住宅省エネ2024キャンペーンの情報漏洩|事業者23,918名の範囲と事務局の博報堂の対応 2026


この記事のポイント
- ✓博報堂の情報漏洩の件を整理します
- ✓国土交通省は2026年10月20日
- ✓博報堂が事務局を務める住宅省エネ2024キャンペーンのシステムへの不正操作で
国土交通省は2026年10月20日、補助金事業「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局である株式会社博報堂が運営するシステムで、外部からの不正操作があり、登録されている事業者の情報が漏洩した可能性があると発表しました。対象は23,918名(16,950事業者、速報値)で、法人の代表者の氏名と肩書、個人事業主の氏名と住所、補助金の担当者の氏名、部署、役職、業務で使っている住所、電話番号、メールアドレスが含まれます。補助金を利用した消費者の個人情報の漏洩は、現時点で確認されていません。登録事業者がまずすることは、事務局からのお詫びのメールが届いているかを確かめること、事務局や国土交通省を名乗る不審なメールや電話に応じないこと、取引のある施主に、事業者の名前をかたった営業や連絡に注意するよう伝えることの3つです。
この記事では、2026年10月21日時点で国土交通省と事務局が公式に発表している内容だけをもとに、何が起きたか、誰が対象か、事業者と施主がそれぞれ何をすればよいかを整理します。
2026年10月21日時点で分かっていること
最初に、発表の要点を並べます。
- 発表したところ:国土交通省(報道発表)と、住宅省エネ2024キャンペーンの事務局(公式サイト)
- 事務局を務める会社:株式会社博報堂(国土交通省の採択を受けた事務事業者)
- 何が起きたか:補助金の申請を受け付けるために博報堂が運営しているシステムへの、外部からの不正操作
- 対象:交付申請などの手続きのために登録されている事業者の情報 23,918名(16,950事業者)。速報値
- 漏洩していないとされる情報:登録事業者の補助金の振込用の口座情報、代表者の電話番号・メールアドレス・住所、一般の消費者の個人情報
- 他の年度の事業:「住宅省エネ2026キャンペーン」など、ほかの年度の同じ種類の補助事業の登録事業者情報は漏洩していないことを確認
- 現状:すべてのシステム機能を停止中。点検と再発防止策のあと、子育てエコホーム支援事業の完了実績報告の受付などに必要な機能に限って再開する予定
- 原因:博報堂が調査中
検索で「博報堂 情報漏洩」と調べると、博報堂やグループ会社に関わる過去の別の事案も出てきます。この記事で扱うのは、2026年10月20日に発表された住宅省エネ2024キャンペーンの件だけです。
また、漏洩した可能性があるのは、家を建てたりリフォームしたりした消費者の情報ではなく、補助金の申請をした工務店やリフォーム会社、住宅会社などの事業者の情報です。この点は発表の中で何度も繰り返されています。
住宅省エネ2024キャンペーンと、事務局の博報堂の役割
住宅省エネ2024キャンペーンは、令和5年度から令和6年度にかけて実施された、住宅の省エネ化を支援する補助金事業の総称です。国土交通省の報道発表によると、次の4つの事業で構成されています。
| 事業の名前 | 担当の省庁 |
|---|---|
| 子育てエコホーム支援事業 | 国土交通省 |
| 先進的窓リノベ2024事業 | 環境省 |
| 給湯省エネ2024事業 | 経済産業省 |
| 賃貸集合給湯省エネ2024事業 | 経済産業省 |
いずれも、一定の要件を満たす新築住宅の取得や住宅のリフォームなどに補助金を出すものです。補助金は家を建てる人やリフォームする人のためのものですが、交付の申請は工事をする事業者が行う仕組みになっています。そのため、補助金の手続きをするには、事業者が事務局のシステムに登録する必要がありました。
事務局とは、国に代わって補助金の申請の受付、審査、問い合わせへの対応などを行う組織のことです。今回は、国土交通省の採択を受けた株式会社博報堂が事務局を務めていました。採択とは、国が公募をして、その業務を任せる会社を選ぶことです。
事務局の公式サイトによると、先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業、賃貸集合給湯省エネ2024事業は2025年3月31日で終了しています。子育てエコホーム支援事業は、完了実績報告などの手続きがまだ続いています。完了実績報告とは、工事が終わったことを事務局に届け出る手続きのことです。
登録の際、各事業者は「統括アカウント」をつくり、その担当者を1名決めていました。今回の発表で「補助金担当者」と書かれているのは、この統括アカウントの担当者のことだと、事務局の発表に明記されています。
公表の経緯:2026年10月20日の発表
