アンケートの回収率を上げる方法と、答えてもらいやすい設問の作り方


この記事のポイント
- ✓アンケートの回収率(回答率)を上げる方法を
- ✓催促と結果の共有に分けて整理しました
- ✓回収率の計算方法と下がる原因
アンケートを送ったのに、思ったほど回答が集まらない。顧客の満足度を知りたい、研修の感想を集めたい、イベントの改善点を聞きたい。どんな目的でも、回答が少なければ結果をもとに判断することが難しくなります。回答が集まらないとき、多くの人は質問の中身を見直そうとしますが、実際には、依頼の仕方や届けるタイミング、答える人の手間のほうが、回収率に大きく関わっていることが少なくありません。
この記事では、アンケートの回収率を上げる方法を、依頼の仕方、設問の作り方、個人情報の扱い、謝礼の考え方、催促と結果の共有に分けて整理します。回収率の計算方法と下がる原因、場面ごとの工夫、そのまま使える依頼文の例も紹介します。回答のあとにお礼や結果の報告、個別の対応が必要になる場合の選択肢として、フォームと回答の管理を1つにまとめたHalictにも触れます。
アンケートの回収率(回答率)とは何か
アンケートの回収率とは、アンケートを依頼した人のうち、実際に回答した人の割合のことです。「回答率」と呼ばれることもあります。市場調査の会社のコラムでは、次のように説明されています。
回答率(回収率)とは、アンケートを依頼した人のうち何%が実際に回答したかを表す指標です。無回答や無効な回答を除外し、有効な回答としてカウントできる件数の割合を表す数値と捉えてください。 出典: corp.neo-m.jp
回収率の計算のしかた
回収率は、次の式で計算します。
回収率(%)=有効な回答の数÷アンケートを依頼した人数×100
たとえば、顧客500人にアンケートを送り、有効な回答が75件あれば、回収率は15%です。途中で回答をやめた人や、すべての質問に同じ答えを付けたような使えない回答は、有効な回答に含めません。
回収率を見る意味
回収率が低いと、集まった回答が、依頼した人全体の考えを表しているとは言いにくくなります。たとえば、満足度のアンケートで、強い不満を持つ人と強く満足している人だけが答えると、結果は実際より極端に見えます。回収率を上げることは、回答の数を増やすだけでなく、結果の偏りを減らし、判断の材料として信頼できるものにすることでもあります。
先に目標の回収率と必要な回答の数を決める
アンケートを作る前に、何件の回答があれば判断できるのか、そのためには何%の回収率が必要かを決めておきます。依頼できる人数が200人で、判断に60件の回答が必要なら、目標の回収率は30%です。目標が決まっていれば、締め切りの前に回答が足りないと分かった時点で、催促や依頼の追加を判断できます。
回収率が下がる主な原因
回収率を上げる方法を考える前に、回答が集まらない原因を整理します。原因が分かれば、どこを直せばよいかが見えてきます。
何のためのアンケートか分からない
依頼を受けた人が「何のために答えるのか」「答えると何が変わるのか」を理解できないと、後回しにされ、そのまま忘れられます。目的が書かれていないアンケートは、答える人にとって、自分に関係のない作業に見えます。
答えるのに時間がかかりそう
質問の数が多い、自由記述の欄が多い、1ページに質問がびっしり並んでいる。開いた瞬間に「時間がかかりそうだ」と感じると、答えずに閉じる人が増えます。所要時間が書かれていないことも、答える前にためらわせる原因になります。
個人情報を何に使うのか分からない
名前や連絡先、年齢や年収などを聞かれるのに、その情報を何に使うのかが書かれていないと、答える人は不安になります。特に、売り込みの連絡が来るのではないかと警戒されると、回答をやめる人が増えます。
届け方とタイミングが合っていない
ふだん見ないメールアドレスに届く、忙しい時間帯に届く、受け取ってから時間がたってから届く。届け方とタイミングが合っていないと、どれだけよいアンケートでも開いてもらえません。イベントの感想を聞くアンケートが、イベントから1週間後に届くと、参加者の記憶も薄れ、答える気持ちも下がります。
自分が答えなくてもよいと思われる
大勢に一斉に送るアンケートでは、「ほかの誰かが答えるだろう」と思われがちです。自分の回答が必要とされている、という実感がないと、答える理由が見つかりません。
スマートフォンで答えにくい
