学校評価アンケートの作り方|保護者と児童に聞く質問例


この記事のポイント
- ✓学校評価アンケートの作り方を
- ✓重点目標から質問を作る手順
- ✓保護者・児童生徒・教職員それぞれに聞く質問例
学校評価アンケートの担当になったものの、何を聞けばよいのか、前年の用紙をそのまま使ってよいのか、結果をどう公表すればよいのかで迷っている先生や事務職員の方は多いはずです。毎年同じ質問を配って集計し、結果を学校だよりに載せて終わり、という流れが続いていると、アンケートが学校の改善にどうつながっているのかが見えにくくなります。
結論から書くと、学校評価アンケートは、その年度の学校の重点目標から逆算して質問を作り、保護者・児童生徒・教職員で同じ項目を聞いて見比べ、結果を「学校の自己評価」として改善策と一緒に返すと、意味のある調査になります。この記事では、学校評価の仕組みとアンケートの位置づけ、質問を作る手順、対象ごとの質問例、選択肢と自由記述の作り方、記名と無記名の考え方、集計と公表の進め方を、文部科学省の学校評価ガイドラインに沿って説明します。アンケートの自由記述に寄せられた個別の要望や相談に、担当を決めて返信まで対応していきたい場面では、受付から対応までを扱うフォームのHalictのような道具を使う方法にも触れます。
学校評価の仕組みとアンケートの位置づけ
学校評価アンケートを作る前に、学校評価そのものの仕組みを押さえておきます。アンケートが学校評価のどこに当たるのかが分かると、何を聞くべきかがはっきりします。
法令で決まっていること
学校評価は、学校教育法施行規則で次のように定められています。条文は小学校についての規定ですが、中学校や高等学校などにも準用されています。
- 学校は、教育活動その他の学校運営の状況について自ら評価を行い、その結果を公表する(第66条)
- 学校は、その評価の結果を踏まえて、保護者その他の学校の関係者による評価を行い、その結果を公表するよう努める(第67条)
- 学校は、評価の結果を設置者(公立なら教育委員会など)に報告する(第68条)
つまり、学校が自ら行う「自己評価」と結果の公表は義務、保護者などによる「学校関係者評価」は努力義務という位置づけです。条文はe-Govの学校教育法施行規則で確かめられます。
3つの評価とアンケートの関係
文部科学省の「学校評価ガイドライン(平成28年改訂)」では、学校評価を3つに分けて説明しています。
| 評価の種類 | 誰が行うか | 位置づけ |
|---|---|---|
| 自己評価 | 校長のもとで全教職員 | 学校評価の最も基本となるもの |
| 学校関係者評価 | 保護者、学校評議員、地域住民などで作る委員会 | 自己評価の結果を評価する。努力義務 |
| 第三者評価 | 学校運営に関する外部の専門家 | 必要と判断した場合に行う。実施の義務はない |
保護者や児童生徒に配るアンケートは、このうちどれに当たるのでしょうか。ガイドラインでは、アンケートは自己評価を行うための材料であり、学校関係者評価とは別のものだと整理されています。
アンケート等については、学校の自己評価を行う上で、目標等の設定・達成状況や取組の適切さ等について評価するためのものととらえることが適当であり、学校関係者評価とは異なることに留意する。本ガイドラインにおいては、これを「外部アンケート等」と称する。 出典: mext.go.jp
ガイドラインは、アンケートを実施しただけで学校関係者評価に代えるのは適当ではない、とも書いています。保護者にアンケートに答えてもらうことと、保護者や地域の人が委員会で学校の自己評価を評価することは、別の活動だということです。アンケートの担当者は、アンケートが自己評価のための材料であることを前提に、質問を組み立てます。
アンケートを作る前に決めること
学校評価アンケートで最も多い失敗は、聞きたいことを思いつくままに並べ、集計したあとに使い道がないことに気づくことです。作る前に、次の3つを決めておきます。
その年度の重点目標と評価項目
