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進捗管理シートをスプレッドシートで作る手順と、共同編集のときの決めごと

@SOHO編集部
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進捗管理シートをスプレッドシートで作る手順と、共同編集のときの決めごと

この記事のポイント

  • ✓進捗管理シートをGoogleスプレッドシートで作る手順を
  • ✓通知の設定まで順に解説
  • ✓複数人で共同編集するときに決めておくルールと

進捗管理シートを作ってチームで共有したのに、誰かが並べ替えたせいで表が崩れた、どれが最新の情報か分からない、更新する人が限られてしまった。スプレッドシートで進捗を管理していると、表を作ることより、複数人で使い続けることのほうが難しいと感じる場面が多いはずです。

この記事では、進捗管理シートをGoogleスプレッドシートで作る手順を、列の決め方から、プルダウン、条件付き書式、フィルタビュー、範囲の保護、通知の設定まで順に解説します。あわせて、共同編集のときに決めておくルールを整理します。結論を先に書くと、進捗管理シートが崩れる原因の多くは機能ではなく、「誰が、いつ、どこを、どう書くか」を決めていないことにあります。後半では、表で回しきれなくなったときの選択肢として、無料から使えるプロジェクト管理のPinatecaにも触れます。

進捗管理シートとは何か、何を解決するための表か

進捗管理シートとは、仕事を作業ごとに分け、それぞれの担当、期限、今の状態を一覧にした表のことです。チームで仕事を進めるとき、「誰が何をしていて、どれが遅れているか」を一目で分かるようにするために使います。

進捗管理シートが役に立つのは、次のような場面です。

・複数の人が関わる仕事で、誰が何を担当しているかを共有したい
・期限が近い作業や、遅れている作業を早く見つけたい
・会議や報告のたびに、状況を口頭で聞き取る手間を減らしたい
・担当者が休んだときに、ほかの人が状況を引き継げるようにしたい

逆に、1人で抱えている数件の作業なら、進捗管理シートを作るより、手帳やスマホのリマインダーで十分なこともあります。進捗管理シートは、関わる人が増え、作業の数が増えたときにこそ効く道具です。

作る前に、「この表を誰が見て、何を判断するのか」を一言で書き出しておきます。たとえば「チームのリーダーが毎朝見て、遅れている作業に声をかける」のように決めておくと、必要な列と不要な列が分かれます。

スプレッドシートで進捗管理シートを作るメリットと限界

進捗管理シートを作る道具は、Excel、Googleスプレッドシート、専用のプロジェクト管理ツールなどがあります。この記事でGoogleスプレッドシートを使うのは、共同編集に向いているからです。

比べる点 Googleスプレッドシート 専用のプロジェクト管理ツール
費用 個人のGoogleアカウントなら無料で使える 無料の範囲と有料のプランがある
始めやすさ 表の操作に慣れていればすぐ始められる 使い方を覚える時間が要る
共同編集 同じ表を複数人で同時に編集できる 同時の編集を前提に作られている
期限の通知 標準の機能では細かい通知は難しい 期限や担当の変更を通知できるものが多い
見え方の切り替え 表が中心。図にするには工夫が要る ボード、ガント、カレンダーなどを切り替えられるものが多い

スプレッドシートのよさは、使い慣れた表の形で、すぐに始められることです。一方で、作業が増え、関わる人が増えるほど、表が横にも縦にも長くなり、見たい情報を探すのに時間がかかるようになります。このあと説明する機能とルールで、その限界をできるだけ先に延ばすことができます。

進捗管理シートの列の決め方

進捗管理シートの使いやすさは、列の選び方でほぼ決まります。列が少なすぎると状況が分からず、多すぎると更新が面倒になって続きません。

基本の8列

まずは次の8列から始めます。

列 書く内容 書き方の決まり
No. 作業の番号 一度付けた番号は変えない
作業名 何をするか 「見積書を作る」のように動詞で終える
担当 誰がするか 1人の名前だけ書く
開始日 いつ始めるか 日付の形式をそろえる
期限 いつまでに終えるか 日付の形式をそろえる
状態 今どうなっているか 未着手・進行中・確認待ち・完了・保留から選ぶ
次にすること 次の一手 状態が完了以外なら必ず書く
更新日 最後に書き換えた日 書き換えたら必ず直す

