見積もり依頼のフォームを無料で作成する手順と、聞いておく項目の選び方

@SOHO編集部
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見積もり依頼のフォームを無料で作成する手順と、聞いておく項目の選び方

この記事のポイント

  • ✓見積もり依頼のフォームを無料で作成する手順を
  • ✓Googleフォームの公式ヘルプに沿って整理しました
  • ✓業種別に聞いておく項目

「見積もりをください」とだけ書かれたメールが届き、数量も納期も予算も分からない。聞き返して返事を待つうちに1日、2日とたってしまう。見積もりの依頼を受ける仕事をしている人なら、一度は経験したことがあるはずです。見積もり依頼のフォームを用意しておけば、必要な条件を最初の1回でそろえてもらえるので、やり取りの往復を減らせます。

この記事では、見積もり依頼のフォームを無料で作成する手順と、聞いておく項目の選び方を、業種別の例とあわせて整理します。結論を先に書くと、見積もり依頼のフォームはGoogleフォームのような無料の道具で十分に作れます。大切なのは道具より項目の選び方で、見積もりの金額を左右する条件を必須にし、それ以外は任意にしておくのが基本です。依頼が増えてきたら、届いた1件ごとに「見積作成中」「見積提出」「受注」などの状況を残せるHalictのような道具で、提出の漏れを防ぐ方法もあります。

見積もり依頼のフォームを作る3つの方法

見積もり依頼のフォームを作る方法は、大きく分けて3つあります。

方法 費用 向いている場面
無料のフォーム作成ツールで作る 無料から 見積もりの条件を聞き、金額は人が計算して返す
自動で金額を計算するフォームを使う 無料のものもある 料金の決まりが明確で、選んだ条件から金額が決まる
見積もり依頼を受け付けから管理まで扱う道具を使う 無料から 依頼の数が多く、提出の漏れを防ぎたい

多くの仕事では、見積もりの金額は依頼の中身を見てから人が決めます。その場合は、1つ目の無料のフォーム作成ツールで条件を集める方法で十分です。2つ目の自動で金額を計算するフォームは、印刷や清掃のように料金表がはっきりしている仕事に向いています。3つ目は、見積もり依頼の数が増え、どの依頼に見積もりを出したかを追うのが難しくなってきたときに検討します。

無料で作る手順(Googleフォームの場合)

ここでは、無料で使えるGoogleフォームで見積もり依頼のフォームを作る手順を、Googleの公式ヘルプに沿って説明します。

ステップ1:フォームを作る

Googleのヘルプ「Google フォームの使い方」によると、forms.google.com にアクセスして空白のフォームのアイコンをクリックし、無題のフォームに名前を付けると作り始められます。フォームの名前は「お見積もりのご依頼」のように、何のフォームかが一目で分かるものにします。

ステップ2:項目を追加する

次の節で紹介する項目を、順番に追加していきます。選択肢で答えてもらう項目は「ラジオボタン」や「プルダウン」、数を答えてもらう項目は「記述式」に回答の検証を付けて数字だけを受け付けるようにするなど、項目ごとに形式を選びます。見積もりの金額に関わる項目には必須の設定をします。

ステップ3:確認メッセージを整える

Googleのヘルプでは、フォームの上部の「設定」から「プレゼンテーション」を開き、「確認メッセージ」を編集すると、送信のあとに表示されるメッセージを変えられると説明されています。「お見積もりのご依頼を受け付けました。○営業日以内にお見積もりをお送りします」のように、次に何が起きるかを書いておきます。

ステップ4:公開して案内する

右上の「公開」をクリックしてフォームを公開し、リンクを知っている人が誰でも答えられる設定にします。公開したら、ホームページのサービスの紹介ページや、メールの署名、SNSのプロフィールなどにフォームのURLを載せます。Googleのヘルプには、その他アイコンの「HTMLを埋め込む」からコードをコピーして、ウェブサイトにフォームを埋め込む方法も載っています。

回答の通知と控え

Googleのヘルプ「フォームの回答を表示、管理する」によると、回答の画面のその他アイコンから「新しい回答についてのメール通知を受け取る」を選ぶと、見積もりの依頼が届くたびにメールで知らせてもらえます。回答者のメールアドレスを集める設定にしている場合は、回答のコピーを回答者に送る設定もできます。依頼した人が、自分が何を伝えたかを手元で確かめられるので、後から「伝えたはず」「聞いていない」という食い違いを減らせます。