学校評価は、学校が年度の初めに立てた重点目標に対して、どこまで達成できたか、取り組みが適切だったかを評価するものです。アンケートの質問は、この重点目標と評価項目に結び付けて作ります。ガイドラインでも、アンケートは集計や分析の事務量を考え、重点目標や評価項目との関連を図りながら、適切な項目を設定して行うことが必要だとされています。
例えば、重点目標が「基礎的な学力の定着」「いじめの未然防止」「家庭との連携の強化」の3つなら、アンケートの質問もこの3つを中心に作ります。重点目標と関係のない質問は、毎年聞く必要があるもの以外は削ります。
誰に聞くか
| 対象 | 聞くと分かること |
|---|---|
| 保護者 | 家庭から見た子どもの様子、学校からの情報の届き方、学校への信頼 |
| 児童生徒 | 授業の分かりやすさ、学校生活の楽しさ、困ったときに相談できるか |
| 教職員 | 学校の取り組みが実際にできているか、組織としての課題 |
| 地域住民 | 地域から見た子どもの様子、学校と地域の関わり |
同じ質問を、保護者・児童生徒・教職員に聞いて見比べると、立場による見え方の違いが分かります。例えば「学校は、いじめを防ぐ取り組みをしている」という質問で、教職員の肯定的な回答が9割なのに、保護者は6割にとどまるなら、取り組みが家庭に伝わっていない可能性があります。
いつ実施し、結果をいつ使うか
自己評価は少なくとも年度に1回は行うものとされています。アンケートは、年度の後半(12月から1月ごろ)に実施し、その結果を年度末の自己評価と次年度の計画に使う学校が多く見られます。年度の途中で中間のアンケートを実施し、後半の取り組みを修正する学校もあります。結果を次年度の計画に反映させるなら、集計と分析の時間を逆算して実施の時期を決めます。
質問を作る手順
重点目標が決まったら、次の手順で質問を作ります。
- 重点目標ごとに、目指す姿を具体的な文にする(例:子どもが授業の内容を理解できている)
- その姿が見えているかを、誰に聞けば分かるかを考える(保護者・児童生徒・教職員)
- 「〜と思う」で答えられる文にする(例:お子さんは、授業が分かると話している)
- 1つの質問に1つの内容だけを入れる
- 回答者が判断できない質問を外すか、「わからない」の選択肢を付ける
1つの質問に1つの内容
「学校は、学習指導と生活指導に熱心に取り組んでいる」のように、1つの質問に2つの内容を入れると、片方だけそう思う人は答えられません。「学校は、分かりやすい授業に取り組んでいる」と「学校は、生活のきまりを丁寧に指導している」に分けます。
回答者が判断できる質問にする
保護者は、授業の様子を直接見る機会がほとんどありません。「先生の授業は分かりやすい」と保護者に聞いても、正確には答えられません。保護者に聞くなら「お子さんは、授業が分かると話している」のように、家庭で見聞きできることに置き換えます。授業の分かりやすさそのものは、児童生徒に聞きます。
質問の数
質問が多すぎると、回答の負担が増え、最後のほうの質問ほど適当に答えられます。保護者向けなら20問前後、低学年の児童向けなら10問前後を目安に、多くても5分から10分で答え終わる量に絞ります。集計と分析にかかる事務の量も、質問の数に比例して増えます。
保護者に聞く質問例
保護者向けアンケートの質問例を、分野ごとに紹介します。選択肢は「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」「わからない」の5つを想定しています。
| 分野 | 質問例 |
|---|---|
| 学習 | お子さんは、授業が分かると話している |
| 学習 | 学校は、家庭学習の進め方を分かりやすく伝えている |
| 学校生活 | お子さんは、学校に行くのを楽しみにしている |
| 学校生活 | お子さんには、学校で相談できる先生や友達がいる |
| いじめの防止 | 学校は、いじめを防ぐ取り組みをしている |
| 安全 | 学校は、登下校や校内の安全に気を配っている |
| 情報提供 | 学校だよりや連絡のメールで、学校の様子がよく分かる |
| 情報提供 | 学校の教育方針や重点目標を知っている |
