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証券口座の乗っ取り対策|手口と補償、各社の多要素認証で今すぐ設定すること 2026

@SOHO編集部
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証券口座の乗っ取り対策|手口と補償、各社の多要素認証で今すぐ設定すること 2026

この記事のポイント

  • ✓証券口座の乗っ取り対策を
  • ✓金融庁と日本証券業協会の注意喚起
  • ✓楽天証券・野村證券・SBI証券の公式の発表で確かめて解説します

証券口座の乗っ取り対策で、いちばん効くのは「パスキー」によるログインに切り替えることと、メールやSMSのリンクから証券会社にログインしないことの2つです。 2026年11月1日時点で、金融庁と日本証券業協会はどちらも、この2点を投資家へのお願いとして掲げています。 パスキーとは、スマートフォンやパソコンの指紋・顔・画面ロックを使ってログインする方法で、偽サイトにパスワードを入力させる手口が通じにくい仕組みです。

この記事では、金融庁、日本証券業協会、楽天証券、野村證券、SBI証券の公式の発表を開いて確かめた内容をもとに、次の順番で説明します。

  1. 乗っ取りがどれくらい起きているか(金融庁の集計)
  2. 乗っ取りの主な手口と、ワンタイムパスワードだけでは防げない理由
  3. 今すぐ設定すること(パスキー、通知、出金先、Google・Appleのアカウント)
  4. 被害に気づいたときの連絡先と手順
  5. 補償の方針の読み方(各社の公式の発表の範囲で)

補償については、各社が方針を公表していますが、受けられるかどうかや金額は、口座ごとの事情を各社が確かめて決めると書かれています。 この記事で「補償される」と言い切ることはできないので、公式の文面をそのまま紹介する形にしています。

証券口座の乗っ取りはどれくらい起きているか

金融庁は「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」というページで、各証券会社から報告を受けた被害の件数と金額を公表しています。 このページは2025年4月3日に掲載され、2026年10月9日に更新されています。 ページの冒頭には、偽の証券会社サイトなどで盗まれたログインIDやパスワードを使った不正アクセスと、第三者による取引の被害に注意するよう書かれています。

金融庁がインターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引の被害状況として公表している数字から、主な月を抜き出すと次のとおりです。

月 不正取引が発生した証券会社等の数 不正アクセス件数 不正取引件数 売却金額
2025年1月 2社 144件 69件 約2億円
2025年4月 10社 5,490件 3,033件 約1,625億円
2025年10月 8社 778件 377件 約111億円
2026年3月 8社 158件 121件 約159億円
2026年9月 2社 37件 2件 約2億円
合計(2025年1月から2026年9月) なし 19,252件 10,642件 約4,372億円

数字の読み方には注意が要ります。 金融庁の注記によると、これは発生日ベースの暫定値で、まだ判明していない不正アクセスがある可能性があります。 また、売却金額と買付金額は不正取引の売買の総額で、利用者が実際に失った金額とは一致しないと書かれています。

不正取引の中身についても、金融庁は説明しています。 多くの場合、乗っ取った人が口座の株式などを勝手に売り、その代金で国内外の小型株などを買い付けるというものです。 その結果、被害にあった口座には、本人が選んでいない小型株が残ります。 小型株とは、発行している株の総額が小さく、少ない売買で値段が大きく動きやすい株のことです。

表を見ると、2025年4月をピークに件数は減っています。 ただ、2026年に入ってからも毎月100件前後の不正取引が報告されている月があり、ゼロにはなっていません。 金融庁は、ログインIDやパスワードが盗まれる被害はどの証券会社でも起こりうるとして、ネットで取引するすべての人に対策を求めています。 自分の証券会社で大きなニュースが出ていないから大丈夫、とは考えないほうが安全です。

乗っ取りの主な手口|リアルタイムフィッシングとアカウントの悪用

日本証券業協会は「不正アクセス等にご注意ください!」というページで、いま被害が広がっている手口を「リアルタイムフィッシング」と呼んで説明しています。 フィッシングとは、本物の会社を装ったメールやSMSで偽のサイトに誘い、IDやパスワードを入力させて盗む手口のことです。

