ドラッグストアはきついと言われる理由|負担が集まる場面と、続く人のやり方


この記事のポイント
- ✓ドラッグストアがきついと言われる理由を
- ✓売場の1日の動きから具体的に整理しました
- ✓負担が集まる時間帯と季節
ドラッグストアで働くのはきつい。この評判を聞いて、応募をためらっている方は多いと思います。
まず、安心してください。きついという声と、楽だという声が、同じくらいの数だけ出ています。どちらも嘘ではありません。その差を生んでいるのは、店舗の規模でも会社の名前でもなく、自分がどこまでの範囲を担当するかです。
この記事では、ドラッグストアの売場で1日に何が起きているのかを、時間の流れで追います。どの場面に負担が集まるのか、資格を持つと何が変わるのか、時給と年収はどのあたりに落ち着くのか。そして、長く続けている皆さんが実際にやっていることまでお話しします。
メリットだけを並べるつもりはありません。体力的に厳しい部分は、厳しいとお伝えします。
「きつい」の中身は、5つに分かれます
ひとくちに「きつい」と言っても、中身は別々のものです。まず分解しておきます。
1つ目は、体力の負担です。ドラッグストアは、店舗の中で扱う商品がとにかく重い業種です。2リットルの飲料が6本入ったケース、米、洗剤の詰め替え、紙おむつ、猫砂。これを台車で運び、棚に積みます。1日に運ぶ量は、他の小売業と比べても多いほうです。そして基本は立ち仕事で、座る時間はほとんどありません。
2つ目は、営業時間の長さです。21時や22時まで、店舗によっては24時まで開いています。当然、早番と遅番のシフトが組まれます。生活のリズムを一定に保ちにくいのは、この業種の避けられない性質です。
3つ目は、業務の幅です。レジ、品出し、発注、棚替え、清掃、化粧品のカウンセリング、市販薬の相談対応、ポイントカードの案内、宅配便の受付。調剤を併設している店舗なら、そこに処方箋の受付も加わります。1人が覚える範囲が、他の小売業より広くなります。
4つ目は、人の薄さです。とくに夕方以降や日曜の午前は、少ない人数で売場全体を回すことになります。レジに人が並べば品出しが止まり、品出しに入れば売場の質問に答えられません。この綱引きが、精神的な消耗につながります。
5つ目は、資格者としての拘束です。ここは後ほど詳しくお話ししますが、市販薬を売るには資格を持った人が売場にいる必要があります。つまり、自分が抜けると店が薬を売れなくなる。この責任が、休みの取りにくさに直結します。
この5つのうち、どれが自分に重くのしかかるかは、人によってまるで違います。「きつい」の一語で判断せず、どの部分が自分にとって厳しいのかを分けて考えてください。
早番と遅番で、1日はこう動きます
売場の中で何が起きているかを、時間に沿って追ってみます。
早番は、開店の1時間ほど前から始まります。最初の仕事は納品の受け取りです。トラックから降ろされたケースを店内に運び、伝票と突き合わせて検品します。ここで数が合わないと、あとの作業が全部ずれます。
続いて品出しです。開店前に出せるのは、そのうちの一部だけです。残りはバックヤードに積み、営業中に少しずつ出していきます。日付の確認もこの時間に行います。食品や飲料を扱う店舗では、期限の近い商品を前に出す作業が毎日発生します。
開店直後の客層は、高齢の方が中心です。この時間帯の特徴は、レジの処理よりも、売場での質問が多いことです。「この湿布はどっちが強いのか」「前に買った薬と同じものはどれか」。丁寧に答えるほど時間がかかりますが、ここを雑にすると評判に直結します。
昼にかけてレジが混みます。休憩は交代で取りますが、混雑が長引くと後ろにずれます。
遅番は、13時から16時のあいだに入ります。夕方が、1日でいちばん忙しい時間です。仕事帰りの方、買い物のついでに寄る方、小さいお子さんを連れた方が一気に来ます。レジの列が伸び、応援のコールが鳴り、品出し中の台車を置いてレジに走ることになります。
20時を過ぎると客足が落ち着き、ここから本格的な品出しが始まります。日中に出しきれなかった分を、閉店までに棚へ収めます。閉店後はレジ締め、売上の集計、翌日の準備、清掃。退店するのは閉店の30分から1時間後です。
深夜まで営業する店舗では、遅番の終わりが日付をまたぐこともあります。翌日が早番だと、睡眠時間が削られます。この「遅番の翌日に早番」という組み方を避けてくれる店舗かどうかは、働きやすさをかなり左右します。面接で確認しておく価値のある項目です。
負担が集中する日は、あらかじめ決まっています
