台東区の情報漏洩|委託先への不正アクセスで「TAITOおでかけナビ」約5,500件など2026年10月に3件の流出 対象と利用者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓台東区の情報漏洩を区の公式発表で整理
- ✓TAITOおでかけナビ約5,500件
- ✓蔦重ゆかりの地 台東区約120件
東京都台東区は2026年10月23日から26日にかけて、区のサイトやアプリの運営を任せていた委託先への不正アクセスで、個人情報が流出したと3件発表しました。観光情報サイト「TAITOおでかけナビ」で約5,500件、大河ドラマ「べらぼう」の協議会サイト「蔦重ゆかりの地 台東区」で約120件、障害者支援アプリ「ささえ~る」でメールアドレス197件です。 このほか、区政情報を届ける「たいとうメールマガジン」は10月13日から配信を止めており、登録しているメールアドレスが流出した可能性もあるとして調査中です。 該当するサービスを使ったことがある人がまずすることは、区や運用会社を名乗るメール・電話・郵便物に個人情報を答えないことと、身に覚えのないメールの添付ファイルや URL を開かないことです。
この記事では、2026年10月28日時点で台東区の公式ページと委託先の発表に書かれている内容だけをもとに、何がどこまで分かっているのか、自分が対象かをどう確かめるか、利用者が何をすればよいかを順に整理します。公式が「可能性」「調査中」と書いているものは、その表現のまま扱います。
2026年10月に台東区が発表した3件と、調査中の1件
最初に、区が発表した内容を1つの表に並べます。サービスごとに委託先も問い合わせ先も違うため、自分が使ったサービスの行だけを見れば足ります。
| サービス名 | 公表日 | 件数 | 流出が確認された項目 | 委託先 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|---|---|---|
| 台東区観光情報サイト「TAITOおでかけナビ」 | 2026年10月23日(ページの更新日は10月26日) | 約5,500件 | 写真ダウンロードやパンフレット請求、問い合わせを行った人の氏名(会社名)、メールアドレス、電話番号、住所等 | 株式会社トラベルジップ(サイト管理者) | 観光課 03-5246-1151 |
| 「蔦重ゆかりの地 台東区」公式サイト(令和8年3月12日に公開終了) | 2026年10月26日 | 約120件 | 問い合わせを行った人の氏名(ふりがな)、メールアドレス、住所、電話番号、お問い合わせ内容等 | 株式会社トラベルジップ(サイト管理者) | 文化振興課担当(芸術・芸能支援)03-5246-1328 |
| 台東区障害者支援アプリ「ささえ~る」 | 2026年10月26日19時更新(ページの更新日は10月27日) | メールアドレス197件 | メールアドレス、障害児者との関係、障害のカテゴリー | 株式会社ミラボ(運営委託事業者) | 障害福祉課施策推進担当 03-5246-1206 |
| たいとうメールマガジン(調査中) | 2026年10月13日から配信停止(ページの更新日は10月16日) | 登録者数6,922人(令和8年9月末) | 登録しているメールアドレスが流出した可能性もあり、詳細は調査中 | 株式会社アルカディア(運用会社) | 広報課広報担当 03-5246-1021 |
上の3件について、区は公式ページの題で「個人情報の流出」と書き、本文でも「流出が確認された個人情報」として項目と件数を示しています。つまり、3件は区自身が流出を確認したと発表しているものです。
一方、4行目のメールマガジンは扱いが違います。区のページは「流出した可能性もありますが、詳細については現在調査中です」と書いており、流出したと確定してはいません。この記事でも、メールマガジンの件は「流出の可能性があり調査中」として扱います。
3件はどれも、区の職員のパソコンや区役所のシステムが直接攻撃されたものではなく、区がサイトやアプリの運営を任せていた会社(委託先)のサーバーや仕組みが攻撃されたものです。自治体のサービスは、見た目は区のサイトでも、裏側の運営は民間の会社が担っていることが多く、今回はその委託先の側で問題が起きました。
公表の経緯を日付順に追う
発表は1日にまとまって出たのではなく、10月13日から28日にかけて少しずつ出ています。日付の順に並べると、何がいつ分かったのかが見えます。
- 10月11日16時30分ごろ:メールマガジンの運用会社(アルカディア)が、不正が疑われる不審な挙動を確認。12日3時ごろに侵入経路を塞ぐ応急措置をとり、調査を始めた
- 10月13日11時:運用会社がシステムを緊急停止し、台東区のたいとうメールマガジンも配信を停止。区には10時50分ごろに連絡があった
