日本郵船の情報漏えいの可能性|船舶燃料調達システムへの不正アクセス 社員と取引先の氏名・電話番号・メールアドレス 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓日本郵船の情報漏洩について
- ✓2026年4月9日の公式発表をもとに整理
- ✓船舶燃料調達システムへの不正アクセスで
日本郵船の情報漏洩について、日本郵船株式会社は2026年4月9日、グループが利用する船舶燃料調達システムに第三者による不正アクセスがあり、個人情報を含む一部のデータが外部に持ち出された可能性があると発表しました。漏えいした可能性があるのは、日本郵船の社員(退職者を含む)と、取引先の社員の氏名、会社名、電話番号、メールアドレスの一部あるいは全てです。 取引先の社員として日本郵船とやり取りしたことがある人がまずすることは、日本郵船や燃料の取引を装ったメールや電話に注意し、振込先の変更や添付ファイルの開封を求める連絡は、別の連絡手段で担当者に直接確かめることです。 会社のメールアドレスが含まれるため、勤め先の情報システムの担当者に今回の発表を共有しておくことも役に立ちます。
初報の公表日は2026年4月9日です。2026年11月1日時点で日本郵船のニュースリリースの一覧を見直したところ、この件の続報や訂正は出ていません。対象の件数、補償、お詫びの品についての記載も、2026年11月1日時点で公式には出ていません。この記事は、日本郵船の公式発表「個人情報漏えいについて」を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
日本郵船の不正アクセスで何が起きたのか
日本郵船は、定期船、物流、自動車、ドライバルク、エネルギーなどの事業を手がける海運会社です。今回の不正アクセスが起きたのは、日本郵船のグループが利用する「船舶燃料調達システム」です。船を動かすための燃料を調達するときに使うシステムだと名前から分かりますが、どの会社が運用しているか、どの範囲の業務で使われていたかは発表に書かれていません。
発表の骨子は次のとおりです。
- 2026年3月24日午後、船舶燃料調達システムに第三者による不正アクセスが発生した
- 個人情報を含む一部のデータが外部に持ち出された可能性があることが判明した
- システムをネットワークから隔離したうえで使用を停止し、社内に対策チームを置いて対応した
- 2026年3月27日にシステムは復旧した
- データの暗号化や金銭的要求は確認されていない
- 本事象に起因する二次被害は、発表の時点で確認されていない
発表の冒頭には「外部に持ち出されたこと」が判明したと書かれ、経緯の節では「外部に持ち出された可能性があることが判明」と書かれています。漏れた情報を並べた節の見出しは「漏えいした可能性のある個人情報」です。この記事では、利用者に影響する部分の表現に合わせて「漏えいした可能性」と書きます。可能性の段階であっても、相手が取引先を装う連絡に使うおそれはあるため、備えは先に済ませておくほうが安全です。
公式発表の該当部分は次のとおりです。
2026年3月24日午後、当社グループが利用する船舶燃料調達システムにおいて、第三者による不正アクセスが発生し、個人情報を含む一部のデータが外部に持ち出された可能性があることが判明し、システムをネットワークから隔離の上、使用停止しました。 出典: 日本郵船株式会社「個人情報漏えいについて」
「データの暗号化や金銭的要求は確認されておりません」という一文も発表にあります。企業のシステムが攻撃を受けたときによく話題になるランサムウェアは、データを暗号化して使えなくし、元に戻す代わりにお金を求める手口です。今回はその形の被害は確認されていない、という意味です。ただし、データが持ち出された可能性そのものは否定されていません。
公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること
日付の順に並べると次のようになります。
| 日付 | 出来事(公式発表の記載) |
|---|---|
| 2026年3月24日午後 | 船舶燃料調達システムへの不正アクセスと、データが持ち出された可能性が判明。システムを隔離して使用停止 |
| 2026年3月27日 | システムが復旧。同日、個人情報保護委員会など各国の関係当局に報告書(速報)を提出 |
| 2026年3月31日 | 所轄の警察へ報告 |
