決算を承認する定時株主総会の議事録|毎年作る中身と保存の期間

丸山 桃子
丸山 桃子
決算を承認する定時株主総会の議事録|毎年作る中身と保存の期間

この記事のポイント

  • 定時株主総会議事録の書き方を
  • 決算の承認から役員の任期満了まで毎年の流れに沿って整理した
  • 開催時期と基準日の関係

決算が終わると、次に来るのが定時株主総会だ。株主が自分ひとりの会社でも開くことになっていて、そこで作るのが定時株主総会議事録になる。毎年同じ作業なのに、1年空くと書き方を忘れてまた検索する。この記事では、定時株主総会をいつ開くのか、何を決議するのか、議事録に何を書くのかを1本の流れにまとめる。あわせて、役員の任期が満了する年に追加される議案、ひな形の全文、保存の期間までを通しで扱う。

定時株主総会は「決算を承認する場」として毎年開く

株主総会には定時と臨時の2種類がある。

株主総会には「定時」と「臨時」の2種類があり、それぞれ「定時株主総会議事録」「臨時株主総会議事録」のように区別されます。 出典: corporate.ai-con.lawyer

このうち定時株主総会は、毎事業年度の終了後、一定の時期に招集することが会社法で決められている。条文そのものはe-Gov法令検索で読める。臨時株主総会が「必要があるときにいつでも」開けるのに対して、定時は開催しないという選択肢がない。

では「一定の時期」とはいつか。会社法は具体的な日数を書いていない。実務で決算日から3か月以内に開く会社が多いのは、多くの会社が定款で決算日を基準日としているからだ。基準日とは、その日に株主名簿に載っている人を「権利を使える株主」として扱うために定める日のことで、基準日の株主が権利を行使できる期間は基準日から3か月以内と会社法が定めている。つまり、決算日を基準日にしている会社が決算日から3か月を過ぎて総会を開くと、その総会で議決権を使える株主がいないという矛盾が生じる。

法人税の申告期限が事業年度終了から原則2か月以内であることも、開催時期を前倒しする要因になる。申告には決算を確定させる必要があり、取締役会を置いていない会社では、定時株主総会で計算書類の承認を受けて決算が確定する。3月決算の会社が5月から6月に総会を開くのは、こうした事情が重なった結果だ。

定款に「事業年度終了後3か月以内に招集する」と書いてある会社も多い。まずは自社の定款を開いて、基準日と招集時期の定めを確認するところから始めたい。

招集通知はいつまでに出すのか

総会を開くには、株主に日時と場所を知らせる必要がある。この通知を出す期限が、会社の作りによって変わる。

原則は総会の日の2週間前までだ。ただし、株式の譲渡に会社の承認が要る会社、いわゆる非公開会社であれば1週間前までに短縮される。さらに、取締役会を置いていない非公開会社であれば、定款でこれより短い期間を定めることもできる。書面や電子データで議決権を行使できる仕組みを入れている場合は、この短縮は使えない。

通知の方法も、会社の作りで変わる。取締役会を置いている会社は書面で出すことになっている。取締役会を置いていない会社は、書面でなくてもよい。口頭や電子メールでも通知として成立する。ただし、あとから「聞いていない」と言われたときに示す材料が残らないので、メールなど記録の残る方法を選んでおくのが無難だろう。

株主が全員そろって同意すれば、招集の手続きそのものを省いて総会を開くこともできる。ひとり会社や家族だけの会社ではこの形が実態に近い。この場合、議事録の冒頭に「株主全員の同意があったので招集手続きを省略し」といった一文を入れておくと、なぜ通知の記録がないのかが読み手に伝わる。

招集通知の期限は、議事録の日付と矛盾しやすいポイントでもある。議事録に書いた開催日から逆算して、通知を出した日が期限内に収まっているか。登記に使う議事録では、法務局がここを見る。

定時株主総会で必ず出てくる議案

定時株主総会の議案は、毎年出てくるものと、任期の年だけ出てくるものに分かれる。

毎年出てくるのが計算書類の承認だ。 計算書類とは、その期の成績をまとめた書類のことで、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つを指す。取締役会を置いていない会社では、取締役がこれを定時株主総会に提出し、承認を受ける。承認を受けて初めて、その期の決算が確定する。

