アンケート結果のまとめ方|集計から報告資料にするまでの流れ


この記事のポイント
- ✓アンケート結果のまとめ方を
- ✓自由記述の載せ方の順に説明します
- ✓結論から書く報告書の型
アンケートの回答を集計し終えたのに、報告資料にしようとすると手が止まる。グラフはたくさん作ったものの、何を伝えたいのか自分でも分からなくなる。アンケート結果のまとめ方で悩む人の多くは、集計ではなく、その先の「伝える形にする」段階でつまずいています。
この記事では、アンケート結果をまとめる流れを、目的の確認から、集計、読み取り、報告資料の構成、グラフの選び方、自由記述の載せ方まで順に説明します。いちばん大事なのは、報告資料の最初に結論を書き、その結論を支える数字だけを後ろに並べることです。回答の受付から整理までを1か所で済ませたい場合は、フォームの道具のHalictのように、回答を一覧で管理してCSVで書き出せるものを使うと、まとめる前の手間を減らせます。
アンケート結果をまとめる目的を最初に確かめる
アンケート結果のまとめ方は、誰に何を判断してもらうための資料なのかで大きく変わります。調査会社のコラムでも、まとめる目的がはっきり書かれています。
アンケート結果は、ただ数値を整理するだけでは意味がありません。重要なのは、読み手が短時間で要点を理解し、次の判断や行動につなげられる形でまとめることです。ここではありがちな失敗と、意思決定につながるまとめ方の基本構成を解説します。 出典: prizma-link.com
読み手と判断してほしいことを書き出す
まとめ始める前に、次の3つを1行ずつ書き出します。
・この資料を読むのは誰か(上司、経営者、会議の参加者、回答してくれた人たち)
・読み手に何を判断してほしいか(続けるか、やめるか、どこを直すか)
・読み手はどれくらいの時間で読むか(会議の5分、メールで目を通すだけ)
たとえば、研修の満足度アンケートを研修の担当部署に報告するなら、判断してほしいことは「次回も同じ内容で続けるか、どこを変えるか」です。経営者に報告するなら「この研修に来年も予算を付けるか」になるかもしれません。同じ回答でも、判断してほしいことが違えば、先頭に置く数字も、載せるグラフも変わります。
アンケートを作った時点の目的に立ち返る
アンケートを作ったときに、何を知りたかったのかを読み返すことも大切です。目的が「参加者が内容を理解できたか知りたい」だったなら、理解度の設問が報告の中心になります。集計していると、目的と関係のない面白い数字に目が向きがちですが、それは資料の後ろの「その他の気づき」に回します。
教室で保護者アンケートを取ったときによく起きるのが、設問をすべて同じ重さでグラフにして、20枚を超える資料になってしまうことです。どの設問も大事に見えてしまうのですが、読む側はそこまで時間を取れません。目的に照らして、主役の設問を3つまでに絞ると、資料の骨組みが一気に決まります。
アンケート結果をまとめる全体の流れ
アンケート結果を報告資料にするまでの流れを、6つの段階に分けて整理します。
| 段階 | やること | できあがるもの |
|---|---|---|
| 1. 目的の確認 | 読み手と判断してほしいことを決める | 資料の方針を書いた3行のメモ |
| 2. データの整理 | 表記の揺れや無回答を整える | 集計できる形の回答の表 |
| 3. 集計 | 単純集計とクロス集計をする | 設問ごとの集計表 |
| 4. 読み取り | 数字から言えることを短い文にする | 気づきの一覧 |
| 5. 構成 | 結論、根拠、提案の順に並べる | 資料の目次 |
| 6. 仕上げ | グラフ、注記、確認をする | 報告資料 |
調査結果の整理を解説している記事でも、順番に沿ってまとめる大切さが書かれています。
アンケート結果を見やすく整理するには、順番に沿ってまとめることが重要です。ここでは、実際に結果を整理する際の基本手順について解説します。 出典: prizma-link.com
ここで大事なのは、4番目の「読み取り」を飛ばさないことです。集計表とグラフができると、それを並べれば資料になったように感じますが、数字から何が言えるかを文章にしていない資料は、読み手に解釈を丸投げすることになります。
集計の段階で押さえておきたいこと
集計の作業そのものは、エクセルやスプレッドシートの関数とピボットテーブルで行えます。ここでは、報告資料にすることを見越して、集計の段階で押さえておきたい点に絞って説明します。
単純集計で全体像をつかむ
