アンケート回収ボックスの作り方と、紙の回答を集計に回すまでの段取り


この記事のポイント
- ✓アンケート回収ボックスの作り方を
- ✓段ボールや空き箱を使う手作りの手順
- ✓設置場所の選び方まで解説します
店頭や受付、イベントの会場で紙のアンケートを集めたいけれど、回収ボックスをどう作ればよいか分からない。手作りで十分なのか、どのくらいの大きさにすればよいのか、投入口はどこに開ければよいのか。アンケート回収ボックスの作り方を調べる人の多くは、こうした具体的なところで手が止まっています。
この記事では、段ボールや空き箱を使ったアンケート回収ボックスの作り方を、用紙の大きさに合わせた寸法の決め方から順に説明します。設置場所の選び方、回答する人が安心して入れられる工夫、回収した紙の回答を表計算に入力して集計し、改善と返信に回すまでの段取りも整理します。紙の回答と一緒にWebでも回答を受け付け、届いた1件ごとに担当と状況を付けて管理できるHalictにも触れます。
アンケート回収ボックスに求められる3つの役割
アンケート回収ボックスは、ただの箱ではありません。回答する人と、回答を集める側の両方にとって、次の3つの役割を果たす必要があります。
| 役割 | 回答する人にとって | 集める側にとって |
|---|---|---|
| 匿名性を守る | 誰が何を書いたか見られない安心感 | 本音の回答が集まる |
| 入れやすさ | 迷わずに入れられる | 回答の数が増える |
| 回収しやすさ | 関係ない | 紙が傷まず、取り出して整理しやすい |
特に大切なのは匿名性です。中身が外から見える箱や、受付の人の目の前にある箱では、厳しい意見は書きにくくなります。回収ボックスの作り方は、この3つの役割をどう満たすかで決まります。
用意するものと、箱の選び方
手作りのアンケート回収ボックスは、身近な材料で作れます。
| 用意するもの | 用途 |
|---|---|
| 段ボール箱、または厚紙の空き箱 | 本体 |
| カッターナイフとカッターマット | 投入口を開ける |
| 定規と鉛筆 | 寸法を測って印を付ける |
| 布テープまたは紙テープ | 箱の口を閉じる、角を補強する |
| 包装紙や画用紙、またはカッティング用のシール | 外側を覆う |
| 小さな南京錠と金具(必要に応じて) | 勝手に開けられないようにする |
| 表示用の紙とラミネートの袋 | 「アンケート回収箱」の表示 |
箱の大きさは用紙の大きさで決める
箱の大きさは、入れてもらう用紙の大きさと、回収するまでに集まる枚数で決めます。用紙を折らずに入れてもらうなら、箱の内側の幅は用紙の短い辺より広く、奥行きは用紙の長い辺より広くする必要があります。A4の用紙は210mm×297mmなので、折らずに寝かせて積み重ねるなら、内側の寸法は少なくとも幅230mm、奥行き310mm程度が目安です。
紙箱の製造の会社が公開している、A4の用紙を折らずに入れられる回収箱の例では、内寸が250mm×330mm×330mmになっています。A4を折らずに扱うには、このくらいの余裕があると入れやすく、取り出しやすいということです。
折って入れてもらう場合は、箱を小さくできます。A4を2つ折りにするとA5(148mm×210mm)、3つ折りにすると約99mm×210mmになります。設置場所が狭いときは、用紙を折って入れてもらう前提で、小さな箱を選びます。
集まる枚数から高さを決める
箱の高さは、回収するまでに集まる枚数で決めます。コピー用紙1枚の厚さはおよそ0.1mmなので、折らずに入れるなら100枚で約10mm、2つ折りなら約20mm、3つ折りなら約30mmの厚みになります。実際には紙が浮いて重なるので、この2倍から3倍の余裕を見ておきます。1日に50枚ほど集まる場所で、毎日回収するなら、2つ折りで高さ100mm程度の箱でも足ります。1週間に1回の回収にするなら、もう一回り大きな箱を選びます。
段ボールの強さ
受付のカウンターに設置して長く使うなら、厚手の段ボールを選びます。薄い箱は、回答を入れるときに押されてへこみ、投入口がゆがんで入れにくくなります。イベントで1日だけ使う程度なら、ティッシュの箱のような薄い紙箱でも足ります。