2026年10月21日時点で出ている公式の発表と、その中身を時系列で並べます。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年10月20日 | 国土交通省が報道発表。事務局の博報堂から、システムへの外部からの不正操作で登録事業者の情報が漏洩した可能性があるとの報告を受けたと公表 |
| 2026年10月20日 | 事務局が公式サイトに「重要なお知らせ」を掲載。人数、項目、漏洩していない情報、注意点、手続きへの影響を公表 |
| 2026年10月20日 | 事務局が、対象となる事業者の統括アカウントの担当者に、[email protected] からお詫びと注意喚起のメールを送信 |
国土交通省の報道発表は、冒頭で次のように書いています。
「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局である(株)博報堂が運営しているシステムにおいて、外部からの不正操作により、登録されている事業者の情報が漏洩した可能性があることが確認されました。 出典: mlit.go.jp
2026年10月21日時点で、続報や訂正は出ていません。事務局の新着情報の一覧の最新は10月20日のお知らせで、子育てエコホーム支援事業の公式サイトにも同じお知らせが載っています。博報堂の企業サイトのニュースの一覧には、2026年10月21日時点で本件の掲載は見当たりませんでした。続報は、国土交通省の報道発表と、事務局の公式サイトに出ると考えられます。
人数の23,918名は速報値です。事務局の発表には、重複や担当者の変更による追加の登録があるかなど、詳しい調査を進めていると書かれています。今後、人数が変わる可能性があります。
漏洩した可能性がある項目と、漏洩していないとされた項目
事務局の発表をもとに、項目を分けて整理します。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏洩した可能性がある:法人の代表者の情報 | 氏名、肩書 |
| 漏洩した可能性がある:個人事業主の情報 | 氏名、住所 |
| 漏洩した可能性がある:補助金担当者(統括アカウントの担当者、各社1名)の情報 | 氏名、部署、役職、業務で用いている住所・電話番号・メールアドレス |
| 漏洩は確認されていない | 登録事業者の補助金の振込用の口座情報 |
| 漏洩は確認されていない | 代表者の電話番号、メールアドレス、住所 |
| 漏洩は確認されていない | 一般の消費者(本事業の共同事業者)の個人情報 |
| 漏洩していないことを確認 | 住宅省エネ2026キャンペーンなど、ほかの年度の同じ種類の補助事業の登録事業者情報 |
いくつか補足します。
まず、法人の場合、代表者の情報として漏洩した可能性があるのは氏名と肩書だけです。代表者の電話番号、メールアドレス、住所は漏洩が確認されていないと明記されています。
一方、個人事業主は氏名と住所が対象です。個人で工務店や設備の工事をしている人は、自宅を事業所として登録していることが多く、その場合は自宅の住所が対象に含まれることになります。
補助金担当者については、氏名に加えて、業務で使っている住所、電話番号、メールアドレスが対象です。連絡先がそろっているため、この担当者のもとに偽のメールや電話が届くおそれがあります。
補助金の振込用の口座情報は、漏洩が確認されていません。補助金の振込先が書き換えられるといった被害を想定した発表にはなっていません。
「共同事業者」という言葉は少し分かりにくいですが、この補助事業では、補助金を受ける消費者と、申請をする事業者が共同で事業をする形をとっているため、消費者のことを共同事業者と呼んでいます。その消費者の個人情報の漏洩は、現時点で確認されていません。
原因について発表されていること
原因について、2026年10月21日時点で発表されているのは次の点です。
- 補助金の申請を受け付けるために博報堂が運営しているシステムで、外部から不正操作があったこと
- 漏洩した原因や詳しい被害の状況は、博報堂が調査中であること
- 国土交通省が博報堂に、原因と詳しい被害の状況を早急に調査するよう指示したこと
どのような手口だったのか、いつ起きたのか、いつ気づいたのか、外部のどのサービスが関わっているのかは、発表されていません。2026年10月には、問い合わせのフォームやメールの配信など、外部のサービスを経由した情報の漏洩の公表が相次いでいますが、今回の件がそれらと関係するかどうかは、発表に書かれていません。この記事では結び付けずに、原因は「調査中と発表」とします。
原因が分からない段階でも、漏洩した可能性がある項目は分かっています。事業者がすべきことは、この項目から想定される被害に備えることです。
国土交通省と事務局の対応
発表に書かれている対応を整理します。
- すべてのシステム機能の停止:被害が広がるのを防ぐため。共通ポータルと、子育てエコホーム支援事業の専用ポータルも含まれる
