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パレート図とは|重要な問題から手を付ける作り方と読み方

@SOHO編集部
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パレート図とは|重要な問題から手を付ける作り方と読み方

この記事のポイント

  • ✓問題を件数の多い順に並べた棒グラフと累積の割合の折れ線を重ねた図で
  • ✓どこから手を付けるべきかが一目で分かります
  • ✓厚生労働省の公開データを使った作成例

パレート図を調べている人の多くは、「問題がたくさんあって、どれから手を付ければいいのか分からない」「上司に優先順位の根拠を見せてと言われた」という状況にいます。パレート図は、問題を件数の多い順に並べ、上位のいくつかで全体のどれくらいを占めるかを一目で示す図で、作り方さえ覚えればExcelで数分で描けます。この記事では、図の仕組み、Excelでの作り方、公開データを使った作成例、読み方の注意点、改善につなげる手順までを順に説明します。図から決めた改善の作業を複数人で分担するときは、プロジェクト管理ツールのPinatecaのような道具で進み具合を共有する方法もあり、後半で紹介します。

パレート図とは何か

パレート図とは、項目ごとの件数や金額を多い順に並べた棒グラフと、その累積の割合(上から順に足していったときに全体の何%になるか)を示す折れ線グラフを、1枚に重ねた図です。品質管理の現場で古くから使われてきた、いわゆるQC七つ道具(品質の改善に使われる7つの基本的な図や表)の1つにも数えられています。

Microsoftのサポートページは、パレート図を次のように説明しています。

パレート図または並べ替えられたヒストグラム図には、降順で並べ替えられた列と、累積合計パーセンテージを表す線の両方が含まれます。パレート図は、データセット内の最大の要因を強調表示し、最も一般的な問題や問題を簡単に確認できるため、品質管理の 7 つの基本的なツールの 1 つと見なされています。 出典: support.microsoft.com

パレート図の読み手が知りたいのは、「上位のいくつかの項目を片付けると、全体のどれくらいが減るのか」です。棒グラフだけでも多い順は分かりますが、累積の折れ線があることで、「上位3つで全体の6割」「上位5つで8割」といった、改善の効果の見通しがすぐに読み取れます。

使われる場面は製造業の不良品の分析に限りません。問い合わせの内容の分類、システムの不具合の種類、売上の商品別の内訳、作業のミスの種類、顧客からのクレームの内容など、「種類ごとに数えられるもの」なら何にでも使えます。

パレートの法則との関係

パレート図の名前は、「パレートの法則」から来ています。Backlogのブログは、パレート図の土台となる考え方を次のように説明しています。

パレート図の土台となっている理論は、「パレートの法則」と呼ばれています。全体の数量のうち、80%は残りの20%の要素が生み出しているというのが、パレートの法則の基本的な考え方です。80%・20%という比率から、「80:20の法則」と呼ばれる場合もあります。 出典: backlog.com

ここで注意したいのは、80対20という比率は「そういう傾向が見られることが多い」という経験則であって、必ずそうなるという決まりではないことです。実際にデータを並べてみると、上位2割で6割程度にしかならないこともあれば、上位1つで半分を超えることもあります。

パレート図の価値は、80対20になるかどうかを確かめることではありません。「全体に一様に手を打つのではなく、影響の大きいものから順に手を打つ」という判断を、数字で裏付けることにあります。上位の項目への偏りが大きければ、少ない労力で大きな効果が期待できますし、偏りが小さければ、一部だけ直しても全体はあまり変わらないことが分かります。どちらの結果でも、次の打ち手を決める材料になります。

よくある勘違いは、「パレート図を作れば必ず重点的に直すべき項目が見つかる」という考え方です。偏りがない結果が出たときは、分類の仕方を変える(もっと大きな括りにする、別の切り口で分ける)ことで、偏りが見えてくることもあります。

パレート図を作る前に決めること

パレート図を作る前に、3つのことを決めておくと、作り直しの手間が減ります。

1つ目は、何を数えるかです。件数で数えるのか、金額で数えるのか、かかった時間で数えるのか。たとえばクレームを分析する場合、件数で並べたときと、対応にかかった時間で並べたときでは、上位の項目が入れ替わることがあります。Backlogのブログも、この点を次のように書いています。