| 2026年4月9日 | 「個人情報漏えいについて」を公表 |
| 2026年11月1日時点 | 続報や訂正は出ていない |
不正アクセスに気づいてから公表まで、およそ2週間あります。発表には「調査の結果、現時点で判明した本事象の概要等」をお知らせすると書かれており、調査を進めたうえでの公表だと分かります。今後、新たな事実が判明した場合は改めて知らせるとも書かれています。
「各国関係当局」という書き方にも意味があります。日本郵船は海外にも拠点と取引先を持つ会社で、取引先の社員には海外の会社の人も含まれる可能性があります。そのため、日本の個人情報保護委員会だけでなく、ほかの国の当局にも報告したと読めます。ただし、どの国の当局に報告したか、海外の取引先が何社含まれるかは発表に書かれていません。
2026年11月1日時点で、日本郵船のニュースリリースの一覧(2026年)にあるこの件の発表は、2026年4月9日の1本だけです。続報が出た場合は同じ一覧に載ると考えられるため、取引先の担当者は、日本郵船のサイトのニュースルームを時々確かめておくと安心です。
漏えいした可能性がある情報と書かれていない情報
発表では、漏えいした可能性のある個人情報を、日本郵船の社員と、取引先の社員とに分けて示しています。中身はどちらも同じ項目です。
| 対象 | 漏えいした可能性のある項目 |
|---|---|
| 日本郵船の社員(退職者を含む) | 氏名、会社名、電話番号、メールアドレスの一部あるいは全て |
| 取引先の社員 | 氏名、会社名、電話番号、メールアドレスの一部あるいは全て |
一方で、次の点は発表に書かれていません。
| 発表に書かれていないこと | この記事での扱い |
|---|---|
| 対象の人数や件数 | 公式に数字が無いため書かない |
| 電話番号が会社の番号か携帯電話の番号か | 書かれていないため推測しない |
| 取引の内容や金額、契約書などの書類 | 個人情報として挙げられていないが、含まれないとも明記されていない |
| クレジットカードや銀行口座の情報 | 個人情報の項目として挙げられていない |
| パスワードなどのログイン情報 | 個人情報の項目として挙げられていない |
ここで気をつけたいのは、発表が「含まれない」と明記している項目が無いことです。クラブ会員向けのサービスのように「パスワードやカード情報は含まれません」と書く発表もありますが、今回の発表は、漏えいした可能性のある個人情報を示しているだけです。挙げられていない情報について、この記事でも「漏れていない」とは書きません。取引の書類や金額のデータが持ち出された可能性があるかどうかは、発表からは分かりません。
「一部あるいは全て」という言い方は、人によって含まれる項目が違うという意味です。たとえば、氏名と会社名とメールアドレスだけが登録されていた人もいれば、電話番号まで登録されていた人もいると読めます。自分のどの項目が含まれるかは、発表だけでは分かりません。
漏れた可能性がある4つの項目は、どれも名刺に書かれているような仕事上の連絡先です。単体では大きな被害につながりにくく見えますが、氏名と会社名とメールアドレスと電話番号がそろうと、取引先を装うメールや電話が本物らしく見えやすくなります。この点は後の節で具体的に説明します。
企業同士の取引のシステムから漏れたときに起きやすいこと
情報漏えいの発表の多くは、通販サイトの会員や、アプリの利用者など、一般の消費者が対象です。今回の件はそれと違い、企業同士の取引で使うシステムから、仕事上の連絡先が持ち出された可能性があるという事案です。この違いは、備え方にも表れます。
消費者向けのサービスの漏えいでは、パスワードの変更やクレジットカードの明細の確認が中心になります。一方、企業同士の取引の情報では、個人のアカウントよりも、会社のお金の流れと、取引先との信頼関係が狙われやすくなります。誰が誰と取引しているかが分かると、その関係を使って本物らしい連絡を作れるためです。
たとえば、燃料の取引の担当者の氏名と会社名とメールアドレスが分かれば、攻撃者は次のような準備ができます。
- 取引先の担当者の名前を使い、よく似たドメインのメールアドレスから連絡する
- 取引の実在する相手の会社名を本文に書き、いつもの連絡と見分けにくくする
- 電話番号を使い、メールの内容を電話で後押しして信じさせる
