アンケートの回答率を上げる設問の数と聞き方、依頼文の送り方

@SOHO編集部
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アンケートの回答率を上げる設問の数と聞き方、依頼文の送り方

この記事のポイント

  • ✓アンケートの回答率を上げる方法を
  • ✓答えやすい聞き方と順番
  • ✓依頼文の書き方と送るタイミング

アンケートを送ったのに、返ってきたのはほんの数件。設問を工夫したつもりでも、そもそも開いてもらえない。アンケートの回答率を上げたいと考える人の悩みは、たいてい「設問の作り方」と「頼み方」のどちらか、または両方にあります。

回答率は、設問の数を減らすだけでは上がりません。何のためのアンケートかが伝わる依頼文、答え始めたら止まらない質問の順番、相手の都合に合った送り方。この3つがそろって初めて、回答は集まります。この記事では、回答率が下がる原因から始めて、設問の数の決め方、答えやすい聞き方と順番、依頼文の書き方と送るタイミング、リマインドとお礼の出し方までを順に説明します。最後に、集まった回答に返信し、次回の回答率につなげる管理の仕方として、フォームの道具のHalictにも触れます。

回答率と回収率、完了率の違い

アンケートの「回答率」という言葉は、場面によって指すものが少しずつ違います。まず言葉をそろえておきます。

  • 回答率:アンケートを依頼した人のうち、回答してくれた人の割合。100人に送って20人が答えれば20%です。
  • 回収率:郵送や配布の調査で、配った調査票のうち戻ってきた割合。意味は回答率とほぼ同じで、紙の調査でよく使われます。
  • 完了率:アンケートを開いた人のうち、最後まで答えて送信した人の割合。Webのアンケートで、途中でやめた人がどれだけいるかを見るときに使います。

回答率を上げる工夫は、この区別に沿って2つに分かれます。1つは「開いてもらう」ための工夫で、依頼文、送る手段、タイミングがかかわります。もう1つは「最後まで答えてもらう」ための工夫で、設問の数、聞き方、順番がかかわります。回答が少ないとき、どちらで人が離れているかを分けて考えると、手を打つ場所がはっきりします。

回答率の目安は、相手との関係で大きく変わる

回答率がどのくらいなら良いかは、アンケートの種類によって大きく違います。顧客体験の調査サービスを提供するMedalliaは、一般的なアンケートの回答率について次のように書いています。

これを考慮すると、ほとんどの種類のアンケートでは良い回答率である。実際、ほぼ優秀である。一般的なアンケートの回答率は5%から30%です。 出典: medallia.com

一方で、社内の従業員アンケートや、講座の受講直後に会場で配るアンケートは、相手との関係が近く、答える場面も用意されているため、これより高い割合で回答が集まることが多くなります。反対に、一度だけ買い物をした人へのメールのアンケートは低くなりがちです。他社の数字と比べるより、自分のアンケートの前回の数字と比べて、上がったか下がったかを見るほうが確かです。

回答率が下がる主な原因

回答が集まらないアンケートには、よく似た原因があります。思い当たるものから直していきます。

何のためのアンケートか分からない

依頼文に「アンケートにご協力ください」とだけ書かれていると、受け取った人は答える理由を見つけられません。自分の回答が何に使われ、自分にどう返ってくるのかが分からなければ、後回しにされ、そのまま忘れられます。

長そうに見える、実際に長い

開いた瞬間に質問がずらりと並んでいたり、ページを進めても終わりが見えなかったりすると、人は途中で閉じます。所要時間が書かれていないアンケートは、実際の長さにかかわらず長く感じられます。

答えにくい質問が最初にある

最初の質問がいきなり「ご不満な点を具体的にお書きください」のような自由記述だと、考える負担が大きく、そこで手が止まります。年収や年齢など、答えるのに抵抗がある質問が冒頭にある場合も同じです。

個人情報の扱いが不安

名前やメールアドレス、勤務先などを聞かれるのに、何に使うかが書かれていないと、答えるのをためらう人が出ます。回答が誰に見られるのか、匿名なのかどうかが分からないアンケートも、本音の回答が集まりにくくなります。

「誰かが答えるだろう」と思われている

大勢に一斉に送ったアンケートほど、受け取った人は「自分1人くらい答えなくても」と考えがちです。宛名の無い一斉送信より、相手の名前と、その人に聞く理由が書かれた依頼のほうが反応は良くなります。