- 10月15日15時ごろ:運用会社のシステムは復旧。ただし台東区での被害状況が分かっていないため、区は配信の停止を続けると10月16日に更新
- 10月22日:区は緊急メンテナンス等に伴い、区の関連サイトやサービスの一部を一時停止(停止と再開の一覧は10月28日10時に更新)
- 10月23日:トラベルジップが自社の管理するサーバーへの不正アクセスを把握し、同じ日に関係自治体へ第一報。同じ10月23日、区はミラボからも「ささえ~る」の件の報告を受ける。区は「TAITOおでかけナビ」の流出を公表
- 10月26日:区が「蔦重ゆかりの地 台東区」の流出と、「ささえ~る」の流出を公表(ささえ~るのページは19時更新)。トラベルジップは同日17時30分更新の第2報で、流出が確認された件数を公表
- 10月27日:「ささえ~る」のページの更新日が10月27日に
- 10月28日:区の新着情報に、竜泉福祉センターの申し込みフォームの件(別の委託先)が新たに掲載(後の節で扱う)
2026年10月28日22時台に区の各ページとトラベルジップの第2報を開き直したところ、上に書いた更新日のまま、新しい続報は出ていませんでした。どの発表にも「詳細については調査中」とあり、今後、件数や項目が変わる可能性があります。トラベルジップの第2報も、今後の調査で内容や件数が変わる可能性があり、その場合は速やかに公表すると書いています。
流出が確認された項目と、含まれないと明記された項目
自分に何が起きうるかは、どの情報が外に出たかで決まります。サービスごとに分けて見ます。
TAITOおでかけナビ
写真ダウンロードやパンフレット請求、問い合わせを行った人の「氏名(会社名)、メールアドレス、電話番号、住所等」です。区は件数を約5,500件としています。
写真ダウンロードの申請やパンフレットの請求は、旅行会社、メディア、デザインや編集の仕事をする人など、観光関係の事業者も使う窓口です。会社名が項目に入っているのはそのためで、個人として資料を頼んだ人だけでなく、仕事で申請した人も対象に入りえます。
蔦重ゆかりの地 台東区
問い合わせを行った人の「氏名(ふりがな)、メールアドレス、住所、電話番号、お問い合わせ内容等」です。区は約120件としています。このサイトは令和8年3月12日に公開を終えていますが、問い合わせの記録はサーバーに残っていたことになります。公開が終わったサイトでも、預けた情報がすぐに消えるとは限らないことが分かる例です。
ささえ~る
メールアドレス197件と、「障害児者との関係」「障害のカテゴリー」です。区は「氏名、住所、電話番号は含まれていません」と明記しています。
ここで言う「障害児者との関係」とは、アプリに登録した人が本人なのか、家族なのか、支援者なのかといった続き柄の情報だと読めます。「障害のカテゴリー」は、どの種類の障害に関する情報を求めて登録したかを示す項目です。区の発表はこれ以上の細かい中身を示していないため、この記事でもそれ以上は推測しません。
書かれていない項目
3件の発表のどれにも、クレジットカード番号、銀行口座、パスワードが流出したとは書かれていません。また、氏名・住所・電話番号が含まれないと明記しているのは「ささえ~る」だけです。おでかけナビと蔦重のサイトは「等」で終わっているため、区が示した項目以外が絶対に含まれないとまでは言えません。気になる人は、それぞれの問い合わせ先で確かめるのが確実です。
原因:委託先で何が起きたのか
原因は委託先ごとに違います。区と委託先が公式に書いている表現のまま整理します。
トラベルジップ(おでかけナビと蔦重のサイト)
トラベルジップの第2報によると、2026年10月23日に自社が管理するサーバーへの不正アクセスが判明しました。外部の第三者が、サイト管理画面の記事編集機能にある画像アップロード機能の脆弱性(ぜいじゃくせい。プログラムの弱点のこと)を悪用し、不正なプログラムをサーバー上に設置して実行したとしています。
外部の第三者が、サイト管理画面の記事編集機能にある画像アップロード機能の脆弱性を悪用し、不正なプログラムをサーバー上に設置して実行しました。 このサーバーには複数の自治体観光サイトが格納されており、第三者は、同サーバーに保存されていた各サイトのデータベース及びバックアップファイルを取得しました。 出典: travelzip.jp
攻撃は自動化されたツールを使い、約13時間に約9,600件のリクエストが送られたと書かれています。また、2026年10月21日に公表された PHP(ウェブサイトを動かすプログラム言語の1つ)の脆弱性とは関係がないことをログの調査で確認したとしています。
ミラボ(ささえ~る)
区の発表では、アカウント登録と権限管理の仕組みに「設計段階で想定していなかった不備」があり、不正なアカウントが作られ、本来付くはずのない管理者権限がそのアカウントに結び付けられた結果、会員登録された情報が不正にダウンロードされたとしています。管理者権限とは、全会員の情報を見たり取り出したりできる強い権限のことです。