投入口の寸法と位置の決め方
アンケート回収ボックスの使いやすさを左右するのが、投入口です。
投入口の幅
投入口の幅は、入れる用紙の辺の長さに10mmから20mmの余裕を持たせます。
| 入れ方 | 用紙の入れる辺 | 投入口の幅の目安 |
|---|---|---|
| A4を折らずに入れる | 210mm | 220mmから230mm |
| A4を2つ折りにして入れる | 148mm(短い辺から) | 160mmから170mm |
| A4を3つ折りにして入れる | 99mm(短い辺から) | 110mmから120mm |
| はがき大のカード | 100mm | 110mmから120mm |
幅に余裕がないと、用紙の角が引っかかって入れにくくなります。反対に、幅が広すぎると、中の紙が外から見えやすくなります。
投入口の高さ
投入口の高さ(すき間の幅)は、5mmから10mm程度にします。2つ折りや3つ折りの紙は厚みが増すので、10mm程度あると引っかかりません。それより広げると、外から手や指が入る大きさになり、中の紙を抜き取られるおそれがあります。
投入口の位置を工夫する
投入口を天面の真ん中に開けると、紙は箱の中でばらばらに落ち、折れ曲がって重なります。回収のときに1枚ずつ広げる手間がかかります。紙箱の製造の会社は、A4の用紙を折らずに入れるための工夫として、次のように説明しています。
A4用紙を折らずに入れるにはアンケート用紙をただ上から投入するのでは無く、箱の手前に投入口を持ってきて中に斜めのベロを取り付け、用紙を入れると箱の中で重なった時に自動的に整うように設計しましょう。 出典: bestcarton.com
手作りでも、この考え方はまねできます。投入口を天面の手前の端に寄せて開け、その真下に、厚紙を斜めに貼り付けて滑り台のような板を作ります。入れた紙はこの板を滑って奥に落ち、平らに積み重なっていきます。
手作りと既製品のどちらを選ぶか
アンケート回収ボックスは、手作りのほかに、文具店や通販で売られている既製品や、紙箱の製造の会社に注文して作る方法もあります。どれを選ぶかは、使う期間と場所、見た目にどこまでこだわるかで決まります。
| 種類 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 手作り | イベントや期間限定のアンケート、まず試したいとき | 長く使うと傷みやすい |
| 既製品(アクリルや木製の投票箱など) | 受付に常に設置する、繰り返し使う | 透明なものは中身が見える |
| 注文で作る紙箱 | 店舗の雰囲気に合わせたい、複数の店舗で同じ箱を使う | 作るまでに日数がかかる |
既製品の中には、透明なアクリルでできた箱が多くあります。投票箱としては中身が見えることに意味がありますが、アンケートの回収では、中の回答が読めてしまうおそれがあります。透明な箱を使う場合は、内側に色紙を貼るなどして、中身が見えないようにします。
紙箱の製造の会社では、用紙の大きさに合わせて箱を作る例も紹介されています。段ボールの製造の会社は、A4用だけでなく、A5やB5の用紙に合わせた回収ボックスも注文で作れると案内しています。店舗が多く、同じ形の箱をいくつもそろえたい場合は、注文で作る方法も検討に入ります。
まずは手作りで1か月ほど試し、投入口の大きさや設置場所が合っているかを確かめてから、既製品や注文に切り替えると、寸法の失敗を防げます。
手作りのアンケート回収ボックスの作り方
ここからは、段ボール箱を使った作り方を順に説明します。A4の用紙を2つ折りにして入れてもらう、中くらいの大きさの箱を想定しています。
手順1:箱を組み立てて底を補強する
段ボール箱を組み立て、底を布テープで十字に貼って補強します。底が抜けると、集めた回答が床に散らばってしまいます。回答が多く集まる場所では、底の内側にもう1枚厚紙を敷いておくと丈夫になります。
手順2:投入口の位置に印を付ける
