ドラッグストアの人間関係|狭い職場での距離の取り方


この記事のポイント
- ✓ドラッグストアの人間関係で悩む薬剤師に向けて
- ✓少人数とシフト制で動く職場の構造
- ✓登録販売者との間で起きやすいすれ違い
「ドラッグストア人間関係」と検索したあなたは、いま職場で誰かとの関係に疲れているのかもしれません。あるいは、これからドラッグストアで働くことを考えていて、人間関係が大変だという話を聞いて不安になっているのかもしれません。
大丈夫ですよ。その悩みは、あなたの性格の問題というより、ドラッグストアという職場の構造から生まれていることが多いものです。
先に結論を書きます。ドラッグストアの人間関係がしんどくなりやすいのは、少ない人数が長い営業時間をシフトで回し、その中で薬剤師が少数派になる構造があるからです。この構造を知ったうえで、「仲良くなる」ことを目標にするのではなく、「仕事が回る距離」を自分で決めておく。これが、狭い職場で消耗しないための一番確かな方法です。
この記事では、ドラッグストアの中で実際にどういう関係が生まれ、どこですれ違いが起きやすいのかを、よくある相談の形で整理します。そのうえで、具体的な距離の取り方と、転職や異動を考えるときに人間関係を事前に推し量る方法をお伝えします。
ドラッグストアの人間関係が「狭い」と感じられる理由
最初に、なぜドラッグストアの人間関係が狭く、濃く感じられるのかを整理しておきます。理由が分かるだけで、少し気持ちが軽くなることがあります。
少ない人数で、長い時間を回している
ドラッグストアは、朝から夜まで12時間以上営業する店舗が珍しくありません。その時間を、社員、パート、アルバイトがシフトで分担して回しています。1つの時間帯に店舗にいるのは、数人から十数人程度です。
人数が少ないので、1人ひとりの存在感が大きくなります。誰かが休めば、その日の残りのメンバーの負担が目に見えて増えます。「あの人が休んだから今日は大変だった」という感情が、関係の中に残りやすいのです。
同じメンバーと、何年も顔を合わせる
ドラッグストアでは、地域に住むパートのスタッフが長く勤めていることがよくあります。店長や社員は異動で入れ替わっても、パートのスタッフは5年、10年と同じ店舗にいる。そういう店舗は少なくありません。
長く勤める人は、その店舗のやり方をいちばんよく知っています。新しく来た人にとっては頼りになる存在である一方、「前はこうだった」というやり方の違いがぶつかりやすい相手にもなります。
薬剤師が少数派になる
ドラッグストアでは、薬剤師は店舗の中で少数派です。調剤室がある店舗でも数人、ない店舗では1人ということもあります。
ドラッグストアには、薬剤師以外にも販売スタッフやパート・アルバイトなどが多く働いています。店長も薬剤師とは限りません。 このため、薬の専門家でありながら薬剤師の立場が軽視されていると感じることがあるかもしれません。 出典: pharmacist.m3.com
病院や調剤薬局では、周りに薬剤師や医療職がいて、専門的な判断を分かち合える相手がいます。ドラッグストアでは、その相手がいない時間が長くなります。専門職としての孤独と、店舗の一員としての役割の間で揺れる。これが、ドラッグストアの薬剤師に特有の人間関係の難しさです。
逃げ場のない物理的な距離
店舗のバックヤードや休憩室は、多くの場合とても狭い空間です。休憩の時間もずらして取るので、同じ人と2人きりになることがあります。売場でも、レジや調剤室の近さから、誰が何をしているかがよく見えます。
仕事の場と休憩の場が近く、相手との距離を物理的に取りにくい。このことも、関係の疲れを溜めやすくしています。
職場にいる人たちと、それぞれの立場
人間関係を考えるとき、相手の立場を知っておくと、すれ違いの理由が見えやすくなります。ドラッグストアで薬剤師が関わる主な人たちを整理しておきます。
| 相手 | 主な役割 | すれ違いが起きやすい点 |
|---|---|---|
| 店長 | 店舗全体の売上、人員、シフトの管理 | 売上や効率の優先と、薬剤師の専門判断 |
| 登録販売者 | 第2類・第3類医薬品の販売と相談 | 相談を受ける範囲の線引き |
