認可保育園を辞めたいと思ったとき|出ていく前に切り分けておくこと


この記事のポイント
- ✓認可保育園を辞めたいと感じたとき
- ✓原因が保育という仕事にあるのか
- ✓その園の運営体制にあるのかを切り分ける方法をまとめました
認可保育園を辞めたい。そう検索してこのページにたどり着いた方の多くは、保育の仕事そのものが嫌いになったわけではないはずです。子どもと過ごす時間は今日も悪くなかった。それなのに、明日の朝が来るのが重い。この矛盾が一番しんどいところです。
相談を受けていて、これ、勘違いされている方が本当に多いんです。辞めたい気持ちの原因は「保育士という職業」ではなく、「いま自分が立っている園の運営体制」にあることがかなりの割合を占めます。そして両者は、辞める前に切り分けられます。切り分けないまま資格ごと手放してしまうと、あとで取り返すのに何年もかかります。
この記事では、認可保育園という職場の中で実際に何が起きているのかを分解したうえで、年度途中で辞められるのかという法律の話、辞める前に試せる手、そして次の職場を求人票のどこで見分けるかまでを順番に整理します。
「保育士を辞めたい」のか「この認可保育園を辞めたい」のか
最初にやることは、この2つを紙に書き分ける作業です。感情のまま「もう無理」で止めてしまうと、次の判断ができません。
保育の仕事そのものが合わないサインは、子どもと関わっている時間帯そのものが苦痛になっていることです。午睡中の見回りや連絡帳を書く時間より、保育室にいる時間のほうが消耗する。子どもの声が耳に刺さる。この状態が数か月続いているなら、職場を変えても同じことが起きる可能性があります。
一方、園の体制が原因のサインははっきりしています。子どもといる時間は今も悪くないのに、職員室に入った瞬間に気が重くなる。持ち帰りの製作物が積み上がっている。書類の締切が毎週来る。特定の先輩の目が気になって自分の判断で動けない。こちらは、園を変えれば消える種類の苦痛です。
保育業界の調査でも、この構図ははっきり出ています。
就業意向は、「雇用の条件さえ合えば、働きたい又は保育の仕事に転職したい」が6割台半ば(63.2%)となっている。 一方、「どのような条件でも保育士として働くつもりはない」は2.8%にとどまり、現在未就業者であっても条件次第で就業に繋がる可能性がある。 出典: hoikunomiryoku.metro.tokyo.lg.jp
つまり、辞めたい人の多数派は保育が嫌いになったのではなく、いまの環境に耐えられなくなっているということです。ここを混同すると、資格を持ったまま業界から離れる、いわゆる潜在保育士になります。厚生労働省の関係資料では、保育士資格を持ちながら保育所等で働いていない人は100万人規模で存在すると整理されており、その多くが職場環境を理由に離れています。
切り分けの実務的なやり方を書きます。手帳でもスマホのメモでも構わないので、2週間だけ、1日の終わりに「今日一番きつかった場面」を1行だけ記録してください。場面だけで、感情は書かなくて結構です。2週間分並べると、きつい場面が保育室なのか、職員室なのか、家に帰ってからなのかが、自分でも驚くほどはっきり偏ります。この偏りが、あなたが辞めるべき対象を教えてくれます。
保育という仕事自体の市場価値を知っておくことも、判断材料になります。同じ資格でも施設の種類や運営主体で待遇が変わるため、いまの給与が業界の中でどのあたりに位置しているかを先に確かめておくと冷静になれます。職種ごとの収入水準を調べるなら、保育士の年収・単価相場に地域や経験年数での幅がまとまっているので、自分の手取りと並べてみてください。「給料が安いから辞めたい」と思っていたのに、実は平均より高かった、という結果が出ることもあります。その場合、本当の不満は給与ではなく別のところにあります。
認可保育園という職場の中で、実際に何が動いているのか
辞めたい理由を掘るには、その職場の構造を知っておく必要があります。認可保育園は、国が定めた設備運営基準を満たして自治体の認可を受けた施設です。基準があるということは、守るべき数字があるということで、その数字が現場の息苦しさの正体であることが少なくありません。