| 家庭との連携 | 学校に相談したいとき、相談しやすい |
| 家庭との連携 | 先生は、子どもの様子を家庭に丁寧に伝えている |
| 行事 | 運動会や学習発表会などの行事は、子どもの成長に役立っている |
| 端末の活用 | 学校の端末を使った学習について、家庭で十分な説明を受けている |
保護者向けの質問は、「学校は〜している」と「お子さんは〜している」の2種類を組み合わせると、学校の取り組みと子どもの様子の両方が分かります。
兄弟姉妹が同じ学校に通っている家庭では、1人分だけ答えるのか、子どもごとに答えるのかが分からず迷うことがあります。用紙の最初に「お子さんが2人以上いらっしゃる場合は、上のお子さんについてお答えください」のように、答え方を書いておきます。
児童生徒に聞く質問例
児童生徒向けのアンケートは、学年に合わせて言葉を変えます。低学年には、ひらがなを多くし、短い文にします。
小学校の低学年向け
| 分野 | 質問例 |
|---|---|
| 学習 | じゅぎょうは、よくわかる |
| 学校生活 | がっこうは、たのしい |
| 友達 | ともだちと なかよく している |
| 相談 | こまったとき、せんせいに そうだんできる |
| きまり | がっこうの きまりを まもっている |
低学年の選択肢は、「とてもそう」「すこしそう」「あまりそうではない」「そうではない」のように、子どもが分かる言葉にします。顔の絵を添えた選択肢を使う学校もあります。
小学校の高学年と中学生向け
| 分野 | 質問例 |
|---|---|
| 学習 | 授業の内容がよく分かる |
| 学習 | 授業で、自分の考えを話したり書いたりする機会がある |
| 学習 | 家で、自分で計画を立てて勉強している |
| 学校生活 | 学校に行くのが楽しい |
| いじめの防止 | 学校には、いじめを許さない雰囲気がある |
| 相談 | 悩みがあるとき、相談できる先生がいる |
| 自己肯定 | 自分には、よいところがあると思う |
| 端末の活用 | 学習用の端末を使うと、学習が分かりやすくなる |
児童生徒への授業についての質問は、ガイドラインでも自己評価の材料として活用することが示されています。ただし、ガイドラインは学校評価と教職員の人事評価は目的が異なると明記しています。児童生徒の回答を、個々の先生の評価に結び付ける使い方は避け、学校全体の取り組みを見直す材料として使います。
教職員に聞く質問例
教職員向けのアンケートは、学校の取り組みが実際にできているかを、内側から確かめるためのものです。保護者や児童生徒と同じ分野の質問を入れると、見比べやすくなります。
| 分野 | 質問例 |
|---|---|
| 学習指導 | 授業の目標を毎時間児童生徒に示している |
| 学習指導 | 学年や教科で、指導の方法を共有している |
| いじめの防止 | いじめの早期発見のための取り組みを、学校全体で行っている |
| 情報提供 | 学校の取り組みを、保護者に分かりやすく伝えている |
| 組織運営 | 学校の重点目標を理解し、日々の指導に生かしている |
| 組織運営 | 困ったときに、同僚や管理職に相談しやすい |
| 働き方 | 校務の分担は、偏りなく行われている |
教職員のアンケートは、記名にすると本音が出にくくなります。管理職が目を通す前提であることを伝えたうえで、無記名で実施する学校が多く見られます。
地域の人に聞く質問例
学校によっては、学校運営協議会の委員や、登下校の見守りに協力している地域の人にもアンケートをお願いしています。地域の人は、学校の中の様子より、地域で見かける子どもの姿や、学校と地域の関わりについて答えやすい立場にあります。
| 分野 | 質問例 |
|---|---|
| 子どもの様子 | 地域で会う子どもたちは、あいさつをしている |
| 安全 | 登下校の時間帯に、子どもたちは交通のきまりを守っている |
| 情報提供 | 学校の行事や取り組みの様子が、地域にも伝わっている |
| 地域との連携 | 学校は、地域の行事や活動に協力している |