| 長く勤めるパートのスタッフ | 品出し、レジ、売場の維持 | 店舗の慣習と新しいやり方の違い |
| ほかの薬剤師 | 調剤、第1類医薬品の販売、相談 | 判断の基準や引き継ぎの仕方 |
| エリアマネージャー | 複数店舗の管理 | 現場の実情と本部の方針の間 |
大切なのは、それぞれの人が、それぞれの立場で店を良くしようとしているということです。店長が売上を気にするのは、店長の評価がそこで決まるからです。パートのスタッフが慣れたやり方を守ろうとするのは、それで店が回ってきた実績があるからです。
相手が意地悪をしているように見えるとき、実はその人の役割が、あなたの役割とぶつかっているだけ、ということがよくあります。人の問題に見えるものを、役割の問題として見直してみる。それだけで、感情の重さが少し変わることがあります。
とはいえ、役割の違いを理解しても、しんどいものはしんどいですよね。ここからは、よく寄せられる相談の形に沿って、具体的に見ていきます。
よくある相談1:店長と、専門判断がぶつかる
こういう相談がよくあります。
「店長は薬剤師ではありません。売場の医薬品の展開について、効き目の強さを前面に出した売り方を求められます。でも、症状によっては受診を勧めた方がいいお客さんもいる。そのバランスが取れず、店長との間に溝ができてしまいました」
この悩みの根っこには、店長と薬剤師で、見ている時間の長さが違うという事情があります。店長は、今月の売上、今週のシフト、今日の人手といった、短い時間の数字を背負っています。薬剤師は、目の前のお客さんの健康という、もっと長い時間の結果を見ています。
どちらも間違ってはいません。ただ、見ている時間が違うので、話がかみ合わないのです。
こういうときに役立つのは、薬剤師の判断を「気持ち」ではなく「理由」として伝えることです。
たとえば、「この症状の方には受診を勧めた方がいいと思います」ではなく、「この症状が続く場合は市販薬で様子を見るより受診が必要なケースがあります。もし市販薬で対応して悪化すると、店への信頼にも影響します」と伝える。店長が背負っている「店の評価」という言葉に置き換えて説明すると、受け止めてもらいやすくなります。
また、売上につながる提案を自分からすることも、関係を変えるきっかけになります。季節ごとに増える相談の傾向を伝える、売場の配置の工夫を提案する。専門知識が店の役にも立つと伝われば、専門判断を尊重してもらえる場面が増えていきます。
それでも、明らかに不適切な販売を求められる場合は、1人で抱え込まないでください。医薬品の販売にはルールがあり、薬剤師にはそれを守る責任があります。エリアマネージャーや本部の相談窓口に伝えることは、わがままではありません。
よくある相談2:長く勤めるパートのスタッフとの関係
こういう相談もよくあります。
「異動してきたばかりです。長く勤めているパートのスタッフの方が、店舗のことをすべて取り仕切っています。私のやり方を否定されることが多く、何を言っても『前の薬剤師さんはこうしていた』と言われてしまいます」
新しい店舗に移ったとき、いちばん力を持っているのは、肩書きのある人ではなく、その店舗に長くいる人だということはよくあります。この関係は、ドラッグストアに限らず、少人数の職場に共通するものです。
まず知っておいてほしいのは、「前はこうだった」という言葉の多くは、あなたを否定するためのものではないということです。慣れたやり方が変わることへの不安が、そういう言葉になって出てくることが多いのです。
関係をつくるときには、次のような順番を意識してみてください。
・最初の1か月は、変えるより先に、いまのやり方を教えてもらう ・教えてもらったことには、具体的にお礼を伝える ・変えたいことが出てきたら、理由と一緒に1つずつ提案する ・医薬品に関わるルールの話は、ルールとして淡々と伝える
長く勤めるスタッフは、店舗のことを誰よりも知っている、心強い味方にもなりえる人です。売場のどこに何があるか、どの時間帯にどんなお客さんが来るか、常連さんの好みまで知っています。敵にするより、教えてもらう側に一度立ってみる。それだけで、関係は驚くほど変わることがあります。
