Redmineの使い方を、チケットの作成から進捗の確認まで順に追う

@SOHO編集部
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Redmineの使い方を、チケットの作成から進捗の確認まで順に追う

この記事のポイント

  • ✓Redmine(レッドマイン)の使い方を
  • ✓チケット一覧の絞り込み
  • ✓作業時間の記録まで順に解説します

職場や取引先で「Redmineにチケットを切っておいて」と言われたものの、画面のどこから手を付ければよいのか分からない。Redmine(レッドマイン)の使い方を調べる人の多くは、そんな状況にいます。この記事では、Redmineの使い方を、ログインからチケットの作成、更新、一覧での絞り込み、進捗の確認まで、実際の作業の順番で追っていきます。

結論を先に書くと、利用者として最初に覚えることは4つだけです。チケットを作る、チケットを更新する、チケット一覧を絞り込む、マイページで自分の担当を見る。この4つができれば、日々の作業は回ります。ガントチャートやロードマップ、作業時間の記録は、その後で必要になったときに覚えれば間に合います。

後半では、管理者が最初に行う設定、無料で使うときに実際にかかる費用、Redmineが合わないチームのための別の選択肢として、ボードで仕事を管理するPinatecaにも触れます。

Redmineとは何か、どんな場面で使われているか

Redmineは、ブラウザで使うプロジェクト管理のソフトです。公式サイトでは、自分たちのサーバーに設置して使う(自前で運用する)柔軟なプロジェクト管理のWebアプリケーションとして紹介されていて、Ruby on Railsという仕組みで作られています。ソースコードが公開されているオープンソースのソフトで、GNU General Public License v2(GPL)という条件のもとで配布されています。ソフト自体の利用料はかかりません。

公式サイトに並んでいる主な機能は次のとおりです。

・複数のプロジェクトを1つのRedmineで管理できる
・ロール(役割)ごとに権限を細かく決められる
・チケットで課題やタスクを管理できる
・ガントチャートとカレンダー
・ニュース、文書、ファイルの共有
・メール通知
・プロジェクトごとのWikiとフォーラム
・作業時間の記録
・カスタムフィールド(自分たちで項目を追加する機能)
・GitやSubversionなどのソース管理との連携
・メールからのチケット登録

もともとはソフトウェア開発のバグ管理から広まったツールなので、開発の現場で使われることが多いのですが、実際には開発以外でも使われています。たとえば社内の問い合わせ対応、制作会社の案件管理、自治体や企業の情報システム部門の作業依頼の受付などです。どの場面でも共通しているのは「1つの作業を1枚のチケットにして、誰がいつまでに何をするのかを記録に残す」という使い方です。

2026年10月時点で公式のダウンロードページに並んでいる最新版は7.0.2です。6.1系と6.0系も更新が続いていて、公式の方針では、最新の系列には新機能と不具合の修正、1つ前の系列には不具合とセキュリティの修正、2つ前の系列には重要なセキュリティの修正だけが届くと書かれています。職場のRedmineがどの版かで画面の細部が少し違うことがあるので、手順が記事と合わないときは版の違いを疑ってみてください。

編集の仕事をしていると、制作会社やシステム会社と組むときにRedmineのアカウントを渡されることがあります。最初に戸惑うのは、メールやチャットで済ませていた連絡が、全部チケットの中に集まることです。慣れるまでは遠回りに感じますが、3か月もすると「あの件どうなったっけ」を探す時間がほとんどなくなります。記録がチケットに集まっているので、過去の経緯を誰でも確かめられるからです。

最初に覚える用語は5つだけ

Redmineの画面には専門用語が多く出てきますが、利用者として押さえる用語は5つで足ります。Redmineの日本語情報サイトを運営するファーエンドテクノロジーの用語解説でも、プロジェクト、チケット、トラッカー、ステータス、バージョンの5つが最初に並んでいます。

用語 意味 たとえると
プロジェクト 管理する仕事のまとまり。情報はすべてどれかのプロジェクトに入る 案件のフォルダ
チケット 1つの作業や課題を記録する単位 作業指示書1枚
トラッカー チケットの種類 「バグ」「機能」「サポート」などの分類
ステータス チケットの今の状態 新規、進行中、終了など
バージョン 期日で区切った作業のまとまり 「10月リリース分」「第2版の納品分」

