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みずほリサーチ&テクノロジーズの情報漏えい|経産省アンケートの回答者1,028人分が環境省の公開ファイルに混在 2026

@SOHO編集部
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みずほリサーチ&テクノロジーズの情報漏えい|経産省アンケートの回答者1,028人分が環境省の公開ファイルに混在 2026

この記事のポイント

  • ✓みずほリサーチ&テクノロジーズの情報漏洩を公表資料で整理
  • ✓2013年に経済産業省から受託した電力保安のアンケートの回答情報が
  • ✓環境省の業務の納品ファイルに混在し

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社は、2026年2月20日に「アンケート回答情報の漏えいに関するお詫びとご報告について」を公表しました。同社が2013年に経済産業省から受託した電力保安の調査で集めたアンケートの回答情報が、同社が環境省から受託した別の業務の納品ファイルに、通常の方法では確認できない形で混在しており、そのファイルが2020年3月から環境省のホームページなどで公開されていたという内容です。漏えいした件数はアンケート回答総数1,566件で、含まれている個人情報は1,028人です。ファイルは2026年2月6日までに削除され、公表の時点で第三者による不正利用の事実は確認されていないとされています。2026年11月1日時点で、同時に発表した環境省の報道発表のページは公表時の内容のままです。補償についての記載は公表資料にありません。

対象になりうるのは、2013年に経済産業省の「電気工作物の保安・事故等に関するアンケート」に回答した事業者の担当者です。まずすることは3つです。同社から郵送で届く説明の書類を確かめること、電力保安や官公庁の調査を名乗るメール・電話・FAXの真偽を確かめること、そして当時の担当者が異動や退職をしている場合は社内で情報を共有することです。この記事では、同社と環境省の公表資料に書かれていることだけをもとに、経緯、漏えいした項目、原因、対象者の行動、窓口を整理します。

みずほリサーチ&テクノロジーズの発表の要点

最初に、2026年2月20日の公表資料で示された事実をまとめます。

  • 同社が2013年に経済産業省から受託した「次世代電力システムに関する電力保安調査」事業で実施した「電気工作物の保安・事故等に関するアンケート」の回答情報が、2020年3月から漏えいしていた
  • 漏えいは同社の確認漏れが原因で、同社が環境省から受託した別の業務で作成したファイルに、通常の方法では確認できない形でその情報を混在させて納品していた
  • そのファイルは環境省のホームページなどで公開されていたが、2026年2月6日までに削除し、閲覧できない状態にした
  • 漏えいした件数は、アンケート回答総数1,566件、含まれている個人情報1,028人
  • 公表の時点で、第三者による不正利用の事実は確認されていない
  • 漏えいが確認された人には、個別に説明のための書類を郵送する

この件は、外部からの不正アクセスや攻撃によるものではありません。同社は原因を「当社の確認漏れに起因するもの」と書き、環境省も「請負事業者の担当者の誤った作業により作成されたもの」と説明しています。攻撃者が情報を盗み出した事案とは性格が違い、本来は含まれるべきでない情報が、公開される資料に紛れ込んでいたという事案です。

もう1つの特徴は、期間の長さです。2013年に集めた回答情報が、2020年3月から2026年2月6日まで、公開されたファイルの中にありました。その間に誰がファイルを開いたのか、混在した情報まで見た人がいたのかは、公表資料からは分かりません。環境省は、可能な限り情報へのアクセス状況の実態把握を行っていると説明しています。

漏えいした情報の中心は、事業者名、事業所名、部署、役職、担当者名、電話番号、FAX番号、メールアドレスといった仕事の連絡先と、アンケートの回答です。個人の自宅の住所やクレジットカードの情報が漏れた事案ではありませんが、仕事の連絡先と、電力の保安についての回答が結び付いて外に出たことになります。

