意識調査アンケートを作るときの設問の立て方と、偏りを避ける聞き方

@SOHO編集部
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意識調査アンケートを作るときの設問の立て方と、偏りを避ける聞き方

この記事のポイント

  • ✓意識調査アンケートの作り方を
  • ✓普通のアンケートとの違い
  • ✓テーマを具体的な設問に分ける手順

社員の働きがい、お客様の価値観、地域の人たちの暮らしへの思い。人の「考え」や「気持ち」を数字でつかみたいときに使うのが、意識調査のアンケートです。ところが、いざ作ろうとすると「働きがいをどう質問にすればいいのか」「答えが前向きな方に寄ってしまうのでは」と、普通のアンケートとは違う難しさに直面します。

意識調査で集めたいのは、目に見えない考えや態度です。聞き方を少し誤るだけで、回答は作る側の思い込みや、回答者の遠慮に引っ張られます。そうして集まった数字は、正確そうに見えて、実際の気持ちとはずれています。

この記事では、意識調査アンケートの作り方を、普通のアンケートとの違いから始めて、設計の前に決めること、テーマを具体的な設問に分ける手順、尺度の作り方、偏りを避ける聞き方、匿名性の守り方まで順に説明します。社内の意識調査の設問例と、集計と結果の返し方も紹介します。調査をきっかけに個別の相談や対応の申し込みを受け付ける場面では、受付から返信までを1つの画面で扱えるHalictにも触れます。

意識調査とは何か、普通のアンケートとの違い

意識調査とは、人の考え方、価値観、満足感、不安、期待といった、外からは見えない気持ちを把握するための調査です。会社が社員に向けて行う働き方の調査、自治体が住民に向けて行う暮らしの調査、企業がお客様に向けて行う価値観の調査など、多くの場面で行われています。内閣府が政府の施策について国民の意識を把握するために行っている世論調査も、意識調査の一種です。

普通のアンケートとの違いは、聞く対象にあります。

比べる点 事実を聞くアンケート 意識調査
聞く対象 行動や事実(利用回数、購入したもの、参加した回) 考えや気持ち(満足しているか、不安に思うか、大切にしていること)
答えの確かめやすさ 記録と照らせば確かめられる 本人にしか分からない
偏りの出やすさ 比較的小さい 聞き方や順番で大きく変わる
主な使い道 実態の把握、件数の集計 方針の検討、変化の追跡、課題の発見

事実を聞く質問は、記録と照らし合わせれば答えが合っているかを確かめられます。一方、意識は本人にしか分かりません。しかも、その場の気分、直前に答えた質問、聞き方の言葉づかいで答えが揺れます。だからこそ、意識調査では、設問の立て方と聞き方に、普通のアンケート以上の注意が必要になります。

意識調査が使われる主な場面

  • 社員の働きがいや職場の雰囲気、会社の方針への理解度を測る社内調査
  • お客様が商品やサービスを選ぶときに大切にしていることを知る調査
  • 地域の住民が感じている暮らしの課題や、行政への要望を知る調査
  • 学校で、生徒や保護者の学校生活への思いを知る調査
  • 団体の会員が、活動の方向性をどう考えているかを知る調査

どの場面でも共通するのは、1回の結果だけでなく、時間をおいて同じ調査を繰り返し、変化を追う使い方が多いことです。この点も、設計に大きく関わってきます。

作り始める前に決めておくこと

意識調査は、作り始める前の準備で質が決まります。次の5つを紙に書き出しておきます。

1. 何を知り、何に使うのか

「社員の意識を知りたい」では広すぎます。「来年度の働き方の制度を見直すにあたり、柔軟な勤務への希望の強さと、いまの制度への不満の中身を知る」のように、知りたいことと使い道を1〜2文で書きます。使い道がはっきりしていれば、聞くべきことと聞かなくてよいことを分けられます。

2. 何と比べるのか

意識調査の数字は、単独では読みにくいものです。「働きがいを感じている人が60%」と分かっても、それが高いのか低いのかは、比べる相手がないと判断できません。比べ方は、主に次の3つです。

  • 時間で比べる:前回の調査からどう変わったか
  • 属性で比べる:部署、年代、勤続年数などで違いがあるか
  • 項目どうしで比べる:働きがいの中でも、どの面の評価が低いか

