穴吹ハウジングサービスのランサムウェア被害|個人情報 207,773件が漏えいした可能性 確定件数と対象の確かめ方 2026


この記事のポイント
- ✓穴吹ハウジングサービスの情報漏洩について
- ✓2026年2月の第1報から5月21日の第6報までの公式発表を整理
- ✓外部へ漏えいした可能性のある個人情報207,773件の区分と項目
穴吹ハウジングサービスの情報漏洩について、株式会社穴吹ハウジングサービス(香川県高松市)は2026年2月3日にランサムウェアの被害を第1報で公表し、2026年5月21日の第6報で、外部へ漏えいした可能性のある個人情報の件数が207,773件であることが最終的に確認されたと発表しました。対象はマンション管理や賃貸仲介の客、公営住宅の入居者、取引先、グループの役員と従業員などの情報の一部で、区分によって氏名、住所、電話番号、生年月日、メールアドレス、口座情報などが含まれます。 対象かもしれない人がまずすることは、会社から届く個別の通知を確かめること、管理会社や関係機関を名乗る電話・メール・郵便で振込先の変更やお金の話が出たら応じずに切ること、分からないことは専用の窓口(0800-111-7120)に聞くことです。 2026年11月1日時点で、第6報より後に件数や対象を改めた続報は公式サイトに掲載されておらず、二次被害は確認されていないとされています。
この記事は、2026年11月1日時点で穴吹ハウジングサービスの公式サイトのお知らせ一覧と、第1報から第6報、公営住宅に関する個別のお知らせを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の件数や、攻撃した側についての情報は入れていません。なお、名前が似ている穴吹興産は別の会社で、この記事は穴吹ハウジングサービス(あなぶきハウジンググループ)の発表だけを扱います。
穴吹ハウジングサービスのランサムウェア被害で何が起きたのか
穴吹ハウジングサービスは、分譲マンションの管理、賃貸の仲介と管理、公営住宅の指定管理などを手がける会社です。2026年2月3日の早朝、同社の一部のサーバーでランサムウェアによる被害が発生していることが確認されました。ランサムウェアとは、パソコンやサーバーのデータを暗号化して使えない状態にし、元に戻す見返りとしてお金を要求する不正なプログラムのことです。警察庁のランサムウェア被害防止対策のページは、最近はデータを暗号化するだけでなく、盗んだうえで「支払わなければ公開する」と迫る二重恐喝が被害の多くを占めると説明しています。
今回の件もその形で、会社は第4報で、攻撃者により公開された情報の中に同社に関連するとみられる情報が掲載されていることを確認し、個人情報を含む情報が外部に漏えいした事実を確認したと発表しました。その後、流出したファイルを1件ずつ確かめる作業を続け、第6報で件数を確定させています。
確定した件数は207,773件で、会社はこれを「外部へ漏えいした可能性のある個人情報の件数」と表現しています。この記事でもその言い方のまま書きます。一方で、第4報や公営住宅のお知らせには「漏えいした事実を確認」という表現もあり、段階によって言い方が違います。どの時点の発表で何と書かれていたかは、次の節で順に整理します。
もう1つ押さえておきたいのは、攻撃者が公開した情報の扱いです。第6報は、公開された情報は一般的な検索エンジンなどを通じて誰でも簡単に見られる場所に掲載されていたものではないと書いています。ただし、悪用されて不審な電話やメール、郵便物が届く可能性はあるとして、注意を呼びかけています。誰でも見られるわけではないことと、悪用のおそれがないことは別の話なので、対象の人は備えを進めておくのが安全です。
公表の経緯と各報で分かったこと
穴吹ハウジングサービスは、2026年2月から5月にかけて第1報から第6報までを公式サイトのお知らせに掲載しました。日付と、それぞれで分かったことを並べると次のとおりです。
| 公表日 | 発表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年2月3日 | 第1報 | 一部のサーバーでランサムウェアの被害。外部ネットワークを遮断し、流出の可能性は調査中 |
| 2026年2月6日 | 第2報 | 2月3日5時28分にアラートを確認。対策本部と5つのチームを立ち上げ。流出は確認されていない |
| 2026年2月12日 | 第3報 | 一部の情報資産で情報漏洩を確認。その他の情報も漏洩の可能性を完全には否定できない |
