増資の登記に出す書類|払込証明書の作り方


この記事のポイント
- ✓増資必要書類を1枚ずつ分解して
- ✓どこでつまずくのかを整理します
- ✓法務局の記載例をもとに
増資の登記に出す書類は、多くても7種類です。しかも、そのうち3種類は会社が自分で1枚作るだけのごく短い書面で、書き方は法務局が記載例を公開しています。書類の数に身構える必要はありません。
つまずくのは枚数ではなく、中身の細かいところです。議事録に増加する資本金の額を書き忘れる、払込証明書に添える通帳の写しに口座の名義人が写っていない、申請書の日付を決議の日で書いてしまう。この3つが、差し戻しの定番です。
この記事では、増資、つまり新しく株式を発行して出資を受ける登記に出す書類を、1枚ずつ分解します。法務局が公開している申請書の記載例と、国税庁が公開している登録免許税の税額表で確かめた内容だけを載せます。
まず一覧。何を何通出すのかを先に並べる
会社が金銭の出資を受けて増資する場合、法務局に出すのは次の書類です。
| 書類 | 通数 | 誰が作るか |
|---|---|---|
| 登記申請書 | 1通 | 会社 |
| 株主総会議事録(募集事項を決めた決議) | 1通 | 会社 |
| 株主リスト | 1通 | 会社 |
| 取締役の決定書または取締役会議事録(割当ての決定) | 1通 | 会社 |
| 募集株式の引受けの申込みを証する書面 | 引受人の数だけ | 引受人 |
| 払込みがあったことを証する書面 | 1通 | 会社(通帳の写しを添付) |
| 資本金の額の計上に関する証明書 | 1通 | 会社 |
| 委任状 | 1通 | 会社(代理人に頼む場合のみ) |
このうち、引き受ける人が最初から全員決まっていて、その全員と契約を1本結ぶ形を取るなら、申込みを証する書面と割当ての決定を、総数引受契約書とその承認の議事録に置き換えられます。書類の数が減るので、中小企業の増資ではこちらを選ぶことが多くなります。
会社の印鑑証明書は不要です。代表者の個人の印鑑証明書も、出資する人の印鑑証明書も要りません。設立のときと違って、金融機関が発行する払込金保管証明書も不要です。ここは設立の経験がある人ほど誤解しやすいところなので、先に押さえておいてください。
書類の様式は法務局のサイトから無料で入手できます。
法人名のフリガナの記載についてはこちら「株主リスト」の記載例・申請書様式はこちら 出典: houmukyoku.moj.go.jp
会社の作りによって記載例が3つに分かれています。株式に譲渡制限が付いていて取締役会がない会社、譲渡制限が付いていて取締役会がある会社、譲渡制限が付いていない会社。自社がどれかを先に確かめてから記載例を開いてください。登記事項証明書に「株式の譲渡制限に関する規定」の欄があれば、譲渡制限が付いている会社です。
登記申請書。書く欄は少ないが、日付を間違えやすい
登記申請書は1枚です。書く欄は決まっています。
会社法人等番号を書きます。登記事項証明書の右上に載っている12桁の番号です。商号のフリガナは、株式会社の部分を除いて片仮名で書きます。本店と商号は登記されているとおりに書きます。
登記の事由の欄には「募集株式発行」と書きます。
登記すべき事項の欄には、変更後の発行済株式の総数と、変更後の資本金の額、そしてそれぞれの原因年月日を書きます。ここで間違えやすいのが原因年月日です。法務局の記載例には「変更の年月日は、払込期日又は払込期間の末日を記載してください」と注意書きが入っています。株主総会を開いた日ではありません。振込が確認できた日でもありません。募集事項として決めた払込期日そのものです。
課税標準金額の欄には、資本金が増えた額を書きます。1,000円未満の端数は切り捨てます。
登録免許税の欄には、課税標準金額に1000分の7を掛けた額を書きます。この額が3万円に満たないときは3万円と書きます。計算結果に100円未満の端数があれば切り捨てます。
申請人として本店と商号を書き、代表取締役の住所と氏名を書いて、法務局に届け出ている印鑑を押します。司法書士に頼む場合は代理人の住所と氏名を書いて代理人の印を押し、このときは代表取締役の押印は要りません。
