Redmineの使い方と、チームの課題管理で導入する前に確かめたいこと


この記事のポイント
- ✓Redmine(レッドマイン)の使い方を
- ✓チケット・トラッカー・ステータス・ワークフローといった用語から
- ✓日々のチケットの書き方まで整理しました
Redmine(レッドマイン)は、チームの課題やタスクを「チケット」に登録して、担当者と期日、進み具合を追いかけるためのソフトウェアです。無料で使えるオープンソースの道具として長く使われてきたため、開発の現場だけでなく、問い合わせ対応や社内の業務管理にも広く入っています。一方で、「入れてはみたけれど設定が分からない」「使う人が増えるほど運用が重くなる」という声もよく聞かれます。
この記事では、Redmineの基本の用語と使い方、初期設定の順番、日々のチケットの書き方を説明したうえで、チームで導入する前に確かめたいことを整理します。自社のサーバーで動かすかクラウド版を使うかの判断材料、Redmineが合うチームと合わないチームの違いにも触れます。もっと手軽にボードで進み具合を共有したいチームに向けて、無料から使えるPinatecaも選択肢の1つとして紹介します。
Redmineとは何か
Redmineは、プロジェクトの管理と課題の追跡を行うためのWebアプリケーションです。公式サイト(redmine.org)によると、自分たちのサーバーに入れて動かせる柔軟なプロジェクト管理の道具で、Ruby on Railsという仕組みで作られています。ソースコードが公開されているオープンソースのソフトウェアで、GNU General Public License v2という条件のもとで配布されています。ソフトウェアそのものの利用料はかかりません。
日本語の情報をまとめているRedmine.JPでは、Redmineの性格を次のように説明しています。
現代の仕事の環境では、タスクの管理やチーム内のコミュニケーションを効率的に行うことが求められます。特にリモートワークの普及や、複数のチームとの協業が当たり前となる中で、適切なツールの導入は業務の質を大きく向上させる要因となります。Redmineはそのような状況に最適なツールです。どのようなツールを使えば良いのかわからない方、表計算ソフトで管理を始めてみたものの行き詰まってしまった方、このページの解説をお読みいただきRedmineの利用を検討してみてください。 出典: redmine.jp
引用にあるとおり、Redmineが力を発揮するのは、表計算ソフトでの管理が行き詰まった場面です。表計算ソフトでは、誰がいつ何を書き換えたのかが追いにくく、やり取りの経緯はメールやチャットに散らばります。Redmineでは、1つの課題に関する担当者、期日、進み具合、やり取りの記録が、1枚のチケットにまとまって残ります。
Redmineは今も開発が続いています。公式サイトのダウンロードのページ(Download)では、2026年10月時点で7.0系、6.1系、6.0系の3つの系列が公開されており、最新の安定版は7.0.2です。公式のサポートの方針では、最新の系列は機能の追加と不具合の修正、安全上の修正の対象、1つ前の系列は不具合と安全上の修正のみ、2つ前の系列は重要な安全上の修正のみとされています。5.1系より前は、すでにサポートが終わっています。
Redmineでできること
Redmineの主な機能は次のとおりです。
- チケット:課題、作業、不具合などを1件ずつ登録し、担当者・期日・優先度・進み具合を管理する
- ガントチャート:チケットの開始日と期日から、作業の流れと進み具合を横棒の図で表示する
- カレンダー:チケットの開始日と期日を月の暦の上に並べる
- Wiki:手順書や議事録などの文書をプロジェクトごとに書いて、編集の履歴を残す
- フォーラム:テーマごとに話し合う掲示板
- 作業時間の記録:チケットごとにかかった時間を記録して集計する
- カスタムフィールド:チケットやプロジェクトに、自分たちに必要な項目を追加する
- バージョン管理システムとの連携:GitやSubversionの変更の記録をチケットと結び付ける
- メールからのチケット登録:決められたアドレスにメールを送るとチケットが作られる
中心になるのはチケットです。Redmine.JPの説明によると、チケットに担当者と期日を設定することで、誰がどの作業をいつまでにしなければならないのかが一目で分かるようになります。開始日と期日を入れたチケットは、自動的にガントチャートにも並びます。
