売上管理表の作り方|エクセルで続けられる形


この記事のポイント
- ✓Excelでの表の組み方
- ✓続けるための決まりまで手順で解説
- ✓個人事業主が帳簿として保存するときの期間も
売上管理表とは、日々の売上を1件ずつ記録し、月ごとや取引先ごとに集計して、事業の状態を数字で見られるようにする表です。凝ったテンプレートを探すより、入力する表と集計する表を分け、毎日同じ形で行を追加していける形にすることが、長く続けるいちばんの近道です。この記事では、売上管理表に入れる項目、Excelでの作り方、月別と取引先別の集計、前年同月比の出し方、入力を続けるための決まり、個人事業主が帳簿として保存するときの注意までを順番に説明します。
売上管理表が必要な理由と、よくあるつまずき
売上は、通帳を見れば分かると考える人も少なくありません。しかし通帳に載るのは入金だけです。いつ、誰に、何を、いくらで売ったのかは載っていません。
通帳だけでは分からないこと
通帳だけで売上を把握しようとすると、次のことが分からなくなります。
- 請求したのにまだ入金されていない売上がいくらあるか
- どの取引先や商品が、売上のどれだけを占めているか
- 先月や前年の同じ月と比べて、売上が伸びているのか落ちているのか
- 現金で受け取った売上や、手数料を引かれて入金された売上の元の金額
特に、請求から入金まで1か月から2か月かかる取引が多い仕事では、通帳の残高と実際の売上の動きがずれます。売上管理表があれば、売上が立った日と入金された日を分けて追えるので、資金が足りなくなる時期を前もって読めます。
確定申告や融資の場面でも使える
個人事業主は、売上を帳簿に記録することが求められています。国税庁の案内では、事業所得のある人が記帳する事項として、売上の年月日、相手方の名称、金額などを挙げています。売上管理表をこの項目に沿って作っておけば、確定申告の準備がそのまま進みます。
金融機関に融資を相談するときや、補助金を申請するときにも、月別の売上の推移を求められることがあります。日々の記録が表になっていれば、求められた形にすぐ整えられます。
続かない売上管理表の共通点
売上管理表は、作ることより続けることのほうが難しいものです。続かない表には、次のような共通点があります。
- 入力する欄と集計する欄が同じ表に混ざっていて、行を追加するたびに式が崩れる
- 月ごとにシートを分けていて、年間の集計をするたびに12枚のシートを手で合計し直す
- 項目が多すぎて、1件の売上を入れるのに何分もかかる
- 書き方が決まっていないので、同じ取引先が「株式会社A」「A社」「(株)A」と別々に書かれる
この記事で紹介する作り方は、これらのつまずきを避ける形にしています。
売上管理表に入れる項目
売上管理表の項目は、少なすぎると集計に使えず、多すぎると入力が続きません。ここでは、どの業種にも必要な基本の項目と、業種によって加える項目に分けて説明します。
基本の8項目
| 項目 | 入れる内容 | 使い道 |
|---|---|---|
| 売上日 | 商品を渡した日、作業を終えた日 | 月別の集計、帳簿の日付 |
| 取引先 | 売った相手の名前 | 取引先別の集計 |
| 品目 | 商品名やサービスの種類 | 商品別の集計 |
| 数量 | 売った個数や時間 | 単価の確認 |
| 単価 | 1つあたりの価格 | 値付けの見直し |
| 金額 | 数量×単価(税込か税抜かを決めて統一) | 売上の合計 |
| 入金予定日 | 請求書に書いた支払期日 | 資金繰りの見通し |
| 入金日 | 実際に入金された日 | 未入金の確認 |
金額を税込で記録するか税抜で記録するかは、最初に決めて表の上に書いておきます。途中で混ざると、合計が意味を持たなくなります。消費税の申告をしている事業者は、税抜の金額と消費税の額を別の列に分けておくと、申告の準備がしやすくなります。
業種によって加える項目
- ネットショップ:販売した通販サイトの名前、販売手数料、送料。手数料を引かれて入金されるので、売上と入金額を分けて記録する
