紙のアンケートを集計する手順と、データ化して整理する方法

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紙のアンケートを集計する手順と、データ化して整理する方法

この記事のポイント

  • ✓紙のアンケートを集計する手順を
  • ✓Excelでの単一回答・複数回答・自由記述の集計
  • ✓クロス集計まで順に解説します

研修や説明会、病院や介護施設の利用者アンケート、店頭のお客様の声など、紙のアンケートはいまも多くの現場で使われています。ところが、回収した用紙の束を前にすると、どこから手をつければよいのか分からず、集計が後回しになりがちです。紙のアンケートの集計は、「用紙に番号を振る」「入力表の形を先に決める」「質問の種類ごとに集計の仕方を変える」の3つを押さえると、Excelやスプレッドシートだけで迷わずに進められます。

この記事では、紙のアンケートを集計する手順を、回収した用紙の整理から、データの入力、単一回答・複数回答・自由記述の集計、属性ごとのクロス集計、報告の整理まで順に解説します。入力の間違いを減らす工夫、OCRや代行を使うかどうかの判断、次回から集計しやすい用紙の作り方も紹介します。集めた回答のうち返事や対応が必要なものを1件ずつ管理したい場合は、Halictのようなフォームの道具に回答を集める方法もあります。

紙のアンケートの集計に時間がかかる理由

紙のアンケートの集計で時間の大半を占めるのは、計算ではなく、手書きの回答をデータに直す入力の作業です。OCR(紙の文字を読み取ってデータにする技術)のサービスを提供する会社は、手作業での入力の負担を次のように説明しています。

手書きのアンケートを集計する場合、大量の紙を一つ一つ確認し、手作業でデータに変換していく必要があります。1枚の転記に5分かかると仮定しても、100枚で約8時間となり、データ入力に時間がかかってしまいます。 出典: patpost.jp

1枚に何分かかるかは質問の数と自由記述の量で大きく変わりますが、枚数に比例して時間が延びることは変わりません。さらに、紙のアンケートには、Webのアンケートにはない次のような手間があります。

・丸を2つ付けている、どの選択肢にも丸がない、選択肢の間に丸があるなど、判断に迷う回答がある
・手書きの文字が読みにくく、自由記述の入力に時間がかかる
・用紙を何枚入力したか分からなくなり、入力の漏れや二重の入力が起きる
・入力した人によって、同じ回答の扱い方がばらばらになる

逆に言えば、こうした手間を前もって決めごとで処理できれば、紙のアンケートの集計はかなり速くなります。集計を始める前に「判断に迷う回答をどう扱うか」と「入力表の形」を決めておくことが、作業全体の時間を短くする一番の近道です。

医療や介護の現場では、利用者や家族へのアンケートを紙で取ることが今も多く、日々の業務の合間に職員が集計を担うことが少なくありません。現場で集計を任された職員から聞く悩みとして多いのが、「前任者の集計表の作り方が分からず、毎回作り直している」というものです。手順と決めごとを1枚の紙に書いて残しておくだけでも、次に担当する人の負担は大きく減ります。

集計の段取りと、かかる時間の見積もり方

紙のアンケートの集計は、作業を始める前に段取りと時間を見積もっておくと、締め切りに追われずに済みます。特に、日々の業務の合間に集計を任された場合は、1日のうちどの時間を集計に充てるかを先に決めておくことが大切です。

作業を4つに分ける

集計の作業は、「準備(用紙の整理と番号付け、入力表の作成)」「入力」「確認(件数の突き合わせと読み合わせ)」「集計と報告」の4つに分けられます。このうち時間の大半を占めるのは入力で、準備と確認を合わせても入力の半分ほどに収まることが多いものです。

入力の時間は、最初の10枚で測る

1枚あたりの入力の時間は、質問の数や自由記述の量で大きく変わるため、あらかじめ決まった数字はありません。最初の10枚を入力したところで、かかった時間を測り、残りの枚数を掛けて全体の時間を見積もります。たとえば10枚に30分かかったなら、200枚では計算上10時間ほどになります。この見積もりをもとに、1日に何枚ずつ入力するかを決めます。

自由記述は後回しにする

選択式の回答と自由記述を同時に入力すると、文字を読み取る作業のたびに手が止まり、全体の速度が落ちます。最初に全員分の選択式の回答だけを入力し、自由記述は別の日にまとめて入力すると、作業の流れが途切れにくくなります。選択式の集計は自由記述の入力を待たずに始められるので、報告の準備も早く進みます。

