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正社員登用ありは嘘かもしれない、求人票で実態を見分ける確認点

@SOHO編集部
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正社員登用ありは嘘かもしれない、求人票で実態を見分ける確認点

この記事のポイント

  • ✓正社員登用ありは嘘なのかを
  • ✓パートタイム・有期雇用労働法の転換推進措置
  • ✓2024年4月からの労働条件明示の改正をもとに整理します

「正社員登用あり」と書かれた求人に応募したのに、何年たっても契約社員やアルバイトのまま。こうした話を聞くと、正社員登用ありは嘘なのではないかと疑いたくなります。結論から言うと、この表示そのものが法律違反の嘘であることは多くありません。ただし「登用の道がある」ことと「あなたが登用される」ことの間には大きな距離があり、その距離は求人票と面接での確認でかなりの部分が見えてきます。この記事では、法律が会社に何を求めているのか、求人票のどこを読めば実態が分かるのか、話が違ったときにどこへ相談すればよいのかを、公的機関の情報をもとに順に整理します。

正社員登用ありが嘘に見える理由を、まず数字と仕組みで押さえる

最初に、正社員以外の働き方をしている人がどのくらいいて、そのうちどのくらいが本当は正社員を望んでいるのかを見ておきます。厚生労働省がまとめている「非正規雇用の現状と課題」では、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規雇用労働者は2022年以降ふたたび増えていると説明されています。

そのなかで注目したいのが「不本意非正規」と呼ばれる人たちです。不本意非正規とは、正社員として働く機会がないために、やむを得ず非正規で働いている人のことです。

正社員として働く機会がなく、非正規雇用で働いている者(不本意非正規雇用)の割合は、非正規雇用労働者全体の8.4%(2025年平均)となっています。 出典: mhlw.go.jp

割合で見ると8.4%で、非正規で働く人の多くは、家庭の事情や働く時間の希望など、自分の都合で今の形を選んでいます。裏を返すと、会社の側から見て「正社員になりたい人」は職場のなかで少数派になりやすく、登用の制度があっても使われないまま年数がたつ職場が生まれやすい構造があります。

もう1つの理由は、「登用あり」という言葉の意味の幅です。求人票の「正社員登用あり」は、次のどれを指していても書けてしまいます。

・毎年、決まった時期に登用試験があり、実際に何人も合格している
・制度としては就業規則に書いてあるが、ここ数年は誰も登用されていない
・店長や上司が推薦すれば検討する、という程度の運用
・正社員ではなく「無期雇用の契約社員」に切り替わる制度を、広く登用と呼んでいる

どれも完全な作り話ではないので、応募者の側からは区別がつきません。嘘に見える原因の多くは、この「幅」にあります。したがって確認すべきことは、制度があるかどうかではなく、制度がどう動いているかです。

法律が会社に求めているのは「正社員への道を用意すること」まで

パートや有期契約で働く人の待遇は、パートタイム・有期雇用労働法という法律で決まっています。この法律の第13条は、正社員への転換について会社に義務を課しています。ここでいう「通常の労働者」は、おおむね正社員のことだと考えてください。

事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用するパートタイム・有期雇用労働者について、次のいずれかの措置を講じなければならない。 通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム・有期雇用労働者に周知する。 通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム・有期雇用労働者にも応募する機会を与える。 パートタイム・有期雇用労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける。 出典: mhlw.go.jp

つまり、パートや契約社員を雇っている会社は、正社員の募集を知らせる、社内公募に応募させる、転換試験を設ける、などのうちどれかをしなければなりません。この意味で、正社員への道を何も用意していない会社のほうが法律の趣旨から外れています。

一方で、同じ資料には「措置を講ずることが求められており、その結果として通常の労働者に転換することまでは求められていません」とも書かれています。会社に課されているのは道を用意することであって、誰かを必ず登用することではありません。ここが「登用ありなのに誰もなれない」という状況が生まれる根本の理由です。

ただし、何年も実績がないまま放っておいてよいわけでもありません。厚生労働省の解説は、措置を講じてから長い間だれも転換していない場合には、転換を推進する措置を講じたとは言えない可能性があり、形だけになっていないか検証する必要があると述べています。また、勤続年数や資格などの条件を付けること自体は認められていますが、必要以上に厳しい条件を付けた仕組みでは義務を果たしたとは言えない場合がある、という説明もあります。