クレーム件数がやや多い事象であっても、1件あたりの応対にほとんど時間がかかっていないようであれば、人件費の面では大きな負担になっていないと判断できます。反対に、発生件数そのものは目立って多くない事象であっても、1件あたりの損害額が大きいクレームについては、早期に再発防止策を講じておく必要があるでしょう。このように、問題の大きさを客観的に分析するにあたって、パレート図を有効活用できるのです。 出典: backlog.com

目的が「担当者の負担を減らすこと」なら時間で、「損失を減らすこと」なら金額で数えるのが筋です。

2つ目は、期間です。1週間なのか、1か月なのか、1年なのか。短すぎると偶然の偏りに振り回され、長すぎると古い問題と新しい問題が混ざります。改善の効果を確かめたいなら、改善の前と後で同じ長さの期間を取ります。

3つ目は、分類の仕方です。分類が細かすぎると、どの項目も件数が少なくなって偏りが見えません。粗すぎると、上位の項目の中身が広すぎて、何を直せばよいかが分かりません。目安は、項目の数を5個から10個程度に収め、残りを「その他」にまとめる形です。分類同士が重ならないように、どちらにも入りそうなものをどちらに入れるか、決まりを書いておくことも大切です。

パレート図の作り方の手順

パレート図は、次の5つの手順で作ります。

  1. データを集める: 決めた期間の中で、決めた分類ごとに件数(または金額、時間)を数える
  2. 多い順に並べる: 件数の多い項目から順に並べる。「その他」は件数にかかわらず最後に並べる
  3. 割合を計算する: それぞれの項目が全体の何%かを計算する
  4. 累積の割合を計算する: 上から順に割合を足していき、その項目までで全体の何%になるかを計算する
  5. 図にする: 項目ごとの件数を棒グラフで、累積の割合を折れ線グラフで描き、1枚に重ねる

図にするときは、次の点に気をつけると読みやすくなります。

  • 左の縦軸は件数、右の縦軸は累積の割合(0%から100%)にする
  • 左の縦軸の最大値を全体の件数に合わせると、右の100%と高さが揃い、折れ線の読み取りが正確になる
  • 棒と棒の間をあけずに描くと、全体に対する比率が見やすい
  • 図のタイトルに、何を、いつからいつまで数えたかを書く

手順2の「その他は最後」という決まりは、意外と忘れられがちです。「その他」は性質の違うものの寄せ集めなので、件数が多くても、そこに手を打つことはできません。最後に並べて、「その他」が大きすぎる場合は分類を見直す合図とします。

Excelでパレート図を作る方法

ExcelのMicrosoft 365版や、Excel 2021、Excel 2024では、パレート図をグラフの種類として直接作れます。Microsoftのサポートページによる手順は次のとおりです。

  1. 項目の名前の列と、件数の列を選ぶ
  2. 「挿入」のタブから「統計グラフの挿入」を選ぶ
  3. 「ヒストグラム」の中から「パレート図」を選ぶ

この方法の利点は、並べ替えや累積の割合の計算をExcelが自動で行ってくれることです。元の表が多い順に並んでいなくても、図の上では多い順に並びます。

一方で、自動の機能では「その他」を最後に並べるといった細かな調整がしにくいことがあります。また、この機能が使えない古い版のExcelや、ほかの表計算ソフトでは、手作業で作る方法を覚えておくと便利です。

手作業で作る場合は、表を次のように準備します。

項目 件数 割合 累積の割合
項目A 件数を入力 件数÷合計 1行目は割合と同じ
項目B 件数を入力 件数÷合計 1つ上の累積+この行の割合
その他 件数を入力 件数÷合計 最後は100%

表ができたら、項目、件数、累積の割合の3列を選び、「組み合わせグラフ」を挿入します。件数を「集合縦棒」、累積の割合を「折れ線」にし、累積の割合のほうに「第2軸」の印を付けます。最後に、第2軸の最大値を100%、左の軸の最大値を件数の合計に設定すれば、パレート図の形になります。

Googleスプレッドシートでも、同じ表を作って組み合わせグラフを使えば、ほぼ同じ形の図を作れます。

公開データを使ったパレート図の作成例

ここでは、誰でも確かめられる公開データを使って、パレート図の作り方を実際にたどります。使うのは、厚生労働省の職場のあんぜんサイトにある、ヒヤリ・ハット事例集です。ヒヤリ・ハットとは、事故には至らなかったものの、ひやりとしたり、はっとしたりした出来事のことです。