プロジェクトの数と登録できるメンバーの数に、ソフトウェアとしての上限はありません。大きなプロジェクトは、子のプロジェクトに分けて階層で管理できます。情報の閲覧権限も細かく設定できるため、社外の協力会社を招くプロジェクトでも、見せる範囲を分けて使えます。
最初に覚えておきたい5つの用語
Redmineの画面や設定で迷う原因の多くは、用語に慣れていないことです。最初に次の5つを押さえておくと、設定の画面が読めるようになります。
チケット
課題や作業を1件ずつ登録したものです。件名、説明、担当者、期日、優先度、進み具合などの項目を持ちます。作業を進めたらチケットを更新し、やり取りは「注記」として同じチケットの中に残します。
トラッカー
チケットの種類のことです。最初から用意されている初期データでは、「バグ」「機能」「サポート」の3つがあります。バグは不具合の修正、機能は新しい機能の開発や改良、サポートはソースコードの変更を伴わない作業(資料の作成や手続きなど)に使います。開発以外の仕事で使う場合は、「問い合わせ」「事務作業」のように、自分たちの仕事に合わせたトラッカーを作ります。
ステータス
チケットの状態です。初期データでは次の6つが用意されています。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| 新規 | 登録されたばかりで、作業は始まっていない |
| 進行中 | 担当者が作業を始めた |
| 解決 | 担当者の作業が終わり、確認待ち |
| フィードバック | 確認の結果、修正や追加の作業が必要になった |
| 終了 | 作業が完了した |
| 却下 | 作業をしないまま終えた |
ロール
利用者に与える権限のまとまりです。「管理者」「開発者」「報告者」のように、立場ごとにできる操作を決めます。同じ人でも、プロジェクトごとに違うロールを持たせられます。
ワークフロー
ロールとトラッカーの組み合わせごとに、ステータスをどこからどこへ変えてよいかを決める設定です。例えば「報告者は、新規のチケットを終了にできない」といった決まりを作れます。Redmine.JPの説明によると、新しいステータスを追加したときは、ワークフローを設定しないと、チケットの作成や更新の画面でそのステータスを選べません。設定したはずのステータスが出てこないときは、まずここを確かめます。
使い始めるまでの2つの道
Redmineを使い始める方法は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、自分たちのサーバーにRedmineを入れて動かす方法です。公式のインストールの手引きによると、RedmineはRubyが動く環境であれば、Linux、macOS、Windowsのいずれでも動かせます。データベースはPostgreSQL、MySQL、SQL Server、SQLiteに対応しています。ソフトウェアの費用はかかりませんが、サーバーを用意し、インストールし、バックアップやバージョンアップを続ける担当者が必要です。
2つ目は、Redmineを提供しているクラウドのサービスを使う方法です。サーバーの用意や更新はサービス側が行うので、申し込めばすぐに使い始められます。その代わり、月額の利用料がかかります。
どちらを選ぶかは、社内にサーバーを扱える人がいるか、データを社外のサーバーに預けてよいか、毎月の費用をどこまでかけられるかで決まります。判断の材料は、後の「自社で動かすか、クラウド版を使うか」の節で詳しく整理します。
初期設定の順番
自分たちでRedmineを入れた場合も、クラウド版を申し込んだ場合も、使い始める前にいくつかの設定が必要です。Redmine.JPが紹介している手順をもとに、迷わない順番で整理します。
- 管理者のパスワードを変える(インストール直後の初期のパスワードのまま使うのは危険)
- 初期データを読み込む(ロール、トラッカー、ステータスなどの基本の設定がまとめて入る)
- 既定の言語を日本語にし、利用者の名前の表示の形を決める
- 通知メールに入るRedmineのアドレスを正しく設定する
- 必要に応じて、ステータス、トラッカー、ロールを追加する
- ワークフローを設定する
- 利用者を登録する
- プロジェクトを作る
- プロジェクトにメンバーを追加し、ロールを割り当てる
初期データを読み込めば、5と6は後回しにしても使い始められます。最初から細かく作り込むより、初期データのまま1か月ほど使い、足りないところを追加するほうが、現場に合った設定になりやすくなります。
