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戸田建設の個人情報漏洩|取引先のメールアドレスと従業員4,778名分 確かめること 2026

@SOHO編集部
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戸田建設の個人情報漏洩|取引先のメールアドレスと従業員4,778名分 確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓戸田建設の情報漏洩を公式発表で整理
  • ✓取引先への支払いを管理するシステム等への不正アクセスで
  • ✓取引先担当者のメールアドレス最大7,200件

戸田建設の情報漏洩として調べられている件は、総合建設会社の戸田建設株式会社が、2026年10月7日に「個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び」として公表した不正アクセスの事案です。 同社から取引先への支払いを管理するシステム等が外部から不正アクセスを受け、取引先の登録情報と従業員の個人情報の一部が外部に漏洩したことが判明したと発表されています。 漏洩した情報は、取引先の担当者のメールアドレスが最大7,200件、取引データが最大6,000件、従業員の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、所属部署が4,778名分です。

2026年11月1日時点で、同社のニュースの一覧に、この件の続報は出ていません。 件数と項目は10月7日の発表のままです。 漏洩した情報が不特定多数に公開された事実や、不正利用された事実は、発表の時点では確認されていないとされています。 同社は発表の日に個人情報保護委員会への報告を済ませ、漏洩が確認された人には順次、個別に案内するとしています。 補償やお詫びの品については、発表に記載はありません。

取引先の担当者と従業員がまずすることは3つです。 1つ目は、戸田建設の関係者を名乗るメールやSMSで、URLのクリック、添付ファイルの開封、情報の入力をしないことです。 2つ目は、請求書の送り先や振込先の変更を求める連絡が来たら、メール以外の方法で戸田建設の担当者に確かめることです。 3つ目は、従業員の人は、住所と電話番号あての不審な郵便物や電話にも備えることです。

この記事では、戸田建設の公式発表に書かれている事実だけをもとに、漏洩した情報、取引先の担当者と従業員それぞれが受けやすい偽の連絡、確かめ方、窓口を順に整理します。 報道で出ている数字や推測は使っていません。 時点はすべて2026年11月1日です。

戸田建設が公表したこと

同社の発表の冒頭には、次のように書かれています。

このたび、弊社が管理するシステムの一部におきまして、外部からの不正アクセスにより、取引先様の登録情報及び従業員の個人情報の一部が外部に漏洩したことが判明いたしました。 出典: toda.co.jp(戸田建設 個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び)

同社は「漏洩したことが判明」と書いています。 「おそれ」や「可能性」ではなく、外部に出たことが分かった、という書き方です。 一方で、出た情報が不特定多数に公開された事実や、不正に使われた事実は、発表の時点では確認されていないとしています。 外に出たことと、それが悪用されたことは別の話なので、この2つを分けて受け止めてください。

不正アクセスを受けたのは、同社から取引先への支払いを管理するシステム等です。 建設会社は、工事ごとに多くの協力会社や資材の会社と取引があり、毎月の請求と支払いのやりとりが大量に発生します。 そうしたやりとりを管理するシステムには、取引先の会社名や担当者の連絡先、支払いの記録がまとまっています。 今回の件で取引先の担当者のメールアドレスと取引データが対象になったのは、そのためです。

この記事の読み手として想定しているのは、戸田建設と取引のある会社で、請求や経理、営業を担当している人と、戸田建設の従業員とその家族です。 戸田建設と取引のない人は、この件で自分の情報が対象になることは、発表からは考えにくいと言えます。

公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること

発表に書かれている日付を、順に並べます。

日付 出来事
2026年10月1日から10月5日 該当システムからの情報漏洩の形跡が確認された期間
2026年10月5日 外部からの不正アクセスを検知。直ちにシステム等への通信を遮断し、ネットワークから隔離
2026年10月7日 「個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び」を公表。同日、個人情報保護委員会へ報告
2026年11月1日時点 続報なし。件数と項目は10月7日の発表のまま