日中つながる電話番号を必ず書きます。携帯電話の番号でかまいません。書類に不備があったときはここに連絡が来ます。番号が書いていないと、補正の連絡が届かず手続きが止まります。
申請書が収入印紙の台紙を含めて2枚以上になるときは、綴じ目に契印を押します。契印とは、ページのつなぎ目にまたがるように押す印のことです。申請書に押したのと同じ印を使います。
株主総会議事録。募集事項として書き落とせない項目
増資の議事録には、募集事項として決めた内容を並べて書きます。法務局の記載例では、次の6項目が書かれています。
1つ目、募集株式の数。何株発行するかです。
2つ目、募集株式の発行方法。特定の相手に割り当てるなら「第三者割当てとする」と書きます。
3つ目、募集株式の払込金額。1株あたりいくらかを書きます。
4つ目、払込期日または払込期間。
5つ目、増加する資本金の額と資本準備金の額。ここが最も抜けやすい項目です。全額を資本金にするなら資本準備金はゼロと書きます。
6つ目、払込みを取り扱う金融機関。銀行名と支店名を書きます。
議事録の冒頭には、株主の総数、発行済株式の総数、議決権を行使できる株主の数とその議決権の数、出席した株主の数とその議決権の数を書きます。ここを埋めると、特別決議が成立したことが読み取れる形になります。特別決議とは、議決権の過半数を持つ株主が出席して、出席した議決権の3分の2以上の賛成で成立する決議のことです。
会社の価値に比べて明らかに安い値段で株を出す場合は、なぜその値段にするのかを取締役が株主総会で説明する必要があります。記載例には、その説明を記録する議案の文例まで載っています。株主が代表者1人だけの会社では形式的になりますが、株主が複数いる会社では省略しないでください。
割当てを決める決議を同じ株主総会でまとめて行うこともできます。記載例には「発行する募集株式を割り当てるべき第三者が既に存在する場合には、当該第三者からの申込みがあることを条件として、募集事項を決議した同一の株主総会で、割当てに係る事項を決議することができます」という注意書きがあります。株主総会を2回開かずに済むので、実務ではこの形がよく使われます。
もうひとつ、記載例には重要な注意が書かれています。割り当てる株式数は払込期日の前日までに申込者へ通知する必要があるため、払込期日を割当ての決議をした総会と同じ日にすることはできない、という点です。決議の当日に振り込んでもらう段取りは組めません。最低でも1日は空けてください。
株主リスト。誰をどこまで書けばよいか
株主リストは、株主総会の議事録を出すときにほぼ必ずセットで求められる書面です。議決権の多い株主から順に、氏名または名称、住所、株式数、議決権数、議決権数の割合を並べます。
どこまで書くかには決まりがあります。上位から数えて議決権の割合の合計が3分の2に達するまで、または10位に達するまでの、どちらか少ない人数まで書けば足ります。株主が3人の会社なら、上位2人で3分の2を超えることが多いので、2人分で済む場合もあります。ただし全員書いても問題はありません。
議決権を持たない株式は書きません。会社が自分で持っている株式がこれにあたります。一方で、株主総会に出席しなかった株主や、議決権を行使しなかった株主は、議決権を持っている限り書きます。出席者名簿ではないという点を取り違えないでください。
書面の冒頭には、対象となるのが株主総会か種類株主総会か全員の同意か、その年月日、対象となる議案を書きます。全議案を対象にするなら「全議案」と書きます。末尾には総議決権数を書き、会社名と代表取締役の氏名を記載します。
法務局のサイトには、株主リストの記載例と様式が用意されています。表の形が決まっているので、自作するより様式をそのまま使ったほうが早く、かつ差し戻しのもとになりません。
割当てを決めた書面、または総数引受契約書
募集事項を決めたあと、誰に何株を割り当てるかを決めます。譲渡制限が付いている株式の場合、この決定は株主総会か取締役会の決議で行います。取締役会がない会社では、株主総会で決めるか、定款に別の定めがあればその方法によります。
