国民年金の4分の1免除とは|所得の基準と申請する窓口 2026


この記事のポイント
- ✓国民年金の4分の1免除について
- ✓168万円を基準にした所得の式
- ✓承認後に納め忘れると未納になる注意点まで
国民年金の4分の1免除とは、保険料の4分の1を免除してもらい、残りの4分の3を納める仕組みです。全額は苦しいけれど、まったく払えないわけでもない。そういう人のために用意された、免除の中ではいちばん軽い段階にあたります。
「4分の1免除の通知が届いたけれど、何をすればいいのか分からない」「自分の所得で4分の1免除に当たるのか知りたい」。検索してこの記事にたどり着いた人の多くは、このどちらかだと思います。実は、4分の1免除には見落としやすい落とし穴が1つあります。承認されたあとに減らした額を納めないと、その月は免除ではなく未納として扱われてしまうのです。これ、知らない人が本当に多いんです。
この記事では、令和8年度に1か月あたりいくら納めるのか、所得の基準の式をどう読むのか、どこに申請するのか、そして承認後に何をすればよいのかを、日本年金機構の公式の記載で確かめながら順に整理します。
4分の1免除は、4種類ある免除のうちいちばん軽い段階
国民年金の保険料免除は、所得に応じて4つの段階に分かれています。全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除です。数字は「免除してもらう割合」を表しているので、4分の1免除は免除の幅がいちばん小さく、自分で納める額がいちばん多い段階になります。
日本年金機構は制度の考え方を次のように説明しています。
本人・配偶者・世帯主 の前年所得(※)が一定額以下の場合や失業した場合など、保険料を納付することが経済的に困難な場合は、ご本人が申請書を提出し、承認されると保険料の納付が免除されます。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。 出典: nenkin.go.jp
ここで押さえておきたいのは、どの段階になるかを自分で選ぶ仕組みではないという点です。申請すると、日本年金機構が所得を見て、当てはまるいちばん有利な段階から順に審査します。全額免除の基準に届かなければ4分の3免除、それも届かなければ半額免除、それでも届かなければ4分の1免除、という流れです。
つまり、4分の1免除の通知が届いたということは、「全額や半額の基準には届かなかったけれど、4分の1免除の基準には収まった」という意味です。所得がそこそこある人でも、国民健康保険料や国民年金保険料の負担が重くなっている時期には、この段階に入ることがあります。
なお、免除とよく似た言葉に「納付猶予」があります。こちらは50歳未満の人が対象で、保険料の支払いを先送りにする仕組みです。猶予の期間は年金を受け取る資格を得るための期間には数えられますが、年金額には反映されません。4分の1免除は、減らした額を納めていれば年金額にも反映される点で、猶予とは性格が違います。
また、学生は別の制度(学生納付特例)を使い、生活保護の生活扶助を受けている人や障害年金の1級・2級を受けている人は「法定免除」という届け出だけで済む免除の対象です。この記事で扱う4分の1免除は、それ以外の第1号被保険者、つまり自営業やフリーランス、無職、厚生年金に入っていないパートの人などが対象になります。
令和8年度に1か月あたりいくら納めるのか
令和8年度(2026年4月から2027年3月)の国民年金保険料は、1か月あたり17,920円です。4分の1免除が承認されると、このうち4分の1が免除され、残りの4分の3を納めます。
日本年金機構の免除制度のページには、令和8年度に4分の1免除で納める保険料として13,440円が示されています。4分の3免除は4,480円、半額免除は8,960円です。
| 区分 | 1か月に納める額(令和8年度) | 1年間に納める額の目安 |
|---|---|---|
| 全額納付 | 17,920円 | 215,040円 |
| 4分の1免除 | 13,440円 | 161,280円 |
| 半額免除 | 8,960円 | 107,520円 |
| 4分の3免除 | 4,480円 | 53,760円 |
| 全額免除 | 0円 | 0円 |
1年間の目安は、1か月の額を12倍した単純な計算です。4分の1免除の場合、全額納付と比べて1年で53,760円ほど負担が軽くなります。
ここで気をつけたいのは、免除の「年度」と保険料の「年度」の区切りが違うことです。保険料の金額は4月から翌年3月までの年度で決まりますが、免除の申請は7月から翌年6月までを1つの年度として扱います。たとえば令和8年度分の免除は、令和8年7月から令和9年6月までの期間が対象です。このうち令和9年4月から6月までは、保険料の金額が令和9年度のものに切り替わるので、納める額も変わる可能性があります。
