結局いつもと同じ順番で仕事をしている。そうした状態で止まってしまうのは、使い方の基準を決めていないことが原因である場合が多くあります。

アイゼンハワーマトリクスは、タスクを緊急度と重要度の2つの軸で4つの領域に振り分け、やる・予定に入れる・任せる・やめる、のどれにするかを決める方法です。仕組みは単純ですが、振り分けの基準を自分で決めておかないと、うまく働きません。

この記事では、アイゼンハワーマトリクスの使い方を、緊急度と重要度の見分け方から、4つの領域への振り分け手順、具体例、よくある失敗の直し方まで順に説明します。紙・表計算・Googleの ToDo リストでの作り方と、チームで優先順位を共有するときのポイントも扱います。後半では、縦横2軸のマトリクスにカードを並べられるボードを持つPinatecaにも触れます。

アイゼンハワーマトリクスとは

アイゼンハワーマトリクスは、タスクを「緊急かどうか」と「重要かどうか」の2つの軸で分け、4つの領域に振り分ける優先順位付けの方法です。Asanaの解説では、次のように説明されています。

アイゼンハワーマトリクスは、仕事やタスクを「緊急度 (緊急性)」と「重要度 (重要性)」の 2 軸から評価し、「最初にやるタスク」「後でやるために予定に入れるタスク」「誰かに任せるタスク」「削除するタスク」という 4 つの領域に分けることで、自分がやるべき作業を見極めることができます。 出典: asana.com

名前の由来は、第34代アメリカ大統領のドワイト・D・アイゼンハワーです。同じ解説によると、アイゼンハワーは1954年の演説で、緊急な問題と重要な問題は別物だという趣旨の言葉を引用しました。その考え方を、スティーブン・コヴィーが著書『7つの習慣』の中で、時間管理の具体的な手法として整理したことで広く知られるようになりました。

この方法の要点は、「急いでいるもの」と「大切なもの」を分けて考えることにあります。忙しい日ほど、目の前で急かされている仕事から手をつけてしまいがちです。しかし、急いでいる仕事が必ずしも大切な仕事とは限りません。逆に、本当に大切な仕事は、締め切りが遠いために後回しにされやすいものです。アイゼンハワーマトリクスは、この2つを分けて見えるようにするための道具です。

4つの領域

4つの領域は、次のように整理できます。

領域 緊急度 重要度 扱い方 例
第1領域 緊急 重要 すぐにやる 今日が期限の納品、取引先からのクレーム対応
第2領域 緊急でない 重要 予定に入れてやる 資格の勉強、業務の仕組みづくり、健康診断
第3領域 緊急 重要でない 任せるか短く済ませる 多くの定型的な問い合わせ、急な会議の日程調整
第4領域 緊急でない 重要でない やめる 目的のないネットの閲覧、惰性で続けている作業

この表の中で、もっとも大切なのは第2領域です。第2領域には、すぐに成果は出ないものの、長い目で見て仕事や生活を良くするタスクが入ります。第1領域の仕事に追われる日々から抜け出すには、第2領域に時間を使うことが欠かせません。

在宅で働く人の場合に入りやすいタスク

在宅で働く人やフリーランスの場合、それぞれの領域には次のようなタスクが入りやすくなります。自分のタスクを振り分けるときの目安にしてください。

  • 第1領域:納品日が明日の作業、取引先からの修正依頼、支払いの期限が近い請求書の発行、確定申告の期限間際の作業
  • 第2領域:作業の手順書づくり、新しい分野の技能の習得、取引先との関係づくり、経費の領収書を月ごとに整理すること、体調を整える時間
  • 第3領域:急ぎと書かれた定型の問い合わせ、日程調整の返信、すぐに返事を求められるものの自分の目標にはつながらない連絡
  • 第4領域:目的を決めずに見るSNSや動画、読まずにたまっていくメールマガジン、使っていない道具の設定をいじる時間

第2領域に入っている「経費の領収書を月ごとに整理すること」は、毎月少しずつ進めておけば数時間で終わる作業です。ところが後回しにすると、確定申告の時期にまとめて片づけることになり、第1領域の重い作業に変わります。第2領域のタスクを放っておくと第1領域に移ってくる、という流れを知っておくと、早めに手をつける理由がはっきりします。