事業報告は扱いが違う。こちらは承認ではなく報告だ。取締役が内容を総会に報告する形になるので、議事録には「承認可決した」ではなく「報告した」と書く。ここを取り違えて事業報告まで「承認可決」としてしまう例は多い。

配当を出すなら、その決議も毎年の議案になる。 いくらをいつ誰に配るかを総会で決める。ひとり会社では配当を出さず役員報酬で取る形が多いので、この議案が立たない年もある。

役員報酬を決めるのも総会の役割だ。 取締役の報酬は、定款に金額を書いていなければ株主総会の決議で決めることになっている。総額の上限だけを総会で決めて、個々の配分は取締役に任せるやり方が一般的だ。税務上、役員報酬をいつから変えたかが問題になる場面があるため、決めた日と適用開始の時期を議事録に明確に書いておきたい。個別の税務上の扱いは金額や事情で変わるので、迷う場合は税務署か税理士に確認する必要がある。

任期が満了する年には、役員の選び直しが加わる。 取締役の任期は、原則として選任後2年以内に終わる事業年度のうち最後のものに関する定時株主総会の終結時までとされている。非公開会社であれば、定款で最長10年まで伸ばせる。同じ人が続けて就任することを重任と呼び、議事録にも「再選重任」と書く。

定時株主総会議事録のひな形

法務局が公開している商業・法人登記の申請書様式には、役員変更登記の記載例の中に定時株主総会議事録の例が載っている。これを土台に、決算承認と役員の重任を扱う形を示す。空欄の記号はテンプレートを示す印で、実際には自社の情報を入れる。

第◯回定時株主総会議事録

令和◯年◯月◯日午前◯時◯分から、当会社の本店において定時株主総会を開催した。

 株主の総数                                ◯名
 発行済株式の総数                          ◯◯◯株
 議決権を行使することができる株主の数        ◯名
 議決権を行使することができる株主の議決権の数  ◯◯◯個
 出席株主数(委任状による者を含む)          ◯名
 出席株主の議決権の数                      ◯◯◯個
 出席取締役 ◯◯◯◯(議長兼議事録作成者)
       ◯◯◯◯
 出席監査役 ◯◯◯◯

以上のとおり株主の出席があったので、定款の定めにより代表取締役◯◯◯◯は議長席につき、
本定時総会は適法に成立したので、開会する旨を宣し、直ちに議事に入った。

 報告事項 第◯期事業報告の内容
 議長は、第◯期の事業の状況について報告した。

 第1号議案 第◯期計算書類の承認に関する件
 議長が上記議案を付議したところ、監査役◯◯◯◯は、下記書類につき綿密に調査し、
 いずれも正確かつ適当であることを認めた旨を報告した。
 ここにおいて、総会は満場異議なくこれを承認可決した。
  1 貸借対照表
  2 損益計算書
  3 株主資本等変動計算書
  4 個別注記表

 第2号議案 取締役及び監査役の任期満了に伴う改選に関する件
 議長は、取締役及び監査役の全員が本定時総会の終結と同時に任期満了し退任することに
 なるので、その改選の必要がある旨を述べ、その選任方法を諮ったところ、出席株主中から
 議長の指名に一任したいとの発言があり、一同これを承認したので、議長は下記の者を
 それぞれ指名し、これらの者につきその可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成した
 ので、下記のとおり再選重任することに可決確定した。
  取締役 ◯◯◯◯
  同   ◯◯◯◯
  監査役 ◯◯◯◯
 なお、被選任者は、いずれも席上その就任を承諾した。

議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、午前◯時◯分閉会した。
上記の決議を明確にするため、この議事録を作り、議長、出席取締役及び出席監査役が
これに記名押印する。

 令和◯年◯月◯日
   ◯◯株式会社 第◯回定時株主総会
     代表取締役 ◯◯◯◯  印
     取締役   ◯◯◯◯  印
     監査役   ◯◯◯◯  印

ひな形をそのままコピーして使うときは、自社に当てはまらない行が残っていないかを必ず目で確認したい。前年の議事録を土台にする場合も同じで、前期の数字や前年の日付が残ったまま提出してしまう事故が起きやすい。

監査役を置いていない会社では、監査役に関する行をすべて削る。取締役がひとりの会社では、出席取締役の欄が1名になり、末尾の署名も1名になる。行を削ること自体に問題はない。

