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個人目標シートの書き方|会社の目標とつなげる方法

@SOHO編集部
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個人目標シートの書き方|会社の目標とつなげる方法

この記事のポイント

  • ✓個人目標シートの書き方を
  • ✓会社と部署の目標から自分の目標を引き出す手順
  • ✓数字で測れる目標の立て方

個人目標シートは、上司に出すための書類である前に、この半年や1年で自分が何をやり遂げるかを決める設計図です。書き方に迷う人の多くは、文章の言い回しではなく「会社の目標と自分の仕事がどうつながるのか」が見えていないところでつまずいています。

この記事では、会社と部署の目標から自分の目標を引き出す手順、シートに必ず入れる項目、数字で測れる目標の立て方、職種別の記入例、期の途中での振り返りと面談の準備までを順に説明します。目標に向けた行動をチームで分担して進めるときは、担当と期限と進み具合を共有できるプロジェクト管理の道具のPinatecaを使う方法にも触れます。

個人目標シートとは何か

個人目標シートとは、一定の期間(多くの会社では半年か1年)に自分が達成する目標と、そのための行動計画、達成したかどうかを確かめる基準を1枚に書き出したものです。会社によっては「目標管理シート」「目標設定シート」「チャレンジシート」などと呼ばれますが、中身はほぼ同じです。

このシートは、目標管理制度という仕組みの中で使われることがほとんどです。目標管理制度とは、社員1人ひとりが上司と相談しながら自分の目標を決め、期の終わりにどこまで達成できたかを振り返り、その結果を評価や育成に使う仕組みのことです。英語の頭文字をとって MBO と呼ばれることもあります。

個人目標シートには、大きく3つの役割があります。

  • 会社や部署の目標と、自分の日々の仕事をつなぐ
  • 期の途中で、予定どおり進んでいるかを自分と上司が確かめる
  • 期の終わりに、何ができて何ができなかったかを話し合う材料になる

3つ目の役割があるため、シートが評価の書類だと受け取られがちです。しかし、シートの出来を左右するのは1つ目の役割です。会社の目標とつながっていない目標は、どれだけ立派に書いても、上司から見ると「なぜそれをやるのか」が分からず、期の途中で優先順位が下がってしまいます。反対に、会社の目標とのつながりが書かれていれば、同じ内容でも仕事の中で時間を確保しやすくなります。

個人目標シートは、正社員だけのものではありません。契約社員や派遣社員、業務委託で継続して仕事を受けているフリーランスでも、取引先から「今期の目標を出してください」と頼まれることがあります。雇用の形にかかわらず、書き方の考え方は共通です。

個人目標シートが求められる背景

個人目標シートが多くの職場で使われているのは、評価の基準を見える形にしておくことが、働く人と会社の双方にとって大切になっているからです。仕事の成果が売上の数字だけでは測れない職種が増え、事務や企画、開発のように「何を達成したら合格なのか」を前もって決めておかないと、評価が上司の印象に左右されやすくなります。

公的な仕組みとしては、厚生労働省が業種や職種ごとに「仕事をこなすのに必要な力」を整理した職業能力評価基準を公開しています。

「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。 平成14年度から、業種横断的な事務系職種のほか、電気機械器具製造業、ホテル業などものづくりからサービス業まで幅広い業種を整備しており、公的な職業能力の評価基準です。 出典: 厚生労働省

この基準は 56業種について作られていて、同じページには、今の力の段階を確かめる「職業能力評価シート」も業種別に用意されています。個人目標シートで「能力を伸ばす目標」を立てるときに、自分の職種で求められる行動の例を見ておくと、目標の言葉選びに迷いにくくなります。

もう1つの背景は、働き方の変化です。テレワークや時差出勤が広がり、上司が部下の仕事ぶりを毎日見られる職場は少なくなりました。顔を合わせる時間が減るほど、「何をいつまでにやるか」を文字にして共有しておく意味は大きくなります。個人目標シートは、離れて働くチームの共通の地図としての役割も持つようになっています。