現在、攻撃者がインターネット取引サービス利用者を証券会社の偽サイトへ誘導し、利用者が偽サイトにID・パスワードを入力すると、さらに偽のワンタイムパスワード入力画面へ誘導し、ワンタイムパスワードが入力されると直ちにこれを悪用して、証券会社の公式サイトからアカウント(証券口座)の乗っ取りを行う「リアルタイムフィッシング」と呼ばれる手口による不正アクセスの被害が拡大しています。 出典: 日本証券業協会「不正アクセス等にご注意ください!」

楽天証券も2025年10月10日の「リアルタイムフィッシング詐欺にご注意ください」で、同じ手口を段階ごとに説明しています。 公式の説明を要約すると、流れは次のとおりです。

  1. 証券会社からのメールやSMSを装って、偽のサイトに誘う
  2. 偽のサイトでログインIDとパスワードを入力させる
  3. 攻撃者がその情報で本物のサイトにログインし、本物のサイトが求める追加の認証を、偽のサイトでも同じように入力させる
  4. 続けて、取引に使う暗証番号の入力を求める
  5. 住所、氏名、生年月日、電話番号などの個人情報の入力を求めることもある

楽天証券は、本物のサイトではログイン直後に取引暗証番号を求めることはなく、ログイン直後に個人情報の入力を求めることもないと書いています。 ログインした直後に暗証番号や個人情報を聞かれたら、その時点で手を止める目安になります。

もう1つ、2026年10月から各社が注意を呼びかけているのが、GoogleアカウントやAppleアカウントを経由した被害です。 楽天証券は2026年10月14日のお知らせで、他社において、GoogleアカウントやAppleアカウントのログイン情報が第三者に取られ、証券口座への不正ログイン・不正取引が行われた疑いのある事案が確認されていると書いています。 これらのアカウントには、クラウド上にパスキーやパスワードが保存されていることがあり、流出すると悪用されるおそれがあるという説明です。 つまり、証券会社の偽サイトに何も入力していなくても、スマートフォンのアカウントが乗っ取られると、証券口座まで被害が及ぶ可能性があります。 SBI証券が同じ時期に出した注意喚起と、GoogleとAppleのアカウントを守る手順は、SBI証券のパスキーと不正ログインで詳しく説明しています。

このほか、日本証券業協会は、マルウェア(パソコンやスマートフォンの情報を盗むウイルスなど)による情報の盗み取りにも注意を呼びかけています。 同じページには、ブラウザで普段しないキーボード操作(特に「Ctrl+V」などのショートカット)を求められても実行しないように、という具体的な注意も書かれています。

ワンタイムパスワードだけでは防げない理由と、パスキーが強い理由

これまでの多要素認証は、パスワードに加えて、メールやSMSで届くワンタイムパスワード(1回だけ使える確認用の数字)を入力する形が中心でした。 多要素認証とは、パスワードのような「知っているもの」に、スマートフォンのような「持っているもの」や指紋のような「本人の体の特徴」を組み合わせて本人を確かめる仕組みのことです。

ところが、リアルタイムフィッシングでは、利用者が偽のサイトにワンタイムパスワードを入力した瞬間に、攻撃者がそれを本物のサイトで使います。 ワンタイムパスワードは数十秒から数分で使えなくなりますが、その間に使われてしまえば守りになりません。 利用者が自分で数字を入力する方式である限り、偽のサイトに入力させられる余地が残ります。

パスキーは、この弱点をふさぐ仕組みです。 日本証券業協会は、パスキーによる認証を「公開鍵暗号方式を活用したフィッシングに耐性のあるオンライン認証方式」と説明しています。 公開鍵暗号方式とは、端末の中だけにある秘密の鍵と、サービス側に預ける公開の鍵を組にして本人を確かめる方法のことで、秘密の鍵そのものはサービスにも送られません。 パスキーは登録したサイトのアドレスと結び付いているため、見た目がそっくりな偽のサイトでは、そもそも使えない作りになっています。 楽天証券は、指紋や顔などの生体情報は端末に保存され、楽天証券には提供されず、保存もされないと説明しています。

