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モリテックスチールの不正アクセス|システム開発の再委託先 個人情報が含まれる可能性 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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モリテックスチールの不正アクセス|システム開発の再委託先 個人情報が含まれる可能性 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓モリテックスチールの不正アクセスについて
  • ✓2026年3月23日のお知らせをもとに整理
  • ✓システム開発の委託先の再委託先のサーバーが不正アクセスを受け

モリテックスチールの不正アクセスについて、鋼材の加工や熱処理、卸売を行うモリテックスチール株式会社は、2026年3月23日に「当社のシステム開発再委託先に対する不正アクセスについて」を公表しました。モリテックスチールがシステムの開発を任せている会社の、さらにその先の会社(再委託先)のサーバーが第三者に不正にアクセスされ、そこに保存されていたモリテックスチールの業務の情報に、外部からアクセスされた可能性があるという内容です。取引先の会社名や担当者名、住所、電話番号などの連絡先はマスキングされていて中身を判別できない状態でしたが、受注情報の備考欄などの自由に書く欄はマスキングされておらず、書かれた内容によっては個人情報(氏名等)が含まれている可能性があるとされています。マイナンバー、クレジットカード情報、銀行口座情報、メールアドレスは含まれていません。件数は公表されていません。2026年11月1日時点で、このお知らせの続報は見当たらず、情報が不正に使われた事実は確認されていないとされています。 取引先として心当たりがある会社や個人がまずすることは、モリテックスチールのお知らせを読んで、受注の際に備考欄などに個人の名前を書いて伝えたことがないかを思い出すこと、不審な連絡や案内に注意すること、気になる点があればモリテックスチールの情報管理部にメールで問い合わせることの3つです。

この記事は、2026年11月1日時点でモリテックスチール株式会社の新着情報のお知らせと、そこから開ける説明の文書(PDF)を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

モリテックスチールの不正アクセスで何が起きたのか

モリテックスチールは、金属の加工、熱処理、鋼材の卸売を事業とする会社です。取引の相手は主に会社で、鋼材の注文や加工の依頼を受け、製品を納めています。

今回の件は、モリテックスチールの社内のシステムではなく、システムの開発を任せている会社の、さらにその先の会社のサーバーで起きました。お知らせでは、この関係を次のように書いています。

  • モリテックスチールが、システムの開発を委託している会社(委託先)がある
  • その委託先が、仕事の一部をさらに別の会社(再委託先)に任せている
  • その再委託先のサーバーが、第三者から不正なアクセスを受けた
  • そのサーバーには、モリテックスチールの業務に関する情報が保存されていた

委託とは、自社の仕事を外の会社に任せることです。再委託とは、仕事を受けた会社が、その仕事の一部をさらに別の会社に任せることです。システムの開発では、開発の途中で動作を確かめるために、実際の業務の情報を開発の会社に渡すことがあります。今回は、その情報が再委託先のサーバーに残っていた、という整理になります。

お知らせの骨子は次のとおりです。

  • 委託先からの報告で、モリテックスチールが管理する一部の情報に、外部からアクセスされた可能性があることが確認された
  • 取引に関する会社名、部署名、担当者名、住所(郵便番号を含む)、電話番号等の連絡先の情報は、マスキングされていて、中身を判別できない状態だった
  • 受注情報の備考欄などの自由に書く欄は、マスキングされておらず、書かれた内容によっては個人情報(氏名等)が含まれている可能性がある
  • マイナンバー、クレジットカード情報、銀行口座情報、メールアドレスは含まれていない
  • 情報が不正に使われた事実は、現時点で確認されていない

モリテックスチールは、お知らせの中で「アクセスされた可能性」「影響が及んだ可能性」「個人情報(氏名等)が含まれている可能性」という言い方をしています。漏えいしたと確定したわけではなく、その可能性があるという段階です。この記事でも、その言い方のまま書きます。

