進捗報告の書き方|上司やクライアントに伝わる順番と書き残すこと


この記事のポイント
- ✓上司とクライアントへの例文
- ✓遅れているときの伝え方の順に解説します
- ✓進捗率の数字の落とし穴
進捗報告の書き方に悩む人の多くは、書くことがないのではなく、書くことが多すぎて何から伝えればよいのか分からなくなっています。作業の細かい経緯を全部書くと長くなり、短くまとめると「で、間に合うの?」と聞き返される。上司やクライアントが進捗報告で知りたいことは、実はそれほど多くありません。
この記事では、進捗報告で伝える順番と、必ず書き残す項目を整理し、上司への週次の報告とクライアントへの報告の例文を紹介します。遅れているときの伝え方、進捗率の数字の落とし穴、報告の頻度と手段も扱います。毎回の報告を作る手間そのものを減らしたい場合は、作業の状況をボードで見える形にしておく方法があり、Pinatecaのようなプロジェクト管理の道具も後半で紹介します。
進捗報告は何のためにするのか
進捗報告とは、任された仕事がいまどこまで進んでいて、予定どおりに終わりそうかを、関係する人に伝えることです。英語ではステータスレポートと呼ばれることもあります。
報告を受ける側が進捗報告を求める理由は、大きく3つあります。
1つ目は、判断のためです。上司やクライアントは、報告をもとに、予定を変えるか、人を追加するか、別の作業を先にするかを決めます。報告が遅れたり、あいまいだったりすると、判断も遅れます。
2つ目は、安心のためです。任せた仕事の様子が見えないと、任せた側は不安になります。報告が定期的に届けば、細かく口を出さなくても任せておけます。
3つ目は、記録のためです。あとから「いつ、何が決まったのか」「なぜ予定が変わったのか」を確かめるとき、過去の進捗報告が手がかりになります。
プロジェクト管理の道具を提供するAsanaの解説でも、進捗報告書は、プロジェクトの状況を関係者に共有するための文書として位置づけられています。
このガイドでは、プロジェクト進捗状況報告書に盛り込むべき内容を説明し、「社員満足度プロジェクト」の進捗状況を例に、実際のステップをご覧いただきます。 出典: asana.com
この3つの目的を意識すると、報告に何を書くべきかが自然に決まってきます。判断に必要なこと、安心につながること、あとで確かめたくなることを書けばよいのです。逆に、それ以外のことは、聞かれたら答えればよい情報です。
進捗報告が伝わらない3つの理由
書き方の話に入る前に、伝わらない報告によくある原因を整理しておきます。
経緯から書き始めている
「月曜日にAさんと打ち合わせをして、火曜日に資料を作り始めたところ、データが足りないことが分かり……」と、時間の順に書いていく報告は、読む人が最後まで読まないと結論にたどり着けません。忙しい上司ほど、最初の数行で判断しようとします。
「順調です」とだけ書いている
逆に短すぎるのも問題です。「順調です」「進んでいます」だけでは、どこまで進んでいて、いつ終わるのかが分かりません。受け取った側は、結局もう一度聞き返すことになります。
困っていることを書いていない
遅れや問題を書かずに、うまくいっている部分だけを報告するのは、一番避けたい書き方です。問題は、早く伝えるほど打てる手が多くなります。締め切りの直前に「実は間に合いません」と伝えるのは、報告を受ける側にとって最も困る事態です。
この3つの原因を裏返すと、伝わる報告の形が見えてきます。結論を最初に書く、具体的な数字や期日で書く、困っていることを隠さずに書く、の3つです。
伝わる順番は「結論から」
進捗報告は、次の順番で書くと伝わりやすくなります。
- 結論(予定どおりか、遅れているか)
- 現状(何がどこまで終わったか)
- 課題(困っていること、遅れの原因)
- 対策(課題にどう対応するか)
- 次の予定(次の報告までに何をするか)
- 相談したいこと(判断してほしいこと、助けてほしいこと)
結論
最初の1行で、全体として予定どおりなのか、遅れているのかを書きます。「全体としては予定どおりです。ただし、デザインの確認が2日遅れています」のように、例外があればここで一緒に伝えます。
現状
終わったこと、進めていることを、作業の単位で書きます。「10ページのうち7ページの原稿が完成」のように、量や数で書くと伝わります。
課題と対策
困っていることがあれば、その原因と、どう対応するかをセットで書きます。課題だけを書くと、受け取った側は「で、どうするの?」と思います。自分で考えた対策があれば、それを書きます。対策が思いつかない場合は、そのことを正直に書き、相談したいことの欄で助けを求めます。
