問い合わせ対応のフローの作り方|受付から完了までの決め方


この記事のポイント
- ✓問い合わせ対応のフローの作り方を
- ✓振り返りの8つの段階ごとに整理しました
- ✓2026年10月から事業主に義務づけられたカスタマーハラスメント対策との関係まで説明します
問い合わせ対応のフローとは、お客様や取引先から届いた問い合わせを、誰が、どの順番で、どこまで対応するかを決めた手順のことです。作り方の基本は、受付から完了までを8つほどの段階に分け、段階ごとに「誰が」「何を」「いつまでに」行うかを決め、迷いやすい場面の分かれ道をはっきりさせることです。フローがあると、担当者が変わっても同じ品質で答えられ、対応の漏れや二重の返信を防げます。
この記事では、問い合わせ対応のフローを、受付、記録、振り分け、最初の返事、調査、回答、完了、振り返りの段階ごとに、決めておくことと決め方の例を説明します。あわせて、問い合わせの分類と担当の決め方、返事の期限、上の人に引き継ぐ基準、返信の文面の例、2026年10月1日から事業主に義務づけられたカスタマーハラスメント対策との関係も整理します。受け付けた問い合わせを1件ごとに担当と状況つきで記録し、返信まで同じ画面で回せるHalictも、フローを回す道具の選択肢の1つとして紹介します。
問い合わせ対応のフローが必要な理由
小さな会社やチームでは、問い合わせの対応を、気づいた人がその場で行っていることがよくあります。件数が少ないうちはそれでも回りますが、件数が増えたり、担当者が増えたりすると、次のような問題が起きやすくなります。
| 起きやすい問題 | 原因 |
|---|---|
| 誰も返事をしていない問い合わせが残る | 誰が担当するかが決まっていない |
| 2人が同じ問い合わせに別々に返事をする | 対応の状況が共有されていない |
| 担当者によって答えの内容が違う | 答え方の基準が決まっていない |
| 返事が遅れて、お客様の不満が大きくなる | 返事の期限が決まっていない |
| 難しい問い合わせを担当者が1人で抱え込む | 上の人に引き継ぐ基準がない |
フローを作ると、こうした問題の多くは防げます。メールの共有の道具を提供している会社の解説記事も、フローの効果を次のように書いています。
問い合わせ対応において、「このケースはすぐに返信すべきか」「誰に確認すべきか」といった判断が個人の経験則に委ねられていると、対応品質が安定しません。フローチャートによって「Aの場合はBへ進む」といった明確な分岐ルールを定めておけば、経験の浅いスタッフでもベテランと同じ判断基準で迷わず行動できます。 出典: yaritori.jp
フローの目的は、対応を決まりで縛ることではなく、迷う場面を減らして、お客様に早く正確に答えられるようにすることです。
問い合わせ対応の8つの段階
問い合わせ対応のフローは、次の8つの段階に分けて考えると作りやすくなります。
| 段階 | すること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 1 受付 | 問い合わせを受け取る | 受け付ける窓口、受付の時間 |
| 2 記録 | 問い合わせの内容を1か所に残す | 記録する場所、記録する項目 |
| 3 振り分け | 種類を分けて担当を決める | 分類の仕方、担当の決め方 |
| 4 最初の返事 | 受け付けたことと返事の目安を伝える | 返事の期限、文面 |
| 5 調査 | 答えに必要なことを確かめる | 確かめる先、上の人に引き継ぐ基準 |
| 6 回答 | 答えを伝える | 答える前の確認、文面の基準 |
| 7 完了 | 対応を終える | 完了とする条件 |
| 8 振り返り | 傾向を見て改善する | 見る数字、見直しの頻度 |
ここからは、段階ごとに、決めておくことと決め方の例を説明します。
段階1 受付:窓口を決める
最初に決めるのは、どこで問い合わせを受け付けるかです。問い合わせの窓口には、次のようなものがあります。
- Webサイトの問い合わせのフォーム
- メール
- 電話
- チャット
- SNSのメッセージ
- 店舗や会社の窓口
窓口が多いほど、お客様は連絡しやすくなりますが、対応する側は、それぞれの窓口を見張る手間が増えます。小さなチームでは、主な窓口を2つか3つに絞り、ほかの窓口に届いた問い合わせも、決めた1か所に集める形にすると管理しやすくなります。
窓口ごとに、受付の時間も決めておきます。電話は平日の何時から何時まで、フォームやメールは24時間受け付けるが返事は営業時間内に行う、といった形です。受付の時間と返事の時間を、Webサイトや自動の返信に書いておくと、お客様は返事がいつ来るかの見通しを持てます。