まず職員配置です。保育士1人が見る子どもの数は年齢ごとに決まっています。0歳児は3人に保育士1人、1歳児と2歳児は6人に1人が長く基準でした。2024年度の基準改正で、3歳児は20人に1人から15人に1人へ、4歳児と5歳児は30人に1人から25人に1人へ引き下げられました。ただし当分の間は従前の基準でも差し支えないという経過措置が置かれているため、改正後の手厚い体制で回っている園と、旧基準のまま回っている園が同時に存在します。ここが重要です。同じ認可保育園でも、あなたが4歳児クラスで見ている人数は、隣町の園より5人多いかもしれないのです。
次にシフトです。認可保育園の多くは開所時間が11時間で、延長保育を入れるとさらに伸びます。そこに職員を配置するため、早番、中番、遅番のローテーションが組まれます。早番が7時台に出勤し、遅番が19時前後まで残る。この幅を、配置基準ぎりぎりの人数で埋めようとすると、誰かが休んだ瞬間に全員の負担が跳ね上がります。「人が足りない」と感じている園は、多くの場合、基準を割っているのではなく、基準ちょうどで組んでいるために余白がないのです。
そして書類です。指導計画は年間、期、月、週、日と階層があり、加えて児童票、連絡帳、行事の指導案、ヒヤリハット記録、アレルギー対応の確認記録が回ります。これらを保育時間外に書くのか、ノンコンタクトタイムとして勤務時間内に確保されているのかで、同じ仕事量でも消耗の度合いがまったく変わります。私が相談で見てきた限り、辞めたい理由の上位に入る「持ち帰り」は、業務量そのものより、業務時間内に書く時間が設計されていないことに原因があります。
最後に行事です。運動会、発表会、保護者会、園外保育。認可保育園は保護者と地域に対して開かれた運営が求められるため、行事の準備が保育とは別の負荷として乗ります。ここも園によって差が大きく、行事を簡素化して職員の時間を守る方針の園と、伝統的な規模を維持する園では、10月から12月の疲労がまるで違います。
この4つ、配置、シフト、書類、行事は、すべて園の運営方針で決まります。保育士という資格の問題ではありません。だから、園を変えると変わります。
辞めたい理由を、園の構造に由来するものと個人に由来するものに分ける
ここからは具体的に仕分けします。よく挙がる理由を並べて、それが園を変えれば解決するのか、どこへ行っても付いてくるのかを見ていきます。
給与への不満は、園の構造に由来する部分が大きい項目です。保育士の平均的な給与水準は全産業平均より低い状態が続いており、その差は年収ベースで100万円前後になることもあります。ただし認可保育園には処遇改善等加算という仕組みがあり、職員の経験年数や研修受講、キャリアアップの役職に応じて公費が上乗せされます。この加算を職員へどう配分しているかは園の裁量です。同じ自治体、同じ定員規模の認可保育園でも、加算分を全員に薄く配る園と、副主任や専門リーダーに厚く付ける園があります。つまり給与の不満は、業界の問題であると同時に、その園の配分方針の問題でもあります。
人間関係は、半分が構造、半分が個人です。保育室は同じクラスの担任同士が一日中同じ空間にいる仕事で、物理的に距離が取れません。加えて職員数が数十人規模と小さいため、合わない人がいても部署異動で離れることができない。これは構造です。一方で、自分が言いたいことを飲み込んで溜め込む癖、指摘をすべて人格否定として受け取ってしまう癖は、園を変えても付いてきます。ここを正直に見ておかないと、次の職場でも同じ半年後が来ます。
保育方針の違いは、ほぼ完全に園の構造です。子ども主体の保育を掲げて、遊びの中から育ちを見取る園と、一斉活動で決められた課題をこなす園では、同じ資格を持つ保育士がやることがまるで違います。自分の保育観と園の方針がずれているとき、それは能力の問題ではなく相性の問題で、どれだけ努力しても埋まりません。むしろ努力するほど「私のやり方が悪いのだ」と自分を削ってしまいます。