決議の書き方で気をつけること

議事録の本体は議案ごとの記述だ。1つの議案につき、議長が付議したこと、説明した内容、諮った結果の3つを書く。

結果の書き方には幅がある。「満場異議なくこれを承認可決した」は、出席した株主の全員が賛成したという意味だ。反対がいた場合は「出席株主の議決権の過半数の賛成により可決した」のように、賛成がどれだけあったかが分かる形にする。

ここで注意したいのが、議案の種類によって必要な賛成の量が変わる点だ。通常の議案は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数で決まる。これに対して、定款の変更、資本金の額の減少、事業の重要な一部の譲渡といった重い議案では、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が要る。

冒頭に書いた出席株主の議決権の数と、結果の書き方がかみ合っているかは必ず確認する。定足数に届いていない数字を書いたまま「可決した」と結んでいる議事録は、読んだ側に「この決議は成立していない」と受け取られる。

議事の経過は、あらすじで足りる。発言を一字一句書き起こす必要はない。

定時株主総会議事録のテンプレートでは、上のように、決議事項ごとに時系列に沿って、議長が説明を行い、承認を求め、監査役が報告を行い、総会によって承認可決された経過を記載しています。 出典: komon-lawyer.jp

時系列に沿って並べるという点が要点だ。開会、議案ごとの審議、閉会。この順番が崩れていると、読み手は何がいつ決まったのかを追えなくなる。

役員の重任がある年は、登記までがセットになる

役員の任期が満了して選び直した年は、議事録を作って終わりではない。法務局に役員変更の登記を申請する必要がある。

申請の期限は、事項が発生してから2週間以内だ。総会の日がその起算点になる。遅れても申請自体は受け付けられるが、代表者に対して裁判所から100万円以下の過料が科される可能性がある。

登録免許税は、資本金の額が1億円を超える会社で3万円、1億円以下の会社で1万円だ。収入印紙か領収証書で納める。

添付する書類は、株主総会議事録のほか、株主リストが要る。株主リストとは、議決権の多い上位10名の株主か、議決権の割合を上から足して3分の2に達するまでの株主か、少ないほうについて、氏名または名称、住所、株式数、議決権数、議決権数の割合を並べ、代表者が証明する書類だ。書式とExcelの記載例は法務省のページから入手できる。

就任承諾書は、議事録に「被選任者は、いずれも席上その就任を承諾した」と書いてあれば省ける。その場合、申請書に「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する」と書き添える。ひな形にこの一文を入れておくのは、書類を1枚減らすための工夫でもある。

押印については、代表取締役が変わらず再任されるだけなら、個人の印鑑証明書は通常求められない。取締役会を置いていない会社で株主総会によって新しい代表取締役を決めた場合は、議長と出席取締役が押した印の印鑑証明書が要る。ただし、その印が前の代表取締役が法務局に届け出ている印と同じであれば添付は不要だ。

総会を開かずに決算を承認することもできる

株主が少ない会社では、全員が実際に集まる総会を開くほうが不自然な場合もある。会社法は、取締役または株主が議案を提案し、議決権を行使できる株主の全員が書面または電子データで同意したときは、その提案を可決する決議があったものとみなす仕組みを置いている。

定時株主総会の議案すべてについてこの方法で決議があったとみなされた場合、その時点で定時株主総会が終結したものとみなされる。役員の任期は定時株主総会の終結時までで区切られるので、この「みなされた日」が任期の起算点にも終点にもなる。登記の期限もこの日から数える。

この方法を使った場合の議事録は、書く項目が変わる。会議を開いていないので、開催の日時や場所、議事の経過は書かない。代わりに、決議があったとみなされた事項の内容、その提案をした人の氏名または名称、決議があったとみなされた日、議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名の4点を書く。

事業報告のように、決議ではなく報告で足りる事項についても、株主全員に通知したうえで全員が同意すれば、報告があったものとみなす仕組みがある。こちらを使った場合は、報告があったとみなされた事項の内容、みなされた日、作成した取締役の氏名を書く。

注意したいのは、集めた同意書そのものも保存が必要な点だ。同意の書面または電子データは、決議があったとみなされた日から10年間、本店に備え置く。議事録を作ったから同意書は捨ててよい、とはならない。登記に使う場合は株主リストも別途必要になる。