- フリーランスの受託の仕事:案件名、請求書の番号、源泉徴収された税額。入金額と請求額が違うので、両方を残す
- 店舗や教室:支払い方法(現金、カード、電子マネー)。支払い方法ごとに入金の時期が違う
- 継続の契約:契約の期間、月ごとの契約金額。毎月同じ額が立つので、請求漏れを防ぐ
加える項目は、それを使って何を判断するかが決まっているものだけにします。「いつか使うかもしれない」項目は、入力の手間だけが重くなります。迷ったら、まずは基本の8項目だけで1か月使ってみて、集計のときに「この情報があれば判断できたのに」と感じた項目だけを次の月から加えます。
入力の手間を減らす工夫
取引先と品目は、毎回手で打たずに、一覧から選べるようにすると入力が速くなり、書き方の揺れも無くなります。Excelではデータの入力規則という機能で、セルにリストを付けられます。別のシートに取引先の一覧を作っておき、そこから選ぶ形にします。
Excelでの売上管理表の作り方
ここからは、Excelで実際に売上管理表を組む手順を説明します。Googleスプレッドシートでも、ほぼ同じ手順で作れます。
シートを3つに分ける
1つのファイルの中に、役割の違う3つのシートを作ります。
- 売上明細:売上を1件1行で入力するシート。ここ以外には手で数字を入れない
- 一覧:取引先と品目の一覧。入力規則のリストの元になる
- 集計:月別、取引先別の合計を、売上明細から自動で計算するシート
入力する場所と計算する場所を分けておくと、行を追加しても集計の式が壊れません。月ごとにシートを分けず、1年分を1枚の売上明細に縦に並べるのがポイントです。
売上明細をテーブルにする
売上明細の1行目に項目名を並べたら、表の範囲を選んで「挿入」タブの「テーブル」を選びます。テーブルとは、Excelが表の範囲を自動で広げてくれる機能のことです。テーブルにしておくと、新しい行を追加したときに、集計の式の対象も自動で広がります。
金額の列には、数量と単価を掛ける式を入れます。テーブルの中では、1行目に式を入れると下の行にも自動で同じ式が入ります。
月の列を作る
月別に集計しやすくするため、売上日から「年月」を取り出す列を作ります。たとえば売上日がA列にあるなら、次の式で「2026-10」のような形になります。
=TEXT(A2,"yyyy-mm")
この列があると、月別の集計で日付の範囲を指定する必要がなくなり、式が簡単になります。
月別の合計を出す
集計シートに月を縦に並べ、その横に月ごとの売上の合計を出します。条件に合う行だけを合計するには、SUMIFS関数を使います。Microsoftの公式の説明では、SUMIFS関数は複数の条件を満たすセルの値を合計する関数で、最初に合計する範囲、続けて条件の範囲と条件を組で指定する形です。
=SUMIFS(売上明細[金額],売上明細[年月],A2)
この式は、売上明細の「年月」の列がA2の値と同じ行だけ、金額を合計します。A2に「2026-10」と入っていれば、10月の売上の合計になります。関数の詳しい使い方は、Microsoftのサポートページで確かめられます。
取引先別の合計を出す
取引先別の合計も、同じSUMIFS関数で出せます。条件を2つにすれば、「2026年10月のA社の売上」のような組み合わせも出せます。
=SUMIFS(売上明細[金額],売上明細[取引先],$A2,売上明細[年月],B$1)
集計シートの縦に取引先、横に月を並べてこの式を入れると、取引先ごと月ごとの売上の一覧表ができます。どの取引先にどれだけ頼っているかが一目で分かります。
前年同月比と累計を出す
売上の数字は、比べる相手があって初めて意味を持ちます。よく使うのは、前の月と比べる方法と、前年の同じ月と比べる方法です。
前年同月比を使う理由
季節によって売上が上下する仕事では、前の月と比べても実力は分かりません。12月に売上が伸びるのは毎年のことかもしれないからです。前年の同じ月と比べれば、季節の影響を除いて、事業が伸びているかどうかを見られます。
無料のテンプレートを配布しているサイトでも、前年同月比を自動で計算する形の売上管理表が多く公開されています。