緊急度と重要度を見分ける基準

アイゼンハワーマトリクスでつまずく人の多くは、緊急度と重要度の見分け方があいまいなままです。ここでは、迷わずに振り分けるための基準を整理します。

緊急度は「期限」と「待っている人」で決める

緊急度は、期限がどれだけ近いか、そして誰かがそのタスクの完了を待っているかで決めます。目安として、次のどちらかに当てはまれば「緊急」と考えます。

  • 期限が今日か明日である
  • そのタスクが終わらないと、ほかの人の作業が止まる

逆に、期限が1週間以上先で、誰も待っていないタスクは「緊急でない」と考えます。基準を数字で決めておくと、迷う時間が減ります。期限が3日後のように中間にあるタスクは、自分の仕事の量に合わせて基準をずらしてかまいません。大切なのは、毎回同じ基準で判断することです。

重要度は「目標」とのつながりで決める

重要度は、そのタスクが自分やチームの目標にどれだけつながっているかで決めます。目標がはっきりしていないと、重要度は判断できません。

そこで、振り分けを始める前に、今月や今期の目標を3つほど書き出しておきます。たとえば在宅で経理の仕事を受けている人なら、「既存の取引先の月次の作業を期限内に終える」「新しい取引先を1社増やすための準備をする」「年末調整の時期に向けて作業の手順を整える」といった目標です。そのうえで、各タスクがこの3つのどれかにつながっていれば「重要」、つながっていなければ「重要でない」と判断します。

「緊急だから重要」と思い込まない

ここ、意外と見落としがちなんです。急かされているタスクは、それだけで重要に見えてしまいます。電話やチャットで「至急お願いします」と言われると、目標とのつながりを考える前に手が動きます。

振り分けのときは、緊急度と重要度を別々に判断することを意識します。まず重要度だけを判断し、そのあとで緊急度を判断する、と順番を決めておくと、急かされている感覚に引っ張られにくくなります。

アイゼンハワーマトリクスの使い方5つの手順

ここからは、アイゼンハワーマトリクスを実際に使う手順を5つに分けて説明します。

手順1:タスクをすべて書き出す

最初に、抱えているタスクをすべて書き出します。仕事の依頼、自分で決めた作業、返事をしていない連絡、気になっている用事まで、大小を問わず並べます。この段階では、領域のことは考えずに書き出すことに集中します。

書き出すときは、1つのタスクを「次にやる1つの行動」の形で書くと、あとの振り分けが楽になります。「経費の整理」ではなく「10月分の領収書を入力する」のように書きます。

手順2:目標を3つ書き出す

次に、重要度を判断するための目標を書き出します。先に説明したとおり、今月や今期の目標を3つほど決めます。目標が多すぎると、すべてのタスクが重要に見えてしまうため、3つ程度に絞るのがコツです。

手順3:重要度で2つに分ける

書き出したタスクを、目標につながるかどうかで「重要」と「重要でない」の2つに分けます。迷ったときは、「このタスクをやらなかったら、1か月後に困るか」と考えると判断しやすくなります。困るなら重要、困らないなら重要でない、と考えます。

手順4:緊急度で2つに分ける

重要度で分けたそれぞれを、緊急度で2つに分けます。期限が今日か明日、または誰かが待っているタスクは緊急、それ以外は緊急でない、と判断します。これで、すべてのタスクが4つの領域のどれかに入ります。

手順5:領域ごとに扱いを決める

最後に、領域ごとに扱いを決めます。

  • 第1領域:今日中に手をつける。数が多すぎるときは、期限の近い順に並べる
  • 第2領域:カレンダーに作業の時間を確保する。いつやるかを決めないと、ずっと後回しになる
  • 第3領域:ほかの人に任せられないか、短く済ませる方法がないかを考える
  • 第4領域:やめる。やめられないものは、時間の上限を決める

手順5で特に大切なのは、第2領域のタスクをカレンダーに入れることです。第2領域は「いつかやる」と思っているだけでは、緊急の仕事に押し出されて永遠に手がつきません。週に2時間でもよいので、時間を確保して守ることが、アイゼンハワーマトリクスを使う意味そのものです。

アイゼンハワーマトリクスの具体例

ここでは、在宅で複数の取引先から経理の仕事を受けている人を例に、ある週のタスクを振り分けてみます。

書き出したタスク

  • A社の請求書を発行する(期限は明日)
  • B社の9月分の領収書を入力する(期限は5日後)
  • C社から届いた、科目の扱いについての質問に答える(相手が回答を待っている)
  • 会計ソフトの新しい機能の使い方を調べる(期限なし)
  • 年末調整の時期に向けて、取引先に送る案内文のひな形を作る(期限なし)
  • 取引先の担当者から来た、来月の打ち合わせの日程調整に返信する(期限は今日)
  • 仕事用のメールの不要なメールマガジンを読む(期限なし)
  • SNSで同業者の投稿を眺める(期限なし)