さらに、2026年10月1日からは、会社は契約更新のときの面談やメールなどを使って、本人が正社員への転換を望んでいるかを確かめ、その意向に配慮しなければならないことになりました。正社員になりたい気持ちは、黙っていても伝わりません。この仕組みが動き出した今は、更新の面談で希望をはっきり伝えることが、これまで以上に意味を持ちます。

「正社員登用」と「無期転換」は別のもの

求人や職場の説明でよく混同されるのが、正社員登用と無期転換です。この2つは似ていますが、中身は違います。

無期転換ルールとは、同じ会社との有期契約が更新されて通算5年を超えたときに、働く人が申し込めば期間の定めのない契約に切り替わる仕組みのことです。厚生労働省の無期転換の解説サイトでは、次のように説明されています。

有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します(使用者は断ることができません)。 出典: muki.mhlw.go.jp

同じサイトによると、契約期間が1年なら5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年なら1回目の更新後の3年間に、申し込む権利が生まれます。会社は申し込みを断れないので、これは会社の判断で決まる「登用」とは性格がまったく違います。

注意したいのは、無期転換で変わるのは契約に期限がなくなることだけで、給料や賞与、仕事の範囲が正社員と同じになるとは限らない点です。別の決まりがなければ、契約期間以外の労働条件は転換前と同じままになるのが原則です。会社によっては、この無期転換した人を「無期契約社員」「限定正社員」などと呼び、求人では「正社員登用制度あり」と一緒に書いていることがあります。

求人票を読むときは、「登用」と書かれた先が次のどれなのかを確かめてください。

・いわゆる正社員(期間の定めがなく、正社員の給与表と賞与・退職金の仕組みが適用される)
・短時間正社員(期間の定めがなく、時間当たりの基本給や賞与・退職金の計算方法が同種のフルタイム正社員と同じ)
・無期雇用の契約社員(期間の定めはないが、給与や賞与はこれまでと同じ)

厚生労働省の解説では、短時間正社員は一定の条件を満たせば「通常の労働者」として扱われるとされています。働く時間を短くしたまま正社員の待遇を得たい人にとっては、こちらのほうが合う場合もあります。どれが自分の希望に合うかを先に決めておくと、面接での質問もはっきりします。

求人票で実態を見分ける確認点

ここからが本題です。求人票と募集要項のなかで、正社員登用の実態がにじみ出る箇所を順に見ていきます。

登用の実績が「年」と「人数」で書かれているか

最も分かりやすい手がかりは実績です。「登用実績あり」とだけ書かれている求人と、「昨年度は12人が正社員に登用」と書かれている求人では、情報の確かさがまったく違います。実績を具体的に書ける会社は、制度が毎年動いていて、人事の側も数字を把握しています。

実績が書かれていないからといって、ただちに怪しいとは言えません。小さな会社では、そもそも数字を公開する習慣がないこともあります。その場合は、面接で直接聞くための材料として控えておきます。

登用の条件と時期が書かれているか

次に、登用の条件です。「勤続1年以上」「上長の推薦」「筆記試験と面接」「年1回、4月に実施」など、条件と時期が具体的に書かれていれば、制度が実際に回っている可能性が高まります。

反対に「頑張り次第で正社員登用も」「意欲のある方は登用のチャンスあり」といった、条件のない書き方は要注意です。条件が決まっていないということは、登用されるかどうかが、そのときの人員計画や上司の判断に左右されやすいことを意味します。

雇用期間と更新の上限が書かれているか

2024年4月から、会社が労働者を募集するときに示さなければならない事項が増えました。厚生労働省は次のように説明しています。

令和6年4月1日からは、新たに以下の事項についても明示することが必要となります。 1 従事すべき業務の変更の範囲 2 就業の場所の変更の範囲 3 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む) 出典: mhlw.go.jp

特に3つ目の「更新の上限」は見落とせません。たとえば「契約更新は通算5年まで」と書かれていれば、その会社は5年を超えて有期のまま雇い続けることを想定していないことになります。そのうえで登用の実績が乏しければ、5年の間に登用されなければ契約が終わる、という道筋も考えられます。登用制度と更新上限は、必ずセットで読んでください。