委託先と再委託先の会社名は、お知らせに書かれていません。この記事でも推測しません。

公表の経緯:2026年3月23日のお知らせ

モリテックスチールは、2026年3月23日に、新着情報の一覧に「当社のシステム開発再委託先に対する不正アクセスについて」を掲載しました。お知らせのページには、掲載したことと、説明の文書(PDF)へのつながりがあり、中身は文書に書かれています。

日付 出来事
公表前(日付の記載なし) 委託先から、再委託先のサーバーが不正アクセスを受けたと報告を受ける
2026年3月23日 新着情報にお知らせを掲載。原因と影響の範囲は調査中

不正アクセスがいつ起きたのか、委託先からいつ報告を受けたのかは、お知らせに書かれていません。お知らせは、原因と影響の範囲を調べている途中の段階で、関係する人に注意を呼びかけるために出されたものです。

2026年11月1日時点で、モリテックスチールの新着情報の一覧を見ると、この件のお知らせは3月23日の1本で、調査の結果や続報は見当たりません。その後の新着情報には、6月のサステナビリティの報告書の更新や、8月と9月の取材記事の掲載の案内などがあります。続報が出る場合も、同じ新着情報の一覧に掲載されると考えられるので、気になる人はときどき一覧を確かめてください。

委託先からの報告によれば、取引に関する、会社名、部署名、担当者名、住所〔郵便番号を含む〕、電話番号等の連絡先情報については、マスキング処理が施されているため当該情報の内容を判別できない状態となっていることが確認されています。一方で、受注情報の備考欄等の自由記載項目については、マスキング処理が施されておらず記録内容によっては個人情報(氏名等)が含まれている可能性があります。 出典: モリテックスチール株式会社「当社のシステム開発再委託先に対する不正アクセスについて」

サーバーに保存されていた情報と、含まれていない情報

お知らせに書かれた内容を、扱いごとに分けて並べます。

区分 項目 お知らせでの扱い
取引の連絡先の情報 会社名、部署名、担当者名、住所(郵便番号を含む)、電話番号等 マスキングされていて、中身を判別できない状態
受注情報の自由に書く欄 備考欄など マスキングされておらず、書かれた内容によっては個人情報(氏名等)が含まれている可能性がある

含まれていないと明記されているものも分けておきます。

区分 お知らせでの扱い
マイナンバー 含まれていない
クレジットカード情報 含まれていない
銀行口座情報 含まれていない
メールアドレス 含まれていない

マスキングとは、データの一部を記号に置き換えたり、意味のない文字に変えたりして、元の中身を読めないようにする処理のことです。たとえば、担当者の名前を「****」に置き換えたり、電話番号を別の数字の並びに変えたりします。システムの開発のように、データの形は必要でも中身は要らない作業では、よく使われる方法です。マスキングがされていれば、仮にデータが外に出ても、元の名前や番号を読み取ることは難しくなります。今回、会社名や担当者名などの決まった欄について「判別できない状態」と書かれているのは、このためです。マスキングの方法(どの記号に置き換えたか、元に戻せる形か)は、お知らせに書かれていません。

今回のお知らせによると、会社名や担当者名などの、決まった欄に入る連絡先の情報は、このマスキングがされていて、中身を判別できない状態でした。一方で、受注情報の備考欄のような、自由に文章を書く欄はマスキングされていませんでした。そのため、備考欄に「〇〇様あて」「担当〇〇さんに連絡のこと」のように個人の名前が書かれていれば、その名前は読める状態だったことになります。

件数は、お知らせに書かれていません。お知らせは、個人情報の特定が難しい場合があるため、ホームページでの公表と問い合わせ窓口の設置で対応しているとしています。備考欄に何が書かれていたかは、受注ごとに違うため、誰の名前が含まれていたかを一つずつ特定するのが難しい、ということだと読み取れます。

委託のつながりで起きた件を読むときのポイント

今回のように、委託先や再委託先で起きた件の発表は、読み方に少しこつが要ります。モリテックスチールのお知らせを例に、押さえておきたい点を整理します。

1つ目は、発表するのは情報を預けた側の会社だということです。攻撃を受けたのは再委託先のサーバーですが、そこに保存されていたのはモリテックスチールの業務の情報です。個人情報を扱う責任は、情報を集めた会社にあるため、モリテックスチールが自社の名前で公表しています。