この中でいちばん大事なのはチケットです。Redmineでは、メンバーがやるべき作業をすべてチケットとして登録します。チケットには担当者、期日、ステータスなどが記録されるので、チケットを見れば「誰が、何を、いつまでに、今どこまで」が分かるようになっています。

トラッカーは、チケットの種類を決める項目です。公式ガイドの日本語訳には、Redmineには最初から「バグ」「機能」「サポート」の3つのトラッカーが組み込まれていると書かれています。開発以外の用途で使う場合は、管理者が「依頼」「問い合わせ」「確認待ち」のように、自分たちの仕事に合わせた名前のトラッカーを作ることが多いです。

ステータスは、チケットが今どの段階にあるかを示します。どのステータスからどのステータスへ変えられるかは、後で触れる「ワークフロー」という設定で決まっています。自分の画面で「終了」が選べないとしたら、それは操作の誤りではなく、そのチームが「終了にできるのは確認する人だけ」と決めている可能性が高いです。

バージョンは、期日で区切った作業の束です。ソフトウェアなら「バージョン1.2で直すもの」、制作の仕事なら「11月号に載せるもの」のように使います。バージョンを作っておくと、後で説明するロードマップ画面で、その束がどこまで進んだかを1本のグラフで確かめられます。

ログインして、最初にパスワードを変える

ここからは、利用者として実際に手を動かす順番で説明します。最初はログインです。

Redmineの使い方の手順書では、ログインの流れが次のように説明されています。

  1. 管理者から教えられたRedmineのアドレスをブラウザで開く
  2. ログイン画面が出たら、管理者から渡されたログインIDとパスワードを入れる
  3. ログイン画面が出ない場合は、画面右上の「ログイン」をクリックする

ログインできたら、真っ先にパスワードを変えます。管理者が発行したパスワードは、どこかにメモや記録が残っている可能性があるからです。手順は次のとおりです。

  1. 画面右上の「個人設定」をクリックする
  2. 個人設定画面の右上にある「パスワード変更」をクリックする
  3. 今のパスワードと新しいパスワード(確認用を含めて)を入れ、「適用」をクリックする

あわせて、個人設定では二要素認証も有効にできます。二要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリに表示される確認コードも入れてログインする仕組みのことです。パスワードが漏れても、確認コードがなければ他人はログインできません。社外の人も参加するRedmineなら、設定しておくと安心です。

個人設定ではもう1つ、メール通知の受け取り方も確かめておきます。初期の状態のままだと、関わっていないチケットの更新までメールで届き、受信箱が埋まってしまうことがあります。逆に、通知を全部切ってしまうと、自分に割り当てられた作業に気づけません。最初は「ウォッチしているチケットと、自分が関係しているチケットだけ」のような設定から始めて、多すぎるか少なすぎるかを1週間ほど見て調整するのが無理のないやり方です。

チケットを作成する手順と、各項目の書き方

Redmineの使い方の中心はチケットです。ここでは新しいチケットを作る手順と、各項目に何を書けばよいかを説明します。

チケットの作成手順

手順書に書かれている流れは次のとおりです。

  1. チケットを作りたいプロジェクトを開く
  2. プロジェクトの「+」ボタンにマウスを乗せ、出てきたメニューから「新しいチケット」をクリックする
  3. 項目を入力する(項目名の右に「*」が付いているものは必須)
  4. 「作成」をクリックする
  5. 「チケット #○○○ が作成されました。」と表示されれば完了

続けて何枚もチケットを作るときは、「作成」ではなく「連続作成」をクリックすると、同じ入力画面にすぐ戻れます。

各項目に何を書くか

チケットの入力画面には項目がたくさん並びますが、迷いやすいのは次のあたりです。

項目 内容 書き方のこつ
トラッカー チケットの種類 チームで決めた分類から選ぶ
題名 チケットの名前 一覧で見て中身が分かる短い文にする
説明 作業やバグの内容 背景、やること、完了の条件を分けて書く
ステータス 進み具合 作るときは「新規」のままでよいことが多い
担当者 作業する人 空のまま放置しない
期日 締め切り 期日が近いと通知する機能に使われる
予定工数 かかる見込みの時間 分かる範囲で入れる
進捗率 進み具合の割合 0〜100%を10%刻みで選ぶ
ウォッチャー 更新の通知を受ける人 結果を知りたい人を入れる