| 2026年3月2日 | 現在の状況 | 新たに公表すべき事実はない。情報の不正利用などの被害は確認されていない |
| 2026年3月9日 | 第4報 | 攻撃者が公開した情報の中に同社の情報。漏えいの恐れのある個人情報は約496,000名分 |
| 2026年4月3日 | 第5報 | グループ会社の通信機器への攻撃から侵入。ファイルサーバーから約21万件のファイルが外部に流出 |
| 2026年4月17日 | 松山市営住宅 | 入居者の個人情報7,237件の漏えいを確認 |
| 2026年4月28日 | 窓口の変更 | 5月1日から専用窓口の電話番号が0800-111-7120に変わる |
| 2026年5月12日 | 香川県営住宅 | 入居者の個人情報474件の漏えいを確認 |
| 2026年5月21日 | 第6報 | 外部へ漏えいした可能性のある個人情報は207,773件と最終的に確認 |
第1報と第2報の段階では、外部への流出は確認されていないとされていました。第3報で「一部の情報資産について情報漏洩が確認」と書かれ、第4報で攻撃者による公開が確認されたことで、件数の見込みが初めて示されました。
第5報で分かったのは、流出したのが「約21万件のファイル」だという点です。会社はこれをファイル単位の数字だとし、ファイルの中にどれだけ個人情報が含まれているかは確認中だと書いていました。そのうえで、流出したファイル名とバックアップのデータを突き合わせ、1つずつ中身を確かめる作業を進めていると説明しています。第6報の207,773件は、この作業の結果として出てきた数字です。ファイルの数と人の情報の件数は別の数字なので、約21万件と207,773件を同じものとして読まないようにします。
第6報のあと、お知らせ一覧には業務の再開やセミナーの案内、サイトの停止と復旧のお知らせが続いていますが、件数や対象を改めた続報は2026年11月1日時点で掲載されていません。
確定件数207,773件と約49万6千件の違い
この件を検索すると、「約49万6千件」と「207,773件」の2つの数字が出てきます。どちらも会社の発表にある数字ですが、意味が違います。
約496,000名分は、2026年3月9日の第4報で示された数字です。第4報は「現時点で漏えいの可能性が否定できない個人情報」として、この数字を挙げていました。攻撃者が公開した情報を精査している途中の段階で、漏えいの恐れがある範囲を広めに見積もった数字と読めます。
207,773件は、2026年5月21日の第6報で示された数字です。第6報は、流出が確認されたファイルの内容を精査した結果、外部へ漏えいした可能性のある個人情報の件数が207,773件であることが「最終的に確認」されたと書いています。第6報自身も、第2報以降の公表で「最大で約49万6千件の個人情報が漏えいした可能性がある」と報告してきたと振り返っています。
流出が確認されたファイルの内容精査を行った結果、本事案において外部へ漏えいした可能性のある個人情報の件数は、207,773件であることが最終的に確認されました。 出典: anabuki-housing.co.jp
つまり、現在の確定件数は207,773件で、約49万6千件は調査の途中で示された見込みです。古い記事やSNSの投稿で約49万6千件を見かけても、それは第4報の時点の数字だと考えてください。
注意したいのは、件数が減ったからといって自分が対象から外れたとは限らない点です。第4報の時点で通知や案内を受けた人が、第6報の確定でどう扱われるかは、個別の通知で確かめるしかありません。不安がある人は、後半で紹介する専用窓口に、自分が対象に含まれているかを尋ねるのが確実です。
漏えいした可能性がある情報と区分ごとの件数
第6報には、対象者の区分ごとに漏えい件数と漏えい内容を並べた表が掲載されています。内容を書き写すと次のとおりです。会社は、表の情報は対象者全員に共通するものではなく、対象者ごとに該当する情報が異なると注意書きをしています。
| 対象者の区分 | 漏えい件数 | 漏えい内容 |
|---|---|---|
| 分譲マンション管理業務に係るお客様情報の一部 | 154,723件 | 氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、メールアドレス、口座情報 |