複数人で分担するとき

入力を複数人で分担する場合は、通し番号の範囲で担当を分けます。「1番から100番はAさん、101番から200番はBさん」のように分けると、誰がどの用紙を入力したかが明確になり、確認の際にも元の用紙をすぐに探せます。入力表は1つのファイルを共有するか、担当ごとに別のファイルで入力して最後に結合します。別のファイルにする場合は、列の並びを必ず同じにしておきます。

集計の前にやる準備:用紙の整理と番号付け

入力を始める前に、回収した用紙を整理します。この準備を省くと、後で「どの用紙を入力したか」が分からなくなります。

手順1:用紙を数えて、白紙や対象外を分ける

まず回収した用紙の枚数を数え、記録します。白紙のもの、明らかに別のアンケートの用紙が混じっているもの、対象外の人の回答(たとえば職員が試しに書いたもの)を分けておきます。白紙の用紙も「回収数」には含めるのか、「有効回答数」からは外すのかを決めて、数を控えておきます。

手順2:用紙に通し番号を振る

用紙の右上などに、1から順に通し番号を書きます。番号を振っておけば、入力表の1行と用紙1枚が対応し、入力の漏れや二重の入力に気づけます。後で入力の間違いを確かめるときも、番号から元の用紙をすぐに探せます。

手順3:判断に迷う回答の扱いを決める

入力を始める前に、迷いやすい回答の扱いを決めて、紙に書いておきます。

・1つだけ選ぶ質問に丸が2つある:「無効」として扱い、空欄と同じにする
・丸がどの選択肢にも付いていない:「無回答」として扱う
・選択肢の間に丸がある:近い方に寄せず「無効」とする
・「その他」に丸があり、内容が書かれている:その他の内容を自由記述の列に入力する

決め方に正解はありませんが、入力する人が2人以上いる場合は、全員が同じ決めごとで入力することが大切です。決めごとが人によって違うと、集計の結果がずれてしまいます。

手順4:保管の場所を決める

アンケートの用紙には、氏名や年齢、病状や家族の状況など、個人の情報が書かれていることがあります。入力の作業中も、用紙を机に出したままにせず、鍵のかかる場所に保管します。入力が終わった用紙を、いつまで保管していつ廃棄するかも、勤め先の決まりに沿って決めておきます。

入力表の作り方:1枚を1行、1問を1列にする

紙のアンケートをExcelやGoogleスプレッドシートに入力するときは、「1枚の用紙を1行」「1つの質問を1列」にした表を作ります。これが集計しやすい表の基本の形です。

列の並べ方

列 内容 入力の例
A 用紙の通し番号 1、2、3
B 回答日や回収した会場 10月5日、A会場
C 属性の質問(年代など) 3(30代を3とする)
D 単一回答の質問 2
E〜H 複数回答の質問の選択肢ごと 1または空欄
I 自由記述 手書きの内容をそのまま

選択肢は番号で入力する

選択肢を文字で「満足」「やや満足」と入力すると、表記の揺れ(「満足」と「満足です」など)が起き、集計の関数で数えられなくなります。用紙の選択肢に番号を付け、入力は番号で行います。番号と選択肢の対応表は、別のシートに作っておきます。

複数回答の質問は選択肢ごとに列を分ける

「当てはまるものをすべて選んでください」という複数回答の質問は、1つの列にまとめて「1,3,4」のように入力すると、後で集計しにくくなります。選択肢ごとに列を分け、丸が付いていれば「1」、付いていなければ空欄にします。この形にしておけば、列ごとの合計がそのまま選んだ人の数になります。

入力の間違いを防ぐ設定

Excelでは「データの入力規則」という機能で、セルに入力できる値を限定できます。たとえば満足度の列には1から5の整数だけを入力できるようにしておけば、「55」のような打ち間違いをその場で防げます。Googleスプレッドシートにも、同じようにセルに入力できる値を限定する機能があります。

質問の種類ごとの集計方法

入力が終わったら、質問の種類ごとに集計します。紙のアンケートの質問は、ほとんどが「単一回答」「複数回答」「数値」「自由記述」の4種類に分けられます。

単一回答の質問:COUNTIF関数で数える

1つだけ選ぶ質問は、選択肢ごとの人数をCOUNTIF関数で数えます。COUNTIF関数は、指定した範囲の中で条件に合うセルの数を数える関数です。たとえばD列の2行目から101行目に満足度の番号が入っているとき、「満足(1)」を選んだ人数は「=COUNTIF(D2:D101,1)」で数えられます。選択肢の番号を1つずつ変えて、選択肢ごとの人数を表にします。使い方の詳細はMicrosoftの公式サポートのCOUNTIF関数の説明で確かめられます。