法務局の記載例では、取締役の決定書という形の書面も示されています。日付、決定した事項、会社名、取締役の記名押印。これだけの1枚です。
一方、引き受ける人が全員決まっていて、その全員が出す株の全部を引き受ける契約を結ぶ場合は、申込みと割当ての手続きを省けます。これが総数引受契約です。譲渡制限が付いている株式の場合、この契約を株主総会か取締役会で承認します。
どちらを選ぶかで、出す書類が次のように変わります。
| 進め方 | 出す書類 |
|---|---|
| 申込みと割当てを分ける | 募集株式申込証+割当てを決めた議事録または決定書 |
| 総数引受契約を使う | 総数引受契約書+契約を承認した議事録 |
役員が1人で出資する増資、親会社から出資を受ける増資のように相手が最初から決まっている場合は、総数引受契約のほうが書類が少なくて済みます。逆に、複数の候補に声をかけて、集まった申込みの中から割り当てを決める場合は、申込みと割当てを分ける形になります。
募集株式申込証。引受人が書く1枚
申込みと割当てを分ける形を取る場合、引き受ける人それぞれが申込書を出します。法務局の記載例では、募集株式申込証という名前の1枚です。
書くのは、申し込む株式の種類と数、日付、申込人の住所と氏名です。本文には、定款と募集要項を承認したうえで申し込むこと、申込みの際に預けたお金が払込金に振り替えられても異議がないこと、割当てを受けられなかった場合に利息や損害金を請求しないこと、払込期日までに払い込まないときは申込証拠金を没収されても異議がないこと、といった条項が並びます。
この書面は引受人が作ります。会社が雛形を用意して渡し、署名してもらう流れが現実的です。押印の種類に決まりはありません。
つまずきやすいのは日付です。申込書の日付は、募集事項を決めた決議の日より後で、かつ割当てを決めた日より前でなければ筋が通りません。書類を後からまとめて作ると、この前後関係が崩れます。実際に手続きを進めながら1枚ずつ日付を入れていくほうが、結果として早く終わります。
銀行や信託会社が発行する株式申込取扱証明書を、この書面の代わりに使うこともできます。中小企業の増資では使う場面がほとんどありませんが、記載例には選択肢として挙げられています。
払込みがあったことを証する書面の作り方
ここが本題です。増資の書類の中で、いちばん質問が多いのがこの1枚です。
法務局の記載例に載っている本文は、驚くほど短いものです。
証明書という表題をつけ、当会社の募集株式については全額の払込みがあったことを証明する、と書きます。そのうえで、払込みがあった募集株式の数と、払込みを受けた金額を並べて書きます。日付を入れ、会社名と代表取締役の氏名を書いて終わりです。
大事なのは、この1枚に何を添えるかです。記載例の注意書きはこう書かれています。取引明細書や預金通帳の写しを合わせてとじること。写しには口座名義人が判明する部分を含めること。そして、入金または振込に関する部分にマーカーか下線を付すなどして、払い込まれた金額が分かるようにすること。
実務での具体的な手順に落とすと、次のようになります。
- 通帳の表紙をコピーする
- 通帳を開いた1ページ目、口座番号と名義人が印字された面をコピーする
- 該当の入金が印字されたページをコピーする
- 入金の行にマーカーを引く
- 証明書を先頭にして、これらを重ねてホチキスで綴じる
- 綴じ目に、証明書に押したのと同じ印で契印を押す
ネット銀行を使っていて通帳がない場合は、取引明細をPDFで出力して印刷し、同じように扱います。口座名義が分かる画面も一緒に印刷してください。
差し戻しになりやすいのは次の場面です。
引受人と振込人の名義が違う。たとえば代表者が家族の口座からまとめて振り込んだような場合、通帳を見ても誰が払ったのか分かりません。引受人本人の名義で振り込んでもらうのが原則です。
複数人分を1回にまとめて振り込んだ。誰がいくら払ったのかが読み取れません。人数分に分けて振り込んでもらいます。
現金を受け取って後から代表者が入金した。振込の記録が代表者名義になるため、同じ問題が起きます。
決議の日より前に入金されている。募集事項を決める前に受け取ったお金は出資として扱えません。銀行の処理日がずれることもあるので、決議から払込期日までは数日空けます。
