紙のアンケートの作り方と、集めた回答を入力して集計する手順


この記事のポイント
- ✓紙のアンケートの作り方を
- ✓配布と回収まで順に解説します
- ✓集めた回答をExcelに入力する表の作り方
紙のアンケートを作ることになったものの、何から決めればよいのか、集まった用紙をどう入力して集計すればよいのかが分からず手が止まっている人は多いはずです。Webのフォームが当たり前になった今でも、店頭やイベント、会議の会場、高齢の方が多い場面では、紙のアンケートのほうが確実に回答を集められます。ただし紙のアンケートは、作るときより、集めたあとの入力と集計で苦労しがちです。
この記事では、紙のアンケートの作り方を、目的の決め方から質問と選択肢の作り方、用紙のレイアウト、配布と回収まで順に説明します。そのうえで、集めた回答をExcelに入力する表の作り方、入力の誤りを防ぐ設定、単純集計とクロス集計の手順まで扱います。紙とWebを併用して入力の手間を減らしたい場合の選択肢の1つとして、Halictにも後半で触れます。
紙のアンケートが今も選ばれる場面
アンケートの多くはWebのフォームに移りましたが、紙のアンケートが向いている場面は今も残っています。
・店頭やイベントの会場で、その場で書いてもらいたいとき
・研修やセミナーの終了直後に、参加者全員から回収したいとき
・スマートフォンの操作に慣れていない方が多いとき
・医療や介護の現場など、端末を持ち込みにくい場所で聞くとき
・会場のインターネットの環境が不安定なとき
紙のアンケートの強みは、回答する側に特別な準備が要らないことです。ペンさえあれば、誰でもその場で回答できます。会場で配って会場で回収すれば、回答の数も読みやすくなります。
一方で弱みは、集めたあとの手間です。Webのフォームなら回答は自動で一覧になりますが、紙の場合は1枚ずつ読み取って入力し直す必要があります。100枚を超えると入力だけで数時間かかり、読み間違いや打ち間違いも起こります。紙のアンケートを作るときは、最初から入力と集計のしやすさを考えて設計することが、いちばんの近道になります。
アンケートの作り方を解説している記事でも、手軽さと一工夫の大切さが挙げられています。
アンケートは様々な場面で手軽に情報を集められるリサーチ手法です。Wordを使って簡単に作成できますが、一工夫加えるだけで使い勝手のよいアンケート用紙になります。 出典: ninout.ai
作り始める前に決める3つのこと
いきなり質問を書き始めると、聞きたいことが次々に増えて、まとまりのないアンケートになります。用紙を作る前に、次の3つを決めておきます。
1. 何を決めるためのアンケートか
アンケートは、何かを決めるための材料を集める道具です。「来年の研修の内容を決める」「店の営業時間を見直すかを決める」のように、結果を使って何を判断するのかを1文で書いてみます。この1文に関係のない質問は、どれほど気になっても入れません。目的が決まると、質問の数は自然と絞られます。
2. 誰に、何人に聞くか
回答してもらう人を決めます。研修の参加者全員なのか、来店したお客様のうち希望者だけなのかで、配り方も回収の仕方も変わります。集めたい人数の目安も決めておくと、印刷する枚数と、入力にかかる時間の見積もりができます。
3. 結果をどう集計するか
紙のアンケートでは、ここがもっとも大切です。「満足と答えた人の割合を出す」「年代ごとに満足度を比べる」のように、最後にどんな表やグラフを作りたいかを先に決めておきます。集計の形が決まっていれば、そのために必要な質問と、選択肢の作り方が決まります。逆に、集計の形を決めずに作ると、集めたあとで「年代を聞いていなかったので比べられない」ということが起こります。
| 決めること | 書き方の例 |
|---|---|
| 目的 | 次回の研修の内容を決める |
| 対象と人数 | 今回の研修の参加者全員、約40人 |
| 集計の形 | 内容ごとの満足度の割合、職種ごとの比較 |
質問と選択肢の作り方
質問の形式は、大きく4つに分けられます。形式によって、回答のしやすさと集計のしやすさが変わります。
| 形式 | 例 | 集計のしやすさ |
|---|---|---|
| 1つだけ選ぶ | 年代を1つ選んでください | とても集計しやすい |
| 当てはまるものをすべて選ぶ | 参加したきっかけをすべて選んでください | 集計しやすいが、入力の列が増える |
| 段階で評価する | 満足度を5段階で選んでください | 集計しやすく、平均も出せる |
| 自由に書く | ご意見をお書きください | 入力と分類に時間がかかる |