何と比べるかを先に決めておくと、毎回同じ設問を残すべきか、属性をどこまで聞くべきかが決まります。

3. 誰に答えてもらうのか

対象者を全員にするのか、一部を選ぶのかを決めます。社員50人の会社なら全員に聞けますが、数千人の会社や地域の住民が対象なら、一部を選ぶことになります。一部を選ぶ場合は、特定の部署や年代に偏らないように選ぶ必要があります。

4. 匿名にするのか、記名にするのか

意識調査は、匿名で行うのが基本です。とくに社内の調査では、記名にすると会社への不満が書きにくくなり、結果が前向きな方に寄ります。匿名にするなら、属性の聞き方まで含めて、本当に個人が分からない作りにする必要があります。この点は後の節で詳しく説明します。

5. 結果を誰にどこまで伝えるのか

結果を経営陣だけが見るのか、回答者全員に返すのか。部署ごとの結果を出すのか、全社の結果だけにするのか。伝える範囲を先に決めて、調査の案内文に書いておくと、回答者は安心して答えられます。

テーマを具体的な設問に分ける手順

意識調査で最も難しいのが、「働きがい」「安心感」「信頼」のような抽象的なテーマを、答えられる設問に落とし込む作業です。抽象的な言葉をそのまま聞くと、回答者ごとに思い浮かべる中身がばらばらになり、数字の意味が分からなくなります。

手順1:テーマを要素に分ける

まず、テーマを構成している要素に分けます。たとえば「働きがい」なら、次のような要素が考えられます。

  • 仕事の内容に意義を感じているか
  • 自分の成長を感じられるか
  • 上司や同僚から認められていると感じるか
  • 仕事の進め方を自分で決められるか
  • 会社の方向性に共感しているか

要素の分け方に正解はありませんが、調査の目的に照らして、判断に使う要素を選びます。要素を選ぶときは、関係者で話し合ったり、少人数に話を聞いたりして、回答者の実感とずれていないかを確かめます。

手順2:要素ごとに具体的な文にする

要素ごとに、回答者が自分の体験に照らして判断できる文を作ります。

  • 「自分の仕事が、お客様や社会の役に立っていると感じる」
  • 「この1年で、できる仕事の幅が広がったと感じる」
  • 「仕事の成果を、上司から認めてもらえていると感じる」
  • 「仕事の進め方を、ある程度自分で決められる」
  • 「会社が目指している方向に共感できる」

抽象的な「働きがいを感じますか」ではなく、具体的な場面や行動の文にすると、回答者は迷わずに判断できます。

手順3:1つの要素を複数の文で聞く

大切な要素は、1つの文だけでなく、2〜3の文で聞くと、結果が安定します。1つの文だけだと、言葉の受け取り方の違いで答えが揺れやすいためです。ただし、文を増やしすぎると回答の負担が増えるので、要素の数と文の数の釣り合いを取ります。

手順4:集計表の形を描く

設問を作る前に、結果をどんな表で見たいかを描きます。「要素ごとの肯定的な回答の割合を、部署別に並べた表」のように描くと、必要な設問と属性が見えてきます。表のどこにも出てこない設問は、削ってかまいません。

尺度の作り方

意識調査の設問の多くは、「そう思う」から「そう思わない」までの段階で答えてもらう形式です。この段階のことを尺度といいます。尺度の作り方で、結果の読みやすさが大きく変わります。

段階の数を決める

よく使われるのは、4段階と5段階です。

段階の数 選択肢の例 特徴
5段階 そう思う/ややそう思う/どちらともいえない/あまりそう思わない/そう思わない 本当にどちらでもない人が答えやすい。真ん中に回答が集まりやすい
4段階 そう思う/ややそう思う/あまりそう思わない/そう思わない どちらかに寄った答えを求められる。真ん中に逃げられない

どちらが正しいということはありません。真ん中の「どちらともいえない」が多すぎると判断材料にならない調査なら4段階、無理に寄せると不正確になる調査なら5段階を選びます。大切なのは、一度決めたら、同じ調査の中でも、次回の調査でも、段階の数と言葉を変えないことです。変えると、前回との比較ができなくなります。

選択肢の言葉を左右対称にする

「とても満足」「満足」「やや満足」「不満」のように、前向きな選択肢が3つ、後ろ向きな選択肢が1つという並びは、結果を前向きな方に寄せます。前向きと後ろ向きの選択肢の数と強さをそろえます。

同意の尺度と頻度の尺度を混ぜない

「そう思う」から「そう思わない」までの同意の尺度と、「いつもある」から「まったくない」までの頻度の尺度を、同じ設問の並びの中で混ぜると、回答者が混乱します。設問の文を、使う尺度に合わせて書きます。「上司に相談しやすいと感じる」は同意の尺度、「この1か月で、上司に相談したことがある」は頻度か回数で聞きます。