人数を数えたら、割合も出します。割合の分母は「回収数」ではなく「その質問の有効回答数」にするのが基本です。無回答や無効の数は、表の下に別に書いておきます。

複数回答の質問:列ごとの合計を出す

選択肢ごとに列を分けて「1」を入力していれば、SUM関数で列の合計を出すだけで、その選択肢を選んだ人の数になります。複数回答の割合は、合計すると100%を超えるのが普通です。報告するときは「回答者のうち何%がその選択肢を選んだか」として書き、円グラフではなく横棒のグラフで示すと誤解されません。

数値の質問:平均と分布を見る

年齢や利用回数のように数値で答える質問は、AVERAGE関数で平均を出せます。ただし、平均だけを見ると、ごく一部の大きな値に引っ張られることがあります。「10歳ごと」「月に1回未満、1回から3回、4回以上」のように区切りを作って人数を数え、分布も一緒に見ると、実態がつかみやすくなります。

自由記述:内容ごとに分類する

自由記述は、すべてを読んで、似た内容ごとに分類します。たとえば「待ち時間が長い」「受付の説明が分かりにくい」「職員の対応がよかった」のように、内容を短い見出しにまとめ、見出しごとの件数を数えます。分類の見出しを入力表の隣の列に付けていくと、COUNTIF関数で件数を数えられます。原文は報告書に一部をそのまま載せると、数字だけでは伝わらない現場の声が伝わります。

属性ごとの違いを見るクロス集計

全体の集計が終わったら、年代別、利用の頻度別のように、属性ごとに回答の違いを見ます。この集計をクロス集計といいます。クロス集計とは、2つの質問の回答を掛け合わせて、表の縦と横で人数を数える集計のことです。

ピボットテーブルを使う

ExcelとGoogleスプレッドシートには、ピボットテーブルという機能があり、入力表から自動でクロス集計の表を作れます。Googleスプレッドシートでは、メニューの「挿入」から「ピボットテーブル」を選び、行に属性の列、列に回答の列、値に件数を指定します。手順はGoogleのヘルプのピボットテーブルの説明で確かめられます。ヘルプにもあるとおり、元の表の列にはそれぞれ見出しを付けておく必要があります。入力表の1行目に「番号」「年代」「満足度」のような見出しを入れておけば、そのままピボットテーブルの元データとして使えます。

読み取るときの注意

クロス集計では、属性ごとの人数が少ないと、1人の回答で割合が大きく動きます。たとえば20代の回答者が4人しかいなければ、1人が「不満」を選ぶだけで25%になります。人数が少ない属性の割合は参考程度に扱い、報告書には人数も一緒に書きます。

何を掛け合わせるかを先に決める

クロス集計は組み合わせが多く、すべてを作ると表が膨大になります。「年代によって満足度が違うか」「初めての利用者と何度も利用している人で要望が違うか」のように、知りたい問いを先に決めてから、その問いに必要な組み合わせだけを作ります。

入力の間違いを減らす確かめ方

集計の結果が正しいかどうかは、入力の正確さで決まります。入力が終わったら、次の方法で間違いを確かめます。

件数の突き合わせ

入力表の行数と、手順1で数えた用紙の枚数が一致するかを確かめます。一致しない場合は、通し番号の抜けや重複を探します。Excelでは、通し番号の列を並べ替えて、番号が飛んでいるところや同じ番号が2つあるところを見つけます。

ありえない値を探す

満足度が1から5のはずなのに6や0が入っていないか、年代の番号に存在しない値がないかを、並べ替えやフィルターで確かめます。入力規則を設定していない場合は、この確認が特に大切です。

抜き取りでの読み合わせ

全体の1割ほどの用紙を無作為に選び、入力表と1問ずつ読み合わせます。1人が用紙を読み上げ、もう1人が画面を見て確かめる方法が、見落としが少なく確実です。読み合わせで間違いが多く見つかった場合は、入力した人の決めごとの理解がずれている可能性があるので、全体を見直します。

2人で入力して照合する

正確さが特に求められるアンケートでは、同じ用紙を2人が別々に入力し、2つの表を突き合わせて違うところだけを用紙で確かめる方法があります。手間は2倍になりますが、打ち間違いをほぼなくせます。