パソコンでの表示を前提に作ったアンケートは、スマートフォンでは文字が小さかったり、選択肢が押しにくかったりします。メールやメッセージのアプリからアンケートを開く人の多くはスマートフォンを使っているため、スマートフォンで答えにくいと、それだけで回答をやめる人が増えます。
依頼の仕方で回収率を上げる
回収率を上げるうえで、まず見直したいのが依頼の仕方です。アンケートの中身を変えなくても、依頼の仕方を変えるだけで回答が増えることがあります。
依頼文に書く5つのこと
アンケートの依頼文には、次の5つを必ず書きます。
- 誰が、何のために行うアンケートか
- 回答にかかるおおよその時間
- 回答の締め切り
- 回答の結果をどう使うか、答えると何が変わるか
- 集めた個人情報の扱い(個人情報を聞く場合)
特に4つめが大切です。「いただいたご意見をもとに、来期の講座の内容を見直します」「結果は来月のお知らせでご報告します」のように、回答が役に立つことが伝わると、答える理由ができます。
依頼文の例
上の5つを入れた依頼文の例です。〇〇の部分は自分のアンケートに合わせて書き換えます。
件名:【3分で終わります】〇〇講座についてのアンケートのお願い
〇〇様
先日は〇〇講座にご参加いただき、ありがとうございました。 講座の内容をより良くするため、アンケートへのご協力をお願いします。 質問は5問で、3分ほどで終わります。
回答の締め切り:〇月〇日(〇) 回答はこちらから:(アンケートのURL)
いただいたご意見は、次回の講座の内容の見直しに使い、結果の概要は来月のお知らせでご報告します。 ご回答の内容は、講座の改善の目的以外には使いません。
件名に所要時間を入れておくと、受信箱の一覧で見たときに、手間の少なさが伝わります。
送るタイミングを選ぶ
イベントや講座、購入のあとに感想を聞くアンケートは、終わった直後から当日中に送るのが基本です。記憶が新しいうちなら、具体的な感想を書いてもらえます。会場で答えてもらえる場面なら、終わる前の数分をアンケートの時間にあてると、回収率は大きく上がります。
顧客や社員に向けた定期的なアンケートは、相手が忙しい時期を避けます。月末や年度末、繁忙期に重なると、後回しにされやすくなります。
届ける経路を相手に合わせる
メールを読む習慣のある相手にはメールで、ふだんのやりとりがチャットやメッセージのアプリなら、そちらで届けます。店舗や会場で接する相手なら、レシートや配布物にQRコードを印刷して、その場でスマートフォンから答えてもらう方法もあります。相手がふだん見ている場所に届けることが、開いてもらうための第一歩です。
締め切り前に1回だけ催促する
締め切りの数日前に、まだ答えていない人に向けて、もう一度だけ案内を送ります。「お忙しいところ恐れ入ります。〇日が締め切りです」と、締め切りを改めて伝えるだけで、後回しにしていた人が答えてくれます。何度も催促すると、かえって印象を悪くするため、催促は1回か2回までにします。答えた人に催促が届かないよう、送る相手を分けられる仕組みがあると、相手に余計な手間をかけません。
催促の文例
締め切りの前に送る催促も、短く、相手を責めない言い方にします。
件名:【締め切り〇月〇日】〇〇についてのアンケートのお願い(再送)
〇〇様
先日お送りしたアンケートの締め切りが、〇月〇日(〇)に近づいてまいりました。 すでにご回答いただいた方には、重ねてのご連絡となり失礼いたしました。 質問は5問で、3分ほどで終わります。
回答はこちらから:(アンケートのURL)
答えた人と答えていない人を分けて送れない場合は、上の例のように、すでに答えた人へのお詫びを一言添えます。
回収率の目安をどう考えるか
「回収率は何%なら十分か」と聞かれることがありますが、決まった答えはありません。回収率は、相手との関係、届け方、アンケートの長さ、謝礼の有無によって大きく変わるからです。日ごろからやりとりのある顧客や社員に向けたアンケートと、一度だけ接点のあった人に向けたアンケートでは、同じ作り方でも回収率は大きく違います。
そのため、ほかの調査の回収率と比べるより、自分のアンケートの前回の回収率と比べるほうが、改善の手がかりになります。前回より下がったなら、何が変わったのか(送る時期、経路、質問の数)を確かめます。初めて行うアンケートなら、まずは記録を取り、次回からの比べる基準を作ります。
もう1つ大切なのは、回収率の高さだけで良し悪しを決めないことです。謝礼を大きくして回収率を上げても、中身を読まずに答えた回答が増えれば、結果の質は下がります。回収率と合わせて、自由記述がどれくらい書かれているか、同じ選択肢ばかりを選んだ回答がどれくらいあるかも見ておくと、回答の質の変化に気づけます。