いちばん差が出るのは「題名」と「説明」です。題名を「修正」「確認お願いします」のようにすると、一覧で見たときにどれが何のチケットか分からなくなります。「申込フォームの送信ボタンが押せない(Safariのみ)」「11月号の目次案を確定する」のように、題名だけで中身が分かる書き方にします。

説明には、少なくとも次の3つを分けて書くと、受け取った人が迷いません。

・背景:なぜこの作業が必要になったのか
・やること:具体的に何をするのか
・完了の条件:何がどうなったら終わりとするのか

編集の仕事で原稿の修正依頼をチケットにしていた頃、説明に「全体的に読みやすく」とだけ書いたチケットが何度も差し戻されました。完了の条件が書かれていないので、受け取った側はどこまで直せば終わりなのか判断できなかったのです。「見出しを5本以内にする」「専門用語には1文で説明を添える」のように終わりを書くようにしてから、往復の回数がはっきり減りました。

ファイルの添付もこの画面でできます。画面の写しや参考資料を添えておくと、説明の文章を短くできます。

チケットを更新して、作業の記録を残す

チケットは作って終わりではありません。作業が進むたびに更新して、その時点の状態をチケットに残していきます。手順書では、次のようなときに更新するよう案内されています。

・期日が変わった、担当者が変わったなど、チケットの内容に変化があったとき
・チケットに書かれている内容に誤りがあったとき

更新の手順は次のとおりです。

  1. プロジェクトの「チケット」をクリックし、更新したいチケットを開く
  2. 「編集」をクリックする
  3. コメント(注記)を書いたり、ステータスや担当者を変えたりする
  4. 「送信」をクリックして保存する

更新のたびに書いたコメントは、チケットの下に履歴として順番に並びます。公式ガイドの日本語訳では、注記などの履歴は更新順に表示され、ほかのメンバーの注記の引用や、自分の注記の編集もできると説明されています。

更新で大切なのは、ステータスを動かすだけで終わらせないことです。「進行中」に変えたなら「今日はどこまで進んだか」、「確認待ち」に変えたなら「誰に何を確認してほしいか」を、コメントに1〜2行で書きます。ステータスだけが変わって理由が書かれていないチケットは、後から読み返したときに経緯が追えません。

子チケットと関連するチケット

大きな作業は、親チケットの下に子チケットを作って分けられます。公式ガイドの日本語訳によると、親チケットの進捗率は子チケットの進捗率の加重平均、開始日は子チケットのいちばん早い開始日、期日はいちばん遅い期日になります。つまり子チケットを正しく更新していれば、親チケットの数字は自動でそろいます。

チケット同士を結びつける「関連するチケット」もあります。「関連している」は単純な結びつけ、「ブロック先」は相手のチケットが終わらないと自分を終われない関係、「次のチケットに先行」は作業の順番を表す関係です。前の工程が終わらないと次に進めない作業を並べるときに使います。

チケット一覧で、自分の担当と遅れを見つける

チケットが増えてくると、一覧から必要なものを探す作業が中心になります。プロジェクトの「チケット」をクリックすると、初期の状態では未完了のチケットだけが一覧に表示されます。

フィルタで絞り込む

一覧の上にあるフィルタを使うと、表示するチケットを絞り込めます。手順書では、ステータスを「未完了」、担当者を自分にして絞り込む例が紹介されています。よく使う組み合わせは次のようなものです。

・ステータスが未完了、担当者が自分(今日やることの確認)
・期日が今日より前、ステータスが未完了(遅れているものの確認)
・トラッカーが「バグ」、優先度が高い(急ぎの対応の確認)

フィルタで複数の値を選びたいときは、プルダウンの横のボタンで入力欄をリストに切り替え、Macなら⌘キー、WindowsならCtrlキーを押しながらクリックします。

よく使う条件はクエリとして保存する

組み立てたフィルタは「カスタムクエリ」として保存できます。保存したクエリは右側のサイドバーに一覧で並び、クリック1つで同じ条件の一覧を呼び出せます。毎朝同じ条件を組み直している人は、保存しておくと手間が減ります。

右クリックでまとめて編集する

一覧のチケットを右クリックすると、編集、優先度の変更、担当者の変更、コピー、移動、削除などのメニューが出ます。チケットへのリンクの部分ではなく、行の空いている部分を右クリックするのがこつです。リンクの上で右クリックすると、ブラウザのメニューが出てしまいます。