振り分けた結果

目標を「既存の取引先の作業を期限内に終える」「年末調整の時期に向けて手順を整える」「作業の効率を上げる」の3つとして振り分けると、次のようになります。

  • 第1領域(緊急・重要):A社の請求書の発行、C社の質問への回答
  • 第2領域(緊急でない・重要):B社の領収書の入力、会計ソフトの新しい機能を調べる、年末調整の案内文のひな形を作る
  • 第3領域(緊急・重要でない):打ち合わせの日程調整の返信
  • 第4領域(緊急でない・重要でない):メールマガジンを読む、SNSを眺める

B社の領収書の入力は5日後が期限なので、この時点では第2領域に入ります。ただし、放っておけば数日後には第1領域に移ってきます。第2領域のうちに作業の時間を確保しておけば、期限間際に慌てずに済みます。

時間に置き換えて考える

振り分けたあとは、時間の見込みを書いて確かめます。たとえば、第1領域の2つで合わせて1時間30分、第2領域の3つで合わせて6時間かかるとします。1日の作業時間が5時間なら、第2領域の6時間は今週のうちに2日か3日に分けて確保する必要があります。

一方、第4領域のメールマガジンとSNSに1日30分ずつ使っているとすれば、週5日で2時間30分になります。これをやめるか、時間の上限を決めるだけで、第2領域の作業に使える時間がまとまって生まれます。

第3領域の扱い方

第3領域の日程調整の返信は、急いではいるものの、自分の目標には直接つながりません。こうしたタスクは、まとめて短く片づけるのが向いています。たとえば、日程調整や定型の連絡は1日2回、午前と午後の決まった時間にまとめて返す、と決めておくと、作業が細切れになりにくくなります。

会社で働いている人なら、ほかの人に任せられるかどうかも考えます。一人で仕事をしている人の場合、任せる相手がいないことも多いため、短く済ませる工夫や、返信のひな形を作っておくことが現実的な対応になります。

紙・表計算・Googleの ToDo リストでの作り方

アイゼンハワーマトリクスは、特別な道具がなくても作れます。ここでは、身近な3つの道具での作り方を説明します。

紙で作る

もっとも手軽なのは紙です。A4の紙に縦と横の線を1本ずつ引き、4つの枠を作ります。左上を第1領域、右上を第2領域、左下を第3領域、右下を第4領域とし、付箋にタスクを1つずつ書いて貼っていきます。

付箋を使うと、緊急度が変わったときに貼り替えられるので便利です。たとえば第2領域にあったタスクの期限が近づいたら、第1領域に移します。終わったタスクの付箋ははがして捨てると、残っているタスクだけが見える状態を保てます。

表計算で作る

ExcelやGoogleスプレッドシートで作る場合は、次の列を用意します。

列 内容
タスク 次にやる1つの行動の形で書く
期限 日付で書く
待っている人 いれば名前を書く
重要度 目標につながるなら「高」、つながらないなら「低」
緊急度 期限が今日か明日、または待っている人がいれば「高」
領域 重要度と緊急度の組み合わせから1〜4を入れる
見込み時間 30分、1時間などで書く

領域の列で並べ替えると、第1領域から順にタスクが並びます。表計算の良さは、見込み時間を合計できることです。第1領域と第2領域の見込み時間を合計し、今週使える作業時間と比べれば、無理な計画になっていないかを確かめられます。

Googleの ToDo リストで作る

Googleの ToDo リストでは、リストを4つ作り、それぞれを4つの領域に見立てる方法が使えます。リストの名前を「1 すぐやる」「2 予定に入れる」「3 任せる・短く」「4 やめる」のようにしておくと、どのリストが何の領域かが分かります。

Googleの公式ヘルプによると、パソコンではタスクを長押ししてほかのリストにドラッグ&ドロップで移動できます。ただし、繰り返しに設定したタスクは別のリストに移動できないと案内されています。詳しくはタスクを整理するのページで確かめられます。期限を設定したタスクはカレンダーにも表示されるため、第2領域のタスクに作業の日を期限として設定しておけば、カレンダー上で予定と一緒に確かめられます。