公表の経緯と、関わった3つの機関

この件には、委託した経済産業省、別の業務を発注した環境省、両方の業務を受託した同社の3者が関わっています。時系列で並べると次のようになります。

時期 出来事
2013年 同社が経済産業省から「次世代電力システムに関する電力保安調査」事業を受託し、「電気工作物の保安・事故等に関するアンケート」を実施
2020年3月 同社が環境省から受託した別の業務で作成したファイルに、アンケートの回答情報が混在した状態で納品され、環境省のホームページなどで公開される
2026年2月6日まで 該当するファイルを削除し、閲覧できない状態にする
2026年2月20日 同社、経済産業省、環境省が同時に公表

環境省の報道発表には「みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、経済産業省同時発表」と書かれています。3者がそろって同じ日に発表したということです。経済産業省も「委託事業に関する個人情報の漏えいについて」という資料を同じ日に公表したと、同社の公表資料に記載があります。

環境省の発表の内容を、同省のページから引用します。

環境省ウェブサイトで公開しているファイルの一部に請負事業者「みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社」が保有する個人情報を含む情報が誤って混入していたことが判明しました。 出典: 環境省 環境省ウェブサイトにおける情報セキュリティインシデントの発生について

環境省は同じ発表で、ファイルに含まれていた個人情報は同省とは関係のないものであると説明しています。環境省の業務で集めた情報が漏れたのではなく、経済産業省の業務で集めた情報が、環境省の業務の成果物に紛れ込んだ、という関係です。

同社の公表資料の全文は、環境省の報道発表のページに添付資料として掲載されています(みずほリサーチ&テクノロジーズ アンケート回答情報の漏えいに関するお詫びとご報告について)。

発表の言葉の読み方:「漏えい」「混在」「不正利用の事実は確認されていない」

漏えいの発表には、似ているようで意味の違う言葉が並びます。今回の公表資料の言葉を1つずつ読み分けておくと、自分に何が起きたのかを落ち着いて判断できます。

まず「漏えい」です。同社の公表資料の題は「アンケート回答情報の漏えいに関するお詫びとご報告について」で、本文でも「2020年3月から漏えいしていたことが判明いたしました」と書かれています。「おそれ」や「可能性」ではなく、漏えいしたことを事実として発表しています。公開されたファイルの中に情報が含まれていた以上、誰でも手に入れられる状態にあったということです。

次に「混在」です。同社は、環境省の業務のファイルに、経済産業省の業務の情報を「混在して納品」したと書いています。環境省は同じことを「誤って混入」と表現しています。どちらも、本来そのファイルに入るべきでない情報が入っていた、という意味です。

最後に「第三者により不正に利用された事実は確認されておりません」です。これは、漏えいした情報が悪用されたという報告や証拠が、公表の時点では見つかっていないという意味です。悪用されていないことが確かめられた、という意味ではありません。公開されていたファイルを誰がいつ取得したかをすべて調べることは難しく、環境省も「可能な限り」アクセス状況の実態を把握すると書いています。

この3つを合わせると、今回の件は「情報は公開された状態にあったが、悪用の報告は公表時点では無い」という状況です。対象者が考えるのは、悪用されたかどうかを待つことではなく、仕事の連絡先が知られている前提で、不審な連絡を見分ける準備をすることです。

漏えいした情報の項目と件数

公表資料に書かれた項目と件数を表にまとめます。

区分 内容
回答者の情報 事業者名、事業所名、部署、役職、担当者名、電話番号、FAX番号、メールアドレス
回答の内容 アンケート回答情報
件数 アンケート回答総数1,566件(含まれている個人情報1,028人)

件数が2つあるのは、数え方が違うためです。1,566件は回答の数で、1,028人は回答に含まれていた個人情報の人数です。1つの事業者や担当者が複数の回答をしていたり、担当者名が書かれていない回答があったりすると、2つの数は一致しません。どちらの数字も同社の公表資料のとおりです。

公表資料には、ここに挙げた以外の項目が「含まれない」とする記載はありません。ただ、アンケートの性格から見て、回答者の自宅住所や生年月日、クレジットカードの情報は項目として挙げられていません。表に無い項目が漏れたかどうかを断定することはできないため、心配な場合は同社の窓口に確かめるのが確実です。