単純集計とは、1つの設問について、選択肢ごとの人数と割合を出すことです。まずすべての設問の単純集計を出し、全体の傾向をつかみます。この段階では、資料に載せるかどうかを考えず、手元の確認用として一覧にしておきます。
クロス集計で違いを見つける
クロス集計とは、2つの設問を掛け合わせて、属性ごとの違いを見る集計のことです。たとえば満足度を参加回数別に分けると、「初めての参加者は満足が多いが、3回目以上の参加者は不満が増える」といった違いが見つかることがあります。報告資料で読み手の判断を動かすのは、多くの場合、全体の平均よりもこうした違いです。
人数と割合を両方残す
割合だけを報告すると、回答者が10人なのか1,000人なのかが分かりません。回答者が10人のとき、1人の回答で割合は10ポイント動きます。集計表には必ず人数と割合の両方を残し、資料にも回答者数を明記します。
分母の決め方をそろえる
無回答を分母に含めるかどうか、複数回答の設問の割合を何で割るかを、資料全体でそろえます。設問ごとに分母の取り方が違うと、同じ資料の中で数字の意味が変わってしまいます。どちらを使ったかは、表やグラフの下に注記します。
受付を締め切ってから集計する
回答の受付を続けたまま集計を始めると、途中で回答が増えて、集計表とグラフの数字がずれていきます。報告に使う集計は、受付を締め切ってから行うのが原則です。締め切りを延ばした場合も、集計に使ったデータが「何月何日の何時点のものか」を記録しておきます。途中経過を報告するときは、資料の表紙に「中間集計」と明記し、最終の結果と取り違えられないようにします。
回答の質を確かめる
集計の前に、明らかに不自然な回答がないかも確かめます。すべての設問に同じ選択肢を選んでいる回答、数秒で送信されている回答、同じ人が何度も送ったと思われる回答は、結果をゆがめることがあります。除く場合は、何件をどんな理由で除いたかを調査の概要に書き添えます。理由を書かずに回答を除くと、都合のよい結果に合わせたと受け取られかねません。
数字から言えることを文章にする
集計表ができたら、資料の材料となる「気づき」を文章にします。この作業が、アンケート結果のまとめ方の中心です。
1つの気づきを1文で書く
気づきは「何が、どれだけ、どうだったか」を1文で書きます。
・研修の満足度は、「満足」と「やや満足」を合わせて78%だった
・初めての参加者に比べ、3回目以上の参加者は「やや不満」が2倍多かった
・不満の理由として最も多かったのは「内容が前回と重なっている」だった
数字を入れて書くと、読み手が同じ数字を見て同じ理解に至れます。「多くの人が満足した」のような書き方では、何割なのかが読み手によって変わってしまいます。
事実と解釈を分ける
気づきには、集計から直接言える事実と、そこから推し量った解釈の2種類があります。「3回目以上の参加者は不満が多い」は事実で、「内容の重なりが不満の原因だろう」は解釈です。解釈を書くときは、その根拠になる数字や自由記述を並べて示し、「〜と考えられる」と事実と区別できる書き方にします。
比べる相手を示す
数字は、比べる相手があってはじめて良し悪しが分かります。満足度78%は、前回が65%なら改善ですが、前回が90%なら下がっています。前回の結果、目標の数字、ほかの部署や教室の結果など、比べる相手を一緒に示すと、読み手が判断しやすくなります。前回と設問の文言や選択肢が変わっている場合は、そのまま比べられないことも書き添えます。
期待と違う結果も書く
担当者として期待していた結果と違う数字が出ることもあります。都合の悪い結果を資料から外したくなる気持ちは分かりますが、外した結果は、あとで誰かが元のデータを見たときに必ず気づかれます。期待と違う結果ほど、次の改善につながる材料として正面から書くほうが、資料全体の信頼が上がります。
数字の読み違いを防ぐ
気づきを文章にする段階で、もう1つ気をつけたいのが、数字の読み違いです。アンケートの結果は、読み方を誤ると、もっともらしいのに間違った結論を導いてしまいます。報告資料でよく見かける読み違いを3つ挙げます。
一緒に動いていることと原因は別
クロス集計で「参加回数が多い人ほど不満が多い」と分かっても、参加回数が多いことが不満の原因だとは限りません。たとえば、参加回数の多い人には管理職が多く、管理職は業務が忙しくて研修の時間そのものを負担に感じている、ということもありえます。2つの数字が一緒に動いているときは、ほかの理由で両方が動いていないかを、別の設問や自由記述で確かめます。原因まで言い切れないときは、「参加回数が多い人ほど不満が多い傾向がある」と事実だけを書き、原因は「今後確かめる」と添えます。
回答した人だけの声である