| 地域との連携 | 地域の人が学校の活動に参加しやすい |
地域の人へのアンケートは、配る人数が少ないことが多いので、選択肢の集計よりも自由記述の意見が役に立ちます。「子どもたちのために地域でできそうなこと」を自由に書いてもらう欄を設けると、次年度の地域との連携の手がかりになります。
選択肢と自由記述の作り方
段階の数
学校評価アンケートでは、4段階の選択肢がよく使われます。「どちらとも言えない」を入れた5段階にすると、迷った人が真ん中に集まり、結果の傾向が見えにくくなることがあるためです。一方で、判断できない人に無理に答えさせると回答の質が下がるので、4段階に「わからない」を加えた形がよく選ばれます。「わからない」は集計のときに分けて扱い、肯定的な回答の割合を出すときの分母に入れるかどうかを、年度をまたいで同じにしておきます。
選択肢の言葉をそろえる
| 段階 | 選択肢の例 |
|---|---|
| 4 | そう思う |
| 3 | ややそう思う |
| 2 | あまりそう思わない |
| 1 | そう思わない |
| 判断できない | わからない |
全部の質問で同じ選択肢を使うと、回答者が迷わず、集計もしやすくなります。質問ごとに選択肢を変えるのは、頻度を聞く質問(「毎日」「週に数回」など)のように、どうしても必要な場合だけにします。
自由記述の欄
自由記述の欄は、最後に1つか2つにします。「学校のよいところ」と「改善してほしいところ」のように分けて聞くと、書く人が内容を整理しやすく、集計する側も読みやすくなります。自由記述には、具体的な出来事や個人の名前が書かれることもあります。結果を公表するときは、そのまま載せず、内容を要約し、個人が特定される部分を除きます。
記名と無記名、個人情報の扱い
学校評価アンケートを記名にするか無記名にするかは、よく議論になる点です。ガイドラインは、アンケートの実施に当たっては匿名性の担保に配慮すると書いています。
無記名にすると、率直な意見が集まりやすくなります。一方で、自由記述に深刻な相談や、いじめが疑われる内容が書かれていても、誰からの声か分からず、個別に対応できないという難しさがあります。そのため、アンケートそのものは無記名にしつつ、「個別にご相談したいことがある場合は、担任または教頭までご連絡ください」と、別の相談の窓口を用紙に書いておく学校があります。
Webのフォームでアンケートを実施する場合は、氏名を聞かなくても、ログインしたアカウントやメールアドレスが記録される設定になっていることがあります。無記名と案内するなら、回答者を特定できる情報が記録されない設定になっているかを、実施の前に確かめます。
アンケートで氏名や学年・学級などを集める場合の個人情報の扱いは、設置者(公立なら教育委員会、私立なら学校法人)の決まりに従います。個人情報の保護の考え方は、個人情報保護委員会のサイトで、法令やガイドラインを確かめられます。集めた回答の保存期間と、誰が回答を見られるかを、実施の前に決めておきます。
紙とWebの選び方と、回答率を上げる工夫
紙とWebの特徴
| 方法 | よい点 | 気を付ける点 |
|---|---|---|
| 紙 | 端末やネットの環境に関係なく答えられる | 配布と回収、入力の手間がかかる |
| Webのフォーム | 集計の手間が少ない。期限の延長もしやすい | スマートフォンを持たない家庭への配慮が要る |
| 併用 | 回答の機会を広げられる | 二重の回答を防ぐ工夫が要る |
Webのフォームに切り替える学校が増えていますが、すべての家庭が同じように答えられるとは限りません。紙の用紙も希望すれば受け取れるようにしておくと、回答の機会を広げられます。
回答率を上げる工夫
- 何のためのアンケートか、結果をどう使うかを冒頭に書く
- 回答にかかる時間の目安を書く(例:5分ほどで答えられます)
- 回答の期限を、余裕を持って2週間ほどとる
- 期限の数日前に、学校だよりや連絡のメールで一度だけ案内する
- 前の年度の結果と、それを受けて学校が何をしたかを、アンケートと一緒に伝える