次の予定
次の報告までに何をするかを書きます。期日を入れると、次の報告で「予定どおりできたか」を比べられます。
相談したいこと
上司やクライアントに判断してほしいこと、助けてほしいことを、最後にまとめて書きます。ここを最後に独立させておくと、読む人が「自分が何をすればよいか」をすぐに見つけられます。
進捗報告に書き残す項目
報告の形をそろえるために、毎回書く項目を決めておくと便利です。
| 項目 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 報告日と対象期間 | いつ時点の報告か | 10月13日時点(10月6日〜10月12日) |
| 全体の状況 | 予定どおり、注意、遅れ | 注意(一部2日遅れ) |
| 完了したこと | 終わった作業 | 原稿7ページ完成 |
| 進行中のこと | 進めている作業と見込み | 原稿3ページ、10月16日完成予定 |
| 課題 | 困っていること | 写真の素材が未着 |
| 対策 | 課題への対応 | 仮の写真で進め、届き次第差し替え |
| 次の予定 | 次の報告までにやること | 全10ページの原稿を確定 |
| 相談したいこと | 判断や支援のお願い | 写真の差し替えの期限の判断 |
全体の状況は、信号の色にたとえて「青(予定どおり)」「黄(注意)」「赤(遅れ)」のように3段階で書く方法もあります。読む人が一目で状況をつかめるので、複数の案件の報告を受ける上司には特に喜ばれます。
Asanaの解説でも、報告書の書き方を説明するだけでなく、実例を見ることが勧められています。
進捗報告書の書き方を説明するハウツーガイドは役に立ちますが、実例を目で見て確認する方が、作成するレポートの実際のイメージを描きやすいでしょう。 出典: asana.com
次の節では、実際の例文を紹介します。
例文1 上司への週次の進捗報告
社内のWebサイトのリニューアルを担当している人が、上司に送る週次の報告の例です。チャットやメールにそのまま使える形にしています。
件名は「【週次報告】Webサイトリニューアル 10月13日時点」とします。
本文は次のとおりです。
「お疲れさまです。Webサイトリニューアルの今週の進捗を報告します。
結論:全体としては予定どおりです。ただし、採用ページの原稿の確認が2日遅れています。
完了したこと:トップページと会社案内のデザインが確定しました。全12ページのうち8ページの原稿を書き終えました。
進行中のこと:残り4ページの原稿を作成中で、10月16日に書き終える見込みです。
課題:採用ページの原稿について、人事部の確認がまだ戻っていません。
対策:10月14日に人事部の担当者に確認の期限を改めて伝えます。戻らない場合も、他のページの作業を先に進めるので、全体の公開日には影響しない見込みです。
次の予定:10月20日までに全ページの原稿を確定し、制作会社に渡します。
相談したいこと:採用ページの確認が10月17日までに戻らない場合、公開時は採用ページを除いて公開してよいか、ご判断をお願いします。」
この例では、最初の結論で「予定どおりだが一部遅れ」と伝え、最後の相談したいことで、上司に判断してほしい点を1つに絞っています。上司はこの報告を読んで、相談したいことに返事をするだけで済みます。
例文2 クライアントへの進捗報告
業務委託で仕事を受けているときの、クライアントへの報告の例です。社内の上司への報告と違い、敬語を整え、相手に判断してほしいことを丁寧に伝えます。
件名は「【進捗のご報告】〇〇様 パンフレット制作(10月13日時点)」とします。
本文は次のとおりです。
「〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇です。パンフレット制作の進捗をご報告いたします。
全体の状況:予定どおり進んでおります。
完了したこと:表紙と1ページから4ページのレイアウトが完成しました。確認用のデータを本メールに添付しております。
進行中のこと:5ページから8ページのレイアウトを作成しており、10月17日にお送りする予定です。
ご確認のお願い:添付の1ページから4ページについて、10月15日までにご意見をいただけますと、予定どおり進められます。