担当を1人にするのは、責任の所在をはっきりさせるためです。2人で進める作業でも、まとめ役を1人決めて書きます。

「次にすること」の列は、進捗管理シートを生きた表にするための列です。状態が「進行中」とだけ書かれていても、何をしているのか分かりません。「先方の返事待ち、16日に再度連絡」のように書いてあれば、見た人がすぐに状況をつかめます。

必要に応じて加える列

仕事の内容によっては、次の列を加えます。

・優先度:高・中・低の3段階
・関連ファイル:資料や成果物へのリンク
・依頼元:社内の誰から、または取引先のどこからの依頼か
・予定工数:何時間かかる見込みか

ただし、列を加えるときは、その列を誰が見て、何に使うかを決めてからにします。使われない列は、更新の手間を増やすだけです。

進み具合の割合の列は慎重に

「進捗率」として0%から100%を入れる列を作る表も多くあります。数字で見えるのは便利ですが、人によって数え方がばらばらになりやすく、「90%のまま止まっている」作業が続出しがちです。入れるなら、「25%は下書きができた、50%は確認に出した」のように、割合ごとの意味を決めておきます。決められないなら、状態の列だけで十分です。

Googleスプレッドシートで作る手順

ここからは、Googleスプレッドシートで進捗管理シートを作る手順を、画面の操作の順に説明します。

手順1 見出しの行を作り、固定する

1行目に、前の章で決めた列の名前を入力します。表を下に送っても見出しが見えるように、見出しの行を固定します。上部のメニューの[表示]から[固定]を選び、[1行]を選びます。

手順2 状態の列をプルダウンにする

状態の列は、人によって書き方がばらばらにならないように、選択肢から選ぶ形にします。Googleのヘルプでは、プルダウンを作る方法として、範囲を選んで上部の[挿入]から[プルダウン]を選ぶ方法や、[データ]から[データの入力規則]を開いて[ルールを追加]を選ぶ方法が案内されています(セル内にプルダウン リストを作成する)。

状態の列の範囲を選び、プルダウンの値に「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」「保留」を入力します。値ごとに色を付けておくと、表を開いたときに状態が色で分かります。担当の列も、メンバーの名前をプルダウンにしておくと、表記のゆれを防げます。

手順3 期限を過ぎた行に色を付ける

遅れている作業を目立たせるには、条件付き書式を使います。条件付き書式とは、決めた条件に当てはまるセルの色を自動で変える機能のことです。範囲を選んで上部の[表示形式]から[条件付き書式]を開くと、右側に設定の画面が出ます(Google スプレッドシートで条件付き書式ルールを使用する)。

行全体に色を付けたいときは、カスタム数式を使います。たとえば期限がE列、状態がF列で、2行目から100行目までが表なら、範囲を「A2:H100」にして、カスタム数式に=AND(TODAY()>$E2,$F2<>"完了")と入力し、背景を赤系の色にします。$を列の記号の前に付けるのは、行のどのセルでもE列とF列を見るようにするためです。

期限の3日前から黄色にしたい場合は、もう1つルールを作り、=AND(3>=$E2-TODAY(),$E2>=TODAY(),$F2<>"完了")のように書きます。ルールは上から順に当てはまるので、赤のルールを上に置きます。

手順4 完了した作業の扱いを決める

完了した作業を同じ表に残し続けると、表が長くなって見たい作業が探しにくくなります。方法は2つあります。

・完了した行を、月ごとに別のシート(「完了_2026年10月」など)に移す
・同じ表に残し、次の手順のフィルタビューで完了を除いて見る

移す方法は表が軽くなる一方で、移す作業が増えます。残す方法は手間が少ない一方で、行が増え続けます。作業の数が月に数十件までなら残す方法、それ以上なら移す方法を目安にします。

手順5 共有の設定をする

右上の[共有]から、表を使う人を追加します。表を更新する人は「編集者」、見るだけの人は「閲覧者」にします。全員を編集者にすると、間違って列を消すなどの事故が起きやすくなります。

集計の欄を作って、全体の状況を一目で見る

行が増えてくると、表を上から下まで見なくても全体の状況が分かる欄があると便利です。表の右側か、別のシートに集計の欄を作ります。

状態ごとの件数を数える

COUNTIF関数を使うと、状態ごとの件数を数えられます。COUNTIF関数とは、指定した範囲の中で条件に合うセルの数を数える関数のことです。たとえば状態がF列にあるなら、=COUNTIF(F:F,"進行中")と入力すると、進行中の作業の数が出ます。「未着手」「確認待ち」「完了」「保留」についても同じように作ると、全体のうちどれだけが終わっているかが分かります。