仕事と勤務地の「変更の範囲」が正社員とどう違うか

1つ目と2つ目の「変更の範囲」は、入社後にどこまで仕事内容や勤務地が変わりうるかを示すものです。正社員の求人では「会社の定める業務」「全国の事業所」のように広く書かれ、契約社員の求人では「雇入れ時と同じ」と狭く書かれていることがよくあります。

この差は、正社員に登用されたときに何が変わるかの手がかりになります。登用後は転勤や部署異動の範囲が広がるかもしれません。在宅勤務を前提に応募した人にとっては、登用されることでかえって働き方が合わなくなる可能性もあります。

募集主の情報がそろっているか

基本中の基本ですが、募集主の名前、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金の6つがそろっているかも確認します。厚生労働省は、SNSを含む広告で労働者を募集するときにこれらを必ず示すよう求めていて、表示のない募集広告には特に気をつけるよう呼びかけています。正社員登用を売りにしながら、会社の住所が書かれていない、連絡先がSNSのメッセージだけ、という募集は応募の対象から外してかまいません。

求人票でよく見る言い回しと、その読み方

求人票には、登用について決まった書き方があるわけではありません。よく見かける言い回しを並べ、それぞれから何が読み取れるかを整理しておきます。

「正社員登用制度あり」は、制度が就業規則などに書かれていることを示す言い回しです。ただし、制度があることと、それが使われていることは別の話です。この言い回しだけでは、実績も条件も分かりません。

「正社員登用実績あり」は、過去に少なくとも1人は登用された人がいることを示します。とはいえ、その実績が昨年のものか10年前のものかは書かれていません。年度と人数が添えられていなければ、面接で確かめる項目に入れておきます。

「正社員登用前提」「正社員を前提とした採用」は、最初の一定期間を契約社員として働き、問題がなければ正社員に切り替えることを想定した書き方です。いわゆる試用期間に近い運用ですが、あくまで有期契約として始まるので、切り替えの条件と時期、切り替えられなかったときの扱いを必ず確認します。

「頑張り次第で正社員も」「将来の幹部候補」は、条件が示されていない言い回しです。会社に悪意がなくても、判断の基準があいまいなので、後から「頑張りが足りなかった」と言われれば反論のしようがありません。

「社員登用あり」と「正社員」が抜けている書き方にも注意してください。会社によっては、アルバイトから契約社員になることを「社員登用」と呼んでいます。登用の先が正社員なのか、契約社員なのか、無期雇用の社員なのかを、言葉どおりに受け取らずに確かめることが大切です。

応募する前に、会社の外側の情報も確かめる

求人票は会社が自分で書く広告なので、よいことが前に出るのは当然です。応募の前に、会社が公的なサイトで公開している情報も見ておくと、求人票だけでは分からない面が見えてきます。

厚生労働省が運営する職場情報総合サイト「しょくばらぼ」は、企業の働き方や採用の状況を検索して比べられるサイトです。トップページの表示では、掲載企業数は152,380件(2026年10月1日時点)とされています。平均の勤続年数や有給休暇の取得状況、女性の活躍に関する情報などが載っていて、企業によっては、正社員以外から正社員への転換の実績を公表している場合もあります。応募先の名前で検索し、情報が載っているかを確かめてみてください。

あわせて、会社の公式サイトの採用ページも見ておきます。求人サイトの募集要項より詳しく、登用制度の説明や登用された社員の紹介を載せている会社があります。こうした記事は会社の広報なので割り引いて読む必要はありますが、登用された人が何年目に、どの部署で、どんな試験を経て正社員になったのかが具体的に書かれていれば、制度が回っている裏付けになります。

反対に、どこを探しても登用についての情報が見当たらない場合は、面接で聞く項目を多めに用意しておきます。外側の情報が少ないこと自体は珍しくありませんが、その分、直接の確認が欠かせなくなります。

面接と内定前に聞くべき質問

求人票で分からなかったことは、面接で聞くのが一番確実です。聞きにくいと感じる人は多いのですが、登用について質問すること自体が評価を下げる理由にはなりません。登用制度は会社が求人の魅力として自ら打ち出しているものなので、その中身を尋ねるのは、長く働くつもりがあることを伝える自然な質問です。