天面の手前の端から30mmほど内側に、投入口の線を引きます。幅は170mm、高さは10mmとし、天面の左右の中央に来るように定規で測って印を付けます。
手順3:投入口を切り抜く
カッターマットを箱の内側に差し込み、印に沿ってカッターで切り抜きます。段ボールは一度で切ろうとせず、軽い力で何度か刃を通すと、断面がきれいに仕上がります。切り口がざらついていると紙が引っかかるので、切り口に紙テープを貼って滑らかにします。
手順4:中に斜めの板を取り付ける
投入口の真下から箱の奥の底に向けて、厚紙を斜めに取り付けます。厚紙の幅は箱の内側の幅に合わせ、上の端を投入口のすぐ下の壁に、下の端を底の奥寄りにテープで固定します。入れた紙が板を滑って奥に積み重なるか、試しに数枚入れて確かめます。
手順5:回収口を作る
回収のときに中身を取り出す口を作ります。もっとも簡単なのは、箱の上ぶたをテープで閉じず、ふたの合わせ目に小さな穴を開けて、南京錠や結束バンドで留める方法です。回収のたびにテープを切ってはがす作り方だと、箱がすぐに傷みます。背面の下のほうに小さな扉を切り抜き、そこから取り出す作り方もあります。
手順6:外側を覆って表示を付ける
段ボールのままでは目立たず、通りがかった人に回収ボックスだと気づかれません。包装紙や画用紙で外側を覆い、正面に「アンケート回収箱」と大きく書いた表示を貼ります。表示はラミネートの袋に入れておくと、汚れにくく長く使えます。表示の下に「ご記入いただいたアンケートはこちらへお入れください」と一言添えると、入れてよい箱だと分かります。
手順7:仕上がりを試す
できあがったら、実際の回答用紙を使って試します。確かめるのは次の点です。
| 確かめること | うまくいかないときの直し方 |
|---|---|
| 用紙が引っかからずに入るか | 投入口の幅を5mmほど広げる、切り口にテープを貼る |
| 中で紙が平らに積み重なるか | 斜めの板の角度を急にする |
| 外から中の紙が読めないか | 投入口のすき間を狭める、内側に色紙を貼る |
| 回収口から楽に取り出せるか | 回収口を大きくする、背面の扉に変える |
| 箱が倒れたりずれたりしないか | 底に滑り止めを貼る、重しを入れる |
特に、空の状態で軽い箱は、入れるときに押されて動きます。底の内側に厚紙を重ねて重みを加えるか、底の外側に滑り止めの素材を貼ると安定します。
設置場所の選び方
せっかく作った回収ボックスも、設置場所が悪いと回答は集まりません。設置場所は、次の3つの条件で選びます。
帰りの動線の途中
アンケートは、体験が終わってから書いてもらうものです。入口よりも、出口や会計の近くなど、帰るときに必ず通る場所が向いています。イベントなら、退場口の手前に記入台と一緒に設置します。
受付の人の目の前を避ける
受付の人の目の前に回収ボックスがあると、厳しい意見は書きにくくなります。目に入る位置にありながら、スタッフの視線から少し外れた場所が理想です。記入する台も、他の人から手元が見えにくい向きにします。
筆記用具と用紙を一緒に用意する
回収ボックスの横には、記入用の用紙と筆記用具を必ず用意します。用紙がなくなっていると、書きたい人がいても回答できません。ペンは、持ち去られないよう、ひもで台に結んでおくと安心です。回答用紙の補充を誰がいつ確かめるかも、決めておきます。
回答を集めるための表示と声かけ
回収ボックスを設置しただけでは、回答はなかなか集まりません。気づいてもらい、書いてみようと思ってもらうための表示と声かけを用意します。
表示に書く3つのこと
回収ボックスの正面や記入台に貼る表示には、次の3つを書きます。
| 書くこと | 文例 |
|---|---|
| 何のためのアンケートか | より過ごしやすいお店にするため、ご意見をお聞かせください |
| かかる時間 | 1分ほどで書き終わります |
| 回答の扱い | お名前を書かずにご回答いただけます |
市場調査の解説でも、アンケートの目的を回答者に伝えることや、所要時間を前もって知らせることで協力を得やすくなる、とされています。表示の文字は、離れた場所からでも読めるよう、大きく書きます。