一方で、医薬品の管理や販売のルールに関わることは、遠慮して譲ってはいけません。そこは「私が嫌だから」ではなく「決まりだから」と伝える。個人の好みの話と、ルールの話を分けて伝えると、感情的なぶつかり合いを避けやすくなります。
よくある相談3:登録販売者との役割の線引き
「登録販売者の方が、判断の難しい相談も自分で受けてしまい、後から問題になりそうなことがありました。注意したら気まずくなってしまい、それ以来あまり相談してもらえません」
登録販売者は、第2類医薬品と第3類医薬品の販売と相談を担う資格を持っています。日常的な相談の多くを受けてくれる、薬剤師にとって大切な相棒です。一方で、どこまでを自分で判断し、どこから薬剤師に回すかの線引きは、店舗や人によって曖昧になりがちです。
この線引きが曖昧なままだと、注意する側もされる側も、相手の判断を否定しているように感じてしまいます。
おすすめしたいのは、個別の出来事を注意するのではなく、店舗の中で「薬剤師に回す目安」を一緒に決めておくことです。
・症状が長く続いている ・複数の病院の薬を飲んでいる ・妊娠中や授乳中である ・小さな子どもや高齢の方の相談である ・前に同じ薬を飲んで具合が悪くなったことがある
こうした目安を事前に共有しておけば、登録販売者は迷わずに薬剤師を呼べますし、薬剤師も「なぜ呼ばなかったの」と責める必要がなくなります。
目安を決めるときは、薬剤師が一方的に決めて渡すのではなく、登録販売者の方に「どういう相談のときに迷いますか」と聞くところから始めてみてください。現場で相談を受けている人の迷いから作った目安は、実際に使われる目安になります。自分の経験を聞いてもらえたという感覚も、関係を近づけてくれます。
そして、回してもらった相談には、後から一言でいいので結果を伝えてください。「さっきの方、受診を勧めました。回してもらって助かりました」。この一言があると、次もまた相談してもらえる関係が続きます。
よくある相談4:もう1人の薬剤師と合わない
「同じ店舗のもう1人の薬剤師と、仕事の進め方が合いません。判断の基準も違い、シフトで交代するたびに引き継ぎがうまくいかず、ストレスが溜まっています」
同じ専門職どうしの関係は、実はいちばん難しいことがあります。専門知識があるぶん、相手の判断の違いがよく見えてしまうからです。
ドラッグストアでは、薬剤師どうしがシフトで交代することが多く、同じ時間に並んで働く時間は短くなりがちです。そのぶん、引き継ぎのすれ違いが関係の悪化につながりやすくなります。
こういうときは、相手の考え方を変えようとするより、引き継ぎの形をそろえることに力を使ってみてください。
・引き継ぐ項目を決めておき、毎回同じ形で書き残す ・判断が分かれた事例は、どちらが正しいかではなく、根拠を並べて記録する ・迷ったときに参照する資料や基準を、2人で共有しておく
口頭で伝えると、言い方や表情で感情が乗ってしまいます。書き残す形にすると、内容だけが相手に届きます。狭い職場で相手との距離をほどよく保つためには、この「書いて伝える」がとても役に立ちます。
もう1つ意識しておきたいのは、ほかのスタッフの前で相手の判断を否定しないことです。ドラッグストアでは、薬剤師どうしの意見の違いを、登録販売者やパートのスタッフが見ています。人前で「それは違う」と言われると、専門職としての立場を傷つけられたと感じ、関係は一気に冷えてしまいます。
判断の違いについて話したいときは、2人だけになれる時間を選んでください。そのうえで「私ならこう考えたけれど、どう判断したのか教えてもらえますか」と、相手の考えを聞くところから始める。相手には相手の根拠があることが多く、聞いてみると自分が知らなかった事情が見えることもあります。
それでもどうしても合わない場合は、シフトの重なりを減らしてもらう、担当する業務を分けるといった調整を、店長に相談することもできます。合わない相手と無理に並んで働き続けるより、仕事の形で距離をつくるほうが、お互いにとって穏やかでいられることがあります。
お客さんとの関係も、職場の人間関係を左右する