このため、漏れた項目が仕事の連絡先だけでも、取引の金額が大きい会社ほど慎重に備える必要があります。逆に言えば、振込先の変更や支払いの手続きを必ず二重に確かめる仕組みを社内に作っておけば、多くの手口は防げます。
原因について発表で分かっていること
発表に書かれている原因は「第三者による不正アクセス」です。不正アクセスとは、許可を得ていない人が他人のシステムに入り込むことです。どのような経路で入り込まれたか(パスワードを破られたのか、ソフトの弱点を突かれたのか、取引先のシステムを経由したのか)は、2026年11月1日時点の発表には書かれていません。
分かっているのは次の3点です。
- 不正アクセスを受けたのは、グループが利用する船舶燃料調達システムである
- データの暗号化や金銭的要求は確認されていない
- 2026年3月27日にシステムは復旧している
侵入の手口や攻撃者について、報道や解説記事でさまざまな説明が出ることがあります。この記事では、公式発表に書かれていないことは書きません。原因の詳しい説明が必要な人は、日本郵船の続報を待つか、問い合わせ窓口で確かめてください。
日本郵船は発表の最後で、本事象の発生を厳粛に受け止め、セキュリティー対策を進め、管理体制の一層の強化に努めると述べています。具体的な対策の中身は書かれていません。
日本郵船の対応
発表に書かれている対応は次のとおりです。
- システムをネットワークから隔離し、使用を停止した
- 社内に対策チームを置いて対応し、2026年3月27日にシステムを復旧した
- 2026年3月27日、個人情報保護委員会など各国の関係当局に報告書(速報)を提出した
- 2026年3月31日、所轄の警察へ報告した
- 個人情報保護委員会への報告など、必要な法令上の対応を行った
- 新たな事実が判明した場合は改めて知らせる
対象者への個別の連絡については、発表に書かれていません。メールで知らせるのか、取引の窓口を通じて知らせるのか、連絡そのものを行うのかも、2026年11月1日時点の公式発表からは分かりません。補償やお詫びの品についての記載もありません。発表に無いことは、この記事でもあるとは書きません。
ほかの会社の事案で、補償がどう扱われてきたかを知りたい人は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026が参考になります。今回の件でどうなるかは、日本郵船の続報を待つしかありません。
自分が対象かを確かめる方法
対象になりうるのは、日本郵船の社員と退職者、そして日本郵船の取引先の社員です。一般の消費者向けのサービスではないため、日本郵船の船で荷物を運んだことがあるだけの個人や、株主であることだけで対象になるとは、発表からは読み取れません。対象は「当社のお取引先さまの社員の方」と書かれています。
取引先の社員の場合、次のどれかに当てはまる人は、自分の連絡先がシステムに登録されていた可能性を考えておきます。
- 船舶の燃料の販売、供給、仲介、輸送、検査などの仕事で、日本郵船のグループとやり取りしたことがある
- 日本郵船のグループの燃料の調達の担当者と、メールや電話で連絡を取ったことがある
- 自分の会社が日本郵船のグループの燃料の取引先で、担当者として名前を伝えたことがある
ただし、これは発表のシステム名から考えられる範囲であり、どの取引先の情報が含まれるかは発表に書かれていません。自分が対象かどうかを確かめたい場合は、日本郵船の問い合わせ窓口に問い合わせます。勤め先が日本郵船と取引している場合は、まず社内の取引の窓口の担当者に、日本郵船から連絡が来ているかを聞くのも1つの方法です。
日本郵船の社員と退職者の場合は、社内の案内や人事の窓口からの連絡を確かめます。退職者で連絡先が変わっている人は、発表の問い合わせ窓口を使えます。
取引先の社員がすること
漏れた可能性がある情報は、仕事上の氏名、会社名、電話番号、メールアドレスです。ここから考えられる悪用は、取引先を装った連絡です。順番に備えておきます。
振込先の変更を求める連絡は、別の手段で確かめる
取引先や上司になりすましてメールを送り、偽の口座にお金を振り込ませる手口は、ビジネスメール詐欺と呼ばれます。IPA(情報処理推進機構)はビジネスメール詐欺(BEC)対策のページで、事例や対策をまとめています。燃料の取引のように金額が大きく、請求と支払いが繰り返される取引は、狙われたときの損失も大きくなります。