送るタイミングが合っていない

サービスを使ってから何週間もたってから届いたアンケートは、体験を思い出すのに手間がかかります。忙しい時期や、ほかの連絡に埋もれやすい時間帯に届いた依頼も、開かれないまま流れていきます。

設問の数は「所要時間」から決める

設問の数に、どのアンケートにも当てはまる正解の数はありません。決め方の基準になるのは、回答にかかる時間です。

依頼文に書ける所要時間に収める

依頼文に「所要時間は約3分です」と書けるアンケートは、開いてもらいやすくなります。逆に、所要時間を書くのがためらわれる長さなら、それ自体が設問を減らす合図です。目安として、選択式の質問は1問あたり数秒から十数秒、自由記述は1問あたり1分前後かかると考えて見積もり、最後は自分で実際に答えて時間を測ります。

「知りたいこと」と「知っておきたいこと」を分ける

設問が増える原因の多くは、「せっかくだからこれも聞いておこう」という追加です。設問の候補を書き出したら、それぞれについて「この回答を見て、具体的に何を変えるか」を書いてみます。答えられない設問は、知っておきたいことであって、知る必要のあることではありません。思い切って削ります。

1回で全部聞かない

聞きたいことが多い場合は、1回のアンケートに詰め込まず、テーマを分けて時期をずらして聞く方法もあります。毎回短く終わるアンケートは、次の依頼にも答えてもらいやすくなります。長いアンケートで一度嫌な印象を持たれると、次から開かれなくなることのほうが損失は大きくなります。

答えやすい聞き方の工夫

設問の数を減らしたら、次は1問ずつの聞き方を見直します。

選択式を基本にし、自由記述は最後に1つ

選択肢から選ぶ質問は、考える負担が小さく、短い時間で答えられます。自由記述は、回答者が言葉を組み立てる必要があるため、数が多いと途中でやめる原因になります。自由記述は「ほかにお気づきの点があればお書きください」のような任意の質問を最後に1つ設けるのが基本です。

1つの質問で2つのことを聞かない

「料金と使いやすさに満足していますか」のように、1つの質問に2つの内容が入っていると、料金には満足だが使いやすさには不満、という人が答えられません。こうした質問は「料金に満足していますか」「使いやすさに満足していますか」の2つに分けます。

答えを誘導する言い方を避ける

「新しくなった便利な機能はいかがでしたか」と聞けば、「便利」という評価を先に示していることになります。「新しい機能を使ってみて、いかがでしたか」のように、評価を含まない言葉で聞きます。

選択肢は、重ならず漏れが無いようにする

年齢を「20代」「30代」「40代以上」と分けるなら、10代や答えたくない人の扱いも決めておきます。選択肢のどれにも当てはまらない人がいると、そこで手が止まります。必要に応じて「その他」や「答えたくない」を加えます。Googleフォームでは、ラジオボタンやチェックボックスの質問に「その他」を加え、短い回答を入力してもらう設定ができます。

評価の段階はそろえる

満足度を5段階で聞くなら、アンケート全体で同じ5段階を使います。質問ごとに段階の数や向き(左が良いのか右が良いのか)が変わると、回答者は毎回読み直すことになり、答え間違いも起きます。

質問の順番の工夫

同じ質問でも、並べる順番で最後まで答えてもらえるかが変わります。

答えやすい質問から始める

最初の質問は、迷わず答えられるものにします。「利用したサービスを選んでください」「参加した回を選んでください」のような事実を聞く選択式の質問は、考えなくても答えられるため、回答の入り口に向いています。1問目に答えると、人は続きにも答えやすくなります。

属性の質問は最後に回す

年齢、職業、地域などの属性の質問は、分析には必要ですが、回答者にとっては答える意味を感じにくい質問です。冒頭にあると個人情報を聞かれている印象が強くなるため、本題の質問の後に回します。

関係ない質問は飛ばせるようにする

使っていない機能について評価を聞かれても、回答者は困ります。Googleのヘルプによると、Googleフォームでは「回答に応じてセクションに移動」の設定で、回答の内容によって次に表示するセクションを変えられます。この設定は、選択肢から1つを選ぶ形式(多肢選択式)とプルダウンの質問で使えると案内されています。「この機能を使ったことがありますか」で「いいえ」を選んだ人は、その機能の質問を飛ばして次のセクションへ進むように組めば、回答者の時間を無駄にしません。