個人目標シートに入れる項目

会社が様式を決めている場合はそれに従いますが、多くの様式には次の項目が入っています。白紙から作る場合も、この並びで作れば大きく外しません。

項目 書く内容
期間 目標の対象となる期間。例:2026年10月から2027年3月まで
会社・部署の目標 自分の目標の元になる、上の階層の目標
個人の目標 この期間に達成すること。2つから4つが目安
達成の基準 何がどうなったら達成とするか。数字か、状態で書く
重み 目標ごとの大切さの割合。合計を100%にする
行動計画 目標に向けて、いつまでに何をするか
期の途中の振り返り 進み具合と、計画の見直し
期末の自己評価 達成の度合いと、その理由
上司の評価・コメント 上司が記入する欄

この中で特に大切なのは、「達成の基準」と「行動計画」の2つです。目標そのものは上司と話せばある程度決まりますが、達成の基準があいまいだと、期末に「達成できたのかどうか」で上司と意見が割れます。行動計画が書かれていないと、期の途中で何をすればよいか分からなくなり、期末に慌てることになります。

目標の数は、多すぎても少なすぎてもうまくいきません。1つだけだと、その目標が外部の事情で進まなくなったときに評価の材料がなくなります。反対に5つ以上並べると、1つあたりにかけられる時間が少なくなり、どれも中途半端に終わりやすくなります。成果の目標を2つ、能力を伸ばす目標や業務の改善の目標を1つ、という組み合わせがよく使われます。

重みは、目標ごとに力を入れる割合を示す数字です。たとえば売上の目標に50%、新しい取引先を開拓する目標に30%、後輩の指導に20%と配分すると、期末の評価でどの目標を重く見るかが上司と共有できます。重みの欄が様式に無い場合でも、自分のメモとして決めておくと、忙しい時期にどの目標を優先するかの判断に使えます。

会社の目標と個人の目標をつなげる方法

個人目標シートの書き方でいちばん大切なのが、会社の目標とのつなげ方です。上の階層の目標を、自分の仕事の大きさまで順に分けていく作業になります。

ステップ1:会社と部署の目標を書き写す

最初に、会社の今期の方針と、所属する部署の目標を確かめます。経営計画の資料、期初の全体会議の説明、部署の会議の議事録などに書かれていることが多いでしょう。見つからなければ、上司に「部署の今期の目標を教えてください」と聞いて構いません。目標を立てる前に聞くことは、期末に方向違いを指摘されるよりずっと手間が少なくて済みます。

書き写すときは、言葉をそのまま写します。自分の言葉に言い換えると、元の目標から少しずつずれていきます。

ステップ2:部署の目標に自分の仕事がどう効くかを考える

次に、部署の目標を達成するために、自分の担当の仕事がどこで役に立つかを考えます。たとえば部署の目標が「既存のお客様からの売上を前年より伸ばす」であれば、営業担当なら訪問の回数や提案の件数、事務担当なら見積書を出すまでの日数の短縮、カスタマーサポートなら問い合わせへの返信の速さが、それぞれ部署の目標に効く仕事になります。

ここで迷ったら、「自分がこの仕事をしなかったら、部署の目標のどこが困るか」を考えると見つけやすくなります。

ステップ3:自分が動かせる範囲の目標にする

部署の目標をそのまま自分の目標にすると、自分の力だけでは達成できない目標になりがちです。たとえば事務担当が「部署の売上を伸ばす」を目標にしても、売上は営業の動きや景気に左右されるため、自分の努力と結果が結びつきません。

自分の目標は、自分の行動で結果を変えられる範囲に絞ります。事務担当であれば「見積書の発行を依頼から2営業日以内にする」のように、自分の仕事の質や速さで測れる形にすると、会社の目標につながり、しかも自分で達成を左右できる目標になります。