日本郵船の担当者を名乗るメールで、次のような内容が届いたら、メールに返信せず、以前から知っている電話番号で担当者に直接確かめます。
- 支払先の口座が変わったので、次回から新しい口座に振り込んでほしい
- 監査の都合で、今回だけ別の口座を使ってほしい
- 急ぎの支払いがあるので、通常の手続きを飛ばしてほしい
- 担当者が変わったので、今後はこのアドレスに連絡してほしい
確かめるときに、メールに書かれた電話番号を使ってはいけません。偽のメールには偽の電話番号が書かれていることがあるためです。名刺や過去の契約書、社内の取引先の台帳に残っている番号を使います。
添付ファイルとリンクに気をつける
氏名と会社名とメールアドレスが分かると、本文に宛名と社名を正しく書いたメールを作れます。請求書や見積書、船の配船の予定表などを装った添付ファイルや、ファイルの共有サービスに見せかけたリンクを送り、開いた人のパソコンをウイルスに感染させる手口があります。
- 心当たりのない請求書や見積書の添付ファイルは開かない
- ログインを求めるリンクは押さず、ふだん使っているブックマークから開く
- 送信元の表示名だけで本物と判断しない
警察庁のフィッシング対策のページは、メールソフトに表示される送信元の名前やアドレスは変えることが容易で、それだけでメールの真偽を判断することは難しいと説明しています。送信元の表示が日本郵船でも、内容がいつもと違えば疑ってかかります。偽のメールを見分ける具体的な手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処にまとめています。
電話にも同じ注意をする
電話番号が含まれる可能性があるため、日本郵船の担当者や関係会社を名乗る電話にも注意します。電話で振込先の変更や、取引先の一覧、ほかの社員の連絡先を聞かれても、その場で答えず、いったん切ってからこちらが知っている番号にかけ直します。電話番号が出回った場合の迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。
社内で共有する
会社のメールアドレスが含まれるため、個人だけで備えるより、会社として備えるほうが効果があります。情報システムの担当者や経理の担当者に、日本郵船の発表を共有しておきます。
- 経理の担当者には、日本郵船を名乗る振込先の変更の依頼が来たら、必ず電話で確かめるよう伝える
- 情報システムの担当者には、日本郵船を名乗る不審なメールが届いたら報告するよう全員に知らせてもらう
- 日本郵船との取引の窓口の担当者には、日本郵船から個別の連絡が来ていないか確かめてもらう
社内で決めておく確かめ方の例
取引先を装う連絡への備えは、担当者1人の注意だけに頼ると抜けが出ます。経理や営業、燃料の調達など、取引先とやり取りする部署で、次のような確かめ方を決めておくと安心です。
| 場面 | 決めておく確かめ方 |
|---|---|
| 振込先の口座が変わったという連絡 | 以前から登録している電話番号で担当者に確かめ、上長の承認を得てから台帳を直す |
| 担当者やメールアドレスが変わったという連絡 | 相手の会社の代表番号に電話して、担当者の交代を確かめる |
| いつもと違う形式の請求書 | 送付の経路と金額を、取引の窓口の担当者が確かめてから支払いに回す |
| 急ぎの支払いを求める連絡 | 急ぎであっても、通常の承認の手順を飛ばさない |
| 取引先の一覧や社員の連絡先を求める連絡 | 相手が誰でも、社外には出さないことを原則にする |
どれも特別な道具は要りません。電話で確かめる、承認を2人で行う、という手順を決めるだけです。日本郵船との取引がある会社に限らず、取引先の情報が漏れたという発表を見たときに、すぐ社内に知らせて手順を見直せるようにしておくことが、被害を防ぐ近道です。
確かめた記録を残しておくことも大切です。いつ、誰が、どの番号に電話して確かめたかを記録しておけば、後から不審な点に気づいたときに経緯をたどれます。
日本郵船の社員と退職者がすること
社員と退職者の場合も、漏れた可能性がある項目は同じです。取引先の社員の情報とあわせて持ち出された可能性があるため、攻撃者は「日本郵船の社員の名前を使って取引先に連絡する」ことも「取引先の名前を使って日本郵船の社員に連絡する」こともできます。
- 取引先を名乗るメールで、支払いの変更や書類の送付を求められたら、社内の手順に沿って確かめる
- 退職者は、退職前の業務に関わる連絡が突然届いたら、日本郵船の窓口に確かめる
