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顧客台帳の作り方|記録する項目と更新のルール

@SOHO編集部
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顧客台帳の作り方|記録する項目と更新のルール

この記事のポイント

  • ✓個人情報の扱いの順に説明します
  • ✓名簿や顧客リストとの違い
  • ✓問い合わせから台帳に入れる流れ

顧客台帳は、作るところまでは多くの会社がたどり着きます。困るのはその後で、半年もすると住所が古いまま、担当者が辞めた会社が残ったまま、同じ会社が3行に分かれて登録されたまま、という状態になりがちです。顧客台帳の価値は、項目の数ではなく、中身が正しく保たれているかで決まります。この記事では、顧客台帳に記録する項目の選び方、Excelでの作り方、更新のルール、個人情報の扱いの順に説明します。問い合わせや申し込みを受け付けて台帳に入れるまでの流れを整える方法として、届いた1件ごとに担当と状況を残せるHalictのようなフォームの道具に触れる節もあります。

顧客台帳とは何か

顧客台帳とは、取引のあるお客様や取引先の情報を1か所に記録し、社内で共有して使うための一覧のことです。会計や業務の道具を提供する会社の解説記事は、顧客台帳を次のように説明しています。

顧客台帳は、取引先や顧客に関する情報を一覧化し、社内で共有・蓄積していくための基礎資料です。営業活動の起点となるだけでなく、販促や経営判断にも幅広く使われています。 出典: biz.moneyforward.com

顧客台帳と似たものに、名簿や顧客リストがあります。違いは、記録する範囲です。

種類 記録するもの 主な使い道
名簿 名前、連絡先 連絡をとる
顧客リスト 名前、連絡先、絞り込み用の属性 案内を送る相手を選ぶ
顧客台帳 基本情報、取引の履歴、対応の記録 取引の状況を把握し、次の対応を決める

同じ解説記事でも、顧客台帳は取引の履歴や対応の内容まで記録する点で、連絡先の一覧である名簿や、絞り込み用の顧客リストとは役割が違うと説明されています。つまり顧客台帳は、「誰と、いつ、どんな取引や対応をしたか」をたどれる記録です。担当者が替わっても、台帳を見れば前の担当者と同じようにお客様と話せる状態を作ることが、顧客台帳の目的です。

顧客台帳を作ると何が変わるか

顧客台帳がない会社では、お客様の情報が担当者の頭の中や、個人のメール、名刺の束に散らばっています。この状態には、次のような困りごとがあります。

  • 担当者が休んだり辞めたりすると、そのお客様との経緯が誰にも分からなくなる
  • 同じお客様に、別の担当者から同じ案内が届く
  • 前回いつ連絡したか、何を約束したかを探すのに時間がかかる
  • どのお客様からの売上が大きいのかが、数字で分からない

顧客台帳を整えると、これらがまとめて解消に向かいます。たとえば、お客様から電話がかかってきたとき、台帳を開けば前回の注文の内容と、そのときに受けた相談がすぐに分かります。担当者でない人が電話を取っても、「先月ご相談いただいた件ですね」と話を始められます。

数字の面でも変わります。台帳に取引の履歴が残っていれば、年間の取引額の大きい順にお客様を並べることができます。お客様が200社あって、上位の40社で売上の7割を占めていると分かれば、どこに時間を使うべきかがはっきりします。

顧客台帳に記録する項目

記録する項目は、多ければよいわけではありません。項目が多すぎると入力が面倒になり、空欄だらけの台帳になります。最初は必要最低限の項目から始め、使いながら追加していくのが続けるこつです。

基本の項目

まず、どの業種でも必要になる基本の項目です。

項目 内容 入力の注意
顧客番号 お客様ごとに重ならない番号 一度付けた番号は変えない
会社名または氏名 正式な名前 「株式会社」の位置まで正確に
フリガナ 名前の読み 並べ替えと検索に使う
担当者名 相手の会社の窓口の人 部署名と役職も分けて記録
電話番号 代表と直通 ハイフンの有無をそろえる
メールアドレス 連絡用のアドレス 1つの欄に1つだけ
住所 郵便番号と住所 郵便番号は別の列にする
自社の担当者 社内の担当 社内の名簿と同じ表記にする
登録日 台帳に登録した日 日付の形式をそろえる
最終更新日 情報を最後に確かめた日 更新のたびに書き換える