ステップ4:上司とすり合わせる

下書きができたら、提出の前に上司と短く話す時間をもらいます。目標の高さは、本人と上司で感じ方が違うことが多いためです。本人は無理のない目標を出したつもりでも、上司から見ると物足りないことがありますし、その逆もあります。下書きの段階で話しておけば、提出後に何度も書き直す手間を減らせます。

数字で測れる目標の立て方

目標を書くときによく使われる考え方に、SMART があります。目標が次の5つを満たしているかを確かめるための頭文字です。

  • 具体的である(Specific):何をするのかが、読んだ人に同じように伝わる
  • 測れる(Measurable):達成したかどうかを、数字や状態で確かめられる
  • 達成できる(Achievable):今の力と使える時間で、手が届く高さである
  • 関連している(Relevant):会社や部署の目標とつながっている
  • 期限がある(Time-bound):いつまでに達成するかが決まっている

この5つのうち、書き方で差がつくのは「測れる」と「期限がある」です。製造業の目標設定について書かれた解説でも、次のように数値と期限の大切さが挙げられています。

目標管理シートを書く際は、目標内容や目標数値、達成期限などを簡潔かつ具体的に書くようにしましょう。 また、定めた行動計画と実際の行動を比較できるよう工夫すると、目標の達成度合いと現状の課題が把握しやすくなります。 出典: waku-con.jp

たとえば「お客様対応の質を上げる」という目標は、何がどうなれば達成なのかが分かりません。これを「お客様からの問い合わせに、受け付けた日のうちに一次の返信をする割合を、3月末までに90%以上にする」と書き直すと、達成したかどうかを誰が見ても同じように判断できます。

数字にしにくい仕事もあります。その場合は、「どんな状態になったら達成か」を書きます。たとえば「新人向けの手順書を作る」なら、「新人が手順書だけを見て、月末の締めの作業を1人で終えられる状態にする。2月末までに新人1人に試してもらい、確かめる」と書けば、数字がなくても達成の基準ははっきりします。

目標の高さは、少し背伸びすれば届く程度が目安です。確実に達成できる目標ばかりだと成長につながらず、届かない目標ばかりだと期の途中で意欲が続きません。前の期の実績を数字で確かめ、そこから1割から2割程度上を目指す、という決め方が多くの職場で使われています。

個人目標シートを書く5ステップ

ここまでの考え方を、実際の作業の順番に並べると次のようになります。

ステップ1:前の期を振り返る

白紙から書き始める前に、前の期のシートと実績を見直します。達成できた目標、できなかった目標、その理由を1行ずつ書き出すと、今期の目標の材料になります。前の期のシートが無い人は、この半年の仕事の記録(日報、メール、カレンダー)から、時間をかけた仕事と成果が出た仕事を拾い出します。

ステップ2:会社と部署の目標を確かめる

「会社の目標と個人の目標をつなげる方法」で説明したとおり、上の階層の目標をそのまま書き写します。

ステップ3:目標を2つから4つ書く

部署の目標に効く仕事の中から、今期に特に力を入れるものを選び、SMART の5つを満たす形で書きます。成果の目標と、能力を伸ばす目標を組み合わせると、期の途中で外部の事情が変わっても、どちらかで前に進めます。

ステップ4:行動計画を月ごとに書く

目標ごとに、「何を」「いつまでに」を月単位で書きます。半年の目標なら、6つの区切りに分けて、それぞれの月の終わりにどこまで進んでいれば予定どおりかを決めておきます。月ごとの区切りがあると、期の途中の振り返りで遅れにすぐ気づけます。

ステップ5:読み返して上司に出す

最後に、他の人が読んで同じ意味に受け取れるかを確かめます。「なるべく」「できるだけ」「積極的に」のような言葉が残っていたら、数字か状態で書き直します。自分では分かっている略語や社内の呼び名も、上司の上の評価者が読む場合があるので、初めて読む人にも通じる言葉にしておきます。