区切りを見せて、終わりを感じさせる

質問をいくつかのまとまりに分け、セクションの見出しで「残りはあと少しです」と分かるようにすると、途中でやめる人が減ります。最後のセクションの冒頭に「最後の質問です」と一言添えるだけでも、送信までの見通しが立ちます。

スマートフォンで答えやすい画面にする

依頼をメールやLINEで送ると、回答者の多くはスマートフォンでアンケートを開きます。パソコンの画面で作って確かめただけでは見落とす、答えにくさがあります。

横に広い表形式の質問を避ける

複数の項目をまとめて評価してもらう表形式の質問(Googleフォームでは選択式のグリッド)は、パソコンでは見やすくても、スマートフォンの狭い画面では横にスクロールしないと選択肢が見えないことがあります。項目が多い場合は、表形式をやめて1項目ずつの質問に分けると、指で選びやすくなります。

選択肢の文は短くする

選択肢の文が長いと、スマートフォンでは2行、3行に折り返され、どこからどこまでが1つの選択肢か分かりにくくなります。選択肢は短い言葉にし、説明が必要な場合は質問文の側に書きます。

入力の手間がかかる欄を減らす

スマートフォンでの文字入力は、パソコンより手間がかかります。自由記述の欄を減らし、日付や数字は選択肢やプルダウンにすると、入力の負担が軽くなります。メールアドレスや電話番号などを入力してもらう欄は、本当に必要なものだけに絞ります。

公開前に、自分のスマートフォンで最後まで答える

作った人が自分のスマートフォンで最後まで答えてみると、文字が小さい、選択肢が押しにくい、ページの切り替えが分かりにくい、といった点に気づけます。かかった時間を測っておけば、依頼文に書く所要時間の根拠にもなります。

開いてもらうための依頼文の書き方

アンケートの依頼文は、回答率にもっとも大きくかかわる部分です。依頼文に入れたい要素は次の6つです。

  1. 誰からの依頼か(会社名、団体名、担当者名)
  2. 何のためのアンケートか(回答を何に使うか)
  3. 所要時間(「約3分」など具体的に)
  4. 締め切り(日付で)
  5. 個人情報と回答の扱い(匿名かどうか、誰が見るか)
  6. お礼の言葉と、お礼の品がある場合はその内容

依頼文の例

講座の受講者に送る、受講後アンケートの依頼文の例です。

「件名:【所要3分】先日の講座についてのアンケートのお願い

〇〇様

先日は〇〇講座にご参加いただき、ありがとうございました。 次回の講座の内容を見直すため、受講された方のご意見をお聞かせください。 質問は8問で、所要時間は約3分です。 回答の締め切りは〇月〇日です。 いただいた回答は講座の改善にのみ使い、お名前と結び付けて公開することはありません。

アンケートはこちらから(リンク)

講座事務局 〇〇」

件名に所要時間を入れておくと、受信箱の一覧の段階で「短いならすぐ答えよう」と思ってもらえます。本文は、スマートフォンの1画面に収まる長さを目安にします。

「あなたに聞きたい理由」を書く

一斉に送る依頼でも、宛名を入れ、その人に聞く理由を書くと、受け取った人は自分ごととして読みます。「先日〇〇をご利用いただいた方にお送りしています」「講座を最後まで受講された方にだけお願いしています」と書くだけで、誰かが答えるだろうという気持ちを抑えられます。

送る手段とタイミング

依頼文ができたら、どの手段で、いつ送るかを決めます。

体験の直後に頼む

アンケートはその体験の直後に依頼するのが基本です。セミナーや講座なら終了の直後に会場でQRコードを示す、オンラインの集まりなら終了時にチャットでリンクを送る、買い物なら商品が届いた数日後に送る、というように、記憶が新しいうちに頼みます。会場で「この場で3分だけお時間をください」と時間を取るのは、回答率を上げるもっとも確かな方法の1つです。

相手がふだん見ている手段で送る

社内のアンケートならチャットツール、顧客ならメールやLINE公式アカウント、店舗の来店客なら店内の掲示やレシート、と相手がふだん見ている手段を選びます。メールしか送る手段が無い相手でも、件名と差出人の名前で、迷惑メールや広告と区別がつくようにします。

忙しい時期を避ける

社内アンケートなら月末や決算期、学校の保護者向けなら行事の前後など、相手が忙しい時期を避けます。送る時間帯は、相手の働き方によって変わります。前回のアンケートで回答が集まった時間帯の記録があれば、それに合わせるのが確実です。