保存の期間と、毎年の段取り

作った議事録は、総会の日から10年間、本店に備え置く。支店があるなら写しを5年間その支店に置くが、電子データで作っていて支店で閲覧請求に応じられる措置をとっているなら、支店に置かなくてよい。

保存しなかった場合には過料の対象になりうる。

会社が上記の保管義務に違反した場合、取締役、監査役等は100万円以下の過料に処せられるおそれがあるため注意が必要です(会社法976条8号)。 出典: komon-lawyer.jp

税務の側からも保存の話が来る。国税庁の帳簿書類等の保存期間によれば、法人は帳簿と取引に関する書類を、確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する。欠損金が生じた事業年度については10年間だ。決算書類と議事録を同じファイルにまとめておけば、どちらの要請にもまとめて応えられる。

毎年の段取りとしては、決算日が来たら計算書類をまとめ、招集通知を出し、総会を開き、議事録を作り、任期の年なら登記を申請する。この順番を1本の流れとして固定してしまうのが、最も効率がよい。1年目に苦労して型を作れば、2年目からは日付と数字を差し替えるだけの作業になる。

10年を過ぎれば法律上の保存義務はなくなるが、廃棄する理由はほとんどない。過去の決議が争点になったときに証拠として出せるのは、残っている場合だけだ。

配当と役員報酬を決める年の書き方

決算の承認と役員の改選のほかに、金銭の動きを伴う議案が立つ年がある。書き方を誤ると、あとで税務の説明がしにくくなる領域なので、分けて扱う。

配当を出す場合、議案には配当する財産の種類と総額、株主への割当てに関する事項、効力が生じる日の3点が含まれる。議事録には「1株につき金◯円、総額金◯円を、令和◯年◯月◯日から支払う」といった形で、金額と日付が読み取れるように書く。金額をぼかした書き方にすると、実際に払った額との対応がつかなくなる。

役員報酬の議案は、書き方に2通りある。ひとつは、取締役全員の報酬の総額の上限だけを総会で決め、個々の配分は取締役に任せる方法。もうひとつは、個人ごとの金額まで総会で決める方法だ。取締役がひとりの会社では後者のほうが素直で、「取締役の報酬を月額金◯円とし、令和◯年◯月分から支給する」と書く。

ここで大事なのは、いつから適用するかを必ず書くことだ。税務上、役員報酬は毎月同じ額を支払うという条件を満たさないと経費として扱いにくい場面があり、金額を変えたタイミングが論点になりうる。総会で決めた日と、支給を始める月の両方を書いておけば、あとから時系列を説明できる。個別の扱いは金額や事情によって変わるため、判断に迷う場合は税務署か税理士に確認したい。

役員退職金を出す年も同様だ。誰にいくら、いつ支払うかを議案として立て、決議した記録を残す。支給額の算定根拠まで議事録に書くかどうかは会社によるが、少なくとも決議があったことは残しておく。

なお、これらの議案は登記とは無関係だ。配当も役員報酬も登記簿には載らないので、法務局に出す必要はない。ただし議事録としては同じ1通にまとめて作り、10年間保存する。

毎年繰り返しやすい書き損じ

定時株主総会の議事録は毎年作るため、前年のファイルを開いて上書きするやり方が定着しやすい。効率はよいが、そのぶん決まった箇所でつまずく。

最も多いのが日付の残りだ。表題の回数、開催日、閉会の時刻、末尾の作成日。このどれかが前年のまま残る。特に末尾の作成日は視線が届きにくく、提出してから気づくことになる。作り終えたら、文書内の年月日をすべて拾って読み直すのが確実だ。

次に多いのが数字の残りだ。発行済株式の総数や議決権の数は、増資や株式の移動がなければ変わらないが、変わった年に限って更新を忘れる。1年の間に株式を動かしたかどうかを、議事録を書く前に確認しておきたい。

3つ目が、機関設計と本文の食い違いだ。監査役を置いていない会社なのに、前年のひな形から引き継いだ「監査役は下記書類につき綿密に調査し」という一文が残っている。存在しない役員が登場する議事録は、読んだ側にそのまま矛盾として伝わる。

4つ目が、決議の結果と数字の食い違いだ。冒頭に書いた出席株主の議決権の数が、決議に必要な数に届いていないのに「満場異議なく可決」と結んでいる。登記に使う議事録では、ここを法務局が見る。

