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チーム目標の設定のしかた|個人の役割とつなげて追いかける方法

@SOHO編集部
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チーム目標の設定のしかた|個人の役割とつなげて追いかける方法

この記事のポイント

  • ✓チーム目標の設定のしかたを
  • ✓SMARTやOKRの考え方
  • ✓個人の役割への落とし込み

チーム目標を設定しても、数か月たつと誰も目標を口にしなくなり、期末に慌てて数字を確かめる、ということは珍しくありません。目標の言葉そのものは立派でも、一人ひとりの日々の仕事とつながっていないと、チームの目標は形だけのものになってしまいます。この記事では、チーム目標の設定のしかたを、個人目標との違い、よく使われる考え方、具体的な手順、目標の高さの決め方、個人の役割への落とし込み、職種別の例文まで順に説明します。そのうえで、設定した目標を週ごと、月ごとに追いかける仕組みと、よくある失敗の防ぎ方を整理します。目標につながる作業をボードで見える形にする方法の1つとして、Pinatecaにも触れます。

チーム目標とは何か

チーム目標とは、チームのメンバー全員が力を合わせて達成を目指す、共通の到達点のことです。「今期の新規の契約を30件にする」「問い合わせへの初回の返信を24時間以内にする」「年内に新しいサービスを公開する」のように、チームとして何を成し遂げるかを示します。

個人目標との違いは、達成の責任を誰が持つかにあります。個人目標は、その人が自分の仕事の範囲で達成するものです。チーム目標は、1人では達成できず、メンバーそれぞれの貢献が組み合わさって初めて達成されるものです。

チーム目標と個人目標の関係を整理すると、次のようになります。

項目 チーム目標 個人目標
責任を持つ単位 チーム全体 メンバー一人ひとり
決める人 チームの責任者がメンバーと話し合って決める 本人が上司や責任者と話し合って決める
中身 チームとして成し遂げる到達点 チーム目標のために自分が果たす役割
例 新規の契約を30件にする 見込みの顧客への提案を月に20件行う

ここで大事なのは、チーム目標が先にあり、個人目標はそこから決まる、という順番です。個人目標をそれぞれが自由に決めて、その合計をチーム目標にすると、チームとして本当に必要なことが抜け落ちることがあります。たとえば、全員が新規の顧客の開拓を目標にした結果、既存の顧客のフォローを誰も担当していない、という事態が起こります。

チーム目標は、会社の目標や部署の目標とつながっている必要もあります。会社が「顧客の満足度を高める」ことを重視しているのに、チームが「処理の件数」だけを目標にしていると、件数は増えても満足度は下がる、ということが起こりえます。チームの目標を決めるときは、その上にある目標とのつながりを、最初に確かめておきます。

チーム目標を設定するメリット

チーム目標を設定するメリットは、大きく分けて次の4つです。

1つ目は、判断の基準がそろうことです。チームに共通の目標があると、日々の仕事で迷ったときに「どちらが目標に近づくか」で判断できます。メンバーそれぞれが違う基準で動くことがなくなり、話し合いも早く進みます。

2つ目は、協力が生まれやすくなることです。全員が同じ到達点を目指していると、自分の担当が終わったメンバーが、遅れているメンバーを手伝う動きが自然に生まれます。個人目標だけで評価されるチームでは、他人を手伝うことが自分の評価につながらないため、協力が起きにくくなります。

3つ目は、優先順位がはっきりすることです。仕事は常に、やるべきことがやれる量を上回ります。チーム目標があると、目標に関わらない仕事を後回しにする、断る、といった判断がしやすくなります。

4つ目は、成果を振り返りやすくなることです。目標が決まっていると、期末に「何ができて、何ができなかったか」を具体的に振り返れます。うまくいった理由と、うまくいかなかった理由が分かれば、次の期の目標の質が上がります。

一方で、チーム目標には注意点もあります。目標の達成ばかりを追うと、数字に表れない大切な仕事(後輩の育成、仕組みの改善、顧客との関係づくりなど)が軽く扱われることがあります。目標は、チームの仕事のすべてではなく、特に力を入れる部分を示すもの、と位置付けておくと、こうした偏りを防げます。