リマインドの送り方

1回の依頼で回答がそろうことはまれです。締め切りの前に、1回だけリマインドを送ると、回答はもう一段集まります。

リマインドは1回、締め切りの数日前に

リマインドを何度も送ると、相手の負担になり、次回から開かれなくなります。締め切りの数日前に1回送るのが基本です。送り先が分かる仕組みなら、まだ答えていない人だけに送ります。すでに答えてくれた人にリマインドが届くと、「答えたのに」という不満を生みます。

リマインドの文例

「件名:【締め切り〇月〇日】講座アンケートへのご協力のお願い

先日お送りした講座アンケートの締め切りが近づいてまいりました。 まだご回答いただいていない方は、3分ほどお時間をいただけますと幸いです。 すでにご回答いただいた方には、重ねてのご連絡となり失礼いたしました。」

答えていない人だけに送れない場合は、最後の一文のように、すでに答えた人への断りを入れておきます。

お礼とインセンティブの出し方

回答へのお礼の品は、回答率を上げる手段の1つです。Medalliaも、インセンティブはアンケートを始めてもらうだけでなく、最後まで答えてもらう動機付けになると書いています。

アンケートのインセンティブは、多くの場合、アンケートを開始するだけでなく、一度開始したアンケートを終了するよう顧客を動機付ける最良の方法です。ロイヤリティポイントや特典、無料ギフト、プロモーションコード、次回購入時の送料無料などを提供することができます。 出典: medallia.com

お礼の品は、目的と合うものにする

お礼の品は、回答者層と合うものを選びます。自社の商品の割引券は、もともと商品を使っている人には喜ばれますが、回答が商品に好意的な人に偏るおそれもあります。中立な意見を集めたい調査では、誰にとっても使える少額の品のほうが向いています。

抽選のお礼は条件を明記する

「回答者の中から抽選で〇名に」という形にする場合は、抽選の方法、当選の連絡方法、発送の時期を依頼文かフォームの説明に書いておきます。景品を出すときは、その出し方によって景品表示法の決まりがかかわることがあります。商品の購入を条件にするかどうかなどで扱いが変わるため、出す前に消費者庁の景品表示法の案内で確かめてください。

お礼の品が無くても、お礼の言葉は必ず伝える

送信後の確認メッセージや、回答者への控えのメールで、時間を割いてくれたことへのお礼を伝えます。社内アンケートや既存の顧客へのアンケートでは、品物よりも「回答がきちんと受け止められた」と感じてもらうことのほうが、次回の回答率に効きます。

書き直す前と後を比べる

ここまでの工夫を、1つのアンケートの書き直しで確かめます。小さなオンライン講座の受講後アンケートの例です。

書き直す前

  • 依頼文:「アンケートにご協力ください。(リンク)」
  • 1問目:「講座へのご意見を自由にお書きください」(自由記述、必須)
  • 2問目:「お名前、年齢、ご職業、お住まいの地域をお書きください」(すべて必須)
  • 3問目から15問目:各回の内容について5段階評価(受講していない回の評価も必須)
  • 締め切りの記載なし、所要時間の記載なし

書き直した後

  • 依頼文:件名に「所要3分」、本文に目的、締め切り、回答の扱いを記載
  • 1問目:「受講した回をすべて選んでください」(チェックボックス)
  • 2問目から:受講した回だけを評価する(回答に応じてセクションに移動)
  • 全体の満足度を5段階で1問
  • 「次回取り上げてほしいテーマ」を選択式で1問
  • 最後に「ほかにお気づきの点があればお書きください」(自由記述、任意)
  • 属性は「受講のきっかけ」を選択式で1問のみ。名前は任意
  • 締め切りの3日前に、未回答の人へ1回だけリマインド

書き直した後は、必須の自由記述が無くなり、答える質問の数が受講した回の数に合わせて変わります。属性の質問も、講座の改善に使うものだけに絞っています。このように、削る、並べ替える、飛ばせるようにする、の3つを組み合わせると、アンケートの中身を大きく変えずに回答の負担を軽くできます。

Webのアンケートと紙のアンケートの使い分け

回答率は、アンケートを配る形でも変わります。Webのフォームと紙の調査票には、それぞれ向いている場面があります。

Webのアンケートが向いている場面

Webのフォームは、リンクを送るだけで配れ、回答が自動で一覧にそろい、集計の手間がほとんどかかりません。メールやチャットで日常的につながっている相手、スマートフォンを使い慣れた相手には、Webのアンケートが向いています。回答に応じて質問を飛ばす設定ができるのも、紙には無い強みです。必須の質問に答えないと先へ進めない設定にできるため、紙で起きがちな記入漏れも防げます。ただし、必須の質問を増やしすぎると、答えたくない質問で手が止まり、そこで回答をやめる人が出ます。必須にするのは、集計に欠かせない質問だけにします。