もう1つ、4分の1免除で納める保険料には、前納の割引や口座振替の早割など、全額納付と同じ納め方が使えるかどうかが気になる人もいると思います。納め方の細かい扱いは個別の状況で変わるので、承認の通知が届いたら、同封の案内か年金事務所で確かめてください。
所得の基準は「168万円+控除額」で決まる
4分の1免除の所得の基準は、日本年金機構の公式の記載で次の式になっています。
| 区分 | 前年所得の基準 |
|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
ここでいう「所得」は、収入そのものではありません。税金の計算で使う所得のことで、つまり収入から経費や給与所得控除を引いたあとの金額です。会社員やパートなら給与の額面から給与所得控除を引いた額、フリーランスなら売上から経費を引き、青色申告特別控除を引いた額がこれにあたります。
式の後ろにある「社会保険料控除額等」は、前年に払った国民健康保険料や国民年金保険料などの額です。つまり、社会保険料を多く払っている人ほど、基準の線が上に動きます。「扶養親族等控除額」は、扶養している家族がいる場合の控除の額です。
具体的な数字で考えてみます。以下は仕組みをつかむための仮の例です。
フリーランスで、前年の売上が400万円、経費が150万円、青色申告特別控除が65万円だったとします。所得は185万円です。前年に払った国民健康保険料と国民年金保険料の合計が40万円なら、4分の1免除の基準は168万円+40万円で208万円になります。所得185万円はこの線の内側なので、本人の所得だけで見れば4分の1免除の基準に収まる計算です。
一方、扶養家族がいない単身の人で社会保険料控除を考えない粗い計算をすると、基準は所得168万円です。給与だけの人なら、令和7年分の給与所得控除の式(収入×30%+8万円)を当てはめると、給与収入でおよそ251万円が目安になります。ただし、実際には社会保険料控除が加わるので、線はこれより上に動きます。
※この計算は目安です。障害者、寡婦、ひとり親に当たる場合は基準額が変わると公式に書かれています。正確な判定は申請してみないと分かりません。自分で計算して「おそらく対象外」と決めつけて申請をやめるより、申請して審査を受けるほうが確実です。
本人だけでなく、配偶者と世帯主の所得も見られる
4分の1免除の審査で意外とつまずくのが、この点です。審査されるのは本人の所得だけではありません。配偶者と世帯主の所得もそれぞれ審査され、全員が基準に収まっていないと承認されません。
国民年金法の条文にも、世帯主か配偶者のどちらかが基準に当てはまらないときは免除しない、という趣旨のただし書きがあります。つまり、本人の所得がゼロでも、同じ世帯の親が世帯主で、その親に十分な所得があれば、免除は認められないということです。
たとえば、独立したばかりのデザイナーが、初年度の売上が伸びずに免除を申請したとします。本人の所得は基準を下回っていても、実家に戻って親と同居し、住民票の世帯主が会社勤めの父親になっていれば、父親の所得が基準を超えている限り却下になります。本人の所得だけを見て「通るはず」と考えていた人ほど、この結果に驚きます。同居している人は特に気をつけてください。
申請書には配偶者と世帯主の名前を書く欄があります。別世帯で暮らしている配偶者も、審査の対象に含まれます。申請書の注意書きには、配偶者が別世帯の場合は配偶者のマイナンバーを特記事項の欄に書くよう示されています。
また、過去の年度分を申請するときは、「申請する期間の末日時点」の配偶者と世帯主を書きます。たとえば令和7年度分(令和7年7月から令和8年6月まで)を申請するなら、令和8年6月30日時点の状況で書きます。結婚や離婚、世帯主の変更があった人は、どの時点の家族構成で書くかを間違えやすいので、特記事項の欄に変更の内容と日付を書き添えてください。
※世帯分離や離婚が絡むなど事情が込み入っているときは、年金事務所や市区町村の窓口で、書く前に確かめるのが安全です。
年金額への影響は「8分の7」。差は思ったより小さい
4分の1免除を受けた期間は、将来の老齢基礎年金の計算で「全額納付した場合の8分の7」として扱われます。日本年金機構の記載では、これは平成21年4月分以降の期間についての割合です(平成21年3月分までは6分の5)。
4分の1しか免除されていないのに、年金額が8分の7まで残るのはなぜか。老齢基礎年金の財源の半分は税金(国庫負担)でまかなわれているからです。保険料を一部しか納めていない期間でも、税金の分は年金額に反映されます。