同社は10月5日に不正アクセスを検知し、調べたところ、10月1日から5日にかけて情報漏洩の形跡を確認したと書いています。 形跡とは、システムに残った記録から、情報が外に送られたことがうかがえる跡のことです。 検知した日に通信を遮断し、ネットワークから切り離す応急措置をとったとしています。 ネットワークからの隔離とは、問題のあるシステムを社内外の通信から切り離し、それ以上情報が出ていかないようにすることです。

発表には、外部の専門機関を交えて解析した結果、現時点で判明した影響を示したとあります。 そのうえで、被害の全容の解明と原因の特定に向けて詳しい調査を進めており、新たな事実が分かった場合には速やかに公表するとしています。 2026年11月1日時点で、同社のニュースの一覧に続報は載っていません。 今後、件数や原因が更新される可能性があるので、取引先の担当者は同社のニュースの一覧をときどき開き直してください。

漏洩した情報

同社が示した影響の範囲を、対象ごとに分けて並べます。

対象 項目 件数
該当システムを利用している取引先 担当者のメールアドレス 最大7,200件
該当システムを利用している取引先 取引データ 最大6,000件
戸田建設の従業員 氏名、住所、電話番号、メールアドレス、所属部署 4,778名分

取引先の件数は「最大」と書かれていて、確定の数字ではありません。 従業員の件数は「名分」で書かれています。 取引先と従業員の件数は数え方が違うので、合わせた数字は発表には出ていません。

取引データが具体的にどのような中身なのかは、発表には書かれていません。 金額、請求書の番号、振込先の口座などが含まれるかどうかは明記されていません。 発表には、含まれない項目を挙げた記載もありません。 そのため、この記事では、口座の情報が含まれる、含まれないのどちらとも書きません。 取引先の担当者は、自社のどの情報が対象になったかを、同社からの個別の案内や窓口で確かめてください。

取引先について漏洩したのは、担当者のメールアドレスです。 担当者の氏名や電話番号が含まれるとは書かれていません。 一方、従業員については、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、所属部署がそろっています。 取引先の担当者と従業員では、受けやすい偽の連絡の形も変わるので、後の節で分けて整理します。

原因は支払いを管理するシステム等への不正アクセス

発表に書かれている原因は、同社から取引先への支払いを管理するシステム等に対する、外部からの不正アクセスです。 不正アクセスとは、権限のない第三者が、他人のIDを使ったり、システムの弱点を突いたりして、システムに入り込むことです。 どのような手口で入り込まれたのか、どこに弱いところがあったのかは、2026年11月1日時点の発表には書かれていません。 同社は原因の特定に向けて調査を進めていると発表しています。

「システム等」という書き方なので、支払いを管理するシステムだけでなく、それに関わるほかの仕組みも含まれている可能性がありますが、範囲は明記されていません。 原因や範囲を推測して社内外に広めることは避け、続報を待ってください。

同社は調査について、次のように書いています。

現在、外部の専門機関と連携し、被害状況の全容解明および原因の特定に向けた詳細な調査を進めております。今後、新たな事実が判明した場合には、速やかに公表いたします。なお、漏洩が確認された方には、順次、個別にご案内いたします。 出典: toda.co.jp(戸田建設 個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び)

戸田建設の対応

発表に書かれている同社の対応は、次のとおりです。

  • 不正アクセスを検知した10月5日に、システム等への通信を遮断し、ネットワークから隔離した
  • 外部の専門機関を交えて解析し、影響の範囲を示した
  • 2026年10月7日に個人情報保護委員会へ報告した
  • 外部の専門機関と連携し、被害の全容の解明と原因の特定に向けた調査を進めている
  • 漏洩が確認された人に、順次、個別に案内する
  • 問い合わせ専用のメールアドレスと、お客様センターのフリーダイヤルを案内した