設問の作り方で答えてもらいやすくする
依頼の仕方を整えたら、次はアンケートの中身です。答える人の手間を減らすことが、最後まで答えてもらうための基本です。
質問の数を絞る
質問は、結果を使って判断することに必要なものだけに絞ります。「せっかくだから」とあれもこれも聞くと、質問が増え、答える人の負担が増えます。1つひとつの質問について、「この答えで何を判断するのか」を書き出し、判断に使わない質問は外します。所要時間の目安を3分から5分に収められる数にすると、依頼文にも書きやすくなります。
答えやすい質問から並べる
最初の質問は、迷わず答えられるものにします。いきなり自由記述や、考え込む質問から始めると、そこで手が止まります。全体の満足度のような答えやすい質問から始め、詳しい理由、改善の要望、自由記述と、だんだん深い質問へ進めます。年齢や職業などの属性の質問は、最後にまとめると、本題の前に答える気持ちがそがれません。
選択肢を整える
選択肢で答えられる質問は、選択肢を用意します。選択肢は、重なりと漏れがないように作ります。「1年未満」「1年から3年」「3年から5年」のような区切りでは、3年ちょうどの人がどちらを選べばよいか迷います。「1年未満」「1年以上3年未満」「3年以上5年未満」のように、境目をはっきり書きます。当てはまるものがない人のために、「その他」や「当てはまるものはない」を入れておきます。
必須の質問を必要なものだけにする
すべての質問を必須にすると、答えにくい質問に当たったところで回答をやめる人が出ます。判断に欠かせない質問だけを必須にし、それ以外は任意にします。任意の質問が空欄でも、ほかの答えは使えます。
自由記述は1つか2つにする
自由記述は、答える人にとって最も手間のかかる質問です。自由記述の欄を多く並べると、空欄のまま送られるか、途中でやめられます。「ほかにご意見があればお書きください」のような最後の1問と、満足度が低かった人に理由を聞く1問くらいに絞ります。
進み具合を見せる
アンケートの途中で、あとどれくらい残っているかが分かると、答える人は最後まで続けやすくなります。何ページ目か、何問中何問目かを表示する、進み具合を示す帯を表示する、といった工夫が効きます。
スマートフォンで答えて確かめる
アンケートを公開する前に、自分のスマートフォンで最初から最後まで答えてみます。文字は読みやすいか、選択肢は押しやすいか、表は横にはみ出していないかを確かめます。作った人がパソコンでしか確かめていないアンケートは、スマートフォンで答えにくいことがよくあります。
質問の聞き方で答えやすさが変わる
同じことを聞いていても、聞き方によって答えやすさは大きく変わります。答えにくい聞き方は、途中でやめられる原因になるだけでなく、結果の読み違いにもつながります。よくある例を、直し方と一緒に整理します。
1つの質問で2つのことを聞かない
「講座の内容と講師の説明に満足しましたか」という質問は、内容と説明の2つを一度に聞いています。内容には満足したが説明は分かりにくかった、という人は答えられません。「講座の内容に満足しましたか」「講師の説明は分かりやすかったですか」と2つに分けます。
答えを誘導しない
「多くの方にご好評いただいている〇〇について、満足度を教えてください」のように、望ましい答えをにおわせる聞き方は、答える人を迷わせ、結果も実際より良く出ます。「〇〇について、満足度を教えてください」と、前置きを外して聞きます。
専門の言葉を使わない
作る側がふだん使っている言葉が、答える人には分からないことがあります。社内の呼び方、サービスの機能の名前、業界の言葉は、答える人が分かる言葉に言い換えるか、質問の中で一言説明を添えます。
評価の段階をそろえる
「とても満足」から「とても不満」までの5段階で聞く質問が続くなら、すべての質問で同じ並び順と同じ段階にそろえます。途中で並び順が逆になると、読み違えて逆の答えを付ける人が出ます。
「その他」と「分からない」を用意する
選択肢の中に当てはまるものがないと、答える人は適当な選択肢を選ぶか、回答をやめてしまいます。「その他(具体的に)」や「分からない」「使ったことがない」を入れておくと、無理な答えを減らせます。
公開する前に小さく試す
アンケートを大勢に送る前に、身近な3人から5人に答えてもらい、答えにくいところがないかを確かめます。試してもらうときは、次の点を聞きます。
