案件管理表の作り方|進み具合と担当をエクセルで追う

この記事のポイント
- ✓エクセルでの作成の手順
- ✓条件付き書式や絞り込みを使った見やすくする工夫
- ✓よくある失敗まで解説します
受けている仕事が増えてくると、「あの案件はどこまで進んでいたか」「誰が担当していたか」「納期はいつだったか」が頭の中だけでは追えなくなります。そんなときに役立つのが案件管理表です。案件管理表は、エクセルやスプレッドシートで今日から作れ、項目と入力の決まりを最初に決めておけば、少人数のチームなら十分に回ります。
この記事では、案件管理表に入れる項目、エクセルでの作り方の手順、状況の決め方、入力の決まり、見やすくする工夫、よくある失敗を順に解説します。後半では、表だけでは追いきれなくなる場面と、管理ツールに移すときの選び方として、カードで仕事を管理するプロジェクト管理ツールのPinatecaのような道具も、方法の1つとして紹介します。
案件管理表とは
案件管理表とは、受けている仕事(案件)を1件ずつ並べ、内容、担当者、期限、進み具合、金額などを一覧にした表のことです。案件の管理表、案件一覧、案件台帳などと呼ばれることもあります。
案件管理表を作る目的は、次の3つです。
- 今どの案件が、どこまで進んでいるかを、誰でもすぐに分かるようにする
- 期限が近い案件や、止まっている案件に早く気づく
- 担当者ごとの仕事の量の偏りを見つける
頭の中や、個人のメモで仕事を管理していると、担当者が休んだときや、急に問い合わせが来たときに、誰も状況が分かりません。案件管理表があれば、表を開くだけで全体の状況を確かめられます。
タスク管理表や営業管理表との違い
似た表に、タスク管理表と営業管理表があります。
| 表の種類 | 1行に書くもの | 主な目的 |
|---|---|---|
| 案件管理表 | 受けた仕事1件 | 案件ごとの進み具合、担当、期限、金額を追う |
| タスク管理表 | 作業1つ | 1人ひとりがやる作業の抜けや遅れを防ぐ |
| 営業管理表 | 商談1件 | 受注する前の商談の進み具合や見込みを追う |
案件管理表は、1件の仕事を1行で表します。1件の案件の中には、たくさんの作業が含まれますが、作業の細かい管理はタスク管理表に分けたほうが、表が見やすくなります。営業の段階の商談まで同じ表で追う会社もありますが、その場合は、受注の前と後で状況の欄を分けて考えます。
案件管理表に入れる項目
案件管理表に入れる項目は、仕事の種類によって変わりますが、多くの仕事で使える基本の項目は次のとおりです。
| 項目 | 書く内容 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 案件番号 | 案件を見分けるための番号 | 2026-001 |
| 案件名 | 何の仕事かが分かる短い名前 | A社 会社案内の制作 |
| 取引先 | お客様の会社名や名前 | 株式会社A |
| 担当者 | 社内で責任を持つ人 | 山田 |
| 受注日 | 仕事を受けた日 | 2026/10/01 |
| 開始日 | 作業を始めた日 | 2026/10/05 |
| 納期 | お客様に納める期限 | 2026/11/20 |
| 状況 | 今どの段階にあるか | 制作中 |
| 次にやること | 次の具体的な作業 | 初稿をお客様に送る |
| 次の期限 | 次にやることの期限 | 2026/10/30 |
| 金額 | 受注した金額 | 300,000 |
| 請求の状況 | 請求書を出したか、入金されたか | 未請求 |
| 備考 | そのほかに伝えたいこと | 担当者が11月から変わる予定 |
最初は少ない項目から始める
項目が多すぎると、入力の手間が増え、表が続かなくなります。最初は、案件名、取引先、担当者、納期、状況、次にやることの6つ程度から始め、必要になった項目を追加していきます。
「次にやること」の欄が大切