紙のアンケートでは、できるだけ選ぶ形式の質問を中心にし、自由に書く質問は最後に1つか2つにとどめるのが基本です。自由に書く欄は、回答する人にとっても負担が大きく、空欄で返ってくることが多くなります。
選択肢を作るときの注意
・選択肢は重ならないようにする。年代なら「20代」「30代」のように区切り、「20〜30歳」「30〜40歳」のように境目が重なる書き方をしない
・漏れがないようにする。どれにも当てはまらない人のために「その他」を用意する
・段階で評価する質問は、段階の数と言葉をそろえる。「とても満足、満足、どちらでもない、不満、とても不満」のように、真ん中を挟んで対になるようにする
・選択肢には番号を振る。入力するときに番号で打てるので、入力が早く、誤りも減る
答えにくい質問を避ける
1つの質問で2つのことを聞くと、答えにくくなります。「講師の説明と資料は分かりやすかったですか」という質問では、説明は分かりやすかったが資料は分かりにくかった人が答えられません。「講師の説明」と「資料」の2つの質問に分けます。
また、「とても好評だった今回の研修について」のように、答えを誘導する書き方も避けます。回答する人が、質問の書き方に引きずられて答えを選んでしまうからです。
質問の並べ方
答えやすい質問から始め、答えにくい質問は後ろに回します。一般的には、次の順に並べると回答しやすくなります。
- 全体の満足度など、すぐに答えられる質問
- 項目ごとの評価
- 今後の希望
- 年代や職種などの回答者の属性
- 自由に書く欄
属性の質問を最初に並べると、「なぜ年齢を聞かれるのか」と身構える人がいます。最後に回すほうが、全体の回答の率が下がりにくくなります。
質問の数の目安
紙のアンケートは、A4の用紙1枚に収まる量が目安です。質問の数でいえば10問前後で、回答にかかる時間は5分以内に収めます。会場で回収する場合は、帰り支度をしながら書く人も多いので、短いほど集まりやすくなります。
場面ごとの質問の例
ここまでの考え方を、よくある3つの場面に当てはめた質問の例を紹介します。そのまま使うのではなく、自分のアンケートの目的に合わせて直す前提で参考にしてください。
研修やセミナーの終了後のアンケート
| 順番 | 質問 | 形式 |
|---|---|---|
| 1 | 本日の研修の全体の満足度を教えてください | 5段階で評価 |
| 2 | 講師の説明の分かりやすさを教えてください | 5段階で評価 |
| 3 | 配布した資料の分かりやすさを教えてください | 5段階で評価 |
| 4 | 研修の時間の長さはいかがでしたか | 短い、ちょうどよい、長い |
| 5 | 今後受けたい研修の内容を選んでください | すべて選ぶ |
| 6 | 職種を選んでください | 1つだけ選ぶ |
| 7 | ご意見やご感想をお書きください | 自由に書く |
研修のアンケートでは、内容と講師と資料を分けて聞くのがポイントです。全体の満足度だけでは、次に何を直せばよいかが分かりません。
店舗のお客様アンケート
| 順番 | 質問 | 形式 |
|---|---|---|
| 1 | 本日のご来店の満足度を教えてください | 5段階で評価 |
| 2 | 来店のきっかけを選んでください | すべて選ぶ |
| 3 | 来店の頻度を選んでください | 1つだけ選ぶ |
| 4 | 品ぞろえ、接客、店内の清潔さをそれぞれ評価してください | 表の形で5段階 |
| 5 | 年代を選んでください | 1つだけ選ぶ |
| 6 | お気づきの点をお書きください | 自由に書く |
店舗のアンケートは、レジの横やテーブルで書いてもらうことが多いので、さらに短くします。質問は6問程度にとどめ、1分から2分で書き終えられる量にします。
地域や団体の活動のアンケート
自治会やサークル、PTAなどの活動のアンケートでは、行事への参加の意向や、活動の日時の希望を聞くことが多くなります。「参加できる曜日と時間帯をすべて選んでください」のように、選択肢を表の形にして、曜日と時間帯の組み合わせに印を付けてもらうと、集計のときに希望の多い枠がすぐに分かります。年代の幅が広い団体では、文字を大きくし、質問を少なくすることを特に心がけます。
用紙のレイアウトとデザインのコツ
同じ質問でも、用紙のレイアウトによって答えやすさは大きく変わります。デザインの仕事の視点から、紙のアンケートで気をつけたい点を整理します。
文字の大きさと余白