では、実際の差はどれくらいか。令和8年4月分からの老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの人で年847,300円です。これは40年間すべて納めた場合の額なので、1年間の納付で将来の年金が年に約21,180円分つく計算になります。4分の1免除の1年は、その8分の7で約18,530円です。つまり差は、1年の免除につき将来の年金で年におよそ2,650円という計算になります。
一方、全額納付と比べて今の負担は1年で53,760円ほど軽くなります。今の家計を守ることと将来の年金額の差を並べて、どちらを優先するかを考える材料にしてください。差を埋めたいなら、あとで説明する「追納」という方法もあります。
もう1つ大事なのは、障害年金や遺族年金との関係です。4分の1免除の期間は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取るための納付要件の計算で、保険料を納めた期間と同じように数えられます。ただし、これは減らした保険料をきちんと納めている場合に限ります。この点は次の節でくわしく書きます。
なお、ここで書いた金額は計算の目安です。年金額は毎年度改定されるので、将来の受取額を確定させるものではありません。
申請する窓口と、申請の方法は3つ
4分の1免除を含む保険料免除の申請先は、日本年金機構の案内では次のとおりです。
1つ目は、住民票のある市区町村役場の国民年金の担当窓口です。市役所なら「国民年金課」「保険年金課」などの名前の窓口が担当しています。窓口の名前は自治体ごとに違うので、市区町村の公式サイトで「国民年金」と検索すると見つかります。
2つ目は、近くの年金事務所です。市区町村の窓口と同じ申請書を受け付けています。日本年金機構の相談・手続き窓口のページから、住所に応じた年金事務所を探せます。
3つ目は、マイナポータルを使った電子申請です。スマートフォンやパソコンとマイナンバーカードがあれば、窓口に行かずに申請できます。日本年金機構も、手続きが簡単で早く進むとして電子申請をすすめています。
紙の申請書は郵送でも提出できます。申請書の注意書きによると、郵送で受付印のある本人控えが欲しい場合は、宛名を書いて切手を貼った返信用封筒を同封します。
持っていくものは、マイナンバーで手続きするならマイナンバーカード。カードがなければ、マイナンバーが分かる書類(個人番号の表示がある住民票の写しなど)と、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類です。基礎年金番号で手続きする場合は、基礎年金番号通知書か年金手帳など、番号が分かる書類を用意します。
所得を証明する書類は、原則として添付しなくてよいとされています。市区町村が持っている所得の情報で審査するからです。ただし、本人、配偶者、世帯主の誰かが前年の所得の申告(確定申告や住民税の申告)をしていない場合は、先に市区町村の税務の窓口で住民税の申告を済ませてから免除の申請書を出すよう案内されています。収入がなかった年でも、申告していないと所得が確認できず審査が進まないので注意してください。
申請書で4分の1免除を選ぶときの書き方
申請書は「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」という1枚の様式で、全額免除から4分の1免除、納付猶予までまとめて申請できます。日本年金機構の「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」のページからダウンロードできます。
4分の1免除に関係する欄で迷いやすいのは「⑨免除等区分」です。申請書の記入例によると、この欄は基本的に何も書かなくてかまいません。空欄にしておけば、全額免除、納付猶予、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の順にすべて審査してもらえます。
逆に、審査してほしくない区分があるときだけ、その数字に「×」を付けて消します。たとえば「4分の1免除なら自分で全額を納めたい」と考えるなら、5の4分の1免除に×を付けます。何も考えずに×を付けてしまうと、受けられたはずの免除まで外れてしまうので、迷ったら空欄のままにしておくのが無難です。
「⑩申請期間」の欄には、申請したい年度を書きます。免除の年度は7月から翌年6月までで、1枚の申請書で申請できるのは1年度分だけです。過去の年度分もまとめて申請したいなら、年度ごとに申請書を分けて出します。
「⑬継続希望」の欄も確認しておきましょう。ここは、全額免除か納付猶予が承認された場合に翌年度も自動で審査してもらうかどうかを選ぶ欄です。4分の1免除はこの継続の対象に入っていません。審査の結果が一部免除になった場合、継続の申し出は無効になり、翌年度の7月以降に改めて申請が必要だと申請書の注意書きに書かれています。