きついと感じる日は、ばらばらに来るわけではありません。だいたい決まっています。
特売の前日です。チラシに載る商品を、売場の目立つ場所に積み上げる作業が入ります。通常の品出しに加えての作業なので、この日の残業はほぼ確実です。
月初と、給料日の直後です。まとめ買いが増え、レジの1件あたりの点数が跳ね上がります。
季節の棚替えです。ドラッグストアは季節商品の入れ替えが激しい業種で、年に何度も売場を作り替えます。1月から2月は花粉対策、4月から5月は紫外線対策、6月は虫よけ、11月から冬にかけては風邪薬と保湿。棚替えは閉店後に行うことが多く、この日は全員が遅くまで残ります。
棚卸しです。年に1回から2回、店内の全商品を数えます。深夜または早朝に行う店舗がほとんどで、体への負担は年間で最も大きい日になります。
そして、感染症が流行する時期です。マスク、消毒液、体温計、風邪薬に人が集中し、在庫の補充が追いつかなくなります。「まだ入らないのか」という問い合わせが増え、それに答えるのも売場の仕事になります。
これらは事前に分かる予定です。カレンダーに印を付けておいて、その週は私生活の予定を詰めない。これだけで、消耗の度合いはかなり変わります。
資格を持つと、変わることと増えること
ドラッグストアの働き方を大きく分けるのが、資格の有無です。
市販薬の分類は3つあり、第1類は薬剤師でなければ販売できません。第2類と第3類は、登録販売者でも販売できます。つまり、売場に資格者がいない時間帯は、店頭に並んでいる薬の多くが売れなくなります。
これが、資格者にとっての最大の意味です。良い面としては、資格手当が付きます。登録販売者の手当は月5,000円から2万円程度が相場で、時給で言えば50円から200円ほど上乗せされます。就職の選択肢も広がります。
一方で、増えるものもあります。シフトの自由度が下がるのです。自分が休むと売場が回らない日があると、休みを申し出にくくなります。ある方が実感としてこう書いていました。
現在パートフルタイムで働いています。 レジやプライス作成、売り場作りなど覚える事やる事は多いですが基本的な業務は覚えてしまえば何てこと無いです。レジを要領良く円滑に捌く事、売り場を作り売れて何度も補充する事、お客様に聞かれた事にスムーズに対応出来た時などやり甲斐を感じます。 休みが取りづらい等は結局人員の問題なので何とも言えませんが、店舗内の資格者の人数が少なかったり資格者会議や勉強会などに参加しなければいけない事もあるので、休みを取りにくい日はあると思います。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
ここに書かれている「店舗内の資格者の人数」は、応募前に必ず確認すべき数字です。登録販売者が店舗に2人しかいない店と、5人いる店では、休みの取りやすさがまるで違います。
なお、登録販売者の試験に合格しただけでは、独り立ちした扱いにはなりません。過去5年のうちに通算2年以上、月80時間以上の実務経験を積んで初めて、管理者や管理代行者になれる要件を満たします。それまでは研修中という位置づけで、名札にもそう表示されます。この期間のシフトの入り方は、要件を満たせるかどうかに直結するので、入社時に確認しておいてください。
薬剤師の場合は、調剤を併設している店舗かどうかで働き方が変わります。併設店では、処方箋の調剤と市販薬の相談を1人で行き来することになります。調剤専門の薬局に比べて、扱う範囲は広く、来店する方の層も幅広くなります。
「楽だ」という声も、同じくらいあります
冒頭でお伝えしたとおり、この仕事には正反対の評価が並んでいます。実際、こういう声もあります。
ドラッグストアでパート勤めしてる39才主婦です。 働き始めて数年経ちますが、はっきり言って仕事は楽(ラク)です。 1日4時間レジと品出しだけです。なんの責任もなく、時間になったら帰ります。 棚替えや発注などは私より古い人がやっていて、化粧品販売は担当の人がやっています。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
これを読んで分かるのは、この方の担当範囲がはっきり切られているということです。レジと品出しだけ、1日4時間、棚替えと発注は別の人。
つまり、きついかどうかを決めているのは、店舗ではなく担当範囲です。
正社員として入ると、この範囲が一気に広がります。発注、売場作り、シフトの作成、新人の教育、数字の管理、本部への報告。店長になれば、人の採用と、売上の責任まで乗ります。同じ店で働いていても、パートの方と正社員では、まったく違う仕事をしていることになります。