段階2 記録:1か所に残す
受け付けた問い合わせは、窓口に関係なく、1か所に記録します。記録の場所が窓口ごとに分かれていると、同じお客様から電話とメールで問い合わせがあったときに、別々の件として扱ってしまいます。
記録する項目の例は次のとおりです。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 受付の日時 | 10月17日 10時15分 |
| 窓口 | フォーム、メール、電話など |
| お客様の名前と連絡先 | 名前、メールアドレス、電話番号 |
| 問い合わせの種類 | 注文、料金、使い方、不具合、苦情など |
| 内容 | お客様が書いたこと、話したこと |
| 担当者 | 対応する人の名前 |
| 状況 | 受付、対応中、確認待ち、回答済み、完了 |
| 対応の履歴 | いつ、誰が、何をしたか |
電話で受けた問い合わせは、記録が残らないまま終わりやすいので、電話を切った後すぐに記録する決まりにしておきます。話した内容を短くまとめ、約束したこと(折り返しの電話の時間など)を必ず書いておくと、担当者が変わっても対応を引き継げます。
段階3 振り分け:種類と担当を決める
記録した問い合わせは、種類を分けて担当を決めます。
種類の分け方
問い合わせの種類は、答える人や答え方が変わる単位で分けます。たとえば、次のような分け方です。
| 種類 | 例 | 主な担当 |
|---|---|---|
| 注文・申し込み | 注文の変更、キャンセル、納期の確認 | 受注の担当 |
| 料金・支払い | 請求の内容、支払いの方法、領収書 | 経理の担当 |
| 使い方 | 商品やサービスの使い方 | 窓口の担当 |
| 不具合 | 商品が壊れていた、サービスが動かない | 窓口の担当から技術の担当へ |
| 苦情 | 対応や品質への不満 | 窓口の担当から責任者へ |
| 取材・提携・営業 | 取材の依頼、提携の提案、売り込み | 広報や責任者 |
種類は、最初から細かく分けすぎないことが大切です。種類が多いと、どれに当てはまるかで迷う時間が増えます。5つから7つ程度に分け、どれにも当てはまらないものは「その他」として窓口の担当が判断する形にしておくと、迷いが減ります。
担当の決め方
担当の決め方には、種類ごとに担当を決める方法と、順番に割り当てる方法があります。種類ごとに決める方法は、専門の知識が要る問い合わせを、詳しい人に届けやすいのが利点です。順番に割り当てる方法は、担当者の負担を平らにしやすいのが利点です。小さなチームでは、最初は窓口の担当がすべてを受け、必要に応じて詳しい人に引き継ぐ形が回しやすいことが多いです。
大切なのは、担当が決まっていない問い合わせを残さないことです。「担当なし」の状況のまま一定の時間が過ぎたら、窓口の責任者が担当を決める、という決まりを作っておくと、漏れを防げます。
段階4 最初の返事:受け付けたことを早く伝える
問い合わせをしたお客様がいちばん不安に感じるのは、「届いたのかどうか分からない」状態です。答えがすぐに出せなくても、受け付けたことと、返事の目安を早く伝えることが大切です。
自動の返信を使う
フォームやメールで受け付けた問い合わせには、自動の返信で、受け付けたことをすぐに伝えます。自動の返信には、次のことを書いておきます。
- 問い合わせを受け付けたこと
- 問い合わせの内容の控え
- 返事の目安(例:2営業日以内に担当者からご連絡します)
- 営業時間と、休みの日の扱い
- 急ぎの場合の連絡先
返事の期限を決める
自動の返信とは別に、担当者からの最初の返事の期限を決めておきます。法律で決まった期限があるわけではないので、業種やお客様の期待、チームの人数に合わせて決めます。たとえば、「受付から1営業日以内に、担当者から最初の返事をする」のように決め、すぐに答えられない場合も、調べていることと、答えられる日の目安を伝えます。
期限を決めるときは、守れる期限にすることが大切です。短すぎる期限を決めても、守れなければお客様の信頼を損ないます。まずは守れる期限から始め、対応に慣れてきたら短くしていく、という進め方が無理のない形です。
段階5 調査:答えに必要なことを確かめる
答えを出すために、事実を確かめる段階です。注文の状況、契約の内容、商品の状態、過去のやり取りなどを確かめます。
確かめる先を決めておく
問い合わせの種類ごとに、どこで何を確かめるかを決めておくと、調査の時間が短くなります。注文の状況なら受注の記録、請求の内容なら請求の記録、不具合なら技術の担当、という形です。よくある問い合わせについては、答えをまとめた資料(よくある質問の答えの一覧)を作っておくと、調べる時間を大きく減らせます。