遅れている件数を数える

期限を過ぎていて完了していない作業の数は、COUNTIFS関数で数えます。COUNTIFS関数は、複数の条件をすべて満たすセルの数を数える関数です。期限がE列、状態がF列なら、=COUNTIFS(E:E,"<"&TODAY(),F:F,"<>完了")と入力します。この数字が0でない日は、打ち合わせで真っ先に取り上げる、と決めておくと、遅れへの対応が早くなります。

担当ごとの件数を数える

担当がC列なら、=COUNTIFS(C:C,"担当者の名前",F:F,"<>完了")で、担当ごとに抱えている未完了の作業の数が分かります。特定の人に作業が集中していないかを確かめるのに使えます。数が多い人がいたら、期限や担当を見直すきっかけになります。

集計の欄を設ける場所

集計の欄は、表の上の数行に設けると、表を開いたときに最初に目に入ります。ただし、表の上に行を挿入すると、条件付き書式やフィルタの範囲がずれることがあります。最初から集計用の別のシートを作り、そこに数字を並べておくほうが、表の本体を崩さずに済みます。

日付の列から、簡単な線表を作る

作業の期間を横に並べた線表(ガントチャートとも呼ばれる、作業ごとの期間を横棒で示す図)があると、作業の重なりや、後ろの作業への影響が見えやすくなります。スプレッドシートでも、条件付き書式を使えば簡単な線表を作れます。

作り方

  1. 表の右側の列に、1日ずつの日付を横に並べます。たとえばJ1に開始の日付を入れ、K1に=J1+1と入れて右にコピーします
  2. 日付を並べた範囲(たとえばJ2からAM100)を選び、条件付き書式のカスタム数式に=AND(J$1>=$D2,$E2>=J$1)と入力します。D列が開始日、E列が期限の場合です
  3. 背景を塗る色を選びます。作業の期間にあたるセルに色が付き、横棒のように見えます

数式のJ$1は日付の行を固定し、$D2 と $E2は開始日と期限の列を固定するための書き方です。この形にしておくと、範囲のどのセルでも、自分の行の開始日と期限、自分の列の日付を比べて色を付けてくれます。

今日の列を目立たせる

日付の範囲を選び、別のルールで=J$1=TODAY()と入力して、薄い色の枠や背景を付けると、今日がどこかがすぐ分かります。今日の線より左に色が残っていて、状態が完了でない作業は、遅れている作業です。

線表を作るときの注意

日付の列を増やしすぎると、表が重くなり、横に長くなって見にくくなります。表示するのは、今日から前後数週間ほどにしておき、古い日付の列は定期的に整理します。数か月にわたるプロジェクトで、作業どうしのつながりまで管理したい場合は、表で作るより、ガントチャートの機能を持つツールのほうが手間がかかりません。

共同編集で表が崩れないための機能

複数人で同じ進捗管理シートを使うときに、知っておくと役立つ機能があります。

フィルタではなくフィルタビューを使う

担当ごとに作業を絞り込みたいとき、普通のフィルタを使うと、その絞り込みは表を開いているほかの人の画面にも反映されます。誰かが自分の担当だけに絞り込んだせいで、ほかの人の画面でも行が消えたように見える、という事故の原因になります。

これを防ぐのがフィルタビューです。Googleのヘルプでは、次のように説明されています。

パソコンでは、フィルタを適用して、フィルタされたデータを自分が閲覧しているスプレッドシートにのみ適用することができます。フィルタ表示の変更内容は自動的に保存されます。 出典: Google ドキュメント エディタ ヘルプ「データの並べ替えとフィルタ」

上部の[データ]から[フィルタビューを作成]を選び、絞り込みや並べ替えをします。右上の[ビューを保存]で名前を付けて保存しておくと、「自分の担当」「今週が期限」「完了以外」のように、よく使う見方をすぐに呼び出せます。共同編集の表では、普通のフィルタは使わず、フィルタビューを使う、とチームで決めておくと安全です。

見出しや計算式の範囲を保護する

見出しの行や、計算式が入った列を誤って書き換えられないようにするには、範囲を保護します。上部の[データ]から[シートと範囲を保護]を選び、保護する範囲を指定して、[権限を設定]から編集できる人を選びます(シートを保護する、非表示にする、編集する)。