回答者の情報は、いわば仕事の名刺に書かれている情報です。名刺の情報であっても、担当者の名前と結び付いていれば個人情報として扱われます。今回の1,028人は、2013年当時に回答した担当者の人数です。それから10年以上がたっているため、今は別の部署にいる人や、会社を辞めている人も多いと考えられます。

アンケートの回答の内容が何だったのかは、公表資料には詳しく書かれていません。題名から、電気工作物(発電や送電、電気の使用のための設備)の保安や事故についての質問だったことが分かるだけです。

原因:受託業務での確認漏れ(外部からの攻撃ではない)

同社の公表資料は、原因を次のように書いています。

漏えいは当社の確認漏れに起因するものであり、当社が環境省から受託した別の業務において作成したファイルに、通常の方法では確認できない形態で当該情報を混在して納品しておりました。 出典: みずほリサーチ&テクノロジーズ アンケート回答情報の漏えいに関するお詫びとご報告について

ここでの「受託」は、国の機関から調査などの仕事を請け負うことです。調査を請け負う会社では、1つの会社の中で複数の省庁の業務が並行して進むことがあります。今回は、経済産業省の業務で集めたデータが、環境省の業務で作ったファイルに入り込んでいました。

「通常の方法では確認できない形態」が具体的に何だったのかは、公表資料にも環境省の発表にも書かれていません。ファイルを普通に開いて見るだけでは気づけない形で含まれていた、ということだけが分かります。どのような形だったのかを推測で書くことはしません。

この点が重要なのは、納品を受けた側も、公開されたファイルを見た人も、普通に開いただけでは気づけなかった可能性があるためです。いつ、どのようにして混在に気づいたのかは、公表資料に書かれていません。

外部からの攻撃ではないため、パスワードの変更やウイルスの対策で防げた事案ではありません。人の作業の確認の段階で防ぐ種類の事案です。後の節で、在宅で資料を作って納品する人が同じことを起こさないための確認の方法を説明します。

会社と省庁の対応

公表資料と環境省の発表に書かれている対応は、次のとおりです。

主体 対応
みずほリサーチ&テクノロジーズ 該当するファイルを2026年2月6日までに削除し、閲覧できない状態にした。漏えいが確認された人に、個別に説明の書類を郵送する。お客さま対応特別窓口を設置した。再発防止策の徹底に取り組む
環境省 ファイルの公開停止の措置をとり、可能な限り情報へのアクセス状況の実態把握を行う。個人情報保護委員会に報告するなど必要な対応を進める。請負業務における情報の取扱いの厳格化を進める

環境省の発表では、請負事業者による被害者への連絡、対応窓口の設置、再発防止策の検討が行われており、その状況を注視するとも書かれています。

個人情報保護委員会への報告については、同委員会のページに、事業者が報告しなければならない場合が並んでいます。その中には、システムの設定ミスなどでインターネット上で個人データを閲覧できる状態になり、本人の数が1,000人を超える場合が例として挙げられています(個人情報保護委員会 漏えい等の対応とお役立ち資料)。今回は含まれていた個人情報が1,028人で、インターネット上で公開されていたファイルの中にありました。

同社の公表資料に書かれた再発防止策は「再発防止策の徹底に取り組んでまいります」という方針の表明で、具体的にどのような確認の手順を加えるのかは示されていません。環境省も、請負業務における情報の取扱いの厳格化などを進めると書くにとどまっています。具体的な中身は公表されていないため、この記事でも推測では書きません。

補償やお詫びの品については、公表資料に記載がありません。発表に無いことなので、この記事でも見通しは書きません。漏えいの補償が一般にどう扱われているかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で、過去の公表の例とあわせて整理しています。

自分が対象かを確かめる方法

対象になるのは、2013年に経済産業省の「電気工作物の保安・事故等に関するアンケート」に回答した事業者の担当者で、回答に名前などが含まれていた人です。確かめる方法は、同社から届く書類と、同社の窓口の2つです。