- 答え終わるまでに何分かかったか
- 意味が分かりにくい質問や、答えに迷った質問はなかったか
- 当てはまる選択肢がなかった質問はなかったか
- スマートフォンで答えにくいところはなかったか
試した人がかかった時間をもとに、依頼文に書く所要時間を決めます。作った本人は質問の意図を知っているため、実際より短い時間で答えられます。本人の感覚で「3分」と書くと、実際には5分以上かかり、答える人の信頼を損ねることがあります。
小さく試すと、集計のときに困る質問にも気づけます。試してもらった回答を一度集計してみて、判断に使える形で答えが集まるかを確かめておくと、本番の回答を無駄にせずに済みます。
途中でやめられている場所を見つける
回答の数が少ないとき、そもそもアンケートを開いていないのか、開いたが途中でやめているのかで、直すべきところが違います。
開いてもらえていない場合
アンケートのページを開いた人の数が少ないなら、依頼の仕方に原因があります。件名、送る経路、送るタイミングを見直します。メールで送っているなら、迷惑メールのフォルダに入っていないかも確かめます。
途中でやめられている場合
開いた人は多いのに、最後まで答えた人が少ないなら、アンケートの中身に原因があります。どの質問のところでやめた人が多いかが分かる道具なら、その質問を見直します。分からない場合は、自由記述の欄、個人情報を聞く質問、選択肢の多い質問を先に疑います。これらの質問を後ろに回す、任意にする、選択肢を減らす、といった直し方で、最後まで答えてもらえる人が増えることがあります。
紙のアンケートの回収率を上げる工夫
会場や郵送で紙のアンケートを配る場合も、考え方は同じです。そのうえで、紙ならではの工夫があります。
- 書く欄を大きくとり、筆記用具も一緒に渡す
- 郵送で返してもらうなら、返信用の封筒を同封し、切手の要否をはっきり書く
- 締め切りの日付を、アンケートの用紙の一番上に大きく書く
- QRコードを印刷して、スマートフォンからも答えられるようにする
- 会場では出口の回収箱に任せるのではなく、席で回収する時間をとる
紙とWebの両方で答えられるようにした場合は、集計のときに二重に数えないよう、どちらで答えたかを記録しておきます。
個人情報を聞くときに書いておくこと
アンケートで名前や連絡先などの個人情報を聞く場合は、何に使うのかを答える人に示しておく必要があります。個人情報保護法では、本人から書面(電子的な記録を含む)で直接個人情報を集める場合について、次のように定めています。
個人情報取扱事業者は、前項の規定にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書その他の書面(電磁的記録を含む。以下この項において同じ。)に記載された当該本人の個人情報を取得する場合その他本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。 出典: e-Gov法令検索(個人情報保護法 第21条)
Webのアンケートで個人情報を聞くことは、この「書面(電子的な記録を含む)で直接集める」場面にあたると考えられます。アンケートの冒頭や、個人情報を聞く質問の前に、「ご回答の内容は、講座の改善とご質問への回答のために使います」のように使い道を書いておきます。どこまで書けば足りるかは、事業の形や集める情報によって変わるため、判断に迷うときは個人情報保護委員会の案内や相談窓口で確かめてください。
個人情報を聞かない選択も考える
そもそも名前や連絡先が必要かどうかも見直します。満足度や感想を集めるだけなら、名前を聞かない匿名のアンケートにしたほうが、本音を書いてもらいやすく、回収率も上がることがあります。個別に連絡したい人だけが連絡先を書ける欄を、最後に任意で設ける方法もあります。
謝礼の考え方
回答してくれた人に、謝礼を用意する方法もあります。ポイントや割引のクーポン、抽選での景品などです。謝礼は、答える理由を作るうえで効き目がありますが、次の点に気を付けます。
謝礼の条件をはっきり書く
謝礼を出すなら、誰に、何を、いつ、どうやって渡すのかを依頼文に書きます。抽選なら、当選の発表の方法と時期も書きます。条件があいまいだと、あとで問い合わせが増え、かえって信頼を損ないます。
謝礼目当ての回答に気を付ける
謝礼が大きすぎると、謝礼だけを目当てに、中身を読まずに答える人が増えることがあります。同じ選択肢ばかりを選んだ回答や、自由記述が意味をなさない回答は、有効な回答から外して集計します。
