電話対応のフローチャート|取り次ぎと折り返しを迷わない流れ


この記事のポイント
- ✓電話対応のフローチャートの作り方を
- ✓間違い電話など場面別の流れとそのまま使える言い回し
- ✓作ったあとの見直しまで整理しました
会社の電話が鳴るたびに、誰に取り次げばよいのか、担当がいないときはどう言えばよいのかと迷ってしまう。新しく入った人や、電話の応対に慣れていない人ほど、電話を取るのが怖くなりがちです。電話対応のフローチャートとは、電話を受けてから終えるまでの流れと、途中で判断が必要な分かれ道を、図や手順の形にまとめたもののことです。手元にフローチャートがあれば、誰が電話を取っても、同じ流れで迷わずに対応できます。この記事では、電話対応のフローチャートの作り方、場面ごとの流れとそのまま使える言い回し、伝言メモの書き方、作ったあとの見直し方までを順に説明します。電話で受けた伝言や折り返しの依頼を、担当と状況を付けて最後まで管理できるフォームのサービスHalictを使う方法にも触れます。
電話対応のフローチャートとは
電話対応のフローチャートは、電話の応対の手順を、「はい」「いいえ」の分かれ道を含めて順番に並べたものです。たとえば、「相手は名乗ったか」「担当は席にいるか」「急ぎの用件か」といった問いを分かれ道にして、それぞれの答えによって次にすることを決めておきます。
電話の応対は、相手が見えず、その場で判断を求められる仕事です。マニュアルの文章を読み込んでおいても、電話の最中にページをめくって探すのは難しいものです。フローチャートなら、一目で次にすることが分かるので、電話を受けながらでも使えます。
コールセンターの運営を支援する会社の解説では、フローチャートを作るときの考え方について、次のように説明しています。
電話対応フローチャートは、ただ流れを図にするだけでは不十分です。実際の業務でよく発生する場面を整理し、判断が必要なポイントを明確にしながら、現場で使いやすい形にまとめることが重要です。ここでは、基本的な作成手順を4つに分けて紹介します。 出典: nttdata-act.com
フローチャートを作るメリット
電話対応のフローチャートを作ると、次のようなメリットがあります。
1つ目は、誰が電話を取っても同じ対応ができることです。応対の質が人によってばらつくと、お客様や取引先は「前に電話したときと言われたことが違う」と不安になります。流れが決まっていれば、新人でもベテランでも同じ対応ができます。
2つ目は、新しく入った人が早く慣れることです。フローチャートがあれば、電話の応対の全体の流れを短い時間で覚えられます。先輩が隣で付きっきりで教えなくても、フローチャートを見ながら応対できるようになります。
3つ目は、伝え漏れや取り次ぎの誤りが減ることです。相手の名前、連絡先、用件を聞き取る手順を決めておけば、聞き漏れが起きにくくなります。
4つ目は、困った電話への対応が決まることです。クレームや、しつこい営業の電話、答えられない質問など、判断に迷う電話への対応をあらかじめ決めておくと、電話を受けた人が1人で抱え込まずに済みます。
電話を受ける前の準備
電話の応対を落ち着いて行うには、電話が鳴る前の準備が欠かせません。電話の近くに、次のものをそろえておきます。
- 筆記用具と伝言メモの用紙。すぐに書けるように、ペンは手の届く場所に用意します
- 社内の担当の一覧。部署ごとの担当者の名前と内線の番号、担当している取引先や商品を書いた一覧です
- 不在の予定。その日の出張、外出、会議、休みの予定を、朝のうちに確かめておきます
- フローチャートと、よく使う言い回しの一覧
- よく聞かれる質問への答え。営業時間、住所、行き方、料金など、すぐに答えられるようにまとめておきます
特に役立つのが、担当の一覧です。「〇〇の件で」と言われたときに、誰に取り次げばよいかが分かれば、相手を待たせずに済みます。新しく入った人は、最初の数週間で、よく電話がかかってくる取引先の名前と担当を覚えておくと、取り次ぎが早くなります。
在宅で働く人がいる職場では、在宅の人に電話を取り次ぐ方法も決めておきます。会社の電話を在宅の人の電話に転送できる仕組みがあればそれを使い、ない場合は、伝言を受けてチャットで知らせ、在宅の人から折り返してもらう流れにします。相手には「担当は本日、別の場所で勤務しております。こちらから折り返しご連絡いたします」のように伝えます。
電話対応の基本の流れ
まずは、どの電話にも共通する基本の流れを整理します。この流れが、フローチャートの幹になります。
- 電話を取る。呼び出しの音が3回鳴るまでに取るのが目安です。それより遅くなったら「お待たせいたしました」と添えます