1つ目は、郵送の書類です。公表資料には「今回情報の漏えいが確認された方につきましては、個別にご説明のための書類を郵送させていただきます」とあります。公表資料には、どこに送るのかの記載はありません。当時の担当者が異動や退職をしていることもあるため、事業所に同社からの書類が届いていないかを、社内で確かめてください。

2つ目は、同社の窓口です。2013年にアンケートに回答した覚えがあるのに書類が届かない場合や、届いた書類が本物かどうかを確かめたい場合は、窓口に問い合わせます。窓口の電話番号は、この記事の後の節にまとめています。

書類の真偽を確かめるときは、書類に書かれた連絡先ではなく、公表資料に載っている電話番号を使います。漏えいを知らせる書類やメールを装って、別の窓口に電話させたり、別のサイトに誘導したりする手口があるためです。今回の件でそうした連絡が出ているという発表はありませんが、確かめる手順を決めておくと安心です。

当時アンケートに回答したかどうかを覚えていない場合は、社内の記録を見るのが近道です。2013年当時に電気設備の保安を担当していた部署に、調査への回答の控えやメールの記録が残っていれば、回答していたかどうかを確かめる手がかりになります。

届いた書類で確かめる点

同社から説明の書類が届いた場合は、次の点を確かめます。

  • 差出人がみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社になっているか
  • 書類に書かれた問い合わせ先の電話番号が、公表資料に載っている0120-324-811と同じか
  • 書類が、口座番号やクレジットカードの番号、パスワードなどの入力や返送を求めていないか

公表資料には、書類で何を伝えるのかの細かい内容は書かれていません。ただ、今回漏えいした項目には口座やカードの情報が含まれていないため、説明の書類でそうした情報を求められる理由は見当たりません。お金や認証の情報を求める書類やメールが届いたら、同社を名乗る別の相手からのものと疑い、公表資料の電話番号で確かめます。

対象者がすること

漏えいした項目は、事業者名、事業所名、部署、役職、担当者名、電話番号、FAX番号、メールアドレスと、アンケートの回答です。これらの項目から考えられるのは、事業所や担当者をあて先にした、それらしい連絡です。漏えいした項目に合わせて、要るものだけを挙げます。

  • 官公庁や電力の保安に関する機関を名乗るメールで、リンクを開かせたり添付ファイルを開かせたりするものは、差出人のメールアドレスのドメインと、本文の連絡先を確かめてから扱う
  • 「保安点検」「調査への協力」などを口実に、事業所の設備の情報や担当者の個人の連絡先を聞き出そうとする電話は、その場で答えず、相手の所属を確かめて公式の代表番号にかけ直す
  • FAX番号が漏れているため、FAXでの勧誘や、FAXに書かれた番号に電話させる連絡にも注意する
  • 当時の担当者が異動や退職をしている場合は、今の担当者と総務の部署に今回の発表を共有する

メールの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、差出人、リンク先、文面の3つの点から振り分ける手順を説明しています。

担当者の電話番号が、会社の代表番号ではなく個人の携帯電話の番号だった場合は、知らない番号からの電話やショートメッセージが増える可能性もあります。電話番号が漏れたときの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026でまとめています。

漏えいした項目にパスワードは含まれていないため、この件だけを理由にパスワードを変える必要はありません。ただ、メールアドレスが知られると、そのアドレスを使ったログインの試みや、パスワードの再設定を装うメールが届くことはあります。仕事のメールアカウントの守り方は、後の節で説明します。

組織として備えるなら、中小企業向けのセキュリティ対策の考え方も役立ちます。中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法では、限られた予算で対策を進める方法を整理しています。

仕事の連絡先が漏れたときに起きやすいこと

今回漏えいしたのは、事業者名、事業所名、部署、役職、担当者名、電話番号、FAX番号、メールアドレスです。これは仕事の連絡先の一式で、受け取る側から見ると、相手が自分の会社と役職を知っている連絡が届くことになります。項目ごとに、起きやすいことと備えを整理します。