よくある失敗と直し方

アイゼンハワーマトリクスを使い始めた人がつまずきやすい点を5つ挙げ、それぞれの直し方を説明します。

失敗1:ほとんどのタスクが第1領域に入る

もっとも多い失敗です。原因は、重要度の基準があいまいなことにあります。目標を3つに絞って書き出し、そのどれにもつながらないタスクは「重要でない」と判断する、という基準を守ると、第1領域のタスクは自然に減ります。

それでも第1領域が多いときは、第2領域のタスクを後回しにしてきた結果である可能性があります。第2領域の作業を毎週カレンダーに確保していけば、数週間後には第1領域に入ってくるタスクが減っていきます。

失敗2:第2領域に手がつかない

第2領域のタスクは、期限がないか遠いため、どうしても後回しになります。直し方は、カレンダーに作業の時間を予定として登録することです。「火曜と木曜の9時から10時は第2領域の作業」のように、決まった曜日と時間に確保すると習慣になります。

失敗3:振り分けて満足してしまう

4つの枠にタスクを振り分けた時点で、何かを成し遂げたような気持ちになることがあります。しかし、振り分けは出発点にすぎません。振り分けたあとに、第1領域から手をつけ、第2領域の時間を確保し、第3領域を短く済ませ、第4領域をやめる、という行動につなげて初めて意味があります。

失敗4:一度振り分けたまま見直さない

タスクの緊急度は、時間とともに変わります。第2領域にあったタスクも、期限が近づけば第1領域に移ります。振り分けは、少なくとも週に1回は見直します。週の初めに30分ほどとって、全体を振り分け直すのがおすすめです。

失敗5:第4領域を完全にゼロにしようとする

第4領域のタスクを全部やめようとすると、かえって息が詰まります。休憩や気分転換は、仕事の質を保つために必要なものです。第4領域は「完全にやめる」ものと「時間の上限を決めて続ける」ものに分けて考えると、無理なく続けられます。

チームで優先順位をそろえるポイント

アイゼンハワーマトリクスは、個人だけでなくチームでも使えます。Asanaの解説でも、チームで使う場合の考え方が紹介されています。

チームで使う場合は、タスクの緊急度と重要度を全員が同じ基準で判断できるよう、事前に認識をそろえておくことが大切です。 出典: asana.com

基準を言葉にしてそろえる

チームで使うときにいちばん大切なのは、緊急度と重要度の基準を言葉にしてそろえることです。「緊急とは、期限が2営業日以内か、取引先が回答を待っているもの」「重要とは、今期の目標のどれかにつながるもの」のように、誰が判断しても同じ結果になる基準を決めます。

第3領域の任せ先を決める

チームでは、第3領域のタスクを誰に任せるかを決めておく必要があります。定型の問い合わせは誰が受けるのか、日程調整は誰がまとめるのかを決めておかないと、全員が同じタスクに手をつけたり、誰も手をつけなかったりします。

見える場所で共有する

チームの優先順位は、全員が見える場所で共有します。会議のたびに口頭で伝えるだけでは、時間がたつと認識がずれていきます。タスクの一覧と、各タスクの領域、担当者、期限を、いつでも確かめられる状態にしておくことが大切です。

マトリクスの形で共有できる道具の1つ

チームでアイゼンハワーマトリクスを共有したい場面で使える選択肢の1つが、プロジェクト管理の道具のPinatecaです。公式サイトによると、カンバン・ガント・カレンダー・リスト・ディスカッション・グリッド・時間割・リソースの8種類のボードがあり、このうちグリッドボードは縦横2軸のマトリクスにカードを自由に並べられるボードとして案内されています。緊急度と重要度を2つの軸にすれば、チームのタスクを4つの領域に並べて共有できます。

振り分けたタスクのうち、第1領域と第2領域のものはカンバンボードで「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」の段階に分けて進め、第2領域の作業の期間はガントチャートで確かめる、という使い分けもできます。カードにはチャットやコメントを付けられるため、任せたタスクの経緯をカードの上で追えます。

料金ページによると、無料のフリープランは5人まで、ボードは10個まで使え、全8種類のボードを利用できます。6人目や11個目のボードからは、スタンダードプランが1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)です。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

一人で使う場合は、紙や表計算、Googleの ToDo リストで十分に回ります。チームで基準をそろえ、任せたタスクの進み具合を追う必要が出てきたときが、共有の道具を検討する目安です。