- 名乗る。「はい、株式会社〇〇、△△部の□□でございます」のように、会社名と自分の名前を名乗ります
- 相手を確かめる。相手の会社名と名前を聞き取り、メモに書きます。名乗らない場合は「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と尋ねます
- 用件を聞く。誰に、何の用件かを聞き取ります
- 対応を決める。自分で答えられるか、担当に取り次ぐか、折り返すか、伝言を受けるかを決めます
- 内容を確かめる。聞き取った名前、連絡先、用件を復唱して確かめます
- 電話を終える。「お電話ありがとうございました」と伝え、相手が切ったのを確かめてから電話を切ります
このうち、5の「対応を決める」が、フローチャートの分かれ道になる部分です。以下では、場面ごとの流れを見ていきます。
場面ごとの電話対応の流れ
ここからは、よくある場面ごとの流れと、そのまま使える言い回しを紹介します。
担当に取り次ぐとき
相手が話したい担当が席にいる場合の流れです。
- 相手の名前と用件を確かめる
- 「〇〇でございますね。少々お待ちくださいませ」と伝え、保留にする
- 担当に、相手の会社名と名前、用件を伝える
- 担当が電話を代わる
保留にするときは、必ず保留のボタンを押します。受話器を手でふさいだだけでは、社内の会話が相手に聞こえてしまうことがあります。保留の時間が30秒を超えそうなときは、一度電話に戻り、「お待たせして申し訳ございません。もう少々お待ちいただけますでしょうか」と伝えます。
担当に取り次ぐときは、相手の名前と用件を必ず伝えます。「株式会社△△の山田様から、来週の打ち合わせの件でお電話です」のように、短く1文で伝えると、担当は電話に出る前に用件の準備ができます。担当が電話に出てから、相手にもう一度名前と用件を言わせるのは失礼にあたります。
担当が不在のとき
担当が席にいない場合は、まず不在の理由と戻る時間を伝え、相手の希望を聞きます。流れは次のとおりです。
- 「申し訳ございません。あいにく〇〇は席を外しております」と伝える
- 戻る時間が分かれば、「〇時ごろに戻る予定です」と伝える
- 「戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか」と、折り返しの希望を聞く
- 相手の答えによって、折り返し、伝言、かけ直しのいずれかに分かれる
不在の理由は、詳しく言う必要はありません。「会議中」「外出中」「休み」程度にとどめます。「トイレに行っています」「まだ出社していません」のような言い方は避け、「席を外しております」「本日は終日不在にしております」のように言います。
折り返しを約束するとき
相手が折り返しを希望した場合の流れです。
- 相手の会社名、名前、電話番号を聞き取る
- 「念のため、お電話番号を伺ってもよろしいでしょうか」と、番号を必ず確かめる
- 都合のよい時間帯を聞く
- 聞き取った内容を復唱する
- 「〇〇が戻りましたら、折り返しお電話するよう申し伝えます。△△が承りました」と伝える
電話番号は、相手が担当の番号を知っている場合でも確かめます。相手が外出先から電話している場合など、いつもと違う番号にかけてほしいことがあるからです。最後に自分の名前を伝えておくと、相手は後で誰に伝えたかを確かめられます。
伝言を受けるとき
相手が伝言を希望した場合は、用件を聞き取って、伝言のメモに書きます。
- 「よろしければ、ご伝言を承りましょうか」と申し出る
- 用件を聞き取り、メモに書く
- 日付、数字、固有の名前は、特に注意して聞き取る
- 内容を復唱して確かめる
- 自分の名前を伝えて電話を終える
伝言の内容が長い場合や、複雑な場合は、「恐れ入りますが、詳しい内容はメールでお送りいただくことはできますでしょうか」とお願いする方法もあります。
相手がかけ直すと言ったとき
相手が「また後でかけ直します」と言った場合も、電話があったことを担当に伝えます。
- 「承知いたしました。お電話があったことを〇〇に申し伝えます」と伝える
- 相手の会社名と名前を確かめる
- 担当に、電話があったことと、相手がかけ直す予定であることを伝える
相手がかけ直すと言った場合でも、念のため連絡先を聞いておくと、担当が急ぎの用件だと判断したときに、こちらから連絡できます。
自分では答えられない質問を受けたとき
自分では答えられない質問を受けた場合は、無理に答えようとせず、分かる人に代わるか、調べて折り返します。
- 「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と伝えて保留にする