漏えいした項目 起きやすいこと 備え
メールアドレス、担当者名、役職 名前と役職を書いた、それらしいメール 差出人のドメインとリンク先を確かめる。添付ファイルは開く前に確かめる
電話番号 調査や点検を名乗る電話 その場で答えず、公式の代表番号にかけ直す
FAX番号 勧誘のFAX、FAXに書かれた番号へ電話させる連絡 FAXに書かれた番号ではなく、自分で調べた番号で確かめる
事業者名、事業所名、回答の内容 事業所の事情を知っているように装う連絡 相手が知っていることだけで本物と判断しない

最後の行は見落としやすい点です。相手が会社名や部署名、過去の調査のことを知っていると、本物の関係者だと思いやすくなります。しかし今回のように情報が公開されていた場合、それを知っていることは本物である証拠になりません。

メールアドレスが漏れた場合、そのアドレスを使ったログインの試みが増えることもあります。仕事のメールアカウントがパスワードだけで入れる状態なら、二段階認証を設定しておくと、パスワードが知られても入られにくくなります。設定の仕方は二段階承認とは|仕組み・種類・設定手順と機種変更で詰まない準備で説明しています。自分のメールアドレスが他の事件で漏れていないかを広く確かめたい場合は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で使い方を紹介しています。ただし、今回の件のデータがそこに登録されているかどうかは分かりません。

当時の担当者が異動や退職をしているときの社内の共有

今回のアンケートは2013年に実施されたものです。回答した担当者が、今も同じ部署にいるとは限りません。事業所の側では、次の順で確かめると、漏れなく対応できます。

  1. 2013年当時に電気設備の保安を担当していた部署と担当者を確かめる
  2. 担当者が今も在籍しているなら、今回の発表の内容を本人に伝える。異動していれば、異動先にも伝える
  3. 担当者が退職している場合、会社として連絡先を把握していれば、今回の発表があったことを知らせるかどうかを社内で決める
  4. 同社から届いた書類を受け取った人がいれば、その内容を総務や情報管理の部署に集める
  5. 今の担当者と総務の部署に、電力保安や官公庁の調査を名乗る不審な連絡への注意を共有する

3つ目の点は、退職者の連絡先をどう扱うかという社内の決まりに関わるため、会社ごとの判断になります。ただ、漏えいしたのは2013年当時の担当者の名前と仕事の連絡先です。その人あてに今も不審な連絡が届くとすれば、届く先は事業所の代表電話や、当時のメールアドレスです。退職者本人よりも、今その連絡を受け取る事業所の側で備えることが大切です。

当時のメールアドレスが今は使われていない場合でも、そのアドレスあてのメールが事業所の共有の受信箱に届く設定になっていることがあります。届いたメールの宛名が退職した人の名前になっていたら、内容を確かめずに転送したり返信したりせず、まず社内で扱いを決めます。

問い合わせ窓口

公表資料に書かれている窓口は、次のとおりです。

窓口 内容
名称 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 お客さま対応特別窓口
電話 0120-324-811
受付時間 土曜・日曜・祝日・銀行休業日を除く9時から17時

公表資料では、ウェブのお問い合わせフォームも窓口として案内されていました。2026年11月1日時点でそのフォームを開くと、「お問い合わせフォームでの受付は終了しました」と表示されます。問い合わせは電話で行うことになります。電話の窓口が今も同じ時間で受け付けているかは、電話をかけて確かめてください。

環境省の発表のページにも、同じ窓口の情報が載っています(環境省 環境省ウェブサイトにおける情報セキュリティインシデントの発生について)。問い合わせの際は、2013年当時の事業者名と事業所名、回答した担当者の名前を伝えると、確認が早く進みます。