職種別の個人目標シートの記入例

職種ごとに、目標と達成の基準、行動計画の例を示します。そのまま写すのではなく、自分の部署の目標に合わせて数字と期限を書き換えて使ってください。

営業職の記入例

  • 部署の目標:既存のお客様からの売上を前年より伸ばす
  • 個人の目標:担当する既存のお客様30社への追加の提案を、3月末までに合計45件行い、そのうち9件の受注を得る
  • 行動計画:10月に担当先の過去2年の購入履歴を整理し、提案の候補を決める。11月から毎月8件以上の提案を行う。毎月末に提案件数と受注件数を記録する

事務職の記入例

  • 部署の目標:お客様への見積もりの提出を早め、受注の取りこぼしを減らす
  • 個人の目標:見積書の作成を、営業からの依頼を受けてから2営業日以内に終える割合を、3月末までに95%以上にする
  • 行動計画:10月に今の所要日数を1か月分記録する。11月に見積もりのひな形を見直す。12月から毎週、所要日数を集計して営業と共有する

経理職の記入例

  • 部署の目標:月次の決算を早め、経営の判断を早くする
  • 個人の目標:月次決算の締めを、翌月7営業日目から5営業日目に早める
  • 行動計画:10月に締めの作業を一覧にし、時間がかかる作業を3つ選ぶ。11月から1か月に1つずつ手順を見直す。各月の締めの日を記録する

エンジニア・技術職の記入例

  • 部署の目標:システムの障害を減らし、お客様の信頼を高める
  • 個人の目標:担当するシステムで、リリース後に見つかる不具合の件数を前の期より3割減らす
  • 行動計画:10月に前の期の不具合を原因別に分ける。11月にテストの確認項目を見直す。12月から毎回のリリースで確認項目を使い、件数を記録する

製造・現場職の記入例

  • 部署の目標:不良品を減らし、材料の無駄を減らす
  • 個人の目標:担当する工程の不良率を、3月末までに前の期の平均から2割下げる
  • 行動計画:10月に不良の種類と発生した時間帯を記録する。11月に多い原因の上位2つについて対策を決め、班長と確かめる。12月から週ごとに不良率を記録する

接客・サービス職の記入例

  • 部署の目標:お客様の満足度を高め、再来店を増やす
  • 個人の目標:お客様アンケートで「接客に満足」と答えた割合を、3月末までに担当する時間帯で85%以上にする
  • 行動計画:10月に今の割合を確かめる。11月に店長と接客の基本の動きを確認する。毎月、アンケートの自由記述を読み、次の月に直す点を1つ決める

管理職の記入例

  • 部署の目標:チーム全体の生産性を高める
  • 個人の目標:チーム5人全員と毎月1回30分の面談を行い、3月末までに全員が自分の目標の進み具合を数字で説明できる状態にする
  • 行動計画:10月に面談の予定を半年分決めてカレンダーに登録する。毎回の面談で進み具合の数字を確かめ、遅れている目標は次の1か月の行動を一緒に決める

業務委託で働くフリーランスの記入例

取引先から目標を求められた場合は、契約で決まった業務の範囲で書きます。契約の外の仕事を目標に入れると、報酬の範囲を超えた作業を引き受けることになりかねません。

  • 取引先の目標:Webサイトからの問い合わせを増やす
  • 個人の目標:担当する記事の公開を毎月4本、締切の前日までに納める。公開した記事の検索からの訪問数を、3か月ごとに取引先と確かめる
  • 行動計画:毎月の初めに題材を取引先と決める。月の中旬までに下書きを出し、月末の3営業日前までに仕上げる

個人目標シートでよくある失敗と直し方

目標が「頑張る」「意識する」で終わっている

「業務の効率化を意識する」「積極的に提案する」のような書き方は、何をすれば達成なのかが分かりません。「どの業務の」「何を」「どれだけ」を加えて書き直します。たとえば「請求書の発行作業を、1件あたり15分から10分に短くする」のようにします。