- 分かる人に聞いて答えるか、電話を代わってもらう
- 時間がかかりそうな場合は、「お調べしてから、改めてご連絡いたします」と伝え、連絡先と都合のよい時間帯を聞く
保留が長くなりそうなときは、早めに電話に戻って状況を伝えます。あいまいな答えをその場でするのは、最も避けたい対応です。誤った情報を伝えると、後で訂正するのに大きな手間がかかります。
相手の声が聞き取りにくいとき
電話の音が小さい、周りの音で聞こえない、相手が早口で聞き取れない、といったこともあります。聞き取れないまま話を進めると、名前や用件を取り違えることになります。聞き取れなかったときは、遠慮せずに聞き返します。
- 「恐れ入ります。お電話が少し遠いようでございます。もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
- 「申し訳ございません。念のため、お名前の漢字を教えていただけますでしょうか」
「お電話が遠い」という言い方は、相手の声が小さいことを責めずに聞き返せる便利な表現です。名前の漢字や、会社名の正式な表記が分からないときは、その場で確かめておくと、伝言メモや折り返しで間違えずに済みます。
折り返しの電話をかけるときの流れ
電話の応対では、受けるだけでなく、折り返しの電話をかける場面もあります。伝言を受けた担当が折り返すときの流れは、次のとおりです。
- かける前に、伝言メモで相手の名前、用件、都合のよい時間帯を確かめる
- 用件について、答えや資料を用意しておく
- 名乗る。「株式会社〇〇の□□でございます。先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました」
- 相手が出られる状況かを確かめる。「ただいま、お時間よろしいでしょうか」
- 用件を話す
- 決まったことを復唱し、電話を終える
折り返しは、相手が希望した時間帯にかけます。希望がない場合も、早めにかけるのが基本です。相手が不在だった場合は、自分の名前と、電話をかけたことを伝言として残し、改めてかけ直す時間を伝えます。
折り返しを終えたら、伝言メモに「折り返し済み」と日時を書き込むか、社内の記録を更新します。誰が、いつ折り返したかが分かるようにしておくと、同じ相手に2人が電話してしまうことを防げます。
困った電話への対応の流れ
電話の応対で特に迷いやすいのが、クレームや営業の電話、間違い電話などの困った電話です。あらかじめ流れを決めておくと、電話を受けた人が1人で判断せずに済みます。
クレームの電話
お客様からの苦情の電話を受けた場合の流れです。
- 相手の話を最後まで聞く。途中で言い訳や反論をしない
- 不快な思いをさせたことについて、「ご不便をおかけし、申し訳ございません」と伝える
- 何が起きたのか、事実を確かめる。いつ、どの商品で、どんなことがあったのかを聞き取る
- 自分で対応できる範囲かを判断する
- 対応できない場合は、担当の部署や責任者に代わるか、確認して折り返すことを伝える
クレームの電話では、相手の怒りを受け止めることと、事実を確かめることの両方が必要です。最初に謝るのは、不快な思いをさせたことに対してであって、事実を確かめる前に、会社の過失を認めるような言い方をする必要はありません。
対応が難しい要求や、度を越えた言動の電話
中には、長時間にわたって同じ要求を繰り返す、大声で怒鳴る、人格を否定する言葉を浴びせるなど、度を越えた電話もあります。こうした顧客からの著しい迷惑行為は、カスタマーハラスメントと呼ばれます。厚生労働省の案内によると、法律の改正により、カスタマーハラスメントの防止のための措置は、令和8年10月1日から事業主の義務になっています。詳しくは厚生労働省のハラスメント対策のページで確かめられ、業種別の対策のマニュアルなども紹介されています。
電話対応のフローチャートにも、こうした電話への対応を入れておきます。たとえば、次のような流れです。
- 要求の内容と、相手の言動を記録する
- 1人で対応を続けず、責任者に代わる
- 会社が決めた基準に沿って、対応を終える判断をする
どの段階で責任者に代わるか、どんな言動があれば電話を終えてよいかは、会社として基準を決め、全員に共有しておくことが大切です。電話を受けた人が、我慢して対応を続けなければならない仕組みにしないことが、働く人を守ることにつながります。
営業の電話
取引のない会社からの営業の電話を受けた場合の流れです。
- 相手の会社名、名前、用件を聞き取る
- 担当の部署に取り次ぐかを、会社の決まりに沿って判断する
- 取り次がない場合は、「申し訳ございませんが、そのようなご案内はお断りしております」と伝える