このページでは、イラスト付きのヒヤリ・ハット事例が、事故の型ごとに分類して公開されています。全451件(令和7年5月27日時点の表示)の内訳を多い順に並べ、「その他」を最後に並べると、次のようになります。

事故の型 件数 累積の割合
墜落・転落 79 17.5%
転倒 55 29.7%
はさまれ・巻き込まれ 50 40.8%
飛来・落下 49 51.7%
激突され 35 59.4%
感電・火災 29 65.9%
交通事故 26 71.6%
有害物との接触 25 77.2%
切れ・こすれ 22 82.0%
崩壊・倒壊 21 86.7%
動作の反動・無理な動作 20 91.1%
激突 16 94.7%
高温・低温の物との接触 15 98.0%
破裂 2 98.4%
その他 7 100.0%

ここで大切な注意があります。この件数は、職場で実際に起きたヒヤリ・ハットの発生件数ではなく、事例集に掲載されている事例の数です。どの型の事故が多いかを示す統計ではないので、この表から「職場では墜落・転落が最も多い」と結論づけることはできません。ここでは、パレート図の作り方を練習するためのデータとして使っています。

作成例から読み取れること

前の章の表を図にして読むと、パレート図の読み方の練習になります。

まず、上位4つ(墜落・転落、転倒、はさまれ・巻き込まれ、飛来・落下)で累積の割合が51.7%になり、半分を超えます。項目は全部で15個あるので、項目の数で見ると約27%の項目で、全体の半分を占めていることになります。

次に、累積の割合が80%を超えるのは、上位9つ目の「切れ・こすれ」のところです。15個のうち9個、つまり項目の数の6割で8割に届く形で、「2割の項目で8割」という経験則よりも、偏りがゆるやかなことが分かります。

この読み取りから言えるのは、このデータでは、上位の1つか2つだけに手を打てば全体が片付く、という状況ではないということです。実際の職場のデータでこのような形が出た場合は、次のような判断が考えられます。

  • 上位4つにまず手を打ち、残りは次の段階で取り組む
  • 分類の仕方を変えて、別の切り口(作業の種類別、場所別、時間帯別など)でもパレート図を作り、より偏りの大きい切り口を探す
  • 件数ではなく、けがの重さや休業の日数で数え直し、重さの面で上位になる項目を探す

厚生労働省の同じサイトには、労働災害原因要素の分析として、業種別に休業4日以上の死傷者を抽出して、事故の型別や起因物別などに集計した表も公開されています。こちらは実際の災害をもとにした集計なので、業種の安全対策を考える材料として、同じ手順でパレート図を作ることができます。

件数と時間で順位が入れ替わる例

同じデータでも、何で数えるかによって、パレート図の上位は入れ替わります。ここでは、小さなオンラインショップの1か月の問い合わせを例に、件数と対応時間の2通りで並べた場合を比べます。数字は説明のための仮のものです。

内容 件数 1件あたりの対応時間 対応時間の合計
配送の状況の確認 60件 3分 180分
返品と交換 25件 15分 375分
商品の使い方 20件 10分 200分
支払いの方法 15件 5分 75分
不良品の報告 10件 30分 300分

件数で並べると、1位は「配送の状況の確認」で、全体の130件のうち約46%を占めます。この結果だけを見ると、配送の状況を自分で確かめられる仕組みを整えるのが最優先に見えます。

ところが、対応時間の合計で並べると、1位は「返品と交換」、2位は「不良品の報告」になり、「配送の状況の確認」は4位まで下がります。担当者の負担を減らすことが目的なら、返品と交換の手続きを分かりやすくすることや、不良品が出る原因を減らすことのほうが、効果が大きいことになります。

どちらの見方が正しいということではありません。顧客を待たせる回数を減らしたいなら件数で、担当者の時間を空けたいなら時間で、損失を減らしたいなら金額で並べる、というように、目的に合わせて物差しを選びます。迷ったときは、2通りのパレート図を並べて関係者で話し合うと、何を優先するかの合意を作りやすくなります。表計算ソフトなら、件数と時間の列を両方持った表を1つ作っておけば、並べ替えの基準を変えるだけで2通りの図をすぐに作れます。

パレート図の読み方のポイント

パレート図を読むときに見る点を、4つに整理します。

1つ目は、累積の折れ線の曲がり方です。折れ線が左側で急に立ち上がり、早い段階で平らになるほど、上位の項目への偏りが大きいことを示します。偏りが大きい場合は、上位の1つか2つに集中して手を打つ価値があります。折れ線がまっすぐに近い場合は、偏りが小さく、どこか1つを直しても全体の改善は限られます。