同じヘルプでは、「警告を表示する」設定を選ぶと、編集しようとした人に確認のメッセージが出るだけで、編集そのものは止めないと説明されています。止めたい範囲は「編集できるユーザーを制限する」を選びます。また、保護はセキュリティの対策ではないので、表を共有する相手は信頼できる人に限る、とも書かれています。

誰がいつ変えたかを確かめる

表がおかしくなったときは、変更の記録を確かめます。右上の最終編集のアイコンにカーソルを合わせると、最後に誰がいつ変更したかが分かります。以前の版に戻す場合は、変更履歴から版を選びます(ファイルの変更内容を確認する)。以前の版を見るには、そのファイルの編集権限が必要です。

変更の通知を受け取る

表が変更されたときにメールで知らせてもらうこともできます。上部の[ツール]から[通知設定]、[通知を編集]を選び、変更が入ったときに、1日1回まとめて、またはその都度メールを受け取るかを選びます(通知を管理する)。ヘルプによると、この通知は自分用にのみ設定でき、自分で加えた変更は通知されません。特定の範囲が変わったときだけ通知するような細かい設定は、標準の機能ではなくApps Scriptというプログラムで作る必要があります。

共同編集のときに決めておく6つのルール

機能だけでは、表は崩れます。チームで次の6つを決め、表の最初のシートなど、誰でも見られる場所に書いておきます。

1. 誰が更新するか

各作業の行は、担当者本人が更新するのを原則にします。リーダーがまとめて更新する形にすると、リーダーの手が空かない日に表が止まります。

2. いつ更新するか

「毎日の終業前」「週に1回、月曜の朝」のように、更新するタイミングを決めます。状態が変わったときにすぐ書くのが理想ですが、それだけに頼ると更新が漏れます。決まったタイミングで全員が見直す時間を作ります。

3. 行と列を勝手に増やさない

新しい作業を追加するのは表の一番下、列を加えるのはリーダーだけ、のように決めます。各自が好きな位置に行や列を挿入すると、計算式や条件付き書式の範囲がずれます。

4. 色や書式を手で変えない

状態ごとの色はプルダウンと条件付き書式に任せ、手で塗らないようにします。手で塗った色は、状態が変わっても残り、表の意味がずれていきます。

5. 表の外でやり取りした内容を、表に戻す

チャットやメールで決まったことは、表の「次にすること」の列に書き戻します。情報がチャットとメールと表に分かれると、どれが最新か分からなくなります。

6. 表を見る場を決める

週に1回の打ち合わせで、表を画面に映して確かめる時間を作ります。表を見る場が無いと、更新しても誰も見ていないと感じ、更新が止まります。

参考になる考え方として、営業の進捗管理について解説した記事では、次のように書かれています。

また定期的な会議や報告の場で進捗管理シートを使っていない場合、情報が共有されず「見ても意味がない」という印象になってしまいます。現場から吸い上げた情報がマネジメントに活用されない状態では、入力も形だけのものとなり悪循環が生まれます。 出典: strh.co.jp

表を使う場を作ることは、表の作り方と同じくらい大切です。

用途別の進捗管理シートの例

進捗管理シートの基本の形は同じでも、用途によって加える列や見方が変わります。

制作の仕事の進行表

記事、デザイン、動画などの制作では、1つの成果物が「作る→確認する→直す→納品する」と進みます。状態の選択肢を「構成」「制作中」「確認待ち」「修正中」「納品済み」のように工程に合わせて作り、確認する人の列を加えます。外部の人に制作を頼んでいる場合は、依頼先と、依頼した日の列もあると便利です。

営業の案件管理

営業では、作業ではなく案件ごとに行を作ります。状態の選択肢を「初回連絡」「提案中」「見積提出」「受注」「失注」のように商談の段階に合わせ、金額の見込みと、次に連絡する日の列を加えます。次に連絡する日を条件付き書式で色付けすると、連絡の漏れを防げます。

毎月の定型業務

請求、支払い、報告書の提出のように毎月繰り返す業務は、月ごとに同じ作業を並べ、完了したらチェックを付ける形が向いています。作業の手順書へのリンクを列に入れておくと、担当が変わったときの引き継ぎも楽になります。

小さなプロジェクトの全体像

イベントの準備や、サイトの立ち上げのように、期限が決まったプロジェクトでは、作業を大きなまとまり(準備・制作・告知・当日など)に分けて、まとまりの名前の列を加えます。まとまりごとにフィルタビューを作ると、担当の範囲だけを見て進められます。

