東京電力の情報漏えいの可能性|委託先 日本交通への不正アクセス ハイヤー利用者の氏名・自宅住所 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓東京電力 情報漏洩と検索した人へ
- ✓東京電力ホールディングスは2026年10月30日
- ✓委託先の日本交通への不正アクセスで
「東京電力 情報漏洩」と調べた人への答えを先に書きます。 東京電力ホールディングスは2026年10月30日、ハイヤーの手配を委託している日本交通株式会社の社内サーバーが第三者から不正アクセスを受け、東京電力の役員および社員等(退任・退職者を含む)の個人情報が外部に漏えいした可能性があると、日本交通から報告を受けたと発表しました。 対象は、2006年8月頃から2026年7月までの間に東京電力で手配したハイヤーの利用者と申込者で、漏えいの可能性がある情報は「氏名・役職名・自宅住所・電話番号の全部または一部」です。
対象かもしれない人がまずすることは3つです。 1つ目は、東京電力からの通知が届いているかを確かめ、届いていなくても心当たりがあれば東京電力の問い合わせ窓口に確かめることです。 2つ目は、自宅住所と電話番号を知っていることを理由に信用させようとする電話、SMS、郵便、訪問には、その場で応じないことです。 3つ目は、同居する家族にも、この件と不審な連絡への備えを伝えておくことです。
電気の契約者(くらしTEPCOの会員や、東京電力エナジーパートナーと電気の契約をしている人)の情報は、この発表の対象として挙がっていません。 件数は、東京電力の発表には書かれていません。 この記事では、2026年11月2日時点の東京電力ホールディングスの公式発表と、委託先の日本交通の公式発表に書かれていることだけをもとに、対象、漏えいの可能性がある情報、原因、会社の対応、自分が対象かの確かめ方、偽の連絡への備えを順に整理します。
東京電力の発表で何が起きたか(2026年11月2日時点)
東京電力ホールディングスは、東京電力グループの持株会社です。 持株会社とは、グループの各社の株を持ち、グループ全体の経営をまとめる会社のことです。 今回の発表は、東京電力ホールディングスが役員や社員の移動のために手配していたハイヤーに関係しています。 ハイヤーとは、タクシーのように道で拾うのではなく、事前に予約して運転手付きの車を貸し切る乗り物のことで、会社の役員の送迎や来客の送迎によく使われます。
東京電力はこのハイヤーの業務を日本交通株式会社に委託していて、日本交通のシステムには、ハイヤーを使った人や申し込んだ人の情報が登録されていました。 その日本交通の社内サーバーが不正アクセスを受けた、というのが今回の件の骨組みです。
東京電力の発表の中心の部分は次のとおりです。
当社が業務委託している日本交通株式会社(以下、「委託先」)から、委託先社内サーバーが第三者からの不正アクセスを受け、システムに登録されていた当社役員および社員等(退任・退職者含む)の個人情報が外部に漏えいした可能性があるとの報告を受けました。 出典: tepco.co.jp(業務委託先への不正アクセスによる当社役員等の個人情報漏えいの可能性について 2026年10月30日)
発表の題にも「漏えいの可能性」という言葉が使われています。 東京電力は「漏えいした」と言い切ってはおらず、「漏えいした可能性がある」という報告を委託先から受けた、という書き方をしています。 この記事でも同社の言葉に合わせ、「漏えいの可能性」と書きます。
関係する会社の立場を表にすると、次のようになります。
| 立場 | 会社 | 今回の件でのかかわり |
|---|---|---|
| ハイヤーを手配した会社(委託元) | 東京電力ホールディングス | 委託先から報告を受け、2026年10月30日に発表。対象者に順次通知 |
| ハイヤーの業務を受けた会社(委託先) | 日本交通 | 社内サーバーが不正アクセスを受けた。2026年7月から第1報、10月30日に第6報 |
東京電力のシステムが不正アクセスを受けたのではなく、委託先の日本交通のサーバーが不正アクセスを受けた、という点が、この件を読むうえでいちばん大事なところです。
電気の契約者の情報は対象として挙がっていない
「東京電力 情報漏洩」と調べた人の中には、自分の家の電気の契約の情報が漏れたのではないか、と心配している人も多いはずです。 東京電力の発表で、漏えいの可能性がある対象として書かれているのは、次の範囲だけです。