複数のチケットにチェックを入れてから右クリックすると、まとめて編集できます。担当者の異動や、期日の一斉変更のときに便利です。

マイページで、毎朝の確認を1画面で済ませる

複数のプロジェクトに参加している人にとって、いちばん役に立つのがマイページです。画面左上の「マイページ」から開けます。

初期の状態では、次の2つのブロックが表示されています。

・担当しているチケット:自分が担当している未完了のチケット
・報告したチケット:自分が作ったチケット

手順書によると、どちらも直近で更新された10件が表示されます。このほかに、右上のリストからブロックを追加できます。追加できるのは、更新したチケット、ウォッチしているチケット、保存したクエリで抽出したチケット、最新のニュース、1週間分のカレンダー、文書、作業時間、活動などです。

ブロックは、マウスを合わせると右上に出る矢印のアイコンをドラッグして並べ替えられます。バツ印のアイコンで削除、歯車のアイコンで表示する項目を変えられます。作業時間のブロックは、表示する期間を1日から365日の間で変えられます。

おすすめの組み方は、「担当しているチケット」を左上に、前の節で保存した「期日を過ぎた未完了のチケット」のクエリを「チケット」ブロックとしてその隣に並べる形です。毎朝マイページを開くだけで、今日やることと遅れているものの両方が目に入ります。Redmineを使いこなしている人ほど、プロジェクトの画面ではなくマイページを入口にしています。

ガントチャートとロードマップで進捗を見る

チケットに開始日と期日を入れていくと、全体の進み具合を図で確かめられるようになります。

ガントチャート

公式ガイドの日本語訳によると、ガントチャートには、開始日と期日が設定されているチケット、またはバージョンに関連づけられているチケットが表示されます。チケットごとに横棒が並ぶので、作業の重なりや、期日が集中している週が見えます。

注意したいのは、開始日や期日を入れていないチケットはガントチャートに出てこないことです。「ガントチャートを見ても作業が載っていない」というときは、まずチケットの日付が空になっていないかを確かめてください。

標準のガントチャートは、日付を変えるときにチケットを編集して直す使い方が基本です。転職サイトの解説でも、拡張版のLychee Redmine(ライチレッドマイン)について次のように紹介されています。

Lychee Redmineは「ライチレッドマイン」と読み、通常のRedmineの機能拡張版という位置付けです。ガントチャートを直観的に操作できるようになり、ドラッグアンドドロップなどが行えるようになったほか、カンバン機能が使えるようになり、より便利になっています。 出典: tenshoku.mynavi.jp

裏を返せば、標準の状態ではカンバン(列にカードを並べて進み具合を動かす表示)は使えず、ガントチャートの操作もドラッグで直感的に動かす形ではないということです。こうした操作をしたい場合は、プラグインや拡張版、別のツールを検討することになります。

ロードマップ

ロードマップは、バージョンごとの進み具合を見る画面です。プロジェクトのメニューから「ロードマップ」を選ぶと、未完了のバージョンごとに、名前、期日、進捗率のグラフ、関連づけられたチケットの一覧が表示されます。グラフの下の「○件未完了」「○件完了」をクリックすると、その一覧に飛べます。

ロードマップのメニューは、チケットトラッキングの機能が有効で、バージョンが1つ以上作られているプロジェクトにだけ表示されます。メニューに見当たらない場合は、管理者にバージョンを作ってもらってください。

進捗率の計算には、各チケットの予定工数が重みとして使われます。予定工数を入れていないチケットには平均値が使われ、どのチケットにも入っていなければ全部同じ重さで数えられます。グラフを実態に近づけたいなら、チケットを作るときに予定工数を入れておくことが大切です。

作業時間を記録して、見積もりの精度を上げる

Redmineには、チケットやプロジェクトにかかった時間を記録する「時間管理」の機能があります。プロジェクトごとに有効にするかどうかを決められる標準の機能で、記録した時間は一覧や集計表で確かめられます。

記録の手順

  1. 作業したチケットを開く
  2. 「時間を記録」をクリックする
  3. 作業時間、作業分類(設計、制作、確認などの種類)、コメントを入れて保存する

チケットを更新するときに、同じ画面で作業時間を一緒に入れることもできます。チケット番号を空にすると、特定のチケットではなくプロジェクト全体に対して時間を記録できます。