ここで大切なのが、顧客番号と最終更新日です。顧客番号があれば、同じ名前の会社が2つあっても区別できますし、後で別の表とつなげるときの手がかりになります。最終更新日は、その情報がいつの時点で正しかったのかを示すもので、後で説明する更新のルールの土台になります。

取引と対応の項目

次に、取引と対応の記録です。ここが名簿と顧客台帳を分ける部分です。

  • 初回の取引日と、最後の取引日
  • 取引の内容(買ってもらった商品やサービス)
  • 年間の取引額
  • 対応の記録(日付、内容、対応した人、次にやること)
  • 支払いの条件(締め日と支払日など)

対応の記録は、1つのセルに書き足していくと、すぐに読めない長さになります。基本の情報を記録する表とは別に、対応の記録を1件1行で残す表を作り、顧客番号でつなぐ形にすると、後から探しやすくなります。

業種によって追加する項目

業種によっては、次のような項目を追加します。

  • 店舗やサロン:来店の回数、最後の来店日、好みや注意点(アレルギーなど)
  • 製造業や卸売:取引の品目、納品先の住所、請求先が別の場合はその情報
  • 教室や講座:受講している講座、申し込み日、受講の状況
  • 士業や相談業:相談の分野、案件の進み具合、書類の預かりの有無

健康に関わる情報や、思想や信条に関わる情報は、個人情報の中でも特に慎重な扱いが求められます。店舗でアレルギーなどの情報を記録する場合も、本当に必要な範囲に限り、本人に記録してよいかを確かめておくことが大切です。

Excelで顧客台帳を作る手順

小さな会社や個人事業なら、まずはExcelやGoogleスプレッドシートで十分に顧客台帳を作れます。ここではExcelでの作り方を紹介します。

1. 見出しの行を作る

1行目に、上で選んだ項目を見出しとして横に並べます。1つの列には1つの種類の情報だけを入れます。「住所」の列に郵便番号と住所と電話番号をまとめて書くと、後で並べ替えや絞り込みができなくなります。

2. テーブルにする

見出しと最初の数行を入力したら、表をテーブルにします。Microsoftのサポートページによると、データ内のセルを選び、[ホーム]タブの[テーブルとして書式設定]を選んでスタイルを選び、[テーブルを作成]の画面でセル範囲を確かめて、見出しがある場合はそのチェックボックスをオンにして[OK]を選びます。

データ内のセルを選択します。 [ホーム>テーブルとして書式設定] を選択します。 テーブルのスタイルを選択します。 出典: Microsoft サポート テーブルを作成する

テーブルにすると、新しい行を追加したときに書式が自動で引き継がれ、見出しの行から並べ替えや絞り込みができるようになります。

3. 選んで入力する欄を作る

「自社の担当者」や「取引の状況」のように、決まった値の中から選ぶ欄は、ドロップダウンリストにしておくと入力の揺れを防げます。Microsoftのサポートページでは、ドロップダウンリストを設定するセルを選び、リボンの[データ]タブから[データの入力規則]を選ぶ手順が案内されています。選択肢の一覧は、別のシートに1列で並べておくと、後で追加や変更がしやすくなります。

4. 重複を確かめる

台帳を使い続けると、同じお客様が2回登録されることがあります。Microsoftのサポートページによると、[データ]タブの[重複の削除]で、重複する行を取り除けます。ただし同じページで、重複の削除を使うとデータが完全に削除されるので、事前に元のデータを別のワークシートにコピーしておくよう案内されています。顧客台帳では、削除の前に必ず控えを取ってから作業します。

重複を見つける手がかりとして使いやすいのは、メールアドレスと電話番号です。会社名は「株式会社」の有無や全角と半角の違いで別のものとして扱われるので、名前だけで重複を判定しないようにします。

5. 対応の記録のシートを分ける

基本の情報のシートとは別に、対応の記録のシートを作ります。列は「日付」「顧客番号」「会社名」「内容」「対応した人」「次にやること」「期限」の7つほどで十分です。対応のたびに1行ずつ追加していけば、顧客番号で絞り込むだけで、そのお客様との経緯を時間の順にたどれます。

紙やカードで顧客台帳を作る場合

パソコンを使う人が少ない店舗や、訪問先で記録を書くことが多い仕事では、紙の台帳やカードのほうが使いやすいこともあります。紙の台帳でも、考え方はExcelと同じです。

紙で作るときは、1人のお客様につき1枚のカードを用意し、表の面に基本の情報、裏の面に対応の記録を書く形が扱いやすくなります。カードの右上に顧客番号を書き、番号の順か、フリガナの五十音順に並べて保管します。どちらの順に並べるかを最初に決めておかないと、探すときに手間取ります。