| 賃貸仲介および賃貸マンション管理業務に係るお客様情報の一部 | 17,594件 | 氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、メールアドレス、企業名、所属、口座情報 |
| 公営住宅管理業務に係るお客様情報の一部 | 7,711件 | 氏名、団地名、部屋番号、電話番号、生活保護受給の有無、障がい者手帳等の有無 |
| 上記以外の部署およびグループ会社の事業に係るお客様情報の一部 | 17,919件 | 住所、氏名、電話番号、性別、企業名、所属 |
| グループの役員、従業員および元従業員の情報の一部 | 9,826件 | 氏名、所属、住所、電話番号、生年月日、性別、社用メールアドレス、運転免許証、口座情報 |
5つの区分の件数を合計すると207,773件になり、第6報の確定件数と一致します。最も多いのは分譲マンションの管理に関わる客の情報で、全体のおよそ4分の3を占めます。
口座情報の扱いには注意が要ります。第4報の時点では、クレジットカード情報、金融機関口座情報、マイナンバー(特定個人情報)は含まれていないことを確認していると書かれていました。しかし、第6報の表では、分譲マンション、賃貸、グループの役員と従業員の区分で「口座情報」が漏えい内容に挙がっています。最新の発表は第6報なので、口座情報が含まれる区分があるという前提で考えるのが安全です。どの人の情報に口座情報が含まれるかは、対象者ごとに違うとされています。
クレジットカード番号とマイナンバーは、第6報の表の漏えい内容には挙がっていません。ただし、第6報の本文には「含まれない」とする一文はありません。第4報の時点の記載と、第6報の表に項目がないことの2つから読み取れる範囲にとどめ、自分の情報について確かめたい人は通知書と窓口で確認してください。
会社の「個人情報漏えいに関するFAQ」は、どんな情報が漏えいしているかという問いに、現在確認できているのは本人通知書に記載の範囲で、それ以外の情報について漏えいが確認されている事実はないと答えています。自分の情報のどの項目が対象かは、手元の通知書が最も確かな資料です。
公営住宅の入居者の情報について
公営住宅の区分の7,711件については、自治体ごとの個別のお知らせも出ています。穴吹ハウジングサービスは、松山市営住宅と香川県営住宅の指定管理者として、それぞれの入居者に向けて発表しました。指定管理者とは、自治体に代わって公の施設の管理や運営を任される事業者のことです。
2026年4月17日の松山市営住宅に関するお知らせでは、漏えいが確認されている個人情報は7,237件で、内訳は次のとおりとされています。
- 氏名・団地名・部屋番号・生年月日:7,237件
- 生活保護受給の有無:488件
- 障がい者手帳等の有無:663件
同じお知らせで、金融機関口座情報とマイナンバー(特定個人情報)が漏えいした事実は確認されていないとされています。
2026年5月12日の香川県営住宅に関するお知らせでは、対象件数は474件で、内訳は氏名・団地名・部屋番号・電話番号が397件、氏名・団地名・部屋番号が77件とされています。
松山市営住宅の7,237件と香川県営住宅の474件を合わせると7,711件になり、第6報の公営住宅の区分の件数と一致します。第6報の表にある生年月日は、公営住宅の区分の項目には書かれていませんが、松山市営住宅のお知らせには生年月日が含まれています。公営住宅に住んでいる人は、第6報の表だけでなく、自分の住む自治体のお知らせも確かめてください。
生活保護の受給の有無や障害者手帳の有無は、他人に知られたくない人が多い情報です。個人情報保護委員会は、身体障害や知的障害、精神障害などの障害があることを、とくに慎重な扱いが求められる要配慮個人情報の1つに挙げています。こうした情報が含まれる人は、福祉の窓口や役所を名乗る連絡で、手続きのためと称して口座番号や暗証番号を聞かれても答えず、自分で調べた役所の代表番号にかけ直して確かめるようにします。
原因として発表されていること
原因については、第5報と第6報で説明が出ています。
第5報は、外部の専門機関による調査の結果、グループ会社の通信機器への攻撃により社内ネットワークへの不正アクセスが行われたことが判明したと書いています。侵入した後は、業務時間外を中心にリモートデスクトップなどを使って複数のサーバーへのログインを試し、管理者の権限を不正に奪ったうえでネットワーク全体へ侵入の範囲を広げ、複数のサーバーにランサムウェアを展開してファイルを暗号化したとされています。リモートデスクトップとは、離れた場所のパソコンやサーバーを手元の画面から操作する仕組みのことです。