目標を決めるときによく使う考え方

チーム目標を決めるときに、よく使われる考え方が3つあります。言葉だけが一人歩きしやすいので、それぞれの意味を正しく押さえておきます。

SMART

SMARTとは、よい目標が満たすべき5つの条件の頭文字を並べたものです。一般には次のように説明されます。

  • Specific(具体的):何をするのかがはっきりしている
  • Measurable(測定できる):達成したかどうかを数字や事実で確かめられる
  • Achievable(達成できる):努力すれば届く水準である
  • Relevant(関連している):会社や部署の目標とつながっている
  • Time-bound(期限がある):いつまでに達成するかが決まっている

たとえば「顧客の満足度を上げる」という目標は、何をどこまでやれば達成なのかが分かりません。SMARTの条件に当てはめると、「12月末までに、問い合わせのあとのアンケートで『満足』と答えた人の割合を70%から80%にする」のように直せます。

OKR

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、目指す姿(Objective)と、その達成を測る主要な成果(Key Results)を組み合わせて目標を立てる方法です。Objectiveは「誰もが迷わず使える申し込みの画面にする」のように、メンバーが意欲を持てる言葉で書きます。Key Resultsは「申し込みの途中でやめる人の割合を30%から15%にする」のように、数字で測れる成果を2〜4つほど並べます。

OKRでは、Objectiveを少し高めに置き、Key Resultsの達成率が7割ほどでもよい、とする考え方が広く知られています。挑戦的な目標を掲げつつ、未達を責めない運用にすることで、チームが思い切った取り組みをしやすくなります。

KGIとKPI

KGI(Key Goal Indicator)は最終的に達成したい成果の指標、KPI(Key Performance Indicator)はその途中の進み具合を測る指標のことです。たとえば、KGIが「今期の売上を3,000万円にする」なら、KPIは「商談の件数」「提案の件数」「契約の率」のように、売上につながる途中の数字になります。KGIだけを見ていると、期末まで達成できるかが分かりませんが、KPIを週ごとに追いかければ、途中で手を打てます。

どの考え方を使うかは、チームの仕事の性質で選びます。成果が数字で測りやすい営業や問い合わせ対応ならSMARTとKPI、新しいことに挑戦するチームならOKRが合いやすい傾向があります。大事なのは、考え方の名前ではなく、「何をいつまでにどこまでやるのか」がメンバー全員に同じ意味で伝わることです。

チーム目標を設定する6つの手順

チーム目標は、次の6つの手順で設定すると、メンバー全員が納得しやすく、個人の仕事ともつながりやすくなります。

  1. 上位の目標を確かめる:会社や部署が今期に何を重視しているかを確認する
  2. チームの現状を数字で把握する:前の期の実績、今の課題、メンバーの経験と人数を整理する
  3. 目標の候補を出す:責任者だけで決めず、メンバーから課題と目標の案を集める
  4. 目標を1〜3つに絞る:候補の中から、上位の目標に最もつながるものを選ぶ
  5. 達成の基準と期限を決める:数字と期限を入れ、達成したかどうかを誰でも判断できる形にする
  6. 個人の役割に落とし込む:目標を達成するために、誰が何をするかを決める

手順の中で特に大事なのが、3番目と4番目です。目標を責任者だけで決めると、メンバーにとっては「上から降ってきた数字」になり、自分ごととして受け止めにくくなります。メンバーから課題と案を集めるだけでも、目標への納得感は大きく変わります。

4番目の「絞る」ことも欠かせません。目標を5つも6つも並べると、どれが大事なのかが分からなくなり、結局どれにも力が入らなくなります。チーム目標は多くても3つまでにとどめ、それ以外の大切な仕事は「目標ではないが続けること」として別に整理しておきます。

5番目の達成の基準では、「達成」と「未達」の線をはっきりさせます。「頑張る」「改善する」のような言葉ではなく、「30件」「24時間以内」「12月15日までに公開」のように、誰が見ても同じ判断ができる形にします。

目標の高さを決める

目標の高さは、チームの意欲を左右します。高すぎる目標は最初から諦めを生み、低すぎる目標は手応えを失わせます。社会人向けの教育機関のコラムでは、目標の高さについて次のように書かれています。

目標設定においては、「どのレベルの目標を定めるか」も大事です。いきなり高すぎる目標を設定すると、現場が疲弊してうまくいかなかったり、逆に低い目標だと、やりがいがなくなってしまいます。一般的に目標は、「過度に優しすぎず、過度に難しすぎず、届くか届かないか、というレベルがちょうどいい」と言われています。現在の能力を100%とするならば、120%の力で到達できるレベルを目指しましょう。 出典: mba.globis.ac.jp