紙の台帳で気をつけたいのは、情報が書き換えられたときの扱いです。住所や担当者が変わったら、古い情報に二重線を引いて新しい情報を書き、横に書き換えた日付を添えます。消しゴムや修正液で消してしまうと、いつ何が変わったのかが分からなくなります。

紙の台帳は、持ち出しや紛失の危険があります。店の外に持ち出さない、使い終わったら鍵のかかる引き出しに戻す、といった決まりを作り、守れているかをときどき確かめます。お客様の数が200件を超えてくると、紙のカードを探す時間が負担になるので、その頃が表計算ソフトに移る目安です。

記入の例で流れを確かめる

ここまでの内容を、架空の例で通して確かめます。社員5人の印刷会社が、ホームページの問い合わせから新しいお客様を迎えた場面です。

10月1日に、フォームから名刺の印刷の問い合わせが届きました。受け付けた人は、まず台帳でメールアドレスと電話番号を検索し、まだ登録がないことを確かめます。登録がなければ、新しい顧客番号を付けて、会社名、フリガナ、担当者名、連絡先を入力し、登録日と最終更新日に10月1日と書きます。

続けて、対応の記録のシートに1行追加します。日付は10月1日、内容は「名刺500枚の見積もりの依頼」、対応した人は受け付けた人の名前、次にやることは「見積もりを送る」、期限は10月3日です。10月2日に見積もりを送ったら、もう1行追加して「見積もりを送付。返事待ち」と書き、次にやることに「10月9日に確認の連絡」と書きます。

10月8日に注文が決まったら、基本の情報のシートの初回の取引日と最後の取引日に10月8日、取引の内容に「名刺の印刷」と書き込みます。こうしておけば、半年後に別の人が電話を受けても、台帳を開くだけで、いつ何を頼まれ、どんなやり取りがあったのかが分かります。

入力の揺れを防ぐルール

顧客台帳が使えなくなる原因の多くは、入力の揺れです。同じ情報でも、人によって書き方が違うと、検索にかからず、重複も見つけられません。台帳を作ったら、最初に入力のルールを決めて、台帳の別のシートに書いておきます。

項目 決めておくこと 例
会社名 「株式会社」を略さない、前後を正確に 株式会社〇〇(「(株)〇〇」と書かない)
フリガナ 全角カタカナ、「株式会社」は読みに入れない マルマル
電話番号 半角数字、ハイフンを入れる 03-1234-5678
日付 年月日の形式をそろえる 2026/10/23
住所 都道府県から書く、番地は半角数字 東京都中央区〇〇1-2-3
メールアドレス 半角、1つの欄に1つ 前後に空白を入れない

ルールは細かく決めすぎると守られなくなります。検索と重複の確認に関わる項目、つまり名前、フリガナ、電話番号、メールアドレスの4つだけでも揃っていれば、台帳は十分に使えます。

入力する人が複数いる場合は、ルールを決めた人が、最初の1か月ほど、週に1回台帳を見て揺れがないかを確かめます。揺れを見つけたら、入力した人を責めるのではなく、ルールの書き方が分かりにくくなかったかを見直します。

更新のルールを決める

顧客台帳は、作った日から古くなり始めます。担当者の異動、会社の移転、電話番号の変更は、お客様の側からは知らされないことがほとんどです。中身を正しく保つために、更新のルールを決めておきます。

個人情報保護法には、事業者が個人データを正確で最新の内容に保つよう努めることが定められています。

個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。 出典: e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律 第22条

この条文は「努めなければならない」という努力の義務ですが、顧客台帳の運用の考え方としてそのまま使えます。正確に保つことと、使わなくなった情報を消すことの両方が求められている点が大切です。

更新のきっかけを決める

更新のルールは、「いつ」「誰が」「何を」確かめるかで決めます。

  • 対応のたび:お客様とやり取りをした人が、その場で連絡先と担当者の名前に変わりがないかを確かめ、変わっていれば書き換える
  • 毎月:台帳の担当者が、新しく登録された行の入力の揺れと重複を確かめる
  • 半年に1回:最後の取引から1年以上たっているお客様を一覧にし、連絡を取るか、台帳の扱いを見直すかを決める
  • 年に1回:年賀状やお知らせの郵送で戻ってきた宛先を確かめ、住所を直す