ドラッグストアの人間関係というと、スタッフどうしの関係を思い浮かべる人が多いと思います。でも実際には、お客さんとの関係が、スタッフどうしの関係に影響していることがよくあります。
こういう相談もあります。
「常連のお客さんから、特定のスタッフへの不満を聞かされることがあります。聞き流していたら、そのスタッフに『悪口に同調していた』と思われてしまいました」
地域に根ざしたドラッグストアでは、同じお客さんが何年も通ってきます。お客さんにとってスタッフは顔なじみで、世間話の相手でもあります。その中で、スタッフの評判や、別のスタッフへの不満が話題になることがあります。狭い店舗の中では、その会話がほかのスタッフの耳に入りやすいのです。
こういうときは、お客さんの話に「そうだったんですね」と受け止めるだけにして、評価の言葉を足さないようにしましょう。不満の中身が店舗の対応に関わることなら、「お伝えいただいてありがとうございます。店舗で共有します」と伝え、個人の話ではなく店舗の話として引き取ります。
もう1つ、お客さんへの対応の違いがスタッフどうしのすれ違いにつながることもあります。薬剤師が受診を勧めて販売しなかったお客さんが、別の時間帯に来て、別のスタッフから同じ薬を買っていった。そういうことが起きると、「せっかく止めたのに」「なぜ売ってはいけなかったのか分からない」と、どちらの側にも不満が残ります。
これを防ぐには、対応が分かれそうなケースを記録に残し、シフトをまたいで共有することが役立ちます。「この方には受診を勧めています。次に来られたら、受診したかどうかを伺ってください」と一言残しておくだけで、次に対応するスタッフは迷わずに済みます。
クレームへの対応も、スタッフどうしの関係に影響します。強い口調のお客さんへの対応を、特定の人ばかりが引き受けていると、その人の負担と不満が溜まっていきます。対応に困るお客さんが来たときは、誰が前に出るか、どの時点で店長や社員に交代するかを、店舗の中で決めておくと安心です。
新しい店舗に入った最初の1か月でしておきたいこと
人間関係のすれ違いは、入ったばかりの時期にできた印象から始まることが多いものです。転職や異動で新しい店舗に入るとき、最初の1か月で意識しておくと、その後の関係がずっと楽になることがあります。
全員の名前と、勤務の時間帯を覚える
シフト制の職場では、同じ店舗にいても顔を合わせる機会が少ない人がいます。最初の1か月のうちに、全員の名前と、だいたいどの時間帯に働いている人かを覚えておきましょう。名前を呼んで挨拶されるだけで、相手の警戒はかなりやわらぎます。
自分の役割を、言葉で伝えておく
ドラッグストアでは、薬剤師がどこまでの業務を担うのかが、店舗によって違います。前任の薬剤師がレジや品出しを多く担当していた店舗では、同じことを期待されることがあります。
入ったばかりのうちに、店長と「私が主に担当すること」「手が空いたときに手伝えること」を確認し、ほかのスタッフにも伝わるようにしておくと、後から「前の人はやってくれたのに」と言われる場面を減らせます。
小さな頼みごとを、自分からしてみる
意外に思われるかもしれませんが、関係をつくるには、助けるより助けてもらう方が近道になることがあります。「この商品の置き場所を教えてもらえますか」「この時間帯はいつもどれくらい混みますか」。こうした小さな頼みごとをすると、相手は自分の経験が役に立ったと感じ、話しかけやすい人だと受け止めてくれます。
最初から全部を変えようとしない
前の職場で身につけたやり方のほうが良いと感じることがあっても、最初の1か月は、観察と理解の時間にしておきましょう。変えたいことは書き留めておき、関係ができてから、優先度の高いものから1つずつ提案する。急がないことが、結果的にいちばん早く変化を起こせる方法です。
狭い職場で消耗しないための距離の取り方
ここまで、よくある相談ごとに見てきました。ここでは、どの相手にも使える距離の取り方をまとめておきます。
目標は「仲良くなる」ではなく「仕事が回る」
狭い職場にいると、全員とうまくやらなければと思いがちです。でも、職場の人全員と仲良くなる必要はありません。