自分ではどうにもならない目標を立てている

会社全体の売上や、他の部署の協力が欠かせない数字を自分の目標にすると、努力しても結果が出ないことがあります。目標は自分の行動で結果を変えられる範囲に絞り、部署全体の数字は「この目標が部署の目標のどこに効くか」の説明として書きます。

期の途中で一度も見直していない

期初に書いたシートを期末まで開かないと、目標と実際の仕事がずれていても気づけません。月に1回、行動計画の欄を見て、予定どおり進んでいるかを確かめます。仕事の担当が変わった、会社の方針が変わったなど、目標そのものの前提が変わったときは、上司に相談して目標を書き直します。

目標の数が多すぎる

やりたいことを全部書くと、5つ、6つと目標が増えていきます。目標が多いほど、1つあたりにかけられる時間は減ります。目標は2つから4つに絞り、それ以外は「日々の業務として続けること」として目標の外に書いておきます。

達成できそうな目標ばかり選んでいる

評価が下がることを心配して、前の期と同じ目標を並べる人もいます。しかし、毎期同じ目標では上司から成長が見えません。成果の目標は確実に届く高さにしつつ、能力を伸ばす目標で1つは新しいことに挑戦する、という組み合わせにすると、評価の不安と成長の両方に配慮できます。

個人目標シートを使うメリットとデメリット

働く人にとってのメリット

1つ目は、日々の仕事の優先順位が決めやすくなることです。依頼が重なったときに、自分の目標に効く仕事を先に進めるという判断の基準ができます。

2つ目は、評価の納得感が高まることです。期初に達成の基準を上司と決めておけば、期末に「何をもって評価されたのか」が分かります。人事評価の公平さについては、次のような指摘もあります。

人事評価が公平であると、従業員は「自分の会社は社員を適切に評価してくれる」と感じるようになり、エンゲージメントを高めやすくなります。 出典: kaonavi.jp

3つ目は、自分の成長の記録が残ることです。数期分のシートを並べると、どんな仕事を任され、どこまでできるようになったかが一目で分かります。転職や独立のときに、自分の実績を説明する材料にもなります。

デメリットと付き合い方

一方で、デメリットもあります。いちばん大きいのは、書くこと自体が目的になり、書いたあとは使われなくなることです。シートを書く時間が負担になる職場では、項目を減らす、月1回の振り返りを10分の面談で済ませるなど、続けられる形に調整する必要があります。

また、数字で測りやすい目標ばかりが選ばれ、数字にしにくいけれど大切な仕事(後輩の育成、チームの雰囲気づくり、問い合わせへの丁寧な対応など)が後回しになることもあります。「数字で測れる目標の立て方」で説明したように、数字にしにくい仕事は「どんな状態になったら達成か」で書き、目標の1つとして入れておくと防げます。

個人目標シートを管理する方法の比べ方

個人目標シートをどこで作り、どこで管理するかは、職場の人数と、目標をどこまで共有するかで選びます。

管理の方法 向いている場面 気をつける点
紙 少人数で、面談のときに手元で見ながら話す 書き直しが手間。保管場所を決めておく
Excel 会社が様式を Excel で配っている ファイルが何版も残りやすい。保存先を1か所に決める
Googleスプレッドシート 上司と同じファイルを見ながら直したい 共有の範囲を本人と上司に限る
人事評価のシステム 社員が多く、評価の手続きまで一括で管理したい 導入と運用に費用がかかる
プロジェクト管理の道具 目標に向けた行動を、チームで分担して進めたい 評価の書類そのものは別に管理する

Excel とスプレッドシートで進み具合を見やすくする

Excel や Googleスプレッドシートで管理する場合は、行動計画の表に「予定」「実績」「達成率」の列を作り、達成率に色を付けると、遅れが一目で分かります。条件付き書式とは、セルの値に応じて文字や背景の色を自動で変える機能のことです。Excel では[ホーム]タブの[条件付き書式]から設定でき、手順は Microsoft の公式ヘルプ「条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する」で説明されています。