- システムの点検:点検と再発防止策のあと、子育てエコホーム支援事業の完了実績報告の受付などに必要な機能に限って再開する予定
- 事業者への連絡:漏洩した可能性がある登録事業者に、事務局から個別にお詫びと注意喚起の連絡
- 原因の調査:国土交通省から博報堂に、原因と被害の状況の早急な調査を指示。原因をふまえて必要な措置をとり、再発防止を徹底するよう指導
- 相談窓口の設置:登録事業者と、補助事業を利用した消費者のための電話の窓口と問い合わせフォーム
国土交通省は報道発表の中で、漏洩した可能性がある情報が、なりすましやフィッシング詐欺のメール、ウイルスに感染させるメールの送信などに悪用される可能性があると注意を呼びかけています。
補償やお詫びの品の有無、停止中の手続きの遅れへの個別の対応などは、2026年10月21日時点の発表には書かれていません。発表に無いことは推測で書きません。
自分が対象かを確かめる方法
登録事業者の場合
事務局は、情報が漏洩した可能性がある事業者の統括アカウントの担当者に、2026年10月20日に [email protected] から、統括アカウントに登録しているメールアドレスあてにメールを送ったと発表しています。
確かめ方は次のとおりです。
- 統括アカウントに登録したメールアドレスの受信箱で、[email protected] からのメールを探す
- 迷惑メールのフォルダも確かめる
- 統括アカウントの担当者が退職や異動をしている場合は、そのメールアドレスを社内で引き継いだ人が確かめる
メールが見当たらない、担当者が分からないといった場合は、後で紹介する事務局の窓口に問い合わせます。
ここで気をつけたいのは、事務局のお詫びのメールに似せた偽のメールが届くおそれがあることです。事務局は、アカウントIDやパスワード、登録している口座の情報などを尋ねることはないと明記しています。メールにリンクがあっても、そこからログインしたり情報を入力したりせず、事務局の公式サイトはブックマークや自分で入力したアドレスから開きます。
補助金を利用した消費者(施主)の場合
補助金を利用して家を建てた人やリフォームをした人の個人情報は、2026年10月21日時点で漏洩が確認されていません。消費者あての個別の連絡は、発表に書かれていません。
ただし、事務局は、事業者の担当者の名前を使って、住宅の所有者に不正な営業活動をするおそれがあると注意を呼びかけています。消費者の情報が漏れていなくても、工事を頼んだ事業者の名前を名乗る連絡には注意が要ります。
登録事業者がすること
漏洩した可能性がある項目に合わせて、事業者がすることを順に書きます。
1. 社内で情報を共有する
まず、統括アカウントの担当者だけでなく、代表者、経理、営業、現場の担当者など、施主や取引先とやり取りする人に、この件を共有します。偽の連絡は、担当者本人だけでなく、会社の代表電話や、ほかの社員にも届く可能性があります。「事務局や国土交通省を名乗って、パスワードや口座の情報を聞く連絡は偽物」という1点を、全員がそろえて知っておくことが大切です。
2. 担当者あての偽のメールに備える
事務局は、統括アカウントの担当者のメールアドレスあてに、スパムメールが送られる可能性があると書いています。スパムメールとは、受け取る側が望んでいない一方的な広告や詐欺のメールのことです。
具体的には、次のようなメールが届くことが考えられます。
- 事務局や国土交通省を名乗り、補助金の手続きの再開を案内してログインさせようとするメール
- 「補助金の振込口座の確認」を名目に、口座の情報を入力させようとするメール
- 取引先や施主を名乗り、請求書や図面と称して添付ファイルを開かせようとするメール
事務局は、覚えのないメールを受け取った場合は、リンクや添付ファイルを開かない、個人情報を入力しない、お金の支払いに応じないよう呼びかけています。
3. 担当者へのなりすましに備える
事務局は、第三者が統括アカウントの担当者になりすますおそれがあるとも書いています。担当者の氏名、部署、役職、業務用の住所や電話番号、メールアドレスがそろっているため、その担当者を名乗って、取引先や施主、関係する会社に連絡することができてしまいます。
取引先から「御社の担当の方から、振込先が変わったと連絡がありました」といった問い合わせが来た場合は、その連絡を出していないかを社内で確かめます。振込先の変更など、お金に関わる連絡は、メールだけで受け付けず、電話で確かめる決まりを取引先とつくっておくと安心です。
4. 施主に注意を伝える
事務局は、事業者の担当者の名前を使って、住宅の所有者に不正な営業活動をするおそれがあると注意を呼びかけています。たとえば、「以前工事をした会社の者です。点検の時期なので伺います」と言って訪問したり、追加の工事を勧めたりする手口が考えられます。
補助金の申請でやり取りをした施主に、「当社の名前を名乗る連絡があったら、当社の代表電話に確認してほしい」と伝えておくと、施主を守ることにつながります。施主に連絡するときは、知らせる内容を「施主の情報が漏れたわけではない」「当社の名前をかたる連絡に注意してほしい」の2点に絞ると、余計な不安を与えずに済みます。