体調は最優先の例外です。眠れない、朝に動悸がする、通勤路で涙が出る。この段階に入っていたら、切り分けの作業より先に医療機関へ行ってください。心療内科や精神科の受診記録は、後で傷病手当金を申請するときや、退職の経緯を説明するときの根拠にもなります。法律はあなたの味方ですが、診断書という形の記録がないと味方のしようがない場面があります。
ここで私自身の失敗も書いておきます。独立したての頃、退職トラブルの相談を受けて、法律上こうですと条文の説明ばかりしてしまったことがありました。相談者が本当に聞きたかったのは、明日の職員会議で何と言えばいいのかという一文だったのに、私は権利の話で返してしまった。権利は使える状態にして初めて意味を持ちます。だからこの記事でも、条文の次に必ず「では何をするか」を書きます。
年度途中で辞められるのか、いつ言えばいいのか
保育の現場では「年度途中で辞めるのは無責任」という空気が強く、これが辞めたい人を一番縛ります。まず法律の話から整理します。
期間の定めのない雇用、つまり正規職員の場合、民法第627条第1項により、退職の申入れから2週間が経過すれば雇用契約は終了します。就業規則に「退職は3か月前までに申し出ること」と書かれていても、労働者からの解約を民法の定めより不利に制限する部分については効力が及ばないと解されています。つまり、園の規則が何と書いてあっても、2週間前に申し出れば法的には辞められるということです。これ、知らない人が本当に多いんです。
有期雇用の場合は少し違います。契約期間の途中で辞めるには、民法第628条の「やむを得ない事由」が必要とされます。ただし、労働基準法附則第137条により、契約期間の初日から1年を経過した後は、いつでも退職を申し出ることができます。1年契約を更新しながら数年働いている方は、この条文が使えます。
年次有給休暇の消化も押さえておきましょう。使用者には時季変更権がありますが、これは「他の時季に与える」ための権利です。退職日が確定していて、その後に与えられる時季が存在しない場合、時季変更権は実質的に行使できません。だから退職前の有給消化は、原則として拒否できないという整理になります。ただし、円満に進めたいなら、残日数を確認したうえで引き継ぎ計画とセットで出すほうが話が早いです。
※ただし、退職を認めない、退職届を受け取らない、損害賠償を請求すると言われた、といった状況になっている場合は、この記事の内容だけで動かず、労働基準監督署の総合労働相談コーナーか弁護士に相談してください。個別の事情で打ち手が変わります。
実務としての順序はこうです。最初に、退職の意思を口頭で主任または園長に伝える。次に、日付を入れた退職届を書面で出す。書面は必ず控えを取るか、写真を撮っておいてください。受け取っていないと言われる事態が実際に起きます。そして、離職票の発行、源泉徴収票、雇用保険被保険者証の返却を依頼します。退職金制度がある園なら、福祉医療機構の退職手当共済に加入しているケースが多いので、加入状況と請求手続きも確認しておきます。
伝える時期の現実的な話もしておきます。法的には2週間ですが、認可保育園は年度単位でクラス編成と職員配置を組むため、次年度の体制を固める時期に伝えると園も動きやすくなります。多くの自治体で次年度の入園調整が冬に動くことを踏まえると、年度末で辞めるなら年内、遅くとも年明けすぐに意思を伝えるのが現実的です。ただしこれは配慮であって義務ではありません。体調が限界なら、配慮より自分の身体を優先してください。
出ていく前に試せる手が、まだ残っているかもしれない
辞める決断は、選択肢を全部並べてからでも遅くありません。ここでは、園を離れずに環境を変える方法を挙げます。
第一に、担当クラスの変更を相談することです。乳児と幼児では仕事の質がまったく違います。0歳児と1歳児は身体的な負担が大きく、書類も個別の記録が多い。4歳児と5歳児は集団をまとめる難しさと行事の負荷が大きい。いま自分がしんどいのがどちらの性質なのかを言語化して、次年度の希望として伝えるだけで、1年後の景色が変わることがあります。