Googleスプレッドシートでは、色を付けたいセルを選び、[表示形式]から[条件付き書式]をクリックすると、右側に設定の画面が開きます。詳しい手順は Google の公式ヘルプ「Google スプレッドシートで条件付き書式ルールを使用する」にあります。たとえば達成率の列に「1以上なら緑」「0.8以上1未満なら黄色」と2つの条件を設定しておけば、月ごとの振り返りで、どの目標に手を入れるべきかがすぐに分かります。

チームで目標に向けた行動を分担するとき

部署やチームの目標を何人かで分担して進める場合は、個人のシートとは別に、目標に向けた行動を1か所で共有しておくと、誰がどこで止まっているかが分かりやすくなります。人数が少ないうちは、共有のスプレッドシートに「行動」「担当」「期限」「状況」の列を作るだけで十分です。

担当が5人前後になり、他の仕事と並行して進める場合は、担当と期限と進み具合を共有する道具を使うと見通しがよくなります。その1つがPinatecaです。公式サイトによると、カードを列に並べて進み具合を動かすカンバンボード、期間を横に並べて締切の重なりを見るガントチャート、月と週で予定を見るカレンダーボードなど、8種類のボードとチャットを備えています。5人までのチームなら期限なしで無料(ボードは10個まで、ファイル容量1GB)で、クレジットカードの登録も要りません。「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」の列を作り、行動計画の1つひとつをカードにして担当と期限を付ければ、チーム全員が同じ画面で進み具合を確かめられます。カードに項目を追加できるカスタムフィールドを使えば、どの目標に向けた行動かを書き添えておくこともできます。Pinateca は個人目標シートそのものを作る道具や人事評価の仕組みではなく、目標に向けた行動の担当と進み具合を共有するための道具です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

個人の評価に関わる内容(自己評価や上司のコメント)は、チームの全員が見られる場所には保存しないようにします。共有するのは行動と進み具合までにとどめ、評価の書類は会社の決めた方法で本人と上司の間で管理します。

期の途中の振り返りと面談の準備

個人目標シートは、期の途中で使ってこそ意味があります。月に1回、15分ほど時間をとって、次の3つを確かめます。

  1. 行動計画のうち、今月までに終わる予定だったことは終わったか
  2. 終わっていないものがあれば、その理由は何か(時間が足りない、他の仕事が入った、やり方が合っていない)
  3. 来月、何を変えるか

この3つを毎月1行ずつ書き残しておくと、期の途中の面談や期末の自己評価を書くときに、思い出す手間がかかりません。期末になって半年分を思い出そうとすると、直近の1か月の出来事ばかりが浮かび、期の前半の成果を書き漏らしがちです。

上司との面談の前にやっておくこと

面談の前には、シートの数字を最新にしておきます。達成率が分かる形で数字を出しておけば、面談の時間を「なぜ遅れているか」「次に何をするか」の話に使えます。

遅れている目標がある場合は、遅れの理由と、取り戻すための案を1つ用意しておきます。上司にとって知りたいのは、遅れていることそのものより、本人がどう立て直すつもりかです。自分の力ではどうにもならない理由(担当の変更、取引先の事情など)で目標の前提が崩れた場合は、目標を書き直したいとはっきり伝えます。

期末の自己評価の書き方

期末の自己評価は、「結果」「理由」「次の期に生かすこと」の3つで書きます。たとえば「見積書を2営業日以内に出す割合は、目標の95%に対して92%だった。月末の依頼が集中する週に遅れが出た。次の期は月末の週に作業の時間を確保する」のように書けば、上司は評価の根拠を読み取りやすく、次の期の目標の話にもつなげやすくなります。