2つ目は、委託先や再委託先の名前が書かれないことが多いという点です。今回のお知らせにも、会社名は書かれていません。同じ再委託先が、ほかの会社の仕事も受けていれば、別の会社からも似た発表が出ることがあります。ただし、どの発表が同じ件なのかは、公式に書かれていない限り分かりません。この記事でも、ほかの会社の件と結びつけることはしていません。

3つ目は、情報の中身が、情報を預けた側にも分かりにくいことです。モリテックスチールは、委託先からの報告によって、何がサーバーに保存されていたかを確かめています。マスキングされた欄とされていない欄の区別も、委託先からの報告に基づくものです。調査が進むと、報告の内容が変わることもありえます。

4つ目は、件数が示されないことがあるという点です。今回のように、自由に書く欄に何が書かれていたかを一つずつ確かめるのが難しい場合、会社は件数を示さずに、公表と窓口の設置で対応することがあります。個人情報の特定が難しい場合の対応として、モリテックスチールもこの形をとっています。

メールアドレスと口座の情報が含まれていないことの意味

今回のお知らせでは、マイナンバー、クレジットカード情報、銀行口座情報、メールアドレスが含まれていないことを確認したと、はっきり書かれています。また、会社名や担当者名、住所、電話番号などの連絡先は、マスキングされていて判別できない状態でした。

このことから、利用者の側で次のように整理できます。

  • メールアドレスが含まれていないため、この件から直接、偽のメールが届く入口は小さい
  • 電話番号と住所はマスキングされていたため、この件から直接、電話や郵便で連絡される入口も小さい
  • カードや口座の情報は含まれていないため、それらを止めたり変えたりする必要は、お知らせの内容からは読み取れない

一方で、備考欄に何が書かれていたかによっては、名前と一緒に、連絡先や取引の事情が読める状態だった可能性はあります。たとえば、備考欄に「担当〇〇さんの携帯(090から始まる番号)に連絡」と書いていれば、決まった欄の電話番号がマスキングされていても、その番号は読めた可能性があります。自分が備考欄に何を書いたかを思い出すことが、この件で一番大切な確かめ方です。

原因:委託先の再委託先のサーバーへの不正アクセス

原因について、お知らせに書かれているのは、委託先の再委託先のサーバーが、第三者から不正なアクセスを受けたということまでです。どのような方法でアクセスされたのか、サーバーのどの部分が狙われたのかは、書かれていません。モリテックスチールは、委託先と連携して、原因と影響の範囲を調べているとしています。

この件で利用者が押さえておきたいのは、モリテックスチールの社内のシステムや、取引に使うシステムそのものが攻撃されたわけではない、という点です。攻撃を受けたのは、開発の仕事を受けた会社の先にあるサーバーです。お知らせには、モリテックスチールの業務やサービスが止まったという記載もありません。

委託のつながりの先で起きる攻撃は、サプライチェーン攻撃と呼ばれることがあります。サプライチェーンとは、製品やサービスが届くまでの、会社と会社のつながりのことです。守りの固い会社を直接狙う代わりに、そのつながりの中の別の会社を入口にする攻撃で、最近の漏えいの件でもよく見られます。委託のつながりを狙う攻撃への備えは、サプライチェーン攻撃対策の基本|中小企業・フリーランスが今すぐできる防御策にまとめています。

モリテックスチールの対応

お知らせに書かれている対応を整理します。

対応 お知らせの内容
調査 委託先と連携し、原因と影響の範囲を調べている
再発防止 委託先と連携し、再発防止策を検討し、実施を進めている
公表と窓口 個人情報の特定が難しい場合があるため、ホームページでの公表と問い合わせ窓口の設置で対応している
利用者への呼びかけ 不審な連絡や案内等に十分注意してほしい
不正利用 現時点で確認されていない