ご相談:4ページに掲載する写真について、いただいた写真の解像度が印刷には足りない可能性があります。より大きな写真がございましたらお送りいただけますでしょうか。難しい場合は、別の写真を使う案もご提案できます。
引き続きよろしくお願いいたします。」
クライアントへの報告では、相手に何をいつまでにしてほしいかを、はっきり書くことが特に大切です。相手の確認が遅れて全体が遅れる場合、そのことを事前に伝えておかないと、遅れの責任があいまいになります。
業務委託の取引については、2024年11月からフリーランス法が施行されています。厚生労働省のフリーランス法の解説のページでは、個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対して、業務委託をした際の取引条件の明示や、給付を受領した日から原則60日以内の報酬の支払いなどが義務付けられると説明されています。進捗報告で、どこまでが終わったか、何を納めたかを書面やメールで残しておくことは、取引の内容をあとで確かめるときの記録にもなります。
例文3 チャットでの毎日の短い報告
毎日の報告をチャットで送る場合は、さらに短くします。3行から5行に収めるのが目安です。
「本日の進捗です。 完了:採用ページの原稿の修正。 明日:会社案内の写真の差し替え。 課題:特になし。」
課題がある日は、次のように書きます。
「本日の進捗です。 完了:トップページの文言の修正。 明日:お知らせページの原稿作成。 課題:お知らせページに載せる過去の記事のデータが見つかりません。どなたに確認すればよいか教えてください。」
毎日の報告では、課題がない日も「特になし」と書いておくと、読む人は問題がないことを確かめられます。項目の名前を毎日同じにしておけば、書く側も迷わずに済み、読む側も前の日と比べやすくなります。
使いたい言い回しと避けたい言い回し
同じ内容でも、言い回しによって受け取られ方が変わります。進捗報告でよく出てくる場面ごとに、使いたい言い回しと避けたい言い回しを整理します。
| 場面 | 避けたい言い回し | 使いたい言い回し |
|---|---|---|
| 状況を伝える | だいたい順調です | 12ページ中8ページが完了し、予定どおりです |
| 見込みを伝える | もう少しで終わります | 10月16日に終わる見込みです |
| 遅れを伝える | ちょっと遅れ気味です | 2日遅れています |
| 原因を伝える | いろいろあって | 確認の戻りが3日遅れたため |
| 相談する | どうしましょうか | A案とB案のどちらで進めるか、ご判断をお願いします |
避けたい言い回しに共通しているのは、程度があいまいなことです。「だいたい」「もう少し」「ちょっと」は、書いた人と読んだ人で思い浮かべる量が違います。数字や期日に置き換えるだけで、報告の伝わり方は大きく変わります。
相談するときの言い回しも大切です。「どうしましょうか」と聞くと、受け取った側は一から考えることになります。自分で考えた案を添えて「どちらで進めるか」と聞けば、相手は選ぶだけで済みます。
遅れているときの報告の書き方
進捗報告で一番書きにくいのが、遅れているときです。それでも、遅れを伝える報告ほど、早く、具体的に書く必要があります。
遅れが分かった時点で伝える
定期の報告日を待たずに、遅れが分かった時点で伝えます。「金曜日の定例で報告しよう」と思っている間に、打てる手が減っていきます。遅れの見込みが分かった段階で、「まだ確定ではありませんが、遅れる可能性があります」と一報を入れるだけでも、受け取る側は準備ができます。
遅れの大きさを数字で書く
「少し遅れています」ではなく、「2日遅れています」「完成が10月20日から10月23日になる見込みです」と、日数や期日で書きます。遅れの大きさが分からないと、受け取る側は対応を決められません。
原因は短く、事実だけを書く
遅れの原因は、言い訳に聞こえないよう、短く事実だけを書きます。「確認の戻りが3日遅れたため」「想定より修正の量が多かったため」のように、1文で書けば十分です。誰かを責める書き方は避けます。
取り戻す案を添える
遅れを伝えるときは、取り戻すための案を一緒に出します。「作業の順番を入れ替えて、確認待ちの間に別のページを進めます」「土曜日に半日作業して取り戻します」のように、具体的な案があると、受け取る側は判断しやすくなります。案が複数あるなら、それぞれの影響を書いて選んでもらいます。
進捗率の数字の落とし穴
進捗報告で「進捗率80%」のような数字を使うことがあります。数字は一目で分かりやすい反面、落とし穴もあります。