質問の例を挙げます。言い回しは自分の言葉に直して使ってください。

・「正社員登用制度について、直近の年度で何人くらいの方が登用されていますか」
・「登用の条件と、試験や面接が行われる時期を教えていただけますか」
・「登用後の雇用形態は、期間の定めのない正社員でしょうか。給与や賞与は正社員の規程が適用されますか」
・「契約の更新に上限はありますか。上限に達する前に登用の機会は何回ありますか」
・「この部署で、実際に登用された方はいらっしゃいますか」

最後の質問は特に効きます。会社全体の数字は良くても、店舗や部署によって登用がほとんどない、ということがあるからです。自分が配属される場所の実績を聞くことで、話がぐっと具体的になります。

答え方にも注目してください。数字や時期をその場で答えられる会社は、制度がきちんと回っています。逆に「人によります」「頑張りを見て判断します」と、具体的な説明が出てこない場合は、登用を当てにしない前提で入社を考えたほうが安全です。

内定が出たあと、承諾する前にもう一度確認する機会があります。このとき、口頭で聞いた登用の話を、メールで「先日の面接で伺った内容の確認です」と書いて送り、返事をもらっておくと記録が残ります。後から話が違ったときに、相談先で状況を説明する材料にもなります。

労働条件通知書で最後に確かめること

入社が決まると、会社から労働条件通知書(雇用契約書)が渡されます。労働条件通知書とは、給料や働く時間、契約期間などの労働条件を書面で示したもので、会社は渡す義務があります。登用について口頭でどんなによい話を聞いていても、最後に頼りになるのはこの書面です。

2024年4月からは、この書面にも新しい事項が加わりました。厚生労働省のリーフレットによると、すべての労働契約の締結時と有期契約の更新時に、就業場所と業務の「変更の範囲」を示すこと、有期契約では更新上限の有無と内容を示すことが必要になっています。さらに、無期転換を申し込める権利が生まれる更新のときには、申し込めることと、転換後の労働条件を示さなければなりません。

パートや契約社員として雇われる場合には、パートタイム・有期雇用労働法により、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口なども文書で示されることになっています。2026年10月1日からは、正社員との待遇の違いについて説明を求められることも、この明示の項目に加わりました。

受け取ったら、次の点を見てください。

・契約期間と、更新の有無、更新の判断基準
・更新上限(通算何年まで、何回まで)があるかどうか
・昇給、賞与、退職手当の有無
・正社員への転換について、何か書かれているか、別に就業規則を見るよう案内されているか

就業規則とは、その会社の働き方のルールをまとめた文書のことで、常時10人以上を雇う会社には作成義務があります。正社員登用の条件は、労働条件通知書ではなく就業規則やその別規程に書かれていることが多いので、入社後に見せてもらえるか確認しておきましょう。

入社後に登用の機会をつかむために記録しておくこと

登用を目指して入社したら、最初の月から準備を始めます。登用の判断は上司の推薦や面接で行われることが多く、そのときに自分の働きを具体的に説明できるかどうかが結果を左右します。

まず、担当した仕事と、その成果を毎月メモに残しておきます。「問い合わせ対応を1日平均何件こなした」「新人2人の指導を任された」「発注ミスを減らす確認表を作った」など、後から読んで分かる形で書いておきます。半年もたつと自分でも忘れてしまう内容なので、その都度書き留めるのが確実です。

次に、登用試験や面接の時期と内容を、早めに人事の担当者や上司に確認しておきます。筆記試験がある会社では、一般常識や業務知識が出ることがあり、準備に数か月かかる場合もあります。

そして、契約更新の面談では、正社員になりたいという希望を言葉にして伝えます。先に触れたとおり、2026年10月1日からは、会社が更新の面談などの機会に本人の意向を確かめ、それに配慮することが求められるようになりました。面談で希望を伝え、その日の日付と話した内容を自分のメモにも残しておくと、後から振り返るときの材料になります。

希望を伝えたのに何の説明もないまま更新が繰り返される場合は、登用の条件と自分に足りない点を具体的に尋ねてください。答えが具体的であれば、それを埋める努力の方向が見えます。答えがあいまいなままなら、それ自体が判断の材料になります。