この「120%」を、実際の数字で考えてみます。前の期に新規の契約が25件だったチームなら、同じやり方を続ければ25件前後に落ち着くと見込めます。そこに工夫を加えて届く水準として、30件を目標に設定する、という考え方です。

目標の高さを決めるときは、次の3つを確かめておくと、無理のない水準になります。

  • 前の期の実績:どこから始まるのかを数字で確かめる
  • 使える人と時間:メンバーの数、休暇や異動の予定、ほかの仕事の量を確かめる
  • 新しい工夫の中身:目標と実績の差を、どんな工夫で埋めるのかを具体的に考える

3つ目が特に大事です。実績より高い目標を設定するなら、その差を埋める工夫が必要です。工夫の中身がないまま目標だけを上げると、メンバーは「同じやり方でもっと頑張れ」と受け止め、疲れだけがたまっていきます。

個人の役割に落とし込む方法

チーム目標を決めたら、次は個人の役割に落とし込みます。この段階を丁寧に行うかどうかで、目標が日々の仕事とつながるかが決まります。

落とし込みは、目標から逆算して進めます。たとえば、「12月末までに新規の契約を30件にする」というチーム目標があるとします。前の期の実績から、提案の3件に1件が契約になり、商談の2件に1件が提案につながると分かっているなら、30件の契約には90件の提案、180件の商談が必要です。

これを、メンバーの役割と経験に合わせて分けます。

メンバー 役割 個人の目標
Aさん(経験5年) 提案と契約の担当 提案を40件行い、契約を14件とる
Bさん(経験2年) 提案と契約の担当 提案を30件行い、契約を10件とる
Cさん(経験1年) 商談の獲得と提案の補助 商談を100件獲得し、提案を20件行う
Dさん(事務) 提案の資料と契約の手続の支援 提案の資料を依頼から2営業日以内に作る

この表で注目したいのは、Dさんのように、契約の件数を直接担当しないメンバーにも、チーム目標につながる個人目標があることです。チーム目標は、数字を直接動かす人だけのものではありません。支える役割の人が、何をすればチームの目標に貢献できるかを明らかにすることで、全員が同じ方向を向けます。

落とし込むときに避けたいのが、全員に同じ数字を割り振ることです。経験や役割が違うのに同じ件数を求めると、経験の浅いメンバーは早々に諦め、経験の長いメンバーは力を出し切らないまま終わります。役割と経験に合わせて、それぞれが120%の力で届く水準に分けることが大切です。

職種別のチーム目標の例文

チーム目標の書き方の参考として、職種別の例文を挙げます。どれも、SMARTの条件を満たすように書いています。

  • 営業のチーム:12月末までに、新規の契約を30件にする(前の期は25件)
  • カスタマーサポートのチーム:今期中に、問い合わせへの初回の返信を、受け付けから24時間以内に行う割合を95%にする
  • Web制作のチーム:3月末までに、制作の依頼から公開までの平均の日数を20日から15日に縮める
  • 経理のチーム:毎月の決算の締めを、翌月5営業日目までに終える状態を6か月続ける
  • 採用のチーム:9月末までに、エンジニアの採用を3名決める
  • 在宅のライターのチーム:今期中に、編集の確認で差し戻しになる原稿の割合を20%から10%にする

例文の形をまとめると、「期限」「対象」「指標」「目標の数字」の4つが入っていることが分かります。可能なら、前の期の実績や今の数字も添えておくと、目標の高さが妥当かどうかをメンバーが判断できます。

反対に、避けたい書き方の例も挙げておきます。

  • 「顧客満足度の向上に努める」:何をどこまでやれば達成なのかが分からない
  • 「売上を最大化する」:上限がなく、達成したかどうかを判断できない
  • 「全員が成長する」:成長を何で測るのかが決まっていない

目標を話し合う会議の進め方

チーム目標をメンバーと一緒に決めるには、話し合いの場の進め方が大切です。責任者が用意した案を説明して終わる会議では、メンバーは聞き手にとどまり、目標を自分ごととして受け止めにくくなります。次のような流れで進めると、短い時間でも全員の考えを反映できます。

