マルタケの不正アクセス|ランサムウェアで取引先・株主・役員と社員の情報が持ち出され掲載 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓マルタケの不正アクセスについて
- ✓2026年4月28日の第1報から6月24日の第4報までを公式発表で整理
- ✓ランサムウェア攻撃で取引先
マルタケの不正アクセスについて、新潟市の医薬品卸売会社である株式会社マルタケは、2026年4月28日にシステム障害の発生を初めて公表しました。その後、5月8日の第3報でランサムウェア攻撃による障害と確定し、6月24日の第4報で、サーバーに保管されていた一部の情報(取引先、株主、マルタケと関連会社の役員と社員の情報)が暗号化されたうえで持ち出され、攻撃者が運営しているとされるリークサイトに掲載されていることが確認されたと発表しました。 2026年11月1日時点で分かっていることは、6月24日の第4報が最新の発表であること、リークサイト以外での情報の公開は確認されていないこと、件数や具体的な項目は公表されていないこと、補償についての発表がないことです。 取引先、株主、役員や社員としてマルタケと関わりがある人がまずすることは、マルタケを名乗る不審な電話やメールに情報を伝えず、マルタケの窓口(025-268-6311)に知らせることです。
この記事は、2026年11月1日時点でマルタケの公式サイトに載っている第1報から第4報までを開き直し、そこに書かれた範囲だけで整理しています。報道の数字や推測は入れていません。
マルタケの不正アクセスで何が起きたのか
株式会社マルタケは、新潟市西区に本社がある会社で、1925年の創業以来、医薬品と医療機器の総合卸売会社として、メーカーと医療の現場をつないできたと紹介されています。事業として、医薬品卸売事業、医療関連品販売事業、開業や開局の支援を掲げています。
公式の発表を合わせると、起きたことの骨子は次のとおりです。
- 2026年4月27日、マルタケに対するランサムウェア攻撃による不正アクセスが起きた
- 外部からの不正アクセスによるランサムウェアの障害と確定した(5月8日の第3報)
- 攻撃者が、何らかの方法で不正に作成したアカウント情報を使ってサーバー内にアクセスしたことが原因と確認された(6月24日の第4報)
- サーバーに保管されていた一部の情報(取引先、株主、マルタケと関連会社の役員と社員の情報)の暗号化と持ち出しが確認された
- それらの情報が、攻撃者が運営しているとされるリークサイトに掲載されていることが確認された
- リークサイト以外での情報の公開は、確認されていない
ランサムウェアとは、パソコンやサーバーのファイルを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正なプログラムのことです。最近は、暗号化の前にデータを盗み出し、「支払わなければ公開する」と脅す手口が多く見られます。今回の事案も、暗号化に加えて情報の持ち出しが確認されています。
リークサイトとは、攻撃者が被害に遭った会社の名前や盗んだデータを載せ、支払いに応じるよう圧力をかけるために使うサイトのことです。第4報では、一般のインターネットの利用者が使う通常のブラウザや検索エンジンではアクセスできないサイトと説明されています。
公表の経緯と、それぞれの報で分かったこと
マルタケは、取引先に向けた「システム障害に関するお知らせ」として、4回の発表を出しています。
| 日付 | 発表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年4月28日 | システム障害発生に関するお知らせ(第1報) | 一部のサーバーでシステム障害。ランサムウェアによる影響の可能性を含めて調査。バックアップを基に復旧作業 |
| 2026年4月29日 | システム障害に関する続報(第2報) | 警察に被害届を提出。現時点で個人情報の外部流出は確認されていない |
| 2026年5月8日 | システム障害に関するお知らせ(第3報) | 外部からの不正アクセスによるランサムウェアの障害と確定。個人情報等の外部流出は確認されていない。完全復旧には相当の日数がかかる見込み |
| 2026年6月24日 | システム障害に関するお知らせ(第4報) | 原因は不正に作成されたアカウント情報によるサーバーへのアクセス。取引先、株主、役員と社員の情報の暗号化と持ち出し、リークサイトへの掲載を確認 |