案件管理表で特に役立つのが、「次にやること」と「次の期限」の欄です。状況が「制作中」と書いてあるだけでは、何が止まっているのかが分かりません。「初稿をお客様に送る(10/30まで)」のように次の作業が書いてあれば、担当者以外の人も、その案件が予定どおり進んでいるかを判断できます。
営業の段階まで追う場合の項目
受注する前の商談から同じ表で追う場合は、受注の確度や見込みの金額の欄を追加することがあります。テンプレートを配っているサイトでは、営業の項目を細かく管理する表について、次のような注意が書かれています。
営業詳細型は、営業フェーズ・確度・次回訪問日・競合情報などを手入力で管理します。確度は「60%」のように%付きで入力してください。見込み金額は案件総額なのか確度を掛けた金額なのかを統一します。配布ファイルに確度加重の計算式はないため、必要なら別列で計算し、受注済み・失注の扱いも決めておきます。 出典: biztemplatelab.com
このように、同じ「金額」の欄でも、案件の総額なのか、見込みを掛けた金額なのかを決めておかないと、合計の数字が意味を持たなくなります。項目を追加するときは、何を書く欄なのかを必ず決めておきます。
状況の決め方
案件管理表で最も大切なのが、状況の欄です。状況の言葉が人によってばらばらだと、表を見ても進み具合が分かりません。状況は、あらかじめ決めた言葉の中から選ぶようにします。
状況の例
仕事の流れに合わせて、状況を5つから7つ程度に決めます。制作の仕事なら、たとえば次のようになります。
- 受注:仕事を受けたが、まだ作業を始めていない
- 準備中:資料の受け取りや打ち合わせをしている
- 制作中:作業を進めている
- 確認待ち:お客様の確認を待っている
- 修正中:お客様の指摘を受けて直している
- 納品済み:納品が終わった
- 完了:請求と入金まで終わった
「確認待ち」を分けておく理由
状況の中に、お客様の確認を待っている段階を分けておくと、止まっている理由が分かります。自分たちの作業が遅れているのか、お客様の返事を待っているのかで、取るべき行動が変わるからです。確認待ちが長く続いている案件は、お客様に確認の催促をする必要があります。
状況の言葉は増やしすぎない
状況の言葉を細かく分けすぎると、どれを選べばよいか迷い、人によって選び方が違ってきます。迷わず選べる数に抑え、それぞれの言葉の意味を表の隅や別のシートに書いておきます。
エクセルでの作り方の手順
ここでは、エクセルで案件管理表を作る手順を紹介します。Googleスプレッドシートでも、ほぼ同じ手順で作れます。
ステップ1:見出しの行を作る
1行目に、項目の名前を並べます。左から、案件番号、案件名、取引先、担当者、納期、状況、次にやること、次の期限、金額、備考のように並べます。よく見る項目を左に並べると、横に動かさずに確かめられます。
ステップ2:表をテーブルにする
見出しと数行のデータを入れたら、範囲を選んで「テーブルとして書式設定」を使い、表をテーブルにします。テーブルにすると、行を追加したときに書式や計算式が自動で引き継がれ、見出しに絞り込みのボタンが付きます。
ステップ3:状況の欄を選択式にする
状況の欄を選んで、「データの入力規則」で「リスト」を選び、決めた状況の言葉を入れます。こうすると、状況の欄は一覧から選ぶだけになり、入力の揺れがなくなります。担当者の欄も、同じように選択式にしておくと便利です。
ステップ4:日付と金額の書式を決める
納期と次の期限の欄は日付の書式に、金額の欄は数値の書式に設定します。日付を文字として入力すると、並べ替えや期限の計算ができなくなります。
ステップ5:見出しの行を固定する
案件が増えて下に長くなっても見出しが見えるように、「ウィンドウ枠の固定」で1行目を固定します。左の案件名の列も固定すると、横に動かしても何の案件かが分かります。
ステップ6:保存場所と編集できる人を決める
作った表は、チーム全員が開ける共有の場所に保存します。誰が編集してよいかも決めておきます。同じファイルのコピーが何個もできると、どれが最新か分からなくなるため、保存場所は1か所にします。