2006 年 8 月頃から 2026 年 7 月までの間において、当社で手配したハイヤー利用者及び申込者の氏名・役職名・自宅住所・電話番号の全部または一部 出典: tepco.co.jp(東京電力ホールディングスのお知らせ 2026年10月30日)
発表の冒頭では、対象を「当社役員および社員等(退任・退職者含む)」と書いています。 電気料金の請求先、お客さま番号、電気の使用量、くらしTEPCOのログインIDのような、電気の契約に関する情報は、発表のどこにも対象として挙がっていません。 また、委託先の日本交通も、第6報で「タクシーをご利用のお客様の情報(配車・ご乗車に関する情報)は、対象に含まれておりません」と書いています。
まとめると、次のようになります。
| こんな人 | 東京電力の発表の対象か |
|---|---|
| 東京電力の役員・社員で、会社の手配でハイヤーに乗ったことがある(退任・退職者を含む) | 対象の範囲に入る可能性がある |
| 東京電力の社員で、役員などのためにハイヤーを申し込んだことがある | 対象の範囲に入る可能性がある |
| 家で東京電力エナジーパートナーと電気の契約をしているだけ | 発表に対象として書かれていない |
| 日本交通のタクシーに乗っただけ | 日本交通の第6報で対象外と書かれている |
ただし、電気の契約者が対象でないからといって、「東京電力」を名乗る不審な連絡が来ないとは限りません。 ニュースで社名が広く出ると、その社名を使った偽の連絡が増えることがあります。 電気料金の未払いや返金をうたう連絡が届いたときは、今回の件とは切り離して、契約している会社の公式サイトや、手元の検針票・請求書に書かれた連絡先から確かめるのが安全です。
公表の経緯:日本交通の第1報から東京電力の発表まで
この件は、委託先の日本交通が先に発表を重ね、その調査結果を受けて委託元の東京電力が発表した、という順番になっています。 日付を並べると次のとおりです。
| 日付 | 発表した会社 | 発表で分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年7月11日 | (日本交通の第6報による) | 日本交通のシステムへの不正アクセスが発生 |
| 2026年7月13日以降 | 日本交通 | 第1報から第5報までを順にお知らせ |
| 2026年10月30日 | 日本交通(第6報) | 外部の専門機関による調査の結果に基づき、漏えいした可能性のある人の範囲と項目を確認。個人情報保護委員会と警察等へ報告 |
| 2026年10月30日 | 東京電力ホールディングス | 委託先から報告を受けたとして、役員等の個人情報漏えいの可能性を発表。対象者へ順次通知 |
日本交通の第6報は、冒頭で次のように書いています。
弊社は、2026年7月11日に発生した弊社システムへの不正アクセスについて、7月13日以降、第1報から第5報までをお知らせしてまいりました。 このたび、外部の専門機関による調査の結果に基づき、個人情報が漏えいした可能性のある方の範囲および項目を確認いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。 出典: nihon-kotsu-hire.jp(弊社システムへの不正アクセスに関するお知らせ(第6報) 2026年10月30日)
不正アクセスの発生から、範囲と項目が確定するまでに3か月半ほどかかっています。 こうした調査では、どのサーバーに何が保存されていて、どこまで外に出た可能性があるかを、記録を1つずつたどって確かめるため、時間がかかることが多いのです。 日本交通の第6報と東京電力の発表は、同じ2026年10月30日に出ています。 ただし、東京電力がいつ日本交通から報告を受けたかの日付は、東京電力の発表には書かれていません。
漏えいの可能性がある情報と、書かれていない情報
東京電力の発表に書かれた、漏えいの可能性がある情報は4つです。 「全部または一部」とあるので、1人ずつ、どの項目が登録されていたかは違います。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいの可能性がある情報(東京電力の発表) | 氏名、役職名、自宅住所、電話番号(全部または一部) |
| 対象の期間 | 2006年8月頃から2026年7月までに東京電力で手配したハイヤー |
| 対象の人 | ハイヤーの利用者及び申込者(役員および社員等。退任・退職者を含む) |