2つ目は、「その他」の大きさです。「その他」の棒が上位の項目と同じくらい大きい場合は、分類の仕方に問題があります。「その他」の中身を書き出して、大きなものを独立した項目にしてから、図を作り直します。

3つ目は、上位の項目の中身です。たとえば「操作が分からない」という問い合わせが1位だったとしても、その中に「ログインの方法」「支払いの方法」「設定の変更」が混ざっているかもしれません。上位の項目は、もう一段細かく分けたパレート図を作ると、具体的な打ち手が見えてきます。

4つ目は、前の期間との比較です。改善の前と後で同じ分類のパレート図を並べると、手を打った項目の棒が短くなったか、順位が入れ替わったかが一目で分かります。改善の効果を示す資料としても、パレート図は使いやすい図です。

パレート図でよくある失敗と注意点

パレート図を作るときによくある失敗と、その避け方を整理します。

1つ目は、分類を細かくしすぎることです。項目が20個も30個もあると、どの棒も短くなり、偏りが見えません。また、図が横に長くなって読みにくくなります。項目は10個前後に収め、残りは「その他」にまとめます。

2つ目は、期間を決めずにデータを集めることです。ある項目は1年分、別の項目は3か月分、というように期間が揃っていないと、比較の意味がなくなります。図のタイトルに期間を書く習慣をつけると、このずれに気づきやすくなります。

3つ目は、件数だけで判断することです。前に紹介したように、件数が少なくても、1件あたりの損失や危険が大きい項目があります。安全や信頼に関わる問題は、件数の順位にかかわらず優先して扱う、という決まりを別に持っておくべきです。

4つ目は、図を作って満足することです。パレート図は、どこから手を付けるかを決めるための図で、それ自体は何も改善しません。上位の項目が分かったら、その原因を探り、打ち手を決め、担当と期限を付けるところまで進めて、初めて意味を持ちます。

5つ目は、データの数え方が人によって違うことです。同じ問い合わせを、ある担当者は「操作方法」、別の担当者は「不具合」に分類していると、図の形が実態と違ってきます。分類の決まりを一覧にして共有し、迷うものの例を書いておきます。

チェックシートでデータを集める方法

パレート図の出来は、元になるデータの集め方でほとんど決まります。あとから記録を掘り起こして数えようとすると、分類が揃っていなかったり、記録が残っていなかったりして、手間がかかるうえに正確さも落ちます。そこで、最初から分類ごとに数えられる形でデータを集める道具が、チェックシートです。

チェックシートの作り方は、次の4つの手順です。

  1. 数える対象を決める: 何を1件と数えるのか。問い合わせ1通、不良品1個、ミス1回など
  2. 分類の項目を決める: 5個から10個程度。最後の行には「その他」を用意し、その他に入れたものは内容を短く書く欄を作る
  3. 期間と記録する人を決める: いつからいつまで、誰が記録するのか
  4. 記録の方法を決める: 紙に正の字で印を付けるのか、表計算ソフトに1行ずつ入力するのか、フォームで送るのか

紙のチェックシートの例を示します。

分類 月 火 水 木 金 合計
ログインできない 正 下 正 一 下
料金の質問 下 一 下 正 一
解約の手続き 一 一 下
その他(内容を書く)

紙の場合は、合計を週の終わりに数えて表計算ソフトに転記します。表計算ソフトやフォームで1件ずつ記録する場合は、分類の欄を自由に書ける形にせず、選ぶ形にしておくのがコツです。自由に書ける形にすると、「ログイン不可」「ログインできない」「パスワードが分からない」のように、同じ内容が別々の書き方で記録され、集計のときに手作業で揃える必要が出てきます。

記録する人が複数いる場合は、記録を始める前に、迷いやすい例を5個ほど挙げて、どの分類に入れるかを全員で確かめておきます。この一手間で、人による分類のぶれがかなり減ります。

報告資料でパレート図を見せるときの工夫

パレート図は、上司や取引先に優先順位を説明する資料としても使いやすい図です。ただし、見せ方を少し工夫しないと、図の意味が伝わらないことがあります。

1つ目の工夫は、図の上に結論を1文で書くことです。「上位3項目で問い合わせ全体の6割を占めるため、まずこの3つの案内を見直します」のように、図から何を読み取ってほしいのかを先に書きます。図だけを見せて「どう思いますか」と聞くと、読み手はどこを見ればよいか迷います。