累計売上高の推移もわかる、4月始まりの月別売上管理表テンプレートです(Excel)。前年同月比がパーセント表示で自動計算されます。 月ごとに前年度と今年度の売上を比較したグラフが表示されます。ダウンロード無料です。 出典: templatebank.com
テンプレートを使う場合も、自分で作る場合も、考え方は同じです。
前年同月比の式
集計シートで、B列に今年の月別売上、C列に前年の月別売上があるとします。前年同月比は今年の売上を前年の売上で割って出します。
=IFERROR(B2/C2,"")
IFERROR関数とは、計算がエラーになったときに代わりの値を表示する関数のことです。前年の売上が0の月や、まだ入力していない月は割り算ができないので、空欄を表示するようにしています。セルの表示形式をパーセントにすると、「112%」のように表示されます。
累計を出す
年の初めからの売上の累計は、その月までの合計を出して求めます。B列に月別の売上があるなら、累計の列の最初の行に次の式を入れ、下の行に写します。
=SUM(B$2:B2)
最初の行の位置だけを固定しているので、下の行に写すと合計の範囲が1行ずつ広がります。年間の目標がある場合は、目標の累計と並べておくと、遅れているか進んでいるかがすぐ分かります。
グラフにして見る
月別の売上と前年の売上を並べた棒グラフ、累計の折れ線グラフを作っておくと、数字の表より変化に気づきやすくなります。集計シートの表を選び、「挿入」タブからグラフを選べば作れます。グラフは集計の表から作るので、売上明細に行を追加すれば自動で更新されます。
売上管理表を続けるための決まり
どれだけよくできた表でも、入力が止まれば役に立ちません。続けるためには、表の作りと同じくらい、入力の決まりが大切です。
入力のタイミングを決める
入力は、売上が立ったその日にするのが理想です。それが難しければ、曜日を決めて週に1回まとめて入力します。月末にまとめて入れようとすると、請求書や領収書を探す手間がかかり、入力漏れが起きやすくなります。
入力する時間を予定表に書いておくと、習慣になりやすくなります。1回あたり15分程度で終わる量なら、無理なく続けられます。
書き方の決まりを表の上に書く
次のような決まりを、売上明細の上や別のシートに書いておきます。
- 金額は税込で入れる(または税抜で入れる)
- 売上日は商品を渡した日、作業を終えた日とする
- 取引先と品目は、一覧から選ぶ
- 返品や値引きは、マイナスの金額で別の行に入れる。元の行を書き換えない
最後の決まりは特に大切です。元の行を書き換えると、何がいつ変わったのかが分からなくなります。マイナスの行で打ち消せば、記録が残ります。
未入金の確認を毎月する
月に1回、入金日が空欄の行だけを絞り込んで、支払期日を過ぎているものがないかを確かめます。テーブルにしておけば、項目名の横の矢印から「空白セル」を選ぶだけで絞り込めます。期日を過ぎた売上を早く見つけられれば、取引先への確認も早くできます。
出先でも入力できるようにする
移動の多い働き方では、パソコンを開けない日が続くと入力が止まります。Googleスプレッドシートなら、スマートフォンのアプリから同じ表に行を追加できます。Excelも、ファイルをOneDriveに保存しておけば、スマートフォンのExcelアプリから開いて入力できます。
ただし、スマートフォンの小さな画面で多くの列を埋めるのは手間がかかります。出先では売上日、取引先、金額の3つだけを入れ、残りの項目は週に1回パソコンで埋める、と分けておくと続けやすくなります。入力が途中の行には、備考の列に「未完了」と書いておくと、埋め忘れを防げます。
決まりは1年に1回見直す
仕事の内容や取引先が変われば、必要な項目も変わります。年が変わって新しいファイルを作るときに、1年間使わなかった列は外し、毎回備考に書いていた内容があれば新しい列にします。表を毎年少しずつ整えていくと、入力の手間が減り、集計で見たい数字がすぐ出る表になっていきます。
ファイルの保存と控え