| 件数 | 東京電力の発表には書かれていない |
対象の期間がおよそ20年に及ぶ点は、見落とさないようにしたいところです。 2006年頃に役員だった人や、ハイヤーの申込を担当していた社員が、いまは退職して別の住所に移っていることもあります。 発表が退任・退職者を含むと書いているのは、このためです。
日本交通の第6報には、日本交通が持っていた情報の区分ごとに、漏えいまたはそのおそれのある項目が表で出ています。 ハイヤーの客の区分(申込の担当者と、乗車した客)では、氏名、自宅住所、会社と自宅の電話番号、携帯電話番号、FAX番号、メールアドレスが挙がっています。 一方、東京電力の発表に挙がっているのは、氏名、役職名、自宅住所、電話番号の4つで、メールアドレスは挙がっていません。 どちらの発表も「該当し得るもの」を並べた形で、1人ひとりに当てはまる項目は個別の通知で知らせるとされています。 自分のどの情報が対象かは、届いた通知の内容で確かめるのが確実です。
日本交通の第6報は、「弊社は、クレジットカード情報を保有しておりません」とも書いています。 東京電力の発表には、銀行口座、クレジットカード、パスワードについての記載はありません。 書かれていないことを、含まれていないと言い切ることはできませんが、発表に挙がっている項目は上の4つです。
原因:委託先 日本交通の社内サーバーへの不正アクセス
東京電力の発表に書かれた原因は、委託先の日本交通の社内サーバーが第三者からの不正アクセスを受けたことです。 不正アクセスとは、本来入る権限のない人が、他人のIDを使ったり、システムの弱いところを突いたりして、コンピューターに入り込むことです。
委託とは、会社が自分の仕事の一部を別の会社に任せることです。 東京電力は、役員や社員の移動に使うハイヤーの手配を日本交通に任せていました。 ハイヤーを予約するには、乗る人の名前、迎えに行く場所(自宅のこともあります)、連絡先、行き先などを、ハイヤー会社に伝える必要があります。 そのため、日本交通のシステムに、東京電力の役員や社員の自宅住所や電話番号が登録されていたわけです。
日本交通の第6報は、不正アクセスへの対応として、次のような対策を実施したと書いています。
・侵入に使われた経路の遮断と、感染した機器の停止・隔離
・外部から社内システムへの接続経路の見直し、アカウントとパスワードの再設定、重要なアカウントへの多要素認証の適用
・不審な動きを検知・遮断する監視の仕組みの導入
・個人情報の保管期間に関するルールの策定と、ルールに基づく削除
・緊急対策本部の設置
今後の対策としては、ハイヤーのWEB予約システムの再構築、外部から社内システムへ接続する方式の刷新と多要素認証の導入、業務委託先のセキュリティ対策の確認、全従業員への教育・訓練などが挙がっています。 多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号などもう1つの確認を求める仕組みのことです。 仕組みと導入の考え方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で整理しています。
侵入の具体的な手口(どの機器のどんな弱点が使われたか、攻撃者がだれか)は、東京電力と日本交通の発表には書かれていません。 この記事でも推測では書きません。
日本交通の発表で分かっている背景
日本交通の不正アクセスは、東京電力の役員や社員だけに関係する話ではありません。 日本交通の第6報では、ハイヤーの客のほか、日本交通の乗務員・職員(退職者を含む)、採用選考への応募者、従業員の家族、取引先の担当者、乗務員が関わった事故等の相手方といった区分ごとに、漏えいまたはそのおそれのある項目と人数が示されています。 区分ごとの人数と項目は、日本交通の情報漏洩の可能性|不正アクセスでハイヤー利用者や応募者など区分ごとの人数と項目 対象と確かめること 2026で整理しています。
東京電力の件は、この中の「ハイヤーの客」の一部にあたる、と考えると全体がつかみやすくなります。 日本交通のハイヤーを使っていた会社は東京電力のほかにもあり得ますが、2026年11月2日時点で、委託元として公表しているのが東京電力です。 東京電力の発表は、日本交通の調査状況について「委託先ホームページをご確認ください」として、日本交通のホームページを案内しています。