本文の文字は小さくしすぎないことが大切です。高齢の方にも答えてもらう場合は、ふだんの資料より一回り大きくします。行と行の間、質問と質問の間には十分な余白を取り、1つの質問がどこからどこまでかが一目で分かるようにします。詰め込んでA4の1枚に収めるより、文字と余白を確保して両面に分けるほうが、回答の誤りは減ります。
選択肢の印と並べ方
選択肢の前には、四角の枠や番号を付け、どこに印を付ければよいかが分かるようにします。「当てはまるものに丸を付けてください」「1つだけ選んでください」のように、答え方を質問ごとに書いておくと、1つだけ選ぶ質問で2つに丸を付けるといった回答の誤りが減ります。
選択肢は、横に並べるより縦に並べたほうが、どの枠がどの選択肢のものかが分かりやすくなります。段階で評価する質問をいくつも並べる場合は、表の形にまとめ、左に項目、上に段階を並べると、紙の面積を節約できます。
自由に書く欄の大きさ
自由に書く欄は、書いてほしい量に合わせて大きさを決めます。欄が小さいと一言しか書かれず、大きすぎると空欄が目立って書きにくく感じさせます。罫線を引いておくと、文字の大きさがそろい、あとで読み取りやすくなります。
冒頭に書くこと
用紙の冒頭には、次の内容を短く書きます。
・アンケートの目的
・回答にかかる時間の目安
・回答が匿名かどうか
・回収の方法と締切
・問い合わせ先
目的と時間が分かると、回答する人は安心して書き始められます。
WordとExcelのどちらで作るか
文章が中心の用紙ならWord、表の形の質問が多い用紙ならExcelが作りやすい傾向があります。どちらで作る場合も、作ったら必ず1枚印刷して、実際にペンで書き込んでみます。画面では整って見えても、印刷すると枠が小さすぎる、文字がかすれる、といったことに気づけます。
配布と回収の段取り
紙のアンケートは、配り方と回収の仕方で集まる数が大きく変わります。
会場で配って会場で回収する
研修やイベントでは、資料と一緒に配り、終わりの時間に記入の時間を数分取ると、回収の率が上がります。回収箱を出口に用意し、名前を書かないアンケートなら、箱に入れるだけで済むようにしておきます。名前のない用紙を手渡しで回収すると、回答者に誰が書いたかが分かるのではという気持ちが生まれ、率直な意見が書かれにくくなります。
郵送やあとから回収する場合
あとから回収する場合は、締切を用紙と案内の両方にはっきり書きます。郵送で返送してもらうなら、返信用の封筒を同封します。締切の数日前に一度お知らせを出すと、回収の率が上がります。
名前や連絡先を書いてもらう場合
名前や連絡先などの個人情報を書いてもらう場合は、何に使うのかを用紙に書いておきます。個人情報の保護に関する法律では、事業者が本人から書面で直接個人情報を集めるときは、あらかじめ本人に利用の目的をはっきり示すことが求められています。条文はe-Govの個人情報の保護に関する法律の第21条で確かめられます。集めた用紙は、鍵のかかる場所で保管し、入力を終えて不要になったら、細かく裁断して処分するなど、扱いの手順を決めておきます。自分の事業がどこまで対象になるかや、具体的な書き方は、事業の内容によって変わるので、個人情報保護委員会の案内や専門家に確かめます。
集めた回答を入力する表の作り方
ここからは、集めた用紙をExcelに入力する手順です。紙のアンケートの苦労の大半はここにあります。入力の表の作り方を最初に決めておくと、入力の時間も誤りも減らせます。
1行に1人、1列に1問
入力の表は、1行に回答者1人、1列に質問1つ、の形にします。
| 用紙の番号 | 問1 満足度 | 問2 資料 | 問3 きっかけ_案内メール | 問3 きっかけ_紹介 | 問4 年代 | 問5 ご意見 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 5 | 1 | 0 | 3 | 時間が短く感じた |
| 2 | 5 | 4 | 0 | 1 | 2 |
ポイントは次のとおりです。
・用紙の右上に通し番号を手で書き、同じ番号を表の最初の列に入れる。入力の誤りに気づいたとき、元の用紙をすぐに探せる
・選択肢は番号で入力する。「とても満足」と文字で打つより早く、表記の揺れも起きない
・当てはまるものをすべて選ぶ質問は、選択肢ごとに列を分け、選んだら1、選んでいなければ0を入れる
・自由に書く欄は、書かれたとおりに入力する。要約は入力のあとで行う
無回答と読み取れない回答の扱い
空欄の質問には、何も入力しないのか、決まった番号(たとえば9)を入れるのかを、入力の前に決めておきます。1つだけ選ぶ質問で2つに丸が付いている場合や、字が読み取れない場合の扱いも、同じように決めておきます。入力する人が複数いる場合、ここが人によって違うと、集計の結果がずれます。