時間の入れ方の注意

時間は「1h」「30m」「1h30」「1:30」のような形で入れられるほか、「1.5」のような小数でも入れられます。小数で入れる場合は、0.1が6分、0.15が9分という意味になる点に注意が必要です。公式ガイドの日本語訳には、1.00、0.10、0.15、0.40の4つを入れると、合計は2時間5分ではなく1.65時間(1時間39分)と表示される例が載っています。「0.40」を40分のつもりで入れると、実際には24分として数えられてしまうわけです。

チームで記録の書き方をそろえておかないと、集計が合わなくなります。「分で入れるなら1h30の形」「小数で入れるなら0.25刻み」のように、最初に決めておくのが安全です。

作業時間の記録が貯まると、次の見積もりの根拠になります。「同じ種類の作業に前回は何時間かかったか」が数字で残るので、業務委託で稼働時間を報告する人にとっても、請求の裏付けとして使えます。

管理者が最初に行う設定の順番

Redmineを自分たちで立ち上げる側、つまり管理者になった人向けに、最初の設定の流れも整理しておきます。ファーエンドテクノロジーの手順書では、インストールしてからプロジェクト管理を始めるまでに、管理者が次の順で設定することをすすめています。

  1. 管理者のアカウントでログインし、初期のパスワードを変える
  2. デフォルトデータ(ロール、トラッカー、ステータスなどの初期データ)を読み込む
  3. 「デフォルトの言語」や「ユーザー名の表示形式」を日本語での利用に合わせる
  4. 通知メールに載るRedmineのアドレスを正しく設定する
  5. ステータス、トラッカー、ロールを追加する
  6. ワークフローを設定する
  7. ユーザーを追加する
  8. プロジェクトを追加する
  9. プロジェクトにメンバーを追加する

デフォルトデータを読み込めば、5と6は飛ばしても使い始められます。まずは初期のまま動かしてみて、足りないところだけ追加していくほうが、最初から作り込むより失敗が少なくなります。

プロジェクトの作り方

プロジェクトは、画面左上の「管理」から「プロジェクト」を開き、右上の「新しいプロジェクト」から作ります。必須なのは「名称」と「識別子」だけです。識別子はURLの一部に使われる英数字の名前で、後から変えにくいので、短く分かりやすいものにします。「公開」にチェックが入っていると、メンバーでない人も中身を見られるので、社外の情報を扱うプロジェクトではチェックを外します。

メンバーの追加

作ったばかりのプロジェクトにはメンバーがいないので、管理者以外は使えません。プロジェクトの「設定」から「メンバー」タブを開き、「新しいメンバー」で利用者とロールを選んで「追加」をクリックします。

ワークフローの考え方

ワークフローの説明は、手順書の次の一文が分かりやすいです。

「ワークフロー(workflow)」は「仕事の流れ」を意味する言葉で、チケット作成から完了までの流れを決める機能です。「ステータスをどのように変更するか」、「どの項目を必須入力とするか」などをロールとトラッカーの組み合わせごとに設定できます。 出典: redmine.jp

ワークフローはRedmine全体の設定で、すべてのプロジェクトに影響します。「担当者を必須にする」「終了にできるのは確認する人だけにする」といった決まりを、ここで仕組みとして組み込めます。

Redmineのメリットとデメリット

ここまでの使い方を踏まえて、Redmineを使うメリットとデメリットを整理します。

メリット

・ソフト自体は無料で、利用者の人数に応じた料金がかからない
・自分たちのサーバーに設置できるので、データを社外のサービスに預けずに済む
・チケットに経緯がすべて残るので、担当が替わっても引き継ぎやすい
・ワークフローやカスタムフィールドで、チームの決まりを細かく組み込める
・GitやSubversionと連携でき、ソースコードの変更とチケットを結びつけられる
・プラグインが多く、足りない機能を追加できる

特に「記録が残る」点は、他のツールと比べても強みです。メールやチャットのやり取りは流れて消えていきますが、チケットに書いたコメントは、作業が終わった後も同じ場所に残ります。半年後に「なぜこの仕様にしたのか」を確かめたいとき、チケットを開けば答えが見つかります。