第二に、雇用形態を変えることです。正規職員からパート勤務や短時間勤務へ切り替えると、行事準備やクラス担任としての書類から外れられる場合があります。収入は下がりますが、資格と経験を保ったまま現場に残れるという意味では、完全に辞めるより回復が早いことが多いです。育児や介護と重なっている時期なら、育児・介護休業法に基づく短時間勤務の制度が使えるかどうかも確認してください。
第三に、公立と私立の違いを使うことです。公立保育園の保育士は自治体の職員なので、数年単位で異動があります。つまり、合わない園長や同僚と永久に一緒ではありません。私立の認可保育園でも、複数園を運営する社会福祉法人や株式会社であれば、系列園への異動という手があります。辞める前に、法人内に別の園があるか、異動の希望を出す制度があるかを調べてください。就業規則や人事制度の資料に書かれています。
第四に、記録を残すことです。もしハラスメントが絡んでいるなら、日時、場所、発言の内容、その場にいた人を、その日のうちにメモしてください。事業主にはハラスメント防止のための措置義務があり、相談窓口の設置が求められています。窓口が機能していない場合は、都道府県労働局の紛争解決援助制度が使えます。記録がないと、あとから何を言っても水掛け論になります。
第五に、外部の人に話すことです。園の中の人に相談すると、その話は高い確率で園長まで届きます。利害関係のない第三者に話したほうが安全です。キャリアの相談を職業として受けている人がどんな範囲を扱うのかを知りたい方は、職場・転職・キャリア相談のお仕事に相談業務の実際の内容がまとまっているので、どこまで相談できるのかの目安になります。国家資格としての位置づけを確認したい場合は、キャリアコンサルタントに受験要件や業務の範囲が整理されています。
次の職場を選ぶとき、求人票のどこを見るか
転職すると決めたなら、次に同じ失敗をしないことが最優先です。求人票は情報が少ないように見えて、読み方を知っていれば園の体力がかなり読み取れます。
最初に見るのは定員と職員数の比です。定員90人の園で常勤の保育士が12人なのか18人なのかで、日々の余白がまるで違います。求人票に職員数が書かれていない場合、自治体が公表している施設一覧や、園の重要事項説明書で確認できます。自治体サイトには認可保育園の一覧が定員とあわせて掲載されています。
多摩区内の認可保育園の住所はクラス別の定員等をまとめた一覧や所在地マップをご案内いたします。なお、認可保育園の保育料については、下記「関連記事」よりご確認ください。 出典: city.kawasaki.jp
このように、多くの自治体が園ごとのクラス別定員を公開しています。応募前にこれを見ておくと、面接で「4歳児クラスは何名を何人で担当していますか」と具体的に聞けます。この質問に即答できない園は、配置の設計が緩い可能性があります。
次に見るのは、募集の背景です。増員なのか欠員補充なのかは、必ず聞いてください。欠員補充が毎年出ている園は、人が定着していないということです。求人サイトで同じ園の募集が何度も出ていないか、掲載履歴を追うだけでも分かります。
三つ目は残業と持ち帰りの扱いです。「残業ほぼなし」と書かれていても、それが本当に業務が終わっているのか、持ち帰りに置き換わっているだけなのかは別問題です。面接では、指導計画や連絡帳をいつ書いているかを聞きます。ノンコンタクトタイムが勤務時間内に確保されている、という答えが返ってくれば、その園は職員の時間を設計しています。
四つ目は加算の使い方です。処遇改善等加算の配分方法、キャリアアップ研修の受講が勤務時間内か時間外か、受講費用を園が負担するか。この3点を聞くと、園が職員の成長にコストを払う気があるかが見えます。
五つ目は住宅と通勤です。借り上げ社宅制度を使っている園は、家賃負担が大きく下がるため、額面の給与が同じでも手取りの体感が変わります。制度の有無と、対象になる条件、年数の上限を確認してください。