よく言われるのが、「80%からが長い」という現象です。作業の大部分は順調に進んでも、最後の細かい修正や確認に予想以上の時間がかかり、80%のまま何週間も動かない、ということが起こります。進捗率を自分の感覚で決めていると、こうなりがちです。
これを避けるには、進捗率を感覚ではなく、終わった作業の数で計算します。たとえば「全12ページのうち8ページ完了」なら、67%です。作業を小さく分けておけば、数えるだけで進捗率が出ます。ページの完了の基準も、「原稿を書き終えた」なのか「確認まで終わった」なのかを決めておきます。基準があいまいだと、同じ80%でも人によって意味が変わります。
もう1つの落とし穴は、進捗率だけを書いて、残りの作業の見込みを書かないことです。「80%完了」と書いても、残り20%にあと1日かかるのか、2週間かかるのかで、受け取る側の判断は変わります。進捗率には、残りの見込みの期日を必ず添えます。
報告の頻度と手段
進捗報告をどのくらいの頻度で、どの手段で行うかも、最初に決めておきたい点です。
頻度
報告の頻度は、仕事の期間と、変化の速さで決めます。数日で終わる仕事なら、毎日の短い報告。数か月かかる仕事なら、週に1回の報告が目安です。クライアントとの取引では、契約のときに報告の頻度を決めておくと、お互いに迷いません。
頻度を決めたら、決めた日に必ず報告します。特に進みがない週でも、「今週は大きな変化はありません。次の作業の準備を進めています」と一言送るだけで、受け取る側は安心します。
手段
報告の手段には、チャット、メール、会議、共有の文書やボードがあります。それぞれに向き不向きがあります。
| 手段 | 向いている場面 |
|---|---|
| チャット | 毎日の短い報告、急ぎの一報 |
| メール | クライアントへの正式な報告、記録に残したい内容 |
| 会議 | 複数の人で相談して決めたいとき |
| 共有の文書やボード | 関係者がいつでも状況を見られるようにしたいとき |
会議で報告するときも、事前に報告の文書を共有しておくと、会議の時間を相談と判断に使えます。報告を読み上げるだけの会議は、文書を送れば済むことが多いです。
送る時間帯
報告を送る時間帯も、意外に大事です。週次の報告なら、週の最後の作業日の午後か、週の最初の朝が一般的です。週の最後に送ると、受け取る側は週明けの予定を立てるときに使えます。週の最初に送ると、その週の作業の見通しを共有できます。どちらにするかは、受け取る側の働き方に合わせて決めます。
相談したいことがある報告は、相手が返事をする時間を取れる時間帯に送ります。夕方の遅い時間に送ると、返事が翌日になり、その分だけ作業が止まります。急ぎの判断が必要なら、報告とは別に、チャットや電話で一言伝えておくと確実です。
口頭で報告するときの話し方
進捗報告は文書だけでなく、朝の打ち合わせや廊下での立ち話、オンライン会議で口頭で求められることもあります。口頭の報告でも、基本の順番は文書と同じです。ただし、聞く人は文書のように読み返せないので、いくつか工夫が要ります。
最初に「何の話か」と「結論」を言う
口頭では、最初の一言で話題と結論を伝えます。「Webサイトのリニューアルの件です。全体は予定どおりですが、1点ご相談があります」と始めれば、聞く人は何に注意して聞けばよいかが分かります。相談があることを最初に言っておくと、聞く人は最後まで集中して聞いてくれます。
数字は1つか2つに絞る
口頭で数字をたくさん並べると、聞く人は覚えきれません。「12ページ中8ページ完了」「2日遅れ」のように、判断に必要な数字だけに絞ります。細かい数字は、あとで文書やチャットで送ると伝えておきます。
話し終えたら確認する
報告の最後に、「何かご質問はありますか」「この進め方でよろしいでしょうか」と確認します。口頭の報告は、伝えたつもりでも伝わっていないことがあります。相談したことに返事をもらったら、その内容をチャットやメールで短く送り直しておくと、記録にも残ります。
チームの進捗をまとめて報告するとき
自分1人の作業ではなく、チームの進捗をまとめて上の立場の人に報告することもあります。この場合は、メンバーそれぞれの報告をつなげるのではなく、全体として何が言えるかを先にまとめます。
全体の状況を1行で
チーム全体として予定どおりなのか、どこかに遅れがあるのかを、最初の1行で書きます。メンバーが5人いても、報告を受ける人が知りたいのは、まず全体の状況です。
遅れや課題のある部分だけを詳しく