最後の点は特に効果があります。回答しても何も変わらないと感じると、保護者は答えなくなります。「昨年度のアンケートで『連絡が分かりにくい』という声が多かったため、今年度から学年だよりを月2回に増やしました」のように、回答が改善につながったことを示すと、次の回答につながります。
集計と分析の進め方
肯定的な回答の割合を出す
選択肢の4段階のうち、上の2つ(「そう思う」「ややそう思う」)を肯定的な回答として、その割合を質問ごとに出すのが一般的です。割合を出すときは、「わからない」と無回答を分母に入れるかどうかを決め、年度をまたいで同じ計算にします。計算の方法を途中で変えると、前年との比較ができなくなります。
見比べる3つの軸
- 前年との比較:同じ質問で、肯定的な回答の割合が上がったか、下がったか
- 対象の比較:同じ分野の質問で、教職員と保護者、児童生徒の回答に差があるか
- 学年の比較:特定の学年で、ほかの学年と違う傾向が出ていないか
分析の目的は、よい結果を探すことより、差が大きいところを見つけることです。教職員の肯定的な回答が高いのに保護者が低い分野は、取り組みが伝わっていないか、家庭から見ると不十分に見えている可能性があります。
自由記述の整理
自由記述は、内容ごとに分類します。「授業」「行事」「連絡」「施設」「いじめ・人間関係」のように分け、件数を数えます。件数が多い分類は、改善の優先度が高い候補になります。個別の対応が必要な内容は、集計とは別に、担当の先生に回します。
自由記述を読む人は、1人に任せず2人以上にすると、読み落としや受け止め方の偏りを防げます。厳しい意見が書かれていると、読む人が気落ちすることもありますが、自由記述は学校をよくしたいと考えて書かれたものが大半です。分類の作業は、内容への反論を考えるより先に、何についての声がどれだけあるかを数えることに集中します。同じ趣旨の声が複数の学年から寄せられているなら、学校全体の課題として扱う目安になります。
結果の公表と、次年度への生かし方
ガイドラインでは、自己評価の結果を公表するときは、単にアンケートの結果を公表するのではなく、学校として組織的に自己評価を行い、その結果であることを明らかにして公表することが求められています。
公表する資料には、次の内容を入れます。
- その年度の重点目標
- 重点目標ごとの取り組みと、アンケートなどから分かった達成の状況
- 学校としての評価(よくできた点、課題)
- 次年度に向けた改善の方策
- 学校関係者評価を行った場合は、その結果
アンケートの数字だけを並べると、保護者は「この数字が何を意味するのか」が分かりません。数字のあとに、学校としてどう受け止め、何を変えるのかを書くことで、アンケートが学校の改善につながっていることが伝わります。公表の方法は、学校のWebサイト、学校だより、保護者会での説明などがあります。保護者会で説明するときは、資料を読み上げるより、改善策を2つか3つに絞って伝え、質問の時間をとるほうが、保護者の受け止めが深まります。
アンケートの冒頭に書く案内文
アンケートの用紙やフォームの冒頭には、回答者が安心して答えられるよう、短い案内文を書きます。入れておきたい内容は次のとおりです。
- アンケートの目的:学校の教育活動を振り返り、次年度の改善に生かすため
- 結果の使い方:集計した結果を学校の自己評価に使い、学校だよりやWebサイトで報告すること
- 記名か無記名か:無記名の場合は、回答者が特定されないこと
- 回答にかかる時間の目安と、回答の期限
- 問い合わせ先:アンケートについて分からないことがあるときの連絡先
案内文の例を、そのまま使える形で並べます。
- 保護者の皆様へ。本校では、教育活動をより良くするために、毎年学校評価アンケートを行っています。
- このアンケートは無記名です。回答から個人が特定されることはありません。
- 結果は集計し、学校の自己評価として3月の学校だよりでお知らせします。
- 回答には5分ほどかかります。12月18日(金)までにご回答ください。
- アンケートについてのお問い合わせは、教頭までお願いします。