だから、応募を検討している方には、こう考えていただきたいのです。「ドラッグストアがきついか」ではなく、「自分がどの範囲を担当する契約で入るのか」。ここが判断の分かれ目です。
短時間のパートで、担当が明確に切られているなら、体力的な負担はあっても精神的な負荷は限定されます。逆に、正社員で入って店舗全体を見る立場になれば、負荷の質が変わります。
時給と年収は、どのあたりに落ち着くか
数字も見ておきましょう。地域差があるので、幅で捉えてください。
パートやアルバイトの時給は、資格なしで1,000円台前半が中心です。登録販売者の資格があると、ここに手当が乗って1,100円から1,400円あたりになります。早朝と深夜の時間帯は割増が付き、深夜は法律上25%以上の加算が必要です。
正社員の年収は、登録販売者の資格を持つ一般社員で330万円から420万円あたり。店長になると450万円から550万円ほどに上がります。エリアを見る立場になれば、さらに上の帯に入ります。
薬剤師がドラッグストアで働く場合、年収は550万円から700万円あたりに分布し、調剤薬局より高めに出る傾向があります。人手が足りない地域では、さらに高い条件が提示されます。
ここで正直にお伝えしておきたいのは、年収の高さと拘束の長さがセットになっているということです。年収600万円でも、週6日勤務で閉店対応が多いなら、時間あたりで見ると数字の印象ほど高くありません。求人を比べるときは、年収の横に「月の休日数」と「1日の実働時間」を並べて書いてください。それだけで、見え方が変わります。
求人票のどこを見れば、負担の重さが分かるか
応募前に読み取れることは、思っているより多くあります。見るべき行を挙げておきます。
閉店時刻です。ここがそのまま、遅番の終わる時刻を決めます。22時閉店の店舗なら、退店は23時前後です。通勤の手段と合わせて確認してください。
調剤の併設があるかどうかです。併設店は処方箋の受付が加わる分だけ業務が増えますが、売場だけの店舗より客単価が高く、品出しの量の比重は下がります。
店舗の面積と、食品の取り扱いです。食品を大きく扱う店舗は、重量物の量と日付管理の手間が一段上がります。求人の写真に飲料や米の棚が写っていれば、それが日常の品出しの中身です。
募集している職種の書き方です。「販売スタッフ」の一語で終わっている求人と、「レジ、品出し、接客、発注補助」まで書いてある求人では、後者のほうが入ってからのずれが小さくなります。粒度の粗い求人は、範囲が広がりやすいと考えてください。
シフトの表記です。「週3日から」「1日4時間から」と書いてある求人は、短時間の担当を切り出す運用ができている店舗です。逆に「シフト応相談」だけの表記は、実際には人が足りない時間帯に寄せられる可能性があります。
そして、募集の継続期間です。同じ店舗の求人が何か月も出続けている場合、人が定着していない理由がどこかにあります。掲載の日付を控えておいて、しばらく後にもう一度見てみると分かります。
長く続けている人がやっていること
ここからは、実際に続けている皆さんに共通する工夫をお伝えします。
体の使い方を先に覚えることです。重いケースを持ち上げるとき、腰から曲げずに膝を使う。これは知っているかどうかで、5年後の腰の状態が変わります。台車を面倒がらずに使うこと、クッション性のある靴を選ぶこと、着圧のソックスを履くこと。地味ですが、この3つを続けている方は、立ち仕事での消耗が明らかに小さくなります。
シフトの型を交渉することです。早番と遅番が不規則に混ざる組み方は、体にいちばん負担がかかります。「遅番の翌日は早番にしない」だけでも申し出る価値があります。人が足りている店舗なら、案外通ります。
担当を持つことです。化粧品、ベビー用品、健康食品、食品。何か1つ、自分の売場を持っている方は、仕事の中に判断できる領域ができます。言われたことをこなすだけの状態が続くと、消耗の割に手応えがありません。
覚える順番を決めることです。まずレジ、次に品出しと売場の位置、そのあとに発注とプライス作成。一度に全部を覚えようとすると、どれも中途半端になります。上に書いた声にもあったとおり、基本業務は覚えてしまえば回るようになります。問題は、覚えるまでの数か月です。
休憩を必ず取ることです。忙しい日ほど、休憩を削って売場に立ち続ける方がいます。これは短期的には助かりますが、続けると必ず体に来ます。休憩を取ることは、長く働くための業務の一部だと考えてください。