第2報と第3報の時点では「個人情報等の外部流出は確認されておりません」とされていましたが、第4報で、外部の専門機関によるフォレンジック調査の結果として、情報の持ち出しとリークサイトへの掲載が確認されたと変わりました。フォレンジック調査とは、パソコンやサーバーに残った記録を専門家が調べ、いつ、何が起きたのかを明らかにする調査のことです。
第2報や第3報だけを読んだ人は、そのあとの第4報で状況が変わっていることに注意してください。2026年11月1日時点で、マルタケの新着情報の一覧に第5報は出ていません。続報を確かめるときは、マルタケの第4報のページと、同じサイトの新着情報の一覧を見てください。
第1報から第4報までの表現の変化
マルタケの発表は、回を追うごとに書かれ方が変わっています。どの時点の発表を読んだかで受け取り方が違ってくるため、表現の移り変わりを押さえておくと混乱しません。
| 報 | 原因についての表現 | 情報についての表現 |
|---|---|---|
| 第1報(4月28日) | ランサムウェアによる影響の可能性を含めて調査中 | 触れていない |
| 第2報(4月29日) | ランサムウェアによる影響の可能性があるため、警察に被害届を提出 | 個人情報の外部流出は確認されていない |
| 第3報(5月8日) | 外部からの不正アクセスによるランサムウェアの障害と確定 | 個人情報等の外部流出は確認されていない |
| 第4報(6月24日) | 不正に作成されたアカウント情報によるサーバーへのアクセスが原因と確認 | 取引先、株主、役員と社員の情報の暗号化と持ち出し、リークサイトへの掲載を確認 |
第3報までの「確認されていない」は、その時点で調査中だったことを示す言い方です。調査が進んだ結果、第4報で持ち出しが確認されました。検索で第2報や第3報の内容を紹介したページに当たった場合は、そのあとに状況が変わっていることに注意してください。
持ち出しが確認された情報
第4報に書かれた、持ち出しが確認された情報の範囲は次のとおりです。
また、攻撃者によって、弊社サーバーに保管されていた一部の情報(取引先、株主、弊社並びに関連会社の役員及び社員情報)の暗号化と持ち出しが確認され、これらの情報が攻撃者が運営しているとされるリークサイト(一般のインターネットユーザーが利用する通常のブラウザや検索エンジンではアクセスできないウェブサイト)に掲載されている事象が確認されました。 出典: 株式会社マルタケ「【重要】システム障害に関するお知らせ(第4報)」(2026年6月24日)
| 区分 | 発表の内容 |
|---|---|
| 持ち出しが確認された情報の対象 | 取引先、株主、マルタケと関連会社の役員と社員 |
| 具体的な項目(氏名、住所など) | 公表されていない |
| 件数、人数 | 公表されていない |
| リークサイト以外での公開 | 確認されていない |
| 不正アクセスの痕跡が確認されなかったもの | クライアントPC 334台(外部からの不正アクセスの痕跡とマルウエアの痕跡は確認されなかった) |
第4報は「一部の情報」と書いており、取引先や株主、社員の全員の情報が持ち出されたとは書いていません。どの項目が含まれるか、何人分かも示されていないため、この記事でも推測で項目を挙げません。
クライアントPCとは、社員が業務で使うパソコンのことです。334台について外部からの不正アクセスとマルウエア(不正なプログラム)の痕跡が確認されなかったということは、被害の中心がサーバーだったことを示しています。取引先の側から見ると、マルタケの社員のパソコンから取引先に不正なプログラム付きのメールが送られた、といった広がりは、発表からは読み取れません。一方で、持ち出された情報を使って、攻撃者が別の経路から取引先に連絡してくる可能性は残ります。マルタケの社員のアドレスに似せたメールや、社員を名乗る電話には、これまで以上に気をつけてください。
リークサイトに掲載された情報については、マルタケが掲載内容の精査を進めるとともに、さらに情報が掲載されないかを続けて監視しているとされています。精査の結果、どの取引先のどの情報が含まれていたかが分かれば、続報や個別の連絡で知らされる可能性がありますが、2026年11月1日時点でそうした発表はありません。
リークサイトへの掲載をどう受け止めるか