売上管理表のファイルは、パソコンの中だけに保存せず、別の場所にも控えを残します。クラウドの保存サービスや外付けの記録装置に、月に1回はコピーを保存しておくと、パソコンが壊れたときにも記録を失いません。ファイル名には年を入れ、「売上管理表_2026」のように年ごとに分けると、過去の年の表を探しやすくなります。
業種別に見る売上管理表の例
基本の形は同じでも、業種によって列の並びや集計の仕方は変わります。ここでは、よくある3つの働き方を例に、売上明細の形を示します。数字はすべて説明のための架空の例です。
ネットショップの例
ネットショップでは、販売した場所ごとに手数料と入金の時期が違います。売上と入金額を分けて記録しておかないと、手数料を引かれた入金額を売上と取り違えてしまいます。
| 売上日 | 販売先 | 品目 | 金額 | 手数料 | 送料 | 入金額 | 入金日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026/10/03 | 通販サイトA | ピアス | 3,800円 | 405円 | 210円 | 3,185円 | 2026/10/31 |
| 2026/10/05 | 自社サイト | ネックレス | 5,200円 | 187円 | 370円 | 4,643円 | 2026/10/20 |
手数料の割合は販売先によって違い、改定もあります。表の一覧のシートに、販売先ごとの手数料の割合を確かめた日と一緒に書いておき、変わったら書き換えます。販売先ごとに集計すると、どこで売るのがいちばん手元に残るのかが分かります。
フリーランスの受託の仕事の例
デザインやライティング、開発などの受託の仕事では、1件の金額が大きく、請求から入金まで時間がかかります。請求書の番号と支払期日を必ず記録します。
| 売上日 | 取引先 | 案件名 | 請求額 | 源泉徴収税額 | 入金予定額 | 支払期日 | 入金日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026/10/10 | B社 | ロゴ制作 | 110,000円 | 10,210円 | 99,790円 | 2026/11/30 | |
| 2026/10/25 | C社 | 記事制作10本 | 55,000円 | 5,105円 | 49,895円 | 2026/11/30 |
源泉徴収とは、報酬を支払う側が所得税の一部を先に差し引いて国に納める仕組みのことです。差し引かれた額は確定申告で精算するので、請求額と入金額の両方を残しておくことが大切です。源泉徴収の対象になるかどうかや税額は、仕事の種類や金額で変わるので、国税庁の案内で確かめます。
教室やサロンの例
店舗や教室では、1日に何件もの売上が立ち、支払い方法もさまざまです。1件ごとに記録するのが重いときは、1日の合計を支払い方法ごとにまとめて1行にする方法もあります。
| 売上日 | 支払い方法 | 件数 | 金額 | 入金予定日 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/10/12 | 現金 | 6件 | 24,000円 | 2026/10/12 |
| 2026/10/12 | カード | 4件 | 18,000円 | 2026/10/27 |
カードや電子マネーの売上は、入金まで数日から数週間かかり、手数料も差し引かれます。支払い方法ごとに入金予定日を記録しておくと、月末の資金の見通しが立てやすくなります。
売上管理表から読み取ること
売上管理表は、記録して終わりではありません。集計した数字から、次の打ち手を考える材料を読み取ります。ここでは、小さな事業で特に役に立つ4つの見方を紹介します。
客単価と件数に分けて見る
売上は「件数×1件あたりの金額」に分けられます。1件あたりの金額を客単価といいます。売上が落ちたとき、件数が減ったのか、客単価が下がったのかで、打つ手が変わります。件数が減ったなら集客を見直し、客単価が下がったならセット販売や上位の商品の提案を考えます。