第6報は、発生原因を次のようにまとめています。
本件の発生原因はグループ会社におけるネットワーク機器の脆弱性を突かれてランサムウェアの侵入を許し、またその後の横展開を抑止できなかったことでした。 出典: anabuki-housing.co.jp
脆弱性とは、機器やソフトウェアにある、攻撃に使われうる弱点のことです。横展開とは、最初に入り込んだ場所から社内の別のサーバーやパソコンへ次々と侵入を広げることを指します。警察庁は、VPN機器などインターネットに面した箇所から、修正されていない脆弱性や漏えいした認証情報、簡単なパスワードなどを悪用して侵入する手口が多くを占めると説明しており、今回の発表の内容もこの流れに沿っています。
どの機器のどの脆弱性だったか、攻撃者が誰かといった詳しい内容は、会社の発表には書かれていません。第3報では、被害の拡大防止と関係機関との連携の観点から、ランサムウェアの詳細は公表を差し控えるとしていました。この記事でも、発表にない内容は推測で書きません。
穴吹ハウジングサービスの対応と再発防止策
会社が発表している対応は、大きく分けて通知、報告、再発防止の3つです。
通知について、第6報は、漏えいが確認された人に順次個別に連絡しているとしています。個別に連絡するのが難しい場合は、ホームページでの公表をもって通知に代えるとしています。つまり、住所が変わっているなどの理由で通知が届かない人もいて、その人にとってはホームページの公表が通知の役割を果たす、という扱いです。
報告について、第6報は、個人情報保護委員会をはじめ、国土交通省四国地方整備局、関東地方整備局、沖縄総合事務局、四国財務局などの関係機関に必要な報告をしているとしています。第4報では警察への報告にも触れています。
再発防止策として、第6報は次のような対策を挙げています。
- 従来のネットワークをVPN機器も含めてすべて利用停止
- 被害の程度を問わずパソコンを全台入れ替え
- 利用しているクラウドサービスのユーザーIDの棚卸し、アクセスログの確認、パスワードの変更、多要素認証の導入
- 認証と権限管理の基盤をクラウド型へ移し、多要素認証とIDの統合を進める
- パソコンやサーバーの監視を強化し、24時間365日の監視体制を作る
- ゼロトラストの考え方を取り入れたネットワークへの移行
- セキュリティ教育と、社内の規範や体制の立て直し
ゼロトラストとは、社内のネットワークの中にいる相手でも無条件には信用せず、通信のたびに正しい相手かを確かめる考え方です。第6報は、これまでの「外は危険、中は安全」という考え方から、「すべてを疑う」考え方に切り替えると説明しています。
補償やお詫びの品については、第1報から第6報までのどの発表にも記載がありません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。ほかの会社の事案で補償がどう扱われてきたかを知りたい人は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026が参考になります。
自分が対象かを確かめる方法
自分の情報が207,773件に含まれているかは、次の順で確かめます。
- 穴吹ハウジングサービスから届いた郵便やメールに、本人通知書がないかを探す
- 自分がどの区分に当たるかを考える(分譲マンションの区分所有者や居住者、賃貸の入居者や家主、公営住宅の入居者、取引先、元従業員など)
- 公営住宅に住んでいる人は、松山市営住宅と香川県営住宅のお知らせを確かめる
- 通知が見当たらず不安が残る人は、専用の窓口に電話して、自分が対象に含まれるかを尋ねる
会社のFAQは、漏えいしている情報の範囲について、本人通知書に記載の範囲だと答えています。通知書には、どの項目が対象かが書かれているはずなので、届いている人はまずそれを読みます。
注意したいのは、第6報が「個別での連絡が困難な場合には、ホームページ等での公表をもって通知に代えさせていただいております」としている点です。引っ越しや退職で連絡先が変わっている人には、通知が届いていないことがあります。過去に穴吹ハウジングサービスが管理するマンションに住んでいた人、賃貸の部屋を借りていた人、グループで働いていた人は、手元に通知がなくても対象の可能性を考え、窓口で確かめるのが確実です。