声かけは押しつけない
会計のときに「よろしければ、アンケートにご協力ください」と一言添えるだけでも、回答は増えます。ただし、目の前で書くよう求めたり、書き終わるまで待っていたりすると、本音は書きにくくなります。声をかけたら、記入する場所を示して、その場を離れるのが基本です。
特典を付けるときの注意
回答のお礼に次回使える割引券などを渡すと、回答は集まりやすくなります。ただし、特典と引き換えにする場合、回答を受け取ったスタッフに中身が見えてしまうことがあります。回収ボックスに入れた後、記入台の横に用意した割引券を自由に取ってもらう形にすれば、匿名のまま特典を渡せます。
回答への反応を見える形にする
集まった声をもとに変えたことを、回収ボックスの横に掲示します。「いただいたご意見をもとに、待合の椅子を追加しました」のような掲示があると、書いた意見が読まれていることが伝わり、次の回答につながります。
回答用紙の作り方の注意
回収ボックスに入れてもらう回答用紙は、紙で答えることを前提に作ります。
1枚に収める
用紙が2枚以上になると、ばらばらになって集計で困ります。設問は片面か両面の1枚に収めます。選択式の設問は、選択肢に番号を付け、丸を付けてもらう形にすると、後で入力しやすくなります。
自由記述欄は広めに
自由記述の欄は、3行から5行程度の広さを取ります。欄が狭いと、短い答えしか書かれません。記入する台が狭い場所では、硬い下敷きを一緒に用意すると書きやすくなります。
日付と通し番号
用紙の隅に、記入した日を書く欄を作っておくと、時期ごとの傾向が分かります。回収したら、入力の前に用紙の右上に通し番号を書いておくと、入力した内容と元の用紙を突き合わせやすくなります。
個人情報を書く欄は任意にする
名前や連絡先を書く欄を作る場合は、必ず任意にし、何に使うかを書いておきます。返事がほしい人だけが書く形にすると、匿名で答えたい人も安心して回答できます。連絡先が書かれた用紙は、回収した後、鍵のかかる場所に保管し、必要がなくなったら細かく裁断して処分します。
回答用紙の設問の例(飲食店の場合)
回収ボックスで集める回答用紙は、短い時間で書き終わることが何より大切です。飲食店を例に、片面に収まる設問の並びを示します。
| 番号 | 設問 | 答え方 |
|---|---|---|
| 1 | 本日のご来店は何回目ですか | 初めて、2回目から5回目、6回目以上 |
| 2 | 料理の味はいかがでしたか | 5段階に丸を付ける |
| 3 | 料理が出てくるまでの時間はいかがでしたか | 5段階に丸を付ける |
| 4 | スタッフの対応はいかがでしたか | 5段階に丸を付ける |
| 5 | 店内の清潔さはいかがでしたか | 5段階に丸を付ける |
| 6 | また来たいと思いますか | 4段階に丸を付ける |
| 7 | お気づきの点があればお書きください | 自由記述(3行から5行) |
| 8 | ご返事をご希望の方はご連絡先をお書きください | 任意 |
5段階は「とても良い」「良い」「ふつう」「やや不満」「不満」のように、すべての設問で同じ言葉を使います。設問ごとに言葉が変わると、書く人が迷い、集計でも比べにくくなります。
回収のルールと保管
回収ボックスは、作って設置したら終わりではありません。誰が、いつ、どう回収するかを決めておきます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 回収する人 | 店長、または指定した担当者1人 |
| 回収する頻度 | 毎日の閉店後、またはイベントの終了後 |
| 回収した用紙の保管場所 | 鍵のかかる引き出し |
| 入力する期限 | 回収した週の金曜日まで |
| 用紙の保管期間 | 入力を確かめてから3か月で裁断 |
回収する人を1人に決めておくと、中身を見た人が分かり、回答した人の安心にもつながります。回収のたびに、回収した日と枚数を記録しておくと、時期ごとの回答の増減も分かります。