5. パスワードを見直す
今回、漏洩した可能性がある項目にパスワードは含まれていません。それでも、事務局のシステムで使っていたパスワードと同じものを、ほかの業務用のサービスで使っている場合は、この機会に変えておくと安全です。偽のメールにつられて入力してしまうと、そこから別のサービスに入られるおそれがあるためです。
二段階認証に対応しているサービスでは、二段階認証も設定します。二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなどで本人かを確かめる仕組みのことです。仕組みと製品の比べ方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版に詳しくまとめられています。
6. 個人事業主は、自宅への訪問や郵便に注意する
個人事業主は、氏名と住所が漏洩した可能性があります。自宅を事業所として登録していた場合は、自宅に、事務局や役所を名乗る郵便物や訪問が来ることも考えられます。
身に覚えのない郵便物で、記載された番号への電話や、URLへのアクセスを求められた場合は、書かれた連絡先を使わず、国土交通省や事務局の公式サイトに載っている連絡先で確かめます。住所が漏れたときに起きやすいことと、その備え方は個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で順番に解説しています。
7. 担当者が退職や異動をしている場合は、引き継ぎを確かめる
住宅省エネ2024キャンペーンの登録は、令和5年度から令和6年度にかけて行われました。2026年10月の時点では、登録したときの統括アカウントの担当者が、すでに退職していたり、別の部署に移っていたりすることも考えられます。
この場合に気をつけたいのは、次の2点です。
- 事務局からのお詫びのメールが、使われていない受信箱や、退職した人のメールアドレスに届いている可能性がある
- 退職した担当者の名前を使って、取引先や施主に連絡される可能性がある
退職した人のメールアドレスを会社で管理している場合は、その受信箱を確かめます。管理していない場合や、個人のアドレスで登録していた場合は、事務局の窓口に、自社が対象かどうかを問い合わせます。
退職した担当者本人にも、名前と連絡先が漏洩した可能性があることを伝えておくと親切です。本人の現在の連絡先を知っている場合に限られますが、偽の連絡に巻き込まれるのを防ぐことにつながります。
8. 不審な連絡の記録を残す
偽のメールや電話、訪問があった場合は、日時、相手が名乗った名前、連絡に使われたメールアドレスや電話番号、求められた内容を記録しておきます。
記録は、事務局の窓口や警察に相談するときに役立ちます。社内で同じ連絡を受けた人がいないかを確かめるときにも使えます。偽のメールは、削除する前に、差出人のアドレスと件名だけでも書き留めておくと、あとで同じ手口に気づきやすくなります。
補助金を利用した消費者(施主)が気をつけること
消費者の個人情報の漏洩は確認されていませんが、事業者の名前をかたった連絡には注意が要ります。施主の立場で気をつけることを整理します。
- 工事をした会社を名乗る電話や訪問があっても、その場で契約や支払いをしない
- 相手が名乗った会社の代表電話に、自分で調べた番号でかけ直して確かめる
- 「補助金の返還が必要になった」「追加の補助金を受け取れる」といった連絡で、お金の振り込みや口座の情報を求められたら、応じない
- 不安があれば、事務局の窓口か、住まいるダイヤルに相談する
住まいるダイヤルとは、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する、住まいの相談窓口のことです。国土交通省は、この補助事業を利用した消費者向けの相談窓口として案内しています。
お金をだまし取られそうになったときや、契約のトラブルになったときは、消費者ホットラインの188番に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。案内は消費者庁の消費者ホットラインのページにあります。
偽のメールと電話の見分け方
事務局は、発表の中で注意してほしいことを具体的に挙げています。そのうち、偽の連絡についての部分は次のとおりです。
また、事業者の統括アカウントご担当者様名を用いて住宅所有者に不正な営業活動をすることや、 国土交通省等の行政機関、当事務局等を装ったメールや電話がある可能性がございます。 出典: jutaku-shoene2024.mlit.go.jp
偽の連絡を見分けるときは、次の3点を確かめます。
- 差出人の名前やアドレスだけで判断しない。警察庁は、メールの送信元の名前やアドレスはなりすましが簡単で、見た目だけで真偽を見分けるのは難しいと説明しています。