見積もり依頼のフォームで聞いておく項目

見積もり依頼のフォームで一番大切なのは、項目の選び方です。項目が少なすぎると聞き返しが増え、多すぎると依頼する人が途中でやめてしまいます。

どの業種でも共通の項目

項目 形式 必須 理由
会社名 短文 法人向けなら必須 見積書の宛名に使う
ご担当者名 短文 必須 連絡の宛名に使う
メールアドレス メール 必須 見積書の送付と連絡に使う
電話番号 電話 任意 急ぎの確認に使う
ご依頼の内容 選択 必須 サービスの種類を選んでもらう
数量や規模 数値か選択 必須 金額を左右する
希望する納期 日付 必須 受けられるかの判断に使う
ご予算 選択 任意 提案の幅を決める
詳しい内容 長文 任意 選択肢で伝えきれない事情
参考の資料 ファイル提出 任意 図面や原稿、参考の画像など

Halictの利用シーンのページでは、制作の見積もり依頼のフォームの例として、会社名、ご担当者名、メールアドレス、電話番号、ご依頼の内容、数量、希望する納期、ご予算、参考の資料の9つの設問が紹介されています。そのうえで「必須にしておけば、条件の抜けた依頼が届きません」と説明されています。見積もりの金額に関わる数量と納期を必須にしておくのは、聞き返しを減らすうえで最も効果があります。

ご予算を聞くかどうか

ご予算の欄は、入れるかどうか迷う項目です。予算を聞くと、依頼する側が「足元を見られるのでは」と感じて答えにくくなることがあります。一方で、予算が分かれば、その範囲で実現できる案を最初から提案できます。

迷う場合は、金額を自由に書いてもらうのではなく、「10万円未満」「10万円以上30万円未満」「30万円以上」「未定」のように幅の選択肢にし、任意の項目にしておくのがおすすめです。「未定」を選べるようにしておけば、答えたくない人も迷わずに先へ進めます。

業種別に足したい項目

見積もりの金額を左右する条件は、業種によって違います。代表的な業種で足したい項目の例を挙げます。

Web制作・デザイン

・制作物の種類(ホームページ、バナー、チラシ、ロゴなど)
・ページ数や点数
・原稿や写真を依頼する側で用意できるか
・公開後の更新や保守を頼みたいか
・参考にしたいサイトや資料(URLかファイル)

印刷・グッズ制作

・商品の種類とサイズ
・数量
・色数や加工の有無
・デザインのデータの有無(ファイル提出)
・納品先の住所と希望の納品日

清掃・設備工事・出張サービス

・作業する場所の住所(市区町村まで)
・建物の種類(戸建て、マンション、事務所など)
・作業する範囲や広さ
・希望の作業日(第1希望と第2希望)
・現場の写真(ファイル提出)

翻訳・ライティング

・言語の組み合わせ
・文字数やページ数
・分野(法律、医療、技術、一般など)
・納期
・原稿のファイル(ファイル提出)

業種ごとの項目を全部入れると長くなりすぎるので、まずは金額に直結する2つか3つに絞り、あとは「詳しい内容」の欄で書いてもらう形から始めます。実際に届いた依頼を見て、毎回聞き返している項目があれば、それを追加していきます。

自動で金額を出すフォームという選択肢

料金の決まりがはっきりしている仕事では、依頼する人が選んだ条件から、その場で目安の金額を表示するフォームもあります。依頼する人は、問い合わせの前におおよその金額が分かるので、予算と合うかをすぐに判断できます。

たとえば、WordPressで作ったサイトに組み込む自動見積もりのフォームとして、AFormsというプラグインがあります。公式サイトでは次のように紹介されています。

AFormsは無料のWordPressプラグイン(パッケージソフト)です。WordPressをお使いの方ならどなたでも無償でホームページに設置できます。 出典: AForms 自動見積フォームが作れる無料WordPressプラグイン

自動で金額を出すフォームは便利ですが、向き不向きがあります。

向いている 向いていない
料金表があり、条件の組み合わせで金額が決まる 現場を見ないと金額が決まらない
選択肢の数が限られている 依頼ごとに中身が大きく違う
価格を公開しても差し支えない 価格を相手ごとに調整している