アルカディア(メールマガジン)
区のページは、運用会社が不正アクセスを確認したと書き、詳細は運用会社のページを見るよう案内しています。運用会社の配信システム「SpeeCAN RAIDEN」のお知らせでは、10月13日1時17分から7時16分までの間、不正なプログラムによってシステムから外部にフィッシング詐欺のメールが配信されたと報告しています。ただし、台東区の登録者のメールアドレスが流出したかどうかは、区のページでは「調査中」のままです。
同じサーバーにあった他の自治体のサイト
トラベルジップの第2報は、台東区の2つのサイトと同じサーバーに、ほかの自治体の観光サイトも格納されていたと書いています。第2報の表(10月26日17時30分更新)では、次のとおりです。
| 対象サイト | 第2報の件数 |
|---|---|
| 台東区観光公式サイト TAITOおでかけナビ | 5,168件 |
| 台東区ドラマ館サイト(閉鎖済み) | 124件 |
| 飛騨高山観光公式サイト 飛騨高山 旅ガイド | 524件 |
| 熱海市観光協会公式サイト あたみニュース | 1,234件(重複を除くと966件) |
| 合計 | 7,050件(重複を除くと6,782件) |
台東区の発表(約5,500件、約120件)と、トラベルジップの件数(5,168件、124件)は一致していません。第2報は、件数は「データの件数」であり、同じ人が複数回申し込んだ場合や社内担当者のテストメール、管理画面のアカウント情報、開発・テスト用データも含むため、各自治体が発表している数値とは差があると説明しています。どちらの数字が自分に関係するかを気にする必要はなく、自分がそのサイトで申請や問い合わせをしたかどうかが判断の分かれ目です。件数の差について詳しく知りたい場合は、区の観光課に確かめてください。
第2報は、上の表に載っていないサイトでの個人情報の流出は、現時点で確認されていないとも書いています。
区と委託先の対応
発表に書かれている対応だけを並べます。書かれていないこと(補償の有無など)は、この記事では扱いません。
- ささえ~る:不正に作成されたアカウントを無効化して削除した。同じ方法では管理者アカウントが作れないようシステムを修正した。新規会員登録を一時停止した
- おでかけナビ・蔦重のサイト:区は詳細を調査中としている。トラベルジップは判明当日に対象サイトを閉鎖し、社内に対策委員会を設置したと発表。サイトに蓄積された個人情報は、各自治体・観光協会の承諾を得たうえでデータベースから完全に消去(物理削除)し、今後は個人情報をできるだけサーバー内に蓄積しない運用にするとしている。サイトの再公開は、安全が確認され、各自治体・観光協会の判断を得た後になるという
- メールマガジン:区は配信の停止を続けている。区内の犯罪・不審者情報を受け取っていた「たいとう安全・安心電子飛脚便」の代わりとして、警視庁の「メールけいしちょう」かスマートフォンアプリ「デジポリス」への登録を案内している。その他の区政情報は区の公式ホームページや公式 LINE で発信するとしている
- 区の関連サイト:10月22日から緊急メンテナンス等で一部のサイトやサービスを一時停止。10月28日10時の更新では、医療・介護情報検索システム、蔦屋重三郎ゆかりの地デジタルスタンプラリー、伝統工芸ウェブサイト『江戸の匠・伝統の逸品』が停止中で、区立学校のホームページや電子図書館などは順に再開している
2026年10月28日時点で、区の3つのページには、対象者一人ひとりに個別に連絡するとの記載は見当たりません。「区から連絡が来ないから対象ではない」とは言い切れないため、心当たりがある人は自分で確かめるほうが確実です。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかは、そのサービスで何をしたかで判断します。サービス別に、心当たりの探し方をまとめます。
おでかけナビを使った人
過去に「TAITOおでかけナビ」で、写真のダウンロードを申請した、パンフレットや資料を請求した、問い合わせフォームから連絡した人が対象に入りえます。メールの受信箱で「おでかけナビ」「台東区観光」などの語を検索し、申請や請求の受付メールが残っていないかを見るのが手早い方法です。仕事で申請した場合は、会社の共有アドレスや、以前の勤め先のアドレスで申請していないかも思い出してください。
蔦重ゆかりの地 台東区で問い合わせた人
2026年3月12日に公開を終えたサイトのため、問い合わせをしたのは主にそれ以前です。お問い合わせ内容も項目に入っているので、どんな内容を書いたかも振り返っておくと、後で不審な連絡が来たときに見分けやすくなります。
ささえ~るの利用者