対象の人への個別の通知については、お知らせに書かれていません。個人情報の特定が難しい場合があるとしているので、個別の通知が届かない人もいると考えられます。お詫びの品や金銭の補償についても、記載がありません。補償の考え方はほかの会社の例を含めて、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026にまとめています。

自分が対象かを確かめる方法

今回の件は、件数も対象の人の範囲も公表されていません。モリテックスチールも、個人情報の特定が難しい場合があるとしています。そのため、自分が対象かどうかを、はっきり確かめる方法は限られます。手がかりになるのは次の点です。

  • モリテックスチールに、鋼材や加工の注文をしたことがある会社の担当者か
  • 注文のときに、備考欄や連絡事項に、自分や他人の名前を書いて伝えたことがあるか
  • 自分の名前が、取引先の担当者として、モリテックスチールの受注の記録に残っている可能性があるか

会社名、部署名、担当者名、住所、電話番号などの決まった欄の情報は、マスキングされていて判別できない状態だったとされています。そのため、担当者として名前が登録されていただけなら、その名前が読める状態だった可能性は低いと読み取れます。気にしたいのは、備考欄などに名前を書いたことがあるかどうかです。

たとえば、納品先の現場の担当者の名前や、「〇〇様あて」という宛名、「〇〇さんの紹介」といったメモを、注文の連絡事項に書いていた場合が考えられます。注文の書類や、送った注文のメールの控えが残っていれば、見返して確かめてください。

心当たりがあって不安な場合は、モリテックスチールの情報管理部にメールで問い合わせてください。

注文の控えの見返し方

備考欄に何を書いたかを確かめるには、自分の手元に残っている注文の控えを見返すのが一番の近道です。取引の形によって、控えが残っている場所が違います。

  • メールで注文している場合は、送信済みのフォルダで、モリテックスチールあてのメールを探す
  • ファックスで注文している場合は、送った注文書の控えや、複合機の送信の記録を探す
  • 取引先の受発注のシステムやウェブの画面から注文している場合は、注文の履歴の画面で、備考欄や連絡事項の欄を見る
  • 電話で注文している場合は、自分の側のメモや、受けた側の注文の確認の書類を探す

見返すときは、名前だけでなく、名前と一緒に書いた情報(携帯電話の番号、現場の住所、個人の事情など)にも目を向けてください。決まった欄の情報はマスキングされていたとされていますが、備考欄に書いた情報は、その対象から外れていた可能性があります。

控えが残っていない場合や、何を書いたか思い出せない場合は、モリテックスチールの情報管理部に問い合わせて、自社の注文の記録に個人の名前が含まれていたかを確かめてもらえないか相談してください。

鋼材や加工の取引で注意したい連絡

鋼材や金属の加工の取引は、1回の金額が大きく、継続して取引することが多い分野です。取引があることが知られると、次のような連絡に使われるおそれがあります。

  • 「鋼材の価格の改定に合わせて、請求先と振込先を変更します」という案内
  • 「納期の確認のため、現場の担当者の携帯電話の番号を教えてください」という問い合わせ
  • 「新しい加工の設備を入れたので、見積もりを出します」と、知らない担当者から届く案内
  • 「注文の内容に不備があったので、添付の書類を確認してください」というメール

どれも、ふだんの取引の流れで届いてもおかしくない内容です。だからこそ、いつもと違う担当者や、いつもと違う手段で届いた連絡は、一度立ち止まって確かめることが大切です。確かめるときは、届いた連絡に書かれた番号ではなく、以前から使っている番号や、公式サイトに載っている窓口を使ってください。

取引先がすること:漏れた可能性のある項目に合わせて

マイナンバー、クレジットカード情報、銀行口座情報、メールアドレスは含まれていないとされています。気にしたいのは、備考欄に書かれていたかもしれない名前と、そこから推測される取引の内容です。

不審な連絡や案内に注意する

モリテックスチールは、不審な連絡や案内等に十分注意するよう呼びかけています。取引の内容を知っている相手から、次のような連絡が来ることが考えられます。

  • モリテックスチールを名乗り、「注文の内容を確かめたい」と、担当者の個人の連絡先を聞いてくる
  • 「請求先が変わった」「支払いの口座が変わった」と、振込先の変更を伝えてくる
  • 鋼材や加工の取引に関係する会社を名乗り、新しい取引や見積もりを持ちかけてくる