また、WordPressのプラグインを使う場合は、WordPress本体とプラグインの更新、迷惑な送信への対策を自分で続ける必要があります。表示した目安の金額と、実際に出す見積もりの金額が違ってしまうと、依頼する側の不満につながるので、「表示される金額は目安です。正式な金額はお見積もりでお知らせします」と書き添えておきます。

見積もり依頼のフォームと問い合わせフォームを分けるか

ホームページにすでに問い合わせフォームがある場合、見積もり依頼のフォームを別に作るべきか迷うかもしれません。目安は、見積もりの依頼がどれくらいの割合を占めるかです。

問い合わせの多くが見積もりの依頼なら、見積もり専用のフォームを作り、数量や納期を必須にしておくほうが、やり取りの往復が減ります。逆に、見積もりの依頼はたまにしか来ず、ほかの相談が多いなら、問い合わせフォームに「お問い合わせの種類」の選択肢を設け、「お見積もりのご依頼」を選んだ人にだけ数量や納期の欄を表示する形でも足ります。Googleフォームでは、回答に応じて次に表示するセクションを変えられるので、1つのフォームで両方を受け付けることもできます。

分ける場合は、サービスの紹介ページからは見積もり依頼のフォームへ、それ以外のページからは問い合わせフォームへ、と案内の先を分けておくと、依頼する人が迷いません。

見積もり依頼のフォームの完成例

ここまでの内容をふまえて、Web制作の見積もり依頼のフォームを例に、完成形の項目の並びを示します。

  1. 会社名(短文、必須)
  2. ご担当者名(短文、必須)
  3. メールアドレス(メール、必須)
  4. 電話番号(電話、任意)
  5. ご依頼の内容(選択:新しいホームページの制作/今あるホームページの改修/バナーやチラシ/その他、必須)
  6. ページ数の目安(選択:1ページ/2から5ページ/6から10ページ/11ページ以上/未定、必須)
  7. 原稿と写真の用意(選択:すべてこちらで用意する/一部お願いしたい/すべてお願いしたい、必須)
  8. 希望する公開の時期(日付、必須)
  9. ご予算(選択:30万円未満/30万円以上60万円未満/60万円以上/未定、任意)
  10. 参考にしたいサイト(長文、任意)
  11. 詳しい内容やご要望(長文、任意)

必須の項目は8つありますが、多くは選択肢で答えられるので、入力にかかる時間は数分です。依頼する人にとって負担が小さく、受ける側は最初の連絡で具体的な提案や概算を返せる並びになっています。業種に合わせて5から8の項目を入れ替えれば、ほかの仕事にも応用できます。

見積もり依頼が届いたあとの流れを決める

見積もり依頼のフォームを作ったら、届いたあとの流れも決めておきます。フォームが整っていても、届いた依頼への返事が遅れては意味がありません。

返事までの目安を決める

見積もりを依頼する人は、多くの場合、複数の相手に同時に依頼しています。返事が早いほど、選ばれる可能性は高くなります。すぐに見積もりを出せない場合でも、「ご依頼を受け付けました。○日までにお見積もりをお送りします」という最初の連絡は、できるだけ早く返します。

状況を付けて管理する

見積もり依頼は、届いてから受注や失注が決まるまでに、いくつかの段階を通ります。依頼1件ごとに状況を付けておくと、どの依頼が手つかずで、どの依頼が相手の返事待ちなのかが一目で分かります。

段階 やること
受付 最初の連絡を返す
内容確認 足りない条件を聞き返す
見積作成中 金額と納期を決め、見積書を作る
見積提出 見積書を送り、返事を待つ
受注 発注を受け、仕事に入る
失注 理由を記録する

失注の理由を記録しておくと、後から見返したときに「金額が合わなかった」「納期が合わなかった」など、断られる理由の傾向が見えてきます。料金の決め方や受けられる納期を見直すときの手がかりになります。

スプレッドシートで管理する場合

Googleフォームの回答はスプレッドシートに保存するよう選べるので、そこに「状況」「見積金額」「提出日」「結果」の列を足して管理する方法があります。1人で月に数件から十数件の依頼を受けている段階なら、この方法で十分に回ります。

ただし、見積書を送るメールは別のメールソフトで送ることになるので、いつ誰に何を送ったかは表に残りません。状況の列を書き換え忘れると、実際の状況とずれていきます。依頼の数が増えたり、複数の人で対応するようになったりしたら、受け付けから返信までを1つの画面で扱える道具を検討します。