アプリに会員登録した人が対象に入りえます。流出が確認されたのはメールアドレスと、障害児者との関係、障害のカテゴリーです。登録に使ったメールアドレスがどれかを確かめておくと、そのアドレスに届く連絡に特に注意を向けられます。
メールマガジンの登録者
メールマガジンに登録している人は、流出の可能性があり調査中という段階です。区の発表で結果が出るまでは、登録しているアドレスに届く「台東区」を名乗るメールに注意します。
どのサービスでも、心当たりがあるのに確信が持てない場合は、表の問い合わせ先に電話し、自分が対象かどうかの確かめ方を尋ねるのがいちばん確実です。
ささえ~るの利用者と家族が知っておきたいこと
「ささえ~る」は障害のある人やその家族が情報を得るために使うアプリで、流出した項目には障害に関する情報が含まれています。不安に感じる人もいるはずですが、区の発表で確認されているのは、メールアドレスと、障害児者との関係、障害のカテゴリーであり、氏名、住所、電話番号は含まれていないと明記されています。
このため、メールアドレスだけからすぐに住所や本名が特定されるとは、区の発表からは読み取れません。ただし、同じメールアドレスを別のサービスで本名とともに使っていると、その組み合わせで人物を推し量られるおそれは一般に考えられます。気になる人は、ささえ~るに登録したアドレスを、ほかにどのサービスで使っているかを書き出してみてください。
区は利用者へのお願いとして、区やサービス運用会社を装って個人情報の入力などを求めるメールが送られる可能性があるとし、身に覚えのないメールは開かないこと、開いた場合も添付ファイルや本文中の URL を押さないことを挙げています。障害に関する情報を知っている風を装い、福祉の手続きや給付をうたって連絡してくる手口も考えられるため、手続きの話が出たら、メールや電話の相手に答えず、区の障害福祉課(03-5246-1206)に自分からかけ直して確かめる、という順番を家族で決めておくと安心です。
利用者がすること
流出が確認された項目は、メールアドレス、電話番号、住所、氏名などの連絡先が中心で、パスワードやカード番号は発表に含まれていません。そのため、いちばん気をつけたいのは、連絡先を使って届く偽の連絡です。
偽のメール・SMS・電話・郵便物を見分ける
トラベルジップは第2報で、同社、自治体、観光協会を装った不審なメール、SMS、電話、郵便物に注意するよう呼びかけています。蔦重のサイトの件で区は、メールや電話、郵送物で個人情報の提供を求める連絡が行われる可能性があるとしています。
見分けるときの目安は次のとおりです。
- 「お詫び」「返金」「補償」を名目に、口座番号やカード番号、暗証番号を尋ねてくる
- 本文の URL から本人確認や再登録を求める
- 区の電話番号ではない番号から、区の職員を名乗ってかけてくる
- 期限を短く区切って急がせる
迷ったら、届いた連絡の中の電話番号やリンクは使わず、区の公式ページに載っている電話番号に自分からかけて確かめます。区の代表電話は 03-5246-1111 です。
メールアドレスとパスワードの見直し
今回の発表にパスワードは含まれていませんが、同じメールアドレスを使っているほかのサービスで、使い回しのパスワードがないかはこの機会に見直しておくと安心です。自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で、調べ方の手順と、結果が出たときに何をすればよいかを解説しています。
ログインのときにパスワードに加えて確認コードを求める仕組み(二段階認証、多要素認証)を、メールやネット銀行で有効にしておくと、パスワードが知られても乗っ取られにくくなります。仕組みと導入のしかたはMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で整理しています。
住所が出た人が気をつけること
おでかけナビと蔦重のサイトでは住所も項目に入っています。住所が知られたときに起きやすいことと、防ぐための手順は個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で順を追って説明しています。
URLを押してしまった、情報を入力してしまったとき
偽のメールの URL を押しただけで、何も入力していない場合は、そのページをすぐに閉じ、同じメールのほかのリンクも押さないようにします。パソコンやスマートフォンのセキュリティソフトがあれば、検査をかけておくと安心です。
ID とパスワードを入力してしまった場合は、そのサービスの公式アプリや、ブックマークしてある公式サイトから入り直し、すぐにパスワードを変えます。同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば、そちらも変えます。口座番号やカード番号を入力してしまった場合は、銀行やカード会社の公式の窓口に連絡して、利用を止める手続きを相談します。区や委託先を名乗る相手にお金を振り込んでしまった場合は、振込先の金融機関と最寄りの警察署にすぐ連絡します。