個人情報保護委員会は、個人情報の扱いを見守る国の機関です。 委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料のページでは、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による個人データの漏えい等や、本人の数が1,000人を超える漏えい等が、会社などが委員会へ報告しなければならない場合として挙げられています。 同社は、発表の日に報告を済ませたとしています。 不正アクセスを検知したのが10月5日で、公表と報告が10月7日なので、検知から2日後に公表したことになります。 同じページで、漏洩が確認された人には順次、個別に案内するとしているので、取引先の担当者と従業員は、案内が届くまでの間も、偽の連絡への備えを先に進めてください。

お詫びの品や補償にあたる内容は、発表に記載がありません。 取引先との取引の扱いについても、発表には書かれていません。 この記事では、補償や取引への影響を推測しません。

自分が対象かを確かめる方法

対象かどうかの確かめ方は、取引先の担当者と従業員で分かれます。

取引先の担当者の場合は、次の順で確かめてください。

  1. 自社が戸田建設の支払いを管理するシステムを使っているかを、経理や営業の担当者に確かめる。請求書の提出や支払いの通知を、戸田建設のシステムを通じて受け取っている会社が当てはまる可能性があります。
  2. 同社からの個別の案内が届いていないかを確かめる。案内は順次届くとされているので、担当者の受信箱を見てください。
  3. 案内が本物かどうか迷う場合は、案内に書かれた連絡先ではなく、同社の公式サイトに載っている窓口に問い合わせる。

従業員の場合は、社内の案内に従ってください。 発表では、漏洩が確認された人に順次、個別に案内するとしています。 従業員とその家族は、社内からの案内を装った偽のメールにも注意が要ります。 社内の案内が本物か迷うときは、社内の決まった連絡手段で、所属部署や総務の担当者に確かめてください。

注意したいのは、「対象かどうかを確かめます」という名目で届く連絡です。 同社は、関係者を騙る不審なメールやSMSを受け取った場合は、本文中のURLのクリック、添付ファイルの開封、情報の入力を一切行わず、すぐに削除するよう求めています。 対象の確認を持ちかけて、ログインや情報の入力を求める連絡には応じないでください。

取引先の担当者が警戒したい偽のメール

取引先の担当者について漏洩したのはメールアドレスですが、同時に取引データも対象になっています。 メールアドレスと取引の情報がそろうと、第三者が、実際の取引を知っているかのようなメールを送れるようになります。 発表は不正利用の事実を確認していないとしていますが、受け取る側は備えておくほうが安全です。

同社は取引先に向けて、次のように呼びかけています。

誠に恐れ入りますが、弊社関係者を騙る不審なメールやSMS等を受信された場合は、本文中のURLクリックや添付ファイルの開封、情報の入力は一切行わず、即座に削除していただきますようお願い申し上げます。 出典: toda.co.jp(戸田建設 個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び)

取引先の担当者が注意したいのは、次のような連絡です。

  • 支払いの手続きの変更を知らせ、添付ファイルやリンクから新しい様式をダウンロードさせようとするメール
  • 「振込先の口座が変わりました」と知らせ、新しい口座に支払いを求めるメール
  • 支払いのシステムへのログインが必要だとして、IDとパスワードを入れさせようとするメール
  • 工事名や取引の内容に触れ、急ぎの対応を求めるメール

取引先や上司を装って、送金や振込先の変更を求めるメールで金銭をだまし取る手口は、ビジネスメール詐欺と呼ばれます。 英語の頭文字からBECとも呼ばれます。 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、ビジネスメール詐欺(BEC)対策のページで、事例集や、被害に遭ったときの対応の案内を公開しています。

送り主の表示名が「戸田建設」となっていても、それだけで本物とは言えません。 表示名は送る側が自由に決められるからです。 メールの見分け方の基本は、フィッシング詐欺メールの見分け方で、送り主のアドレスの見方と開いてしまったあとの対処を順に整理しています。