上の人に引き継ぐ基準を決める
担当者だけで判断できない問い合わせは、上の人や詳しい人に引き継ぎます。引き継ぐことを、エスカレーションとも呼びます。引き継ぐ基準を決めておかないと、担当者が1人で抱え込んで返事が遅れたり、判断を誤ったりします。基準の例は次のとおりです。
| 引き継ぐ場面 | 引き継ぐ先 |
|---|---|
| 返金や値引き、補償を求められた | 責任者 |
| 法律や契約の解釈が関わる | 責任者、必要に応じて専門家 |
| 同じお客様から3回以上の問い合わせが続いている | 窓口の責任者 |
| 強い言葉や、無理な要求が続いている | 責任者 |
| 個人情報の漏えいや、安全に関わるおそれがある | 責任者と情報の管理の担当 |
| 取材や報道に関わる | 広報や責任者 |
引き継ぐときは、それまでの経緯と、お客様が何を求めているかをまとめて伝えます。引き継いだ後も、誰が担当になったかを記録に残し、お客様に担当が変わったことを伝えます。
段階6 回答:答える前に確かめる
答えを伝える段階です。答える前に、次の点を確かめると、誤りや行き違いを防げます。
- お客様の質問に、すべて答えているか(質問が2つあるのに1つだけに答えていないか)
- 金額、日付、名前などに誤りがないか
- 約束できないことを約束していないか
- 専門の言葉を使いすぎていないか
- 次にお客様が何をすればよいかが分かるか
返信の文面の例
使い方の問い合わせに答えるメールの文面の例を示します。
〇〇様
お問い合わせいただき、ありがとうございます。△△の□□です。
ご質問いただいた、ログインができない件についてご案内します。
パスワードをお忘れの場合は、ログインの画面の「パスワードをお忘れの方」から、ご登録のメールアドレスを入力してください。再設定のためのメールが届きますので、メールの案内に沿って新しいパスワードを設定してください。
メールが届かない場合は、迷惑メールのフォルダもご確認ください。それでも届かない場合は、このメールにご返信いただければ、担当者が確認いたします。
ほかにご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
文面は、最初にお礼と名乗り、次に何についての返事かを示し、答えを伝え、うまくいかなかったときの次の手を添え、最後に結ぶ、という流れにすると、読みやすくなります。よく使う文面はひな形として保存しておくと、返信の時間が短くなり、担当者による言い方のばらつきも減ります。
段階7 完了:終わりの条件を決める
対応を終える条件を決めておきます。完了の条件があいまいだと、答えを送った後にお客様から返事が来たときに、誰が対応するのかが分からなくなります。
完了の条件の例は次のとおりです。
- 答えを送り、お客様から「解決した」という返事があった
- 答えを送ってから、決めた日数(例:7日)の間、お客様から返事がなかった
- お客様が問い合わせを取り下げた
完了にした後でも、同じお客様から同じ件で問い合わせが来た場合は、新しい件として受け付けるのではなく、元の記録をもう一度開いて、経緯を引き継げるようにしておきます。
段階8 振り返り:傾向を見て改善する
フローは、作って終わりではありません。定期的に問い合わせの記録を振り返り、改善につなげます。
見ておきたい数字
| 数字 | 分かること |
|---|---|
| 種類ごとの件数 | どの問い合わせが多いか。多い問い合わせは、Webサイトの説明を直すことで減らせることがある |
| 最初の返事までの時間 | 期限を守れているか |
| 完了までの時間 | どの種類の問い合わせに時間がかかっているか |
| 引き継ぎの件数 | 担当者だけで判断できない問い合わせがどれくらいあるか |
| 同じお客様からの再度の問い合わせ | 答えが分かりにくかった可能性 |
問い合わせを減らす改善
同じ問い合わせが何度も来ている場合は、答え方を改善するだけでなく、問い合わせそのものが生まれないようにする改善を考えます。Webサイトの説明を分かりやすくする、よくある質問のページに答えを載せる、商品の説明書を直す、といった改善です。問い合わせの記録は、お客様が何に困っているかを知るための、もっとも身近な情報です。
振り返りは、月に1回など頻度を決めて行います。振り返りの結果、フローや分類、ひな形を直したら、チームの全員に伝えます。
電話の問い合わせの流れ
電話の問い合わせは、メールやフォームと違って、その場で答えを求められ、記録が残りにくいという特徴があります。電話の対応だけは、別に流れを決めておくと安心です。