対応のたびに確かめるルールがいちばん効果があります。お客様と話すついでに「ご担当は引き続き〇〇様でよろしいですか」と一言確かめるだけで、台帳の情報が新しく保たれます。

最終更新日を必ず書き換える

情報を確かめたら、変更がなくても最終更新日を書き換えます。最終更新日が新しければ、その情報は最近確かめたものだと分かります。逆に、最終更新日が3年前のままのお客様は、情報が古い可能性が高いと判断できます。

取引が終わったお客様の扱い

取引が終わったお客様の情報を、いつまでも台帳に残しておくと、誤って案内を送ったり、情報が漏れたときの影響が大きくなったりします。取引が終わってから何年たったら削除するのか、または別の保管用の表に移すのかを決めておきます。ただし、請求書や契約書などの書類には、法律で保存の期間が決められているものがあるので、台帳の情報を削除するときも、書類そのものは保存の期間を確かめてから扱います。保存の期間は書類の種類によって違うので、税理士や所管の窓口に確かめてください。

運用のルールを1枚の文書に整理する

顧客台帳の運用がうまくいかない会社では、ルールが担当者の頭の中にしかないことが多いものです。台帳を作ったら、運用のルールを1枚の文書に書き出して、台帳と同じ場所に保存しておきます。

書き出す内容は、次の6つほどで十分です。

  1. 台帳の目的(何のために記録するか)
  2. 台帳を見られる人と、書き換えられる人
  3. 入力の形式のルール(会社名、フリガナ、電話番号、日付など)
  4. 新しいお客様を登録するときの手順(重複の確かめ方を含む)
  5. 更新のきっかけと、確かめる人
  6. 取引が終わったお客様の扱いと、削除の手順

この文書があると、新しく入った人にも同じ手順で台帳を使ってもらえます。担当者が替わるときも、文書を渡せば運用の考え方まで引き継げます。文書は年に1回見直し、実際の運用と合わなくなった部分を書き直します。

ルールを決めるときは、入力する人の意見も聞きます。現場で入力する人が面倒だと感じるルールは、いずれ守られなくなります。たとえば、電話を受けながら入力する人には、フリガナの入力が負担になることがあります。その場合は、フリガナを後からまとめて入力する担当を決めるなど、守れる形に調整します。

個人情報の扱いで気をつけること

顧客台帳には、お客様の名前や連絡先が記録されるので、個人情報保護法の対象になります。個人情報保護法は、個人情報を事業に使う事業者に、規模の大小にかかわらず適用されます。ここでは、顧客台帳に関わる基本の点だけを紹介します。個別の判断は、個人情報保護委員会の案内や専門家に確かめてください。

利用の目的をはっきりさせる

個人情報保護法の第17条は、個人情報を扱うときに、その利用の目的をできる限り特定することを求めています。また第21条は、個人情報を取得したときに、あらかじめ利用の目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表することを求めています。

顧客台帳で言えば、「商品の発送と請求のため」「新しい商品のご案内のため」のように、何のために記録するのかを決め、プライバシーポリシーなどで示しておくことです。発送のためだけに集めた住所に、後から別の目的の案内を送る場合は、利用の目的の範囲に入っているかを確かめる必要があります。

安全に管理する

個人情報保護法の第23条は、個人データの漏えいや滅失を防ぐために、必要かつ適切な措置を講じることを求めています。顧客台帳では、次のような対策が基本になります。

  • 台帳のファイルに、見られる人と編集できる人の範囲を決めて設定する
  • パソコンやファイルにパスワードをかけ、退職した人の権限はすぐに外す
  • 台帳をメールに添付して送らない。共有するときは、権限を設定できる共有の機能を使う
  • 印刷した台帳は、鍵のかかる場所に保管し、使い終わったら細かく裁断して捨てる
  • 控えのファイルを定期的に作り、保存先を決めておく

個人情報保護委員会のサイトには、事業者向けのガイドラインや、漏えいが起きたときの対応の案内がまとめられています。顧客台帳を作ったら、一度は個人情報保護委員会の法令・ガイドラインのページに目を通しておくと安心です。この記事の説明は一般的な考え方であり、法律相談の代わりにはならないので、扱う情報の種類や量によっては専門家に相談してください。

問い合わせや申し込みから台帳に入れる流れ

顧客台帳に新しいお客様が加わる入口は、多くの場合、問い合わせや申し込みです。この入口が電話、メール、ホームページのフォーム、紙の申込書とばらばらだと、台帳に入れ忘れたり、同じお客様を2回登録したりする原因になります。