回収の記録は、回収した日、回収した人、枚数、入力が終わった日の4つを1行に書く簡単な表で足ります。この表があると、回収したのに入力されていない束がどれか、すぐに分かります。回答の枚数が急に減った週があれば、用紙が切れていなかったか、箱の場所が変わっていなかったかを振り返る手がかりにもなります。
回収ボックスを複数の場所に設置している場合は、箱ごとに番号を付け、回収した用紙の束にも同じ番号を書いておきます。場所ごとの回答の数や中身の違いが分かり、どの場所に設置するのが向いているかを判断できます。
紙の回答を集計に回すまでの段取り
回収した紙の回答は、入力して集計しなければ、改善には使えません。ここが紙のアンケートでいちばん手間のかかるところです。
手順1:入力用の表を先に作る
回答を入力する表は、アンケートを配る前に作っておきます。表の1行が1枚の回答用紙、1列が1つの設問になるように作ります。
| 通し番号 | 記入日 | 設問1 | 設問2 | 設問3 | 自由記述 | 返信の要否 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 10月14日 | 4 | 2 | 5 | 待ち時間が長かった | 不要 |
| 2 | 10月14日 | 5 | 1 | 4 | 説明が分かりやすかった | 不要 |
選択式の設問は、選んだ選択肢の番号をそのまま入力します。言葉で入力すると、表記の揺れが出て数えにくくなります。
手順2:回収した週のうちに入力する
紙の回答は、ためるほど入力が面倒になり、後回しになります。回収した週のうちに入力すると決めておきます。入力の終わった用紙は、束ねて入力した日を書いた付箋を貼っておくと、どこまで入力したかが分かります。
手順3:ピボットテーブルで集計する
入力が終わったら、ピボットテーブルで設問ごとの件数と割合を出します。ピボットテーブルとは、表のデータを、指定した項目ごとに自動で数えたり合計したりする表計算ソフトの機能です。Googleスプレッドシートでの作り方は、Googleのピボット テーブルを作成、使用するに書かれています。
手順4:自由記述を分類する
自由記述は、読んで分類します。「待ち時間」「説明」「料金」「清潔さ」のように、多かった話題ごとに分類の列を作り、1件ずつ当てはめます。分類ごとに件数を数えれば、どの話題の声が多いかが分かります。
手順5:返信が必要な回答を拾う
連絡先が書かれていて、返事を求めている回答は、入力のときに「返信の要否」の列に印を付けておきます。印が付いた回答は、入力の後すぐに担当者へ回します。紙の回答は、返信が必要なものが他の回答に埋もれて放置されやすいので、入力と同時に拾い上げることが大切です。
集計の結果を改善に回す
集計が終わったら、結果をもとに何を変えるかを決めます。集計表を眺めて終わりにしないために、次の流れで進めます。
月に1回、結果を読む時間を作る
月に1回、集計の結果と自由記述の代表的な声を、店長やスタッフで読む時間を作ります。長い会議でなくても、閉店後の15分で十分です。満足度の低い設問と、自由記述で多かった話題を並べ、改善の候補を2つから3つに絞ります。
改善の作業に担当と期限を付ける
改善の候補が決まったら、誰が、いつまでに、何をするかを決めます。「待ち時間が長い」という声が多ければ、「来月から、混む時間帯に注文の受付を1人増やす。担当は店長、開始は来月の1日」のように、具体的な形にします。担当と期限が決まっていない改善は、忙しさにまぎれて立ち消えになりがちです。
改善の作業が複数あり、スタッフの間で進み具合を共有したい場合は、タスク管理の道具が役立ちます。Pinatecaは、カンバン・ガント・カレンダー・リストなど8種類のボードとチャットを備えたプロジェクト管理の道具で、公式サイトによると5人まで無料で使えます。改善の作業をカードにして、「未着手」「進行中」「完了」の列で動かせば、どの改善が止まっているかがスタッフ全員に見えます。Pinateca は、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
次の回収で効果を確かめる