予定どおりに進んでいる部分は短く、遅れや課題のある部分だけを詳しく書きます。全員の作業を同じ分量で書くと、本当に注意してほしい部分が埋もれてしまいます。
作業のつながりを書く
チームの作業は、誰かの作業が終わらないと次の人が始められない、というつながりを持っていることが多いです。ある人の遅れが、別の人の作業にどう影響するかを書いておくと、報告を受ける人は人の配置を変えるなどの判断ができます。
メンバーの報告の形をそろえる
チームの進捗をまとめる人の手間を減らすには、メンバーからの報告の形をそろえておくのが効果的です。前の節で紹介した項目の表を共有し、全員が同じ項目で報告するようにすれば、まとめる作業は大きく楽になります。
報告のあとにやること
進捗報告は、送って終わりではありません。報告のあとにやることまで含めて、1つの流れと考えます。
1つ目は、返事を確かめることです。相談したいことを書いたなら、その返事が来たかを確かめます。返事が来ないまま次の作業に進むと、あとで「そんな判断はしていない」と言われることがあります。期限までに返事がなければ、改めて確認の連絡を入れます。
2つ目は、決まったことを反映することです。報告をきっかけに予定や作業の内容が変わったら、作業の一覧や予定表をすぐに直します。直さないまま次の報告を書くと、前の報告と話が合わなくなります。
3つ目は、報告を残しておくことです。過去の報告をまとめて保存しておくと、プロジェクトが終わったときの振り返りや、似た仕事を受けたときの見積もりに使えます。どの作業に予想以上の時間がかかったかは、過去の報告を並べるとよく分かります。
建設の現場の工程会議から学べること
建築や施工管理の仕事に長く関わってきた立場から、進捗報告に役立つ考え方を1つ紹介します。
建設の現場では、工程表が進捗の基準になります。工程表とは、つまり工事のそれぞれの作業をいつからいつまで行うかを、横棒で並べた予定表のことです。現場では、この工程表を見ながら、毎日の朝礼や週ごとの工程会議で進み具合を確かめます。
工程会議で重視されるのは、遅れそのものより、遅れが次の作業に与える影響です。たとえば、基礎の工事が2日遅れれば、その上に建てる作業も、さらにその後の作業も、順番に後ろにずれていきます。だから現場では、「何日遅れているか」と同時に、「その遅れで、次の誰の作業に影響が出るか」を必ず報告します。この考え方は、事務の仕事の進捗報告にもそのまま使えます。
もう1つ、現場の報告で欠かせないのが安全の話です。工程が遅れているときほど、取り戻そうとして作業を急ぎ、無理な段取りになりがちです。現場では、遅れを取り戻す案を出すときに、それが安全を損なわないかを必ず確かめます。事務の仕事でも同じで、遅れを取り戻すために長時間の作業を続けると、ミスが増え、体調を崩します。取り戻す案を出すときは、無理のない範囲かどうかを一緒に考えることが、結果的に仕事を守ることにつながります。
毎回の報告を楽にする仕組みを作る
進捗報告を毎回ゼロから書くのは、手間がかかります。報告の手間を減らすには、作業の状況を普段から見える形にしておくのが一番の近道です。
作業をカードに分けて並べる
作業を小さな単位に分け、1つの作業を1枚のカードとして、「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」の列に並べます。このような並べ方をカンバンと呼びます。カードが列を移っていくのを見れば、何がどこまで進んでいるかが一目で分かります。前の節で説明した、終わった作業の数で進捗率を出す方法とも相性がよく、完了の列のカードを数えれば済みます。
期日を横棒で並べる
作業の期日の重なりを見るには、ガントチャートが向いています。ガントチャートとは、作業ごとの期間を横棒で並べた表で、建設の現場の工程表と同じ考え方の図です。遅れている作業が次の作業にどう影響するかを、目で確かめられます。
ボードをそのまま報告に使う
作業の状況がボードで見えていれば、報告はボードの内容を要約するだけで済みます。上司やクライアントにボードを見てもらえる設定にしておけば、細かい状況はボードで確かめてもらい、報告では結論と相談したいことだけを伝える、という形にもできます。