集計シートに、月ごとの件数を数える列を作ると、客単価も出せます。件数は、条件に合う行の数を数えるCOUNTIFS関数で数えられます。
=COUNTIFS(売上明細[年月],A2)
月の売上の合計をこの件数で割れば、その月の客単価になります。
取引先の偏りを見る
取引先別の集計で、売上の大半を1社が占めていないかを確かめます。1社への依存が大きいと、その取引が終わったときに売上が一気に落ちます。目安として、最も大きい取引先の割合を毎月確かめ、高くなりすぎていたら、新しい取引先を探す時間を予定に入れます。
商品や仕事の種類ごとの売れ行きを見る
品目ごとに集計すると、よく売れているもの、ほとんど売れていないものが分かります。売れていない品目は、価格や見せ方を変えるか、扱いをやめるかを判断します。フリーランスなら、仕事の種類ごとに売上と作業時間を並べると、時間あたりの売上が高い仕事が見えてきます。
季節の波をつかむ
1年分の月別の売上をグラフにすると、売上が伸びる月と落ちる月が見えます。2年分がそろえば、毎年の波なのか、その年だけの変化なのかを区別できます。売上が落ちる月が分かれば、その前に新しい商品を準備したり、営業の時間を多めに取ったりと、前もって手を打てます。
よくある入力の間違いと直し方
売上管理表の集計が合わないとき、原因の多くは入力の間違いです。よく起きる間違いと、その直し方を知っておくと、集計の数字を信頼できるようになります。
日付が文字として入っている
売上日を「2026.10.3」のように入れると、Excelが日付として認識せず、月の列が正しく作れないことがあります。日付は「2026/10/3」の形で入れるのが確実です。日付として認識されているかは、セルを選んで表示形式が「日付」になっているかで確かめられます。
数字が全角で入っている
金額を全角の数字で入れると、文字として扱われ、合計に含まれないことがあります。金額の列だけは半角で入れる決まりにするか、入力規則で数値以外を入れられないようにしておきます。
同じ売上を2回入れている
請求書を見ながら入力し、あとで入金を見ながらもう一度入力してしまう、という二重の記録はよく起きます。売上明細の行は売上が立ったときに1回だけ作り、入金は同じ行の入金日の欄に書き込む、と決めておけば防げます。請求書の番号の列を作り、同じ番号が2回出てきたら色が付くように条件付き書式を設定しておくと、さらに安心です。
税込と税抜が混ざっている
途中から税抜で入れ始めたり、取引先によって書き方を変えたりすると、合計の意味が変わってしまいます。迷ったら請求書に書いた金額をそのまま入れる、と決めておくと揺れが少なくなります。混ざってしまったときは、税区分の列を作って「税込」「税抜」を書き分け、集計のときにそろえます。
月に1回、通帳と突き合わせる
月末には、売上管理表の入金額の合計と、通帳の入金の合計を突き合わせます。差があれば、入力漏れか、入金日の書き間違いか、売上以外の入金が混ざっているかのどれかです。毎月突き合わせておけば、ずれが小さいうちに原因を見つけられます。
請求書と売上管理表をつなぐ
受託の仕事や掛けでの取引が多い人は、請求書と売上管理表を別々に作ると、二重の手間と食い違いが起きやすくなります。2つをつなげておくと、入力が1回で済みます。
請求書の番号でひも付ける
請求書には、必ず番号を付けます。番号は「2026-001」のように年と通し番号を組み合わせると、年をまたいでも重なりません。売上明細にも同じ番号の列を作れば、どの請求書がどの売上なのかを1対1で追えます。取引先から「この請求書の件で」と問い合わせを受けたときにも、番号で売上明細の行をすぐ探せます。
請求書を作ったら、その場で1行入れる
請求書を作って送った直後に、売上明細へ1行入れる、と決めておきます。後回しにすると、送ったはずの請求書が売上管理表に無い、という漏れが起きます。請求書をExcelで作っているなら、同じファイルの中に請求書のシートを作り、売上明細の行から必要な項目を引いて請求書の形にする方法もあります。
入金されたら入金日を埋める