窓口に電話するときは、管理を受けていたマンションの名前、部屋番号、住んでいた時期など、本人を特定するのに役立つ情報を手元に用意しておくと話が早く進みます。ただし、窓口の番号は必ず公式サイトのお知らせで確かめ、届いたメールやSMSに書かれた番号にはかけないようにします。
対象かもしれない人がすること
漏えいした可能性がある項目は区分ごとに違うため、すべての人が同じことをする必要はありません。自分に当てはまる項目に合わせて、要るものだけを進めます。
管理会社を名乗る振込先の変更に応じない
マンションの管理費や修繕積立金、賃料の支払いに関わる人が最も気をつけたいのが、振込先の変更を装う連絡です。第3報は、同社から電話やメールだけで振込先の変更や金銭の支払いをお願いすることは一切ないと明記しています。
「システム障害のため、今月から振込先が変わりました」「管理費の引き落としに失敗したので、こちらの口座に振り込んでください」といった連絡が電話やメール、郵便で届いたら、その連絡に書かれた番号には連絡せず、普段使っている管理組合や営業所の連絡先、または公式サイトに載っている窓口で確かめます。
口座情報が含まれる人は通帳と明細を見る
第6報の表で口座情報が挙がっている区分の人は、引き落としや入金の履歴に覚えのない動きがないかを定期的に見ます。会社のFAQは、銀行口座やクレジットカードを変えたほうがよいかという問いに、会社から一律に変更をお願いするものではなく、不安がある場合は各金融機関やカード会社の公式窓口に相談することを検討してほしいと答えています。口座を変えるかどうかは、金融機関に相談して決めます。
電話番号と住所に届く連絡に備える
氏名、住所、電話番号、生年月日の組み合わせは、なりすましの電話や郵便を本物らしく見せる材料になります。電話番号が出回ったときに増えやすい迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。住所が漏れたときに起きやすいことと備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく説明しています。
元従業員は運転免許証の情報に気をつける
グループの役員、従業員、元従業員の区分では、運転免許証が漏えい内容に挙がっています。免許証の番号や記載事項を使ったなりすましの申し込みに備え、心当たりのない契約や請求の通知が届いていないかに気をつけます。不安な場合は、免許証を発行した都道府県の窓口や、利用している金融機関に相談します。
管理組合の役員は住民への伝え方を管理会社と相談する
分譲マンションの管理組合で理事などの役員をしている人は、住民から問い合わせを受けることがあります。第4報は、個人情報以外にも、管理業務に関する書類の一部が外部に漏えいした事実を確認したと書いています。自分のマンションの書類が含まれているか、住民にどう伝えるかは、担当の営業所に確かめたうえで決めます。掲示板や回覧で知らせる場合は、窓口の電話番号を公式サイトのものと照らし合わせてから書き、振込先の変更を求める連絡には応じないよう一言添えておくと、住民が便乗した連絡に気づきやすくなります。
しなくてよいこと
会社は第4報の時点で、パスワードや暗証番号、クレジットカード番号などをメールや電話で聞くことは一切ないと書いています。第6報の表にもパスワードは挙がっていません。今回の件だけを理由に、すべてのサービスのパスワードを慌てて変える必要は示されていません。ただし、同じパスワードを多くのサービスで使い回している人は、この機会に見直しておくと安心です。
管理会社や関係機関を装う連絡の見分け方
第4報と第6報は、漏えいした情報が悪用され、同社やグループ各社、関係機関を装った不審な電話、電子メール、郵便物が届く可能性があると繰り返し注意しています。第5報では、本件との因果関係が確認できない心当たりのない電話やSMSについての問い合わせも寄せられていると書かれています。
電話の場合
会社は、不審な電話を受けたときは最後まで話を聞かず、すぐに通話を終えるよう呼びかけています。管理会社、管理組合、市役所、県庁、警察などを名乗っていても、その場で口座番号や暗証番号、カード番号を答える必要はありません。いったん切って、自分で調べた正しい番号にかけ直します。
メールとSMSの場合
会社は、身に覚えのないメールや添付ファイルには十分注意し、不審な文書に書かれた電話番号やURL、メールアドレスには決して連絡やアクセスをしないよう求めています。「ランサムウェア被害の補償の手続き」「個人情報漏えいの確認のため」といった件名や本文は、今回の件に便乗した連絡の典型として疑ってかかります。