金額が端数で合わない。振込手数料を差し引いた額が入金されていると、払込金額に届きません。手数料は振り込む側が負担する形にして、満額が着金するようにしてください。
資本金の額の計上に関する証明書
これも会社が1枚作る書面です。法務局の記載例では、次の3つの数字を並べる形になっています。
1つ目、払込みを受けた金銭の額。
2つ目、物で出資を受けた場合の、給付を受けた日のその財産の価額。金銭だけの増資ならゼロです。
3つ目、1つ目と2つ目を足した額。これを資本金等増加限度額と呼びます。資本金に載せられる上限のことです。
そのうえで、増加する資本金の額が会社法と会社計算規則にしたがって計上されたことに相違ないと、代表取締役が証明します。自己株式の処分を伴わない場合は、その旨も書きます。
払い込まれた額の2分の1を超えない額は、資本金にせず資本準備金として計上できます。半分を資本準備金に回す場合は、その旨をこの証明書に書いたうえで、資本準備金の額を決めたことを示す議事録などを添えます。記載例にもその注意書きが入っています。
実務では、募集事項を決める株主総会の議事録に「増加する資本金の額」と「増加する資本準備金の額」の両方を書いておけば、この議事録がそのまま根拠になります。つまり、先ほどの議事録の5つ目の項目を書き落とさないことが、ここでも効いてきます。
登録免許税は資本金の増加額に対してかかるので、資本準備金に回した分には税金がかかりません。1,000万円の払い込みを受けて全額を資本金にすると7万円、半分を資本準備金に回して資本金を500万円にすると3万5,000円です。どちらにするかは、税額と、資本金の額が持つ意味の両方を見て決めます。
委任状と、原本を返してもらう方法
司法書士に登記を頼む場合は委任状を付けます。法務局の記載例では、代理人の住所と氏名を書き、委任する事項として「募集株式の発行に伴う変更の登記の申請をする一切の件」と書く形です。原本を返してもらいたい場合は「原本還付の請求及び受領の件」も加えます。会社名と代表取締役の氏名を書き、法務局に届け出ている印鑑を押します。
原本還付というのは、提出した書類の原本を登記が終わったあとに返してもらう仕組みです。議事録や契約書は会社に残しておきたい書類なので、この仕組みを使うのが普通です。
やり方は簡単です。原本と、そのコピーの両方を出します。コピーが複数枚になるときは合わせて綴じます。そして、コピーの末尾に「原本に相違ありません。」と書いて記名したものを添えます。記名するのは申請書に押印した人です。これで、登記が終わったあとに原本が返ってきます。
書類を訂正するときは、修正液を使いません。訂正したい文字を二重線で消して、近くに正しい文字を書き、押印します。申請書を訂正するなら申請書に押した印を、添付書類を訂正するならその書類に押した印を使います。塗りつぶして見えなくするのも不可です。押した印の近くに「何字削除何字加入」と書き添えてもかまいません。
収入印紙の貼り方と、費用の全体像
登録免許税は収入印紙で納めます。領収証書で納める方法もありますが、中小企業の増資では収入印紙が一般的です。
収入印紙は法務局の窓口でも郵便局でも買えます。貼るときは、割印を押さないでください。印紙を汚したり割印を押したりすると、その印紙は使えなくなります。消印の作業の都合から、台紙の右側に寄せて貼るよう法務局が案内しています。
金額の計算は、増えた資本金の額に1000分の7を掛けて、3万円に満たなければ3万円です。国税庁の税額表にもこう書かれています。
株式会社または合同会社の資本金の増加の登記(一定の登記を除く。) 増加した資本金の額 1,000分の7(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円) 出典: www.nta.go.jp
増加額がおよそ429万円を超えたところから、0.7%の計算結果が3万円を上回ります。それより小さい増資では、いくら増やしても税額は3万円です。100万円の増資を3回に分けると9万円かかり、300万円を1回で増やせば3万円で済みます。分ける理由が特にないなら、まとめたほうが有利です。