そして、辞める人が増える時期を知っておくことです。棚替えの直後、繁忙期の明け、年度末。この時期は人が減り、残った人の負担が増えます。自分が限界に近いと感じたら、この時期を避けて相談するほうが、話が通りやすくなります。
売場で精神的に消耗する場面は、体力とは別にやってきます
重い荷物より、人とのやり取りのほうがこたえる。そう感じている方も少なくありません。ドラッグストアの売場には、ほかの小売業にはない種類の対応が混ざっているからです。
いちばん気を張るのは、濫用のおそれがある医薬品の販売です。一部の咳止めや鎮痛薬、かぜ薬などには、依存や乱用につながる成分が含まれており、これらは原則として1人1包装の販売にとどめることになっています。若い方が購入する場合は、氏名や年齢を確かめ、複数購入しようとする場合には理由を尋ねる必要があります。同じ商品を何度も買いに来る方に声をかけるのは、慣れていても緊張する場面です。登録販売者や薬剤師がいる時間でも、レジに入っている資格のない職員がまず気づき、資格者に引き継ぐ流れになっている店舗が多いので、この引き継ぎの手順は入社直後に教わってください。
2つめは、返品や交換の申し出です。「開けたけれど合わなかった」「別の店ではもっと安かった」。医薬品や化粧品は衛生上の理由で返品を受けない決まりの店舗が多く、そのことを伝えると感情的になる方もいます。自分の判断で断るのか、責任者を呼ぶのかの線引きが決まっていない店舗では、その場にいた人がすべてを抱えることになります。
3つめは、ポイントや会員アプリの問い合わせです。ポイントの付与漏れ、クーポンが使えない、アプリにログインできない。この種類の問い合わせは年々増えており、レジが混んでいる時間帯に長引くと、後ろに並ぶ方の視線も同時に受けることになります。
4つめは、万引きへの対応です。ドラッグストアは化粧品や医薬品など、小さくて単価の高い商品が多く、被害が起きやすい業種だと言われます。気づいたときに声をかけてよいのか、店長に知らせるだけにするのかは、店舗の方針で決まっています。一人で追いかけることは、身の安全の面から避けるよう指導している会社がほとんどです。
こうした場面で消耗を減らすいちばんの方法は、自分で判断しなくてよい範囲を知っておくことです。入社時に「この場合は誰を呼べばいいですか」を、上の4つについて1つずつ聞いておいてください。答えが明確に返ってくる店舗は、売場の職員を一人にしない運営をしています。
調剤併設店の中で、薬剤師の1日に起きていること
薬剤師としてドラッグストアを検討している方に向けて、調剤を併設している店舗の中の動きも書いておきます。ここは調剤専門の薬局とも、売場だけの店舗とも違う働き方になります。
併設店の調剤室は、店舗の奥や入口の横に置かれていることが多く、処方箋を持った方は買い物客と同じ入口から入ってきます。そのため、処方箋の受付とお会計の待ち時間に、ついでに日用品を選ぶ方が多くいます。待ち時間を短く感じてもらえる一方で、「まだですか」という声が売場のレジに届くこともあります。
薬剤師が1人だけの時間帯がある店舗では、調剤、監査、服薬指導をすべてその1人が担います。そこへ売場から「第1類医薬品の相談です」と呼ばれると、調剤の手を止めて出ていくことになります。第1類医薬品は薬剤師が説明しなければ販売できないため、呼ばれれば断れません。この行き来が多い店舗では、処方箋の枚数が少なくても、体感の忙しさは大きくなります。
休憩の取り方も確かめておきたい点です。薬剤師が1人しかいない時間に休憩を取ると、その間は調剤ができず、第1類医薬品も販売できません。休憩中は調剤室を閉める店舗、休憩時間を処方箋の少ない時間帯に固定している店舗、ほかの店舗から応援の薬剤師が来る店舗など、会社によって運用が分かれます。面接では「薬剤師の休憩中、調剤室はどうなっていますか」と具体的に聞いてみてください。
処方箋の中身も、店舗の立地で変わります。近隣に内科や小児科のクリニックがある店舗では、急性疾患の短い処方が多くなり、季節によって枚数が大きく変わります。複数の医療機関から処方箋が集まる店舗では、扱う薬の種類が増え、在庫の管理が難しくなります。求人票に「応需科目」の記載があれば、どちらの型に近いかの見当がつきます。
薬剤師の報酬を、病院や調剤薬局と並べて冷静に比べたい方は、薬剤師の年収・単価相場で全体の分布を先に確かめておくと、提示された年収が相場に対して高いのか、拘束時間の分だけ上乗せされているだけなのかを判断しやすくなります。
体が持たないと感じたときの選択肢
ここは正直に書きます。体力面がどうしても合わない場合、根性で続けることをおすすめしません。