個人情報の扱いについて会社とのやり取りで困った場合は、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849、受付は土日祝日と年末年始を除く9時30分から17時30分)に相談することもできます(個人情報保護委員会 個人情報保護法相談ダイヤル)。この窓口は会社に代わって調査をするところではなく、法律の考え方や手続きの相談を受ける窓口です。

在宅で仕事をする人が学べること:納品ファイルに別の案件の情報を混ぜない

今回の件は、ある取引先のために集めた情報が、別の取引先への納品物に紛れ込んだ事案です。在宅で資料作成、データ入力、調査の仕事を請け負う人にとっても、同じことは起こりえます。前の案件のファイルを複製して次の案件のひな形に使う、複数の案件のデータを同じ作業用のファイルで扱う、といった作業の進め方は、どれも別の案件の情報が残る原因になります。

ファイルの中には、普通に開いただけでは見えない情報が含まれることがあります。マイクロソフトのサポートページでは、Excelのブックの中で「ドキュメント検査」が見つけて削除できるものとして、非表示の行と列、非表示のワークシート、コメント、ドキュメントのプロパティ、ヘッダーとフッターの情報、非表示に設定されているオブジェクトなどが挙げられています(マイクロソフト ドキュメント検査を使用して非表示データと個人情報を見つけて削除する)。今回の件がこのどれかに当たるのかは公表されていませんが、納品前の確認として使える機能です。

同じページによると、ドキュメント検査は、Excelの「ファイル」タブの「情報」から「問題のチェック」を選び、「ドキュメント検査」を選んで実行します。検査で削除したデータは元に戻せない場合があるため、元のファイルのコピーに対して実行することが勧められています。納品の前に、次の手順を習慣にしておくと安心です。

  1. 納品するファイルは、前の案件のファイルを複製せず、新しいファイルか、案件の情報を含まないひな形から作る
  2. 納品前に、元のファイルのコピーを作り、そのコピーでドキュメント検査を実行する
  3. 非表示の行、列、シートが見つかったら、削除する前に再表示して中身を確かめる。計算に使っているデータなら、削除すると数式の結果が変わることがある
  4. 案件ごとにフォルダを分け、作業用のデータを別の案件のフォルダに保存しない
  5. 納品が終わった案件のデータは、契約で決めた期間が過ぎたら削除する

前の案件のファイルをひな形にするときの注意

在宅の仕事では、似た作業が続くと、前の案件のファイルを複製して書き換えるほうが早く感じます。表の形や書式をそのまま使えるため、作業の時間は短くなります。ただ、複製したファイルには、前の案件の情報が見えない形で残ることがあります。

たとえば、使わなくなったシートを削除せずに非表示にしたまま残す、計算に使った元のデータを非表示の列に残す、別のファイルを参照する式を残す、といったことです。見た目の上では新しい案件の資料になっていても、ファイルの中には前の取引先の情報が入ったままになります。

これを防ぐには、ひな形を案件の情報から切り離して作っておくのが確実です。書式と表の形だけを持つ空のひな形を用意し、案件ごとにそこから新しいファイルを作ります。前の案件のファイルを複製しないことを、作業の決まりにしておきます。

取引先に、納品前の確かめ方を伝える

納品の前にどのような確認をしているかを、取引先に伝えておくことも信頼につながります。たとえば、見積もりや最初の打ち合わせの段階で「納品するファイルは、非表示のデータとコメントを検査してから送ります」と一言添えるだけでも、取引先は情報の扱いを任せやすくなります。

取引先の側にも確認の手順がある場合は、それに合わせます。公開する資料を納品する仕事では、公開の前に取引先の側でも検査をしてもらうよう頼むと、確認が二重になります。今回の件は、公開される資料の中に別の情報が紛れ込んだ事案でした。公開を前提とした納品物ほど、確認の手順を取引先と共有しておく意味があります。