このほかにかかるのは、登記が終わったあとに取る登記事項証明書の費用が1通あたり数百円。司法書士に頼む場合はその報酬。書類を郵送するなら送料です。
書類を用意する手段は3つある
書類を揃える方法は、大きく3つに分かれます。
1つ目は、法務局の記載例と様式をそのまま使う方法です。費用はかかりません。WordとPDFの両方が用意されていて、記載例には注意書きが細かく入っています。株主が代表者1人だけで、出資するのも代表者本人という単純な増資なら、この方法で十分です。
2つ目は、書類を自動で作るオンラインのサービスを使う方法です。画面の案内にしたがって情報を入力すると、必要な書類が出来上がる仕組みです。
オンラインで必要書類が自動作成できるサービスです。登記知識を必要とせず、画面の案内に従うだけで書類が作成できます。最短7分・費用5,000円~と、時間と費用を極力抑えて効率よく登記申請したい方におススメです。 出典: corporate.ai-con.lawyer
こうしたサービスは書類を作るところまでを助けるものです。法務局への提出と、登記が終わったあとの税務署や自治体への届出は自社でやることになります。どこまで任せるかの線を先に引いておくと、あとで慌てません。
3つ目は、司法書士に依頼する方法です。書類の作成から申請までを任せられます。株主が複数いて割り当ての比率に意味がある場合、外部の投資家から出資を受ける場合、物や貸付金で出資を受ける場合は、この方法を選ぶほうが確実です。
なお、記載例を扱う解説サイトの多くは、法務局の様式をもとに書き方を説明しています。
必要な書類の種類はわかったけど、実際どんな内容の書類を用意すべきかイメージが湧かない、という方もいらっしゃると思います。作成する書類それぞれに記載例をのあるフォーマットから紹介しますので、どんな書類が必要なのか、参考にしてください。紹介したフォーマットは法務局Webサイトからダウンロードもできます。 出典: corporate.ai-con.lawyer
一次の情報は法務局の様式です。解説を読むのは構いませんが、最後は様式そのものと突き合わせてください。
出す前に見るチェックリスト
書類が揃ったら、提出の前に次の点を確かめます。
- 申請書の原因年月日が、払込期日または払込期間の末日になっているか
- 課税標準金額が資本金の増加額と一致しているか。1,000円未満を切り捨てたか
- 登録免許税が3万円を下回っていないか。100円未満を切り捨てたか
- 議事録に、増加する資本金の額と資本準備金の額の両方が書いてあるか
- 議事録の日付より、申込書の日付が後になっているか
- 割当ての決議の日と払込期日が同じ日になっていないか
- 払込証明書に添えた通帳の写しに、口座の名義人が分かる部分が入っているか
- 入金の行にマーカーか下線を引いたか
- 振込人の名義が引受人と一致しているか
- 資本金の額の計上に関する証明書の合計額が、払込証明書の金額と一致しているか
- 株主リストの総議決権数と、議事録に書いた議決権の数が矛盾していないか
- 申請書に日中つながる電話番号を書いたか
- 2枚以上になるページの綴じ目に契印を押したか
- 収入印紙に割印を押していないか
- 原本を返してほしい書類について、原本とコピーの両方を入れたか
数字の突き合わせが多いことに気づくと思います。議事録、払込証明書、計上に関する証明書、申請書。この4つに同じ金額が出てくるので、どれか1つを直したら残り3つも直す必要があります。直前で金額を変えるときは、必ず全部を見直してください。
20年見てきた立場からの観察と、独自データが示すもの
在宅と業務委託の案件を長く見てきた運営者の立場から言うと、登記の書類そのものを外注する会社はほとんどありません。士業の独占業務にあたる部分があるからです。ところが、その手前にある社内の書類、つまり議事録の雛形を整える、届出先の一覧を作る、経理の記録と登記の内容を突き合わせる、といった作業は、業務委託で回している会社がかなりあります。