カードの明細
クレジットカード番号は、どの発表にも流出した項目として書かれていません。カードの明細を慌てて止める必要が発表から読み取れるわけではありませんが、偽のメールに誘導されてカード番号を入れてしまった場合は、すぐにカード会社に連絡して止めてもらいます。
観光関係の事業者と、在宅で仕事をする人の注意
おでかけナビの写真ダウンロードやパンフレット請求は、仕事として使う人が多い窓口です。旅行記事を書くライター、パンフレットを作るデザイナー、ツアーを組む旅行会社などが、取引先の仕事のために申請していたことも考えられます。
自分の情報と、取引先の情報を分けて考える
まず、申請や問い合わせのときに入力したのが自分の名前と連絡先だけなのか、取引先の会社名や担当者名、案件の中身まで書いたのかを思い出します。蔦重のサイトでは「お問い合わせ内容」も項目に入っています。問い合わせの文に、取引先の名前やまだ公開していない企画の内容を書いていた場合は、取引先にも事情を伝えておくほうが、後で不審な連絡が取引先に届いたときに話が早くなります。
法律上の報告は誰の義務か
個人情報保護委員会は、個人データの漏えいが起きたときに委員会への報告が義務になる場合を公式ページで示しています。たとえば、不正の目的で行われたおそれのある行為による漏えいや、本人の数が民間の事業者で1,000人、国の機関や地方公共団体などの行政機関等で100人を超える漏えいなどです。
(4)個人データに係る本人の数が1,000人を超える漏えい等(又はそのおそれ)※民間事業者等 保有個人情報に係る本人の数が100人を超える漏えい等(又はそのおそれ)※行政機関等 出典: ppc.go.jp
この報告の義務は、情報を預かっていた側(今回なら区や委託先)にかかるものです。サイトに申請しただけの利用者が、個人情報保護委員会に何かを届け出る義務を負うとは、委員会のページからは読み取れません。取引先に伝えるかどうかは法律の義務というより信頼関係の判断で、契約で「事故の連絡」の決まりがある場合はそれに従います。個別の判断に迷うときは、契約書を確かめたうえで、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に相談してください。
自分が情報を預かる側になったときのために
在宅で仕事をする人は、取引先の顧客名簿や問い合わせの記録を預かることがあります。今回のように、公開を終えたサイトに問い合わせの記録が残っていた例は、自分の手元にも当てはまります。案件が終わったら預かったデータを削除する、共有のフォルダに残さない、という習慣が、万一のときの被害を小さくします。
区の新着情報に出ているほかの発表
台東区の新着情報には、2026年10月28日時点で、上の3件とは別の委託先に関する発表も出ています。混同しないよう、別に記録します。
| 発表 | 日付 | 区の表現 | 件数・項目 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|---|---|
| 竜泉福祉センター「いきいきてらす」の申し込みフォーム(運営は Studio株式会社) | 2026年10月28日 | 個人情報流出の疑い。情報が流出した可能性がある | 737件。申し込みの際に入力された氏名、ふりがな、住所、電話番号、メールアドレス、性別等 | 竜泉福祉センター 03-6802-3014 |
| ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」(運営は株式会社トラストバンク) | 2026年10月22日 | 運営事業者への不正アクセスに伴うサービス停止。区への影響は運営事業者に確認中 | 区のページに台東区分の件数の記載なし | 株式会社トラストバンク 寄附者様向け専用窓口(メール [email protected]) |
竜泉福祉センターの件は、Studio株式会社の公表として、不正アクセスに使われた経路は対処済みで、現時点で第三者によるデータの取得は確認されていないが、取得されたものとみなして二次被害の有無などを調べ続けている、と区が紹介しています。竜泉福祉センターの申し込みフォームは当面停止です。
ふるさとチョイスの件では、区は「ふるさとチョイス」と同じメールアドレスとパスワードの組み合わせをほかのサービスで使っている場合は、ほかのサービスのパスワードを変えるよう呼びかけています。台東区に寄附したことがある人は、この呼びかけも合わせて確かめてください。
問い合わせ窓口
区の各ページに載っている窓口です。受付時間は区のページに書かれていないため、平日の日中にかけるのが確実です。
| 用件 | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| TAITOおでかけナビ | 観光課 | 03-5246-1151 |