特に気をつけたいのは、トラッカーとステータスを増やしすぎないことです。種類と状態を細かく分けるほど、チケットを登録する人が迷い、ワークフローの設定も複雑になります。最初はトラッカーを3つから4つ、ステータスは初期データの6つ程度にとどめておくと、運用が回りやすくなります。
日々の使い方とチケットの書き方
設定が終わったら、日々の仕事はチケットを中心に回します。
チケットを登録する
チケットを作るときは、少なくとも次の項目を埋めます。
- 件名:何をするのかが一目で分かる短い文(「請求書の書式を変更する」など)
- 説明:背景、やること、終わりの条件
- 担当者:誰が作業するか
- 期日:いつまでに終えるか
- 優先度:他の作業との順番
説明の欄では、「終わりの条件」を書くことが大切です。「請求書の書式を変更する」だけでは、どこまで直せば終わりなのかが人によって違います。「新しい書式で3社分の請求書を発行し、経理の確認が取れたら終了」のように書いておくと、作業の終わりで揉めなくなります。
チケットを更新する
作業を進めたら、ステータスと進捗率を更新し、分かったことや相談したいことを注記に書きます。メールやチャットで話した内容も、要点を注記に残しておくと、後から経緯をたどれます。Redmine.JPは、チケットが「資産として残る」ことを利点に挙げています。1年前に似た作業をしたとき、チケットが残っていれば進め方を確かめられ、担当者が変わったときの引き継ぎもしやすくなります。
一覧とガントチャートで全体を見る
チケットの一覧では、担当者、ステータス、期日などで絞り込めます。よく使う絞り込みは「カスタムクエリ」として保存しておくと、毎回条件を入れ直さずに済みます。例えば「自分が担当で、期日が今週のチケット」を保存しておけば、朝の確認がすぐに終わります。
ガントチャートでは、チケットが開始日と期日の横棒で並びます。遅れている作業や、同じ人に作業が重なっている時期を見つけるのに使います。
バージョンとロードマップで締め切りを束ねる
チケットが増えてくると、一覧を見ただけでは、どれを先に片付けるべきかが分からなくなります。そこで使うのが「バージョン」です。バージョンとは、リリースや納品、締め切りの単位でチケットをまとめるための区切りのことです。
Redmine.JPの用語解説によると、プロジェクトにバージョンを作り、各チケットの「対象バージョン」にそのバージョンを設定すると、「ロードマップ」の画面にバージョンの一覧と、それぞれに結び付いたチケットの一覧が表示されます。いつまでに何を終わらせるべきかがはっきりし、たくさんのチケットの中からどれを優先するかの判断がしやすくなります。Redmineの公式サイト自体も、予定しているリリースごとにバージョンを作り、新しい機能や不具合の修正のチケットを結び付けて管理しています。
開発以外の仕事でも、バージョンは使えます。例えば次のような使い方です。
- 毎月の締め作業:「2026年11月分の締め」のバージョンを作り、請求書の発行や入金の確認のチケットを結び付ける
- イベントの準備:「秋の説明会」のバージョンに、会場の手配、案内状の送付、資料の印刷のチケットを結び付ける
- Webサイトの更新:「年末の更新」のバージョンに、修正するページごとのチケットを結び付ける
バージョンを作るのは、管理者のロールを持つ人がプロジェクトの「設定」画面の「バージョン」のタブから行います。ロードマップの画面では、バージョンごとに終わったチケットの割合が表示されるので、締め切りまでにどれだけ残っているかを会議の場で共有するのにも使えます。
なお、自分たちのサーバーで動かしている場合は、期日が近いチケットや期日を過ぎたチケットの一覧を、担当者にメールで知らせる仕組みも用意されています。Redmine.JPのFAQでは、決められた命令をサーバーで実行すると、期日の何日前から知らせるか(初期の設定は7日)などを指定して通知を送れると説明されています。定期的に実行するには、サーバー側で自動実行の設定が必要です。
導入する前に確かめたいこと
Redmineは機能が豊富な分、導入してから「思っていたのと違った」となることもあります。導入を決める前に、次の点をチームで確かめておきます。
運用の担当者がいるか
自分たちのサーバーで動かす場合、サーバーの監視、バックアップ、バージョンアップを誰が担うかを決めておく必要があります。Redmineは、公式のリリースの方針として、小さな更新をおおむね3か月ごと、大きな更新を年に1回出しています。サポートの対象から外れた古い版を使い続けると、安全上の修正が届かなくなります。担当者が異動や退職でいなくなり、更新されないまま古い版が動き続けている例は珍しくありません。