紙のアンケートが向いている場面

会場で配って、その場で書いてもらうアンケートは、紙のほうが回収しやすいことがあります。スマートフォンの操作に慣れていない高齢の方が多い集まりや、電波の届きにくい会場では、紙を用意しておくと回答の機会を逃しません。ただし、紙の回答は後で手入力する手間がかかり、字が読めない、選択肢を2つ選んでいる、といった処理に困る回答も出ます。

両方を用意するときは、設問をそろえる

会場では紙、来られなかった人にはWeb、と両方で集める場合は、設問の文言と選択肢をまったく同じにしておきます。少しでも違うと、2つの回答を合わせて集計できなくなります。紙の調査票にWebのフォームのQRコードを印刷しておき、「スマートフォンからも回答できます」と添えると、手書きの負担を避けたい人はWebで答えてくれます。

回答率を測って、次の改善につなげる

回答率を上げる工夫は、一度にすべてを変えるより、何を変えたら何が起きたかが分かるように進めるほうが、次に生かせます。

毎回、同じ数字を記録する

アンケートを送るたびに、次の数字を記録しておきます。

  • 依頼した人数
  • 回答してくれた人数(回答率)
  • 依頼からの日数ごとの回答の数(初日、リマインドの前後など)
  • 途中でやめた人の数(分かる場合)

依頼からの日数ごとの回答の数を見ると、初日にどれだけ集まり、リマインドでどれだけ上積みされたかが分かります。リマインドの後にほとんど回答が増えないなら、リマインドの文面か送る時期を見直す合図です。

1回に変えるのは1つか2つ

前回より回答率が上がっても、依頼文と設問数と送る時間を同時に変えていたら、どれが効いたのか分かりません。次の回では件名だけを変える、その次は設問を減らす、というように、変える点を絞って比べます。小さな団体のアンケートでは毎回の対象者が違うため厳密な比較は難しいものの、記録を残しておけば、自分たちの相手に合ったやり方が少しずつ見えてきます。

社内アンケートで回答率を上げるときの注意

従業員満足度の調査や、研修の事後アンケートなど、社内で行うアンケートには、社外とは違う気をつけ方があります。

匿名かどうかをはっきり書く

社内のアンケートでは、回答が上司や人事に誰のものか分かってしまうのではないか、という不安が回答をためらわせます。匿名で集めるのか、名前を集めるのか、集計結果を誰が見るのかを、依頼文に明記します。Googleフォームでメールアドレスを集める設定にすると回答者が特定できるため、匿名をうたうアンケートではその設定をオフにしておきます。

業務時間内に答えてよいと伝える

社内のアンケートは、業務時間内に答えてよいことを、依頼文で伝えます。会議の最後の数分を回答の時間に充てると、回答率は大きく上がります。休憩時間や業務の後に答えてもらう前提にすると、忙しい部署ほど回答が集まらず、結果が偏ります。

答えを求めすぎない

社内では、回答を強く求めることもできてしまいます。ただし、回答を強制すると、本音ではなく無難な回答が増え、調査の意味が薄れます。回答率を上げることより、正直な回答が集まることを優先し、結果を受けて何を変えたかを全員に共有することで、次回の協力につなげます。

少人数の部署は、集計の単位を大きくする

匿名のアンケートでも、部署ごとの集計で回答者が3人しかいなければ、誰の回答かは推測できてしまいます。少人数の部署は近い部署とまとめて集計する、属性の質問を細かくしすぎない、といった配慮をしておくと、回答者は安心して本音を書けます。集計の単位をどうするかも、依頼文で先に伝えておきます。

結果を共有すると、次の回答率が上がる

アンケートの回答率は、1回きりの工夫だけでなく、前回のアンケートの「その後」にも左右されます。答えても何も変わらなかったと感じた人は、次の依頼に答えなくなります。

アンケートの結果をまとめたら、回答者に簡単に共有します。全部の数字を見せる必要はありません。「いただいたご意見をもとに、次回から資料を事前にお送りすることにしました」のように、回答で何が変わったかを1つか2つ伝えるだけで十分です。自分の回答が役に立ったと分かると、次のアンケートを開く理由ができます。