| 蔦重ゆかりの地 台東区 | 文化振興課担当(芸術・芸能支援) | 03-5246-1328 |
| ささえ~る | 障害福祉課施策推進担当 | 03-5246-1206 |
| たいとうメールマガジン、緊急メンテナンスの一覧 | 広報課広報担当 | 03-5246-1021 |
| 竜泉福祉センターの申し込みフォーム | 竜泉福祉センター「いきいきてらす」 | 03-6802-3014 |
トラベルジップは、自社の窓口として「情報セキュリティ相談窓口」(メール [email protected])を設けています。区のサービスについての質問は、まず区の窓口に問い合わせるほうが話が早いはずです。
各ページは次のとおりです。
メールマガジンの停止の案内は、区が次のように書いています。
台東区の区政情報を電子メールで発信する「たいとうメールマガジン配信システム」において、運用会社が不正アクセスを確認したとして、10月13日(火曜日)11時よりシステムを緊急停止し、本区のたいとうメールマガジンも配信を停止しています。 出典: city.taito.lg.jp
委託先の事故が続くなかで、在宅で働く人が自分のアカウントを守る
2026年10月は、台東区の件に限らず、メール配信やフォーム、サイト管理を請け負う会社への不正アクセスが相次ぎ、その先にある自治体や企業の利用者に影響が及びました。利用者の側からは、どの会社が裏側を運営しているかは見えません。だからこそ、自分の側でできる備えが効いてきます。
1つ目は、用途ごとにメールアドレスを分けることです。仕事の連絡用、自治体や買い物の登録用、と分けておくと、どこかで流出が起きても影響を受けるアドレスが限られ、偽のメールにも気づきやすくなります。
2つ目は、偽のメールを見分ける目を養うことです。社員向けの訓練の考え方は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しており、個人で働く人にもそのまま使える見分け方が載っています。
3つ目は、預かった情報を必要以上に持たないことです。今回、公開を終えたサイトに問い合わせの記録が残っていたように、使い終わったデータが残っていること自体が危険になります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの運営の立場からも、仕事用と個人用のアカウントを分けること、案件が終わったら預かったデータを片付けることを、在宅で働く人がまず身に付けたい備えとして挙げます。セキュリティの知識は、自分を守るだけでなく、取引先から信頼される理由にもなり、仕事そのものにもなります。セキュリティ分野の在宅の仕事の内容はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
よくある質問
Q. 台東区の情報漏洩で、自分が対象かどうかはどうやって確かめればよいですか?
TAITOおでかけナビで写真ダウンロードの申請や資料請求、問い合わせをした人、蔦重ゆかりの地 台東区で問い合わせをした人、ささえ~るに会員登録した人が対象に入りえます。受信箱で受付メールを探し、確信が持てなければ観光課 03-5246-1151、文化振興課 03-5246-1328、障害福祉課 03-5246-1206 にそれぞれ問い合わせるのが確実です。
Q. たいとうメールマガジンに登録していますが、メールアドレスは流出したのですか?
2026年10月28日時点で、区は「登録しているメールアドレスが流出した可能性もありますが、詳細については現在調査中」としており、流出したとは確定していません。結果が出るまでは、台東区を名乗る身に覚えのないメールを開かず、添付ファイルや URL を押さないようにしてください。問い合わせは広報課広報担当 03-5246-1021 です。
Q. パスワードやクレジットカード番号も流出したのですか?
区の3件の発表には、パスワードやクレジットカード番号が流出したとは書かれていません。流出が確認されたのは氏名、メールアドレス、電話番号、住所、問い合わせ内容などの連絡先が中心です。ただし、偽のメールに誘導されてカード番号を入力してしまった場合は、すぐにカード会社に連絡してください。
Q. 区を名乗る電話やメールが来たときはどうすればよいですか?
その場で個人情報や口座番号を答えず、届いたメールのリンクや電話番号も使わないでください。区の公式ページに載っている担当課の電話番号、または代表電話 03-5246-1111 に自分からかけ直し、本当に区からの連絡かを確かめるのが安全です。返金や補償を名目に情報を求める連絡にも注意してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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