最後に、見学は必ずしてください。それも、行事のない平日の午前中に。子どもの声の種類、職員同士の会話のトーン、職員室の机の上の散らかり方。これらは求人票には絶対に書かれませんが、一日の余白があるかどうかが露骨に出ます。見学を断る園、または見学は行事の日にしてくださいと言う園は、普段を見せたくない理由があると考えて構いません。
保育士資格を持ったまま、保育園の外へ出るという選択
認可保育園を離れることと、保育の仕事を離れることは別です。資格と現場経験を活かせる場所は、園の外にもあります。
一つは、施設の種類を変えることです。企業主導型保育や小規模保育事業は、定員が19人以下と小さく、行事も簡素なことが多いため、書類と行事に潰れていた人には合う場合があります。逆に、職員数が少ないぶん人間関係の逃げ場がないという弱点もあります。院内保育、事業所内保育、病児保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、児童養護施設。それぞれ勤務時間の形と求められる専門性が違います。
もう一つは、雇用されない働き方です。ベビーシッター、一時預かり、保護者向けの相談支援、保育系の記事執筆や教材づくりといった業務委託の仕事があります。ただし、雇用と業務委託では法律上の保護がまるで違います。雇用なら労働基準法が適用され、最低賃金も労災も有給もあります。業務委託にはそれらがありません。代わりに、2024年11月に施行されたフリーランス保護新法によって、発注者には書面等での取引条件の明示義務と、原則として受領日から60日以内の報酬支払い義務が課されました。契約の形が変わると、守ってくれる法律も変わります。ここを知らずに「園より自由そうだから」と飛び込むと、後から困ります。
※業務委託の契約書に「雇用ではない」と書かれていても、実際の働き方が指揮命令を受ける形であれば労働者と判断される場合があります。判断に迷うときは、契約書を持って労働基準監督署か弁護士に相談してください。
そして、現場に戻る道を閉じないでおくことも大事です。保育士登録は更新制ではないため、一度離れても資格は失われません。数年別の仕事をしてから戻る人を、私は何人も見ています。辞めることは、保育を捨てることと同じではありません。
辞める前に動くのか、辞めてから動くのか
転職活動をいつ始めるかは、辞めたい人が必ずぶつかる分かれ道です。結論から言うと、体力が残っているなら在職中に動くほうが有利で、体調が崩れているなら先に辞めるほうが正しいです。判断基準は、条件の良し悪しではなく、いまの自分に見学と面接を並行する体力があるかどうかです。
在職中に動く利点は3つあります。第一に、収入が途切れないため、条件の悪い園に焦って決めずに済みます。第二に、現職があるほうが面接で立場が対等になります。第三に、複数の園を比較できるので、いまの園が業界の中でどれくらいの水準なのかを実データで知ることができます。辞めたい気持ちが強いときほど、いまの園を最悪だと感じますが、他園の見学に行くと「うちのほうがまだ良かった」と気づくこともあります。それも収穫です。
在職中に動く難点も正直に書きます。見学と面接は基本的に平日の日中に組まれます。認可保育園の勤務で平日に時間を作るのは簡単ではありません。有給を取ろうとすると理由を聞かれることもあります。ここは、複数の園を1日にまとめて回る、シフトの中番や遅番の日の午前中に入れる、といった工夫で乗り切っている人が多いです。
辞めてから動く場合に必ず確認しておくことがあります。雇用保険の基本手当は、自己都合退職だと給付制限期間が設けられます。この期間は2025年4月以降、原則として1か月に短縮されていますが、離職前の被保険者期間の要件を満たしていなければそもそも受給できません。離職票が届くのは退職から2週間前後かかることが一般的なので、生活費は最低でも3か月分を見ておくと精神的に楽になります。お金の余裕がないまま転職活動をすると、結局は条件の悪い園を選んでしまいます。