- 個人の携帯電話の番号を業務で登録していた人は、知らない番号からの電話やSMSに注意する
退職者の場合、退職後に日本郵船の名前を使って「手続きが残っている」「書類を送ってほしい」と連絡が来ても、まずは会社の公式の窓口に確かめてから応じます。退職後に連絡先が変わっている人は、昔の勤め先の名前で届く連絡に慣れていないため、本物か偽物かを判断する手がかりが少なくなります。迷ったときは、返信や折り返しをせず、日本郵船の公式サイトから問い合わせ先を開いて確かめてください。
日本郵船を装う連絡の具体例と見分け方
漏えいの発表のあとは、その発表に便乗した連絡が出てくることがあります。今回の場合に考えられる例を挙げます。これらは実際に確認された被害ではなく、備えるための例です。発表の時点で二次被害は確認されていません。
| 届く連絡の例 | 見分けるポイント |
|---|---|
| 「不正アクセスの調査のため、取引の口座情報を再登録してください」というメール | 発表に、取引先に口座の再登録を求めるという記載はない |
| 「お詫びのお支払いのため、振込先を教えてください」という電話 | 発表に補償やお詫びの支払いの記載はない |
| 「被害の確認のため、こちらのリンクからログインしてください」というメール | 発表に、取引先にログインを求めるという記載はない |
| 「新しい請求書です」という、いつもと違う形式の添付ファイル | 送付の経路や形式がいつもと違えば、担当者に直接確かめる |
| 「担当者が変わりました。今後はこちらへ」という見慣れないアドレスからのメール | 社内の台帳と、以前から知っている電話番号で確かめる |
迷ったときは、次の3つを守れば多くの手口を避けられます。
- メールやSMSのリンクは押さず、ブックマークや社内の台帳から相手の公式の窓口を開く
- 振込先の変更は、以前から知っている電話番号で担当者に直接確かめるまで応じない
- パスワードや口座の情報を、メールや電話で答えない
メールアドレスがほかの漏えいにも含まれていないかを調べたい人は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩が役に立ちます。会社のアドレスを調べる場合は、勤め先の決まりに従ってください。
発表に出てくる言葉の読み方
漏えいの発表には、ふだん聞き慣れない言葉が出てきます。今回の発表に出てくる言葉を、初めて読む人向けに言い換えます。
| 発表の言葉 | 意味 |
|---|---|
| 第三者による不正アクセス | 権限のない外部の誰かが、システムに入り込んだこと |
| 外部に持ち出された可能性 | データが社外に送られたかもしれないが、確定はしていない段階 |
| ネットワークから隔離 | 被害が広がらないよう、システムを社内外の通信から切り離すこと |
| 報告書(速報) | 詳しい調査が終わる前に、分かっている範囲で当局に出す最初の報告 |
| 個人情報保護委員会 | 個人情報の扱いを監督する国の機関。漏えいのおそれがある事業者は、ここに報告する |
| 二次被害 | 漏れた情報を使った詐欺や不正利用など、漏えいの後に起きる被害 |
「速報」を出したということは、そのあとに詳しい報告(確報)が続くのがふつうです。ただし、当局への確報の中身が公表されるとは限りません。日本郵船のサイトに続報が出るかどうかは、2026年11月1日時点では分かりません。
「二次被害は現時点では確認されておりません」という表現は、発表の時点で、漏れた情報を使った被害の報告を会社がつかんでいないという意味です。被害が起きないと約束するものではないため、取引先の側でも備えは続けておきます。
取引先の担当者が確かめる順番
日本郵船と取引がある会社の担当者が、この記事を読んだあとに確かめることを順番にまとめます。
- 日本郵船の公式発表「個人情報漏えいについて」を開き、2026年11月1日以降に続報が出ていないかを確かめる
- 自分や同僚が、日本郵船のグループの燃料の調達の担当者とやり取りしていたかを確かめる
- 経理の担当者に、日本郵船を名乗る振込先の変更の依頼が最近来ていないかを聞く
- 2026年3月24日以降に、日本郵船を名乗る不審なメールや添付ファイルが届いていないかを、情報システムの担当者と確かめる
- 不審な連絡があれば、日本郵船の問い合わせフォームで本物かどうかを確かめる
- 社内の確かめ方の手順を見直し、取引先とやり取りする部署に共有する