不満を書いてくれた人に個別に返信することも効果があります。すべてに返信するのは難しくても、具体的な困りごとを書いてくれた人や、連絡を希望した人には、担当を決めて返信します。

回答が届いたあとの対応までを1つの画面で扱う

回答率を上げる工夫を重ねるほど、届いた回答への対応の量も増えます。連絡を希望した人への返信、具体的な不満への対応、次回の案内を希望した人への連絡。これを表計算のファイルとメールソフトで回していると、誰に返信したかが分からなくなりがちです。

こうした場面の選択肢の1つが、フォームの道具のHalictです。公式サイトによると、Halictでは回答者に見えるのは1画面に1問だけで、進捗バーとキーボード操作で最後まで進める形になっています。設問は評価やテキスト、選択肢など12種類から選べます。届いた回答の1件ごとに担当者と状況(未確認、要フォロー、対応済みなど)を割り当てられ、気になる回答にはタグを付けて後から絞り込めます。回答者への返信は同じ画面から送れ、一覧から選んだ人への一斉送信と、開封やクリックの記録もできると案内されています。

料金は使うメンバーの人数で決まり、1人で使うフリープランは0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。チームで共有する有料プランは、税抜の月額2,980円からです。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

アンケートを集めて集計するだけで終わる用途なら、Googleフォームなどの無料の道具で十分です。回答者への返信や対応の記録まで必要になったときに、道具の見直しを考えます。

アンケートの設計を仕事にする視点

アンケートの設計と集計は、多くの会社で本業の合間に担当者が手探りで行っています。その一方で、調査の設計や分析を専門に引き受ける仕事もあります。

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、アンケートの仕事で評価されるのは、きれいな集計表を作る力よりも、「何を知るためのアンケートか」を依頼主と一緒に詰める力です。設問を削る提案ができる人ほど、回答率の高い調査を作り、次の依頼につなげています。

調査の設計や分析を専門にする職種の報酬の目安は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。顧客の声を集めて集客や販促に生かす仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。中小企業の経営改善の立場から、顧客アンケートの設計を支援する道もあり、その代表的な資格が中小企業診断士です。

小さな事業者が顧客アンケートを行う場面としては、補助金の申請に向けて顧客のニーズを確かめるときもあります。小規模事業者持続化補助金2026|採択率を上げる事業計画書の書き方では、事業計画書で顧客の声や市場の根拠をどう示すかを整理しています。

アンケートの回答率を上げるために押さえることは3つです。所要時間を書ける長さまで設問を削ること。答えやすい質問から始め、関係ない質問は飛ばせるようにすること。目的と締め切りと回答の扱いを書いた依頼文を、体験の直後に、相手がふだん見ている手段で送ること。そして結果を回答者に返すことが、次の回答率を上げるいちばんの準備になります。

よくある質問

Q. アンケートの設問は何問くらいが適切ですか?

決まった正解の数はありません。依頼文に「所要時間は約3分です」と書ける長さに収めるのが目安です。選択式は1問数秒から十数秒、自由記述は1問1分前後かかると見積もり、最後は自分で答えて時間を測ります。回答を見て何を変えるかを説明できない設問は削り、聞きたいことが多いときはテーマを分けて別の時期に聞きます。

Q. アンケートの回答率の目安はどのくらいですか?

アンケートの種類と、相手との関係で大きく変わります。顧客体験の調査サービスのMedalliaは、一般的なアンケートの回答率を5%から30%と紹介しています。社内アンケートや会場で配るアンケートはこれより高くなりやすく、一度だけ利用した顧客へのメールは低くなりがちです。他社の数字より、自分の前回の数字と比べるのが確かです。

Q. リマインドは何回送ればよいですか?

締め切りの数日前に1回が基本です。何度も送ると相手の負担になり、次回から開かれにくくなります。まだ答えていない人だけに送れる仕組みなら、その人たちに絞ります。全員に送る場合は、すでに回答した人への断りの一文を入れておくと、不満を生みにくくなります。

Q. アンケートのお礼に景品を出してもよいですか?

回答率を上げる手段の1つとして使えます。抽選にする場合は、抽選の方法、当選の連絡方法、発送時期を明記します。景品の出し方によっては景品表示法の決まりがかかわることがあり、商品の購入を条件にするかどうかなどで扱いが変わるため、出す前に消費者庁の案内で確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年6月17日最終更新:2026年10月19日
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