- 名乗って用件を聞く。会社名と自分の名前を伝え、お客様の名前と連絡先を確かめる
- 用件を復唱する。聞き取った内容を「〇〇の件でよろしいでしょうか」と確かめる
- その場で答えられるかを判断する。答えられることはその場で答え、確かめが必要なことは折り返しにする
- 折り返しの約束をする。誰から、いつまでに連絡するかを伝える。守れない時間を約束しない
- 電話を切った後すぐに記録する。用件、答えたこと、約束したことを記録の場所に残す
- 折り返しの担当に引き継ぐ。自分で折り返さない場合は、担当者に経緯を伝える
電話で特に気をつけたいのは、その場の勢いで、約束できないことを約束してしまうことです。返金や交換、納期の変更など、自分だけで決められないことは、「確認してからご連絡します」と伝えて、いったん引き取ります。
メールとチャットで答えるときの違い
メールとチャットは、どちらも文字で答える窓口ですが、お客様が期待する返事の速さと、文面の長さが違います。
| 項目 | メール | チャット |
|---|---|---|
| 返事の速さの期待 | 数時間から1営業日程度 | 数分程度 |
| 文面の長さ | まとまった説明を書ける | 短い文を何度かやり取りする |
| 向いている問い合わせ | 経緯の説明が要るもの、書類を添えるもの | 簡単な質問、使い方の確認 |
| 気をつけたいこと | 件名で用件が分かるようにする | すぐに答えられないときは、調べていることを伝える |
チャットの窓口を設けると、お客様は気軽に問い合わせられますが、対応する人が常に画面を見ている必要があります。人手が足りない時間帯は、チャットの受付を止めるか、メールやフォームに案内する形にしておくと、返事がないまま待たせることを防げます。チャットで受けた問い合わせのうち、調べるのに時間がかかるものは、メールでの返事に切り替え、そのことをお客様に伝えます。
どの窓口で受けた問い合わせも、最後は同じ記録の場所に残すことが、フローを崩さないための基本です。
チームの人数ごとのフローの形
問い合わせ対応のフローは、チームの人数によって、ちょうどよい形が変わります。
| チームの人数 | フローの形の例 |
|---|---|
| 1人 | 受付から回答まで1人で行う。記録と返事の期限だけは決めておき、休みの日の自動の返信を用意する |
| 2人から5人 | 窓口の担当を日替わりや週替わりで決め、担当がすべてを受けて、必要に応じて詳しい人に引き継ぐ |
| 6人以上 | 種類ごとに担当のグループを分け、窓口の担当が振り分ける。責任者が引き継ぎの判断と振り返りを受け持つ |
1人で対応している場合でも、フローを書き出しておく意味はあります。休みを取るときや、人を増やすときに、そのまま引き継げるからです。2人から5人のチームでは、「今日の窓口の担当」がはっきりしていないと、誰かがやるだろうという思い込みから、返事が漏れやすくなります。担当の当番を決め、チームの全員が見られる場所に書いておくと漏れを防げます。
新しい担当者への教え方
フローができたら、新しく問い合わせの対応に加わる人に教えるときにも使います。教えるときは、次の順番で進めると、早く1人で対応できるようになります。
- フローの図を見せて、全体の流れを説明する
- よくある問い合わせの答えの一覧と、返信のひな形を読んでもらう
- 先輩の対応を、記録を見ながら一緒に確かめる
- 簡単な問い合わせから担当してもらい、送る前に先輩が文面を確かめる
- 慣れてきたら、確かめる範囲を減らし、引き継ぎの基準に当たる場面だけ相談してもらう
新しい担当者が迷った場面は、フローや答えの一覧の改善の手がかりになります。迷った場面を記録してもらい、振り返りのときに、フローに書き足すべきことがないかを確かめます。
フローを図にする
フローが決まったら、図にしてチームで共有します。文章だけの手順より、図のほうが、全体の流れと分かれ道をひと目で把握できます。問い合わせ対応のフローの作り方を解説した記事も、次のように書いています。
問い合わせ対応フローチャートは、実際に運用されて初めて意味を持ちます。そのためには、視認性・実用性・メンテナンス性を意識して設計する必要があります。以下の4つのポイントを押さえることで、誰もが迷わず使えるフローを構築できます。 出典: stock-sun.com
図にするときは、次の点に気をつけます。
- 1枚の図に収める。細かな手順は図に書かず、別の資料にまとめて図から参照する
- 分かれ道は「はい」「いいえ」で答えられる問いにする(例:「返金を求められているか」)
- 段階ごとに、担当する人の役割を書く