振込先や支払いの変更を求められたときの確かめ方

請求や支払いに関わる連絡で迷ったときは、連絡の中身ではなく、確かめる経路で判断してください。 手順は次の4つです。

  1. メールに書かれた電話番号やリンクは使わないと決める。本物のメールでも偽のメールでも、ここは同じ扱いにします。
  2. ふだんやりとりしている戸田建設の担当者に、これまで使ってきた電話番号で連絡し、変更が本当かを確かめる。
  3. 担当者に連絡がつかない場合は、同社の公式サイトに載っている窓口に問い合わせる。
  4. 確かめが取れるまで、振込先の変更や支払いの手続きを進めない。

ビジネスメール詐欺では、「至急」「本日中」「担当者が不在のため」といった言い方で、確かめる時間を与えないようにすることがよくあります。 期限を区切って急がせる連絡ほど、一度手を止めて電話で確かめると決めておくと、引っかかりにくくなります。

取引先の会社として、社内で決めておくとよいことは次の3つです。

  • 振込先の変更は、メールだけでは受け付けず、必ず電話など別の経路で確かめる
  • 支払いに関わるシステムのパスワードを、ほかのサービスと同じものにしない
  • 不審なメールを受け取った社員が、だれに報告すればよいかを決めておく

社員への周知を形だけで終わらせないために、訓練用のメールを送って反応を確かめる方法もあります。 その効果と進め方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果で整理しています。

もし偽のメールに従って支払いをしてしまった場合は、すぐに振り込んだ先の金融機関と自社の取引銀行に連絡し、警察にも相談してください。 添付ファイルを開いてしまった場合は、そのパソコンを社内のネットワークから外し、社内の担当者に報告してください。

メールアドレスが漏洩した担当者がすること

取引先の担当者について漏洩したのは、仕事で使っているメールアドレスです。 メールアドレスが知られただけで、すぐにアカウントに入られるわけではありません。 入られるのは、パスワードまで知られた場合や、偽のページにパスワードを入れてしまった場合です。 そのうえで、担当者がしておくとよいことを順に並べます。

  1. 迷惑メールや不審なメールが増えていないかを、しばらくの間気にかける。戸田建設の名前を出したメールが来たら、とくに慎重に扱います。
  2. 仕事用のメールのパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないかを見直す。同じになっていれば、新しい文字列に変えます。
  3. 仕事用のメールに多要素認証を設定する。会社のメールで設定の仕方が決まっている場合は、社内の情報システムの担当者に相談してください。
  4. 不審なメールには返信しない。返信すると、そのアドレスが使われていることを相手に知らせることになります。

メールアドレスは、名刺やメールの署名で多くの人に知られているものです。 そのため、アドレスを変えるところまでは必要ないことが多いでしょう。 ただし、偽のメールが大量に届いて仕事に差し支える場合は、社内の担当者と相談して、受信の設定を見直してください。

偽のメールに引っかからないための考え方は、フィッシングメール対策で、見分け方に加えて、盗まれても破られない設定の考え方として整理しています。

経理の担当者が見直したい支払いの手続き

取引先の会社で請求や支払いを担当している人は、この機会に、自社の手続きに確かめどころが入っているかを見直しておくと安心です。 戸田建設との取引に限らず、取引先のシステムから情報が出たときに、自社の支払いを守る備えになります。

見直したいのは、次の4つです。

  • 振込先の口座を新しく登録するとき、変えるときに、だれがどの方法で確かめるかが決まっているか
  • 確かめの電話は、メールに書かれた番号ではなく、取引を始めたときに控えた番号にかける決まりになっているか
  • 支払いの承認を、1人だけで最後まで進められない形になっているか
  • 支払いのシステムにログインできる人と、そのパスワードの管理が決まっているか

承認を2人以上で行う形にしておくと、1人が偽のメールを信じてしまっても、もう1人が気づく機会ができます。 小さな会社で担当者が1人しかいない場合は、振込先を変える支払いだけは代表者にも一声かける、といった形でも効果があります。

確かめの電話をかけるとき、相手の担当者が不在のこともあります。 その場合は、相手の会社の代表番号に電話して、取引の窓口になっている部署につないでもらいます。 代表番号は、相手の会社の公式サイトで確かめてください。 確かめが取れないまま支払日が来てしまう場合でも、変更前の口座に支払うか、支払いを少し待つかを、社内で相談して決めてください。 急ぎの支払いほど、偽のメールが狙いやすいところです。