使う人がチケットの考え方に慣れられるか
Redmineは、ITに慣れた人には分かりやすい作りですが、「トラッカー」「ワークフロー」「ロール」といった言葉に初めて触れる人には、最初の壁になります。営業や事務の人も使うなら、最初の説明会を開く、チケットの書き方の見本を用意する、といった準備が必要です。
何を管理したいのかがはっきりしているか
「とりあえず全部Redmineで」と始めると、チケットが増えすぎて誰も見なくなります。最初は、問い合わせの管理、開発の不具合の管理など、1つの用途から始め、使い方が定まってから広げるのが確実です。
プラグインに頼りすぎないか
Redmineには、機能を追加するプラグインが数多くあります。便利な一方で、Redmine本体をバージョンアップしたときに、プラグインが新しい版に対応しておらず動かなくなることがあります。プラグインを入れるときは、提供元が更新を続けているかを確かめ、入れる数を必要なものに絞ります。
問い合わせの管理に使う場合の設定の例
Redmineは開発の道具という印象が強いものの、問い合わせの管理にもよく使われています。Redmine.JPでも、お客様からの問い合わせを1件ずつチケットとして登録すれば、回答できていないものや回答が遅れているものが一目で分かると紹介されています。ここでは、5人程度の窓口のチームで問い合わせを管理する場合の設定の例を示します。
トラッカーを問い合わせの種類で分ける
初期データの「バグ」「機能」「サポート」は開発向けなので、問い合わせの種類に合わせて作り直します。例えば「料金・契約」「使い方」「不具合の報告」の3つです。種類ごとに担当を決めておくと、チケットが登録された時点で誰が対応するかが決まります。
ステータスを対応の段階に合わせる
ステータスは「受付」「対応中」「回答済み・返事待ち」「完了」の4つ程度にします。「回答済み・返事待ち」を分けておくと、相手からの返事を待っているだけのチケットと、こちらが止めているチケットを区別できます。ステータスを追加したら、ワークフローの設定を忘れないようにします。
期日と優先度の決まりを作る
「受付から2営業日以内に1回目の返信をする」のように、期日の付け方を決めておきます。急ぎの問い合わせは優先度を「高い」にし、一覧で優先度の順に並べて確認します。
メールからチケットを作る
Redmineには、決められたアドレスにメールを送るとチケットが作られる機能があります。問い合わせの窓口のアドレスと結び付けておけば、届いたメールを手で書き写す手間がなくなります。設定には、メールの受信の仕組みとサーバー側の設定が必要なので、自分たちのサーバーで動かしている場合は運用の担当者と相談します。クラウド版では、サービスによってはこの機能が用意されています。
問い合わせの管理では、個人の名前や連絡先がチケットに書き込まれます。見られる人をロールで絞り、窓口の担当以外には見えないプロジェクトにしておくと、情報の扱いを説明しやすくなります。
表計算ソフトの管理表から移るときの手順
すでに表計算ソフトで作業の一覧を管理しているチームが、Redmineに移る場合は、次の順で進めると混乱が少なくなります。
- 今の管理表の列を書き出し、Redmineの項目(件名、担当者、期日、ステータス、優先度)に当てはめる
- 当てはまらない列は、カスタムフィールドで追加するか、説明の欄に書くかを決める
- 終わった作業は移さず、進行中と未着手の作業だけをチケットにする
- 移行した日から、管理表への書き込みをやめる(両方を更新すると、どちらが正しいか分からなくなる)
- 2週間ほど使ったら、使っていない項目や迷いやすい項目を見直す
3つ目の「終わった作業は移さない」は、移行の手間を減らすうえで大切です。過去の記録は、元の管理表をそのまま保存しておけば十分です。4つ目も重要で、移行の期間に管理表とRedmineの両方を更新する状態が続くと、情報がずれて、結局どちらも信用されなくなります。
自社で動かすか、クラウド版を使うか
自分たちのサーバーで動かす場合と、クラウド版を使う場合の違いを整理します。
| 比べる点 | 自社のサーバーで動かす | クラウド版を使う |
|---|---|---|
| ソフトウェアの費用 | かからない | 月額の利用料に含まれる |
| サーバーの費用 | サーバーや電気代、レンタルサーバーの費用がかかる | 利用料に含まれる |
| 更新とバックアップ | 自分たちで行う | サービス側が行う |
| 設定やプラグインの自由度 | 高い | サービスの範囲内 |