進捗管理シートをもとに報告するときの書き方

進捗管理シートは、上司や取引先に状況を報告するときの元の資料にもなります。表をそのまま渡すだけでは、相手は何を見ればよいか分かりません。表から必要な部分を抜き出し、短い文章にして伝えます。

報告の順番

報告は、次の順番で書くと伝わりやすくなります。

  1. 全体の結論:期限に間に合う見込みか、遅れそうか
  2. 遅れている作業:どの作業が、どれだけ遅れているか
  3. 遅れの理由と対策:なぜ遅れたか、どう取り戻すか
  4. 相手に頼みたいこと:判断してほしいこと、返事がほしいこと
  5. 次の報告の予定:いつ、また状況を知らせるか

集計の欄で数えた「完了の件数」「遅れている件数」を最初に書くと、相手は全体の様子をすぐにつかめます。

書き方の例

たとえば、取引先に週ごとの報告を送るなら、次のように書きます。

「今週時点で、全24件の作業のうち15件が完了し、2件が期限を過ぎています。遅れているのは、商品ページの文章の確認と、画像の差し替えです。どちらも原稿の確認待ちで止まっており、21日までにご確認をいただければ、全体の納期には影響ありません。次回は24日に状況をお知らせします。」

数字、遅れている作業の名前、相手に頼みたいことと期日が入っていれば、相手は返事をするだけで済みます。遅れを隠さず、早めに伝えることが、結果として信頼につながります。

表を共有するか、文章で送るか

取引先に進捗管理シートそのものを共有する場合は、相手に見せてよい列だけのシートを別に作るか、閲覧者として共有したうえで、見てほしいフィルタビューを伝えます。社内のメモや、ほかの取引先の情報が入った表をそのまま共有しないように注意します。文章の報告と、表の共有を組み合わせると、相手は要点を文章で読み、詳しく知りたいときだけ表を開けます。

個人で複数の取引先の仕事を管理するときの形

在宅で仕事を受けている人や、副業で複数の取引先と仕事をしている人にとっても、進捗管理シートは役に立ちます。チームの表と違い、自分1人が更新する表なので、形を自由に決められます。

取引先の列を左に並べる

個人の表では、作業名の前に取引先の列を置きます。取引先ごとにフィルタビューを作っておくと、ある取引先から問い合わせが来たとき、その取引先の作業だけをすぐに確かめられます。

金額と請求の状態の列を加える

個人で仕事を受けている場合は、作業ごとの報酬の金額と、請求の状態(未請求・請求済み・入金済み)の列を加えると、進捗と売上をまとめて管理できます。納品したのに請求を忘れていた、という漏れを防げます。月末にフィルタビューで「納品済みで未請求」の行を絞り込めば、その月に請求すべき仕事が一覧になります。

1週間の予定とつなげる

期限の列を見て、今週やる作業に印を付ける列を作ると、表がそのまま1週間の予定になります。期限の近い順に並べたフィルタビューを月曜の朝に開き、今週の作業を決める習慣にすると、複数の取引先の仕事が重なっても、優先順位を落ち着いて決められます。

進捗管理シートが続かなくなる原因と立て直し方

作ったときはきれいだった表が、数週間で更新されなくなるのはよくあることです。原因ごとに立て直し方を整理します。

更新が面倒

列が多すぎる、書く場所が分かりにくいなど、更新の手間が大きいと続きません。使っていない列を非表示にする、入力する列を左側にまとめる、プルダウンを増やして入力を選ぶだけにする、といった工夫で手間を減らします。

表が長すぎて見たい行が見つからない

完了した行がたまって、表が何百行にもなると、見たい作業を探すのが大変になります。完了した行を月ごとのシートに移すか、完了を除いたフィルタビューを全員に使ってもらいます。

作業の粒の大きさがばらばら

「サイトを作る」と「画像を1枚直す」が同じ表に並ぶと、進み具合が比べられません。大きな作業は、1人で1週間以内に終わる大きさに分けます。

誰も見ていない

表を見る場が無いと、更新する意味が感じられなくなります。打ち合わせで表を使う、遅れている作業にリーダーが声をかけるなど、表が使われていることをメンバーが感じられるようにします。

表で回すのが苦しくなったときの選択肢

ここまでの工夫で、スプレッドシートの進捗管理シートはかなりの規模まで使えます。ただ、次のような状態になったら、専用のプロジェクト管理ツールを検討する時期です。

・関わる人が増え、同時に編集してぶつかることが多い
・期限が近づいたときや、担当が変わったときに、本人へ自動で知らせたい
・同じ作業を、表だけでなくボードやガントチャートなど別の見え方で確かめたい
・作業ごとのやり取りが、チャットやメールに散らばっている