景品の決まりを確かめる
商品やサービスの購入者に向けたアンケートで景品を出す場合は、景品の金額などに決まりがあることがあります。景品の決まりについては、消費者庁の景品表示法の案内で確かめるか、判断に迷うときは専門家に相談します。
謝礼がなくても答えてもらえる関係を作る
謝礼は回収率を上げる手段の1つですが、毎回謝礼を用意できるとは限りません。回答の結果を報告し、改善したことを伝え続けると、「答えれば変わる」という実感が積み重なり、謝礼がなくても答えてもらえる関係ができていきます。
回答してくれた人への返し方
回答が集まったら、それで終わりにしないことが、次のアンケートの回収率につながります。
お礼を伝える
回答の直後に、お礼のメッセージを表示するか、お礼のメールを送ります。フォームの道具の多くには、送信の直後にメッセージを表示したり、自動で返信を送ったりする機能があります。
結果と改善を報告する
集計が終わったら、結果の概要と、結果をもとに何を変えるのかを、回答してくれた人に伝えます。「いただいたご意見をもとに、講座の開始時刻を10分早めました」のように、具体的な変化を伝えると、次のアンケートにも答えてもらいやすくなります。
個別の対応が必要な回答に返事をする
アンケートには、「問い合わせたいことがある」「不満があった」といった、個別の対応が必要な回答が含まれることがあります。こうした回答を見落とすと、答えた人の不満が大きくなります。個別の対応が必要な回答には、担当を決めて、返事をしたかどうかを記録しておきます。
回答の管理と返信を1つの画面で行う道具
回答が少ないうちは、スプレッドシートに担当と対応の状態の列を加え、返事はメールソフトで送る形で回ります。ただ、回答が多くなると、表とメールソフトの行き来が負担になり、返事の漏れが起きやすくなります。
こうした場面の選択肢の1つが、Halictです。公式サイトによると、フォームを作り、届いた回答を担当・ステージ・タグつきで管理し、同じ画面から返信まで送れます。回答者に見えるのは目の前の1問だけという1画面1問の表示と、進み具合を示すバーがあり、答える人が迷わず最後まで進めるよう作られています。送信の直後に回答内容の控えを添えて自動で返信でき、回答の一覧から選んでまとめてメールを送ることもできます。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
料金は人数で決まり、メンバー1人までのフリーは0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。3人までのスターターは月額2,980円(税抜)、10人までのチームは月額7,800円(税抜)で、チームのプランからは一斉メールの開封とクリックの計測も使え、結果の報告のメールが読まれたかを確かめられます。
アンケートの冒頭に書いておくこと
依頼文と同じくらい大切なのが、アンケートを開いたときに最初に目に入る説明です。依頼文を読まずにURLだけを開く人もいるため、アンケートの冒頭にも、次のことを短く書いておきます。
- 誰が行うアンケートか
- 何のために聞くのか、結果をどう使うのか
- 質問の数とおおよその所要時間
- 締め切り
- 個人情報を聞く場合は、その使い道と問い合わせ先
冒頭の説明は、長くなると読まれません。3行から5行に収め、詳しい説明が必要なら、別のページへのリンクにします。最初の画面で「すぐ終わりそうだ」「答える意味がありそうだ」と感じてもらえるかどうかが、最後まで答えてもらえるかの分かれ目です。
場面ごとの工夫
アンケートの場面によって、回収率を上げるために効く工夫は少しずつ違います。代表的な場面ごとに整理します。
顧客アンケート
購入やサービスの利用の直後に、短いアンケートを送ります。質問は全体の満足度と、理由を聞く自由記述の2問から3問に絞ると、答えてもらいやすくなります。結果をもとに改善したことは、お知らせやWebサイトで伝えます。
社内アンケート
社内のアンケートは、目的と結果の使い道をはっきり伝えることが特に大切です。匿名かどうかを最初に明示し、匿名なら、回答から個人が特定されないように集計することを書いておくと、本音を書いてもらいやすくなります。上司から一言添えてもらうと、回答の優先度が上がります。
イベントや研修のアンケート