改善を始めたら、次の1か月の回答で、同じ設問の満足度が上がったか、同じ不満が減ったかを確かめます。用紙の記入日の欄があれば、改善の前と後で回答を分けて比べられます。効果がなければ、別の改善の候補に切り替えます。
回収ボックスでよくある失敗
最後に、回収ボックスを使ったアンケートでよくある失敗を挙げておきます。
用紙やペンが切れたまま
忙しい日ほど、用紙やペンが切れていることに気づきません。開店前の準備の項目に「アンケート用紙の補充」を入れておくと、切らすことが減ります。
回収ボックスがいっぱいになる
回収の頻度が少ないと、箱がいっぱいになり、新しい回答が入らなくなります。箱の大きさに対して、1日に集まる枚数を見て、回収の頻度を決めます。
入力されないまま積み上がる
紙の回答は、入力されないまま箱や引き出しに積み上がりがちです。入力の担当と期限を決め、入力が終わった枚数を記録しておくと、遅れに気づけます。
書かれた不満に誰も返事をしない
連絡先を書いて返事を求めている人に返事をしないと、かえって不満を大きくします。返事が必要な回答は、入力と同時に拾い上げ、担当を決めて期限内に連絡します。
紙とWebの両方で受け付ける
紙の回答は、書く人にとっての手軽さという大きな利点がありますが、入力の手間がかかります。紙のアンケートと一緒に、同じ設問をWebのフォームでも受け付けると、入力の手間を減らせます。回答用紙の下の端にフォームのURLをQRコードにして印刷しておけば、スマートフォンで答えたい人はその場でWebから答えられます。Webで届いた回答は入力の必要がないので、紙で届いた分だけを入力すれば済みます。
Webで受け付けた回答を、届いた1件ごとに担当と状況を付けて管理したい場合に使えるのがHalictです。公式サイトによると、Halict はフォームを作り、届いた回答を担当・ステージ(対応の段階)・タグを付けて管理し、同じ画面から返信を送れます。フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限で、1人で使うフリーのプランは0円です。回答はCSVで書き出せるので、紙の回答を入力した表と合わせて集計できます。他社サービスの書き出しのCSVを取り込む機能もあります。Halict は、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
紙の回答のうち返信が必要なものも、受け取った人が同じフォームに代わりに入力しておけば、Webで届いた回答と同じ一覧で担当と状況を管理できます。
回収ボックスを使わずに紙の回答を集める方法
設置場所がない、短い期間だけ集めたい、という場合は、回収ボックスの代わりに次の方法もあります。
封筒で受け取る
回答用紙と一緒に封のできる封筒を渡し、書き終えたら封をして受付に渡してもらう方法です。受付の人に手渡しする形でも、封がしてあれば中身は見られません。教室や講座など、参加者が決まっている場で使いやすい方法です。
返信用の封筒で郵送してもらう
その場で書く時間がない人には、返信用の封筒を付けて、後日郵送してもらう方法もあります。時間をかけて書いてもらえるので、具体的な声が集まりやすい一方、回答の数は少なくなりがちです。郵送の費用もかかるので、対象者を絞って使います。
記入台の引き出しを使う
記入台に鍵のかかる引き出しがある場合は、引き出しの上部に投入口を開けて、回収ボックスの代わりにする方法もあります。この場合も、投入口の寸法の考え方は回収ボックスと同じです。
どの方法でも、回答する人の匿名性を守り、回収する人を決め、回収した週のうちに入力する、という決まりは変わりません。
業種ごとの使い方の例
アンケート回収ボックスは、業種によって設置場所や回収の決まりが変わります。
| 業種 | 設置場所の例 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 飲食店 | レジの横、出口の手前 | 用紙が汚れにくい場所を選ぶ |
| 教室・スクール | 教室の出口、待合の一角 | 子どもの回答は保護者と一緒に書ける用紙にする |