アンケートに答えてくれるのは、もともと関心の強い人や、強い不満を持っている人に偏りがちです。回収率が低いアンケートで「満足が80%」と出ても、答えなかった人の中に不満を持つ人が多い可能性は残ります。回収率を必ず書き、低い場合は「回答者の中では」という前置きを付けて書きます。
小さな差を大きく読まない
満足度が前回の72%から今回の75%に上がったとき、それを「改善した」と言い切ってよいかは、回答者の数によります。回答者が数十人なら、3ポイント程度の差はたまたまの範囲に収まることが多く、改善の根拠としては弱くなります。小さな差は「ほぼ横ばい」と書き、何回か続けて同じ方向に動いたときに変化として扱うほうが、資料の信頼を守れます。
伝わらない報告資料によくある失敗
数字の正しさとは別に、内容は正しいのに伝わらない資料もあります。よくある失敗と、その直し方を整理します。
設問の順番どおりにグラフを並べる
アンケートの設問の順番どおりにグラフを並べると、作る側は楽ですが、読み手には何が大事なのかが分かりません。設問の順番ではなく、結論の順番に並べ替えます。結論を支えない設問のグラフは、本編から外して資料編に回します。
グラフだけで文章がない
グラフを並べただけの資料は、読み手が自分で読み取りをしなければなりません。読み手によって受け取り方が変わり、会議で「このグラフは何を言っているのか」という確認に時間を取られます。グラフごとに、そのグラフから言えることを1文で添えるだけで、伝わり方は大きく変わります。
専門用語のまま書く
「GT集計」「n数」「有意差」のような言葉は、調査に慣れた人には通じても、読み手が慣れているとは限りません。「全体の集計」「回答者数」「たまたまとは言えない差」のように、読み手に通じる言葉に置き換えます。どうしても使う場合は、初めて出てくるところで1文の説明を添えます。
色や装飾が多すぎる
グラフごとに色を変える、文字に影を付ける、表に濃い色の背景を付けるといった装飾は、見た目は華やかになりますが、どこを見ればよいかを分かりにくくします。資料全体で使う色を3色程度に決め、強調したい部分だけに濃い色を使うと、自然に視線が集まります。
まとめ方の例 研修アンケートの1ページ目
この記事で説明している考え方を使って、研修の満足度アンケートを報告資料にしたときの1ページ目の例を示します。数字は説明のための例です。
1ページ目に書く内容
タイトルは「9月の業務研修アンケート結果と次回の改善案」とし、その下に3つの結論を並べます。
・参加者の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて78%で、前回の74%とほぼ同じ水準だった
・3回目以上の参加者は「やや不満」と「不満」が合わせて35%で、初めての参加者の17%の約2倍だった
・不満の理由として最も多かったのは「内容が前回と重なっている」で、自由記述の改善点42件のうち18件を占めた
続けて、提案を2つ書きます。
・次回から、初めての参加者向けと経験者向けに回を分ける
・経験者向けの回では、前回の内容の振り返りを10分以内に短くする
最後に、調査の概要として、対象、期間、方法、回答数、回収率を1行ずつ並べます。
2ページ目以降に置く内容
2ページ目には、参加回数別の満足度を100%積み上げ横棒グラフで示し、タイトルに「3回目以上の参加者は不満が約2倍」と書きます。3ページ目には、自由記述の改善点を分類した表と、分類ごとの代表的な声を載せます。全設問の単純集計は、資料編として最後にまとめます。
この形にしておけば、忙しい読み手は1ページ目だけで判断ができ、詳しく知りたい人は2ページ目以降で根拠を確かめられます。
報告資料の構成は結論から
アンケートの報告資料は、結論を最初に置く構成が基本です。忙しい読み手は最初の1ページしか読まないことも多く、そこで要点が伝わるかどうかで資料の価値が決まります。
基本の構成
報告資料は、次の順に並べると読みやすくなります。
- 調査の結論(要点を3つまで)
- 結論から導いた提案(何をするか)
- 調査の概要(目的、対象、期間、方法、回答数、回収率)
- 結果の詳細(結論を支える集計とグラフ)
- 自由記述の主な声
- 資料(設問の一覧、全設問の単純集計)
結論と提案を先に読めば、読み手は判断に必要なことが分かり、詳しく知りたい人だけが後ろを読めばよい形になります。
調査の概要に必ず書くこと
調査の概要には、少なくとも次の項目を書きます。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 目的 | 研修の内容が参加者の業務に役立ったかを確かめ、次回の改善点を探る |