2つ目の工夫は、注目してほしい部分の色を変えることです。上位の項目の棒だけを濃い色にし、残りを薄い色にすると、どこに手を打つのかが一目で分かります。

3つ目の工夫は、数え方と期間を図の下に小さく書くことです。「2026年9月1日から30日までの問い合わせ、全312件を内容別に集計」のように書いておくと、読み手は数字の重みを判断でき、あとで同じ条件で比べることもできます。

4つ目の工夫は、改善の前と後を並べることです。対策を打ったあとに同じ条件でパレート図を作り、横に並べて見せると、効果が言葉で説明するよりずっと伝わりやすくなります。上位だった項目の棒が短くなり、順位が下がっていれば、対策が効いたことを示せます。

反対に避けたいのは、立体的なグラフや、色をたくさん使ったグラフです。見た目は華やかになりますが、棒の高さが読み取りにくくなり、図の本来の役割が損なわれます。パレート図は、シンプルな形のほうが伝わります。

パレート図と一緒に使う道具

パレート図は、ほかの図や分析と組み合わせることで、より役に立ちます。よく一緒に使われるものを紹介します。

特性要因図は、ある結果に対して、考えられる原因を魚の骨のような形で整理する図です。パレート図で上位の項目が分かったら、その項目について特性要因図を作り、原因を洗い出す、という流れがよく使われます。

なぜなぜ分析は、問題に対して「なぜ」を繰り返して、根本の原因を探る方法です。特性要因図で挙がった原因の候補について、さらに深く掘り下げるときに使います。

チェックシートは、パレート図の元になるデータを集めるための表です。分類の項目をあらかじめ書いた紙や表を用意し、問題が起きるたびに印を付けていきます。データを集める段階で分類を揃えられるので、あとで集計するときの手間が減ります。

ABC分析は、パレート図の考え方を在庫や商品の管理に使う方法です。売上の累積の割合で、上位の商品をA、中位をB、下位をCに分け、Aの商品の管理に力を入れる、といった使い方をします。

これらの道具は、どれも「限られた時間と労力を、効果の大きいところに使う」という同じ考え方の上に立っています。パレート図で場所を決め、特性要因図やなぜなぜ分析で原因を探り、チェックシートで効果を確かめる、という流れを1つの型として覚えておくと、どんな改善の場面にも応用できます。

仕事の中でパレート図を使う場面の例

製造業の不良品の分析以外にも、パレート図は事務やサービスの仕事でよく使えます。具体的な場面を3つ紹介します。

1つ目は、問い合わせの分析です。1か月分の問い合わせを内容ごとに数えてパレート図にすると、どの質問が多いかが分かります。上位の質問について、案内のページを分かりやすく書き直したり、よくある質問として掲載したりすれば、問い合わせの件数そのものを減らせます。

2つ目は、システムやアプリの不具合の分析です。報告された不具合を、画面ごとや原因の種類ごとに数えると、どこに不具合が集中しているかが分かります。開発の現場では、不具合が集中している部分を重点的に見直すことで、限られた時間で品質を上げる判断に使われます。アプリケーション開発のお仕事では、開発の仕事の内容や進め方が紹介されています。

3つ目は、作業時間の分析です。1週間の作業を種類ごとに記録して、かかった時間でパレート図を作ると、時間を多く使っている作業が分かります。上位の作業について、手順を見直す、道具を変える、AIや自動化で置き換える、といった検討の出発点になります。業務を洗い出してAIで置き換えられる部分を探す仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事が参考になります。

改善の作業をチームで分担するとき

パレート図で上位の項目が分かったら、それぞれの項目について、原因を探る、対策を決める、実行する、効果を確かめる、という作業が生まれます。少人数で項目も数個なら、表計算ソフトの表に「項目」「対策」「担当」「期限」「状況」の列を作るだけで十分に回ります。パレート図の元データと同じファイルにまとめておけば、効果の確認もしやすくなります。

一方で、対策の数が多い、関わる人が部署をまたぐ、社外の協力者もいる、途中で相談や確認のやり取りが何度も発生する、といった場合は、表のセルにやり取りが書き込まれて追いにくくなりがちです。その段階では、対策を1枚ずつのカードにして、担当と期限と話し合いを1か所にまとめられるプロジェクト管理ツールを使うと、どの対策が止まっているかに気づきやすくなります。