こうした連絡を受けたら、その場で答えずに、以前から知っているモリテックスチールの担当者の電話番号か、公式サイトに載っている窓口に、自分から連絡して確かめてください。

振込先の変更の連絡はメールだけで受けない

取引の情報が知られたときに特に注意したいのが、振込先の変更を装う手口です。今回の件では、銀行口座情報は含まれていないとされていますが、取引があることが知られれば、偽の請求書を送ることはできます。振込先の変更の連絡は、メールや書類だけで受け付けず、電話など別の手段で必ず確かめる、という決まりを社内で確かめてください。

偽のメールの見分け方を確かめておく

メールアドレスは含まれていないとされていますが、会社の代表のアドレスなどは、もともと公開されていることも多いはずです。取引先を名乗る偽のメールの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処に整理しています。

社内で共有する

モリテックスチールと取引している会社では、注文を出す担当者と、支払いを担当する経理の担当者が別のことが多いはずです。不審な連絡を受けるのが、担当者以外の人であることもあります。社内で共有するときは、次の点を伝えると十分です。

  • モリテックスチールのシステム開発の再委託先が不正アクセスを受け、受注情報の備考欄などに書かれた名前が読める状態だった可能性がある(2026年3月23日のお知らせ)
  • モリテックスチールを名乗る連絡で、振込先の変更や個人の連絡先を求められたら、担当者に確かめる

対象かもしれないと分かったときの手順

注文の控えを見返して、備考欄などに自分や他人の名前を書いていたと分かった場合は、次の順に進めると漏れがありません。

  1. 書いた内容を控える。いつの注文で、どの欄に、誰の名前と、どんな情報を書いたか
  2. 名前を書いた人が自分以外なら、その人に一声かける。とくに現場の担当者や、協力会社の人の名前を書いていた場合
  3. モリテックスチールの情報管理部に、控えた内容を添えて問い合わせる
  4. しばらくは、モリテックスチールや取引に関係する会社を名乗る不審な連絡に注意する
  5. 不審な連絡を受けたら、記録を残し、モリテックスチールの窓口や、必要に応じて警察の相談専用電話(#9110)に相談する

名前を書いた相手に一声かけるときは、「モリテックスチールのシステム開発の再委託先で不正アクセスがあり、注文の備考欄に書いた名前が読める状態だった可能性がある。不審な連絡が来ても応じないでほしい」と伝えれば十分です。漏えいが確定したわけではないので、可能性の段階であることも合わせて伝えてください。

取引先の会社が自社の委託先に確かめておきたいこと

今回の件は、モリテックスチールの取引先の会社にとっても、自社のシステムの委託を見直すきっかけになります。自社の業務のシステムを外の会社に作ってもらっている場合は、次の点を委託先に確かめておくと安心です。

  • 開発や試験に、実際の業務のデータを渡しているか。渡しているなら、マスキングをしているか
  • マスキングの対象に、備考欄やメモ欄などの自由に書く欄が入っているか
  • 委託先が、さらに別の会社に仕事を任せていないか。任せる場合に、事前に知らせてもらう決まりがあるか
  • 開発が終わったあと、渡したデータを返してもらうか、削除したことを報告してもらう決まりがあるか
  • 委託先や再委託先で問題が起きたときに、どのくらいの早さで知らせてもらえるか

個人情報保護委員会の「漏えい等の対応とお役立ち資料」のページには、「委託先管理に関する着眼点」という資料や、中小企業向けの自己点検のチェックリストが載っています。委託先に何を確かめるかを社内で決めるときの手がかりになります。

問い合わせ窓口

お知らせに載っている窓口は次のとおりです。

窓口 連絡先
モリテックスチール株式会社 情報管理部 メール [email protected]