「分からない」の扱いを決める

制度について聞く設問などでは、そもそも内容を知らない人がいます。そうした人に無理に「どちらともいえない」を選ばせると、本当に迷っている人と区別がつきません。必要に応じて「分からない・知らない」の選択肢を尺度の外に用意します。

Googleフォームでの作り方

Googleフォームでは、1つの設問を段階で答えてもらうなら「均等目盛」、複数の文を同じ尺度でまとめて聞くなら「選択式(グリッド)」が使えます。公式ヘルプのフォームの質問の形式を選択するによると、均等目盛は0または1から始めて、最大値を2〜10の整数で設定でき、両端にラベルを付けられます。グリッドは、行に設問の文、列に尺度の選択肢を並べる形で、同じ尺度の設問をまとめて答えてもらうのに向いています。

偏りを避ける聞き方

意識調査の結果は、聞き方の小さな違いで大きく変わります。ここでは、偏りが生まれる代表的な原因と、その避け方を整理します。

答えを誘導する前置きを入れない

「多くの社員が満足している福利厚生制度について、あなたの満足度を教えてください」と書くと、回答者は満足と答えるよう促されます。前置きに、評価や多数派の意見を入れないのが原則です。「福利厚生制度について、あなたの満足度を教えてください」とだけ書きます。

「そう思う」に寄りやすい傾向に気をつける

人には、内容にかかわらず「はい」「そう思う」と答えやすい傾向があります。調査の分野では、黙従傾向(もくじゅうけいこう)と呼ばれます。前向きな文ばかりを並べると、この傾向で結果が前向きに寄ります。

避ける方法の1つは、後ろ向きな文をいくつか混ぜることです。「仕事の進め方を自分で決められる」と並べて、「仕事の進め方について、細かく指示されることが多い」のような文を入れます。集計のときは、後ろ向きの文の点数を逆にして扱います。このような設問を逆転項目と呼びます。ただし、逆転項目を多用すると回答者が読み違えやすくなるため、要素ごとに1つ程度にとどめます。

良く見られたい気持ちに配慮する

人は、周りから良く見られる答えを選びがちです。「法令を守ることは大切だと思う」と聞けば、ほとんどの人が「そう思う」と答えます。これは本当の行動とは限りません。このように、建前が答えに出る質問では、気持ちを聞くより、具体的な行動や身の回りの状況を聞くほうが実態に近づきます。「この半年で、手順を省いて作業を進めたほうがよいと感じた場面があったか」のように聞きます。

質問の順番の影響を減らす

前に答えた質問が、後の質問の答えに影響することがあります。たとえば、職場の不満を細かく聞いたあとに「全体として、この会社で働き続けたいか」と聞くと、直前の不満に引っ張られて、後ろ向きな答えが増えます。全体の評価を聞く設問は、細かい項目より先に聞くのが一般的です。

選択肢の並び順も、答えに影響します。並んだ選択肢の先頭の方が選ばれやすい、という傾向が知られています。Googleフォームでは、質問や選択肢の順序をシャッフルできます。公式ヘルプのフォームを編集するには、次のように書かれています。

新しい回答者がフォームを開くたびに、質問や回答の選択肢が異なる順序で表示されるようにすることができます。 出典: support.google.com

同じヘルプでは、質問を特定の順序で表示する場合はシャッフルしないよう注意しています。全体の評価を先に聞きたい調査では、質問の順序はシャッフルせず、選択肢の順序だけをシャッフルする、といった使い分けをします。なお、尺度の選択肢(「そう思う」から「そう思わない」まで)は順番そのものに意味があるので、シャッフルしません。

1つの文で2つのことを聞かない

「上司は話をよく聞き、適切な助言をくれる」という文は、「話をよく聞く」と「適切な助言をくれる」の2つを聞いています。片方だけ当てはまる人は答えられません。2つの文に分けます。

あいまいな言葉と専門用語を避ける

「エンゲージメント」「心理的安全性」のような言葉は、人によって受け取り方が違います。調査票では、こうした言葉を使わず、具体的な場面の文に置き換えます。「チームの会議で、反対の意見を言っても大丈夫だと感じる」のように書きます。