| 使い始めるまでの時間 | インストールと設定が必要 | 申し込み後すぐ |
クラウド版の一例として、Redmine.JPを運営するファーエンドテクノロジーの「My Redmine」があります。公式の料金表(My Redmine)では、スタンダードプランが月額10,000円(税込11,000円)で、1,000ユーザーまで、保存容量は200GBです。容量の大きいプランや、2,000ユーザーまでのエンタープライズプランもあり、最大2か月の無料の試用ができると案内されています。
費用だけを比べると、自社で動かすほうが安く見えます。ただ、サーバーの運用に担当者の時間を使うなら、その人件費も含めて比べる必要があります。社内にサーバーを扱える人がいない、または1人しかいない場合は、クラウド版のほうが結果的に負担が軽くなることが多くあります。
Redmineが合うチーム、合わないチーム
合うチーム
- ソフトウェアやシステムの開発をしていて、GitやSubversionの記録とチケットを結び付けたい
- 不具合や問い合わせの件数が多く、1件ごとの経緯を長く残したい
- ロールとワークフローで、誰がどの状態に変えてよいかを細かく決めたい
- 社内にサーバーを扱える人がいて、データを自分たちのサーバーに保存する必要がある
合わないチーム
- 数人のチームで、まずは作業の一覧と進み具合を共有したいだけ
- ITに慣れていない人が多く、用語の説明や設定に時間をかけられない
- 運用の担当者を決められない
- カードを動かすボードの形で、ぱっと進み具合を見たい
合わないチームに当てはまる点が多い場合は、Redmineにこだわらず、もっと設定の少ない道具から始めるほうが、チームに定着しやすくなります。
もっと手軽に進み具合を共有したい場合の選択肢
数人から十数人のチームで、まずは誰が何をいつまでにするのかを共有したい場合は、設定が少なく、カードを動かして進み具合を見るボード型の道具も候補になります。Redmineのように細かくワークフローを作り込む必要はなく、列とカードだけで始められるのが特徴です。
そうした場面の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、作るときに種類を選ぶだけで使い始められます。カンバンのボードでは作業をカードにして列の間で動かし、ガントのボードではカードの期間が横棒で並び、今日の線から遅れている作業が分かります。カードには見積もりの工数や顧客名などの項目を自由に追加でき、ワークスペースごとのチャットとカードごとのコメントで、やり取りを作業のすぐ隣に残せます。権限はオーナー、管理者、メンバーに加えて自分たちでロールを作れ、操作の記録やログインの履歴も残ります。料金は、5人まで、ボード10個までなら無料で、全8種類のボードとチャットが使えます。6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Redmineとボード型の道具は、どちらが優れているというより、向いている仕事が違います。不具合や問い合わせの経緯を長く細かく残したいならRedmine、少人数で進み具合をすぐに共有したいならボード型の道具、という分け方が1つの目安になります。
導入したあとに続けるための決まりごと
Redmineは入れた直後よりも、半年後、1年後に使われ続けているかが大切です。使われなくなる原因の多くは、チケットの登録と更新の決まりがあいまいなまま、忙しい時期を迎えることにあります。導入したら、次のような決まりをチームで文書にして、Wikiに書いておきます。
- どんな作業をチケットにするか(例:30分以上かかる作業、他の人に頼む作業、お客様からの依頼)
- 誰がチケットを登録するか(依頼した人か、作業する人か)
- ステータスをいつ変えるか(作業を始めたら「進行中」、確認を頼んだら「解決」)
- 注記に何を書くか(決まったこと、次にやること、相談したいこと)
- 週に1回、誰が一覧を見て、期日を過ぎたチケットを確かめるか
5つ目の見直しの役割を決めておくことが、特に大切です。期日を過ぎたチケットが放置されると、一覧が信用されなくなり、メンバーは再びメールやチャットで状況を確かめ始めます。週に1回、15分でよいので一覧を見直す時間を決めておくと、チケットの状態と実際の進み具合がずれにくくなります。
道具を変える、やめるときのことも、最初に考えておきます。Redmineのチケットの一覧は、CSVなどの形式で書き出せます。別の道具に移るときや、過去の記録を手元に残したいときに使えます。自分たちのサーバーで動かしている場合は、データベースと添付ファイルのバックアップを定期的に取っておくことが、移行のときにも役に立ちます。