日本交通の第6報は、対象となる人への連絡について、「該当する項目を記載したご通知を、書面または電子メールで順次お送りしております」と書いています。 東京電力も対象者に順次通知していると発表しているので、東京電力の役員や社員だった人には、東京電力からの通知と、日本交通からの通知の両方が届くこともあり得ます。 どちらから届くかは、発表からは分かりません。 届いた通知の差出人と、書かれている窓口の電話番号が、それぞれの会社の公式発表に載っているものと一致するかを確かめると、偽の通知と見分けやすくなります。
東京電力の対応
東京電力の発表に書かれた対応は、次のとおりです。
| 対応 | 発表の内容 |
|---|---|
| 対象者への通知 | 対象者に順次、通知を実施 |
| 通知が困難な人 | 一部対象者は通知が困難なため、通知の代替措置として、この発表でお知らせ |
| 二次被害 | 現時点で、漏えいした可能性がある個人情報が悪用される等の二次被害は確認されていない |
| 再発防止 | 委託先に対し情報管理徹底を求めることで、再発防止に努める |
| 対象者へのお願い | なりすましメールやフィッシング詐欺等に悪用される恐れがあるため、不審なSMSや電話等に注意 |
「通知の代替措置」という言葉は、少し分かりにくいかもしれません。 個人情報が漏えいしたおそれがあるとき、会社は原則として本人に知らせる必要があります。 ただ、退職して引っ越した人のように、いまの連絡先が分からない人には個別に知らせることができません。 そうした場合に、会社のホームページなどで広く公表することで、本人への通知に代える扱いがあります。 今回の東京電力の発表は、この代替措置として出されたものです。
つまり、この発表は、通知が届かない元役員や元社員に向けた「お知らせ」でもあります。 東京電力を退職した人で、2006年8月頃以降に会社の手配でハイヤーに乗ったり、ハイヤーを申し込んだりしたことがある人は、通知が届いていなくても、自分が対象かもしれないと考えて確かめる意味があります。
お詫びの品や金銭の補償について、東京電力の発表には書かれていません。 漏えいのあとにお詫びの金券やポイントが出る場合と出ない場合の考え方は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理していますが、今回の件で補償があるかどうかは、発表からは分かりません。
自分が対象かを確かめる方法
自分が対象かどうかは、立場によって確かめ方が少し変わります。
東京電力の現役の役員・社員
会社の手配でハイヤーに乗ったことがある人、または役員や来客のためにハイヤーを申し込んだことがある人は、対象の範囲に入る可能性があります。 東京電力は対象者に順次通知していると発表しているので、まずは通知が届いているかを確かめます。 社内の連絡の経路で届くのか、郵便で届くのかは、発表には書かれていません。 通知が見当たらないのに心当たりがある場合は、下に書く東京電力の問い合わせ窓口に確かめます。
東京電力を退任・退職した人
2006年8月頃から2026年7月までの間に、会社の手配でハイヤーを使ったり申し込んだりしたことがある人は、退職していても対象の範囲に入ります。 退職後に引っ越していると、通知が届かないことがあります。 東京電力の発表は「一部対象者においては、通知が困難」と書き、この発表を通知の代替措置としています。 心当たりがあれば、東京電力の問い合わせ窓口に、いまの連絡先と、在籍していた時期を伝えて確かめるのが確実です。
秘書や総務などでハイヤーを申し込んでいた人
「申込者」も対象に入っている点は大事です。 役員の移動のためにハイヤーを予約する仕事をしていた秘書や総務の担当者は、自分がハイヤーに乗っていなくても、申込者として名前や電話番号が登録されていた可能性があります。 ただ、申込者について、自宅住所まで登録されていたかどうかは人によって違うはずで、発表も「全部または一部」と書いています。 どの項目が該当するかは、通知か窓口で確かめます。
家族
家族そのものが対象として発表に書かれているわけではありません。 ただ、漏えいの可能性があるのは自宅住所と電話番号なので、同じ家に住む家族も、その住所に届く郵便や、自宅の電話にかかってくる不審な連絡を受ける立場になります。 家族の安全のためにも、次の節に書く備えを家族と共有しておくことをすすめます。
通知が届いたときに確かめる点
通知が届いたら、内容をうのみにせず、次の点を順に確かめます。
・差出人が東京電力ホールディングス、または日本交通になっているか