案内文が長くなると、読まれずに質問に進まれてしまいます。5行から7行程度に収め、最も伝えたい「目的」と「無記名であること」を最初に書きます。
前年の用紙を見直すときの点検
多くの学校では、前年の用紙をもとにアンケートを作ります。毎年同じ質問を使うことには、前年と比べられるという利点がありますが、そのまま使い続けると、学校の今の課題と質問がずれていきます。前年の用紙を使うときは、次の点を確かめます。
- 今年度の重点目標に対応する質問があるか
- 重点目標が変わった分野の質問が残ったままになっていないか
- 1つの質問に2つの内容が入っていないか
- 保護者が判断できない内容を、保護者に聞いていないか
- 前年の結果で、ほぼ全員が肯定的に答えた質問はないか
- 学校の名前、学年、日付、期限が今年度のものに直っているか
- 選択肢の言葉と段階が、すべての質問でそろっているか
5番目の点は見落とされがちです。毎年ほぼ全員が「そう思う」と答える質問は、改善の手がかりになりにくいので、数年に一度の確認に回すか、もう一歩踏み込んだ質問に変えます。例えば「学校は安全に気を配っている」の肯定的な回答が毎年9割を超えるなら、「お子さんは、登下校の危険な場所を知っている」のように、具体的な行動を聞く質問に変えると、新しい課題が見えることがあります。
幼稚園や高等学校で実施するとき
幼稚園
幼稚園については、文部科学省が「幼稚園における学校評価ガイドライン」を別に示しています。幼稚園の子どもは自分でアンケートに答えることが難しいため、保護者へのアンケートと教職員の自己評価が中心になります。保護者には、「お子さんは、園での出来事を家で楽しそうに話している」「園は、子どもの成長の様子を丁寧に伝えている」のように、家庭で見える子どもの姿と、園からの伝え方を中心に聞きます。
高等学校
高等学校では、生徒が自分で考えて答えられる質問を多くできます。授業や学校生活の質問に加えて、「進路について、相談できる先生がいる」「学校の進路の情報は役に立っている」のような進路に関する質問を入れることがあります。保護者は、子どもが高校生になると学校の様子を直接聞く機会が減るので、保護者向けの質問は情報の届き方を中心にします。
学校関係者評価の委員会に結果を示すとき
保護者や地域の人で作る学校関係者評価の委員会では、学校の自己評価の結果をもとに意見をもらいます。委員にアンケートの結果を示すときは、数字の表だけを渡すのではなく、学校が数字をどう読んだかを添えます。
- 重点目標ごとに、関係する質問の結果を並べる
- 前年と比べて大きく変わった質問に印を付ける
- 教職員と保護者で差が大きい質問を示す
- 学校としての評価と、検討している改善策を書く
ガイドラインは、学校関係者評価では、委員が授業や行事を見たり意見を交わしたりする主体的な活動が大切だとしています。アンケートの結果は、委員が学校を見るときの手がかりの1つとして示し、委員が自分の目で見た学校の様子と合わせて意見を出してもらう流れにすると、形だけの会議になりにくくなります。
自由記述の相談に返信まで対応する
学校評価アンケートの自由記述や、アンケートとは別に設けた相談の窓口には、個別の対応が必要な声が寄せられることがあります。件数が少ないうちは、表計算ソフトに「受け付けた日」「内容」「担当」「状況」「返信した日」の列を作り、教頭や担当の先生が管理すれば足ります。
件数が増え、複数の先生で分担するようになると、誰がどの件に返事をしたのかが分からなくなりがちです。そうした場面で使える選択肢の1つが、受付から対応までを扱うフォームのHalict(ハリクト)です。公式サイトの案内によると、Halictで作ったフォームから届いた1件ごとに担当と状況が残り、返信も同じ画面から送れて、開封まで記録されます。フォームはテキスト・選択肢・評価・日付・メールなど12種類の項目から作れ、回答者には1画面に1問だけが表示されます。集まった回答は一覧で確かめて、CSVに書き出せます。料金は、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限で、メンバー1人までのフリープランが無料、メンバー3人までのスタータープランが月額2,980円(税抜)、メンバー10人までのチームプランが月額7,800円(税抜)と案内されています。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