入力の誤りを防ぐ設定
Excelの「データの入力規則」を使うと、セルに入力できる値を制限できます。Microsoftのサポートページでは、ルールを作るセルを選び、「データ」から「データの入力規則」を選んで、「設定」のタブの「入力値の種類」で、整数やリストなどを選ぶ手順が案内されています。詳しくはMicrosoftのデータの入力規則の説明で確かめられます。
たとえば5段階の満足度の列に、1から5の整数だけを入力できるようにしておけば、「55」や「6」のような打ち間違いをその場で防げます。
2人で確かめる
大事な調査では、同じ用紙を2人が別々に入力し、2つの表を見比べて違うところだけ元の用紙で確かめる方法があります。手間は2倍になりますが、入力の誤りをほぼ見つけられます。そこまで手をかけられない場合でも、入力を終えたあとに、10枚に1枚程度を抜き出して元の用紙と見比べるだけで、誤りの傾向に気づけます。
回答を集計する手順
入力が終わったら集計です。まずは単純集計、次にクロス集計の順に進めます。
単純集計
単純集計とは、質問ごとに、それぞれの選択肢を選んだ人数と割合を出すことです。アンケートの集計方法を解説した記事でも、最初に行う集計として紹介されています。
単純集計とは、一つひとつの設問における回答者数や割合、平均値などを算出する方法です。たとえば「満足」と回答した人が全体母数100人に対して50人いた場合、50%の満足度となります。 出典: ninout.ai
Excelでは、COUNTIF関数を使うと、条件に合うセルの数を数えられます。たとえば満足度の列がB2からB41までなら、「=COUNTIF(B2:B41,5)」で5を選んだ人の数が出ます。これを1から5まで並べ、回答者の合計で割ると割合になります。割合を出すときは、無回答の人を分母に含めるかどうかを決め、集計の表に書き添えておきます。
平均値を出すときの注意
5段階で評価する質問では、選択肢の番号の平均を出すと、項目どうしを1つの数字で比べられます。Excelでは「=AVERAGE(B2:B41)」のように範囲を指定して出せます。ただし、平均だけを見ると、評価が真ん中に集まっているのか、高い人と低い人に分かれているのかが分かりません。平均が3.0でも、全員が3を選んだ場合と、半分が1、半分が5を選んだ場合では、意味がまったく違います。平均を報告するときは、段階ごとの人数の内訳も一緒に示します。
また、無回答を0や9のような番号で入力していると、その番号まで平均の計算に入り、結果がずれます。無回答を空欄のままにしておけば、AVERAGE関数は空欄を計算に含めません。入力のルールを決める段階で、集計の方法まで考えておく理由はここにあります。
クロス集計
クロス集計とは、2つの質問を組み合わせて比べる集計です。「年代ごとの満足度」「職種ごとの今後の希望」のように、属性ごとの違いを見るときに使います。Excelのピボットテーブルを使うと、行に年代、列に満足度を並べた表を、関数を書かずに作れます。
クロス集計では、1つのマスの人数が少なくなりすぎないかに注意します。40人のアンケートを年代と職種で細かく分けると、1つのマスが1人か2人になり、割合の差に意味がなくなります。人数が少ない場合は、年代を「40代以下」「50代以上」のように大きくまとめてから比べます。
自由記述の整理
自由に書かれた意見は、読みながら「時間」「内容」「会場」のように話題ごとの分類を作り、1件ずつ分類を付けていきます。分類ごとの件数を数えると、どの話題への意見が多いかが分かります。件数だけでなく、具体的な意見をいくつか原文のまま報告に入れると、数字だけでは伝わらない温度が伝わります。
集計結果を報告にまとめる
集計が終わったら、結果を報告の形にまとめます。アンケートの目的は何かを決めるための材料を集めることなので、報告は「何が分かったか」と「何を決めるとよいか」が伝わる形にします。
質問の形式に合ったグラフを選ぶ
| 質問の形式 | 向いているグラフ |
|---|---|
| 1つだけ選ぶ | 割合を示す帯グラフ、または円グラフ |
| すべて選ぶ | 選んだ人数の多い順に並べた横棒グラフ |
| 段階で評価する | 段階ごとの割合を1本の帯で示す帯グラフ |
| 年代ごとの比較 | 年代ごとに帯を並べた帯グラフ |
すべて選ぶ質問は、合計が100%にならないので、円グラフには向きません。選んだ人の数か、回答者に対する割合を横棒で示します。段階で評価する質問をいくつも並べる場合は、帯グラフを縦に並べると、どの項目の評価が高く、どの項目が低いかを一目で比べられます。
報告の構成