金融庁、日本証券業協会、警察庁は、こうしたフィッシングに強い認証の提供と必須化を、ネット取引を扱うすべての証券会社に求めてきました。 金融庁は2026年4月16日に、銀行・信用金庫・証券会社などと警察庁が連携した広報として「フィッシング耐性のある多要素認証等に係る官民一体・業界横断的な広報について」を公表し、チラシと動画を用意しています。 パスキーの仕組みそのものを詳しく知りたい人は、パスキーとはで、iPhone・Android・Windowsでの設定と合わせて説明しています。

ただし、パスキーにも守るべき点があります。 日本証券業協会は、クラウド上にパスキーを保存する場合、AppleアカウントやGoogleアカウントにも多要素認証を設定するなど、厳重に管理するよう書いています。 パスキーに切り替えたら終わりではなく、パスキーを保存しているアカウントまで守って、はじめて効果が出ます。

今すぐ設定すること|5つの対策を順番に

金融庁の注意喚起と日本証券業協会のお願いを、利用者がする作業に並べ直すと、次の5つになります。 上から順に進めると、手間の少ないものから守りが固まっていきます。

  1. 証券会社の公式サイトをブックマークし、公式アプリと合わせて、ログインは必ずそこから行う
  2. 証券会社がパスキーを提供しているなら、公式サイトか公式アプリから登録する
  3. パスキーを保存しているGoogleアカウントやAppleアカウントに、2段階認証を設定する
  4. ログインや出金のメール通知を有効にし、ログイン履歴を定期的に見る
  5. パスワードを他のサービスと使い回さず、長く推測されにくいものにする

1つ目は、今日すぐにできて効果が大きい対策です。 金融庁は、見覚えのある送信者からのメールやSMSであっても、メッセージにあるリンクを開かないよう求めています。 事前に正しいURLをブックマークしておき、そこから開く習慣にすれば、偽のサイトに入る入口そのものがなくなります。

2つ目のパスキーは、各社で呼び名や画面が少しずつ違います。 日本証券業協会は、パスキーを登録するときを狙ったフィッシングも心配されるとして、登録は証券会社の公式サイトか公式アプリから行うよう求めています。 「パスキーの登録はこちら」とリンクが書かれたメールが届いても、そのリンクは使わず、ブックマークから公式サイトを開いて登録してください。

3つ目は、2026年10月に注意喚起が出た手口への備えです。 楽天証券は、GoogleアカウントやAppleアカウントに2段階認証を設定すること、そして登録されている端末を定期的に確かめ、使っていない端末や見覚えのない端末があれば削除することを求めています。 GoogleアカウントとAppleアカウントの具体的な画面の操作は、先に紹介したSBI証券の記事で順番に説明しています。

4つ目と5つ目は、パスキーが使えない場面の備えでもあります。 金融庁は、やむを得ずパスワードを使う場合には使い回しをせず、できる限り長くし、推測しやすい単純なものを使わないよう求めています。 パソコンやスマートフォンのOS(基本ソフト)とセキュリティ対策ソフトを最新にしておくことも、マルウェアへの対策として挙げられています。

主な証券会社の多要素認証とパスキーの必須化の状況

各社の公式の発表で確かめた、2026年11月1日時点の状況をまとめます。 必須化の時期や対象は会社ごとに違い、同じ会社でも利用者ごとに案内の時期が異なる場合があります。

証券会社 公式の発表で確かめた内容 発表の日付
楽天証券 ログイン追加認証(多要素認証)を全チャネルで必須化。2026年6月以降、ログイン時のパスキー認証を順次必須化し、時期は個別に案内 2025年6月1日更新、2026年5月29日
野村證券 2026年6月27日6時以降、オンラインで取引・出金する場合はログイン時にパスキーが必須。照会だけなら「照会メニュー」を利用できる 2026年5月13日(8月31日更新)
SBI証券 多要素認証を2025年5月31日に必須化し、2025年10月25日にパスキー認証(FIDO2)を導入。パスキー認証の案内ページには「6/30よりパスキー認証の設定を原則必須化いたしました」と記載 2025年10月26日(11月20日更新)、パスキー認証の案内

楽天証券は、2026年5月29日のお知らせ「6月より順次ご案内、ログイン時の『パスキー認証』を段階的に必須化します」で、2026年5月31日からスマートフォンなしでもパソコンにパスキーを直接保存できるようにしたと案内しています。 パスキーは1口座あたり10個まで作成できると書かれています。 詳しい手順は楽天証券の公式のパスキー認証(FIDO2)操作ガイドにあります。