紙の回答をGoogleフォームに入力して集計する方法

入力表を一から作るのが手間に感じる場合は、紙と同じ質問のGoogleフォームを作り、職員が紙の回答を見ながらフォームに入力する方法もあります。回答はスプレッドシートに1枚1行の形で自動的にたまるため、入力表の列の設計を考える必要がありません。

この方法の利点は、選択肢をクリックで選べるので、番号の打ち間違いが起きにくいことです。1つだけ選ぶ質問はラジオボタン、すべて選ぶ質問はチェックボックスにしておけば、紙の用紙と同じ形のまま入力できます。用紙の通し番号を最初の質問として入力しておくと、後で元の用紙と照らし合わせられます。

注意点は、フォームの集計画面のグラフをそのまま報告に使うと、無効や無回答の扱いが自分の決めごとと合わない場合があることです。無効の回答は、フォームに「無効」という選択肢を設けて入力するか、スプレッドシートに書き出してから扱いを整えます。紙で回収する分とWebで回答してもらう分を同じフォームに集めれば、集計を1か所で済ませられます。

OCRや集計の代行を使うかどうかの判断

紙のアンケートの枚数が多い場合は、OCRや集計の代行を使う方法もあります。

OCRが向いている場面

OCRのサービスを使うと、用紙をスキャナーで読み取るだけで、丸を付けた選択肢や手書きの文字をデータに変換できます。マークシートのように丸を塗る形式の用紙や、毎月同じ用紙で大量に回収するアンケートでは、入力の時間を大きく減らせます。一方で、手書きの文字の読み取りには間違いが残ることがあり、読み取った結果を人が確かめる作業は必要です。用紙の形式が毎回変わるアンケートや、枚数が少ないアンケートでは、設定の手間の方が大きくなることもあります。

代行が向いている場面

入力から集計、分析の報告までをまとめて外部に頼むこともできます。アンケートの仕組みを提供する会社は、次のように紹介しています。

アンケートの集計は、Excelやアンケートツールを用いることで簡便に済ますことも可能です。しかし、入力作業から集計まで一貫して依頼できる代行業者を利用すると、煩わしさを感じることなく集計から分析まで行うことが可能です。 出典: spiral-platform.co.jp

代行に頼む場合は、個人の情報が書かれた用紙を外部に渡すことになるため、秘密を守る取り決めと、用紙の受け渡しと返却の方法を契約で決めておきます。医療や介護の現場のように、病状や家族の状況が書かれたアンケートでは、勤め先の個人情報の取り扱いの決まりに沿って判断してください。

判断の目安

・数十枚から100枚程度で、年に数回だけ:自分でExcelに入力する
・数百枚以上を毎月のように回収する:OCRや入力の代行を検討する
・入力に加えて分析と報告書まで必要で、担当者の時間がない:集計の代行を検討する

どの方法を選ぶ場合も、入力表の形と判断に迷う回答の決めごとは、自分たちで決めておくことが大切です。OCRや代行に任せる場合でも、決めごとを渡さなければ、相手の判断で入力されることになり、前回の結果と比べられなくなります。外部に頼むときは、この記事で紹介した入力表の列の並びと決めごとを書いた紙を一緒に渡すと、受け取ったデータをそのまま自分たちの集計に使えます。

次回から集計しやすくする用紙の作り方

紙のアンケートの集計を楽にする最も効果的な方法は、用紙そのものを集計しやすい形にすることです。次回のアンケートを作るときに、次の点を見直します。

選択肢に番号を付ける

すべての選択肢に番号を印刷しておけば、入力する人は番号をそのまま打てばよく、迷いが減ります。

丸ではなく、四角に印を付けてもらう

選択肢の前に四角の枠を印刷し、「当てはまるものの□に✓を付けてください」と案内すると、選択肢の間に丸を付けるような判断に迷う回答が減ります。

1つだけか、すべてかを質問文に書く

「1つだけ選んでください」「当てはまるものをすべて選んでください」を、質問ごとに明記します。これが抜けていると、1つだけ選ぶ質問に複数の印が付き、無効の回答が増えます。

自由記述の欄を絞る

自由記述の欄が多いと、入力と分類の手間が大きくなります。自由記述は最後に1つだけにし、「特に良かった点」「改善してほしい点」のように、聞く内容を具体的にすると、分類もしやすくなります。