  1. 事前に材料を配る:前の期の実績、上位の目標、今の課題を、会議の数日前に共有しておく
  2. 課題を出し合う(20分):一人ひとりが、チームの課題だと思うことを3つずつ挙げる
  3. 課題をまとめる(15分):似た課題をまとめ、影響の大きいものから順に並べる
  4. 目標の案を作る(20分):上位の課題に対して、「期限・対象・指標・数字」の形で目標の案を書く
  5. 絞り込む(15分):案の中から1〜3つを選び、選ばなかった案は次の期の候補として残す

課題を出し合う段階では、経験の浅いメンバーの意見から先に聞くと、遠慮なく意見が出やすくなります。経験のあるメンバーや責任者が先に話すと、ほかのメンバーはその意見に引きずられがちです。

リモートのチームなら、課題の出し合いは、共有の文書やボードに各自が書き込む形にすると進めやすくなります。声の大きさに関係なく全員の意見が並ぶので、話し合いが一部の人に偏りません。

会議の最後には、決まった目標と、次にやること(個人の役割の落とし込みを誰がいつまでに行うか)を確かめて終えます。決まったことを文書にまとめて全員に共有するまでが、目標を決める会議の仕事です。

評価とのつなげ方

チーム目標を設定すると、人事の評価とどうつなげるかという問題が出てきます。つなげ方を誤ると、チーム目標がかえって協力を妨げることがあります。

よく起きる問題は、個人の評価をチーム目標への数字の貢献だけで決めてしまうことです。この場合、数字に直接表れない支える役割の仕事(資料作り、後輩の指導、仕組みの改善など)を引き受ける人がいなくなります。誰もが数字に直結する仕事だけを取り合うようになり、チームとしての力はむしろ落ちていきます。

評価とつなげるときは、次の3つを組み合わせるとバランスが取りやすくなります。

  • チーム目標の達成の度合い:チーム全体の成果として、メンバー全員に同じように反映する
  • 個人の役割の達成の度合い:落とし込んだ個人目標を、それぞれがどこまで果たしたか
  • 行動の記録:ほかのメンバーを手伝った、仕組みを改善した、といった数字に表れない貢献

3つ目の行動の記録は、期末に思い出して書くのでは正確になりません。週ごとの確認の場で、手伝ったことや改善したことを一言ずつ残しておくと、期末の評価の材料になります。記録が残っていれば、責任者の印象だけで評価が決まることを防げ、目立たない役割を引き受けたメンバーの働きも正しく伝わります。

評価の仕組みは会社ごとに決まっていることが多いので、チームの責任者だけで変えられないこともあります。その場合でも、チームの中で行動を記録して共有しておくことは、メンバーの貢献を正しく伝えるための大きな助けになります。

少人数のチームや、1人で働く場合

チーム目標の考え方は、2〜3人の小さなチームや、1人で仕事を受けるフリーランスにも使えます。

2〜3人のチームでは、目標を1つに絞り、週ごとの確認を10分ほどの短い会話にすると、負担なく続けられます。人数が少ないと、1人の休みが目標の達成に大きく響くので、誰か1人に仕事が集中しないよう、役割の分け方を特に意識します。

1人で働く場合は、自分を1人のチームと考えて、期ごとの目標を決めます。たとえば、「3月末までに、継続の取引先を2社から4社にする」「今期中に、1時間あたりの売上を前の期より15%上げる」のように、SMARTの条件に沿って書きます。週に1度、自分で数字を確かめる時間を決めておけば、チームと同じように目標を追いかけられます。

外部の取引先と組んで仕事をしている場合は、取引先のチームの目標を聞いておくことも役立ちます。相手が何を目指しているのかが分かると、自分の仕事のどの部分に力を入れればよいかがはっきりし、提案もしやすくなります。

よくある失敗と、その防ぎ方

チーム目標の失敗は、目標の言葉より、運用のしかたから生まれることが多いものです。チームワークの研修を手がける会社のコラムでは、次のように指摘されています。

チーム目標設定の失敗は、目標文の美しさより運用の曖昧さから起きます。抽象目標、負荷集中、主観評価を防ぐために、行動と記録方法を先に決めます。 出典: coteam.jp