野村證券は、ログイン・取引・出金時にパスキー認証を必須化いたしましたというお知らせで、日本証券業協会のガイドラインと監督指針に沿ってセキュリティを強化したと説明しています。 パスキーを登録しない人は、預かり資産や取引明細などを見るだけの「照会メニュー」をパスワードで使えますが、取引と出金はできません。 パスキーの登録はNOMURAアプリだけでなくパソコンでもできると書かれています。

SBI証券の手順と、Google・Appleのアカウントを含めた守り方は、先に紹介したSBI証券のパスキーと不正ログインにまとめています。 ほかの証券会社を使っている人は、その会社の公式サイトの「セキュリティ」や「お知らせ」のページで、パスキーの提供状況と必須化の時期を確かめてください。 日本証券業協会は、各社の公式サイトや公式アプリのお知らせをよく確認するよう求め、お知らせを装ったメールやSMSにも注意するよう書いています。

通知・ログイン履歴・出金先の設定で早く気づく

パスキーで入口を固めたうえで、万一のときに早く気づける設定もしておきます。 被害は気づくのが早いほど、止められる範囲が広がります。

楽天証券の「不正ログイン・不正出金を防止する当社の取り組みについて」には、利用者ができることとして次の項目が並んでいます。

  1. ログイン後の画面に表示される前回ログイン日時を見る。リンクを押すと「ログイン履歴」画面で、日時とログインに使った経路を確かめられる
  2. 「口座管理」から「口座明細(精算履歴)」を開き、身に覚えのない出金や取引がないか確かめる
  3. 出金先の口座は、あらかじめ登録した本人名義の金融機関の口座に限られる。カスタマーサポートセンターに連絡すると、出金先口座の変更機能を停止(ロック)できる

野村證券の「野村證券の安心セキュリティ対策」のページには、次の機能が案内されています。

  1. ログイン、出金、取引・手続きの完了時などにメールで知らせる「メール通知サービス」。オンラインサービスにログインし、「口座情報/手続き」から「メールアドレス登録/変更」、「メール通知サービス登録状況」の順に進んで設定する
  2. NOMURAアプリを含む過去のログイン履歴の確認
  3. ログイン後のトップページに表示される前回ログイン日時の確認
  4. 不審なアクセスを検知したときに連絡するための、登録電話番号の確認と最新化

通知のメールが届くようにしておくと、自分がログインしていない時間の通知で異変に気づけます。 ただし、通知を装った偽メールもあるため、通知を見て不安になったときも、メールのリンクではなくブックマークか公式アプリから口座を開いて確かめてください。 身に覚えのないログインの通知を受け取ったときの考え方は、不正ログインの通知が来たらでも説明しています。

ログイン履歴は、見る頻度を決めておくと続きます。 たとえば給料日や積立の引き落とし日など、毎月必ず口座を開く日に合わせて履歴と明細を見るようにすると、見落としが減ります。

偽のメール・SMSを見分ける手がかり

証券会社を装うメールやSMSは、本物とほとんど同じ見た目で届きます。 見た目で判断するより、各社が公式に案内している「本物の特徴」と「本物はしないこと」を知っておくほうが確実です。

公式の案内で確かめられたものを並べます。

会社 公式の案内の内容
楽天証券 セキュリティ関連のメールにURLなどのリンクをつけていない。正しいURLは「https://www.rakuten-sec.co.jp/」から始まる。メールやSMSでパスワードの入力を求めたり、個人情報を直接聞いたりすることはない
野村證券 対応するメールソフトでは、「@nomura.co.jp」「@nomura.com」のドメインからのメールに順次NOMURAのロゴを表示(BIMI)。SMSは審査済みの番号「0005-860400」または「0005-008604」から送る。メールで取引パスワードを求めることはない

BIMIとは、正しい送信者だと確かめられたメールに、その会社のロゴを表示する仕組みのことです。 野村證券は、使っているメールソフトがBIMIに対応していない場合はロゴが表示されないとも書いています。 ロゴがないから偽物、とは言い切れない点に注意してください。