見やすくする工夫
案件管理表は、作っただけでは役に立ちません。毎日開いて、すぐに状況が分かるように、見やすくする工夫をします。
期限が近い案件に色を付ける
「条件付き書式」を使うと、納期や次の期限が近い案件に自動で色を付けられます。たとえば、次の期限が今日から3日以内なら黄色、期限を過ぎていたら赤、のように設定します。表を開いたときに、色の付いた行から手を付ければよいので、期限の見落としが減ります。
完了した案件を見えにくくする
状況が「完了」の行は、文字の色を薄くするか、絞り込みで隠します。終わった案件と進行中の案件が同じように並んでいると、進行中の案件が見えにくくなります。完了した案件は、月末などに別のシートに移す方法もあります。
絞り込みと並べ替えを使う
テーブルの見出しの絞り込みのボタンを使うと、担当者ごと、状況ごとに案件を表示できます。朝の打ち合わせでは、状況が「確認待ち」の案件だけを表示して確かめる、といった使い方ができます。納期の順に並べ替えると、急ぐ案件が上に来ます。
担当者ごとの件数を数える
別のシートに、担当者ごとの進行中の件数を数える表を作ると、仕事の偏りが分かります。COUNTIFS関数を使えば、「担当者が山田で、状況が完了以外」の件数を数えられます。件数が多い担当者がいれば、新しい案件の割り振りを見直します。
月ごとの金額を集計する
金額の欄があれば、ピボットテーブルを使って、月ごと、取引先ごとの受注の金額を集計できます。売上の見通しを立てるときの材料になります。
関数を使った便利な列
エクセルの関数を使うと、手で入力しなくても自動で計算される列を作れます。案件管理表でよく使う列を紹介します。
納期までの残り日数
「残り日数」の列を作り、納期から今日の日付を引く式を入れます。納期がC列なら「=C2-TODAY()」のように書き、表示の形式を数値にします。数字が小さい案件ほど急ぐ必要があり、マイナスになっていれば納期を過ぎています。この列に条件付き書式で色を付けると、急ぐ案件がひと目で分かります。
遅れの判定
「判定」の列を作り、次の期限を過ぎていて、状況が完了でない案件に「遅れ」と表示させます。IF関数とAND関数を組み合わせて、「次の期限が今日より前」かつ「状況が完了ではない」ときに「遅れ」と表示し、それ以外は空欄にする、という式を作ります。遅れの案件だけを絞り込めば、打ち合わせで確かめる案件がすぐに分かります。
案件番号の自動の付け方
案件番号は、受注の年と、その年の通し番号を組み合わせると、重複を防げます。たとえば「2026-001」のように付けます。番号を手で付ける場合は、最後の番号を表の上のほうに書いておくと、次の番号を間違えにくくなります。
入力の漏れを見つける
担当者や納期の欄が空欄の行に色を付ける条件付き書式を設定しておくと、入力の漏れに気づけます。特に、新しく案件を追加したときに、担当者を決めないまま行だけを作ってしまうことがあるため、空欄が目立つようにしておくと安心です。
関数は増やしすぎない
便利な式も、増やしすぎると表が重くなり、ほかの人が直せなくなります。式の入った列は、見出しの色を変えるなどして、手で入力しない列だと分かるようにしておきます。式の意味は、別のシートに短く書いておくと、担当者が替わっても引き継げます。
入力の決まりを作る
案件管理表が続かない一番の理由は、入力が更新されなくなることです。表を作るときに、入力の決まりも一緒に決めておきます。
誰がいつ更新するか
案件の状況は、担当者が、状況が変わったその日のうちに更新する、と決めます。週に1回まとめて更新する決まりにすると、表の状況が実際より最大で1週間遅れます。
書き方をそろえる
案件名の付け方(取引先名と仕事の内容を組み合わせる、など)、日付の書き方、金額は税抜か税込か、といった書き方をそろえます。書き方が人によって違うと、並べ替えや集計がうまくいきません。
表を確かめる場を作る