在宅や業務委託のメンバーと使うときの注意
Redmineはブラウザで使えるので、在宅で働くメンバーや、業務委託で仕事を受けるメンバーとも同じチケットで作業を進められます。ただし、社外の人を招くときは、次の点に気をつけます。
- 見せるプロジェクトを分け、社外の人には必要なプロジェクトだけのメンバーにする
- 社外の人用のロールを作り、チケットの削除や設定の変更をできないようにする
- 契約が終わったら、利用者のアカウントを止める(ロックする)
- 通知メールに社内の情報が書かれていないかを確かめる
業務委託で仕事を受ける側から見ると、発注元のRedmineに参加して作業することは珍しくありません。チケットの更新をこまめにし、作業時間を記録しておくと、作業の報告や請求の根拠にもなります。発注元のRedmineの使い方に早く慣れることは、継続して依頼を受けるための力の1つです。
在宅の仕事を長く見てきた立場から見る、課題管理の道具の選び方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で見えてきたのは、道具の機能の多さよりも、チームの全員が同じ場所を見ているかどうかが、仕事の進み方を左右するということです。Redmineのように機能が豊富な道具を入れても、更新する人が一部に限られると、チケットの状態と実際の進み具合がずれ、結局はメールやチャットで確かめ直すことになります。反対に、表計算ソフトでも、全員が毎日更新する決まりが守られていれば、仕事は回ります。
道具を選ぶときは、「誰が、どのくらいの頻度で、何を更新するのか」を先に決め、それに合う道具を選ぶ順番が確実です。中間の手数料がかからない直接取引で業務委託のメンバーと仕事をする場合も、進み具合を同じ場所で共有しておくことが、発注する側と受ける側の双方の手間を減らします。受け手の手取りが厚い分、報告や記録をきちんと残す人が、次の依頼でも選ばれやすくなります。
Redmineのような課題管理の道具に慣れている人は、開発や業務の改善の仕事で重宝されます。アプリやシステムの開発の仕事の内容と求められる力は、アプリケーション開発のお仕事で整理しています。生成AIを業務に取り入れる支援の仕事でも、課題を整理してチームで追いかける力が求められます。仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。業務の改善や管理の仕組みづくりを専門として深めたい人には、経営の課題を整理して助言する中小企業診断士のような資格も、学ぶ道の1つです。
よくある質問
Q. Redmineは無料で使えますか?
Redmineはオープンソースのソフトウェアで、ソフトウェアそのものの利用料はかかりません。ただし、自分たちのサーバーで動かす場合は、サーバーの費用と、インストールやバックアップ、バージョンアップを行う担当者の時間が必要です。クラウド版のサービスを使う場合は、サーバーの運用は不要になる代わりに、月額の利用料がかかります。
Q. Redmineの「トラッカー」と「ステータス」は何が違いますか?
トラッカーはチケットの種類、ステータスはチケットの状態です。初期データでは、トラッカーに「バグ」「機能」「サポート」、ステータスに「新規」「進行中」「解決」「フィードバック」「終了」「却下」が用意されています。どの種類のチケットを、どの状態からどの状態に変えてよいかは、ワークフローの設定で決めます。
Q. 追加したステータスが選べないのはなぜですか?
新しく追加したステータスは、ワークフローを設定しないと、チケットの作成や更新の画面に表示されません。管理の画面のワークフローで、ロールとトラッカーの組み合わせごとに、どのステータスからどのステータスへ変えてよいかを設定すると、選べるようになります。
Q. 開発の仕事以外でもRedmineは使えますか?
使えます。問い合わせ対応の管理、イベントの準備、社内の業務の管理などでも使われています。開発以外で使う場合は、トラッカーを「問い合わせ」「事務作業」のように自分たちの仕事に合わせて作り直すと、登録する人が迷いにくくなります。最初は1つの用途から始め、使い方が定まってから広げるのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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