登用を目指して入社する場合のメリットとデメリット

ここまでの確認をしたうえで、登用を目指して非正規で入社するかどうかを考えます。この道にはよい面と難しい面の両方があります。

メリットとしては、まず職場を内側から知ったうえで正社員になれることが挙げられます。仕事の内容や人間関係、残業の実態が分かったうえで判断できるので、入社後のずれが小さくなります。会社の側も働きぶりを見て判断できるため、書類選考では通りにくい経歴の人でも評価されやすい面があります。未経験の職種に入るときの入り口として、登用制度が役立つことは少なくありません。

デメリットは、時間がかかることと、自分ではどうにもならない要素に左右されることです。登用には「勤続1年以上」「勤続3年以上」などの条件が付くことが多く、その間の給与や賞与は非正規の水準のままです。会社の業績や部署の人員計画によって、その年の登用枠がなくなることもあります。登用を待つ間に年齢が上がり、転職市場での選択肢が狭まることも考えておく必要があります。

編集部では、登用を目指す期間に「期限」を決めておくことをすすめています。たとえば「2回目の登用試験までに声がかからなければ、転職活動を並行して始める」といった形です。期限を決めておくと、職場での働き方と外での準備のバランスがとりやすくなります。

登用を待つか、転職で正社員を目指すかの判断

登用の見込みが薄いと分かったときは、別の道で正社員を目指すことも考えます。ここでは、費用をかけずに使える公的な支援を中心に整理します。

ハローワークは、仕事探しの相談、求人の紹介、応募書類の添削、面接の練習などを無料で受けられる国の機関です。若い人向けの窓口や、子育て中の人向けの窓口を設けているところもあります。登用制度のある求人に応募するときは、求人票で分からない点を窓口の担当者と一緒に整理しておくと、面接で聞くべきことがはっきりします。

職業訓練を受けて新しい技能を身につけ、その技能を武器に正社員の求人に応募する道もあります。訓練の内容や受講の条件は地域や時期で変わるので、最寄りのハローワークで確かめてください。

転職で正社員を目指すときに、うまくいく人に共通しているのは、非正規で働いた期間を「何をしてきたか」で説明できることです。「アルバイトでした」で終わらせず、「シフト管理を任されていた」「新人の教育を担当した」「問い合わせ対応の手順書を作った」など、具体的な仕事を書き出してみてください。登用されなかった期間も、こうして言葉にすれば立派な職歴になります。

判断の目安を整理すると、次のようになります。

状況 向いている選択
登用実績が毎年あり、条件も明確 登用を目指しつつ、期限を決めて様子を見る
実績はあるが部署によって差が大きい 異動の希望を出すか、配属先の実績を確かめる
実績が数年ない、条件があいまい 登用を当てにせず、転職の準備を並行する
更新上限があり、上限までの登用機会が少ない 早めに転職の準備を始める

求人票と話が違ったときの相談先

入社してから「求人票に書いてあったことと違う」と分かった場合、一人で抱え込む必要はありません。相談先は目的によって分かれます。

ハローワークで紹介を受けた求人なら、まずハローワーク求人ホットラインに申し出ます。ハローワークインターネットサービスでは、次のような例が挙げられています。

面接に行ったら、求人票より低い賃金を提示された。 正社員と聞いて応募したのに、非正規雇用の形態だった。 「あり」となっていた雇用保険、社会保険に加入していない。 出典: hellowork.mhlw.go.jp

同じページによると、担当のハローワークが事実を確認したうえで、会社に是正の指導を行うとされています。最寄りのハローワークの窓口でも相談できます。

ハローワーク以外の求人サイトや会社の採用ページから応募した場合や、職場の扱いそのものに不満がある場合は、都道府県労働局や労働基準監督署などに設けられた総合労働相談コーナーが窓口になります。厚生労働省の案内によると、総合労働相談コーナーは全国に378か所あり、募集や採用、雇止め、賃金の引き下げなど、労働問題のあらゆる分野の相談を、予約不要・無料で受け付けています。法律違反の疑いがあれば、労働基準監督署など指導の権限を持つ部署に取り次いでもらえます。