達成できなかった目標を、言い訳を重ねて長く書く必要はありません。事実と理由と次の手を短く書くほうが、上司からの信頼につながります。

長く現場を見てきた運営者の視点から

在宅ワークとフリーランスの仕事の仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、仕事が長く続く人ほど、目標を「自分が何をするか」だけでなく「相手の何が楽になるか」で考えています。会社員の個人目標シートでも、フリーランスが取引先と決める目標でも、この点は変わりません。部署の目標につながる目標は、上司や取引先から見て「この人に任せると楽になる」と分かる目標です。

もう1つの傾向として、自分の仕事を数字で説明できる人は、仕事を受ける場面でも話が早く進みます。「納期の前日までに納めた割合」「修正の依頼が来た件数」のように、日々の仕事を数字で記録する習慣は、個人目標シートを書くためだけでなく、自分の働きを外に示す材料になります。中間の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。その関係を続けるうえでも、約束した目標を数字で守り続けることがいちばんの信用になります。

目標を数字で示す力が生きる仕事

個人目標シートを書くときに使う「上の目標を自分の仕事に分ける」「達成の基準を数字で決める」「月ごとに進み具合を確かめる」という力は、業務の改善や組織づくりを手伝う仕事でもそのまま使えます。

会社の業務に生成AIを取り入れる支援をする仕事は、どの業務にAIを使えば部署の目標に効くかを決め、効果を数字で確かめるところまでが求められます。仕事の中身や求められる経験はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。AIの活用に加えて、集客やセキュリティの改善まで幅広く扱う仕事については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとめています。

中小企業の経営の目標づくりや、目標管理の仕組みそのものを整える支援をしたい人には、経営の助言の専門家として国が登録する中小企業診断士の資格があります。試験の内容や取得までの流れは資格のページで確かめられます。

自分の職種でどのくらいの報酬が相場かを知っておくと、目標の数字を考えるときや、取引先と単価を話し合うときの目安になります。たとえば、ものづくりやWebの見た目を担う職種はデザイナーの年収・単価相場、調査や分析を担う職種は研究者の年収・単価相場で、働き方ごとの相場を確かめられます。

よくある質問

Q. 個人目標シートの目標はいくつ書けばよいですか?

2つから4つが目安です。1つだけだと、その目標が外部の事情で進まなくなったときに評価の材料がなくなります。5つ以上並べると1つあたりにかけられる時間が減り、どれも中途半端になりやすくなります。成果の目標を2つ、能力を伸ばす目標か業務の改善の目標を1つ、という組み合わせがよく使われます。会社が数を決めている場合はそれに従ってください。

Q. 数字で表しにくい仕事の目標はどう書けばよいですか?

「どんな状態になったら達成か」を書きます。たとえば手順書づくりなら「新人が手順書だけを見て、月末の締めの作業を1人で終えられる状態にする。2月末までに新人1人に試してもらい確かめる」のように、確かめ方と期限を添えます。数字がなくても、誰が見ても同じように達成を判断できる書き方であれば、達成の基準として使えます。

Q. 会社の目標と自分の仕事のつながりが分からないときはどうすればよいですか?

まず部署の今期の目標を上司に確かめ、その言葉をそのまま書き写します。次に「自分がこの仕事をしなかったら、部署の目標のどこが困るか」を考えると、つながりが見つけやすくなります。それでも分からなければ、下書きの段階で上司に相談して構いません。提出後に方向違いを指摘されるより、手間が少なく済みます。

Q. 期の途中で目標を変えてもよいですか?

担当の変更や会社の方針の変更など、目標の前提が変わったときは、上司に相談して書き直すのが一般的です。前提が変わったまま期末を迎えると、達成できなかった理由を説明するだけの評価になってしまいます。ただし、変えてよいかどうかや手続きは会社の制度で決まっているため、自分の判断だけで書き換えず、必ず上司に確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月16日最終更新:2026年10月28日
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