郵便の場合
郵便は紙で届くため、本物らしく見えがちです。差出人の名前が穴吹ハウジングサービスやグループ会社でも、同封の書類に書かれた電話番号やURLにすぐ連絡せず、公式サイトに載っている窓口の番号と同じかを確かめます。
入力してしまったとき
偽のサイトにカード番号や口座の情報を入力してしまったときは、すぐにカード会社や金融機関に連絡して利用を止めます。第6報は、二次被害のおそれがあるような事態が起きた場合は最寄りの警察署に相談するよう求めており、相談は本人からの申し出が必要だとしています。お金を払ってしまった、契約してしまったという場合は、消費者庁の消費者ホットライン188に相談できます。
2026年2月以降のサービスの停止と再開
ランサムウェアの被害は、個人情報の漏えいだけでなく、会社のサービスにも影響を与えました。公式サイトのお知らせから、関係するものを拾うと次のとおりです。
分譲マンションの居住者向けの専用サイト「オーナーズサイト」は、被害の影響で一時停止し、2026年3月30日から対応が終わったサービスより順に再公開されました。管理費等明細や議事録の閲覧などの一部の機能は、2026年7月31日に復旧したとされています。
その後、2026年10月9日に、オーナーズサイトは再び一時停止されました。会社のお知らせによると、2月のランサムウェア被害以降、外部専門機関による診断を続けてきた中で、オーナーズサイトについて、ただちに情報漏えいにつながるものではないものの、追加の対策をとることが望ましい事項が確認されたため、予防のために停止したとされています。このお知らせは、現時点でこの件に起因する情報漏えいの事実が確認されているものではないとしています。再開の時期は、必要な対策と安全性の確認が終わった後に改めて案内するとされています。
オーナーズサイトを使っていた人は、管理費等明細などを見られない期間があるため、必要な書類は管理組合や営業所を通じて受け取ります。オーナーズサイトの再開を装って、ログインIDやパスワードの入力を求めるメールが届いても、メールのリンクからは開かず、公式サイトのお知らせで再開の案内が出ているかを確かめるのが安全です。
問い合わせ窓口
穴吹ハウジングサービスがこの件について公式サイトに掲載している窓口は次のとおりです(2026年11月1日時点)。
| 窓口 | 連絡先 | 受付時間 |
|---|---|---|
| あなぶきハウジンググループ ランサムウェア事案に関する専用のお問い合わせ窓口 | 電話 0800-111-7120 | 9:00から18:00 |
| あなぶきハウジンググループ ブランド・広報室 | メール [email protected] | 平日9:00から18:00 |
専用窓口の電話番号は、2026年5月1日に0120-185-067から0800-111-7120に変わりました。第4報や第5報、松山市営住宅のお知らせには古い番号も書かれているため、かけるときは新しい番号を使います。窓口の電話番号の変更のお知らせでは、新しい番号の受付時間は平日9:00から18:00とされています。
窓口では、自分が対象に含まれるか、どの項目が対象か、通知書が届いていない理由などを尋ねられます。電話の前に、住んでいたマンション名や部屋番号、契約していた時期をメモしておくと、確認がスムーズです。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人の中には、マンション管理や賃貸の仕事を業務委託で受けている人、管理組合の役員として書類を扱っている人もいます。今回の件では、第4報で、管理業務に関する書類の一部、業務委託に関する資料、社内で使っていた資料などの個人情報以外の情報も一部が外部に漏えいした事実を確認したとされています。会社は、影響が及ぶ可能性のある関係先が分かった場合は、その関係先に個別に連絡するとしています。業務で関わりのあった人は、会社からの個別の連絡が届いていないかを確かめます。
取引先から個人情報を預かる立場の人は、自分の側の管理も見直しておきます。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページによると、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報が含まれる漏えい等、不正に利用されるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいや、ランサムウェアでデータが暗号化されて元に戻せなくなった場合も、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