・書かれている問い合わせ先の電話番号が、公式発表に載っている番号(東京電力は03-6373-1111、日本交通は0120-009-098)と一致するか
・どの項目が該当するかが書かれているか(氏名、役職名、自宅住所、電話番号のどれか)
・リンクを開いてパスワードやカード番号を入力させる内容になっていないか
公式の発表に載っている番号と違う連絡先だけが書かれている場合や、入力を急がせる内容の場合は、その通知自体が偽物である可能性を考えます。 迷ったときは、通知に書かれた番号ではなく、公式発表に載っている番号にかけて、通知を送ったかどうかを確かめます。
対象かもしれない人がすること
漏えいの可能性があるのは、氏名、役職名、自宅住所、電話番号です。 パスワードやカード番号は発表に挙がっていないので、すぐにパスワードを変える必要がある、という種類の件ではありません。 することは、偽の連絡に備えることが中心になります。
1つ目は、通知を確かめることです。 東京電力からの通知が届いたら、書かれている項目と、問い合わせ先を確かめます。 問い合わせ先の電話番号は、東京電力の発表に載っている代表番号と一致するかを見ます。
2つ目は、名前や住所を言い当てる連絡に、その場で応じないことです。 日本交通の第6報は、「弊社や官公庁、金融機関等を装い、お名前やご住所などを言い当てて信用させようとする不審な連絡が届くおそれがあります」と注意しています。 名前と住所を知っているから本物、とは限りません。
3つ目は、暗証番号やパスワードに、生年月日や電話番号を使っていないかを見直すことです。 日本交通の第6報は、暗証番号やパスワードに生年月日や電話番号を使っている場合は変更をすすめています。 電話番号は今回の対象に入っているので、銀行のキャッシュカードの暗証番号や、ネットのサービスのパスワードに電話番号の一部を使っている人は、この機会に変えておくと安心です。 パスワードを変える順番は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で整理しています。
4つ目は、不審な連絡を記録しておくことです。 いつ、だれを名乗る人から、どんな内容の連絡があったかを残しておくと、窓口や警察に相談するときに役立ちます。
住所が漏れたときに起こりうることと、その防ぎ方の順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく書いています。
自宅住所と役職名から想定される連絡と見分け方
今回の件で特徴的なのは、「役職名」と「自宅住所」が組み合わさっている点です。 電力会社の役員や管理職であることと、その人の自宅の場所が結び付いた情報は、一般の会員情報とは違う使われ方をされるおそれがあります。 発表では二次被害は確認されていないとされていますが、備えとして、想定される連絡の型を知っておくと見分けやすくなります。
| 連絡の形 | 想定される言い方の例 | 見分けるときの考え方 |
|---|---|---|
| 電話 | 「東京電力の総務の者です。情報漏えいの件で本人確認をさせてください」 | 電話を切り、発表に載っている代表番号にかけ直して確かめる |
| SMS・メール | 「ハイヤーのご利用情報の確認」「お詫びの手続き」としてリンクを開かせる | リンクを開かない。パスワードや認証コードを入力しない |
| 郵便 | 会社名を名乗り、返信用の用紙に口座番号などを書かせる | 差出人と連絡先を公式発表と照らす。記入の前に窓口へ確かめる |
| 訪問 | 「会社から来た」「調査の件で」と自宅を訪ねてくる | 玄関を開ける前に名前と用件を聞き、会社に確かめるまで応じない |
電話で「本人確認」と言われると、つい答えてしまいがちです。 しかし、日本交通の第6報は「弊社が、お電話やメールで暗証番号・パスワード・認証コード等をお尋ねすることはございません」と書いています。 東京電力の発表にも、電話やメールで暗証番号を聞くとは書かれていません。 暗証番号、パスワード、SMSで届いた認証コードを聞かれたら、その時点で偽の連絡を疑ってよいのです。
電話番号が漏れたときに迷惑電話やSMSが増えるかどうかの確かめ方と備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。
訪問については、在宅のことが多い家族が応対することもあります。 家族が「会社の人だと言われたから」と玄関を開けてしまわないよう、「会社を名乗る人が突然来ても、すぐには応じない」と決めておくと安心です。 不安を感じたときは、ためらわずに警察に相談します。