「リークサイトに掲載された」と聞くと、自分の情報が誰でも見られる状態になったと受け止める人もいます。第4報の説明を整理すると、受け止め方の目安は次のようになります。
- リークサイトは、通常のブラウザや検索エンジンではアクセスできないサイトとされている。検索で自分の名前を調べても出てくる場所ではない
- リークサイト以外での公開は、2026年11月1日時点の発表では確認されていない
- ただし、リークサイトに載った情報は、ほかの犯罪者が手に入れて悪用する可能性がある。そのため会社は掲載内容の精査と監視を続けている
つまり、「すぐに誰でも見られる」わけではない一方で、「悪用されないと決まった」わけでもありません。対象かもしれない人は、取引や個人に関わる不審な連絡に、しばらくの間注意を続けることが大切です。情報が出回るのは、公表からしばらくたってからということもあります。半年や1年たってから届く不審な連絡にも、同じように注意してください。
原因として発表されていること
第4報によると、外部の専門機関によるフォレンジック調査の結果、攻撃者が何らかの方法で不正に作成したアカウント情報を使って、マルタケのサーバー内にアクセスしたことが原因と確認されました。
アカウント情報とは、システムにログインするためのIDとパスワードなどのことです。「不正に作成した」とあるため、もともと社員が使っていたアカウントを盗んだのではなく、攻撃者が自分で使うためのアカウントを作ったと読めます。ただし、攻撃者がどのようにしてアカウントを作れる状態になったのか、最初にどこから入ったのかは、発表には書かれていません。この記事でも、発表に書かれていない侵入の経路は推測しません。
攻撃者が誰か、身代金を求められたかどうか、それに対して会社がどう対応したかも、発表には記載がありません。こうした点が分からなくても、対象かもしれない人がすることは変わりません。不審な連絡に答えず、公式の窓口に確かめることです。
マルタケの対応と、業務への影響
公式の発表に書かれている対応は次のとおりです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 警察への届け出 | 警察に被害届を提出し、関係当局と連携して対応(第2報) |
| 調査 | 外部の専門機関によるフォレンジック調査を実施し、継続中(第4報) |
| 監視 | リークサイトの掲載情報の精査と、さらなる掲載がないかの継続監視 |
| 復旧 | バックアップを基に復旧作業。仮サーバーの環境で業務を続けながら、本格的なシステムの復旧を進める |
| 再発防止 | 再発防止策の策定を進める |
| 今後の連絡 | 新たに公表すべき事実が分かった場合は、ホームページなどで知らせる |
マルタケは医薬品の卸売会社で、病院や薬局などの医療の現場に医薬品を届ける役割を担っています。第3報では、一部の業務で通常の対応が難しい状況が続いているものの、代わりの手段を使いながら、医薬品等の安定供給に最大限努めていると書かれています。第4報でも、医薬品等の安定供給を最優先とし、仮サーバーの環境で業務を続けているとされています。
業務への影響の書かれ方も、報ごとに変わっています。第1報では、一部の業務に遅れや影響が出る可能性があると知らせ、バックアップを基に復旧作業を進めて早く業務を再開したいとしていました。第3報では、調査と復旧の状況から、完全な復旧には相当の日数がかかる見込みと分かったと説明しています。第4報では、仮サーバーの環境で業務を続けながら、本格的なシステムの復旧に向けた作業を進めているとされています。2026年11月1日時点で、本格的な復旧が完了したという発表は見当たりません。
補償やお詫びの品については、2026年11月1日時点の発表に記載がありません。発表に書かれていない補償について、この記事では推測しません。漏えいの補償が一般にどう考えられているかは、情報漏えいの補償の考え方でまとめています。
2026年11月1日時点で分かっていないこと
公式の発表で明らかにされていないことも整理しておきます。分かっていないことを分かっているかのように受け取らないためです。
| 項目 | 発表の状況 |
|---|---|
| 持ち出された情報の具体的な項目 | 公表されていない |
| 件数、人数 | 公表されていない |
| 最初の侵入の経路 | 公表されていない |
| 攻撃者が誰か | 公表されていない |
| 個人情報保護委員会への報告 | 発表に記載がない |