受け付けから見積もりの提出までを1つの画面で

この用途の選択肢の1つが、フォームの作成から受け付け後の対応までを扱うHalictです。公式サイトでは「受付から対応までのフォームSaaS」と紹介されており、届いた1件ごとに担当と状況が残り、返信も同じ画面から送れて、開封まで記録されると説明されています。

見積もり依頼の受け付けに役立ちそうな点を、公式サイトの記載から挙げると次のとおりです。

・作りたいフォームを言葉で伝えると、AIが設問と選択肢の下書きを作る(たとえば「制作の見積依頼フォーム。数量と納期と予算を必ず聞きたい」)
・テキスト、選択肢、日付、メール、電話、ファイル提出など12種類の項目でフォームを組み立てられる
・ステージ管理で、依頼1件ごとに「受付」「内容確認」「見積作成中」「見積提出」「受注」「失注」のような段階を付けられ、表とボードの表示を切り替えられる
・担当者を割り当てて、提出までの日数を追える
・回答の画面から個別にメールを送れ、送った日時と開封が記録される
・失注の理由などをタグで残し、絞り込みに使える
・回答者にログインを求めず、ファイルの提出も受け付けられる

料金は、フリープランが0円でメンバー1人まで、フォームの数と回答の数は無制限で、ステージ管理、自動返信、CSVの書き出しも使えます。フォームにはHalictの表記が入ります。メンバー3人までのスタータープランは月額2,980円(税抜)、10人までのチームプランは月額7,800円(税抜)で、チームプランからはメールのひな形や、Slack、Teams、Chatworkへの新着の通知も使えます。

1人で見積もり依頼を受けている段階なら、フリープランで受け付けから状況の管理、見積もりの送付までを1つの画面で扱えます。Halictの詳しい内容は紹介ページで確かめられます。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Halictの公式サイトには、見積書そのものを作る機能や、金額を自動で計算する機能の記載はありません。見積書は、ふだん使っている表計算や見積書の作成の道具で作り、ファイルとして送る前提で考えておきます。

聞き返しが必要なときの連絡の仕方

どれだけ項目を工夫しても、見積もりを出すために追加で確かめたいことは出てきます。聞き返すときは、1回の連絡で必要なことをすべて聞き、相手が答えやすい形にするのがコツです。

・聞きたいことに番号を付けて並べる
・選択肢で答えられる質問は、選択肢を示す
・「分からなければ、この前提で見積もります」と仮の前提を添える
・返事の期限と、見積もりを出せる日の目安を伝える

仮の前提を添えておくと、相手は「それで大丈夫です」と一言返すだけで済み、返事が来ないまま見積もりが止まることを防げます。たとえば「ページ数が未定とのことでしたので、5ページの前提で概算をお出しし、確定後に調整いたします」と書けば、相手を待たせずに話を進められます。

見積もりの金額を決めるときの考え方

見積もり依頼のフォームで条件がそろったら、次は金額を決めます。金額の決め方は仕事によって違いますが、多くの仕事で次の3つを組み合わせて考えます。

  1. かかる費用:材料費、外注費、送料、交通費など、仕事のために出ていくお金
  2. 作業の時間:打ち合わせ、作業、修正、確認にかかる時間の見込み
  3. 時間あたりの単価:自分の作業1時間にいくらの価値を付けるか

見積もりの金額は、おおむね「かかる費用+作業の時間×時間あたりの単価」で組み立てられます。見落としやすいのは、作業の時間の中に、打ち合わせや連絡、修正の対応を含めることです。作業そのものの時間だけで見積もると、やり取りが多い仕事ほど赤字に近づいていきます。

見積もり依頼のフォームで「原稿と写真の用意」や「修正の希望」を聞いておくのは、この作業の時間の見込みを正確にするためでもあります。原稿をこちらで書く場合と、依頼する側が用意する場合とでは、作業の時間が大きく変わります。条件ごとに作業の時間の目安を決めておけば、届いた依頼を見てすぐに概算を出せるようになります。

時間あたりの単価に迷う場合は、同じ仕事の市場の相場を調べ、自分の経験や得意分野を踏まえて決めます。安すぎる単価で受け続けると、忙しいのに手元に残るお金が少ない状態になりがちです。見積もりのたびに単価を変えるのではなく、自分の基準となる単価を決めておくと、見積もりの作成も早くなり、相手ごとの金額のばらつきも防げます。