通帳やネットバンキングで入金を確かめたら、売上明細の該当する行の入金日を埋めます。入金額が請求額と違うときは、振込手数料を差し引かれたのか、源泉徴収があったのか、金額の誤りなのかを確かめ、備考の列に理由を書いておきます。理由が書いてあれば、確定申告のときに迷いません。
テンプレートを選ぶときの確かめどころ
自分で一から作らず、無料のテンプレートから始めるのも良い方法です。ただし、見た目だけで選ぶと、使い始めてから合わないことに気づきます。ダウンロードする前後に、次の5つを確かめます。
- 1年分の売上を1枚に縦に並べる形か。月ごとにシートが分かれていると、年間の集計が重くなる
- 行を追加したときに、合計や前年同月比の式が自動で広がるか。試しに10行ほど入れてみる
- 自分の仕事に要る項目があるか。入金日や手数料の欄が無いテンプレートは多い
- 年度の始まりの月を選べるか。法人で決算月が12月以外なら、4月始まりや10月始まりの形が要る
- マクロが入っていないか。マクロとは、自動で動く小さなプログラムのことで、入手元が分からないファイルのマクロは動かさない
テンプレートは、そのまま使うより、自分の仕事に合わせて列を加えたり外したりして育てていくものと考えると、長く使えます。
Excelとスプレッドシートと会計ソフトの使い分け
売上管理表はExcelだけでなく、Googleスプレッドシートや会計ソフトでも作れます。それぞれに向いている場面があります。
それぞれの特徴
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| Excel | 1人で管理する、関数やグラフを自由に組みたい | ファイルの控えを自分で残す必要がある |
| Googleスプレッドシート | 複数の人で同じ表を見る、スマートフォンからも入力したい | 共有の範囲を確かめる。取引先の情報が外に見えないようにする |
| 会計ソフト | 確定申告や決算まで一続きで進めたい | 毎月または毎年の利用料がかかる。仕訳の考え方に慣れが要る |
GoogleスプレッドシートでもSUMIFS関数は同じ書き方で使えます。Googleの公式ヘルプでも、合計する範囲、条件の範囲、条件の順で指定する形が説明されています。
会計ソフトに移るきっかけ
売上の件数が多くなって入力が重くなったとき、経費や仕入れも含めて帳簿を一続きで付けたくなったとき、青色申告で複式簿記の帳簿が必要になったときは、会計ソフトへの移行を考える時期です。売上管理表を項目の決まりに沿って作っておけば、多くの会計ソフトは表のデータを取り込めるので、移行の手間も少なくて済みます。
個人事業主が売上の記録を保存するときの注意
個人事業主にとって、売上管理表は帳簿の一部になります。帳簿は決められた期間、保存しておく必要があります。
帳簿の保存期間
国税庁のタックスアンサーでは、白色申告の人が保存する帳簿や書類の期間を次のように示しています。
保存が必要なもの 保存期間 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年 出典: 国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度
青色申告の人も、帳簿や書類は原則として7年間保存することとされ、請求書や見積書、納品書などは5年間でよいとされています。詳しくは国税庁 No.2070 青色申告制度で確かめられます。
売上管理表を帳簿として使うなら、少なくとも7年間は消さずに保存しておくのが安全です。年ごとにファイルを分けておけば、古い年のファイルは別の場所に移して保存できます。
記帳は日々の合計でもよい
国税庁の案内では、白色申告の人の記帳は、取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて書くような簡易な方法でもよいとされています。ただし、どの書き方が自分の事業に合うかは、売上の種類や件数によって変わります。迷うときは税務署の相談窓口や税理士に確認します。
帳簿が不十分なときの影響