ここで挙げられている3つの失敗を、具体的に見ていきます。

失敗1:抽象的な目標

「品質を高める」「チームワークを強くする」のように、測り方が決まっていない目標は、期末に達成したかどうかを誰も判断できません。防ぐには、目標を決める段階で「何の数字で測るか」と「その数字をどこで確かめるか」を決めておきます。

失敗2:特定の人への負荷の集中

チーム目標の達成が、経験のある1〜2人の頑張りに頼っている状態です。その人が休んだり辞めたりすると、目標の達成がたちまち難しくなります。防ぐには、個人の役割に落とし込む段階で、誰にどれだけの仕事が集まっているかを見える形にし、偏りがあれば分担を見直します。

失敗3:主観による評価

目標の達成への貢献を、責任者の印象で評価してしまう状態です。「よく頑張っていた」「目立っていた」といった印象で評価すると、支える役割のメンバーの貢献が見落とされます。防ぐには、行動と成果を記録する方法を、目標と同時に決めておきます。

このほかにも、よく見られる失敗があります。

  • 目標を決めたあと、一度も見直さない
  • 途中で状況が変わっても、目標を変えずに無理を続ける
  • 目標を達成しても、振り返りをせずに次の期に進む

途中の見直しについては、期の途中で大きく状況が変わったなら、目標を見直すことも選択肢です。顧客の事情や市場の変化で前提が崩れたのに、当初の数字に固執すると、チームの意欲は下がります。見直すときは、なぜ変えるのかをメンバー全員に説明し、新しい目標にも納得してもらうことが大切です。

進捗を追いかける仕組み

目標を決めたら、追いかける仕組みを最初に決めておきます。仕組みがないと、目標は日々の忙しさの中で忘れられていきます。

追いかける仕組みは、週ごとと月ごとの2つの間隔で作ると回りやすくなります。

間隔 確かめること かける時間の目安
週ごと KPIの数字、今週やったこと、来週やること、困っていること 15〜30分
月ごと 目標に対する進み具合、やり方の見直し、分担の見直し 60分ほど
期末 目標の達成の度合い、うまくいった理由と課題、次の期の目標の案 90分ほど

週ごとの確認は、短く済ませることがこつです。一人ひとりが数字と状況を1〜2分で話し、困っていることがあればその場で手伝える人を決めます。時間をかけて報告を聞く場にすると、準備の負担が大きくなり、続かなくなります。

月ごとの確認では、数字の進み具合を見て、やり方を変えるかどうかを話し合います。目標まで遅れているなら、何が原因かを分解して考えます。商談の件数が足りないのか、提案から契約への率が下がっているのかで、打つべき手は変わります。

追いかけるための数字は、なるべく自動で集まる形にしておきます。週ごとの会議の前に、誰かが数字を集めて表に入れる作業が必要だと、その人の負担になり、やがて集計が遅れます。日々の仕事の中で記録が残り、その記録から数字が出る形にしておくと、追いかける仕組みが長続きします。

目標と日々の作業をつなげる道具

チーム目標を追いかける道具として、まず思い浮かぶのはスプレッドシートです。目標とKPI、週ごとの数字を表にまとめ、グラフにすれば、進み具合を見える形にできます。小さなチームなら、スプレッドシートで十分に回ります。

ただ、スプレッドシートで管理できるのは、主に結果の数字です。数字の裏にある「誰がどの作業を持っていて、どこで止まっているか」までは見えにくくなります。目標につながる作業そのものを見える形にしたい場合は、作業をカードにしてボードで管理する道具が合います。

選択肢の1つがPinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあります。目標につながる作業をカードにしてカンバンのボードで進めれば、どこで作業が止まっているかがひと目で分かります。リソースのボードでは、人やチームごとに負荷の偏りを見られるので、先に挙げた「特定の人への負荷の集中」に早く気づけます。カードには、見積もりの工数や優先度のような項目をカスタムフィールドとして追加でき、どの目標に関わる作業かを項目にしておけば、目標ごとに作業を絞り込めます。ディスカッションのボードでは、論点ごとに話し合いの場を立て、決まるまでのやり取りを残せます。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、すべての種類のボードとチャットを使えます。6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。目標の数字そのものを自動で集計する機能があるわけではないので、目標とKPIの数字はスプレッドシートで追い、目標につながる日々の作業はボードで回す、という分担が現実的です。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