同じ資格を活かしたまま、負担の形を変える道がいくつかあります。
調剤を併設している店舗の調剤部門は、品出しの量が売場より少なくなります。薬剤師の方であれば、調剤専門の薬局に移るという選択もあります。その場合は、処方元がどこか、1日の処方箋枚数が何枚か、薬剤師と事務が何人いるかの3つを先に確認してください。同じ調剤薬局でも、この3つで1日の動き方がまったく変わります。
勤務時間を短くして、担当を絞るという方法もあります。フルタイムから5時間勤務に変えるだけで、体への負担はかなり減ります。収入は下がりますが、続けられるかどうかのほうが長い目では効きます。
転職を視野に入れる段階になったら、薬剤師の市場がいまどう動いているかを先に把握しておくと、条件の判断がしやすくなります。薬剤師転職の厳しい現状と格差|選ばれる人と淘汰される人の違い【2026年版】には、どういう人が選ばれるようになっているかを市場の構造から書いています。
売場で身についたものは、外でも通用します
私自身、40代で働き方を変えた経験があります。そのとき実感したのは、現場で身につけた力は、自分が思っている以上に外で評価されるということでした。逆に言えば、現場にいるうちは、その価値に自分で気づけません。
この市場を長く見てきた立場から言えば、ドラッグストアの売場で身につく力は、次の3つです。相手が何に困っているかを短い会話で把握する力、商品と情報を整理して人に伝える力、そして限られた時間で優先順位を決めて手を動かす力。どれも、店の外で仕事をするときにそのまま使えます。
商品の説明文を書く仕事、健康や医薬品に関する記事の監修、カタログや販促物の文章作成。売場で人に説明してきた経験がある方は、この領域で強みがあります。
売場の報告書、発注の記録、本部への連絡。これらを正確に書いてきた経験も資産です。自分がやってきたことを外の言葉に置き換えて説明できるようにしておくと、次の選択肢を考えるときの助けになります。
店舗を離れた働き方に関心がある薬剤師の方は、どんな仕事が実際に案件として動いているかを整理した在宅薬剤師への転職ガイド|仕事内容・年収・求められるスキルの実態【2026年版】をご覧ください。
長く続く方ほど、目の前の作業をこなすことより、「この人に聞けば早い」と思われる関係づくりに時間を使っています。中間に入る事業者が少ない直接の取引ほど、頼む側は同じ予算で多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなる。この構造を知っておくと、店舗という1つの場所だけで自分の価値を測らなくて済むようになります。
ドラッグストアはきついか。答えは、担当する範囲によって変わります。皆さんが応募を検討している求人が、どの範囲までを任せるものなのか。まずそこを確認してください。
よくある質問
Q. ドラッグストアの仕事は、本当にきついですか?
担当する範囲によって大きく変わります。レジと品出しに限定された短時間のパートなら、体力的な負担はあっても精神的な負荷は限られます。一方、正社員として発注、売場作り、シフト作成、新人教育まで担当すると負荷の質が変わります。求人を見るときは、業務範囲がどこまで書かれているかを確認してください。
Q. 登録販売者の資格を取ると、働き方はどう変わりますか?
資格手当が月5,000円から2万円ほど付き、第2類と第3類の市販薬を販売できるようになります。その一方で、自分が抜けると店舗が薬を売れなくなるため、休みを取りにくくなります。店舗に資格者が何人いるかで休みやすさが決まるので、応募前に人数を確認してください。
Q. ドラッグストアの年収はどのくらいですか?
登録販売者の資格を持つ正社員で330万円から420万円、店長になると450万円から550万円ほどが目安です。薬剤師の場合は550万円から700万円あたりに分布します。ただし年収の高さは拘束の長さとセットなので、月の休日数と1日の実働時間を並べて比べてください。
Q. 体力が持たないと感じたら、どうすればよいですか?
根性で続けないでください。同じ資格を活かしたまま負担を変える道があります。調剤併設店の調剤部門に移る、勤務時間を短くして担当を絞る、調剤専門の薬局に移るといった選択肢です。特に勤務時間をフルタイムから5時間に変えるだけでも、体への負担はかなり減ります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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