不審なメールを受け取ったときの社内の流れ

取引先の会社では、不審なメールを受け取った社員が、自分だけで判断せずに報告できる流れを作っておくことが大切です。 報告の流れが決まっていないと、1人がメールを削除して終わり、同じメールを受け取ったほかの社員が開いてしまうことがあります。

流れの例は、次のとおりです。

  1. 不審なメールを受け取った社員は、開かずに、決まった報告先へ件名と送り主のアドレスを伝える。
  2. 報告を受けた担当者は、同じメールがほかの社員にも届いていないかを確かめ、社内に注意を呼びかける。
  3. 戸田建設を名乗るメールなら、戸田建設の担当者か、発表に載っている窓口に、そのメールが本物かを問い合わせる。
  4. 開いてしまった社員がいれば、そのパソコンをネットワークから外し、どこまで操作したかを聞き取る。

報告した社員を責めない、という雰囲気も大切です。 開いてしまったことを言い出しにくいと、報告が遅れて、被害が広がることがあります。 早く報告したほうが助かる、と社内に伝えておくと、いざというときに報告が上がりやすくなります。

従業員と家族がすること

従業員について漏洩したのは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、所属部署です。 この組み合わせで考えられる一般的な備えを、項目ごとに整理します。 ここに書くのは起こりうることへの備えで、実際にそうなったという意味ではありません。

所属部署と氏名がそろうと、社内の別の人や取引先を装ったメールが、それらしい形で届くことがあります。 「○○部の△△さんへ」と名指しされたメールでも、送り主のアドレスと中身をよく確かめてください。 社内のシステムへのログインを求めるメールが来たら、リンクからではなく、ふだん使っている社内のページから開きます。

電話番号が漏洩した人は、知らない番号からの電話やSMSに注意してください。 会社や取引先を名乗る電話で、家族の情報やほかの社員の連絡先を聞かれても答えないでください。 電話番号が知られたときの迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法にまとめています。

住所が漏洩した人は、会社や公的な機関を名乗る郵便物にも注意が要ります。 書類に書かれた番号やURLではなく、自分で調べた公式の窓口に問い合わせてください。 住所が知られたときに起こりうることと、その備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応で整理しています。

社内の案内を装う偽のメールにも注意してください。 今回の件では、従業員の氏名と所属部署とメールアドレスがそろっているので、「人事部からのお知らせ」「情報漏洩の対象者の方へ」といった件名で、社内の案内に見せかけたメールが届くことも考えられます。 そうしたメールで、社外のページへのログインや、個人の口座の情報の入力を求められたら、応じずに社内の決まった窓口に確かめてください。 会社からの本物の案内は、社内の決まった連絡手段で届くはずです。

家族にも、会社の名前を出した電話や郵便物が来たときは、その場で答えず、従業員本人に確かめるよう伝えておくと安心です。 単身赴任などで家族と離れて暮らしている人は、とくに家族に一言伝えておいてください。 伝えるときは、会社の名前を出した連絡にはその場で答えないこと、本人に確かめてから動くことの2点だけで十分です。

取引先の会社が社員に伝える文面の例

戸田建設と取引のある会社で、社員に注意を呼びかけるときの文面の例です。 自社の事情に合わせて言葉を変えて使ってください。 以下の4行が文面の例です。

戸田建設株式会社が2026年10月7日に、取引先への支払いを管理するシステム等への不正アクセスを公表しました。 取引先の担当者のメールアドレスと取引データが対象とされています。 戸田建設を名乗るメールやSMSで、振込先の変更、添付ファイルの開封、ログインや情報の入力を求められた場合は、開かずに〇〇部の△△まで知らせてください。 振込先の変更は、メールだけでは受け付けません。必ず、取引を始めたときに控えた電話番号で、戸田建設の担当者に確かめてから進めます。