5つ目が、登記の期限だ。役員が重任した年は、総会の日から2週間以内に申請する。議事録を作った時点で満足してしまい、申請を忘れたまま数か月が過ぎる例がある。任期の年は、総会の予定と一緒に登記申請の予定もカレンダーに入れておきたい。

防ぐ方法として現実的なのは、前年のファイルを直接上書きせず、空欄だけを残した自社用のひな形を別に持っておくことだ。毎年そのひな形から書き起こせば、前年の数字が残る余地がなくなる。

毎年の事務を型にすると、本業の時間が戻る

在宅で働く人や小さな会社を長く見てきた立場から言えば、定時株主総会のような年1回の事務は、型を持っているかどうかで負担がまるで違う。毎年ゼロから調べ直している会社は、毎年同じところでつまずく。開催時期はいつまでか、招集通知は何日前か、登記はいつまでか。調べ直す時間そのものがコストになる。

運営者として見てきた限りでは、長く続く事業者ほど、この種の事務をカレンダーに埋め込んでいる。決算日から逆算した日付に通知の作成、総会、議事録、登記申請の予定が入っていて、来た順にこなす。判断を毎年やり直さないので、本業に使える時間が戻ってくる。

文書の型そのものを体系的に身につけたいなら、ビジネス文書の構成や敬語の使い方を扱うビジネス文書検定の学習範囲が実務のチェックリストとして機能する。議事録に限らず、報告書や通知文の組み立てまで同じ考え方で通る。

事務を自分で抱えきれなくなったときは、外に出す選択肢を検討することになる。文書の作成や編集を仕事にしている人の単価の目安は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認でき、依頼するときの予算感を作る材料になる。業務システムを内製するか委託するかを考えているならソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になる。

どんな業務が在宅で受け渡しされているかを知っておくと、自社のどこを切り出せるかの判断がしやすい。開発の委託はアプリケーション開発のお仕事、業務の進め方そのものの相談はAIコンサル・業務活用支援のお仕事、集客やセキュリティまで含めた領域はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が、それぞれ市場の様子をつかむ入口になる。技術系の委託先を見極める目を養いたいなら、ネットワークの基礎を問うCCNA(シスコ技術者認定)の出題範囲に目を通しておくと提案書を読み解ける。

外注するときは、支払いと契約の条件も一緒に整えておきたい。発注書に何を書くべきかはフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストにまとめてある。支払いでもめた場合の進め方は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】が実務的だ。決算や税務の相談相手を探しているなら、その分野の専門家がどう働いているかを知る意味で会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】も参考になる。

20年この市場を見てきて確かなのは、中間業者を挟まない直接の取引では、同じ予算でも依頼側はより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなるということだ。手数料0%という条件の値打ちは、金額の多寡よりも、双方が納得して関係を長く続けやすいという質にある。毎年の議事録を欠かさず残している会社は、その関係を支える信用の土台も同時に積み上げている。

議事録に必ず書く6つの項目

会社法施行規則は、株主総会の議事録に何を書くかを具体的に並べている。毎年の書式を自社で作るなら、この6つを土台にすると抜けが出ない。

1つ目が、開催した日時と場所だ。ここには、その場所にいない取締役や株主が総会に出席した場合の出席の方法も含めると書かれている。2つ目が、議事の経過の要領とその結果。3つ目が、監査役などが法律にもとづいて総会で述べた意見や発言があるときの、その概要。4つ目が、出席した取締役、会計参与、監査役、会計監査人の氏名または名称。5つ目が、議長がいるときの議長の氏名。6つ目が、議事録を作る職務を行った取締役の氏名になる。条文そのものはe-Gov法令検索の会社法施行規則で読める。

見落としやすいのが6つ目だ。議事録の末尾に「議事録作成者 取締役 ◯◯」と書いておけば足りるのだが、議長の氏名だけを書いて作成者を書いていない議事録は珍しくない。取締役がひとりの会社では議長と作成者が同じ人になるので、「議長兼議事録作成者」とまとめて書く形でよい。

1つ目のカッコ書きも、近年は効いてくる項目になった。会議室に集まらず、遠方の株主や取締役がオンラインで参加した場合は、その出席の方法を書く。「取締役◯◯はウェブ会議システムにより出席し、相互に映像と音声を送受信して即時に意見を交換できる状態であった」といった一文を入れておけば、出席として扱った根拠が議事録の上で読み取れる。逆に、実際はオンラインで参加した人がいるのに「本店会議室に出席」とだけ書いてあると、記録と実態がずれる。