入口を整えるには、まず受け付けの形をそろえます。ホームページの問い合わせや申し込みは、名前、フリガナ、電話番号、メールアドレスなど、台帳の項目と同じ順番と形式で入力してもらうフォームにします。フォームの項目を台帳の見出しとそろえておけば、集まった回答をそのまま台帳に取り込めます。

問い合わせの数が少ないうちは、Googleフォームなどの無料のフォームで回答を集め、表計算ソフトに書き出して台帳に貼り付ける形で十分に回ります。一方、社外の多くの人から問い合わせが届き、複数の人で手分けして返信する場合は、「この問い合わせは誰が持っているのか」「もう返信したのか」を表に手で書き込む作業が負担になってきます。

そうした場面で使える道具の1つが、Halictです。Halictは、受付から対応までを扱うフォームの道具で、公式サイトによると、届いた1件ごとに担当と状況が残り、返信も同じ画面から送れて、開封まで記録されます。集まった回答は一覧で確認でき、CSVに書き出せるので、顧客台帳への取り込みにも使えます。公式の料金ページでは、メンバー1人までのフリーのプランが0円で、フォームの数と回答の数に上限がなく、状況を管理する機能と自動返信、CSVの書き出しが使えます。複数の人で使う場合は、メンバー3人までのスターターが月額2,980円、10人までのチームが月額7,800円です(いずれも税抜)。詳しい機能はHalictの紹介ページで確認できます。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

どの道具で受け付ける場合も、台帳に入れる前に、すでに登録されているお客様かどうかをメールアドレスと電話番号で確かめる手順を入れておくと、重複の登録を防げます。

顧客台帳でよくある失敗

顧客台帳の運用でよく見かける失敗と、その直し方を紹介します。

1つ目は、最初に項目を多く作りすぎることです。30も40も項目がある台帳は、入力するだけで疲れてしまい、結局ほとんどの欄が空欄になります。最初は基本の項目と取引の項目だけで始め、実際に「この情報があれば助かった」という場面が出てから項目を追加します。

2つ目は、1つのセルに複数の情報を書くことです。「電話番号」の欄に代表と直通と携帯をまとめて書くと、どれがどれか分からず、並べ替えもできません。1つのセルには1つの情報だけを書き、必要なら列を分けます。

3つ目は、台帳のファイルが複数できてしまうことです。担当者がそれぞれ自分用に台帳をコピーして使い始めると、どれが最新なのかが分からなくなります。台帳の正本は1つだけと決め、共有の保存先に保存して、全員が同じファイルを使うようにします。

4つ目は、控えを取らないことです。誤って行を削除したり、並べ替えの範囲を間違えて情報がずれたりする事故は、どの会社でも起こります。週に1回など決まった間隔で控えのファイルを作り、日付を付けて保存しておけば、事故が起きても前の状態に戻せます。

5つ目は、使わなくなった情報をいつまでも残すことです。何年も取引のないお客様の情報が台帳の半分を占めていると、必要な情報が探しにくくなり、漏えいしたときの影響も大きくなります。更新のルールに沿って、定期的に見直します。

Excelから専用の道具に移る目安

Excelの顧客台帳は手軽ですが、使う人数とお客様の数が増えると、限界が見えてきます。次のような状態になったら、顧客管理の専用の道具に移ることを考える目安です。

  • 複数の人が同じファイルを同時に開いて、上書きの事故が起きた
  • お客様の数が数千件を超え、ファイルを開くのに時間がかかる
  • 外出先から台帳を見たい、書き換えたいという声が増えた
  • 誰がいつどの情報を変えたのかを記録する必要が出てきた
  • メールの送信や、商談の進み具合の管理と台帳をつなげたい

一方で、お客様が100件ほどで、台帳を触るのが2人から3人なら、Excelやスプレッドシートのままでも困らないことがほとんどです。道具を替えると、移すための作業と、使い方を覚える時間がかかります。困りごとが具体的に出てから移るほうが、どの機能が必要なのかがはっきりし、道具選びで迷いにくくなります。

専用の道具に移るときは、移す前に台帳の重複と揺れを整えておきます。揺れたままのデータを移すと、新しい道具の中でも同じ問題が続きます。移したあとも、しばらくは元のExcelのファイルを読み取り専用で保存しておくと、移し漏れに気づいたときに確かめられます。