3と4は、不正アクセスが起きた2026年3月24日以降の連絡を見直すのがよいでしょう。発表の前に届いていた連絡は、まだ誰も警戒していなかった時期のものなので、見落としやすいためです。
2026年11月1日時点で分かっていないこと
公式発表からは分からないことを、まとめておきます。報道や解説記事でこれらに触れたものがあっても、公式に確かめられるまでは事実として扱わないほうが安全です。
- 漏えいした可能性がある人数や件数
- 不正アクセスの経路と、攻撃者が誰か
- 船舶燃料調達システムを運用している会社と、利用していたグループ会社の範囲
- 個人情報以外の取引のデータが持ち出された可能性があるかどうか
- 対象者に個別の連絡をするかどうか、補償やお詫びがあるかどうか
- 当局への確報の内容と、続報を出す予定があるかどうか
これらは、続報が出れば分かる可能性があります。対象かもしれない人は、分からないことを推測で埋めず、分かっている範囲の備え(振込先の確かめ方、添付ファイルとリンクへの注意、社内での共有)を先に済ませておくのが現実的です。
問い合わせ窓口
日本郵船は、この件の問い合わせをウェブサイトの問い合わせフォームで受け付けています。発表には、問い合わせフォームで「その他について」を選び、必要な情報を書いて連絡するよう書かれています。
- 窓口:日本郵船株式会社のウェブサイトのお問い合わせフォーム
- 選ぶ項目:「その他について」
- 電話番号:発表には、この件の専用の電話番号は書かれていない
電話番号が書かれていないため、この記事でも電話番号は書きません。日本郵船を名乗る電話で「専用の窓口です」と案内されても、その番号が公式発表に載っていないことを思い出してください。
問い合わせるときは、次のことをまとめておくと話が早く進みます。
- 自分の会社名と氏名、日本郵船との取引の内容
- 日本郵船のどの部署、どの担当者とやり取りしていたか
- 不審なメールや電話を受けた場合は、その日時と内容
不審なメールを受け取った場合は、メールそのものを削除せずに残しておきます。送信元のアドレスや本文、添付ファイルの名前は、日本郵船や勤め先の情報システムの担当者が本物かどうかを判断する材料になります。ただし、添付ファイルは開かず、本文のリンクも押さないでください。問い合わせのときに転送を求められた場合は、勤め先の決まりに従って扱います。
不審な連絡を受けたときの相談先
日本郵船を装う不審なメールや電話を受けた場合、まずは日本郵船の問い合わせフォームで、その連絡が本物かどうかを確かめます。そのうえで、内容に応じて次の相談先を使えます。
- 不審なメールを開いた、ウイルスに感染したかもしれないという技術的な相談:IPAの情報セキュリティ安心相談窓口。IPAが国民に向けて開いている、ウイルスや不正アクセスに関する技術的な相談にアドバイスをする窓口です。企業や組織からの相談には、同じページから企業向けの窓口が案内されています
- 偽の口座に振り込んでしまった、だまし取られたという被害:勤め先の取引銀行にすぐ連絡し、警察に相談する
- 会社としての対応が必要な場合:勤め先の情報システムの担当者や、法務の担当者に報告する
振り込んでしまった場合は、時間がたつほどお金を取り戻すのが難しくなります。気づいた時点で、取引銀行への連絡を最初に行ってください。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事を受けている人のなかには、海運や物流、貿易の会社から、書類の翻訳、データの入力、問い合わせへの対応などの仕事を受けている人もいます。取引先から預かった連絡先や取引の情報を扱っている場合は、自分が預かった情報についても備えておきます。
個人情報保護委員会は漏えい等の対応とお役立ち資料のページで、事業者が個人データの漏えいやそのおそれに気づいたときに、委員会へ報告しなければならない場合を説明しています。不正の目的で行われたおそれがある行為による漏えいもその1つで、例として、外部からの不正アクセスでサーバーからデータが盗まれた場合が挙げられています。報告の期限は、まず速やかに報告し、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚した日から60日以内とされています。