属性の聞き方と匿名性の守り方

意識調査では、部署や年代などの属性ごとに結果を比べることが多くあります。ところが、属性を細かく聞くほど、回答者が特定されやすくなります。

属性の区分を大きくする

社員50人の会社で、「部署」「年代」「役職」「勤続年数」を細かく聞くと、組み合わせによっては1人に絞り込めてしまいます。匿名を約束するなら、区分を大きくします。年代は「30代以下」「40代以上」の2区分、部署は「営業系」「管理系」「製造系」のように大きくまとめます。

少人数の区分の結果は出さない

集計のときに、回答者が少ない区分の結果を出すと、誰の回答かが推測できてしまいます。あらかじめ「回答者が5人未満の区分は、結果を表示しない」のような基準を決め、案内文に書いておきます。基準の人数は、組織の規模に合わせて決めます。

メールアドレスを集める設定に注意する

GoogleフォームやMicrosoft Formsでは、回答者のメールアドレスを自動で記録する設定があります。匿名の調査で、この設定がオンのままになっていると、匿名ではなくなります。公開の前に、設定を必ず確かめます。社内の人だけに答えてもらいたい場合でも、メールアドレスを記録しない設定で、社内の範囲に限定する方法を選びます。

匿名と書いたら、それを守り通す

一度でも「匿名と言いながら、誰が書いたか探された」という話が広まると、次の調査からは本音が出なくなります。自由記述に個人が特定できる内容が書かれていた場合も、その部分を伏せて扱います。

回答者の選び方と回収の進め方

全員に聞くか、一部を選ぶか

社員数十人程度の会社なら、全員に聞くのが基本です。対象が多く、一部を選ぶ場合は、無作為に選ぶことが大切です。協力してくれそうな人や、声をかけやすい部署の人だけに頼むと、結果が偏ります。

答えた人だけの声になることに気をつける

意識調査には、答えた人の意見しか集まらない、という限界があります。会社に強い不満を持っている人や、反対に強い愛着を持っている人ほど、熱心に答える傾向があります。回収率が低いと、結果がこうした一部の人の声に寄ります。社内の調査なら、勤務時間内に答える時間を設けるなど、多くの人が答えられる工夫をします。

所要時間の目安

意識調査は、尺度の質問が多くなりがちです。社内の調査でも10〜15分以内に収まるよう、設問の数を絞ります。グリッドで同じ尺度の文を並べると、1問あたり5〜10秒ほどで答えられるので、30問程度でも5分前後に収まります。案内文には、所要時間の目安を書きます。

具体例:社員50人の会社の働き方の意識調査

ここまでの内容を、社員50人の会社が、働き方の制度の見直しに向けて行う意識調査の例で通してみます。

決めたこと

  • 知りたいこと:柔軟な働き方への希望の強さと、いまの制度への不満の中身
  • 使い道:来年度の在宅勤務と時差出勤の制度の見直し
  • 比べ方:部署(3区分)と、子育てや介護の有無で比べる。来年も同じ設問で調査し、変化を見る
  • 対象:社員全員。勤務時間内に15分の回答時間を設ける
  • 匿名:匿名。回答者が5人未満の区分は結果を表示しない
  • 結果の伝え方:全社の結果と、決めた制度の変更点を全社員に共有する

設問の構成

番号 設問 形式
1 全体として、いまの働き方に満足している 4段階の同意
2〜6 在宅勤務の制度について(使いやすさ、仕事の進めやすさ、周囲の理解など5つの文) グリッドで4段階の同意
7〜10 時差出勤の制度について(4つの文) グリッドで4段階の同意
11 今後、在宅勤務をどのくらい利用したいか 単一回答(週0日〜週5日)
12 働き方の制度で、変えてほしいこと 自由記述(任意)
13 所属(営業系・管理系・製造系) 単一回答
14 子育てや介護をしているか 単一回答(している・していない・答えたくない)

全体の満足度を最初に聞き、そのあとで制度ごとの文を聞いています。属性は最後に回し、「答えたくない」の選択肢を用意しています。グリッドの文のうち、制度ごとに1つは後ろ向きな文(「在宅勤務を使うと、評価に響くのではと不安に感じる」など)を入れ、前向きな文ばかりにならないようにしています。

集計と結果の読み方

肯定的な回答の割合で見る

4段階の尺度なら、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合を、肯定的な回答の割合として見ると分かりやすくなります。各段階に点数を付けて平均を出す方法もありますが、平均だけだと、意見が両端に割れている場合を見逃します。割合と平均の両方を確かめると安心です。