こうした場面の選択肢の1つが、プロジェクト管理ツールのPinatecaです。公式サイトの案内によると、同じ作業をカンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードで表示でき、カードごとのコメントやチャットで、作業に関するやり取りをまとめられます。Trelloからボードを取り込む機能もあります。

料金は、公式の料金ページで、5人まで、ボード10個までのチームなら無料と案内されています。無料のプランでもガントやチャットを含むすべての種類のボードが使えます。6人目、または11個目のボードからは、スタンダードプランで1人あたり月額500円(税抜。年払いなら1人あたり月額400円)です。表で管理してきた作業をそのまま移す前に、まずは小さなプロジェクト1つで試し、チームに合うかを確かめると、移行の負担を抑えられます。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

ツールを選ぶときは、機能の多さより、チームの全員が無理なく更新できるかを基準にします。表で決めた6つのルール(誰が、いつ更新するか、など)は、ツールに移っても同じように必要です。ルールが決まっているチームほど、ツールへの移行もうまくいきます。

ツールの月々の費用を、ほかの業務のサービスとあわせて見直したい場合は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で、サブスクリプションの費用を管理する考え方を紹介しています。製造の現場の工程や生産の管理まで含めて考えたい場合は、中小製造業のDX推進|生産管理SaaS比較2026|補助金活用の完全ガイドが参考になります。

進捗を管理する力を、仕事の幅につなげる

フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、発注する側が受け手に求めるのは、作業の速さ以上に「今どうなっているかが分かること」です。進捗管理シートを自分で作り、相手と共有しながら仕事を進められる人は、それだけで安心して任せられる相手として見られます。複数の取引先の仕事を同時に抱える在宅の働き方では、この力が次の依頼につながりやすいと感じます。

直接取引の仕事では、間に仲介が入らない分、進捗の共有も受け手と発注者の間で直接行います。仲介の手数料がかからない手数料0%の取引なら、発注者は同じ予算でより多くを頼め、受け手は手取りが厚くなります。その分、進み具合を自分から見せる工夫が信頼の土台になります。

業務の進め方そのものを改善する仕事に関心がある人には、進捗管理の考え方をそのまま活かせる分野があります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の流れを整理して、AIやツールの活用を支援する仕事を紹介しています。社内向けの管理の仕組みを作る側に回りたい人は、アプリケーション開発のお仕事で、業務アプリの開発の仕事にどのようなものがあるかを確かめられます。

進捗管理シートは、作ることより使い続けることが難しい表です。列を絞り、プルダウンと条件付き書式で入力と見た目をそろえ、フィルタビューと保護で共同編集の事故を防ぎ、更新と確認のルールをチームで決める。この順番で整えれば、スプレッドシートでも十分に回る進捗管理シートになります。

よくある質問

Q. 進捗管理シートには最低限どの列が必要ですか?

作業名、担当、期限、状態の4列があれば始められます。この記事では、No.、開始日、次にすること、更新日を加えた8列を基本としています。特に「次にすること」の列があると、状態だけでは分からない具体的な状況が伝わります。列は、誰が見て何に使うかを決めてから加えます。

Q. 共同編集の表で、担当ごとに絞り込むと他の人の画面も変わってしまいます。どうすればよいですか?

普通のフィルタではなく、フィルタビューを使います。データのメニューからフィルタビューを作成すると、絞り込みや並べ替えが自分の画面にだけ反映されます。よく使う見方は名前を付けて保存しておくと、すぐに呼び出せます。

Q. 進捗管理シートはExcelとGoogleスプレッドシートのどちらで作るのがよいですか?

複数人で同時に更新するなら、ブラウザで共同編集できるGoogleスプレッドシートが向いています。社内のルールでExcelを使う場合は、共有の方法と同時編集の可否を先に確かめます。どちらでも、列の決め方や更新のルールの考え方は同じです。

Q. 進捗管理シートの更新が続かないときは、どうすればよいですか?

更新の手間を減らすことと、表を見る場を作ることの2つが効果的です。使っていない列を非表示にし、入力はプルダウンで選ぶだけにします。そのうえで、週に1回の打ち合わせで表を画面に映して確かめると、更新が使われていることをメンバーが実感でき、続きやすくなります。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月7日最終更新:2026年10月15日
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