アイゼンハワーマトリクスを使うメリット

ここで、アイゼンハワーマトリクスを使うメリットを整理しておきます。メリットを知っておくと、忙しい週に振り分けを省きたくなったときの支えになります。

やめる仕事が見つかる

もっとも大きなメリットは、やめてよい仕事が見つかることです。やることリストだけで仕事を管理していると、リストに載っているものは全部やるもの、という前提で考えてしまいます。アイゼンハワーマトリクスでは第4領域という「やめる」ための枠があらかじめ用意されているため、惰性で続けていた作業に気づきやすくなります。

断る理由を言葉にできる

依頼を断ったり、期限の相談をしたりするときに、理由を言葉にしやすくなります。「今週は期限の決まった作業が3件重なっていて、この件は来週の水曜からの着手になります」のように、自分の仕事の状況を具体的に説明できれば、相手も判断しやすくなります。根拠なく断るよりも、取引先との関係を保ちやすくなります。

自分の時間の使い方の癖が分かる

振り分けを何週間か続けると、自分の時間の使い方の癖が見えてきます。毎週第1領域ばかりが多いなら、期限の見積もりが甘いか、第2領域の準備が足りていないことが分かります。第3領域が多いなら、細かな連絡に時間を取られていることが分かります。癖が分かれば、直すべき点も具体的になります。

気持ちの負担が軽くなる

すべてのタスクを同じ重さで抱えていると、気持ちの負担が大きくなります。4つの領域に分けると、今日やるべきものと、今日はやらなくてよいものがはっきりします。やらなくてよいものが分かるだけで、目の前の作業に集中しやすくなります。

1週間の運用例:月曜に振り分け、金曜に見直す

アイゼンハワーマトリクスを毎週どのように回すのか、1週間の流れで具体的に示します。ここでは、在宅で働く人の平日5日間を例にします。

月曜日の朝:30分で振り分ける

週の初めに30分をとって、タスクを書き出し、4つの領域に振り分けます。振り分けたら、第1領域のタスクを期限の近い順に並べ、第2領域のタスクについては、今週のどの日のどの時間にやるかを決めてカレンダーに登録します。第3領域は、まとめて片づける時間帯を決め、第4領域はやめるか時間の上限を決めます。

火曜日から木曜日:毎朝5分で今日の分を確かめる

毎朝5分だけ、月曜に作ったマトリクスとカレンダーを見比べて、今日やるタスクを確かめます。新しい依頼が入ったら、その場で4つの領域のどれに入るかを判断して書き加えます。第1領域に入る新しい依頼が来たときは、今日の予定のどれを後ろにずらすかも同時に決めます。

金曜日の夕方:15分で見直す

金曜日の夕方に15分ほどとって、1週間を振り返ります。確かめることは次の3つです。

  • 第2領域に確保した時間を、実際に守れたか
  • 第1領域に、本来は第2領域のうちに片づけられたタスクが入っていなかったか
  • 第4領域でやめると決めたことを、実際にやめられたか

守れなかった点があれば、来週の振り分けで直します。たとえば第2領域の時間が毎回ほかの仕事に押し出されているなら、確保する時間帯を朝の早い時間に移す、といった工夫をします。このように、月曜の振り分けと金曜の見直しを1組にして続けると、アイゼンハワーマトリクスは単なる図ではなく、毎週の働き方を整える仕組みになります。

他の優先順位付けの方法との使い分け

アイゼンハワーマトリクスのほかにも、優先順位を付ける方法はいくつかあります。それぞれの得意な場面を知っておくと、状況に応じて使い分けられます。

やることリストとの組み合わせ

やることリストは、タスクを一覧にする方法です。アイゼンハワーマトリクスは、その一覧に優先順位を付ける方法です。2つは対立するものではなく、組み合わせて使うものです。やることリストに書き出したタスクを、週に1回アイゼンハワーマトリクスで振り分け、毎日のリストには第1領域と、その日に確保した第2領域のタスクだけを載せると、日々の作業が整理されます。

期限の順に並べる方法との違い

タスクを期限の近い順に並べる方法は、分かりやすく手軽です。ただし、この方法では第2領域のタスクが常に後ろに回ってしまいます。期限のない大切なタスクを扱えるのが、アイゼンハワーマトリクスの強みです。

迷ったときは「やらなかったら困るか」で考える

どの方法を使っても、判断に迷うタスクは出てきます。そのときは、「このタスクをやらなかったら、誰がいつ困るか」と考えます。誰も困らないなら第4領域、自分が1か月後に困るなら第2領域、取引先が明日困るなら第1領域、というように、困る人と時期から判断すると、振り分けがぶれにくくなります。