署名と押印は、実は法律上の要件ではない

株主総会議事録には議長と出席取締役の署名押印が要ると思われがちだが、会社法は株主総会議事録について署名や押印を義務づけていない。上に挙げた6項目が書かれていれば、法律の要件としては足りている。署名押印が条文の上で求められているのは取締役会議事録のほうで、こちらは出席した取締役と監査役が署名するか記名押印することになっている。

では、なぜ実務では押すのか。理由は2つある。ひとつは、登記に使う場面があるからだ。法務局に出す議事録では、場面によって議長や出席取締役の押印と、その印鑑証明書が求められる。もうひとつは、作った議事録が本物であることを後から示す材料になるからだ。押印のない議事録は、内容を争われたときに誰が作ったのかを示しにくい。

登記に使う予定がない年の議事録でも、慣行として議長と出席取締役が記名押印している会社が多い。手間はほとんどかからないので、型として押しておいて損はない。電子データで作って電子署名を付ける形も認められているが、その場合は使える電子署名の種類が場面ごとに決まっているため、登記に使う予定があるなら事前に法務局へ確認しておきたい。

3月決算の会社の1年を、日付で並べてみる

制度の説明だけでは動きにくいので、3月31日を決算日とする非公開会社を例に、1年の流れを日付順に並べておく。日付は会社の事情で前後するが、順番と間隔の感覚はつかめる。

4月から5月にかけて、計算書類をまとめる。貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つを作り、事業報告も用意する。ここは税理士に任せている会社が多い区間だ。

5月中旬までに、招集通知を出す。非公開会社なら総会の1週間前まで、それ以外は2週間前までが期限になる。株主全員の同意で招集手続きを省く場合も、その同意を取り付けるのはこの時期だ。

5月下旬に総会を開き、計算書類を承認する。任期が満了する年なら、ここで役員の選び直しも決議する。

総会が終わったら、その場で議事録を作る。記憶が新しいうちに書き上げるのが結局いちばん早い。任期の年は、総会の日から2週間以内に法務局へ役員変更の登記を申請する。5月下旬に総会を開いたなら、6月上旬が申請の締切になる。

5月31日までに、法人税の申告と納付を済ませる。事業年度の終了から原則2か月以内という期限があるためで、総会で決算を確定させてからこの期限に間に合わせる必要がある。申告期限の延長を申請している会社はこの限りではない。

6月以降は、作った議事録を本店に備え置く。ここから10年間の保存が始まる。

この流れをカレンダーに一度入れてしまえば、翌年からは日付を1年ずらすだけで済む。毎年ゼロから段取りを組み立て直す時間が、そのまま浮く。

よくある質問

Q. 定時株主総会はいつまでに開けばよいですか?

会社法は「毎事業年度の終了後一定の時期」としか定めていませんが、実務では決算日から3か月以内に開く会社が多いです。決算日を基準日と定めている場合、基準日の株主が権利を行使できる期間が3か月以内とされているためです。まず自社の定款で基準日と招集時期の定めを確認してください。

Q. 事業報告も「承認可決した」と書いてよいですか?

いけません。計算書類は定時株主総会の承認を受けるものですが、事業報告は取締役が内容を報告するものです。議事録には「報告した」と書きます。ここを取り違えて事業報告まで承認可決としている例は多く、書類の整合性を見られる場面でつまずく原因になります。

Q. 役員が重任した年は何をすればよいですか?

議事録を作ったうえで、法務局に役員変更の登記を申請します。期限は総会の日から2週間以内で、遅れると代表者に100万円以下の過料が科される可能性があります。登録免許税は資本金1億円以下で1万円、1億円超で3万円です。添付書類として議事録のほか株主リストが必要になります。

Q. 実際に集まらずに定時株主総会を済ませることはできますか?

できます。議案について議決権を行使できる株主の全員が書面または電子データで同意すれば、可決する決議があったものとみなされます。すべての議案についてみなされた場合、その時点で定時株主総会が終結したものとみなされます。この場合の議事録は書く項目が変わり、同意書自体も10年間の保存が必要です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月16日最終更新:2026年9月19日
丸山 桃子

この記事を書いた人

丸山 桃子@SOHO編集部

アパレルEC運営支援・SNSコンサル

アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。

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