| 対象者への個別の通知 | 発表に記載がない |
| 補償の有無 | 発表に記載がない |
| 本格的なシステムの復旧の時期 | 作業中とされ、時期は示されていない |
第4報では、リークサイトに掲載された情報の精査を続けているとされています。精査が進めば、項目や対象の範囲が続報で示される可能性がありますが、2026年11月1日時点ではここに挙げた点を書いた公式の発表はありません。
医療機関や薬局が気をつけること
マルタケの取引先には、医薬品や医療機器を仕入れる病院、診療所、薬局などが含まれると考えられます。第4報は取引先の情報が持ち出されたとしていますが、どの取引先の、どの情報かは示していません。医療機関や薬局の担当者は、次の点を確かめておくと安心です。
- マルタケからの発注や納品に関する連絡の窓口が、事案の前と変わっていないかを担当の営業担当者に確かめる
- 医薬品の供給について気になる点があれば、マルタケの担当者に直接確かめる
- マルタケを名乗るメールで、発注システムのログインや、新しいサイトでの登録を求められたら、担当者に電話で確かめる
医療の現場は、患者の対応で忙しい時間帯に連絡を受けることが多く、確認を後回しにしがちです。支払いや登録に関わる連絡は、その場で対応せず、落ち着いて確かめてから進めるという決まりを、事務の担当者と共有しておいてください。
自分が対象かを確かめる方法
第4報は、持ち出しが確認された情報の対象として、取引先、株主、マルタケと関連会社の役員と社員を挙げています。自分がどれに当たるかで、確かめ方が変わります。
| 自分の立場 | 確かめ方 |
|---|---|
| マルタケと取引がある医療機関、薬局、メーカーなどの担当者 | 取引先向けに出されているお知らせを確かめる。社内の担当者にも共有する |
| マルタケの株主 | 会社からの案内があるかを確かめる。分からなければ窓口に問い合わせる |
| マルタケや関連会社の役員、社員 | 社内の案内を確かめる |
| マルタケや関連会社を退職した人 | 発表は退職者について触れていない。気になる場合は窓口に問い合わせる |
第4報では、対象の人へ個別に通知するという記載はありません。発表の宛先は「お取引先 各位」となっており、取引先に向けた形で出されています。自分が対象かどうか分からない場合は、マルタケの窓口に電話で確かめてください。
確かめるときは、届いたメールや書面に書かれた番号ではなく、マルタケの公式サイトに載っている番号を使います。窓口の番号は、この記事の後半にまとめています。
対象かもしれない人がすること
マルタケを名乗る不審な連絡に情報を伝えない
第4報は、マルタケをかたった不審な電話やメールを受け取った場合は、情報を伝えず、すぐにマルタケに連絡するよう呼びかけています。取引先の情報が攻撃者の手に渡っている可能性があるため、取引の内容を知っているかのような連絡が、本物らしく見えることがあります。
とくに気をつけたいのは、次のような連絡です。
- マルタケの担当者を名乗り、システム障害の影響で振込先の口座が変わったと知らせるメールや電話
- 請求書や納品書の再発行を装い、添付ファイルを開かせたり、リンク先で情報を入力させたりするメール
- 情報漏えいのお詫びや補償を装い、個人情報や口座番号を聞く連絡
振込先の変更の連絡が来たときは、メールに返信せず、以前から知っている担当者の電話番号か、公式サイトの代表番号に電話して確かめてください。偽のメールの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方で手順をまとめています。
取引先として社内で共有する
医療機関や薬局、メーカーの担当者は、自分だけでなく、経理や購買の担当者にも今回の事案を共有しておくと安心です。支払口座の変更をメールだけで受け付けない、変更の連絡が来たら電話で確かめる、という社内の決まりを、この機会に確かめておいてください。
株主、役員、社員が気をつけること
株主や役員、社員の情報も持ち出しの対象に含まれています。どの項目かは公表されていませんが、氏名や連絡先が知られていると、会社や証券会社、役所を装う連絡が本物らしく見えやすくなります。身に覚えのない電話で口座番号や暗証番号を聞かれても答えず、いったん切ってから公式の番号に自分からかけ直してください。電話番号が知られたかもしれないときの備えは、電話番号の流出チェックの方法で紹介しています。
社員と家族が気をつけること