電話番号と受付時間は、お知らせに載っていません。問い合わせるときは、会社名、自分の名前、モリテックスチールとの取引の時期と内容、備考欄に書いたかもしれない内容を伝えると、確かめてもらいやすくなります。

問い合わせのメールを送るときは、届いたメールに返信するのではなく、お知らせの文書に書かれたアドレスを自分で入力して新しく送ってください。偽のメールに返信してしまうのを防げます。

問い合わせのメールは、たとえば次のような内容で十分です。

「株式会社〇〇の△△です。2026年3月23日のお知らせを拝見しました。弊社は2024年ごろから御社に加工を依頼しており、注文の際に備考欄に現場の担当者の名前を書いたことがあります。その情報が対象に含まれるかを確認させてください。」

備考欄に名前を書いていなかった取引先もしておきたいこと

注文の控えを見返して、備考欄に個人の名前を書いていなかった場合でも、この機会に見直しておきたいことがあります。

  • 取引先から届く振込先の変更の連絡を、どう確かめるかを社内で決めておく
  • 自社が委託しているシステムの会社に、試験用のデータのマスキングの範囲を確かめる
  • 社員が使うメールや受発注のシステムのパスワードを、使い回さないよう徹底する
  • 取引先から「情報漏えいの件で」と連絡があったときに、誰が受けて誰に知らせるかを決めておく

今回の件は、自社に落ち度がなくても、取引先の委託先のさらに先で起きた出来事が、自社の情報に関わりうることを示しています。自社の守りだけでなく、取引のつながりの中で情報がどこまで渡っているかを、ときどき思い出しておくと、似た件が起きたときに落ち着いて動けます。

在宅で仕事をする人が気をつけたいこと

今回の件は、システムの開発の仕事が、委託先から再委託先へと渡る中で起きました。在宅で仕事をする人の中には、システムの開発やデータの処理の仕事を、こうした再委託、再々委託の形で受けている人もいるはずです。仕事を受ける側として、この件から考えておきたいことを整理します。

マスキングされていない欄に気をつける

今回のお知らせで分かるのは、決まった欄はマスキングされていたのに、自由に書く欄はマスキングされていなかった、ということです。開発の仕事で、取引先から試験用のデータを受け取ることがあれば、次の点を確かめておきたいところです。

  • 受け取ったデータに、マスキングされていない欄が残っていないか
  • 備考欄やメモ欄、コメント欄など、自由に書く欄に、個人の名前や連絡先が紛れていないか
  • 個人情報が含まれていると気づいたら、取引先に知らせ、扱い方を相談する

自由に書く欄は、何が書かれているかを事前に決められないため、マスキングの対象から漏れやすい欄です。データを受け取る側でも、一度中身を見ておくと、思わぬ情報を抱え込まずに済みます。

受けた仕事のデータを、終わったあとに残さない

開発の途中で使ったデータが、仕事が終わったあとも手元のパソコンやサーバーに残っていると、そこが攻撃されたときに影響が出ます。納品が終わったデータは、契約の決まりに従って返すか削除し、削除したことを取引先に伝えておくと安心です。

自分の作業の環境を守る

再委託の先で仕事をする人のサーバーやパソコンは、取引先の会社から見ると、自社の守りの外にあります。自分のサーバーやパソコンの守りは、そのまま取引先の情報の守りにつながります。

  • サーバーやクラウドの管理画面のパスワードを、ほかのサービスと別のものにする
  • 選べるなら、二段階認証を設定する
  • 使っていないサーバーや、試験用に立てた環境を放置しない
  • ソフトウェアの更新を後回しにしない

仕事に使うパソコンやスマホの守り方は、情報漏洩を防ぐ!個人事業主が最低限やっておくべきPC・スマホのセキュリティ対策にまとめています。

漏えいが起きたときの決まりを知っておく

個人情報保護委員会は、個人データの漏えい等が起きたときに、事業者が委員会に報告し、本人に通知しなければならない場合を示しています。たとえば、不正の目的で行われたおそれのある行為による漏えい等(不正アクセスなど)や、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。委員会のページには、委託先の管理の着眼点の資料もあり、委託する側が委託先に何を確かめるべきかが整理されています。仕事を受ける側にとっても、取引先から何を求められうるかを知る手がかりになるので、委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料に一度目を通しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