こうしたボードを使えるプロジェクト管理の道具の1つに、Pinatecaがあります。公式サイトによると、Pinatecaはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードとチャットを備えたプロジェクト管理の道具です。カードへのコメントやチャットで話した内容がタスクとつながっているので、報告のために経緯を探し直す手間が減ります。料金のページでは、5人まで、ボード10個までなら無料で、8種類のボードもチャットも無料プランから使えると案内されています。ChatGPTやClaudeから接続して、「今週締切のカードを教えて」のように会話でボードを読める機能もあり、週次の報告の下書きを作るときの手がかりにできます。業務委託の稼働を記録して、稼働報告書や業務完了報告書を作る稼働タイムシートも、追加のオプション(税抜で1人あたり月額980円)として用意されています。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
道具を変えなくても、表計算のファイルに作業の一覧を作り、状況の列を毎日更新するだけでも効果はあります。大事なのは、報告の日にだけ状況を集めるのではなく、普段から状況が見える形にしておくことです。
在宅の仕事で進捗報告が信頼をつくる
最後に、在宅で仕事を受けるときに、進捗報告がどう関わるかを整理します。
在宅の仕事では、依頼主は作業している様子を見ることができません。そのため、オフィスで働くとき以上に、進捗報告が信頼の土台になります。頼まれていなくても、決まった頻度で短い報告を送る人は、それだけで「安心して任せられる人」と受け取られます。
業務の進め方を整える仕事は、在宅の仕事としても依頼されることがあります。プロジェクト管理の道具の導入や、報告の形の整備を手伝う仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事と重なる部分が大きく、このガイドでは業務の改善を手伝う仕事の内容がまとめられています。システムの開発の仕事を受ける場合も、進捗報告は欠かせません。アプリケーション開発のお仕事のガイドでは、開発の仕事の進め方と求められる力が確かめられます。デザインの仕事の報酬の水準は、デザイナーの年収・単価相場で全体像をつかめます。
補助金の申請のように、計画どおりに進んだかを報告する必要がある仕事もあります。事業計画の書き方は、小規模事業者持続化補助金2026|採択率を上げる事業計画書の書き方で確かめられます。
在宅の仕事の仲介サービスを長く運営してきた立場から見ると、継続の依頼を受け続ける人に共通しているのは、作業の速さより、報告の確かさです。遅れそうなときに早めに一言伝える人は、遅れても信頼を失いません。仲介の手数料がかからない手数料0%の直接取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。その関係を長く続ける土台になるのが、日々の進捗報告です。
業務の進め方を整える仕事に関心があるなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のガイドから、どのような依頼があるのかを確かめてみてください。
よくある質問
Q. 進捗報告はどのくらいの長さで書けばよいですか?
読む人が1分ほどで状況をつかめる長さが目安です。結論、完了したこと、進行中のこと、課題と対策、次の予定、相談したいことを、それぞれ1〜2文で書けば十分です。細かい経緯は、聞かれたときに答えられるよう手元に残しておき、報告には書きすぎないようにします。
Q. 特に進みがない週も報告は必要ですか?
決めた頻度で報告しているなら、進みがない週も短く報告します。「今週は大きな変化はありません。次の作業の準備を進めています」と一言送るだけで、受け取る側は安心します。報告がないと、何か問題が起きているのではと心配させてしまいます。
Q. 遅れを報告するときに、原因はどこまで書くべきですか?
原因は1文で、事実だけを書けば十分です。それより大切なのは、遅れの日数や新しい完成の見込みと、取り戻すための案を一緒に伝えることです。誰かを責める書き方は避け、受け取る側が次の判断をしやすい情報を優先して書きます。
Q. 進捗率は書いた方がよいですか?
書く場合は、感覚ではなく、終わった作業の数から計算した数字にします。「全12ページのうち8ページ完了」のように根拠を添え、残りの作業がいつ終わる見込みかも一緒に書きます。進捗率だけを書くと、残りにどれだけかかるかが伝わりません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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