週に1回、チームで案件管理表を見ながら短い打ち合わせをすると、更新の漏れに気づけます。打ち合わせでは、期限が近い案件、確認待ちが長い案件、次にやることが空欄の案件を中心に確かめます。
変更の記録を残す
納期の変更や、担当者の交代など、大事な変更があったときは、備考の欄に日付と内容を書いておきます。あとから「いつ納期が変わったのか」を確かめられます。
表を社外の人と共有するときの注意
案件管理表には、取引先の名前や金額など、社外に出せない情報が含まれます。協力会社や業務委託の人と表を共有するときは、次の点に注意します。
見せる範囲を分ける
社外の人に見せる表と、社内だけで使う表を分けます。金額や、ほかの取引先の情報は、社外の人に見せる必要がないことがほとんどです。社外向けには、その人が関わる案件の、作業の内容と期限だけを書いた表を別に作ります。
編集できる人を決める
共有の設定で、社外の人は見るだけにするのか、編集もできるようにするのかを決めます。編集できるようにする場合は、どの欄を更新してほしいのかを伝えておきます。
共有のリンクの扱いに気をつける
クラウドの保存場所の共有のリンクは、リンクを知っている人なら誰でも開ける設定になっていることがあります。共有の設定を確かめ、必要な人だけが開けるようにします。仕事が終わった協力者は、共有の相手から外します。
個人情報を書かない
案件管理表に、お客様個人の住所や電話番号などを書く場合は、見られる人を限ります。必要がなければ、案件管理表には書かず、顧客の情報を管理する別の場所に分けて保存します。
よくある失敗と対策
案件管理表を作ったものの、うまく使えなかったという話はよく聞かれます。よくある失敗と、その対策を紹介します。
項目が多すぎて入力されなくなる
最初から多くの項目を作ると、入力が面倒になり、空欄だらけの表になります。対策は、本当に使う項目だけに絞ることです。3か月使っても一度も見なかった項目は、削ってかまいません。
ファイルが何個もできる
メールで表を送り合っていると、それぞれが手元のファイルを更新して、どれが最新か分からなくなります。対策は、共有の場所に1つだけ保存し、全員がそのファイルを直接開いて更新することです。
同時に編集して上書きされる
複数の人が同じファイルを同時に開いて編集すると、片方の変更が消えることがあります。共同編集に対応したクラウドの保存場所を使うか、Googleスプレッドシートのように同時に編集できる道具を使います。
状況が実際と合っていない
表の上では「制作中」なのに、実際には止まっている、ということがあります。対策は、「次にやること」と「次の期限」の欄を必ず書く決まりにすることです。次の期限が過ぎているのに更新されていなければ、止まっていることに気づけます。
1週間の運用の例
案件管理表を、チームでどう使えばよいのかを、5人ほどの制作のチームの1週間の例で紹介します。
月曜日の朝:週の初めの打ち合わせ
月曜日の朝に15分ほど、チーム全員で案件管理表を開いて確かめます。今週が次の期限になっている案件、確認待ちが1週間以上続いている案件、次にやることが空欄の案件を順に見て、担当者が今週の予定を短く話します。手が足りない担当者がいれば、その場でほかの人が手伝うかを決めます。
毎日:状況が変わったら更新する
担当者は、状況が変わったときに、その日のうちに状況と次にやること、次の期限を更新します。お客様に初稿を送ったら、状況を「確認待ち」にし、次にやることを「お客様の確認を待つ」、次の期限を確認をお願いした日にします。
水曜日:確認待ちの案件を催促する
週の半ばに、確認待ちの案件の中で、お客様にお願いした期限を過ぎているものを確かめ、担当者がお客様に確認の連絡を入れます。催促した日は備考の欄に書いておきます。
金曜日:新しい案件の割り振りと週の振り返り
金曜日には、その週に受けた新しい案件を表に追加し、担当者を決めます。担当者ごとの進行中の件数を見て、偏りがないように割り振ります。納品が終わった案件は状況を「納品済み」にし、請求書を出したかを確かめます。