リモートのチームで目標を共有するときの注意

メンバーが在宅で働くリモートのチームでは、目標の共有に、対面のチームとは違う工夫が必要です。顔を合わせる機会が少ないと、目標が話題に上る回数が減り、意識からも遠のきやすくなるからです。

リモートのチームで目標を共有するときは、次の4つを意識すると、目標が形だけになりにくくなります。

  1. 目標を書いた場所を1か所に決める:チャットの過去のメッセージに埋もれさせず、誰でもすぐ開ける場所に掲げる
  2. 週ごとの確認を必ず同じ曜日と時間に行う:予定が固定されていると、準備の習慣が付く
  3. 数字だけでなく、困っていることを話す時間を取る:文字のやり取りだけでは、困りごとが表に出にくい
  4. 達成したことを全員の前で伝える:離れて働いていると、ほかのメンバーの貢献が見えにくい

特に3番目が大切です。リモートでは、困っていても「忙しそうだから聞きにくい」と感じて、1人で抱え込むメンバーが出やすくなります。週ごとの確認の場で、困っていることを1つずつ挙げてもらうだけでも、早い段階で手を打てるようになります。

テレワークの環境を整えるための制度として、国の助成金を使える場合もあります。概要はテレワーク 助成金 2026で紹介しています。

在宅ワークの市場から見たチーム目標

20年にわたって在宅ワークとフリーランスの仲介を見てきた運営者の立場から言えば、外部のフリーランスと組んで成果を上げているチームには共通点があります。業務委託のメンバーにも、チームが何を目指しているのかを最初に伝えていることです。作業の指示だけを受けて動く人と、目標を知ったうえで動く人とでは、同じ作業でも気の回し方が違います。目標を知っているフリーランスは、「この進め方のほうが目標に早く近づくのでは」と提案してくれることがあり、それがチームの成果を押し上げています。

仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼者はより多くの作業を頼め、受け手は手取りが厚くなります。その分、受け手が長くチームに関わりやすくなり、チームの目標を共有する意味も大きくなります。単発の作業の依頼を繰り返すより、目標を共有して継続的に関わってもらうほうが、結果として双方にとって得になる場面が多く見られます。

チームの目標づくりや業務の改善を、外部の立場から支援する仕事もあります。経営の課題を整理し、目標と計画づくりを助ける専門の資格としては中小企業診断士があります。業務の流れを整理し、道具やAIの使い方を提案する仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確認できます。チーム目標の設定は、言葉を決めて終わりではなく、個人の役割とつなげ、週ごとに追いかけて初めて意味を持ちます。小さな目標から始めて、追いかける仕組みを回しながら、チームに合った形を育てていくことが成功への近道です。

よくある質問

Q. チーム目標はいくつくらい設定するのがよいですか?

多くても3つまでにとどめるのがお勧めです。目標を5つも6つも並べると、どれが大事なのかが分からなくなり、どれにも力が入らなくなります。チームの仕事の中で特に力を入れる部分に絞り、それ以外の大切な仕事は「目標ではないが続けること」として別に整理しておくと、優先順位がはっきりします。

Q. チーム目標と個人目標はどちらを先に決めるべきですか?

チーム目標を先に決め、そこから個人目標に落とし込むのが基本です。個人目標をそれぞれが自由に決めて合計すると、チームとして必要な仕事が抜け落ちることがあります。チーム目標を達成するために誰が何をするかを、役割と経験に合わせて分けると、支える役割のメンバーも含めて全員の目標がつながります。

Q. 途中で目標の達成が難しくなったら、目標を変えてもよいですか?

期の途中で前提が大きく変わった場合は、目標を見直すことも選択肢です。顧客の事情や市場の変化で前提が崩れたのに当初の数字に固執すると、チームの意欲が下がります。見直すときは、なぜ変えるのかをメンバー全員に説明し、新しい目標にも納得してもらってください。単に遅れているだけなら、まずやり方の見直しを優先します。

Q. リモートのチームで目標を意識し続けるにはどうすればよいですか?

目標を書いた場所を1か所に決めて誰でも開けるようにし、週ごとの確認を同じ曜日と時間に行うことが効果的です。確認の場では、数字だけでなく困っていることも話してもらうと、1人で抱え込むメンバーを減らせます。達成したことを全員の前で伝える機会を設けると、離れて働くメンバーどうしの貢献も見えやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月2日最終更新:2026年10月20日
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