顧客台帳を活用する場面

顧客台帳は、作って更新するだけでは価値が半分です。記録した情報を使って、次の行動を決めることで、台帳の手間が報われます。

1つ目は、連絡の時期を決めることです。最後の取引日で並べ替えれば、しばらく取引のないお客様が分かります。最後の注文から6か月たったお客様に、近況を尋ねる連絡をするといった使い方ができます。

2つ目は、案内を送る相手を選ぶことです。取引の内容や業種で絞り込めば、新しい商品に関心を持ちそうなお客様だけに案内を送れます。全員に同じ案内を送るより、受け取る側にとって迷惑になりにくく、反応も得やすくなります。

3つ目は、売上の偏りを知ることです。年間の取引額で並べ替え、上位のお客様が売上の何割を占めているかを計算します。上位の数社に売上が大きく偏っている場合は、そのお客様との関係を大切にしつつ、新しいお客様を広げる手も考える材料になります。

4つ目は、引き継ぎです。担当者が替わるとき、台帳と対応の記録があれば、新しい担当者はお客様との経緯をすぐにつかめます。引き継ぎの打ち合わせも、台帳を一緒に見ながら、記録に残りにくい注意点だけを話せば済みます。

どの使い方でも、台帳から読み取った数字は、月に1回ほど決まった日に見る習慣を作ると活かしやすくなります。たとえば毎月の第1営業日に、新しく登録したお客様の数、取引のないお客様の数、更新が1年以上止まっている行の数の3つを数えておけば、台帳の状態そのものの変化にも気づけます。

外部の人に台帳の整備を頼むとき

台帳の整備は、社内の人手だけでは手が回らないことがあります。名刺や紙の申込書を入力する作業、揺れと重複を整える作業、Excelから専用の道具へ移す作業は、外部の人に頼むこともできる仕事です。

外部の人に頼む場合は、顧客台帳に個人情報が含まれることを前提に、秘密を守る取り決めを契約に入れ、作業に必要な範囲の情報だけを渡します。作業の終了後に、渡したデータを削除してもらうことも決めておきます。個人情報保護法では、個人データの扱いを外部に任せる場合、任せた側が相手を監督することが求められています。

在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営の立場から見ると、データの入力や整備の仕事が長く続く会社には、作業のルールを最初に文章で渡しているという共通点があります。入力の形式や、迷ったときに誰に聞けばよいかが書かれていると、受ける側は手戻りなく作業でき、頼む側も確認の手間が少なく済みます。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも頼む側はより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。

顧客台帳を出発点に、業務の仕組みそのものを整えたい会社もあります。台帳と見積もりや請求の仕組みをつなげる仕組みづくりは、アプリケーション開発のお仕事として外部に頼まれることが多い分野です。AIを使って問い合わせの分類や台帳の整備を効率よくする支援は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。介護や福祉の事業所で、利用者の記録をデジタルに移すときの補助金については、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で整理しています。

よくある質問

Q. 顧客台帳はExcelとスプレッドシートのどちらで作ればよいですか?

社内でMicrosoft 365を使っているならExcel、Googleのサービスを使っているならスプレッドシートと、普段の道具に合わせるのが無難です。どちらでも、見出しの行、選んで入力する欄、重複の確認といった基本の作り方は同じです。複数の人が同時に編集するなら、共有の機能があるクラウドの保存先を使います。

Q. 顧客台帳はどれくらいの頻度で更新すればよいですか?

対応のたびに連絡先と担当者を確かめるのが基本です。そのうえで、毎月の入力の揺れと重複の確認、半年に1回の取引のないお客様の見直し、年に1回の住所の確認を組み合わせます。確かめたら変更がなくても最終更新日を書き換えておくと、情報の新しさが分かります。

Q. 個人事業でも顧客台帳に個人情報保護法は関係しますか?

個人情報保護法は、個人情報を事業に使う事業者に、規模の大小にかかわらず適用されます。利用の目的を決めて示すこと、正確に保つこと、漏えいを防ぐ対策をとることが基本です。扱う情報の種類によって求められることが変わるので、個人情報保護委員会の案内を確かめ、迷う場合は専門家に相談してください。

Q. 取引が終わったお客様の情報は削除したほうがよいですか?

使う必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努めることが法律に定められています。取引が終わって何年たったら削除するか、保管用の表に移すかを決めておきます。ただし請求書や契約書などの書類には保存の期間が決められているものがあるので、書類は期間を確かめてから扱います。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月17日最終更新:2026年10月25日
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