在宅で働く人がアイゼンハワーマトリクスを使う意味

最後に、在宅で働く人やフリーランスにとって、アイゼンハワーマトリクスがなぜ役立つのかを考えます。

急ぎの連絡に1日を奪われやすい

在宅で働いていると、メールやチャットの通知が絶えず届きます。1つひとつに応じていると、気づけば1日が第3領域の作業で終わっていた、ということが起こります。アイゼンハワーマトリクスで第3領域を意識すると、通知への対応をまとめて短く済ませる、という判断がしやすくなります。

第2領域が収入の安定につながる

一人で仕事をしている人にとって、第2領域のタスクは、作業の仕組みづくりや技能の習得、新しい取引先との関係づくりなど、将来の収入の安定につながるものが多くあります。目の前の納品だけをこなしていると、取引先が1社減っただけで収入が大きく揺らぎます。第2領域に週に数時間を確保することは、そうした揺らぎに備えることでもあります。

たとえば、週に3時間を第2領域に確保すれば、1年でおよそ150時間になります。この時間を資格の勉強や新しい分野の技能の習得に使えば、受けられる仕事の幅は確実に広がります。

運営者として見てきたこと

フリーランスや在宅ワークの仲介に長く携わってきた立場から見ると、長く仕事を続けている人ほど、目の前の作業と将来への準備を分けて考えている傾向があります。急ぎの仕事を確実にこなしながらも、毎週決まった時間を技能の習得や仕事の仕組みづくりに使っている人は、取引先が入れ替わる時期にも慌てずに次の仕事を見つけています。

また、仲介手数料のかからない直接取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなります。その分の時間とお金を第2領域に回せることは、長く働き続けるうえでの大きな支えになります。

第2領域で何を学ぶかを考えるとき、職種や資格ごとの情報が参考になります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIを取り入れる支援の仕事内容と求められる力が紹介されています。業務の優先順位を整理し、何をやめて何に時間を使うかを提案する力は、こうした仕事の中心にあるものです。

経営の視点から業務の優先順位を考える力を体系的に身につけたい人には、中小企業診断士の資格ガイドが参考になります。試験の概要や、資格を仕事にどう生かせるかがまとめられています。また、アプリケーション開発のお仕事のように、複数の工程を並行して進める仕事では、タスクの優先順位を決める力がそのまま仕事の質につながります。

アイゼンハワーマトリクスは、忙しさの中で見失いがちな「大切なこと」を見えるようにする道具です。まずは今週のタスクを書き出し、第2領域に入るものを1つ選んで、カレンダーに作業の時間を確保するところから始めてみてください。

よくある質問

Q. アイゼンハワーマトリクスで、緊急と重要の見分けがつかないときはどうすればよいですか?

まず重要度だけを判断し、そのあとで緊急度を判断すると迷いにくくなります。重要度は、今月や今期の目標を3つほど書き出し、そのどれかにつながるかで決めます。緊急度は、期限が今日か明日か、誰かが完了を待っているかで決めます。それでも迷うときは「やらなかったら誰がいつ困るか」と考えると判断しやすくなります。

Q. ほとんどのタスクが「緊急かつ重要」になってしまうのはなぜですか?

重要度の基準があいまいなことと、期限のない大切な作業を後回しにしてきたことが主な原因です。目標を3つに絞り、どれにもつながらないものは重要でないと判断します。あわせて、緊急でない重要な作業の時間を毎週カレンダーに確保すると、数週間後には急ぎの仕事として飛び込んでくるタスクが減っていきます。

Q. アイゼンハワーマトリクスはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

少なくとも週に1回、30分ほどとって全体を振り分け直すのがおすすめです。タスクの緊急度は時間とともに変わり、緊急でなかったタスクも期限が近づけば緊急に移ります。毎日の作業は、週の振り分けで決めた内容をもとに、やることリストで管理すると無理なく続けられます。

Q. 一人で仕事をしていて任せる相手がいない場合、第3領域はどう扱えばよいですか?

任せる相手がいない場合は、短く済ませる工夫が現実的です。日程調整や定型の連絡は、1日2回など時間を決めてまとめて返す、返信のひな形を作っておく、といった方法があります。作業を細切れにしないことで、緊急でない重要な作業に使える時間をまとまって確保しやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月9日最終更新:2026年10月15日
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