| 対象 | 9月の研修に参加した社員 |
| 期間 | 9月20日から9月27日まで |
| 方法 | Webのフォームで回答を受付(無記名) |
| 回答数 | 120人(参加者150人に対して回収率80%) |
回収率とは、アンケートを配った人のうち、実際に回答した人の割合のことです。回収率が低いと、回答した人だけの意見に偏っている可能性があるので、読み手が結果をどこまで信じてよいかの目安になります。
提案は数字とつなげて書く
提案は「来年も続ける」「ここを直す」といった行動の形で書き、どの数字や声から導いたかを添えます。「3回目以上の参加者の不満が多く、理由の多くが内容の重なりだったため、次回は経験者向けの別の回を設ける」のように、根拠と提案を1つの文でつなげると、読み手が納得しやすくなります。
グラフの選び方と載せ方
グラフは、数字の違いを一目で伝えるための道具です。設問の数だけグラフを並べるのではなく、結論を支えるグラフだけを選んで載せます。
伝えたいことに合わせて選ぶ
| 伝えたいこと | 向いているグラフ | 注意点 |
|---|---|---|
| 1つの設問の割合 | 帯グラフ、円グラフ | 選択肢が5つを超えるなら帯グラフ |
| 選択肢の多い少ない | 横棒グラフ | 多い順に並べる |
| 属性ごとの違い | 100%積み上げ横棒グラフ | 属性ごとの人数も添える |
| 時期による変化 | 折れ線グラフ | 設問の文言が同じ回だけを並べる |
| 2つの数値の関係 | 散布図 | 回答数が少ないと傾向が読みにくい |
1枚のグラフに1つのメッセージ
グラフには、設問の内容をそのまま書いたタイトルではなく、そのグラフから言えることをタイトルとして付けると伝わりやすくなります。「満足度」ではなく「3回目以上の参加者は不満が2倍」のように書くと、読み手はグラフを見る前に何を見ればよいかが分かります。その下に小さく「満足度(回答者120人)」と設問と人数を添えます。
見た目で誤解させない
グラフの目盛りを途中から始めると、小さな差が大きく見えてしまいます。割合を比べる棒グラフは、目盛りを0から始めるのが原則です。立体のグラフも、手前の部分が大きく見えて割合を読み違えやすいので避けます。色は、肯定的な回答と否定的な回答で系統を分け、強調したい項目だけ濃い色にすると、どこを見ればよいかがはっきりします。
自由記述の回答をまとめる
自由記述の回答は、数字では見えない理由や具体的な要望が書かれている、報告資料に厚みを出す材料です。一方で、そのまま全件を載せると読み手が読み切れません。
分類して件数で示す
自由記述は、内容の似たものを集めて分類し、分類ごとの件数を示します。たとえば改善点についての回答を「資料」「時間配分」「内容の難しさ」「会場」の4つに分け、それぞれの件数を表にします。件数の多い分類から順に並べると、何に声が集まっているかが一目で分かります。
代表的な声を引用する
分類ごとに、内容がよく表れている回答を1つか2つ選び、原文に近い形で引用します。「資料の文字が小さく、後ろの席から読めなかった」のような具体的な声は、数字よりも読み手の心に残り、改善の行動につながりやすくなります。引用するときは、名前や部署など個人が分かる部分を必ず伏せます。
少数でも見逃せない声を拾う
件数は少なくても、安全や健康、差別やハラスメントに関わる声は、件数とは別に取り上げます。たとえば「会場の階段で転びそうになった」という声が1件でもあれば、件数の多い要望より先に対応すべきかもしれません。こうした声は「件数は少ないが対応が必要な意見」として、資料の中で目立つ位置に置きます。
回答への個別の対応が必要なとき
自由記述の中には、「この件について連絡がほしい」「個別に相談したい」のように、集計ではなく1件ずつ返事が必要な声が混ざることがあります。こうした声は報告資料とは別に、誰が、いつまでに、どう返したかを記録しておく必要があります。
回答の受付から対応の記録までを1か所で管理したい場合は、フォームの道具のHalictが候補になります。公式サイトによると、届いた回答ごとに担当者と対応の状況を残せ、返信のメールも同じ画面から送れます。回答の一覧は表とボードを切り替えて見られ、回答も運営側で付けた情報も列としてCSVに書き出せます。料金ページでは、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数と回答の数は無制限です。メンバー3人までのスタータープランは月額2,980円(税抜き)で、新しい回答をGoogleスプレッドシートに1行ずつ追記する連携が使えます。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