報告は、次の順にまとめると読む人に伝わりやすくなります。
- 調査の概要(目的、対象、実施した日、回収した数)
- 結果の要点(3つ程度に絞って先に書く)
- 質問ごとの結果(グラフと短い説明)
- 自由記述の主な意見(分類ごとの件数と代表的な意見)
- 結果から考えられること、次に決めること
回収した数は必ず書きます。配った数と回収した数の両方を書いておくと、結果をどこまで信頼してよいかの目安になります。
数字の書き方の注意
割合は、何人のうちの何人かと一緒に書くと誤解が減ります。「満足が75%」だけでなく、「回答者40人のうち30人(75%)」と書きます。人数が少ないアンケートで割合だけを大きく見せると、読む人が結果を過大に受け止めることがあります。
印刷と当日の準備のチェックリスト
用紙ができたら、印刷と当日の準備に移ります。次の点を確かめておくと、当日に慌てずに済みます。
・試しに1枚印刷して、実際にペンで書き込んでみたか
・質問の番号と選択肢の番号に、抜けや重なりがないか
・回答者の人数より1割ほど多めに印刷したか
・書くためのペンと、机がない場所なら下敷きを用意したか
・回収箱と、締切を知らせる掲示を用意したか
・用紙の通し番号を、回収した後に書くか、印刷の時点で入れるかを決めたか
両面に印刷する場合は、裏面にも質問があることを表面の最後に書いておきます。裏面に気づかれず、半分だけ回答された用紙が返ってくることがよくあります。
回収の率を上げる工夫
回収の率を上げるには、回答する人にとっての手間を減らすことがいちばん効きます。会場では記入の時間をプログラムの中に組み込み、「最後に3分ほどアンケートの時間を取ります」と最初に伝えておきます。結果をどう使うかを伝えることも効果があります。「いただいた意見は次回の内容に反映します」と書いておくと、意見を書く意味が伝わり、自由に書く欄の記入も増えます。
紙とWebを併用して入力の手間を減らす
毎回のように紙のアンケートを集めている場合は、紙とWebのフォームを併用すると、入力の手間を大きく減らせます。用紙にWebのフォームの案内を印刷しておき、スマートフォンで答えられる人にはWebで、そうでない人には紙で答えてもらう形です。Webで届いた回答は最初から一覧になるので、入力が要るのは紙で届いた分だけになります。
このときに大切なのは、紙とWebで質問と選択肢の文面と順番を完全にそろえることです。少しでも違うと、2つの回答を合わせて集計できなくなります。選択肢の番号も同じにしておくと、紙の回答を入力するときに、Webの回答の一覧と同じ形で入力できます。
Webのフォームの選択肢の1つが、フォームのサービスのHalictです。公式サイトによると、Halictでは、回答者に見えるのは目の前の1問だけという1画面1問の表示になっていて、進み具合の表示とともに順に答えていけます。テキスト、選択肢、評価、日付、メールなど12種類の項目があり、作りたいフォームをひと言で伝えると、AIが質問と選択肢、必須の設定まで組み立てます。紙の用紙と同じ質問を持たせたフォームを作り、用紙にはそのフォームの案内を載せる、という使い方ができます。
集まった回答は一覧で確認でき、CSVで書き出して、紙の回答を入力した表と合わせて集計に使えます。料金ページでは、フリープランはメンバー1人までで、フォームの数と回答の数は無制限と案内されています。1人で担当するアンケートなら、費用をかけずに試せます。届いた回答の1件ごとに担当と状況を残し、同じ画面から返信まで送れるので、アンケートに問い合わせが書き込まれていたときの対応にも使えます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
紙のアンケートでよくある失敗と直し方
紙のアンケートでは、作った段階では気づかず、集めたあとで困る失敗がいくつかあります。代表的なものと、次回に向けた直し方を整理します。
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 選択肢に番号がない | 入力のときに文字で打つことになり、時間がかかる | 選択肢に番号を振り、入力は番号で行う |
| 年代の選択肢の境目が重なる | 30歳の人がどちらを選んだか分からない | 「20代」「30代」のように区切る |
| 「1つだけ」と書いていない | 2つ以上に丸が付いた回答が増える | 答え方を質問ごとに書く |
| 自由に書く質問が多い | 空欄が増え、入力に時間がかかる | 最後に1つか2つにまとめる |
| 集計の形を決めずに作った | 比べたい属性を聞いていなかった | 作る前に集計の表を書いてみる |