国税庁の同じページでは、売上に関する帳簿を保存していなかったり、記載が不十分だったりしたことが税務調査で分かった場合、申告漏れに対して課される加算税の割合が重くなる仕組みがあることも案内しています。売上管理表を日々付けておくことは、こうした不利な扱いを避けることにもつながります。
売上管理の力を生かせる仕事
売上管理表を作れる力、Excelで集計やグラフを組める力は、自分の事業だけでなく、人から頼まれる仕事にもなります。
表やシステムを作る仕事
小さな会社や店では、売上の記録が手書きのノートやばらばらのファイルに分かれていることがよくあります。こうした記録をExcelやスプレッドシートの表に整え、集計の仕組みを作る仕事は、事務の支援や業務の改善の仕事として依頼されます。表の仕組みづくりから、入力の画面や小さな業務アプリの開発に進む人もいます。アプリケーション開発のお仕事では、業務アプリの開発の仕事の内容と始め方を紹介しています。
最近は、売上の集計や分析にAIを取り入れたいという中小企業の相談も出てきています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、AIを日々の業務に取り入れる支援の仕事と、求められる力を説明しています。
経営の数字を読む力を資格で示す
売上の数字から経営の課題を読み取り、改善の提案をする力は、資格で示すこともできます。中小企業診断士は、中小企業の経営を診断して助言する国家資格で、財務や会計の知識も試験の範囲に入っています。中小企業診断士では、試験の内容と資格を生かせる仕事を紹介しています。
運営者として見てきたこと
フリーランスと在宅ワークの仲介を20年あまり運営してきた立場から見ると、長く仕事を続けている人ほど、売上と入金をきちんと分けて記録しています。請求漏れや入金の遅れに早く気づけるので、取引先との関係もこじれにくいのです。
また、中間の手数料が乗らない直接の取引では、請求した金額がそのまま売上として記録でき、受け取る報酬も厚くなります。仲介手数料が0%の場では、売上管理表の数字と実際の手取りの差が小さく、事業の状態を読みやすいのも実感です。
売上管理表は、今日の売上を1行書くところから始まります。まずは売上明細のシートを1枚作り、基本の8項目を並べて、今月の売上を入れてみてください。
よくある質問
Q. 売上管理表は月ごとにシートを分けたほうがよいですか?
入力用のシートは1年分を1枚にまとめ、月の列を作って集計するほうが続けやすくなります。月ごとにシートを分けると、年間の合計や前年との比較のたびに複数のシートを手で合計し直すことになり、式の間違いも起きやすくなります。見やすさが欲しいときは、集計用のシートで月別の表を作れば十分です。
Q. 無料のテンプレートを使ってもよいですか?
使って構いません。前年同月比やグラフが最初から組まれているものも多く、すぐに始められます。ただし、項目が自分の仕事に合っているか、行を追加したときに式が崩れないかを最初に確かめてください。合わない項目が多い場合は、基本の8項目で自分の表を作るほうが長く続けられます。
Q. 売上管理表は確定申告の帳簿として使えますか?
個人事業主の場合、売上の年月日、相手方、金額などを記録した表は帳簿として使えることがあります。ただし、青色申告で複式簿記の控除を受けるには、別に決められた帳簿の形が必要です。自分の申告の方法で何が必要かは、国税庁の案内を読み、迷うときは税務署の窓口や税理士に確認してください。
Q. 売上管理表はどれくらいの期間保存すればよいですか?
国税庁の案内では、収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年、それ以外の帳簿や請求書などの書類は5年の保存とされています。売上管理表を帳簿として使うなら、7年間は消さずに保存しておくのが安全です。年ごとにファイルを分け、別の場所にも控えを保存しておくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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