文面には、何が起きたか、何をしないか、どこに知らせるか、の3つを入れると伝わりやすくなります。 長い説明を書くより、してはいけないことと報告先をはっきり書くほうが、忙しい社員にも読んでもらえます。 社内の掲示やチャットで流すときは、戸田建設の発表ページの場所も書き添えておくと、詳しく知りたい人が自分で確かめられます。

問い合わせ窓口

発表に載っている窓口は、次のとおりです。

窓口 連絡先
メールでの問い合わせ お問い合わせ専用メールアドレス [email protected]
電話での問い合わせ お客様センター 0120-805-106(フリーダイヤル)

受付時間は、発表には書かれていません。 問い合わせのメールアドレスと電話番号は、届いたメールやSMSに書かれたものではなく、同社の公式サイトの発表に載っているものを使ってください。 偽のメールの中に、本物に似せた問い合わせ先が書かれていることもあるためです。

取引先の担当者が問い合わせるときは、自社の会社名、戸田建設との取引の窓口になっている部署、受け取った不審なメールの件名と送り主のアドレスを手元にまとめておくと、話が早く進みます。 不審なメールは、問い合わせが終わるまで削除せずに保存しておくと、確かめのときに役立ちます。 ただし、本文のリンクや添付ファイルは開かないでください。

個人情報の扱いについて会社の対応に納得できない点がある場合は、国の個人情報保護委員会が設けている個人情報保護法相談ダイヤルにも相談できます。 電話番号は03-6457-9849で、受付時間は9:30から17:30です(土日祝日と年末年始を除く)。

続報が出たときに見るところ

同社は、新たな事実が分かった場合には速やかに公表するとしています。 続報が出たときに、取引先の担当者と従業員が見ておきたいのは、次の点です。

  • 件数が「最大」から確定の数字に変わったか
  • 取引データの中身が示されたか
  • 漏洩した項目が追加されたか、または含まれない項目が示されたか
  • 原因と再発防止策が示されたか
  • 個別の案内がどこまで済んだか

とくに、取引データの中身が示された場合は、自社の取引に関わる情報がどこまで含まれるかを確かめてください。 口座の情報などが含まれると示された場合は、取引銀行への相談も含めて、支払いの手続きをもう一度見直します。 続報を確かめるときも、ニュースの記事やまとめのサイトではなく、同社の公式サイトのニュースの一覧で確かめてください。

在宅で建設の仕事を受けている人の注意

建設の分野でも、図面の作成、積算、書類の作成などを、在宅で受けている人がいます。 大手の建設会社や、その協力会社と直接やりとりしている人は、取引先の担当者と同じ立場で、請求や支払いのメールを受け取ることがあります。 個人で仕事を受けている人は、経理の担当者がいないことも多く、偽の請求や振込先の変更に一人で向き合うことになります。

「振込先や支払いの変更を求められたときの確かめ方」の節で整理した手順は、個人で仕事を受けている人にもそのまま当てはまります。 とくに、自分あての支払いの連絡や、相手への請求書の送り先の変更を求めるメールが来たときは、これまで使ってきた電話番号で、相手の担当者に確かめてください。

在宅で仕事をする人の中には、元請けの会社から、協力会社の担当者の連絡先などを預かって仕事をしている人もいます。 その場合、自分のメールのアカウントが乗っ取られると、預かった連絡先が第三者に見られるおそれがあります。 個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料のページには、委託先で起きた事例の記入例も載っています。 委託先とは、取引先から仕事と一緒に情報の扱いを任された側のことです。 預かった情報について、自分が委員会に報告する立場になるかどうかは、契約の内容と取引先との役割分担で変わるので、ここでは断定しません。 不審なログインに気づいたら、まず取引先に伝え、どう対応するかを相談してください。 気づいた日、気づいたきっかけ、変えたパスワードの範囲を記録しておくと、取引先の確認に役立ちます。 元請けの会社から届く請求や支払いの連絡が、いつもと違う送り主のアドレスや、いつもと違う言い回しで届いたときは、とくに慎重に確かめてください。 個人で受けている仕事では、1回の振込先の取り違えが、そのまま手取りの損につながります。