| 裏面の存在に気づかれない | 半分だけ回答された用紙が返ってくる | 表面の最後に「裏面に続きます」と書く |
失敗に気づいたら、次回の用紙を作るときのために、直した点を記録しておきます。同じアンケートを毎年行う場合は、前年の用紙と記録を一緒に保管しておくと、担当者が替わっても同じ失敗を繰り返さずに済みます。
紙からWebに移すかの判断の目安
毎回のように入力に時間がかかっているなら、Webのフォームへの切り替えを検討する時期です。次のどれかに当てはまるなら、少なくとも紙とWebの併用を考える価値があります。
・1回のアンケートで集める用紙が100枚を超える
・同じアンケートを毎月のように繰り返している
・回答者の多くがスマートフォンを日常的に使っている
・入力を外部に頼む費用や、社内で入力にかける時間が負担になっている
反対に、回答者の多くがスマートフォンに慣れていない、会場でその場で回収したい、といった場合は、紙のほうが確実です。どちらか一方に決めるのではなく、回答する人に合わせて選べるようにするのが、回答の数を減らさない方法です。
現場の調査の仕事で見てきたこと
フリーランスや在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、アンケートの集計や入力は、外部に頼まれることの多い仕事の1つです。紙の束を受け取って入力し、集計表とグラフにまとめる仕事は、作業の手順がはっきりしていて、在宅でも進めやすいからです。そうした仕事で信頼される人は、入力を始める前に「無回答はどう扱いますか」「2つに丸が付いていたらどうしますか」と、発注する側に確認しています。
医療や介護の現場でも、利用者の満足度の調査は紙で行われることが多い分野です。訪問看護ステーションの開業手順2026|必要資格・設備基準・開業資金では、開業の準備の流れを整理しています。紙の記録をデジタルに移す取り組みについては、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で、補助金を使った進め方を紹介しています。
運営者として見てきた限りでは、仲介の手数料がかからない直接の取引は、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、発注する側もその分だけ多くの作業を頼めるという、双方にとって得のある形になりやすいものです。アンケートの入力や集計の仕事も、用紙の扱いや無回答のルールを当事者どうしで直接すり合わせられることで、仕上がりの質が上がります。
調査の設計そのものを専門にする仕事もあります。研究者の年収・単価相場では、調査や分析を仕事にする人の単価の幅を紹介しています。用紙のデザインを任される場合は、デザイナーの年収・単価相場も参考になります。
よくある質問
Q. 紙のアンケートの質問は何問くらいが適当ですか?
A4の用紙1枚に収まる10問前後、回答にかかる時間が5分以内に収まる量が目安です。会場で回収する場合は、帰り支度をしながら書く人も多いので、短いほど集まりやすくなります。質問を増やしたくなったら、アンケートの目的に照らして、結果を何かの判断に使う質問だけを残します。
Q. 紙のアンケートの回答をExcelに入力するときのコツは?
1行に回答者1人、1列に質問1つの表にし、選択肢は番号で入力します。用紙に通し番号を書いて表の最初の列にも入れておくと、誤りに気づいたときに元の用紙をすぐに探せます。データの入力規則で入力できる値を制限しておくと、打ち間違いをその場で防げます。
Q. 無回答や2つに丸が付いた回答はどう扱えばよいですか?
入力を始める前にルールを決めておくのが大切です。無回答は空欄のままにするか決まった番号を入れる、1つだけ選ぶ質問で2つに丸がある場合は無効として扱う、などです。入力する人が複数いる場合は、ルールを紙に書いて共有しないと、人によって扱いが変わり、集計の結果がずれます。
Q. 紙とWebのアンケートを一緒に集計できますか?
質問と選択肢の文面、順番、選択肢の番号を完全にそろえておけば、一緒に集計できます。Webのフォームの回答をCSVで書き出し、紙の回答を同じ形の表に入力して合わせます。少しでも文面が違うと、2つの回答を同じ質問として扱えなくなるので、紙の用紙を作った段階でWebのフォームも同時に作るのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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