デメリット

・自前で設置する場合、サーバーの用意、更新、バックアップの手間がかかる
・標準の画面は文字と表が中心で、慣れるまで操作が分かりにくい
・カンバンやドラッグで動かすガントチャートは、標準では使えない
・項目や設定が多く、最初に決めることが多い
・開発以外の人には「チケット」という考え方がなじみにくい

デメリットの多くは、設定や運用の手間に関わるものです。システムに詳しい人がチームにいれば大きな問題にはなりませんが、事務や制作の少人数のチームで、管理を担う人がいない場合は負担になりやすい点です。

無料で使うときに、実際にかかる費用

「Redmineは無料」とよく言われますが、正確には「ソフトの利用料が無料」です。実際に使うには、どこかでRedmineを動かす必要があり、そこに費用がかかります。動かし方は大きく3つあります。

動かし方 ソフトの費用 ほかにかかるもの
自社のサーバーやレンタルサーバーに設置 無料 サーバー代、設置と更新、バックアップの作業時間
手元のパソコンで試しに動かす 無料 本格的な共有には向かない
Redmineのクラウドサービスを使う サービスの料金 設置と更新はサービス側が行う

自前で設置する場合に見落とされやすいのが、更新の作業です。前の節で触れたとおり、Redmineは系列ごとにセキュリティの修正が届く期間が決まっていて、古い系列は修正が届かなくなります。サーバー代は小さくても、更新とバックアップを誰がいつやるかを決めておかないと、気づいたときには古い版のまま動いていた、ということが起こります。

クラウドサービスは、設置や更新をサービス側に任せられる代わりに、利用料がかかります。Redmine.JPでは、日本のMy Redmineと、ドイツのPlanioの2つが紹介されていて、無料のプランがあるものもあると案内されています。料金や無料の範囲は各サービスの公式ページで最新の記載を確かめてください。

費用を比べるときは、月々の金額だけでなく「設置、更新、バックアップに誰の時間を何時間使うか」も数字にしてみると、どの方法が合うかが見えてきます。

使い方でつまずきやすい場面と対処法

Redmineを使い始めた人がよくつまずく場面と、その対処をまとめます。

「新しいチケット」が見当たらない

プロジェクトのメンバーになっていないか、ロールにチケットを追加する権限がない可能性があります。公式ガイドの日本語訳でも、チケットを作れるのは、管理者がロールの権限で「チケットの追加」を与えている場合だと説明されています。管理者に、どのロールで参加しているかを確かめてもらいましょう。

ステータスを「終了」にできない

ワークフローで、自分のロールからは「終了」に変えられないように決められている場合があります。これは設定どおりの動きなので、終了にできる人にチケットの確認を頼みます。

一覧に終わったチケットが出てこない

チケット一覧は、初期の状態では未完了のものだけを表示します。終わったものも見たいときは、フィルタのステータスを「すべて」や「完了」に変えてください。

ガントチャートに作業が出てこない

開始日と期日が入っていない、またはバージョンに関連づけられていないチケットは表示されません。日付を入れ直してから開き直します。

通知メールが多すぎる、または来ない

個人設定のメール通知の選び方で変わります。多すぎるなら関係するものだけに絞り、来ないなら設定が「通知しない」になっていないか、迷惑メールに振り分けられていないかを確かめます。

Redmineが合わないときに検討したい別のツール

ここまで読んで、「自分たちのチームには設定が重すぎる」と感じた人もいるはずです。Redmineが向いているのは、ワークフローを細かく決めたい開発チームや、データを自社のサーバーに置く必要がある組織です。反対に、次のようなチームでは別のツールのほうが合う場合があります。

・サーバーの設置や更新を担う人がいない
・カンバンで進み具合をドラッグして動かしたい
・事務や制作のメンバーが中心で、チケットという考え方がなじまない
・チャットとタスクを同じ画面で扱いたい

無料から試せる選択肢としてのPinateca

そうした少人数のチームで候補になるのが、ボードで仕事を進めるプロジェクト管理のPinatecaです。公式サイトに書かれている内容をまとめると、次のとおりです。

・カンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードを、無料プランから使える
・ガントチャートは、横棒をドラッグすると開始日も締め切りもその場で変わる
・ワークスペースごとのチャットと、カードごとのコメントが最初から入っている
・5人まで、ボード10個まで、ファイル容量1GBの範囲なら無料で、クレジットカードの登録も要らない
・人数やボードが増えたときのスタンダードプランは1人あたり月額500円(税抜、年払いなら月額400円)
・Trelloからボード、カード、添付をそのまま取り込める
・ChatGPTやClaudeから、会話でボードを読んだりカードを動かしたりできる