記入を終えたら、日本年金機構が用意している「セルフチェックシート」で漏れがないかを確かめておくと安心です。記入漏れや記入誤りがあると、書類が戻されたり、さかのぼって承認が取り消されたりすることがあると、記入例の欄外に注意書きがあります。
承認されたら、減らした保険料を必ず納める
4分の1免除でいちばん大事なのは、この節です。4分の1免除が承認されても、残りの4分の3の保険料を納めなければ、その期間は「未納」になります。
日本年金機構の免除制度のページの表には、一部免除の承認を受けている期間は減額された保険料を納付している必要がある、と注記があります。申請書の注意書きにも、4分の3免除、半額免除、4分の1免除が承認された期間は、納付すべき保険料を納付しないと未納期間となり、老齢基礎年金や障害基礎年金などを受けられなくなる場合がある、と書かれています。
つまり、「免除が通ったから、もう払わなくていい」と思い込んでしまうと、免除どころか未納扱いになるということです。これは全額免除と一部免除のいちばん大きな違いです。全額免除なら納めるものはありませんが、4分の1免除は1か月あたり13,440円(令和8年度)を納めて初めて、免除としての効果が出ます。
未納になると、困るのは老後の年金だけではありません。病気やけがで障害が残ったときの障害基礎年金には、「初診日の前々月までの1年間に未納がないこと」などの納付要件があります。一部免除の期間を納め忘れていると、この要件を満たせず、障害年金を受け取れなくなる可能性があります。
「免除の通知が来たので安心していた」という人が、あとで未納の督促を受けて初めて気づく、という流れは珍しくありません。通知を受け取ったら、納める額と納付書の有無を必ず確かめてください。納付書が見当たらないときは、年金事務所で再発行してもらえます。
※督促が届いて対応に困っているときや、障害年金の請求を考えている時期に未納があると分かったときは、早めに年金事務所に相談してください。
毎年の申請と、審査結果が届くまでの時期
4分の1免除は、毎年度申請し直す必要があります。全額免除や納付猶予には「継続審査」という仕組みがあり、一度申し出れば翌年度も自動で審査してもらえますが、一部免除は対象外です。
令和8年度分(令和8年7月から令和9年6月まで)の申請は、令和8年7月から受け付けが始まっています。審査に使うのは令和7年中の所得です。日本年金機構の申請可能期間のページでは、年度と審査対象の所得の関係が次のように示されています。
| 年度 | 申請できる期間 | 審査対象の所得 |
|---|---|---|
| 令和7年度分 | 令和7年7月から令和8年6月 | 令和6年中の所得 |
| 令和8年度分 | 令和8年7月から令和9年6月 | 令和7年中の所得 |
審査の結果は、申請書の注意書きによると、申請からおおむね2か月から3か月後に日本年金機構から届きます。それまでの間に、保険料の納付を案内する文書や電話が届くことがあります。これは審査中でも送られることがあるもので、申請が無視されたわけではありません。案内は日本年金機構から委託を受けた民間の事業者が、土日や夜間も行っていると書かれています。
毎年の手続きを忘れないためのコツは、7月を「免除の申請月」と決めておくことです。前年の確定申告が終わり、住民税の額が確定するのが6月ごろなので、7月に入ったらすぐ申請する、という流れを習慣にすると漏れが減ります。マイナポータルで電子申請をすれば、窓口に行く手間もかかりません。
失業したときの特例と、さかのぼって申請できる期間
前年の所得が基準を超えていても、免除を受けられる場合があります。失業、倒産、事業の廃止などがあったときの「特例免除」です。日本年金機構の案内によると、失業などの事実が確認できれば、失業した人の前年所得にかかわらず免除や納付猶予を受けられます。
たとえば会社を辞めてフリーランスになったものの、前年は会社員として十分な給与があった、という人は、本来なら所得の基準で4分の1免除にも届かないことがあります。このとき、離職票や雇用保険受給資格者証のコピーを添えて申請すれば、失業した人の所得を除いて審査されます。
事業を廃止した人なら、税務署に出した個人事業の開業・廃業等届出書の写しなどが使えます。ただし、配偶者や世帯主がいる人は、その配偶者や世帯主が所得の基準を満たしているか、同じく失業などの特例に当たっている必要があります。
もう1つ知っておきたいのが、申請はさかのぼってできるという点です。保険料の納付期限から2年を過ぎていない期間、つまり申請した時点から2年1か月前までの期間について、さかのぼって免除を申請できます。過去に未納のままになっている月があるなら、今からでも申請できる可能性があります。