楽天証券は、「セキュリティ向上のため、パスキーを再登録してください」といったSMSやメールは詐欺である可能性が高いと書いています。 また、身に覚えのない認証の承認の求めには反応しないよう呼びかけています。 パスキーへの切り替えが進む時期は、パスキーの話題を口実にした偽の案内が増えやすい時期でもあります。

どの会社でも共通して使える判断の順番は、次のとおりです。

  1. メールやSMSのリンクは押さない
  2. 内容が気になったら、ブックマークか公式アプリから口座を開き、お知らせ欄を見る
  3. お知らせ欄に同じ内容がなければ、証券会社の窓口に確かめる

メールの見分け方全般はフィッシング詐欺メールの見分け方で、送信元やリンクの確かめ方を詳しく説明しています。

被害に気づいたとき・情報を入力してしまったときの手順

偽のサイトにIDやパスワードを入力してしまった、身に覚えのない取引や出金がある、という場合は、次の順番で動きます。

  1. 証券会社の窓口に連絡する。電話番号は、メールやSMSに書かれたものではなく、公式サイトで確かめる
  2. ログインパスワードと取引暗証番号を変更する。証券会社が用意している取引やサービスの一時的な利用停止の手続きも使う
  3. 同じパスワードを使っていた他のサービスのパスワードも変える
  4. 警察に相談する。警察相談専用電話「#9110」は、かけた場所を管轄する都道府県警察の相談窓口につながる
  5. 金融庁の「金融サービス利用者相談室」にも相談できる。電話は0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)、受付は平日10時から17時

楽天証券は、ログインID、パスワード、取引暗証番号を入力してしまった場合は、すみやかに取引やサービスの一時的な利用停止を行い、パスワードと取引暗証番号を変更するよう案内しています。 野村證券は、不審なサイトに重要な情報を入力してしまった場合などの窓口として「フィッシング詐欺 相談窓口」0120-56-8604(平日9時から17時)を案内しています。 土日の9時から17時は総合ダイヤル(0570-077-000)につながると書かれています(祝日・年末年始を除く)。

警察の窓口については、警察庁のフィッシング対策のページで、被害にあった場合は最寄りの警察署か、サイバー事案に関する通報のオンライン受付窓口に通報・相談するよう案内しています。 #9110はダイヤル回線と一部のIP電話では使えないため、その場合は警察庁の警察相談専用電話の案内にある各都道府県警察の番号にかけます。

連絡の前に、手元に次のものをそろえておくと話が早く進みます。

  1. 届いたメールやSMSの画面(スクリーンショット)
  2. 入力してしまった情報の種類と、入力した日時
  3. 身に覚えのない取引や出金の日時と銘柄
  4. 証券会社の口座番号(ログインIDやパスワードは伝えない)

日本証券業協会も、身に覚えのないログイン、取引、出金があった場合は、すみやかに証券会社の窓口に確認し、警察に相談するよう求めています。 証券口座以外のアカウントも乗っ取られている疑いがあるときは、メールアドレスやスマートフォンのアカウントから順にパスワードを変え、ログイン中の端末を見直してください。

補償の方針はどうなっているか|公式の発表の範囲で

補償は、利用者にとって最も気になる点です。 ここでは、公式に発表されている方針をそのまま紹介します。 どの会社も、補償の有無や金額は個別の事情を確かめて決めるとしており、この記事で受けられるかどうかを判断することはできません。

日本証券業協会は、大手証券やネット証券の10社と協議し、各社の約款などの定めにかかわらず一定の被害補償を行う方針とすることを申し合わせたと公表しています。 SBI証券の案内によると、この申し合わせが公表されたのは2025年5月2日で、補償は被害の状況、利用者のIDやパスワードの管理の状況、証券会社の注意喚起などの対策を考えたうえで、個別の事情に応じて対応するとされています。 約款とは、口座を開くときに利用者と証券会社が結ぶ取引のルールのことです。 多くの約款では、本人のIDとパスワードで行われた取引は本人の取引として扱うと定められていますが、今回の被害ではそれとは別に補償の方針が示されました。