長く続いている委託の関係を見ていると、共通しているのは金額の高さではありません。やり取りの回数が少なくて済むこと、そして支払いが確実なことです。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼する側はより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%が効くのは、金額そのものより手取りが厚いという質の部分で、その差が積み上がると相手は他所へ移りません。
社内の文書を整える担当を外から入れるなら、文書の型をどこまで押さえているかが効いてきます。その目安になるのがビジネス文書検定で、社外に出す文書の作法を測る試験の範囲がまとまっています。議事録や証明書のような定型の文書は、型を知っている人が書くと差し戻しが減ります。
会計や社内の仕組みを整える仕事の相場を知りたいときは、著述家,記者,編集者の年収・単価相場に文章を扱う仕事の報酬の幅が整理されています。開発まわりの単価を確かめたいときはソフトウェア作成者の年収・単価相場が目安になります。
実際にどんな案件が動いているかは、職種別の案内を見るのが早道です。社内の手順を整理して仕組みに落とす仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に、システムの実装はアプリケーション開発のお仕事に、データや広告、情報セキュリティまわりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、それぞれ仕事の中身が載っています。社内の情報システムを任せる相手を探すなら、CCNA(シスコ技術者認定)の範囲を知っておくと判断が早くなります。
増資で資金が入ると取引の件数が増え、契約と支払いの管理が追いつかなくなる場面が出てきます。発注書や契約書に何を書くべきかは、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに項目ごとに整理されています。支払いが滞ったときの進め方は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】に、専門家の使い方は会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】にまとまっています。
ここに書いた登記と税務の扱いは一般的なものです。会社の作りや出資の中身によって、必要な書類が増えることも減ることもあります。判断に迷う場面が出たら、登記については申請先の法務局か司法書士に、税務については所轄の税務署か税理士に確認してください。
よくある質問
Q. 増資の登記に会社の印鑑証明書は必要ですか?
不要です。代表者個人の印鑑証明書も、出資する人の印鑑証明書も要りません。申請書には法務局に届け出ている会社の印鑑を押します。設立のときに必要だった金融機関の払込金保管証明書も、増資では不要で、代表者が作る払込証明書と通帳の写しで足ります。
Q. 払込証明書に添える通帳の写しは、どのページをコピーすればよいですか?
表紙、口座番号と名義人が印字された面、そして入金が印字されたページの3か所です。入金の行にはマーカーか下線を引きます。ネット銀行で通帳がない場合は、口座名義が分かる画面と取引明細を印刷して同じように綴じます。
Q. 引受人以外の名義で振り込んでも大丈夫ですか?
避けてください。通帳を見ても誰がいくら払ったのかが読み取れず、法務局から連絡が来ます。引受人それぞれの名義で、それぞれの金額を振り込んでもらうのが原則です。複数人分を1回でまとめて振り込むのも同じ理由で避けます。
Q. 総数引受契約を使うと、どの書類が要らなくなりますか?
募集株式申込証と、割当てを決めた議事録または決定書が不要になります。代わりに総数引受契約書と、譲渡制限が付いている場合はその契約を承認した議事録を出します。引き受ける人が最初から全員決まっている増資では、書類の数が減るので選ばれることが多い方法です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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