マルタケと関連会社の役員と社員の情報も、持ち出しの対象に含まれています。社員の情報には、会社が手続きのために預かっている情報が含まれている可能性もありますが、発表は具体的な項目を示していません。社員の人は、会社からの案内に従い、次の点に気をつけてください。
- 会社や人事、役所を名乗る電話やメールで、個人情報や口座番号を聞かれても答えない
- 家族にも、会社を名乗る不審な連絡に注意するよう伝えておく
- 身に覚えのない郵便や請求が届いたら、会社の担当部署に相談する
退職した人が気をつけること
第4報は「役員及び社員情報」と書いており、退職した人の情報が含まれるかどうかには触れていません。会社は退職後も一定の期間、手続きのために元社員の情報を保管していることがあります。マルタケや関連会社を退職した人で気になる場合は、窓口に問い合わせて確かめてください。その際も、電話番号は公式サイトに載っているものを使います。
株主が確かめること
株主の情報も持ち出しの対象に含まれています。どの項目かは示されていませんが、株主であることを知っている前提で、証券会社や会社を装う連絡が届く可能性があります。配当や株式の手続きを名目に口座番号や暗証番号を聞かれても答えず、証券会社や会社の公式の窓口に自分から確かめてください。
しなくてよいこと
発表には、パスワードやクレジットカード番号が持ち出されたという記載はありません。そのため、慌ててカードを止めたり、すべてのアカウントのパスワードを変えたりする必要はありません。普段どおり、明細に身に覚えのない取引がないかを確かめておけば十分です。
また、リークサイトを自分で探して、自分の情報が載っているか見に行くことは勧められません。こうしたサイトは不正なプログラムに触れる危険があるうえ、内容の確認は会社が専門機関と進めています。情報の扱いについては、会社の続報で確かめてください。
情報が持ち出されたと知ったときの順番
取引先や勤め先から「情報が持ち出された」と知らされたときは、次の順番で動くと、慌てずに必要なことだけを済ませられます。
- 公式の発表を開き、最新の版の日付と、対象の範囲、項目を確かめる
- 自分がその会社とどう関わっていたか(取引先、株主、社員など)を整理し、対象になりうるかを判断する
- 会社が案内している窓口と受付時間を控えておく
- 会社を名乗る連絡には、その場で答えず、控えた窓口に自分から確かめる、と決めておく
- 銀行口座やカードの明細を、しばらくの間こまめに確かめる
- 不審な連絡を受けたら、内容を記録し、会社の窓口や警察相談専用電話「#9110」に相談する
マルタケの件では、項目や件数が公表されていないため、2の判断がつきにくいかもしれません。その場合は、対象かもしれないという前提で4から6を続けておけば、備えとしては十分です。
偽の連絡の具体例と見分け方
持ち出された情報の対象から考えると、次のような連絡が本物らしく見えやすくなります。実際にそうした連絡が出回っているという発表はありませんが、備えとして知っておくと役に立ちます。
電話の場合
「マルタケのシステム障害の件で、取引の確認のためにお電話しています」と言って、担当者の個人の連絡先や口座番号を聞く電話には答えないでください。いったん切り、公式サイトに載っている代表番号に自分からかけ直します。かけ直そうとすると引き止めたり、急がせたりする場合は、詐欺を疑ってください。
メールの場合
システム障害を理由に「新しいメールアドレスから連絡します」と知らせるメールや、取引先のメールアドレスに似せた送信元から届くメールに注意してください。送信元のアドレスを1文字ずつ見比べる、本文の署名にある電話番号が以前と同じかを確かめる、といった確認が役に立ちます。
請求書や発注の場合
医薬品の卸売の取引では、発注や請求のやり取りが日常的に行われます。普段と違う口座への振込を求める請求書や、急ぎの発注を装った連絡が届いたときは、支払いの前に必ず担当者に電話で確かめてください。中身が具体的であることは、本物である証拠にはなりません。
入力してしまったとき
偽のサイトにIDやパスワードを入力してしまった場合は、そのサービスのパスワードをすぐに変え、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。口座番号や暗証番号を伝えてしまった場合は、すぐに銀行に連絡して相談してください。
問い合わせ窓口