報告の形式ごとのまとめ方
報告資料の形式は、スライド、文書、表計算のファイルのどれかになることが多いです。形式ごとに向いている使い方があります。
スライドでまとめる場合
会議で説明するなら、PowerPointなどのスライドが向いています。1枚のスライドに1つのメッセージとし、スライドの上部にそのメッセージを1文で書き、下にそれを支えるグラフを1つ置く形が基本です。最初の1枚で結論と提案を示し、残りのスライドで根拠を説明します。スライドの枚数は、説明の時間1分につき1枚程度が目安です。
文書でまとめる場合
会議に出ない人にも読んでもらう、記録として保管する、といった場合は、Wordなどの文書が向いています。冒頭に「要約」の欄を設け、結論と提案を5行程度で書きます。本文では、見出しを設問のまとまりごとに立て、グラフと気づきの文章を交互に並べます。文書は読む人が自分のペースで読めるので、スライドより詳しい説明や注記を入れられます。
表計算のファイルを添える場合
集計表の元データを確かめたい読み手のために、エクセルなどの表計算のファイルを添えることもあります。このときは、回答の元データのシートと、集計表のシートを分け、最初のシートに「このファイルの見方」を書いておきます。個人が特定できる回答が含まれる場合は、元データを添えず、集計表だけにします。
回答者に結果を返す場合
回答してくれた人たちに結果を伝えると、次のアンケートへの協力が得やすくなります。回答者向けには、全設問の結果ではなく、主な結果3つと、それを受けて何を変えるかだけを短くまとめます。「いただいた声をもとに、次回から資料の文字を大きくします」のように、回答が行動につながったことを示すのがいちばん大切です。
提出の前に確かめること
報告資料を提出する前に、次の点を確かめます。数字の誤りは、資料全体の信頼を一度に失わせるので、最後の見直しを省かないことが大切です。
・回答者数と、集計表の合計が一致しているか
・割合の分母が、資料全体でそろっているか
・グラフのタイトルと、本文の気づきの数字が合っているか
・前回との比較で、設問の文言や選択肢が同じか
・自由記述の引用から、名前や部署などが伏せられているか
・結論と提案が、資料の最初の1ページで分かるか
・調査の概要に、目的、対象、期間、方法、回答数が書かれているか
可能であれば、調査に関わっていない人に資料を読んでもらい、最初の1ページだけで何が言いたいかを説明してもらいます。説明が自分の意図と違えば、結論の書き方を直す合図です。
提出したあとに誤りが見つかった場合は、黙って差し替えず、どこをどう直したかを一言添えて訂正版を送ります。訂正の日付と内容を資料の末尾に記録しておくと、古い版を見た人とのあいだで数字が食い違ったときにも、すぐに説明できます。誤りを正直に直す姿勢は、次に資料を出すときの信頼にもつながります。
報告のあとで次のアンケートにつなげる
報告資料を出したら終わり、ではありません。アンケートを定期的に取る場合は、今回のまとめの作業で気づいたことを、次のアンケートの設計に生かすと、回を重ねるごとにまとめやすくなります。
集計しにくかった設問を直す
まとめの途中で「この設問は選択肢があいまいで集計しにくかった」「この設問は誰も使わなかった」と感じたら、その場で記録しておきます。選択肢の重なり、答えにくい聞き方、結論に使わなかった設問は、次回までに直すか削ります。設問が減れば、回答する人の負担も軽くなり、回収率が上がることもあります。
比べ続ける設問は文言を変えない
一方で、満足度のように毎回比べたい設問は、文言と選択肢を変えないようにします。わずかな言い回しの違いでも、回答の傾向が変わることがあるからです。比べ続ける設問と、毎回入れ替えてよい設問を分けて管理しておくと、改善の余地を残しつつ、変化を追い続けられます。
提案の結果を次の報告で示す
前回の報告で「経験者向けの回を設ける」と提案したなら、次の報告では、その提案を実行した結果、経験者の満足度がどう変わったかを示します。提案と結果がつながって見えると、アンケートが実際に役立っていることが関係者に伝わり、次回の調査への協力も得やすくなります。
まとめの手順を残しておく
担当者が替わっても同じ品質でまとめられるように、集計の手順、分母の決め方、グラフの色の決まり、自由記述の分類名の一覧を1つのファイルに残しておきます。毎回ゼロから考える部分が減り、まとめにかかる時間が短くなります。
まとめる作業を楽にする道具の使い分け