混在に気づいたときの動き方

納品した後で、ファイルに別の案件の情報が入っていたと気づくこともあります。そのときに慌てないよう、動く順番を決めておきます。

  1. 混在していた情報が、どの取引先の、どの情報なのかを確かめる。個人の名前や連絡先が含まれているかどうかを特に見る
  2. 納品先の取引先に、すぐに事実を知らせる。ファイルがすでに公開されているなら、公開の停止を頼む
  3. 正しいファイルを作り直し、ドキュメント検査をしてから差し替える
  4. 混在していた情報の持ち主である、もう一方の取引先にも知らせる
  5. 何が起きたのか、どう直したのかを記録に残す

今回の件でも、ファイルを削除して閲覧できない状態にし、対象者に知らせ、関係する機関が同時に公表するという順で対応が進みました。1人で仕事をしている場合も、規模は違っても同じ考え方で動きます。隠したり、黙って差し替えたりすると、後から分かったときに取引先との信頼が大きく損なわれます。早く知らせるほど、取引先の側でとれる手が増えます。

もう1つ大切なのは、個人で仕事をしていても、取引先から個人情報を預かれば、その扱いに責任が生じることです。個人情報保護委員会のページでは、事業者が漏えいした場合に委員会への報告や本人への通知が必要になる場合が示されています(個人情報保護委員会 漏えい等の対応とお役立ち資料)。納品した後に別の案件の情報が混ざっていたと気づいたら、まずすぐに取引先に知らせ、ファイルの差し替えと公開の停止を頼みます。報告の義務がどこまで自分にかかるかは契約の形で変わるため、個別の判断は取引先や専門家に確かめます。

運営者の視点:預かった情報を混ぜない仕事の進め方

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で、@SOHO編集部が見てきた傾向があります。複数の取引先から仕事を受けて長く続く人ほど、案件ごとにフォルダを分け、ひな形を案件の情報から切り離して管理し、納品の前に確かめる手順を決めています。発注する側から見ると、成果物の質と同じくらい、預けた情報が他の案件に混ざらないことが、任せ続けられるかどうかの判断材料になります。情報の扱いそのものを仕事にする道もあり、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、セキュリティに関わる在宅の仕事の種類と求められる力をまとめています。

今回の件は、攻撃ではなく、作業の中の確認漏れから始まり、気づかれないまま長く公開が続いた事案です。大きな組織でも起きるということは、1人で仕事をしている人にも起きうるということです。1人で仕事をしている場合は、確かめる人が自分しかいないため、手順を決めておかなければ確認そのものが抜け落ちやすくなります。納品前のドキュメント検査と、案件ごとのファイルの分け方は、今日から始められます。取引先の情報を預かる立場として、この2つを手順に組み込むことが、仕事の信頼を守ることにつながります。

よくある質問

Q. みずほリサーチ&テクノロジーズの情報漏えいでは、何件の情報が漏れたのですか?

2026年2月20日の公表資料によると、アンケート回答総数1,566件で、含まれている個人情報は1,028人です。項目は、事業者名、事業所名、部署、役職、担当者名、電話番号、FAX番号、メールアドレスと、アンケートの回答です。2013年に経済産業省から受託した電力保安の調査のアンケートが対象です。

Q. サイバー攻撃による漏えいなのですか?

外部からの攻撃によるものではありません。同社は原因を自社の確認漏れとし、環境省から受託した別の業務で作ったファイルに、通常の方法では確認できない形でアンケートの回答情報を混在させて納品していたと説明しています。そのファイルが2020年3月から環境省のホームページなどで公開されていました。

Q. 自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか?

同社は、漏えいが確認された人に説明の書類を個別に郵送するとしています。2013年にアンケートに回答した覚えがある場合は、事業所に書類が届いていないかを社内で確かめてください。分からない場合は、お客さま対応特別窓口(0120-324-811、土日祝日と銀行休業日を除く9時から17時)に問い合わせます。

Q. ウェブのお問い合わせフォームは使えますか?

公表資料ではウェブのフォームも案内されていましたが、2026年11月1日時点でそのフォームを開くと、受付は終了したと表示されます。問い合わせは電話の窓口を使ってください。電話の受付時間が変わっていないかは、かけたときに確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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