- 資料の送付を求められた場合は、会社の決まりに沿って対応する
「〇〇さんをお願いします」と、担当者の名前を指定してくる営業の電話もあります。用件がはっきりしない場合は、すぐに取り次がず、「どのようなご用件でしょうか」と尋ねます。営業の電話をどう扱うかは、会社によって方針が違うので、フローチャートには自分の会社の方針を書きます。
間違い電話
間違い電話を受けた場合も、丁寧に対応します。
- 「こちらは株式会社〇〇でございますが、どちらにおかけでしょうか」と伝える
- 相手が間違いに気づいたら、「お間違いのようですね」と伝えて電話を終える
間違い電話の相手が、将来のお客様になることもあります。ぶっきらぼうな対応は避けます。相手が探している会社の名前が、取引先や近くの会社と似ている場合は、分かる範囲で正しい連絡先を案内すると、相手にも喜ばれます。
名乗らない相手や、用件を言わない相手
相手が名乗らずに「〇〇さんいますか」とだけ言う電話もあります。取引先の可能性もあるので、失礼のないように名前と用件を尋ねます。「恐れ入りますが、どちら様でしょうか」「差し支えなければ、ご用件を伺えますでしょうか」と聞き、それでも名乗らない場合は、担当の在席を答えずに、伝言を承る形にとどめます。社員の在席や連絡先を、相手が分からないまま伝えないことは、社員を守ることにもつながります。名乗らない電話をどう扱うかも、フローチャートに書いておきます。
伝言メモの書き方
電話の応対で、取り次ぎと並んで大切なのが、伝言メモです。伝言メモの書き漏れや、渡し忘れは、相手の信頼を損ないます。伝言メモには、次の項目を必ず書きます。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 宛先 | 誰への伝言か |
| 日時 | 電話を受けた日付と時刻 |
| 相手 | 会社名、部署、名前 |
| 連絡先 | 電話番号(折り返しが必要な場合) |
| 用件 | 何についての電話か、伝言の内容 |
| 対応 | 折り返しが必要か、相手がかけ直すか、伝言のみか |
| 受けた人 | 電話を受けた人の名前 |
伝言メモの例を示します。
〇〇さんへ。10月21日14時10分、株式会社△△の山田様からお電話がありました。来週の打ち合わせの日程の変更についてのご相談です。本日17時までに、折り返しのお電話をお願いしたいとのことです。電話番号は03-0000-0000(山田様の携帯)です。受けた人は□□です。
紙の伝言メモを担当の机に残しておくだけでは、他の書類に紛れたり、見落とされたりすることがあります。担当が戻ったら、口頭でも伝えるか、社内のチャットで送るなど、確実に届く方法を決めておきます。急ぎの伝言は、担当の携帯電話やチャットに連絡して、すぐに知らせます。
フローチャートの作り方
ここまでの場面を、自分の会社のフローチャートにまとめる手順を説明します。
- よくある電話の種類を書き出す。1週間ほど、受けた電話の種類と件数を記録すると、どんな電話が多いかが分かります
- 判断の分かれ道を決める。「担当は席にいるか」「急ぎか」「自分で答えられるか」など、対応が分かれる問いを書き出します
- 流れを図にする。紙やホワイトボードで下書きをしてから、表計算のソフトや図を作るソフトで清書します。最初から細かく作り込まず、よくある電話の流れから作ります
- 言い回しを添える。分かれ道ごとに、そのまま使える言い回しを書き添えると、電話を受けながらでも使えます
- 試して直す。実際の電話で使ってみて、分かりにくいところや、抜けている場面を直します
フローチャートは、1枚の紙に収まる大きさにするのが理想です。分岐が多すぎると、電話の最中に見るのが難しくなります。基本の流れを1枚にまとめ、クレームや困った電話への対応は、別の1枚に分けるのも1つの方法です。
取り次ぎのフローチャートの例
取り次ぎの場面を、問いと答えの形で文字にしたフローチャートの例を示します。図にするときは、問いをひし形、することを四角で囲み、矢印でつなぎます。
- 電話を取り、会社名と名前を名乗る
- 問い:相手は名乗ったか。名乗っていなければ、名前を尋ねてから3に進む
- 問い:誰への電話か。指名がなければ、用件を聞いて担当を探す
- 問い:担当は席にいるか。いれば、保留にして担当に取り次ぎ、終わり
- 担当がいなければ、不在を伝え、戻る時間を伝える
- 問い:急ぎの用件か。急ぎなら、担当の携帯電話やチャットに連絡して指示を仰ぐ
- 問い:相手の希望は何か。折り返しなら連絡先と時間帯を聞く。伝言なら内容を聞く。かけ直すなら名前を確かめる
- 聞き取った内容を復唱し、自分の名前を伝えて電話を終える