月末:完了した案件を整理する
月末には、入金まで終わった案件の状況を「完了」にし、別のシートに移します。月ごとの受注の金額を集計し、翌月の見通しを立てます。
このように、表を見るタイミングを決めておくと、表の更新が習慣になり、表の状況が実際と合った状態を保てます。
1人で使う案件管理表
案件管理表は、チームだけでなく、1人で仕事を受けるフリーランスや副業の人にも役立ちます。1人で使う場合は、項目をさらに絞り、自分が迷わず続けられる形にします。
1人用の項目の例
- 依頼主
- 案件名
- 納期
- 状況
- 次にやること
- 金額
- 請求日と入金日
請求と入金まで追う
1人で仕事を受ける場合、請求書を出し忘れたり、入金を確かめ忘れたりすることがあります。案件管理表に請求日と入金日の欄を作り、納品が終わったら請求、入金を確かめたら完了、という流れで管理すると、請求の漏れを防げます。
稼働の時間を記録する
時間単位で報酬を受ける仕事では、案件ごとの作業時間を記録しておくと、請求の根拠になります。また、案件ごとにかかった時間と金額を比べると、どの仕事が効率がよいのかも分かり、次に受ける仕事を選ぶときの材料になります。
仕事の種類別の項目の例
案件管理表の項目は、仕事の種類によって追加するものが変わります。いくつかの例を紹介します。
制作の仕事(デザイン、ホームページ、印刷物など)
- 初稿の提出日
- 修正の回数
- 素材の受け取りの状況
- 納品の方法
工事や保守の仕事
- 現場の住所
- 作業の予定日と作業員
- 必要な部品の手配の状況
- 完了報告書の提出
士業や事務の代行の仕事
- 手続きの種類
- 必要な書類の受け取りの状況
- 提出先と提出日
- 結果の通知の受け取り
業務委託でフリーランスが受ける仕事
- 依頼主の連絡の窓口
- 契約の形(時間単位、案件単位、月額固定)
- 稼働の時間
- 請求書の送付日と入金日
自分の仕事の流れに合わせて、どの段階で何を確かめる必要があるかを考え、必要な項目だけを追加します。
項目を追加するときは、過去に起きた失敗を思い出すと、必要な項目が見えてきます。たとえば、素材の受け取りが遅れて納期に間に合わなかったことがあるなら「素材の受け取り」の欄を、請求書を出し忘れたことがあるなら「請求の状況」の欄を追加します。失敗のたびに項目を1つ増やすのではなく、同じ失敗が2回起きたら追加する、という目安にすると、表が膨らみすぎません。
表で足りなくなる場面
エクセルやスプレッドシートの案件管理表は、少人数で、案件の数がそれほど多くないうちは、とても使いやすい道具です。一方で、次のような状況になると、表だけでは追いきれなくなることがあります。
- 担当者が5人を超え、同時に多くの人が表を更新する
- 1件の案件の中の作業が多く、作業ごとの担当と期限も追いたい
- 案件ごとのやり取り(お客様の指摘、社内の相談)が、メールやチャットに散らばる
- スマートフォンから、外出先で状況を更新したい
- 社外の協力者にも、一部の案件だけを見てもらいたい
表を続けるか、ツールに移すかの判断
こうした状況になっても、すぐにツールに移す必要はありません。まずは、表の項目と入力の決まりを見直します。それでも、更新の漏れや、やり取りの散らばりが続くようなら、案件の管理に向いた道具を検討します。
案件の管理のサービスを提供する会社のコラムでは、表計算ソフトとの違いについて、次のように書かれています。
案件管理SaaSなら、リアルタイム共有はもちろん、分析レポートの自動生成、ステータス変更時の通知、スマホからの入力・確認まで、Excelでは手間だった作業がすべて自動化されます。コストも月額1,000〜3,000円/人程度と、得られる効率化の効果を考えれば十分にコスパの良い投資です。 出典: flexcrm.jp
これはサービスを提供する側の見方で、料金はサービスによって大きく違います。また、表計算ソフトにも、共同編集やスマートフォンでの閲覧の機能があります。自分たちの困りごとが、道具を替えることで本当に解決するかを考えて判断します。