ただし、さかのぼって申請できるからといって、後回しにしてよいわけではありません。日本年金機構は、申請が遅れると、障害を負ったり亡くなったりしたときに障害年金や遺族年金を受けられないおそれがあると注意しています。病気やけがが起きてからさかのぼって申請しても、障害基礎年金の納付要件には算入されないからです。
却下されたときと、審査のあとで事情が変わったとき
申請しても、所得の基準を超えていれば却下になります。却下の通知が届いたら、その期間の保険料は通常どおり納める必要があります。申請書の注意書きでは、却下になった場合は保険料の納付が必要で、納付書がなければ年金事務所で再発行すると案内されています。
ただし、却下で終わりとは限りません。日本年金機構の申請可能期間のページには、過去に却下された期間でも、改めて申請できる場合があると書かれています。挙げられているのは次のような例です。
・失業などを理由に申請したが、申請が遅れたために特例免除が認められなかった場合
・却下のあとに、税の修正申告や申告によって、本人や配偶者、世帯主の所得が変わった場合
・却下のあとに、離婚や世帯主の変更があった場合
つまり、確定申告で経費の計上漏れに気づいて修正したら所得が下がった、あるいは親の世帯から独立して自分が世帯主になった、といった変化があれば、もう一度審査を受けられる可能性があるということです。
審査結果が届く前に家族の状況が変わったときの扱いも、申請書の注意書きに整理されています。結婚や、親と同居を始めて世帯主が変わった場合は連絡不要。離婚や世帯分離で自分や配偶者が世帯主になった場合は、年金事務所へ連絡します。審査結果が届いたあとに離婚や世帯分離があり、4分の1免除から全額免除への見直しなどを望むときは、改めて申請します。前年所得が修正申告で変わったときも、年金事務所へ連絡するよう書かれています。
※却下の理由に納得できないときや、どの書類で再申請できるか分からないときは、通知を持って年金事務所に相談してください。
追納で、年金額を満額に近づける方法
4分の1免除を受けた期間の保険料は、あとから納め直すことができます。これを「追納」といいます。追納をすると、その期間は全額を納めた期間と同じ扱いになり、将来の年金額を満額に近づけられます。
追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除期間です。ただし、一部免除の期間を追納できるのは、承認後に減らした保険料をきちんと納めていた場合に限られます。減らした額を納めていなければ、その期間はそもそも未納なので、追納の対象になりません。
追納する額は、免除された4分の1の部分です。日本年金機構の追納制度のページには、令和8年度中に追納する場合の額が年度ごとに示されています。4分の1免除の期間なら、令和7年度の月分で1か月あたり4,380円です。免除の承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料に経過期間に応じた加算額が上乗せされるので、追納するなら早いほうが負担は軽くなります。
追納した保険料は、社会保険料控除の対象になります。つまり、追納した年の所得税や住民税を計算するときに、追納した額を所得から差し引けます。収入が回復した年に追納すると、税金の負担が軽くなる効果もあるわけです。
追納の申し込みは年金事務所で行います。街角の年金相談センターでは手続きできないと案内されているので注意してください。申込書を出すと納付書が届き、金融機関やコンビニで納めます。口座振替やクレジットカードでは追納できません。
なお、老齢基礎年金を受け取れるようになった人は追納できません。60歳が近い人や、追納を考えている人は、計画的に進めてください。
全額納付、4分の1免除、納付猶予の比べ方
4分の1免除の通知を受けた人の中には、「やはり全額納めたほうがいいのか」「半額や全額免除のほうがよかったのでは」と迷う人もいると思います。比べるときの観点は3つです。
1つ目は、今の家計への負担です。4分の1免除は全額納付と比べて1年で53,760円ほど軽くなります(令和8年度の額で計算)。ただし、半額免除や全額免除は所得の基準で決まるので、自分で選べるわけではありません。選べるのは「4分の1免除を受けるか、受けずに全額を納めるか」の2択です。
2つ目は、将来の年金額です。4分の1免除の1年は、年金額に8分の7として反映されます。全額納付との差は、さきほどの計算で1年の免除につき年に約2,650円です。追納すれば、この差は埋められます。
3つ目は、他の制度が使えなくなる点です。申請書の注意書きによると、免除(全額・一部)や猶予が承認されると、付加年金と国民年金基金は利用できなくなります。付加年金とは、月額400円を上乗せして納めることで将来の年金を伸ばせる仕組みのこと。国民年金基金は、自営業者向けの上乗せの年金です。これらを使っている人や使いたい人は、4分の1免除を受けるかどうかを慎重に考える必要があります。