学校で外部のサービスを使うときは、設置者の決まりで使えるサービスが限られていることがあります。導入の前に、教育委員会や学校法人の情報の扱いの決まりを確かめてください。
アンケートの設計と分析を外部の力で補う
最後に、学校評価アンケートの設計や集計を、学校の中だけで抱えないための考え方を見ておきます。
フリーランスや在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、アンケートの設計や集計、結果の資料づくりは、学校や地域の団体から外部の専門家に部分的に頼まれることのある仕事です。うまくいく依頼には共通点があり、「何を決めるためのアンケートか」と「結果を誰に返すのか」を先に整理してから頼んでいます。質問の文面だけを頼むと、集計したあとに使い道がない、という同じ失敗を繰り返しがちです。直接取引で中間の手数料がかからない形であれば、限られた予算でも頼める範囲が広がり、受ける側も手取りが厚い分、学校の事情を丁寧に聞く時間をとれます。
調査の設計や分析の仕事の相場は、研究者の年収・単価相場で、調査や研究に関わる仕事の報酬の目安を紹介しています。アンケートの結果を見やすい資料にまとめる仕事は、デザイナーの年収・単価相場でデザインの仕事の単価の目安を確かめられます。データの分析やWebでの調査の仕組みに関わる仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で仕事の種類をまとめています。
学校評価アンケートは、毎年同じ質問を繰り返すほど、前年との比較ができるという利点があります。一方で、重点目標が変われば、聞くべきことも変わります。毎年の質問の8割は継続し、2割はその年度の重点目標に合わせて入れ替える、くらいの考え方で見直していくと、比較と改善の両方に使えるアンケートになります。
よくある質問
Q. 学校評価アンケートは必ず実施しなければなりませんか?
学校教育法施行規則で義務とされているのは、学校が自ら行う自己評価とその結果の公表です。アンケートそのものの実施は条文で義務とはされていませんが、文部科学省の学校評価ガイドラインでは、児童生徒や保護者へのアンケートの結果を自己評価に活用することが示されています。実施の方法は、設置者である教育委員会などの方針も確かめてください。
Q. 学校評価アンケートは記名と無記名のどちらがよいですか?
文部科学省の学校評価ガイドラインでは、アンケートの実施に当たって匿名性の担保に配慮するとされており、無記名で実施する学校が多く見られます。無記名だと個別の相談に対応できないため、アンケートとは別に相談の窓口を案内しておく方法があります。Webのフォームでは、アカウントなどが記録されない設定かを事前に確かめてください。
Q. 選択肢は4段階と5段階のどちらがよいですか?
学校評価アンケートでは、「そう思う」から「そう思わない」までの4段階に「わからない」を加えた形がよく使われます。真ん中の選択肢がないため傾向が見えやすく、判断できない人は「わからない」を選べます。どの形でも、全部の質問で同じ選択肢を使い、年度をまたいで集計の方法を変えないことが大切です。
Q. アンケートの結果はどのように公表すればよいですか?
文部科学省の学校評価ガイドラインでは、単にアンケートの結果を公表するのではなく、学校として組織的に行った自己評価の結果であることを明らかにして公表することが求められています。重点目標、取り組みと達成の状況、学校としての評価、次年度の改善の方策をまとめ、学校のWebサイトや学校だよりなどで伝えます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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