表計算ソフトを案件管理のアプリに変える方法
エクセルの表を読み込んで、案件管理のアプリを作れるサービスもあります。データベースのサービスを提供する会社の案内では、エクセルのファイルを読み込んで、項目の型を確かめるだけでアプリができる流れが紹介されています。
読み込んだセルの項目型が意図通りかを確認し、調整します。 作成をクリックすると、案件管理表アプリが作成されます。 出典: sei-info.co.jp
今の表の項目を活かしたまま移せる道具を選ぶと、移行の手間を減らせます。
管理ツールを選ぶときの比べ方
案件の管理に使える道具には、さまざまなものがあります。選ぶときに比べたい点を整理します。
比べる点
- 料金:何人で使うと、月にいくらかかるか。無料で使える範囲はどこまでか
- 見え方:表の形、カードを並べる形、ガントチャート(期間を横棒で表す図)など、自分たちに合う見え方があるか
- 共有:社外の人を招待できるか、見られる範囲を分けられるか
- 移行:今のエクセルの表から、データを移せるか
- 続けやすさ:チームの全員が無理なく使えるか
代表的なサービスの料金と注意点
よく比べられるサービスについて、公式の料金ページの記載を紹介します(2026年10月23日に確認)。
TrelloはAtlassianのカード型のタスク管理のサービスです。Trelloの料金ページによると、無料のFreeプランは1つのワークスペースあたり10人のコラボレーターまで、ボードは最大10枚までです。Standardプランは年払いでユーザーあたり月額5ドル(月払いは6ドル)、Premiumプランは年払いでユーザーあたり月額10ドル(月払いは12.50ドル)です。
Backlogは、株式会社ヌーラボのプロジェクト管理のサービスです。Backlogの公式ブログでは、2027年1月1日からプランを改定すると告知されています。現在のプランの新規契約は2026年12月31日で終わり、新しいプランはエコノミー、ビジネス、プロフェッショナルの3つになります。エコノミーは月払いで月額21,000円(税抜)、ユーザー数の上限は15です。フリープランは、ユーザーの上限が10名から5名に変わります。すでにフリープランを6人以上で使っている場合、今のメンバーは引き続き使えますが、新しくユーザーを追加できなくなると書かれています。これからBacklogを使い始める場合は、改定後の料金と上限で比べる必要があります。
どのサービスも、料金や無料の範囲は変わることがあります。申し込む前に、公式の料金ページで最新の内容を確かめてください。
表からカード型の管理に移すときの選択肢
エクセルの表で案件を管理してきたチームが、担当と期限と進み具合を全員で共有したくなったときの選択肢の1つが、Pinatecaです。Pinatecaは、カードを並べて仕事を進めるプロジェクト管理ツールです。公式サイトによると、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが使え、5人までなら無料のプランで全種類のボードを使えます。無料のプランのボードは10個までです。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
案件管理表の1行を1枚のカードにして、担当者と期限を付ければ、カンバンボードでは「受注」「制作中」「確認待ち」「納品済み」のような列にカードを動かして進み具合を管理できます。リストボードでは、表の形で全件を並べ、絞り込んで一括で直せます。ガントチャートでは、案件ごとの期間を横棒で並べて、締め切りの重なりを確かめられます。カードには、見積工数や優先度、顧客名のような項目を自由に追加できるので、今の表の項目を活かして管理できます。案件ごとのやり取りは、カードのコメントに残せるため、メールやチャットに散らばりにくくなります。