相見積もりへの向き合い方

見積もりを依頼する側は、複数の相手から見積もりを取って比べること(相見積もり)がよくあります。受ける側としては、金額だけで比べられることに不安を感じるかもしれません。

相見積もりで選ばれるために大切なのは、金額の安さより、見積もりの分かりやすさです。何にいくらかかるのかの内訳、含まれる作業と含まれない作業、修正の回数、納期の根拠が書かれた見積もりは、金額が高めでも選ばれることがあります。依頼する側は、比べたときに「何が違うのか」が分からない見積もりを避けがちだからです。

見積もり依頼のフォームで条件をきちんと聞いておけば、相手の事情に合わせた内訳を書けるので、ほかの見積もりとの違いを示しやすくなります。条件をそろえて聞くことは、手間を減らすだけでなく、選ばれる見積もりを作る土台にもなります。

見積書を送るときに気をつけること

見積もり依頼のフォームで条件を集めたら、いよいよ見積書を作って送ります。見積書には、少なくとも次の内容を入れておきます。

・宛名(会社名と担当者名)
・見積もりの日付と、見積もりの有効期限
・作業や商品の内容と数量
・金額(税抜と税込、または消費税の額)
・納期や作業日
・支払いの条件(支払いの時期と方法)
・前提条件(原稿は依頼する側で用意する、修正は2回まで、など)

前提条件は、後のもめごとを防ぐうえで特に大切です。「修正は何回まで含むのか」「素材の用意はどちらが行うのか」が見積もりの段階で書かれていれば、作業の途中で「それは見積もりに入っていない」という話になっても、双方が同じものを見て話せます。

見積もりの有効期限を書いておくのも忘れずに。材料費や外注費が変わる仕事では、何か月も前の見積もりの金額で発注されると、赤字になることがあります。「本見積もりの有効期限は発行日から30日間です」のように書いておきます。

フリーランスとして見積もりを出す人が知っておきたいこと

個人で仕事を受けるフリーランスが、事業者から業務委託の依頼を受ける場合は、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の決まりも関わってきます。厚生労働省のページでは、この法律について次のように説明されています。

個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。 出典: 厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

取引条件の明示とは、仕事の内容、報酬の額、支払いの期日などを、発注する側が書面やメールなどで示すことです。義務を負うのは発注する側ですが、フリーランスの側も、見積書や見積もり依頼のフォームで条件をはっきりさせておけば、発注の段階で示される条件との食い違いに気づきやすくなります。見積もりの段階で、仕事の範囲、修正の回数、納期、支払いの条件を書いておくことは、自分の身を守ることにもつながります。

法律の細かい当てはめは、取引の相手や仕事の形で変わります。迷ったときは、厚生労働省や公正取引委員会の案内で確かめるか、フリーランスの取引に関する相談窓口に相談してください。

見積もり依頼を増やすための工夫

見積もり依頼のフォームは、作っただけでは使ってもらえません。依頼を受けやすくするための工夫も紹介します。

フォームまでの道のりを短くする

サービスの紹介ページを読んだ人が、すぐに見積もりを依頼できるよう、ページの最後と途中に「無料でお見積もり」のようなボタンを付けておきます。お問い合わせのページの奥にしかフォームがないと、探す途中でやめてしまう人が出ます。

料金の目安を載せておく

「料金は内容によって変わります」だけでは、依頼する側は自分の予算で頼めるのかが分からず、依頼をためらいます。「ホームページの制作は○万円から」「1,000部の印刷は○円から」のような目安を載せておくと、予算の合う人が安心して依頼できます。目安と実際の金額の差が大きくならないよう、代表的な例をいくつか挙げておくのも効果があります。

依頼したあとの流れを書いておく

「フォームを送ると、1営業日以内に担当からご連絡します。内容を確認したうえで、3営業日以内にお見積もりをお送りします。お見積もりのご依頼だけで費用がかかることはありません」のように、依頼のあとの流れと費用がかからないことを書いておくと、気軽に依頼してもらえるようになります。