前回との差を見る

同じ設問を続けている場合は、前回との差を見ます。ただし、回答者が数十人の調査では、数人の答えが変わるだけで割合が大きく動きます。わずかな差で一喜一憂せず、複数回の調査で同じ方向に動いているかを見ます。

属性ごとの差を見る

部署や、子育てや介護の有無で結果を比べます。全社では問題がなさそうでも、特定の区分だけ肯定的な回答が低い、ということがよくあります。少人数の区分の結果は、決めた基準に従って表示しないことを忘れないようにします。

グラフは帯の形でそろえる

尺度の結果をグラフにするときは、1つの設問を1本の横長の帯にして、「そう思う」から「そう思わない」までの割合を左から順に塗り分ける形が読みやすくなります。設問ごとの帯を縦に並べると、どの項目の肯定的な回答が少ないかがひと目で分かります。色は、前向きな選択肢を同じ系統の濃淡、後ろ向きな選択肢を別の系統の濃淡にすると、真ん中を境に左右の差が見やすくなります。設問の並びは、調査票の順ではなく、肯定的な回答の割合が高い順に並べ替えると、課題のある項目が下にまとまります。

自由記述は分類して数える

自由記述は、内容ごとに分類して件数を数え、代表的な声を添えます。件数の多い分類と、尺度の結果で評価が低かった項目が重なっていれば、優先して取り組む課題が見えてきます。

結果を返して、次の調査につなげる

意識調査は、結果を回答者に返して初めて、次の調査への協力が得られます。

結果と、決めたことを伝える

全社の結果の要点と、それを受けて決めたことを、回答者に伝えます。「在宅勤務を週2日以上使いたいという声が半数を超えたため、来年度から上限を週3日に広げます」のように、結果と行動を結び付けて伝えます。すぐに変えられないことは、「検討中」と正直に伝えます。

同じ設問を残す

次回の調査では、変化を追いたい設問は、文も尺度も変えずに残します。新しく聞きたいことがあれば、既存の設問を変えるのではなく、加える形にします。

意識調査でよくある失敗と、公開前の点検

ここまでの内容を踏まえて、意識調査でよく起きる失敗と、公開の前に確かめたい項目を整理します。

失敗1:毎年、設問を少しずつ変えてしまう

担当者が替わるたびに、設問の言葉を「より分かりやすく」直してしまう例はよくあります。言葉が変わると、答えも変わります。前回より数字が上がっても、それが職場の変化なのか、言葉の変化なのか分からなくなります。変化を追う設問は、文と尺度を固定し、変えた場合はその年を記録に残します。

失敗2:結果を見てから比べ方を決める

集計してから「部署別に見てみよう」「年代別も出そう」と比べ方を増やしていくと、たまたま差が出た区分ばかりが目に付きます。比べ方は、作る前に決めた範囲にとどめます。決めていなかった区分で大きな差が見つかった場合は、次回の調査で確かめる仮説として扱います。

失敗3:施策の効果を1回の調査で判断する

制度を変えた翌月に調査をして、数字が変わらないから効果がないと判断するのは早すぎます。意識の変化には時間がかかります。施策の前後で同じ調査を行い、少なくとも2回以上の結果で判断します。

失敗4:回答期間が短すぎる

回答期間が数日しかないと、出張や休暇の人が答えられず、回答者が偏ります。社内の調査なら、1〜2週間の期間を取り、途中で1回だけ案内し直すのが目安です。

公開の前に確かめる項目

  • 設問の文に、評価や多数派の意見の前置きが入っていないか
  • 1つの文で2つのことを聞いていないか
  • 尺度の選択肢が左右対称になっているか
  • 全体の評価を聞く設問が、細かい項目より先にあるか
  • 属性の区分が大きく、「答えたくない」の選択肢があるか
  • 匿名の調査で、メールアドレスを記録する設定がオフになっているか
  • 案内文に、目的、所要時間、締め切り、匿名の扱い、結果の公開範囲が書かれているか
  • 身近な2〜3人に答えてもらい、意味の取り違えがないか確かめたか

この8項目を、公開の直前に1つずつ確かめます。とくに、メールアドレスの設定と設問の前置きは、作った本人が見落としやすい点です。

調査をきっかけに個別の相談を受け付けるとき

意識調査の結果を受けて、「制度について個別に相談したい人」「職場の困りごとを担当者に話したい人」を受け付けることがあります。このとき、意識調査の匿名の回答と、相談の申し込みを同じフォームで集めると、匿名性が崩れます。相談の申し込みは、意識調査とは別のフォームで受け付けるのが原則です。