家族と共有しておくこと
自宅住所と自宅の電話番号は、家族全員にかかわる情報です。 本人が会社で注意を受けていても、家族が知らなければ、自宅にかかってきた電話に家族が答えてしまうことがあります。 共有しておくとよいのは、次のようなことです。
・今回、東京電力の委託先で不正アクセスがあり、自宅住所と電話番号が漏えいした可能性があること
・会社や役所、銀行を名乗る電話でも、暗証番号やパスワードは答えないこと
・本人の勤め先や役職を知っていることを理由に信用しないこと
・不審な郵便や訪問があったら、本人に知らせ、本人が会社の窓口に確かめるまで応じないこと
・自宅の固定電話は、留守番電話にしておき、かけてきた相手を確かめてから折り返すこと
高齢の親と同居している場合は、特に丁寧に伝えておくことをすすめます。 会社の名前と本人の名前を出されると、家族は「本人の関係者だ」と思い込みやすくなります。 「本人に確かめてから折り返します」と言って電話を切ってよい、と伝えておくだけでも、被害を防ぐ力になります。
問い合わせ窓口
東京電力の発表に載っている問い合わせ窓口は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社 | 東京電力ホールディングス株式会社 |
| 窓口 | ビジネスソリューションカンパニー 総務サービスセンター 現業管理グループ |
| 電話番号 | 03-6373-1111(代表) |
| 受付時間 | 発表には書かれていない |
委託先の日本交通の第6報には、この件の問い合わせ先として、次のコールセンターが載っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 日本交通 コールセンター専用ダイヤル |
| 電話番号 | 0120-009-098 |
| 受付時間 | 平日9時から17時(土・日・祝日を除く) |
東京電力の役員や社員だった人で、自分が対象かどうかを確かめたい場合は、まず東京電力の窓口が分かりやすいはずです。 日本交通の調査の状況や、日本交通からの通知の内容について聞きたい場合は、日本交通のコールセンターになります。 どちらにかける場合も、電話番号は、届いたメールやSMSに書かれた番号ではなく、公式発表に載っている番号を使います。 偽の連絡は、偽の問い合わせ先を書いてくることがあるからです。
在宅で仕事をする人が気をつけたいこと
今回の件は、東京電力の役員や社員が中心の話ですが、在宅で仕事をする人にとっても他人事ではありません。 「仕事を任された会社が、任せた会社の情報を預かる」という構図は、在宅で仕事を受ける人にもそのまま当てはまるからです。
たとえば、企業から名簿の入力や、顧客リストの整理、アンケートの集計といった仕事を受けると、取引先の顧客の氏名や住所、電話番号を手元のパソコンで扱うことになります。 このとき、在宅で働く人は、その企業にとっての委託先にあたる場合があります。 今回の日本交通の立場と同じです。
個人情報保護委員会の「漏えい等の対応とお役立ち資料」のページでは、不正アクセスにより個人データが漏えいした場合を、報告が必要な場合の例として挙げています。 また、本人の数が1,000人を超える漏えい等(またはそのおそれ)も、報告が必要な場合として書かれています。
不正アクセスにより個人データが漏えいした場合 出典: ppc.go.jp(個人情報保護委員会 漏えい等の対応とお役立ち資料)
報告をするのは、原則として個人データを扱う事業者です。 在宅で働く人が委託先として預かった情報を漏らしてしまった場合に、だれがどのように報告するかは、契約の中身や事情によって変わるので、まず取引先に速やかに知らせ、取引先と相談して進めるのが一般的です。 個別の判断が必要なときは、個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」などの窓口で確かめます。
在宅で仕事をするときに、すぐにできる備えは次のとおりです。
・取引先から預かった個人情報は、仕事が終わったら契約で決めた方法で返すか削除し、手元に残さない
・仕事用のアカウントには、パスワードに加えて多要素認証を設定する
・パソコンのOSとソフトを最新の状態に保つ
・家族と共用のパソコンで、預かった情報を扱わない