在宅で仕事を受ける人がアカウントを守る基本は、仕事を探すサイトや受発注のやり取りに使うサイトでも同じです。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

注文の備考欄に書く内容を見直す

今回の件は、受ける側だけでなく、注文を出す側にとっても考えるきっかけになります。注文の備考欄や連絡事項は、急ぎの伝言や細かい指示を書くのに便利な欄です。その反面、何でも書いてしまいがちな欄でもあります。

  • 現場の担当者の名前や携帯電話の番号を、備考欄に書いていないか
  • 個人の宛名や、個人の事情(入院中、休暇中など)を書いていないか
  • 書かなくても伝わる内容を、習慣で書いていないか

決まった欄に入る情報は、システムの側でまとめて守りやすいのに対し、自由に書く欄の中身は、守りの仕組みから漏れることがあります。今回のお知らせは、まさにその例です。個人の名前や連絡先は、できるだけ決まった欄で伝え、備考欄には必要な指示だけを書くようにすると、どこかで漏えいが起きたときの影響を小さくできます。

発表を読むときに知っておきたい言葉

言葉 意味
委託、再委託 仕事を外の会社に任せること。任された会社がさらに別の会社に任せるのが再委託
不正アクセス 許可されていない人が、他人のIDやパスワードを使ったり、仕組みの弱いところを突いたりして、システムに入ること
マスキング データの一部を記号などに置き換えて、元の中身を読めないようにする処理
自由記載項目 備考欄やメモ欄のように、決まった形がなく、自由に文章を書ける欄
サプライチェーン攻撃 委託や取引のつながりの中の別の会社を入口にして、目当ての会社の情報を狙う攻撃
可能性 外に出たかどうかは確かめられていないが、出たことを否定できない状態

公開前に見直したい点と、今後の続報

2026年11月1日時点で、モリテックスチールは3月23日のお知らせを最新としていて、委託先と連携して原因と影響の範囲を調べているとしています。調査の結果や再発防止策の中身は、まだ公表されていません。今後、調査の結果が公表された場合は、対象の範囲や件数、委託先と再委託先の扱いが分かる可能性があります。

この記事の内容は、3月23日のお知らせに基づくものです。最新の内容は、モリテックスチールの公式サイトの当社のシステム開発再委託先に対する不正アクセスについてと、新着情報の一覧で確かめてください。

よくある質問

Q. モリテックスチールの不正アクセスでどんな情報が対象ですか?

2026年3月23日のお知らせでは、システム開発の再委託先のサーバーに保存されていたモリテックスチールの業務の情報のうち、受注情報の備考欄などの自由に書く欄に、個人情報(氏名等)が含まれている可能性があるとされています。会社名や担当者名、住所、電話番号などの連絡先はマスキングされていて、中身を判別できない状態だったとされています。

Q. モリテックスチールの件で口座やメールアドレスは含まれていますか?

お知らせでは、マイナンバー、クレジットカード情報、銀行口座情報、メールアドレスは含まれていないことを確認したとされています。ただし、取引があることを知る相手から、振込先の変更などを装う連絡が来る可能性はあるので、メールや書類だけで受け付けず、電話など別の手段で確かめてください。

Q. モリテックスチールの件の対象かどうかはどう分かりますか?

件数や対象の人は公表されておらず、モリテックスチールは、個人情報の特定が難しい場合があるため、ホームページでの公表と窓口の設置で対応しているとしています。注文の際に備考欄などに個人の名前を書いたことがあり、不安がある場合は、情報管理部にメールで問い合わせてください。

Q. モリテックスチールの不正アクセスの問い合わせ先はどこですか?

お知らせに載っている窓口は、モリテックスチール株式会社 情報管理部のメールアドレス([email protected])です。電話番号と受付時間は載っていません。届いたメールに返信せず、アドレスを自分で入力して新しく送ってください。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方