楽天証券は、フィッシング詐欺等による不正アクセス被害に関する補償方針について(2025年7月25日、2026年2月18日更新)で、次のように公表しています。

項目 楽天証券の公式の発表の内容
被害額に対する補償 被害額の50%を基本として金銭で補償。取引発生時の利用状況などを個別に確かめたうえで最終的な対応を決める
手数料 不正アクセスによる取引で発生した売買手数料を返金
お見舞金 不正アクセスによる買付けまたは売付けの被害にあった人に一律10,000円
被害額の考え方 不正に買い付けられた有価証券の売却による損失額と、保有を続けている場合の評価損失額の合計。もともと持っていた有価証券を不正に売られた分は、被害額の算定の対象外
税金 個人が受け取った補償金は所得税が非課税として扱われ、確定申告は不要(日本証券業協会からの通知として案内)

野村證券は、今般のフィッシング詐欺による不正取引の被害の補償方針について(2025年7月29日)で、2025年1月から、ログイン時と取引時のワンタイムパスワードを必須にした6月28日までに被害にあった口座は、最大で不正取引の前の状態に戻すことを基本とし、個別の事情に応じて対応すると発表しています。 2025年6月29日以降、パスキー認証の導入までに被害にあった口座については、5月2日に知らせた方針で個別に連絡するとしています。 同じ発表には、IDやパスワードの管理の状況などを考えて、補償を減らす場合や補償できない場合もあると書かれています。

SBI証券は不正取引に関する補償対応についてのページで、2025年10月25日にパスキー認証を導入したことなどを踏まえ、2025年10月26日以降に起きた被害については、補償の有無と内容を、利用者ごとのIDやパスワードの管理や、SBI証券が提供するセキュリティ機能の利用状況などに応じて個々に検証して決める方針に改めたと書いています。 同じページには、個人が受け取った補償金は所得税が非課税として扱われ、確定申告は不要とも書かれています。 各社の方針に共通しているのは、利用者がセキュリティ機能を使っていたか、IDやパスワードをどう管理していたかが、補償の判断に関わるという点です。 パスキーの登録や通知の設定は、被害を防ぐだけでなく、万一のときの話し合いの前提にもなります。

楽天証券は、不正取引の補償を装う詐欺の手口も出ていると注意を呼びかけています。 「補償の手続きはこちら」とリンクが書かれたメールやSMS、補償を名目に口座番号やパスワードを聞く電話には応じず、公式サイトで確かめた窓口に自分から連絡してください。

パスキーを使えない・使いにくいときの選択肢

パスキーが必須になると、スマートフォンを持っていない人や、操作に慣れていない家族の口座をどうするかが気になります。 各社の公式の案内には、そうした場合の道も書かれています。

楽天証券は、2026年5月31日から、スマートフォンがなくてもパソコンにパスキーを直接保存できるようにしたと案内しています。 Bluetooth(近くの機器と無線でつなぐ機能)を搭載していないパソコンを使っている人や、スマートフォンを持っていない人でも、パスキーでログインできるようになったという説明です。 Windowsのパソコンで作るときは、パスキーの保存先が「Windowsセキュリティ」になっているかを確かめるよう、操作ガイドに書かれています。

野村證券は、パスキーを登録せず、預かり資産や取引明細、取引残高報告書などを見るだけの人向けに「照会メニュー」を用意しています(Web交付サービスを使っている人に限る)。 パスキーが使えない場合の入金・出金の問い合わせは、取引店に電話するよう案内しています。 取引はしないが残高だけ見たい、という使い方なら、パスキーを登録しない選択もありうるということです。

家族の口座の設定を手伝う場合は、本人の端末で、本人が画面ロックを解除して登録するのが基本です。 楽天証券の説明にあるとおり、パスキーは登録した端末のロック解除の方法(指紋、顔、PINなど)で本人を確かめる仕組みなので、本人がふだん使う端末に登録しておく必要があります。 手伝うときは、ブックマークや公式アプリを本人の端末に用意し、「メールやSMSのリンクからはログインしない」という1点だけを本人と決めておくと、守りが続きやすくなります。

証券口座を選ぶとき・比べるときに見るセキュリティの点

これから証券口座を開く人や、口座を複数持っていて整理を考えている人に向けて、セキュリティの面で比べるときの点をまとめます。 手数料や取り扱う商品だけでなく、次の点を公式サイトで確かめておくと、口座を守りやすくなります。