| 医療機関・薬局 | 会計の後の待合 | 診療の内容が分かる記載は求めない |
| 介護施設 | 面会の受付の近く | 家族が書きやすいよう、記入台を用意する |
| イベント | 退場口の手前 | 雨の日は屋根の下に設置する |
医療機関や介護施設では、利用者の家族の意見を集める目的で回収ボックスを使うことがよくあります。訪問看護ステーションを開くときの準備や必要な設備は訪問看護ステーションの開業手順2026|必要資格・設備基準・開業資金で、介護記録や事務のデジタル化と使える補助金は介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で解説しています。医療機関の受付で回答用紙の配布や回収を担う事務の知識を示す資格には、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)があります。
アンケートの集計や入力を外に頼むという選択肢
紙のアンケートの入力や集計は、手間のかかる作業です。回答が多い場合や、店舗が複数ある場合は、入力や集計の作業を在宅のワーカーに依頼する方法もあります。依頼するときは、入力用の表と入力の決まり(選択肢は番号で、自由記述は原文のまま)を先に作って渡すと、仕上がりがそろいます。個人情報が書かれた用紙を外に出す場合は、名前や連絡先の部分を隠した写しを渡すなど、扱いを決めてから依頼します。
在宅ワークとフリーランスの仲介を長く運営してきた立場から見ると、入力や集計の仕事で長く続く関係ができるのは、依頼する側が「何のための集計か」を最初に伝えている場合です。目的が分かっていれば、受ける側も、入力の途中で気づいた傾向を添えて納品できます。集計の結果をもとに改善の提案まで求めるなら、経営の改善を助言する国家資格である中小企業診断士を持つ専門家に相談する方法もあります。手書きの回答の読み取りや分類にAIを取り入れる支援は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
回収ボックスは、半日あれば手作りできます。まずは今ある空き箱で1つ作り、1か月だけ回答を集めて、入力と集計まで回してみてください。
よくある質問
Q. アンケート回収ボックスの投入口はどのくらいの大きさにすればよいですか?
入れる用紙の辺の長さに10mmから20mmの余裕を持たせた幅にします。A4を折らずに入れるなら220mmから230mm、2つ折りなら160mmから170mm、3つ折りなら110mmから120mmが目安です。すき間の高さは5mmから10mm程度にすると、紙が引っかからず、外から手が入らない大きさに収まります。
Q. 手作りの回収ボックスで中身が見えないようにするには?
投入口を天面の手前の端に寄せ、すき間を10mm程度に抑えると、外から中の紙が見えにくくなります。透明な箱は使わず、外側を不透明な紙で覆います。回収口は南京錠や結束バンドで留め、回収する人を1人に決めておくと、回答する人も安心して入れられます。
Q. 紙のアンケートの集計を楽にする方法はありますか?
配る前に入力用の表を作り、選択式の設問は選んだ番号をそのまま入力する決まりにすると、入力が速くなります。回収した週のうちに入力し、ピボットテーブルで設問ごとの件数を出します。回答用紙にWebのフォームのQRコードを印刷して、Webでも回答を受け付けると、入力が必要な紙の回答そのものを減らせます。
Q. 回収したアンケート用紙はいつまで保管すればよいですか?
決まった期間はありませんが、入力した内容を確かめ終えた後、数か月程度保管して裁断する決まりにする例が多くあります。名前や連絡先が書かれた用紙は、鍵のかかる場所に保管し、必要がなくなったら細かく裁断して処分します。保管期間は、回答用紙の説明文と合わせて、あらかじめ決めておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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