第4報には、本件の問い合わせ窓口が次のように書かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 株式会社マルタケ ランサムウェア対策本部 |
| 電話 | 025-268-6311 |
| 受付時間 | 平日 10:00から17:00 |
マルタケの公式サイトのお問い合わせの欄には、同じ025-268-6311の番号で、受付時間を月曜から金曜の9:00から17:00(祝日・年末年始を除く)とする案内も載っています。この件について問い合わせるときは、第4報に書かれた受付時間(平日 10:00から17:00)に合わせて電話すると確実です。
本社の所在地は〒950-2092 新潟市西区流通センター4丁目6番地2です。
問い合わせるときは、次のものを手元にそろえておくと、話が早く進みます。
- 自分の立場(取引先、株主、役員や社員など)
- 取引先であれば、会社名、取引の担当者の名前、取引先のコードなど
- 不審な連絡を受けた場合は、届いた日時、相手が名乗った名前、電話番号やメールアドレス、本文の内容
- 不審なメールは、リンクや添付ファイルを開かず、画面の写しや受信した日時を控えておく
電話で聞かれた内容は、覚えているうちにメモに残しておくと、窓口や警察に相談するときに役立ちます。
警察を名乗る電話や、身に覚えのない送金の依頼を受けたときは、警察相談専用電話「#9110」か、最寄りの警察署に相談してください。
取引先の担当者が確かめること
取引先の担当者が、社内で確かめておきたいことをまとめます。
- 第1報から第4報までのお知らせが、社内のどの部署に共有されているか
- マルタケとの取引で使っている連絡先、担当者、振込先が、事案の前と変わっていないか
- 支払口座の変更をメールだけで受け付けない決まりがあるか
- マルタケを名乗る不審な連絡を受けたときに、誰に報告するか
医療機関や薬局では、医薬品の発注を少人数で担当していることもあります。担当者が休んでいるときにも同じ確認ができるよう、手順を紙や共有のメモに残しておくと安心です。マルタケから新しいお知らせが出たときに見落とさないよう、公式サイトの新着情報を定期的に見る担当を決めておくのも一つの方法です。続報で項目や対象の範囲が示された場合は、その内容に合わせて社内の対応を見直してください。
ランサムウェアの被害を知ったときに、自分の仕事で見直したいこと
警察庁は、ランサムウェアの被害を防ぐための対策をまとめたページを公開しています。詳しくは警察庁のランサムウェア被害防止対策のページで確かめられます。
このページでは、現在のランサムウェアの手口として、VPN機器などのインターネットに出ている箇所から、修正されていない弱点、漏えいした認証情報、簡単なパスワード、設定の不備などを悪用して内部に入る手口が多くを占めると説明しています。また、データを暗号化するだけでなく、盗み出したうえで「支払わなければ公開する」と迫る二重恐喝が被害の多くを占め、実際に事業者の財務情報や個人情報がダークウェブ上のリークサイトに掲載される例が多数確認されているとしています。
警察庁が挙げる主な対策は次のとおりです。
| 区分 | 主な対策 |
|---|---|
| 被害に遭わないために | VPN機器などの弱点をふさぐ更新をすぐに当てる。推測されにくいパスワードにし、使い回さない。多要素認証を使う。アカウントの権限を必要な範囲に絞る。不審なメールの添付ファイルやリンクを開かない |
| 被害を想定した備え | サイバー攻撃を想定した業務継続の計画をつくる。バックアップをこまめに取り、ネットワークから切り離して保存する。ログを残す。被害を想定した訓練をする |
| 被害が疑われたら | 感染したパソコンをネットワークから切り離す(電源は落とさない)。警察に通報、相談する |
バックアップについて警察庁は、ランサムウェアでバックアップのデータまで暗号化される例が多数確認されているとして、ネットワークから切り離して保存することを勧めています。
今回の事案では、攻撃者が不正に作成したアカウント情報でサーバーに入ったことが原因とされています。個人や小さな事業者が自分の仕事に当てはめて見直すなら、次のような点が考えられます。
- 使っていないアカウントや、誰が作ったか分からないアカウントが残っていないかを定期的に確かめる
- 仕事で使うアカウントには多要素認証を設定する
- 仕事のデータのバックアップを、ふだん使うパソコンやネットワークとは切り離した場所にも残す