確かめる点 公式サイトで見る場所の例
パスキーに対応しているか、ログイン・取引・出金のどこで使うか 「セキュリティ」「パスキー」のページ
パソコンとスマートフォンの両方でパスキーを使えるか パスキーの操作ガイド
ログイン・出金の通知を受け取れるか メール通知サービスの案内
ログイン履歴を見られるか セキュリティ対策の案内ページ
出金先の変更をロックできるか 不正出金の防止策の案内
偽メールの見分け方を公式に案内しているか フィッシング詐欺の注意喚起ページ
被害にあったときの専用の窓口があるか お問い合わせのページ

使っていない口座は、それ自体が守るべき入口になります。 長く開いていない口座があるなら、一度ログインして登録メールアドレスや電話番号が今のものか、パスキーの設定が済んでいるかを確かめてください。 使う予定がなければ、証券会社の手続きに沿って解約することも、守る範囲を減らす方法の1つです。

パスキーを使うメリットは、パスワードを覚えなくてよいことと、偽のサイトに入力させられる余地がなくなることです。 一方で、パスキーを保存したスマートフォンをなくしたときや、機種を変えたときの手順を知っておく必要がある、という手間もあります。 楽天証券は、機種変更しても新しい端末でパスキーを作り直せばログインできると案内し、ログインできないときはパスキーを削除せず、一時的に解除したうえで追加・削除するよう書いています。 複数の端末にパスキーを登録しておくと、1台が使えなくなっても他の端末でログインできます。

在宅で働く人が証券口座を守るために整えておくこと

在宅で仕事をしている人は、仕事の連絡と、銀行・証券・決済のアカウントを、同じスマートフォンとメールアドレスで扱っていることが多いはずです。 仕事のメールに混ざって届く偽のお知らせは、忙しい時間ほど開いてしまいやすくなります。 2026年11月1日時点で整えておきたいのは、次の5つです。

  1. 証券会社の公式サイトをブックマークし、ログインはブックマークか公式アプリからだけにする
  2. パスキーを、ふだん使うスマートフォンともう1台の端末に登録する
  3. GoogleアカウントとAppleアカウントに2段階認証を設定し、登録されている端末を見直す
  4. ログインと出金の通知を有効にし、毎月決まった日にログイン履歴と明細を見る
  5. 証券会社の窓口の電話番号を、公式サイトで確かめて連絡先に登録しておく

@SOHOを2004年から運営してきた中で、在宅で働く人にとってアカウントの管理は、取引先との信用にそのままつながるものになってきました。セキュリティに関わる仕事にどのような依頼があるかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。 口座を守る設定は一度済ませれば、あとは月に1回の確認で続けられます。 今日のうちに、ブックマークとパスキーの登録から始めてください。

よくある質問

Q. 証券口座の乗っ取り対策で最初にすることは何ですか?

証券会社の公式サイトをブックマークし、ログインはブックマークか公式アプリからだけにすることです。そのうえで、証券会社がパスキーを提供していれば公式サイトか公式アプリから登録します。金融庁と日本証券業協会は、メールやSMSのリンクからログインしないことと、パスキーなどフィッシングに強い認証への切り替えを求めています。

Q. ワンタイムパスワードを設定していれば安全ですか?

ワンタイムパスワードだけでは防げない手口があります。日本証券業協会は、偽サイトでIDとパスワードに続けてワンタイムパスワードまで入力させ、その場で本物のサイトにログインする「リアルタイムフィッシング」の被害を注意喚起しています。パスキーは登録したサイトでしか使えないため、この手口に強いとされています。

Q. 証券口座を乗っ取られたら補償されますか?

各社が補償の方針を公表していますが、受けられるかどうかや金額は、各社が口座ごとの事情を確かめて決めます。楽天証券は被害額の50%を基本とし、野村證券は時期によって方針を分け、減額や補償できない場合もあると書いています。まず証券会社の窓口に連絡し、個別に確かめてください。

Q. パスキーを再登録してくださいというSMSが届いたらどうすればよいですか?

リンクを開かず、登録の手続きもしないでください。楽天証券は、このようなSMSやメールは詐欺である可能性が高いと注意を呼びかけています。パスキーの登録や確認は、ブックマークした公式サイトか公式アプリから行い、気になる点は公式サイトで確かめた窓口に問い合わせます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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