- 図の最後に、困ったときの相談先を書いておく
図は、表計算ソフトやプレゼンテーションのソフト、図を描く道具などで作れます。凝った図にする必要はなく、チームの全員が読んで分かることがいちばん大切です。
担当と状況を管理する道具
フローを回すうえで欠かせないのが、問い合わせ1件ごとの担当と状況の管理です。件数が少ないうちは、共有のスプレッドシートに記録の項目を列として作り、担当と状況を手で書き換えていくだけでも回ります。ただし、件数が増えると、メールやフォームで届いた内容を表に写す手間がかかり、写し忘れや、返信したかどうかが表に反映されていない、といったずれが起きやすくなります。
問い合わせの受け付け、担当の割り振り、状況の管理、返信を1か所で回す道具の選択肢の1つが、Halictです。公式サイトによると、Halictはフォームで受け付けた1件ごとに担当と状況(ステージ)を残し、返信も同じ画面から送れて、開封まで記録されます。届いた回答を表で管理し、担当や状況の列を手で埋め、返信はメールソフトで送る、という作業を1つにまとめる道具として作られています。状況の分け方には「問い合わせ対応」などのひな形があり、自由に増やしたり減らしたりできます。状況の変更、担当者の割り当て、タグの追加、メモ、メールの送信は、すべて時系列で記録に残ります。
問い合わせ対応のフローに当てはめると、たとえば次のような使い方ができます。
- 問い合わせのフォームに「お問い合わせの種類」の項目を作り、受付の時点で種類が分かるようにする
- 「受付」「対応中」「確認待ち」「回答済み」「完了」のような状況を作り、1件ごとに進める
- 自動返信で、受け付けたことと返事の目安をすぐに伝える
- よく使う文面をメールのひな形として保存し、返信を同じ画面から送る
料金は、1人で使うなら無料で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。自動返信とCSVの書き出しは無料のプランから使えます。メンバー3人まで使えるスターターのプランは月額2,980円(税抜)で、Googleスプレッドシートとの連携が加わり、10人まで使えるチームのプランは月額7,800円(税抜)で、メールのひな形、一斉メールと開封・クリックの計測、Slack、Teams、Chatworkへの通知などが加わります。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
電話や窓口で受けた問い合わせも、対応した後に同じ場所へ記録しておくと、窓口が違っても1件の経緯としてまとめて追えます。どの道具を使う場合でも、記録の項目と状況の分け方を、フローに合わせて先に決めておくことが大切です。
カスタマーハラスメント対策とフローの関係
問い合わせ対応のフローを作るときに、あわせて考えておきたいのが、カスタマーハラスメントへの対応です。カスタマーハラスメントとは、お客様や取引先などからの、社会の常識を超えた要求や言動によって、働く人の環境が害されることを指します。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」のサイトでは、2026年10月1日から、事業主に「カスタマーハラスメント対策」が義務づけられたことが案内されています(改正労働施策総合推進法等)。事業主がとるべき措置の詳しい内容は、同サイトの特設ページやQ&A、全国の労働局で開かれている説明会で確かめられます。詳しくはあかるい職場応援団で確かめてください。
問い合わせ対応のフローの中では、次のような形で備えておくと、担当者を守りやすくなります。
- 強い言葉や無理な要求が続いた場合に、担当者が1人で対応を続けず、責任者に引き継ぐ基準を決める
- 電話の対応を、一定の時間を超えたら切り上げる目安を決める
- やり取りの記録を残し、事実を後から確かめられるようにする
- 担当者が相談できる窓口を、社内に決めておく
正当な苦情とカスタマーハラスメントの線引きは、場面によって難しいことがあります。苦情の多くは、サービスを良くするための大切な声です。フローの中で、苦情として丁寧に対応する場面と、組織として毅然と対応する場面を分ける基準を、責任者が決めておくことが大切です。
個人情報の扱い
問い合わせの記録には、お客様の名前や連絡先、場合によっては注文の内容など、個人情報が含まれます。記録を見られる人を、対応に必要な人に限ること、問い合わせへの対応以外に使わないこと、保存する期間を決めて不要になったら削除することを、フローの決まりに入れておきます。個人情報の扱いの基本は、個人情報保護委員会の案内で確かめられます。