- 伝言メモを書き、担当に確実に届く方法で伝える
この例をもとに、自分の会社の部署の名前や、担当の連絡の方法を書き込めば、そのまま使えるフローチャートになります。クレームの電話の流れは、このフローチャートの3の段階で「苦情か」という問いを加え、別の1枚に分けて書くと見やすくなります。
フローチャートに書くこと、書かないこと
フローチャートには、判断の分かれ道と、次にすることを書きます。言い回しは短く添える程度にし、長い説明は別のマニュアルに書きます。フローチャートに情報を詰め込みすぎると、一目で次にすることが分からなくなり、フローチャートの良さが失われます。
作ったあとの見直し
電話対応のフローチャートは、作って終わりではありません。前に引用した解説でも、作ったあとの見直しの大切さが次のように説明されています。
電話対応フローチャートは、作成して終わりではありません。実際の運用に合わせて見直し、必要に応じて更新していくことが重要です。たとえば、次のようなタイミングでは見直しが必要になります。 出典: nttdata-act.com
見直しが必要になる時期の例を挙げます。
- 組織の変更や担当の交代があったとき
- 新しい商品やサービスを始めたとき
- 同じような問い合わせが増えてきたとき
- フローチャートどおりに対応して、うまくいかなかったことがあったとき
- 新しく入った人から、分かりにくいと言われたとき
見直しの際は、実際に電話を受けている人の意見を聞きます。フローチャートどおりに進まなかった電話があれば、その内容を短く記録しておき、見直しのときの材料にします。フローチャートを作った人と、毎日電話を受けている人では、気づくことが違います。半年に1回など、見直す時期をあらかじめ決めておくと、古いままのフローチャートが使われ続けることを防げます。
電話の件数を減らす工夫
電話の応対の負担を減らすには、フローチャートを整えるだけでなく、電話そのものの件数を減らす工夫も役立ちます。
よくある質問への答えを、ホームページに分かりやすく載せておくと、電話で問い合わせる人が減ります。営業時間、場所、料金、手続きの方法など、何度も聞かれる内容から載せていきます。問い合わせの窓口として、電話だけでなく、メールやWebのフォームも用意しておくと、急ぎでない問い合わせはそちらに分散します。
大きな会社では、電話の自動の音声の案内(IVR)を使って、用件ごとに担当の部署へ振り分ける方法もあります。通信の会社の解説では、自動の電話対応を導入するときの手順について、次のように説明しています。
初期設計が完了したら、実装のステップに進みます。まず、技術的な準備を行います。必要なハードウェアやソフトウェアを準備し、システム全体の構成を整えます。その後、フローチャートに基づいて各設定をシステムに反映させます。この際、細かな設定ミスが発生しないように注意が必要です。システム設定が完了したら、テストフェーズに移行します。実際の運用をシミュレーションしながらシステムの動作を確認し、不具合がないかをチェックします。テスト結果をもとに必要な調整を行い、最終的に本番環境へと移行します。これらのステップを経ることで、効果的な自動電話対応フローチャートが実現し、顧客満足度の向上が期待できます。 出典: business.ntt-east.co.jp
自動の案内を入れる場合も、もとになるのは、人が対応するときのフローチャートです。どんな電話が多く、どこで判断が分かれるかが整理されていれば、自動の案内の設計もしやすくなります。
伝言と折り返しを最後まで管理する
電話の応対で起きやすい失敗の1つが、折り返しの約束の抜け落ちです。伝言メモは受け取ったものの、担当が忙しくて後回しにしているうちに忘れてしまう。誰が折り返したのか分からず、2人が同じ相手に電話してしまう。こうした失敗は、伝言が紙のメモや口頭のやりとりだけで回っているときに起きやすくなります。
少人数の職場なら、伝言を記録するノートを1冊決めて、折り返したら日時と名前を書き込むだけでも、抜け落ちを防げます。人数が多い職場や、在宅で働く人と出社する人が混ざっている職場では、伝言を全員が見られる場所に記録する仕組みが必要になります。
その方法の1つが、社内向けの「電話の伝言」の入力フォームを作り、電話を受けた人がそこに伝言を入力する形にすることです。Halictは、こうしたフォームを作り、届いた1件ごとに担当と状況を残せるフォームのサービスです。公式サイトによると、作りたいフォームを一言で伝えるとAIが質問の構成まで組み立て、届いた回答は一覧で確かめられ、1件ごとに担当と状況が残ります。伝言の1件ごとに担当を割り当て、「未対応」「折り返し済み」「完了」のような状況を付けておけば、誰が、どの伝言に、どこまで対応したかが一目で分かります。電話ではなく、Webのフォームで問い合わせや折り返しの依頼を受け付ける窓口として使えば、返信も同じ画面から送れます。