Redmineとの違いは、サーバーを用意せずにブラウザで登録してすぐ使える点と、カンバンやガントをドラッグで直接動かせる点です。一方で、Redmineのように細かなワークフローを自社のサーバーで組み込みたい組織には、Redmineのほうが合います。どちらが上ということではなく、チームの人数と、管理を担える人がいるかどうかで選び分けるものです。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

迷ったときは、同じ作業を2週間だけ両方で回してみるのがおすすめです。チケット(カード)を作る手間、毎朝の確認にかかる時間、メンバーが自分から更新してくれるかどうかを比べると、数字以上に合う合わないがはっきりします。

在宅でプロジェクトに参加する人がRedmineを覚える意味

最後に、在宅で仕事を受ける人にとってRedmineの使い方を覚えることの意味を、仕事の市場の側から整理しておきます。

システム開発やWeb制作の案件では、発注側がRedmineのようなチケット管理のツールを使っていて、外部のメンバーにもアカウントを渡すことがよくあります。この場合、チケットを正しく書けるか、更新をこまめに残せるかが、そのまま「一緒に仕事をしやすい人かどうか」の評価につながります。アプリケーション開発のお仕事では、開発案件の種類や進め方が紹介されていて、こうしたツールで進捗を共有する場面が多いことが分かります。

開発者でなくても同じです。デザインの修正依頼や原稿の差し戻しがチケットで届く現場は珍しくありません。デザイナーの年収・単価相場では、デザイナーの働き方ごとの単価の幅がまとめられていて、在宅で受ける場合も含めて、相場を知ったうえで仕事を選べます。業務改善を支援する立場なら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介されているように、ツールの選定や運用の決まりづくりそのものが仕事になることもあります。

フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、長く続く人ほど、作業の腕前と同じくらい「記録の残し方」がうまい傾向があります。チケットに経緯が残っていれば、発注側は進み具合を確かめるために連絡を取る手間が減り、受ける側は言った言わないのもめごとを避けられます。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、このやり取りの手間がそのまま双方の負担になるので、記録が整っている相手ほど次の依頼につながりやすくなります。

経営の立場からツールの導入や業務の見直しを考えるなら、中小企業診断士のように、業務改善を体系的に学べる資格もあります。Redmineの使い方を覚えることは、ツールの操作を覚えること以上に、仕事を「見える形」にして人と分け合う力を身につけることです。まずは自分に割り当てられたチケットを1枚、題名と説明と完了の条件を整えて更新するところから始めてみてください。

よくある質問

Q. Redmineは個人でも無料で使えますか?

Redmineはオープンソースのソフトで、ソフト自体の利用料はかかりません。ただし動かすためのサーバーやパソコンが必要で、レンタルサーバーに設置するならサーバー代、クラウドサービスを使うならその利用料がかかります。個人で試すだけなら、手元のパソコンに設置する方法やクラウドサービスの無料プランを使う方法があります。

Q. Redmineで最初に覚える操作は何ですか?

利用者として最初に覚えるのは、チケットの作成、チケットの更新、チケット一覧の絞り込み、マイページでの確認の4つです。この4つができれば日々の作業は回ります。ガントチャート、ロードマップ、作業時間の記録は、使う場面が出てきてから覚えれば間に合います。

Q. チケットのステータスを終了にできないのはなぜですか?

ワークフローという設定で、ロールごとに変えられるステータスが決められているためです。確認する人だけが終了にできるよう設定しているチームは多くあります。操作の誤りではないので、終了にできる人に確認を頼むか、管理者に自分のロールでできることを確かめてもらってください。

Q. Redmineでカンバンは使えますか?

標準のRedmineには、列にカードを並べて動かすカンバンの表示はありません。カンバンを使いたい場合は、プラグインを追加するか、拡張版の製品を使うか、カンバンを最初から備えた別のプロジェクト管理ツールを検討することになります。チームの人数と運用の手間を合わせて比べると選びやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年7月16日最終更新:2026年10月18日
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