Webの回答と並行して受け付ける

用紙にQRコードを印刷し、スマートフォンからも回答できるようにすると、Webで答えた分は入力の手間がかかりません。紙で答えたい人には紙を、スマートフォンに慣れている人にはWebを、と選んでもらうことで、回答の取りこぼしを防ぎながら入力の量を減らせます。紙で届いた分は、職員が同じWebのフォームに代わりに入力すると、すべての回答を1か所に集められます。

医療や介護の現場のアンケートで気をつけること

病院の外来や病棟、介護施設、訪問のサービスなどで実施するアンケートには、ほかの場面にはない注意点があります。

回答者が書きやすい用紙にする

高齢の利用者や、体の具合がよくない人が回答することを前提に、文字は大きく、質問は少なく、選択肢には印を付けるだけで答えられる形にします。家族が代わりに記入する場合もあるため、「どなたが記入しましたか(ご本人・ご家族・その他)」という質問を入れておくと、集計の際に回答の性格を分けて見られます。

回収の方法で回答が変わることに注意する

職員に直接手渡しで返してもらう方法だと、職員への遠慮から、不満を書きにくくなることがあります。回収箱を設ける、封筒に入れて返してもらうなど、職員の目に触れずに提出できる方法を用意すると、率直な回答が集まりやすくなります。

個人の情報と健康の情報の扱い

利用者のアンケートには、氏名や病名、介護の状況など、配慮が必要な情報が書かれていることがあります。集計の目的に必要がなければ、そもそも氏名を書く欄を設けない方が安全です。入力表にも氏名は入れず、通し番号だけで管理します。用紙と入力表の保管、外部への持ち出しの可否、廃棄の時期は、勤め先の個人情報の取り扱いの決まりに沿って決めてください。

結果を利用者に返す

アンケートに答えた利用者や家族は、結果がどう生かされたかを気にしています。集計の結果と、それを受けて取り組むことを、掲示や便りで知らせると、次回のアンケートにも協力してもらいやすくなります。

返事や対応が必要な回答を1件ずつ管理したいとき

アンケートの中には、集計して終わりではなく、1件ずつ対応が必要な回答が含まれることがあります。「連絡がほしい」と書かれた要望、施設の設備の不具合の指摘、職員の対応に対する苦情などです。こうした回答を集計表の中に埋もれさせてしまうと、対応が漏れたり、誰が対応したか分からなくなったりします。

紙のアンケートの場合、対応が必要な回答に付箋を貼り、担当者に回し、対応が終わったら表に記録する、という回し方が多く見られます。件数が少なければこれで回りますが、複数の部署にまたがったり、担当者が交代したりすると、対応の状況を追いきれなくなります。

こうした場面の選択肢になるのが、受付から返信までを1つの画面で扱えるフォームの道具です。たとえばHalictは、フォームで受け付けた回答を1件ごとに担当者と状況(ステージ)で管理し、同じ画面から返信まで送れるフォームの道具です。公式サイトによると、作りたいフォームを伝えるとAIが質問の構成まで下書きを作る機能、1画面に1問ずつ表示する回答の画面、12種類の項目、自動返信があり、集まった回答は一覧で確かめてCSVに書き出せます。料金はメンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と案内されています。メンバー3人までのスタータープランは月額2,980円(税抜)で、Googleスプレッドシートとの連携が加わります(Halict)。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

紙の用紙にQRコードを印刷してWebでも受け付け、紙で届いた分は職員がフォームから代わりに入力する、という形にすれば、すべての回答が1つの画面に集まり、対応が必要なものだけを担当者に割り振れます。集計だけが目的で、個別の対応がほとんどないアンケートであれば、Excelやスプレッドシートでの集計で十分です。

集計の結果を報告の形に整理する

集計が終わったら、結果を報告の形に整理します。集計表をそのまま渡しても、読む人は何を読み取ればよいか分かりません。

報告に入れる項目

  1. アンケートの目的と実施の概要(対象、期間、方法)
  2. 回収数と有効回答数
  3. 質問ごとの結果(表とグラフ)
  4. 属性ごとの違い(クロス集計で分かったこと)
  5. 自由記述の主な内容(分類と件数、代表的な原文)
  6. 結果から考えられること、次に取り組むこと