目指すのは、必要なことを必要なときに伝え合える関係です。好きになれない人がいても、仕事が回っていれば、それで十分です。この目標の置き方を変えるだけで、心の負担はかなり軽くなります。
雑談の量を、自分で決めておく
休憩室での雑談は、関係をつくるきっかけにもなりますが、疲れの原因にもなります。噂話や誰かの悪口に巻き込まれると、狭い職場ではすぐに立場が難しくなります。
雑談には、自分なりの線を引いておきましょう。天気や季節の話、商品の話には気軽に乗る。特定の人の話題になったら、相づちだけにして深入りしない。休憩時間の一部は、1人で過ごす時間として確保する。こうした線を自分で決めておくと、流されにくくなります。
伝えるときは「私は」を主語にする
困っていることを伝えるとき、「あなたはいつも」と相手を主語にすると、責められていると受け取られやすくなります。
「私は、引き継ぎの内容が分からないと、お客さんへの対応に不安を感じます」のように、自分を主語にして伝えてみてください。心理学ではアイメッセージと呼ばれる伝え方ですが、難しいことではありません。自分がどう困っているかを伝えるだけで、相手は防御の姿勢を取りにくくなります。
仕事の話と、人の話を分ける
注意や改善の話をするときは、行動だけを話題にし、相手の性格や人柄には触れないようにします。「この発注の数量は、次から確認してもらえると助かります」と「ちゃんと確認しない人ですね」は、同じ出来事でも相手の受け取り方がまったく違います。
1人で抱えない
同じ店舗の中に相談できる人がいないときは、店舗の外に相談先を持っておきましょう。以前の職場の薬剤師仲間、エリア内の別の店舗の薬剤師、企業の相談窓口。話を聞いてもらうだけで、状況を客観的に見られるようになります。
しんどさが続くときは、自分を守ることを優先してください
距離の取り方を工夫しても、しんどさが続くことはあります。そういうときに、自分の状態を見直すサインを知っておいてください。
・出勤前になると、体調が悪くなる ・休みの日も、職場の人のことを考えてしまう ・眠りが浅くなった、食欲が落ちた ・以前は楽しめていたことに、気持ちが向かない ・仕事中のミスが増えた
こうしたサインが2週間以上続いているなら、無理をして耐え続けるより、自分を守る行動を取ってほしいと思います。
私のところにも、「人間関係くらいで辞めるのは甘えではないか」という相談がよく届きます。でも、甘えではありません。人間関係は、働く環境の大切な一部です。環境が合わないことは、あなたの能力や価値とは関係がありません。
具体的に取れる行動は、いくつかあります。
・上司やエリアマネージャーに、状況を具体的に伝え、異動の希望を出す ・企業の相談窓口や産業医の面談を利用する ・心身の不調が続く場合は、医療機関を受診する ・転職を視野に入れて、情報を集め始める
ドラッグストアは店舗数が多いので、同じ企業の中で店舗を変えるだけで、人間関係がまったく変わることがあります。いきなり辞めることを決めなくても、「店舗を変える」という選択肢があることを覚えておいてください。
見学や面接で、人間関係を推し量る方法
これからドラッグストアに転職する人や、異動先を考えている人のために、人間関係を事前に推し量る方法も書いておきます。人間関係は入ってみないと分からないと言われますが、手がかりはあります。
人員の構成を聞く
薬剤師の人数、登録販売者の人数、社員とパートの割合、パートの方の勤続年数。これらを聞くと、店舗の中の力関係のおおよその形が見えてきます。薬剤師が1人の時間帯が長い店舗では、専門職としての孤独を感じやすくなります。
前任者が辞めた理由を、やわらかく聞く
欠員補充の求人であれば、「前任の方はどういう理由で異動や退職をされたのですか」と聞いてみてください。はっきり答えてもらえないこともありますが、答え方から職場の雰囲気が伝わることがあります。
見学のとき、スタッフどうしの声のかけ方を見る
店舗見学ができるなら、スタッフどうしが声をかけ合っている様子を見てください。忙しい時間帯に「お願いします」「ありがとう」が自然に出ているか。レジが混んだときに、誰かが自然に応援に入っているか。こうした小さな場面に、職場の関係の質が表れます。