- リンクや添付ファイルを開かない。公式サイトは、ブックマークや自分で入力したアドレスから開きます。
- IDやパスワード、口座の情報を聞かれたら、偽物と考える。事務局は、これらを尋ねることはないと明記しています。
警察庁は、フィッシングの文面には、切迫感をあおってログインさせようとするものが多いと説明しています。「至急」「本日中に」「手続きをしないと補助金が取り消されます」といった言葉で急がせるメールは、特に疑ってかかります。手口の例や、被害にあったときの相談先は、警察庁のフィッシング対策のページで確かめられます。
もしIDやパスワードを入力してしまった場合は、すぐにそのサービスの公式サイトからパスワードを変えます。口座の情報を入力した、お金を振り込んだ場合は、すぐに金融機関に連絡し、最寄りの警察署にも相談します。
社員がいる事業者は、偽メールへの対応を一度練習しておくと、実際に届いたときに慌てずに済みます。訓練の進め方は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。
子育てエコホーム支援事業の手続きへの影響
システムの停止は、手続きが残っている事業者の仕事にも影響します。事務局の発表によると、次のとおりです。
- 点検期間中は、専用ポータルにログインできない
- 完了報告などの提出や、必要な書類のダウンロードができない
- 点検が終わり、再発防止策をとったあと、必要な機能の提供を再開する予定。再開は公式サイトで知らせる
- 事務局から不備訂正の依頼を受けている申請は、機能の点検の終了後に、改めて不備訂正の期限を設定する
- 11階以上の完了報告の提出期限は変更なく、令和9年2月28日を予定
不備訂正とは、提出した書類に足りない点や誤りがあったときに、直して出し直す手続きのことです。期限が近い申請を抱えていた事業者は、点検の終了後に新しい期限が示されるので、それを待ちます。
再開の案内は、事務局の公式サイトに出るとされています。メールで「再開しました。こちらからログインしてください」といった案内が届いても、リンクからは開かず、公式サイトのお知らせで確かめてからログインします。
問い合わせ窓口
発表に載っている窓口は次のとおりです。
| 窓口 | 対象 | 連絡先 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 住宅省エネ2024キャンペーン事務局 電話相談窓口 | 登録事業者と、補助事業を利用した消費者 | 0570-062-065(IP電話からは 050-3524-7232) | 9時から17時(土日祝休日、年末年始を除く) |
| 住宅省エネ2024キャンペーン事務局 個人情報漏洩に関する問い合わせフォーム | 登録事業者と、補助事業を利用した消費者 | 事務局の公式サイトのフォーム | 土日祝休日の問い合わせはフォームで受付 |
| 住まいるダイヤル 電話相談窓口 | 補助事業を利用した消費者 | 03-3556-5147 | 10時から17時(土日祝休日、年末年始を除く) |
事務局によると、電話が混み合う場合は時間を空けてかけ直すよう案内されています。フォームの問い合わせには [email protected] から返信があり、時間がかかる場合があるとされています。
事業の制度そのものについての問い合わせ先として、国土交通省の報道発表には、本事案と子育てエコホーム支援事業は国土交通省住宅局住宅生産課、給湯省エネ2024事業と賃貸集合給湯省エネ2024事業は経済産業省資源エネルギー庁、先進的窓リノベ2024事業は環境省が載っています。
在宅で仕事をする人が気をつけること
今回の件は、工務店やリフォーム会社の情報が中心ですが、在宅で仕事をしている人にも関わる場面があります。
1つは、個人事業主として住宅の工事や設備の仕事を受けていて、自宅を事業所として登録していた人です。氏名と住所が漏洩した可能性があるので、先に書いた自宅への郵便や訪問への備えが必要です。
もう1つは、工務店やリフォーム会社から、補助金の申請の事務や書類の作成を在宅で請け負っていた人です。統括アカウントの担当者として自分の名前や連絡先を登録していた場合は、自分の情報が対象に含まれる可能性があります。この場合、偽のメールは、仕事で使っている受信箱に届きます。
取引先に知らせるかどうかは、次のように考えます。
- 自分が担当者として登録されていた場合:自分の情報が対象になっただけなので、まず取引先の工務店などに、事務局からのメールの有無を共有します
- 偽のメールに仕事のアカウントのパスワードを入力した、添付ファイルを開いたおそれがある場合:取引先から預かった施主の名簿や書類に、第三者が触れたおそれがあります。預かっている立場として、すぐに取引先に伝えます
個人情報保護委員会は、事業者が漏えいを報告しなければならない場面の1つとして、本人の数が1,000人を超える漏えいを挙げています。