- 取引先から預かったデータは、必要な期間が終わったら取り決めどおりに返却や削除をする
多要素認証の考え方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較、侵入の経路ごとの守り方はランサムウェアへの対策で詳しく説明しています。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事を受けている人も、取引先として会社に連絡先や口座の情報を渡しています。今回のように、取引先の情報がランサムウェアで持ち出されることは、どの会社にも起こりえます。自分の情報が取引先から漏れたと知らされたときに慌てないよう、普段から次の点を整えておくと安心です。
- 報酬の振込先の変更は、必ず電話など別の手段で取引先に確かめてもらうよう、契約のときに伝えておく
- 仕事用のメールアドレスと個人のメールアドレスを分けておく
- 取引先を名乗るメールで、請求や支払いの手続きを急がされたら、いったん止まって確かめる
在宅で働く人の中には、医療事務や調剤事務の経験を生かして、医療機関の事務作業を在宅で手伝っている人もいます。そうした仕事では、卸売会社や取引先とのやり取りのメールを代わりに受け取ることもあります。取引先を名乗るメールで支払いや登録の手続きを求められたら、自分だけで進めず、依頼元の医療機関の担当者に必ず確かめてください。
逆に、自分が取引先の個人情報を預かる立場の場合、自分のところから漏れると、取引先は個人情報保護委員会への報告や本人への通知を求められることがあります。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等や、本人の数が1,000人を超える漏えい等などが、委員会への報告が必要な場合として示されています。報告は、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
事案の発表を正確に読む力を仕事に生かす
マルタケの発表は、第2報と第3報で「個人情報等の外部流出は確認されていない」とされたあと、第4報で持ち出しとリークサイトへの掲載が確認されたと変わりました。調査が進むと結論が変わることがあるため、最初の発表だけで判断せず、日付と版を確かめて最新の内容で判断することが大切です。
こうした発表を読み解き、何が確認されていて何が分かっていないかを整理する力は、セキュリティの仕事にもつながります。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. マルタケの不正アクセスで、どのような情報が持ち出されたのですか?
2026年6月24日の第4報では、サーバーに保管されていた一部の情報(取引先、株主、マルタケと関連会社の役員と社員の情報)の暗号化と持ち出しが確認されたとされています。氏名や住所などの具体的な項目や件数は公表されていません。続報は、マルタケの公式サイトの新着情報で確かめてください。
Q. リークサイトに載った情報は、誰でも見られるのですか?
第4報では、リークサイトは一般のインターネットの利用者が使う通常のブラウザや検索エンジンではアクセスできないサイトと説明されています。リークサイト以外での公開は確認されていないとされています。自分で探して見に行くと、不正なプログラムに触れる危険があるため勧められません。
Q. マルタケを名乗る電話やメールが来たら、どうすればよいですか?
第4報は、マルタケをかたった不審な電話やメールを受け取った場合は情報を伝えず、すぐにマルタケに連絡するよう呼びかけています。連絡先は、メールや書面に書かれた番号ではなく、公式サイトに載っているランサムウェア対策本部の025-268-6311(平日10:00から17:00)を使ってください。
Q. マルタケから補償はありますか?
2026年11月1日時点の公式の発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。補償を名目に口座番号や個人情報を聞く連絡があれば、応じずにマルタケの窓口に知らせてください。今後の対応は、新たに公表すべき事実が分かった場合にホームページなどで知らせるとされています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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