有料のスタンダードプランは1人あたり月額500円(年払いなら月額400円、税抜)で、人数とボードの上限がなくなります。業務委託の稼働の時間を記録して請求の根拠にしたい場合は、追加のオプションの稼働タイムシート(1人あたり月額980円、年払いなら月額780円、税抜)もあります。
なお、Pinatecaは案件や作業の進み具合を管理する道具で、見積書や請求書を作る機能や、売上を集計する機能の代わりにはなりません。金額や請求の管理は、今の表や会計の道具と組み合わせて使ってください。
案件管理表を仕事に活かす力
案件管理表を作り、チームで使い続ける力は、どの職場でも評価されます。仕事の流れを整理し、決まりを作り、道具を選ぶ力は、業務の改善の仕事そのものだからです。
業務の改善を支援する仕事
最近は、生成AIやクラウドの道具を使って、会社の業務の管理を効率化する支援の仕事が増えています。案件管理表の項目を整理し、どの道具に移すかを提案する仕事もその1つです。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、こうした仕事の内容と求められるスキルを紹介しています。業務に合わせた仕組みを作る側に興味がある人は、アプリケーション開発のお仕事も参考になります。
道具の費用を見直したい場合は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で、サービスの費用の整理のしかたを紹介しています。
フリーランスこそ案件管理表が役立つ
フリーランスや副業の仲介を長く運営してきた立場から見ると、複数の依頼主から仕事を受ける人ほど、自分用の案件管理表で納期と請求の状況を管理しています。依頼主ごとに連絡の方法や締め切りの考え方が違うため、頭の中だけで管理すると、納期の勘違いや請求の漏れが起きやすいからです。仲介手数料のかからない手数料0%の直接取引では、請求や入金の確認も自分で行う場面が増えるため、案件管理表で請求の状況まで追っておくと安心です。
まずは、今受けている仕事を、案件名、取引先、担当者、納期、状況、次にやることの6つの項目で一覧にしてみてください。在宅でできる仕事の種類は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも紹介しています。
よくある質問
Q. 案件管理表にはどんな項目を入れればよいですか?
最初は、案件名、取引先、担当者、納期、状況、次にやることの6つ程度から始めるのがおすすめです。項目が多すぎると入力されなくなります。使いながら、金額、請求の状況、次の期限など、必要になった項目を追加していきます。3か月使っても見なかった項目は削ってかまいません。
Q. エクセルとGoogleスプレッドシートのどちらで作ればよいですか?
どちらでも作れます。複数の人が同時に更新するなら、同時に編集できるGoogleスプレッドシートや、共同編集に対応したクラウドの保存場所にあるエクセルが向いています。大切なのは、表を1か所にだけ保存し、全員がそのファイルを直接更新する決まりにすることです。
Q. 案件管理表が更新されなくなるのを防ぐにはどうすればよいですか?
担当者が状況の変わったその日のうちに更新する、と決めておきます。状況の欄を選択式にし、次にやることと次の期限の欄を必ず書く決まりにすると、止まっている案件に気づきやすくなります。週に1回、チームで表を見ながら短い打ち合わせをすると、更新の漏れも見つけられます。
Q. 表から管理ツールに移すのはどんなときですか?
担当者が増えて同時の更新が多くなったとき、案件の中の作業ごとの担当と期限も追いたくなったとき、案件ごとのやり取りがメールやチャットに散らばるようになったときが目安です。まずは表の項目と決まりを見直し、それでも追いきれない場合に、無料の範囲で試せる道具から検討すると失敗が少なくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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