(4)個人データに係る本人の数が1,000人を超える漏えい等(又はそのおそれ) 出典: ppc.go.jp
ほかにも、不正な目的で行われたおそれがある行為による漏えいなどが、報告の対象として挙げられています。誰が報告するか、本人に誰が知らせるかは、業務委託の契約や預かった情報の中身で変わります。自分だけで判断せず、取引先と相談しながら進めます。分からないことは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849)で確かめられます。
運営者の視点:仕事の窓口の情報も、守るべき情報になる
今回の件で漏洩した可能性があるのは、事業者の代表者や担当者の名前と、仕事の連絡先です。個人の家族構成やカードの番号のような情報ではありませんが、偽のメールやなりすまし、施主への不正な営業に使われるおそれがあるとして、国土交通省も事務局も注意を呼びかけています。仕事の窓口になっている人の名前と連絡先は、それだけで攻撃の入り口になります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの編集部として見てきたのは、長く仕事が続く人ほど、取引先とのお金のやり取りや振込先の変更を、メールだけで済ませない決まりを持っているということです。依頼者と受け手が直接やり取りする手数料0%の取引では、受け手の手取りが厚くなる一方で、なりすましへの備えも当事者どうしに任されます。企業の情報セキュリティ対策の支援や、偽メールへの対応の手順づくりといった仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
取引先への連絡や施主へのお知らせの文面を、相手に不安を与えずに正確に書く力も、こうした場面で役に立ちます。ビジネスの文書の書き方を問う資格の内容はビジネス文書検定で紹介しています。2026年10月21日時点では、原因も再開の時期もまだ分かっていません。続報は、国土交通省の報道発表と事務局の公式サイトで確かめます。
よくある質問
Q. 補助金を使ってリフォームをしましたが、自分の情報は漏れていますか?
2026年10月21日時点で、補助事業を利用した消費者の個人情報の漏洩は確認されていないと、国土交通省と事務局が発表しています。漏洩した可能性があるのは、申請をした事業者の代表者や担当者の情報です。ただし、事業者の名前をかたった営業や連絡のおそれがあるので、工事をした会社を名乗る連絡は、その会社の代表電話で確かめます。
Q. 補助金の振込先の口座の情報は漏れていますか?
事務局の発表では、登録事業者の補助金の振込用の口座情報は、漏洩が確認されていない情報として挙げられています。代表者の電話番号、メールアドレス、住所も同じく確認されていません。事務局は、口座の情報やIDとパスワードを尋ねることはないと明記しているので、それを求める連絡には応じないようにします。
Q. 事務局からのメールはどのアドレスから届きますか?
事務局は、2026年10月20日に [email protected] から、統括アカウントに登録しているメールアドレスあてに、お詫びと注意喚起のメールを送ったと発表しています。似たアドレスの偽のメールも考えられるので、メールのリンクからは開かず、事務局の公式サイトで内容を確かめます。
Q. 子育てエコホーム支援事業の手続きはいつ再開しますか?
2026年10月21日時点では、再開の日時は発表されていません。点検と再発防止策のあと、完了実績報告の受付などに必要な機能に限って再開する予定で、案内は事務局の公式サイトに出るとされています。不備訂正の期限は点検の終了後に改めて設定され、11階以上の完了報告の提出期限は令和9年2月28日のまま変更はない予定です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

Schooの情報漏洩|フォーム延べ2,936件の範囲と学習者会員が対象外の理由 2026

TVerの情報漏洩|TVer広告のフォーム延べ1,801件の範囲と視聴者への影響 2026

TiDB Cloud(PingCAP)の情報漏洩|最大約5万件の項目とAPIキーの見直し方 2026

お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセス|26,739台の影響と利用者がすること 2026

NECの情報漏洩|委託先経由で顧客の情報が流出した経緯と取引先が確かめること 2026

フジテレビの情報漏洩|番組宣伝システム最大730件の範囲と不審メールの見分け方 2026

東邦ガスの情報漏洩|Studioのフォーム100件の範囲と偽メールへの備え 2026

アルカディアの情報漏洩|SpeeCAN RAIDENの約313万件と偽メールの見分け方 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方