グラフの選び方

単一回答の割合は帯グラフや円グラフ、複数回答の割合は横棒のグラフ、属性ごとの比較は積み上げの帯グラフが向いています。グラフには必ず回答者の数を書き添えます。

「次に何をするか」まで書く

報告で最も読まれるのは、最後の「次に取り組むこと」です。「待ち時間への不満が3割を超えたので、受付の手順を見直す」のように、結果と次の行動を結びつけて書くと、アンケートを実施した意味が伝わります。

報告の前に、読む人を決める

同じ集計の結果でも、施設の管理者に出す報告と、現場の職員の会議で共有する資料と、利用者向けの掲示では、載せる内容が変わります。管理者には全体の数字と改善の提案を、職員には自分たちの業務に関わる自由記述の内容を、利用者には結果の要点と取り組むことを、というように、読む人に合わせて作り分けます。

前回の結果と比べる

同じアンケートを毎年や半年ごとに実施している場合は、前回の結果と並べて示すと、取り組みの効果が見えるようになります。比べるときは、質問の文面と選択肢が前回と同じかを必ず確かめます。選択肢を「満足・不満」の2つから「満足・やや満足・やや不満・不満」の4つに変えた場合、数字をそのまま並べても比べられません。質問を変えたときは、報告書にその旨を書き添えます。

前回の入力表と今回の入力表の列の並びをそろえておけば、2つの表を縦につなげて、実施の回を1つの列として加えるだけで、ピボットテーブルで回ごとの比較ができます。毎回同じ形の入力表を使うことは、その場の集計を楽にするだけでなく、何年分もの結果を比べられるようにするための土台にもなります。

アンケートの集計とデータ化は在宅でも受けられる仕事

紙のアンケートの入力や集計は、在宅で受けられる仕事としても募集があります。データの入力だけの仕事から、集計表の作成、クロス集計、報告書の作成までを任される仕事まで、求められる技能の幅があります。医療機関や介護施設、自治体の委託の仕事では、個人の情報を扱うため、秘密を守る取り決めや作業の環境について条件が付くことが多くあります。

フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から見ると、入力や集計の仕事で長く依頼が続く人は、作業の速さよりも、判断に迷う回答をどう扱ったかを記録して一緒に納品する人です。依頼主から見ると、結果の数字の根拠が分かることが、安心して任せられる理由になります。仲介の手数料が乗らない直接取引であれば、依頼主は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%で手取りが厚くなります。

医療機関の事務の仕事に関心がある場合は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で、試験の内容と勉強の進め方を確かめられます。介護の現場で記録や事務の仕組みをデジタルに切り替える動きについては、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で補助金の使い方を紹介しています。集計の結果から業務の改善を提案するところまで仕事の幅を広げたい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、業務の効率化を支援する仕事の内容と求められる技能を紹介しています。

まずは手元にある紙のアンケートで、通し番号を振り、1枚を1行にした入力表を作るところから始めてみてください。表の形が決まれば、そのあとの集計は関数とピボットテーブルで順に進められます。

よくある質問

Q. 紙のアンケートの集計に必要な道具は何ですか?

ExcelかGoogleスプレッドシートがあれば、入力から集計、クロス集計、グラフの作成まで行えます。単一回答はCOUNTIF関数、複数回答はSUM関数、属性ごとの比較はピボットテーブルで集計できます。枚数が数百枚を超えて毎月のように回収する場合は、OCRのサービスや入力の代行を使うと入力の時間を減らせます。

Q. 1つだけ選ぶ質問に丸が2つ付いている回答はどう扱えばよいですか?

決まった正解はありませんが、一般には「無効」として扱い、無回答と同じく集計から外す方法がよく使われます。大切なのは、入力を始める前に扱いを決めて紙に書き、入力する人全員が同じ決めごとで入力することです。無効や無回答の件数は、報告書に別に書いておきます。

Q. 複数回答の質問は、どのように入力すると集計しやすいですか?

選択肢ごとに列を分け、印が付いていれば「1」、付いていなければ空欄にする形が集計しやすい入力の仕方です。この形なら列ごとの合計が、その選択肢を選んだ人の数になります。1つのセルに「1,3,4」のようにまとめて入力すると、関数で数えにくくなるため避けたほうが無難です。

Q. 入力の間違いを減らすにはどうすればよいですか?

入力の前に用紙へ通し番号を振り、入力表の行数と用紙の枚数を突き合わせると、漏れや二重の入力に気づけます。Excelの「データの入力規則」で入力できる値を限定すると、打ち間違いをその場で防げます。入力後は1割ほどの用紙を抜き出し、2人で読み合わせて確かめると確実です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月24日最終更新:2026年10月15日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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