会場で答えてもらうのが、最も回収率が高くなる方法です。終わる前の数分をアンケートの時間にあて、QRコードを画面に映すか配布物に印刷して、その場でスマートフォンから答えてもらいます。オンラインのイベントなら、終了の画面でアンケートのURLを案内し、終了後すぐにメールでも送ります。
保護者や地域の人へのアンケート
紙とWebの両方の答え方を用意すると、スマートフォンに慣れていない人も答えられます。締め切りまでの期間は、1週間から2週間ほどと、少し長めにとります。
回収率を記録して次に活かす
アンケートを行うたびに、回収率と、依頼の仕方や設問の工夫を記録しておくと、次のアンケートの改善に使えます。
| 記録する項目 | 例 |
|---|---|
| 依頼した人数と有効な回答の数 | 500人に依頼、有効回答75件 |
| 回収率 | 15% |
| 送った経路と時間帯 | メール、平日の午前10時 |
| 質問の数と所要時間の目安 | 8問、3分 |
| 催促の回数 | 締め切りの3日前に1回 |
| 謝礼の有無 | なし |
記録を見比べると、どの工夫が効いたのかが見えてきます。たとえば、送る時間帯を変えた回だけ回収率が上がったなら、その時間帯を次からの基本にします。一度に多くのことを変えると、どれが効いたのか分からなくなるため、変えるのは1回に1つか2つにします。
アンケートの仕事と在宅の働き方
アンケートの設計、配信、集計、報告書の作成は、在宅で請け負われることの多い仕事です。回収率を上げる工夫を知っていると、調査の企画から結果の報告までを任せてもらえる場面が増えます。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、調査の仕事を長く任される人は、質問を作る技術よりも、依頼主と「何を判断するための調査か」「何件の回答があれば判断できるか」を最初に言葉にしておくことを大切にしています。目的と必要な回答の数が決まっていれば、質問の数も、依頼の仕方も、催促の時期も自然に決まります。こうした相談を重ねながら進める仕事は、依頼主と直接やりとりできると進めやすくなります。手数料0%で直接取引できる形なら、受け手の手取りが厚くなり、依頼主も同じ予算でより多くの調査を頼めます。
マーケティングの調査や分析の仕事については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、仕事の種類と求められる力を整理しています。調査の設計や分析を専門にする働き方に関心がある人は、研究者の年収・単価相場で収入の目安を確かめられます。中小企業の経営の課題を調べて改善を助ける専門家を目指すなら、中小企業診断士の資格の内容も参考になります。
よくある質問
Q. アンケートの回収率はどのように計算しますか?
有効な回答の数を、アンケートを依頼した人数で割り、100を掛けて計算します。たとえば500人に依頼して有効な回答が75件なら、回収率は15%です。途中で回答をやめたものや、中身を読まずに答えたと分かる回答は、有効な回答に含めません。アンケートを作る前に、判断に必要な回答の数と目標の回収率を決めておくと、催促の判断がしやすくなります。
Q. アンケートの質問は何問くらいにすればよいですか?
決まった数はありませんが、判断に使う質問だけに絞り、3分から5分で答え終わる数を目安にすると、依頼文に所要時間を書きやすくなります。自由記述は1つか2つに抑え、答えやすい質問から順に並べます。属性の質問は最後にまとめると、本題の前に答える気持ちがそがれにくくなります。
Q. 催促は何回まで送ってよいですか?
締め切りの数日前に、まだ答えていない人に向けて1回送るのが基本です。何度も送ると印象を悪くするため、多くても2回までにします。すでに答えた人に催促が届かないよう、送る相手を分けて送ると、相手に余計な手間をかけずに済みます。催促では締め切りを改めて伝え、所要時間の短さも添えます。
Q. 謝礼を用意すれば回収率は上がりますか?
謝礼は答える理由を作るため、回収率を上げる効き目があります。ただし、謝礼が大きすぎると、中身を読まずに答える人が増えることがあります。謝礼の条件と渡し方ははっきり書き、景品を出す場合は景品の決まりを消費者庁の案内で確かめます。結果の報告を続けて、謝礼がなくても答えてもらえる関係を作ることも大切です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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