社員や関係者からの、法令違反などの通報を受け付ける窓口は、お客様からの問い合わせとは別の扱いが求められます。通報の窓口の作り方は、改正公益通報者保護法への対応|外部通報窓口の設置費用と運営【2026年最新】で説明しています。
フローづくりでつまずきやすい点
最初から完璧なフローを作ろうとする
すべての場面を想定したフローを作ろうとすると、いつまでも完成しません。まずは、よくある問い合わせの流れだけでフローを作り、運用しながら、例外の場面を加えていくほうが早く形になります。
担当者の意見を聞かずに作る
実際に問い合わせに対応している人が、どこで迷い、どこで時間がかかっているかを知らないまま作ったフローは、現場で使われません。フローを作る前に、担当者に困っている場面を聞いておくと、使われるフローになります。
フローを直さないまま使い続ける
商品やサービス、チームの人数が変わっても、フローがそのままだと、現場とずれていきます。振り返りの場で、フローが現場に合っているかを確かめ、必要に応じて直します。
外部の人の力を借りて仕組みを整える
問い合わせ対応の仕組みづくりを、外部の専門家に手伝ってもらう方法もあります。問い合わせの記録の分析、よくある質問のページの作成、AIを使った返信の下書きの仕組みなど、手伝ってもらえる範囲は広がっています。
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、問い合わせ対応の改善を外部に頼んでうまくいく依頼主は、問い合わせの記録をある程度残していることが多いです。どんな問い合わせが、どれくらい、どの窓口から来ているかが分かると、手伝う側は、どこから手を付ければ効果が大きいかを具体的に提案できます。依頼主と手伝う側が直接やり取りできる形なら、間に入る手数料が少ない分、同じ予算でより多くの改善を頼めます。
AIを使って返信の下書きを作る仕組みや、業務の手順を見直す支援の仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で説明しています。問い合わせの記録を自社のシステムとつなぐ仕組みづくりの仕事の内容は、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。また、こうした道具を取り入れるときに使える補助金については、IT導入補助金で「インボイス対応」を一気に進める|対象ツールと申請の流れも参考になります。
まずは、受付から完了までを8つの段階に分け、段階ごとに誰が何をいつまでに行うかを決めること。そのうえで、分類、返事の期限、上の人に引き継ぐ基準を決め、図にしてチームで共有すること。この順番で進めれば、問い合わせ対応のフローは、担当者が迷わず、お客様に早く正確に答えられる仕組みになります。
よくある質問
Q. 問い合わせ対応のフローは何から作ればよいですか?
まず、受付から完了までを、受付、記録、振り分け、最初の返事、調査、回答、完了、振り返りの段階に分けます。次に、段階ごとに誰が何をいつまでに行うかを決めます。最初からすべての場面を想定する必要はなく、よくある問い合わせの流れだけで作り、運用しながら例外の場面を加えていくほうが早く形になります。
Q. 問い合わせへの返事の期限はどれくらいにすればよいですか?
法律で決まった期限があるわけではないので、業種、お客様の期待、チームの人数に合わせて決めます。大切なのは守れる期限にすることです。自動の返信で受け付けたことと返事の目安をすぐに伝え、担当者からの最初の返事は1営業日以内などと決めておくと、すぐに答えが出せない場合もお客様の不安を減らせます。
Q. 担当者だけで判断できない問い合わせはどうすればよいですか?
上の人や詳しい人に引き継ぐ基準を、フローの中で決めておきます。返金や補償を求められた、法律や契約の解釈が関わる、強い言葉や無理な要求が続いている、といった場面が例です。引き継ぐときは、それまでの経緯とお客様が求めていることをまとめて伝え、担当が変わったことをお客様にも伝えます。
Q. カスタマーハラスメント対策はフローにどう入れればよいですか?
厚生労働省の案内では、2026年10月1日から事業主にカスタマーハラスメント対策が義務づけられています。フローの中では、強い言葉や無理な要求が続いた場合に担当者が1人で対応を続けず責任者に引き継ぐ基準、電話を切り上げる目安、やり取りの記録の残し方、担当者が相談できる窓口を決めておくと、担当者を守りやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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