アンケートのまとめは、使う道具によって手間が大きく変わります。
フォームの道具に付いている回答の概要の画面は、受付中の途中経過を確かめるのに向いています。Googleフォームの場合、Googleのヘルプでは、フォームの[回答]から回答の概要を見られるほか、すべての回答をスプレッドシートで表示したり、CSV形式でダウンロードしたりできると案内されています。設問ごとのグラフが自動で表示されるので、全体の傾向をつかむ最初の段階では十分に役立ちます。ただし、属性ごとに分けたクロス集計や、自由記述の分類はできないことが多く、報告資料の材料としては物足りなくなります。
エクセルやGoogleスプレッドシートは、集計表とグラフを自分の手で作り込む段階で使います。回答をCSVで書き出して取り込み、ピボットテーブルでクロス集計をすれば、報告資料に必要な表はほぼそろいます。
スライドや文書の作成ソフトは、最後の仕上げで使います。表計算のソフトで作ったグラフを貼り付けるときは、元のファイルと連動させるか、画像として貼るかを決めておくと、あとで数字を直したときの手戻りを防げます。道具ごとの役割を決めておけば、「どこで何を作ったか」が分からなくなることもありません。
アンケートのまとめを仕事にする人へ
アンケートの集計と報告資料づくりは、社内の担当者だけでなく、在宅で外部の人に任されることも多い仕事です。教育の現場でも、講座の受講後アンケートを集計して講師や運営者に報告する作業は、毎回のように発生します。
20年近く在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、この種の仕事で長く頼まれる人は、グラフを美しく作れる人よりも、「この結果から次に何をすべきか」まで1枚に整理して渡せる人です。依頼する側は、資料をそのまま自分の上司に見せられる形を求めています。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼者は分析や提案まで頼めて、受ける側の手取りも厚くなり、継続の関係につながりやすくなります。
調査結果を業務の改善や生成AIの活用につなげる支援まで関わりたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の中身を確かめられます。調査の設計と分析を本業にしている人の収入の目安は、研究者の年収・単価相場にまとめています。経営の課題を調査と数字で整理する力を体系立てて身につけたい人には、中小企業診断士の資格も1つの道です。NPOでアンケートを使って活動の成果を報告する場面では、NPO法人が使える補助金・助成金2026年版|活動資金の確保方法まとめで紹介している助成金の報告書づくりにも、この記事の考え方がそのまま使えます。報告資料の見せ方を磨きたい人は、資料や図の仕事の相場をデザイナーの年収・単価相場で確かめてみてください。
よくある質問
Q. アンケート結果の報告資料は何ページくらいにすればよいですか?
決まりはありませんが、結論と提案は最初の1ページで分かるようにします。会議で説明するスライドなら、説明の時間1分につき1枚程度が目安です。全設問の結果を載せたい場合は、本編は結論を支える設問だけに絞り、残りは資料編として後ろにまとめると、読み手の負担が軽くなります。
Q. 回答者が少ないアンケートでも割合で報告してよいですか?
割合を示してもかまいませんが、必ず人数も一緒に書きます。回答者が10人なら1人の回答で割合が10ポイント動くので、割合だけでは実際より大きな違いがあるように見えてしまいます。属性ごとに分けて人数が数人になるグループは「参考値」と添えるか、近い属性とまとめてから比べるようにしてください。
Q. 自由記述の回答は全部資料に載せるべきですか?
全件を本編に載せる必要はありません。内容の似た回答を分類して件数を示し、分類ごとに代表的な声を1つか2つ引用するのが基本です。件数が少なくても安全や健康に関わる声は別に取り上げます。全件を残したい場合は、個人が分かる部分を伏せたうえで資料編に回してください。
Q. 期待と違う結果が出たときはどう書けばよいですか?
期待と違う結果も、そのまま資料に書きます。外した結果は、元のデータを見た人にあとで気づかれ、資料全体の信頼を損ねます。結果の事実を数字で示し、考えられる理由と、次にどう改善するかの提案を添えると、前向きな報告として受け取ってもらいやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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