困ったときの相談の流れを聞く
「判断に迷ったとき、店舗の中や外で誰に相談できますか」と聞いてみてください。エリア内の薬剤師どうしで相談し合える仕組みや、本部の相談窓口がある企業では、1人で抱え込まずに済む場面が増えます。
年収や勤務条件を比べるときには、薬剤師全体の相場を知っておくと落ち着いて判断できます。薬剤師の年収・単価相場では、薬剤師の年収の分布と働き方ごとの相場を確認できます。
運営者の視点から見た、長く働き続ける人の関係のつくり方
最後に、20年にわたってフリーランスや在宅ワークの市場を運営してきた立場から見えていることをお伝えします。
どんな働き方でも、長く続いている人に共通しているのは、相手との距離を自分で選んでいることです。職場の人間関係に振り回されるのではなく、どこまで関わり、どこから先は仕事として割り切るのかを、自分の言葉で決めています。運営者として見てきた限りでは、業務委託で長く仕事を続けている人ほど、単発のやり取りで終わらせず「この人に頼むと気持ちよく仕事が進む」という関係づくりに時間を使っています。
組織の中の上下や力関係から少し離れて、依頼する人と受ける人が対等に向き合う働き方もあります。中間の手数料が乗らない直接のやり取りであれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%の良さは、金額より、双方が納得できる関係が続きやすいという質にあると感じています。
職場の人間関係やキャリアの悩みを、1人で整理しきれないこともあると思います。働く人の悩みを聞き、次の一歩を一緒に考える専門家として、国家資格のキャリアコンサルタントがあります。資格の概要や役割を知っておくと、相談先を選ぶときの手がかりになります。また、職場や転職、キャリアの相談を受ける側の仕事については、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介されています。
狭い職場での人間関係に悩むのは、あなたが周りの人を大切にしようとしているからです。その気持ちを持ったまま、自分を守る距離も選んでいい。あなたは一人じゃありません。
よくある質問
Q. ドラッグストアの人間関係はなぜ大変だと言われるのですか?
少ない人数で長い営業時間をシフトで回すため、1人ひとりの存在感が大きく、誰かが休むと負担がすぐ偏るからです。長く勤めるパートのスタッフと異動してくる社員が混在し、店長が薬剤師でないことも多いため、立場や役割の違いからすれ違いが起きやすい構造があります。性格の問題ではなく職場の形の問題として捉えると対処しやすくなります。
Q. 薬剤師でない店長と意見が合わないときはどうすればよいですか?
専門判断を気持ちではなく理由として伝え、店の信頼や評価といった店長が背負う言葉に置き換えて説明すると受け止めてもらいやすくなります。季節ごとの相談傾向など店に役立つ提案を自分から出すことも関係を変えるきっかけになります。不適切な販売を求められる場合は、エリアマネージャーや本部の窓口に相談してください。
Q. 人間関係がつらくてドラッグストアを辞めたいのは甘えですか?
甘えではありません。人間関係は働く環境の大切な一部で、合わないことはあなたの能力とは関係がありません。出勤前の体調不良や睡眠の乱れが2週間以上続くなら、自分を守る行動を優先してください。ドラッグストアは店舗数が多いため、辞める前に同じ企業の中で異動を希望するという選択肢もあります。
Q. 転職前にドラッグストアの人間関係を知る方法はありますか?
面接で薬剤師や登録販売者の人数、パートの勤続年数、前任者が異動や退職した理由、判断に迷ったときの相談の流れを聞くと手がかりになります。店舗見学ができるなら、忙しい時間帯にスタッフどうしが声をかけ合い、自然に応援に入っているかを見てください。小さな場面に職場の関係の質が表れます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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