相談の受付は、届いた1件ごとに担当者を決め、返事をして、対応の状況を追う必要があります。フォームの道具だけで回すと、回答をスプレッドシートに書き出して、担当者と状況の列を手で埋め、返事はメールソフトから送ることになりがちです。担当者が複数になると、誰が対応しているのかが分からなくなります。

受付から返信までを1つの画面で扱える選択肢

こうした相談の受付で選択肢になるのが、フォームの道具のHalictです。公式サイトによると、フォームで届いた回答1件ごとに担当者とステージ(未対応・対応中など)を割り当てて管理でき、回答者への返信も同じ画面から送れます。メンバーの権限は、オーナー、管理者、メンバー、閲覧のみの4段階で、閲覧のみの人は書き込みができません。相談の中身を見られる人を限りたい場面で役立ちます。

料金は、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と公式の料金ページに書かれています。閲覧のみの権限は、有料のチームプラン(税抜で1か月あたり7,800円)から使えます。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

Halictの公式サイトでも、集計を見るだけで終わる用途や、回答者へ個別に返信する必要がない用途ならGoogleフォームで足りると案内されています。匿名の意識調査そのものは集計で終わる用途なので、無料のフォームの道具で作り、個別の対応が要る相談の受付は別に用意する、という分け方が現実的です。

意識調査を設計する力を仕事に生かす

抽象的なテーマを具体的な設問に分け、偏りの少ない聞き方で回答を集め、結果から施策を導く力は、人事、組織づくり、マーケティング、行政の仕事などで求められています。

組織づくりや業務改善を支援する仕事

社員の意識調査の設計と分析は、組織づくりや業務改善の支援の仕事でよく含まれます。こうした仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。中小企業の経営を支援する立場で、社員の意識調査から改善策を提案することを目指すなら、中小企業診断士のページで試験の内容と活かし方を整理しています。

調査と分析を専門にする仕事

調査の設計と分析を専門にする仕事の年収と単価の相場は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。

運営者として見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、意識調査の設計や集計を外部に任せる会社が増える中で、続けて声がかかるのは、設問の文を整えるだけでなく「何と比べるか」「匿名をどう守るか」まで最初に一緒に決めてくれる人です。調査の結果より、調査の進め方そのものへの信頼が、次の依頼につながっています。

また、中間の手数料が乗らない直接のやり取りでは、同じ予算で依頼する側は集計のあとの報告や改善の提案まで頼みやすくなり、受ける側は手取りが厚くなります。1回の調査の手伝いから始まった関係が、毎年の定点の調査を任される関係に育っていくのは、こうした双方が得をする取引が続いたときです。

意識調査は、テーマを要素に分け、具体的な文にし、偏りを避けて聞く、という順番を守れば、特別な道具がなくても作れます。まずは、知りたいことと比べる相手を1枚の紙に書くところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 意識調査とアンケートはどう違うのですか?

アンケートは調べる方法の名前で、意識調査はその中でも人の考えや価値観、満足感といった目に見えない気持ちを把握する調査を指します。利用回数のような事実を聞く質問と違い、本人にしか分からない内容を聞くため、聞き方や質問の順番で答えが揺れやすく、設問の作り方により注意が必要です。

Q. 意識調査の尺度は4段階と5段階のどちらがよいですか?

真ん中の「どちらともいえない」に回答が集まりすぎると判断に使えない調査なら4段階、無理にどちらかへ寄せると不正確になる調査なら5段階が向いています。どちらにするにしても、一度決めたら同じ調査の中でも次回以降でも段階の数と言葉を変えないことが、比較のために大切です。

Q. 社内の意識調査で匿名性を守るにはどうすればよいですか?

メールアドレスを記録する設定をオフにし、部署や年代などの属性は大きな区分で聞きます。集計では、回答者が少ない区分の結果を表示しない基準を決めておきます。属性の設問には「答えたくない」の選択肢を用意し、案内文に匿名の扱いと結果の公開範囲を書いておくと安心です。

Q. 回答が前向きな方に寄るのを防ぐにはどうすればよいですか?

前置きに評価や多数派の意見を書かないこと、前向きな文だけでなく後ろ向きな文も混ぜること、建前が出やすいテーマは気持ちではなく具体的な行動を聞くことが効果的です。全体の評価を先に聞き、選択肢の並び順をシャッフルする設定も、偏りを減らす助けになります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年7月21日最終更新:2026年10月15日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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