転職の相談先についても一言添えます。保育士向けの人材紹介会社は、紹介先の園から手数料を受け取る仕組みで動いています。これ自体は悪いことではありませんが、担当者があなたの希望より成約しやすい園を勧めてくる可能性は構造上あります。紹介される園の定員と職員数、離職の状況を自分で自治体の公開資料と突き合わせる。この一手間をかけるだけで、前の園と同じ失敗を繰り返す確率はかなり下がります。
市場を長く見てきた立場から言えること
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、保育に限らず、辞めたい人が最後に折れる理由はほぼ共通しています。仕事量ではなく、自分の裁量がゼロになったときです。どれだけ忙しくても、自分で順番を決められるうちは人は保ちます。逆に、量が普通でも、いつ何をするかを全部他人に決められると急速に消耗します。認可保育園でいえば、配置と書類と行事の組み合わせが、この裁量をじわじわ削る構造になっている園があるということです。
もう一つ、運営者として見てきた限りでは、長く続いている人は、職場を「全部を満たす場所」として探していません。給与、人間関係、保育方針、通勤時間、勤務時間。この5つのうち、自分が絶対に譲れないものを2つだけ決めて、残り3つは妥協する。この決め方をした人が、結果的に同じ職場に長くいます。5つ全部を求めて転職を繰り返すと、どの園にも不満が残ります。
間に人が入らない直接のやり取りについても、同じことが言えます。仲介の手数料が乗らない取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%という条件が効いてくるのは、金額そのものよりも、同じ仕事に対して残る額の質が変わるところです。ただし、保育のように資格と施設が前提になる仕事では、雇用という形のほうが守られる場面も多くあります。どちらが上という話ではなく、自分がいまどちらの守りを必要としているかで選ぶものです。
最後に、辞めたい気持ちを抱えたまま現場に立ち続けることのリスクにも触れておきます。保育は、判断の遅れが子どもの安全に直結する仕事です。消耗しきった状態で保育室に立つのは、あなたにとっても子どもにとっても危険です。辞めるか続けるかを決められないときは、まず休むという選択があります。年次有給休暇があるならそれを使う、足りないなら医師の診断を受けて傷病手当金を検討する。判断は、休んで頭が動くようになってからで間に合います。法律はあなたの味方です。使える制度を先に確認してから、動いてください。
よくある質問
Q. 認可保育園を年度途中で辞めることはできますか?
期間の定めのない雇用であれば、民法第627条により退職の申入れから2週間で契約は終了します。就業規則に3か月前と書かれていても、その部分が労働者を民法より不利に縛る効力は及ばないと解されています。有期雇用でも、契約初日から1年を経過した後は労働基準法附則第137条でいつでも申し出られます。
Q. 辞めたい理由が園にあるのか自分にあるのか、どう見分けますか?
2週間ほど、1日の終わりに「今日一番きつかった場面」を1行だけ記録してください。きつさが保育室に集中するなら仕事そのものとの相性、職員室や持ち帰り作業に集中するなら園の運営体制が原因です。後者は園を変えれば解消する種類の苦痛です。
Q. 転職先の求人票で、まずどこを見ればよいですか?
定員に対する常勤保育士の人数、募集が増員か欠員補充か、指導計画や連絡帳を勤務時間内に書く時間があるか、処遇改善等加算の配分方法、借り上げ社宅の有無の5点です。職員数や定員は自治体が公開している施設一覧でも確認できます。
Q. 退職前に有給休暇はすべて消化できますか?
使用者の時季変更権は他の時季に休暇を与えるための権利なので、退職日以降に与える時季がない場合は実質的に行使できません。原則として消化できます。ただし円満に進めたいなら、残日数を確認したうえで引き継ぎ計画とあわせて申し出るほうが話が早く進みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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