個人で仕事を受けている人がどこまでこの決まりの対象になるかは、扱う情報や契約によって変わります。一般には、取引先から預かった個人情報が漏れたおそれがあるときは、まず取引先に知らせ、取引先の判断で報告や本人への連絡が行われることが多いと考えられます。個別の判断は、取引先や個人情報保護委員会の相談窓口で確かめてください。
在宅で仕事をする人が今回の件から生かせるのは、次のような点です。
- 取引先の連絡先の一覧は、必要な人だけが見られる場所に保存し、使い終わったら削除する
- 取引先から振込先の変更の連絡が来たら、メール以外の手段で確かめる習慣をつける
- 仕事用のメールアドレスと私用のアドレスを分け、仕事用のアドレスには多要素認証を設定する
- 取引先から漏えいの知らせを受けたら、自分の端末やアカウントに不審な点がないかを確かめ、結果を取引先に伝える
外部に仕事を頼むときの情報の渡し方と守り方は、外注時の情報漏洩対策|秘密保持契約とデータ共有ルールで機密を守る発注設計で詳しく説明しています。
取引先を守る知識を仕事に生かす
今回の件は、消費者向けのサービスではなく、企業同士の取引で使うシステムから、仕事上の連絡先が持ち出された可能性があるという事案です。こうした事案では、漏れた情報そのものより、その情報を使って取引先を装う連絡のほうが被害につながりやすくなります。振込先の変更は必ず電話で確かめる、添付ファイルの形式がいつもと違えば開かない、といった基本の手順を決めておくことが、取引先と自分の両方を守ります。
在宅で働く人にとって、取引先の情報を預かる立場で正しく備えられることは、仕事を任せてもらう信頼につながります。2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営の中で見てきた傾向として、長く取引が続く人ほど、連絡の確かめ方や情報の扱い方を最初に取引先と決めています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
2026年11月1日時点で、日本郵船の発表は2026年4月9日の1本だけです。続報が出た場合は、対象の範囲や原因の説明が変わる可能性があります。取引先の担当者は、日本郵船のニュースルームを時々確かめ、不審な連絡は公式の窓口に確かめるようにしてください。自分の会社の取引先から同じような発表が出たときにも、この記事で挙げた確かめ方の手順は、そのまま使えます。漏れた項目が仕事の連絡先だけであっても、取引のお金の流れを守る手順を先に決めておくことが、いちばん確かな備えになります。
よくある質問
Q. 日本郵船の船で荷物を運んだことがあるだけでも対象になりますか?
発表で対象とされているのは、日本郵船の社員(退職者を含む)と、日本郵船の取引先の社員の氏名、会社名、電話番号、メールアドレスです。漏れた可能性があるのは船舶燃料調達システムの情報で、荷物を運んだことがあるだけの個人が対象だとは書かれていません。心配な場合は、日本郵船のお問い合わせフォームで「その他について」を選んで問い合わせてください。
Q. クレジットカードや銀行口座の情報は漏れていますか?
発表で漏えいした可能性があると示された個人情報は、氏名、会社名、電話番号、メールアドレスの一部あるいは全てです。カードや口座の情報は項目に挙げられていません。ただし「含まれない」とも明記されていないため、取引先の口座の変更を求める連絡が来たら、以前から知っている電話番号で担当者に確かめてから応じてください。
Q. 日本郵船から対象者に連絡は来ますか?
2026年11月1日時点の公式発表には、対象者への個別の連絡についての記載がありません。新たな事実が判明した場合は改めて知らせると書かれています。日本郵船を名乗って口座や個人情報を聞く連絡が来ても、発表に書かれていない手続きには応じず、公式サイトのお問い合わせフォームから確かめるのが安全です。
Q. 取引先として社内で何を伝えればよいですか?
経理の担当者には、日本郵船を名乗る振込先の変更の依頼は必ず電話で確かめるよう伝えます。情報システムの担当者には、日本郵船を装う不審なメールが届いたら報告するよう全員に知らせてもらいます。取引の窓口の担当者には、日本郵船から個別の連絡が来ていないかを確かめてもらうと、社内で漏れなく備えられます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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