日本交通が対策として「個人情報の保管期間に関するルールの策定と、ルールに基づく削除」を挙げているのは、要らなくなった情報を持ち続けないことが、漏えいの範囲を小さくすることにつながるからです。 今回の東京電力の件でも、対象の期間は2006年8月頃から2026年7月までと、およそ20年に及んでいます。 個人で仕事を受ける人も、同じ考え方で手元の情報を減らしておくと、万一のときの影響を小さくできます。
組織でフィッシングメールへの備えを訓練する考え方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。 セキュリティの知識を仕事に生かしたい人には、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅で受けられる仕事の種類を整理しています。
委託先で起きる漏えいに備える習慣(運営者の視点)
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、今回のような「自分が直接使っている会社ではなく、その会社が仕事を任せた先」で起きる漏えいは、年々目立つようになってきた種類の事案です。 会社は多くの仕事を外の会社に任せていて、任せた先のシステムにも、社員や客の情報が登録されています。 自分では選べない会社のシステムに、自分の情報が入っていることは珍しくありません。
こうした事案では、利用者の側でできることが限られます。 だからこそ、漏えいした「あと」に被害を受けにくくする習慣が効いてきます。 具体的には、次のようなことです。
・電話やメールで暗証番号やパスワードを聞かれても答えない、と決めておく
・暗証番号やパスワードに、生年月日や電話番号のような、他人に知られうる情報を使わない
・不審な連絡が来たら、相手が名乗った会社の公式サイトに載っている番号にかけ直す
・家族とも同じ決まりを共有しておく
在宅で長く仕事を続けている人ほど、自分の連絡先や住所をどこに登録したかを把握していて、使わなくなったサービスは退会して情報を残さないようにしています。 仕事を受ける側としても、預かった情報を必要な期間だけ持ち、仕事が終わったら手放す、という線引きがはっきりしている人ほど、取引先から長く信頼されています。 中間に入る会社が少ない直接の取引では、こうした情報の扱いの丁寧さが、そのまま次の仕事につながる信頼になります。
東京電力と日本交通の発表は、2026年11月2日時点の内容です。 今後、続報が出ることもあるので、対象かもしれない人は、東京電力からの通知と、日本交通のホームページのお知らせを確かめていくことをすすめます。
よくある質問
Q. 東京電力と電気の契約をしているだけですが、情報漏えいの対象ですか?
2026年10月30日の東京電力ホールディングスの発表で対象とされているのは、2006年8月頃から2026年7月までに東京電力で手配したハイヤーの利用者と申込者(役員および社員等。退任・退職者を含む)です。電気の契約に関する情報は対象として挙がっていません。ただし東京電力を名乗る偽の連絡には、引き続き注意が必要です。
Q. どんな情報が漏えいした可能性がありますか?
東京電力の発表では、氏名・役職名・自宅住所・電話番号の全部または一部です。1人ずつ登録されていた項目は違います。件数は発表に書かれていません。自分のどの項目が対象かは、東京電力からの通知か、問い合わせ窓口で確かめるのが確実です。
Q. 退職していて通知が届いていません。どうすればよいですか?
東京電力は、一部の対象者には通知が困難なため、この発表を通知の代替措置としています。2006年8月頃以降に会社の手配でハイヤーを使ったり申し込んだりした心当たりがあれば、東京電力ホールディングス ビジネスソリューションカンパニー 総務サービスセンター 現業管理グループ(03-6373-1111、代表)に確かめます。
Q. 東京電力を名乗る電話がかかってきたらどうすればよいですか?
その場で個人情報や暗証番号を答えず、いったん電話を切ります。そのうえで、東京電力の公式発表に載っている代表番号にかけ直して確かめます。委託先の日本交通も、電話やメールで暗証番号・パスワード・認証コード等を尋ねることはないと書いています。家族にも同じ対応を伝えておくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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