料金は使う人数で決まり、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。メンバー1人までのフリープランは0円で、ステージ管理と自動返信が使えます。メンバー3人までのスタータープランは月額2,980円(税抜)、10人までのチームプランは月額7,800円(税抜)で、チームプランではTeams、Slack、Chatworkへの通知が使えると案内されています。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Halictは電話そのものを受ける機能を持つサービスではありません。電話の受付は今までどおり人が行い、受けた伝言や、Webで届いた問い合わせの後の対応を、1か所で管理するための道具として考えてください。
電話の応対の力を仕事に生かす
電話の応対は、相手の話を聞き取り、要点を整理して、正しく伝える仕事です。この力は、事務やお客様の窓口の仕事だけでなく、あらゆる仕事の土台になります。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、電話やオンラインでの応対の経験を生かして、在宅で仕事を続ける人は少なくありません。会社の代わりに電話の受付をする仕事や、オンラインでの相談の仕事など、声でのやりとりを在宅で請け負う形も広がっています。依頼する側が重視するのは、話し方のうまさだけでなく、聞いたことを漏れなく記録し、決められた流れで確実に引き継ぐ力です。フローチャートに沿って正確に応対できる人ほど、安心して任されています。
電話を使った在宅の仕事の一例はチャット・電話占いのお仕事で、相手の話にじっくり耳を傾ける仕事はメンタル・心の悩み・愚痴聞きのお仕事で紹介しています。病院や診療所の受付で、電話の応対と事務を担う仕事に関心がある人には、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)という資格があります。大きなクレームや炎上への備えを考えたい会社は、不祥事・炎上対応のプロ!クライシスマネジメントの費用と対応ステップ【2026年版】も参考になります。
最初の一歩は、来週1週間、受けた電話の種類と件数を記録することです。多かった電話の種類から順に、流れと言い回しを1枚の紙に書き出せば、それが自分の職場のフローチャートの最初の版になります。
よくある質問
Q. 電話対応のフローチャートはどんな道具で作ればよいですか?
最初は紙やホワイトボードで下書きをするのがおすすめです。流れが固まったら、表計算のソフトや、WordやPowerPointの図形の機能、図を作るソフトで清書します。大切なのは道具よりも、電話を受けながら一目で次にすることが分かる形にすることです。1枚の紙に収まる大きさにまとめ、よく使う言い回しを分かれ道ごとに短く添えます。
Q. 担当が不在のとき、不在の理由はどこまで伝えればよいですか?
詳しく伝える必要はありません。「席を外しております」「外出しております」「本日は終日不在にしております」程度にとどめます。戻る時間が分かれば伝え、折り返しや伝言の希望を聞きます。「トイレに行っています」「まだ出社していません」のような言い方は避けます。休みの理由など、個人的な事情を伝えることもしません。
Q. クレームの電話では、最初に謝ったほうがよいですか?
不快な思いをさせたことについては、最初に「ご不便をおかけし、申し訳ございません」と伝えるのが一般的です。ただし、事実を確かめる前に、会社の過失を認めるような言い方をする必要はありません。相手の話を最後まで聞き、いつ、何が起きたのかを確かめたうえで、自分で対応できる範囲かを判断し、難しければ責任者に代わります。
Q. 伝言メモには何を書けばよいですか?
宛先、電話を受けた日時、相手の会社名と名前、連絡先、用件、折り返しが必要かどうか、受けた人の名前を書きます。日付や数字、固有の名前は特に注意して聞き取り、復唱して確かめます。紙のメモを机に残すだけでなく、担当が戻ったら口頭でも伝えるか、チャットで送るなど、確実に届く方法を決めておくと、伝え漏れを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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