納付猶予との比較も整理しておきます。納付猶予は50歳未満が対象で、猶予された期間は年金額に反映されません。一方、4分の1免除は減らした額を納めていれば年金額に反映されます。審査の対象も違い、納付猶予は世帯主の所得を見ませんが、免除は世帯主の所得も見ます。
※国民年金基金に加入している人が免除を受ける場合の扱いは、加入している基金や個別の事情で変わります。加入先に確認してください。
収入が波打つ働き方と、免除の付き合い方
最後に、フリーランスや副業で働く人の視点から、4分の1免除との付き合い方を考えます。
フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、独立して最初の2年から3年は、収入が大きく上下しやすい時期です。会社員時代の所得で審査される初年度は免除に届かず、売上が伸び悩んだ年の翌年度に4分の1免除や半額免除の対象になる、という順番になりがちです。審査が前年の所得で行われるので、苦しい時期と免除を受けられる時期に1年のずれが出るのです。
このずれを意識しておくと、計画が立てやすくなります。たとえば、システム開発の仕事は案件単位で収入が動きます。アプリケーション開発のお仕事では、案件の種類や進め方が紹介されています。年収の目安を知りたいなら、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で統計の数字を確認できます。文章の仕事なら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。自分の分野の相場を知っておくと、来年の所得がどのあたりに落ち着きそうかを読みやすくなります。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、収入が落ちた年に制度を使うことをためらいません。免除を受けて家計を守り、収入が回復した年に追納して年金額を戻す。こうした使い分けができる人は、無理をして生活を崩す人より、結果として仕事を続けられています。仲介の手数料が乗らない直接の取引で手取りを厚くしておくことも、収入の波をならす1つの方法です。
社会保険や年金の手続きを専門家に相談したいなら、社会保険労務士という選択肢もあります。社労士の働き方については社労士の開業ガイド|独立1年目の収入と集客方法【2026年版】で、独立後の様子が紹介されています。役所に出す書類の書き方に自信がない人は、ビジネス文書検定のような資格で文書の基本を学んでおくと、申請書や届出の記入でも迷いが減ります。
4分の1免除は、払えないときに頼る最後の手段ではなく、収入に合わせて負担を調整するための仕組みです。承認されたら減らした額を必ず納め、毎年7月に申請し直し、余裕ができたら追納する。この3つを押さえておけば、制度はきちんとあなたの味方になってくれます。
よくある質問
Q. 国民年金の4分の1免除では、1か月にいくら納めますか?
令和8年度は、通常の保険料17,920円のうち4分の1が免除され、残りの13,440円を納めます。1年間では161,280円が目安で、全額納付と比べて53,760円ほど軽くなります。免除の年度は7月から翌年6月までで、保険料の額は4月に切り替わるため、年度の途中で納める額が変わることがあります。
Q. 4分の1免除が承認されたのに保険料を納めないとどうなりますか?
減らした保険料を納めないと、その期間は免除ではなく未納として扱われます。日本年金機構の申請書の注意書きにも、一部免除の期間に納付しないと未納期間になり、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けられなくなる場合があると書かれています。納付書が見当たらないときは年金事務所で再発行してもらえます。
Q. 4分の1免除は毎年申請し直す必要がありますか?
必要です。全額免除と納付猶予には翌年度も自動で審査する継続審査の仕組みがありますが、4分の1免除などの一部免除は対象外です。毎年7月以降に、その年度分の申請書を改めて出します。令和8年度分(令和8年7月から令和9年6月まで)は、令和7年中の所得で審査されます。
Q. 4分の1免除の申請はどこでできますか?
住民票のある市区町村役場の国民年金担当窓口か、近くの年金事務所で申請できます。郵送での提出や、マイナポータルを使った電子申請もできます。マイナンバーカードか、基礎年金番号が分かる書類を用意してください。所得を証明する書類は原則不要ですが、前年の所得の申告をしていない人は先に住民税の申告が必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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