仕事で使うメールのアカウントを守る基本は、次の3つです。

  • 仕事用のメールには多要素認証を設定する
  • 仕事用と個人用のアカウントで、パスワードを分ける
  • 請求や支払いに関わるメールは、必ず別の経路で確かめてから動く

多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号など種類の違う手がかりで本人を確かめる仕組みです。 方式ごとの違いと導入の手順は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で整理しています。

独自データの考察。支払いの仕組みが狙われたときに、取引先ができること

今回の件で目を引くのは、不正アクセスを受けたのが、会社の外の取引先とお金のやりとりをする仕組みだったことです。 自社が直接攻撃されていなくても、取引先のシステムから自社の担当者のメールアドレスや取引の記録が出ることがあります。 取引先の側からは、相手の会社のシステムの中を確かめる手段がありません。 しかも、支払いや請求のやりとりは毎月決まった時期にくり返されるので、偽のメールが本物の連絡に紛れ込みやすい場面でもあります。 月末や支払日の前に届く変更の連絡ほど、いつもの流れだと思わずに一度確かめる、という意識を持っておくことが、取引先の側でできる一番の備えになります。

取引先にできるのは、取引の相手から来るメールでも、お金に関わる変更はメールだけで受け付けない、という決まりを持っておくことです。 具体的には、振込先の変更は電話で確かめること、支払いのシステムのパスワードを使い回さないこと、不審なメールの報告先を決めておくことの3つです。 どれも、情報が出ること自体を防ぐものではありませんが、出た情報を悪用されたときの被害を小さくします。

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、お金のトラブルに巻き込まれにくい人ほど、請求や支払いの変更をメールだけで受け付けず、相手に電話で確かめる習慣を持っています。 確かめの電話を嫌がる取引先はほとんどなく、むしろ慎重な相手として信頼されることのほうが多いものです。

情報とお金の守りを仕事にする道もあります。 在宅ワークの仲介サイト@SOHOでは、セキュリティやマーケティングに関わる案件の内容をAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。 社内のネットワークやシステムの基礎から学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の資格ガイドも参考になります。 請求や支払いの仕組みを安全に回すための社内の決まりづくりは、中小の会社では担当者が決まっていないことも多く、手順を整えられる人は頼りにされます。

よくある質問

Q. 戸田建設の件で、取引先の口座の情報は漏洩しましたか?

発表では、取引先について漏洩した情報は「ご担当者様のメールアドレス(最大7,200件)」と「取引データ(最大6,000件)」とされています。取引データの中身は書かれておらず、口座の情報が含まれるかどうかは明記されていません。自社の情報の範囲は、同社からの個別の案内か、問い合わせ窓口で確かめてください。

Q. 戸田建設を名乗る振込先変更のメールが届いたらどうすればよいですか?

メールに書かれた電話番号やリンクは使わず、ふだんやりとりしている戸田建設の担当者に、これまで使ってきた電話番号で確かめてください。同社は、関係者を騙る不審なメールやSMSを受け取った場合、URLのクリック、添付ファイルの開封、情報の入力をせず、削除するよう求めています。確かめが取れるまで支払いの手続きは進めないでください。

Q. 漏洩した情報はもう悪用されていますか?

同社の発表では、漏洩した情報が不特定多数に公開された事実や、不正利用された事実は、発表の時点では確認されていないとされています。2026年11月1日時点で続報は出ていません。ただし、メールアドレスと取引データが対象になっているので、取引を装った偽のメールには備えておいてください。

Q. 問い合わせ先はどこですか?

お問い合わせ専用メールアドレス([email protected])と、お客様センターのフリーダイヤル(0120-805-106)です。受付時間は発表に書かれていません。届いたメールに書かれた連絡先ではなく、戸田建設の公式サイトの発表に載っている窓口を使ってください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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