過去の仕事の例を添える

見積もりを依頼するかどうか迷っている人は、「この相手に頼んだら、どんなものが出来上がるのか」を知りたがっています。フォームへのボタンの近くに、過去の仕事の例と、そのときのおおよその金額と期間を載せておくと、依頼する側は自分の依頼に近い例を見つけて、安心して見積もりを依頼できます。取引先の名前を出せない仕事は、「飲食店のホームページ、5ページ、制作期間1か月」のように、業種と規模だけを書く形でもかまいません。掲載する前に、取引先に載せてよいかを確かめておくことも忘れないようにします。

公開前に確かめること

見積もり依頼のフォームを公開する前に、自分で一度依頼を送って次の点を確かめます。

  1. パソコンとスマートフォンで最後まで入力して送れる
  2. 必須の項目を空けると、分かりやすく止まる
  3. 数量の欄に、数字以外が入らないようになっている
  4. ファイルの提出が、想定した形式と大きさで受け付けられる
  5. 送信のあとに、次の流れを書いた確認メッセージが出る
  6. 届いた依頼の通知が、ふだん見る受信箱に届く
  7. 個人情報の利用目的と、プライバシーポリシーへのリンクがある

Googleフォームでファイルの提出を受け付ける場合は、回答する人にGoogleアカウントへのログインが求められます。取引先の中にGoogleアカウントを使っていない人が多い場合は、ファイルはメールで送ってもらう形にするか、ログインの要らない道具を使うかを検討します。

見積もりと、働き方のデータから見えること

最後に、在宅ワークや業務委託の仕事を長く見てきた立場から、見積もりのやり取りを仕事の視点で整理します。

業務委託の仕事は、多くの場合、見積もりから始まります。見積もりの依頼に早く、分かりやすく答えられる人ほど、仕事を受けられる機会は増えます。見積書や提案書を作る力そのものも仕事になります。営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事では、営業の資料や提案書を作る仕事の種類と始め方がまとめられています。見積書や契約書などの書類づくりに関心がある人は、契約書・資料・企画書作成のお仕事も参考になります。

見積もり依頼のフォームや、受け付けから管理までの仕組みを作る側の仕事もあります。フォームや業務の道具を作る仕事の相場は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で確かめられます。設備投資や新しい事業のために補助金を使うことを考えている事業者の人は、事業再構築補助金2026|最新公募の変更点と採択されるための計画書作成法で、計画書の書き方の要点を確認できます。

運営者として20年近くこの市場を見てきた限りでは、長く続く人ほど、見積もりの段階で「この人に任せると話が早い」と思われる工夫をしています。必要な条件を最初に聞き、前提を見積書に書き、期日までに必ず出す。それだけで、依頼する側の手間は大きく減ります。中間の手数料を挟まずに依頼主と直接やり取りする働き方では、見積もりの段階の信頼がそのまま発注につながり、依頼主は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。見積もり依頼のフォームは、その最初の一歩を整える道具です。

よくある質問

Q. 見積もり依頼のフォームは無料で作れますか?

作れます。Googleフォームなら、Googleアカウントがあれば無料で作成し、公開したURLをホームページやメールで案内するだけで見積もりの依頼を受け付けられます。回答はスプレッドシートに保存でき、新しい回答が届いたときのメール通知も設定できます。料金表がはっきりした仕事なら、自動で金額を出すフォームも検討できます。

Q. 見積もり依頼のフォームで必須にする項目は何ですか?

会社名(法人向けの場合)、担当者名、メールアドレス、依頼の内容、数量や規模、希望する納期を必須にしておくのが基本です。特に数量と納期は見積もりの金額を左右するので、必須にしておくと聞き返しが大きく減ります。予算は答えにくい人もいるので、幅の選択肢にして任意にしておきます。

Q. 見積もりの依頼が増えて管理しきれないときはどうすればよいですか?

依頼1件ごとに「受付」「見積作成中」「見積提出」「受注」「失注」のような状況を付けて管理します。スプレッドシートの列で管理する方法から始め、複数の人で対応する、送った見積もりの記録を残したいといった段階になったら、受け付けから返信までを1つの画面で扱える道具を検討します。

Q. 見積書には何を書いておけばよいですか?

宛名、日付と有効期限、作業や商品の内容と数量、金額と消費税、納期、支払いの条件、前提条件を書きます。修正の回数や素材の用意をどちらが行うかといった前提条件を書いておくと、作業の途中で見積もりの範囲をめぐるもめごとを防げます。有効期限は、材料費が変わる仕事では特に大切です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月28日最終更新:2026年10月12日
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