個人で仕事をしていても、顧客の名簿や取引先の連絡先を扱っていれば、個人情報を扱う事業者に当たることがあります。自分の扱いがどうなるかは事情によって変わるので、個人情報保護委員会の相談窓口などで確かめてください。日ごろからできる備えとして、次の点を見直しておきます。
- 業務で使うパソコンとルーターのソフトウェアを最新の状態に保つ
- 業務用のアカウントには多要素認証を設定する
- 取引先から預かったファイルは、仕事が終わったら契約に従って返すか削除する
- 不審なメールの添付ファイルやリンクを開かない習慣をつける
- バックアップはネットワークから切り離した場所にも保存する
社員向けの訓練として、フィッシングメールを見分ける練習を取り入れる会社も増えています。仕組みと効果は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。個人で仕事をする人にとっても、自分のメールの受け方を見直すきっかけになります。
アカウントを守る力を仕事に生かす
今回の穴吹ハウジングサービスの件は、入口がグループ会社のネットワーク機器の脆弱性で、そこから社内全体へ侵入が広がったと発表されています。大きな会社でも、1か所の弱点から被害が広がることがあるという事実は、在宅で仕事をする人にとっても他人事ではありません。自分のパソコンやアカウントを整えておくことは、取引先からの信頼にもつながります。
フリーランスや在宅ワークの仲介を続けてきた中で見えてくるのは、仕事を長く続ける人ほど、納品物の品質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を積み上げているということです。パスワードの管理や多要素認証の設定、ファイルの受け渡しの方法を自分で説明できる人は、新しい取引先にも安心して任せてもらいやすくなります。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合も、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。ネットワークの基礎から学びたい人には、ネットワーク機器の知識を証明する資格としてCCNA(シスコ技術者認定)の解説もあります。
よくある質問
Q. 約49万6千件と207,773件のどちらが正しい件数ですか?
現在の確定件数は207,773件です。約496,000名分は2026年3月9日の第4報で示された、漏えいの可能性が否定できない個人情報の見込みでした。その後、流出したファイルの内容を1件ずつ確かめた結果、2026年5月21日の第6報で、外部へ漏えいした可能性のある個人情報は207,773件と最終的に確認されたと発表されています。
Q. 通知が届いていませんが、対象ではないと考えてよいですか?
通知が届いていないだけでは、対象外とは言い切れません。会社は、個別の連絡が難しい場合はホームページでの公表をもって通知に代えるとしています。引っ越しや退職で連絡先が変わった人は通知が届いていないことがあるため、不安があれば専用窓口(0800-111-7120、9:00から18:00)に、自分が対象に含まれるかを尋ねてください。
Q. 口座情報が含まれる区分ですが、口座を変えるべきですか?
会社のFAQは、銀行口座やクレジットカードの変更を一律にお願いするものではなく、不安がある場合は各金融機関やカード会社の公式窓口に相談することを検討してほしいとしています。まずは通帳や明細に覚えのない動きがないかを確かめ、変更するかどうかは取引のある金融機関に相談して決めてください。
Q. 管理会社から振込先が変わったという電話が来たらどうすればよいですか?
応じずに電話を切ってください。穴吹ハウジングサービスは、電話やメールだけで振込先の変更や金銭の支払いをお願いすることは一切ないと発表しています。普段やり取りしている管理組合や営業所の連絡先、または公式サイトに載っている窓口に、自分でかけ直して確かめるのが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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