候補の1つがPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが無料プランから使え、カードにコメントを付けたり、カスタムフィールドで項目を追加したりできます。5人までのチームなら期限なしで無料で、ボードは10個まで作れます。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランで、料金は1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円、税抜)です。たとえば、パレート図の上位の項目ごとに対策のカードを作り、カスタムフィールドに「対象の項目」や「件数」を記録しておけば、どの項目の対策がどこまで進んでいるかを1画面で確かめられます。図そのものを作るのは表計算ソフトの役割で、Pinatecaは決めた対策を分担して進めるための道具です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

パレート図の考え方を活かせる仕事と学び方

パレート図の考え方は、品質管理の担当者だけでなく、データを扱うさまざまな仕事で役に立ちます。業務委託の仕事でも、問い合わせの分析レポート、不具合の傾向の報告、作業の効率化の提案など、パレート図を使って優先順位を示す場面は多くあります。

データの分析や調査を専門にする仕事に関心があるなら、研究者の年収・単価相場で、調査や分析を担う職種の収入の目安を確かめられます。分析の結果を図にして分かりやすく伝える力は、資料のデザインの仕事にも通じます。デザイナーの年収・単価相場では、デザインの仕事の収入の目安が紹介されています。経営の改善を体系的に学びたい人には、中小企業診断士の資格ガイドも参考になります。

学び方として一番の近道は、自分の身の回りのデータで実際に作ってみることです。1週間のスマートフォンの使い方をアプリごとに記録する、家計の支出を費目ごとに数える、仕事で受けた質問を種類ごとに数える。どれも、パレート図にすると「思っていたのと違う」発見があります。

業務委託の現場で見えること

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、分析や改善の依頼で信頼を得ている受注者には、「全部やります」ではなく「まずここからやります」と言える人が多い傾向があります。限られた予算と期間の中で、どこに手を付ければ効果が大きいかを、パレート図のような根拠とともに示せる人は、依頼する側にとって判断がしやすく、次の依頼にもつながりやすくなります。

依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形は、こうした優先順位の相談とも相性がよいと感じます。分析を進める途中で「この項目を先に見てほしい」「分類の仕方を変えたい」といった調整が何度も発生するため、間に人が入らないほうが話が早く進みます。手数料0%で直接取引できる仕組みなら、受ける側は手取りが厚くなり、依頼する側は同じ予算でより深い分析を頼めます。分析や改善の仕事に関心がある人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、データをもとに提案する力が求められる分野の依頼内容も確かめてみてください。

よくある質問

Q. パレート図とヒストグラムは何が違いますか?

ヒストグラムは、身長や待ち時間のような数値のデータを区間ごとに数え、ばらつきの形を見る図です。パレート図は、問い合わせの内容や不良の種類のような分類ごとの件数を多い順に並べ、累積の割合の折れ線を重ねた図で、どこから手を付けるべきかを見るために使います。Excelでは、どちらも統計グラフの中のヒストグラムの仲間として作れます。

Q. パレート図の項目はいくつくらいが適切ですか?

目安は5個から10個程度です。細かくしすぎるとどの棒も短くなって偏りが見えず、粗すぎると上位の項目の中身が広すぎて打ち手が決まりません。収まらないものは「その他」にまとめ、件数にかかわらず最後に並べます。「その他」が上位の項目と同じくらい大きくなったら、中身を書き出して分類を見直してください。

Q. 80対20にならないときは失敗ですか?

失敗ではありません。80対20は傾向として見られることが多い経験則で、必ずそうなるわけではありません。偏りが小さい結果が出たら、一部だけ直しても全体はあまり変わらないことが分かったという意味で、判断の材料になります。分類の切り口を変えたり、件数ではなく金額や時間で数え直したりすると、偏りが見えてくることもあります。

Q. Excelにパレート図の機能がない場合はどうすればよいですか?

項目、件数、割合、累積の割合の4列の表を作り、件数を多い順に並べてから、組み合わせグラフを挿入します。件数を集合縦棒、累積の割合を折れ線にして第2軸を設定し、第2軸の最大値を100%、左の軸の最大値を件数の合計にすれば、パレート図の形になります。Googleスプレッドシートでも同じ手順で作れます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月11日最終更新:2026年10月23日
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