正社員への転換の機会がない、正社員との待遇の差について説明してもらえない、といったパートタイム・有期雇用労働法に関わる悩みは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が担当です。厚生労働省は、パートや契約社員の人向けに「正社員に転換するための機会がありますか」といった問いを含むチェックシートを出していて、1つでも当てはまれば労働局に相談するよう案内しています。

会社に直接たずねることをためらう人もいるでしょう。厚生労働省のチェックシートでは、パートや契約社員は正社員との待遇の違いの内容や理由について、会社にいつでも説明を求めることができ、説明を求めたことを理由に不利益な扱いをすることは禁じられていると説明されています。登用の条件や正社員との違いを尋ねることは、働く人に認められた行動です。まずは社内の相談窓口や上司にたずね、それでも説明が得られないときに外の窓口を使う、という順番で考えると動きやすくなります。

相談するときは、求人票の画面の写し、面接で受け取った資料、労働条件通知書、やりとりのメールを手元にそろえておくと、話が早く進みます。

在宅で働きたい人が正社員登用の求人を見るときに考えたいこと

最後に、在宅での仕事や、場所にしばられない働き方を考えている人に向けて、視点を少し広げておきます。

正社員登用ありの求人の多くは、店舗や工場、事務所など、通勤を前提とした職場です。登用されると勤務地や業務の「変更の範囲」が広がり、在宅勤務の希望が通りにくくなることもあります。在宅で長く働きたい人にとって、正社員という形が唯一の正解とは限りません。

フリーランスや業務委託の仕事を長く見てきた立場から言えば、安定して仕事が続いている人ほど、雇用形態の名前よりも「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っています。会社の登用を待つのではなく、取引先との信頼を積み上げていく働き方です。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%の取引の強みは、金額の大きさよりも、この手取りの厚さにあります。

在宅でできる仕事にどんな種類があるかを知るには、職種ごとの仕事内容を見るのが近道です。業務の改善やAIの活用を手伝う仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に、システムやアプリを作る仕事はアプリケーション開発のお仕事に、それぞれ求められる経験や進め方が整理されています。報酬の水準は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、公的な統計をもとにした目安を確かめられます。

正社員を目指す場合でも、在宅の仕事を目指す場合でも、文書で条件を確かめる力は共通して役に立ちます。求人票を読み、条件をメールで確認し、契約書を読み比べる作業は、慣れれば怖いものではありません。社外向けの文書の書き方を基礎から押さえたい人には、ビジネス文書検定の学習範囲が手がかりになります。登用の言葉に期待を預けすぎず、書面と数字で確かめる習慣をつけることが、どの働き方を選ぶ場合でも自分を守ることにつながります。

よくある質問

Q. 正社員登用ありと書いてあるのに誰も登用されていない会社は違法ですか?

直ちに違法とは言えません。パートタイム・有期雇用労働法は、正社員募集の周知や転換試験などの措置を講じることを会社に求めていますが、実際に誰かを登用することまでは求めていません。ただし長い間だれも転換していない場合は、措置が形だけになっていないか検証が必要とされています。疑問があれば都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。

Q. 無期転換すれば正社員になれますか?

無期転換と正社員登用は別のものです。無期転換は、同じ会社との有期契約が通算5年を超えたときに申し込めば期間の定めのない契約に切り替わる仕組みで、会社は断れません。ただし変わるのは原則として契約期間だけで、給与や賞与が正社員と同じになるとは限りません。転換後の条件は、会社が示す労働条件を確認してください。

Q. 面接で正社員登用の実績を聞いても失礼になりませんか?

失礼にはあたりません。直近の登用人数、条件、試験の時期、登用後の雇用形態を聞くことは、長く働く意思を伝えることにもなります。配属予定の部署で登用された人がいるかも聞くと、実態がより具体的に分かります。答えてもらった内容は、内定承諾の前にメールで確認しておくと記録が残ります。

Q. 求人票と実際の雇用形態が違っていたら、どこに相談すればよいですか?

ハローワークで紹介を受けた求人なら、ハローワーク求人ホットラインか最寄りのハローワークに申し出ると、事実を確認したうえで会社に是正の指導が行われます。それ以外の求人や職場の扱いに関する悩みは、全国378か所の総合労働相談コーナーで、予約不要・無料で相談できます。求人票の写しや労働条件通知書を手元にそろえておきましょう。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月28日最終更新:2026年10月2日
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