Macのターミナルで覚えておきたい基本コマンドと、ファイル操作での使い方


この記事のポイント
- ✓Macのターミナルで覚えておきたい基本コマンドを
- ✓フォルダとファイルの作成
- ✓Macならではの便利なコマンドや
Macのターミナルを開いてみたものの、黒い画面に文字が並ぶだけで何を打てばよいのかわからない、という人は多いはずです。プログラミングの学習や、AIの道具を使った作業、取引先から届いた大量のファイルの整理など、ターミナルを使う場面は年々増えています。ところが、解説記事の多くはコマンドの一覧を並べるだけで、どの順番で覚えればよいのか、どこで失敗しやすいのかまでは書かれていません。
結論から書くと、最初に覚えるべきコマンドは10個ほどです。いまどこにいるかを確かめる、移動する、中身を見る、フォルダやファイルを作る、コピーする、移動する、削除する。この流れに沿って覚えれば、Finderでしていたファイル操作の大半をターミナルでも行えるようになります。
この記事では、Appleの公式サポートの記載を確かめたうえで、Macのターミナルの基本コマンドを、実際のファイル操作の流れに沿って解説します。Macならではの便利なコマンド、作業を速くするキーの操作、削除のコマンドで取り返しのつかない失敗をしないための注意点もまとめました。
ターミナルを使う人が増えている背景
ターミナルとは、文字のコマンドでMacを操作するためのアプリです。Finderのようにアイコンをクリックする代わりに、命令を文字で打ち込みます。最初は取っつきにくく見えますが、同じ操作を何百回も繰り返す作業や、条件に合うファイルだけを探す作業では、マウスよりはるかに速く確実です。
ターミナルを使う人が増えている理由の1つは、仕事の道具が変わったことです。プログラムを書く仕事はもちろん、データの整理や、AIに作業を任せる道具の多くがターミナルから動かす形になっています。アプリやWebの開発の仕事はアプリケーション開発のお仕事で紹介しているとおり、ターミナルを使うことが前提になっています。開発者でなくても、業務の改善を支援する仕事では、こうした道具を使いこなす力が求められる場面が増えています。
地方の現場でも事情は同じです。農業の現場では、ハウスの温度や土の水分を測るセンサーが、毎日大量のデータをファイルで書き出します。1日1つのファイルでも、1年で365個、センサーが10台あれば3,650個になります。これをFinderで1つずつ開いて名前を変えたり、必要な日付のものだけを探したりしていたら、いくら時間があっても足りません。ターミナルで数行のコマンドを打てば、数秒で片づく作業です。農家さんのところでデータの整理を手伝うとき、最初の数か月はFinderで地道に作業していて、ターミナルを覚えてからは同じ作業が10分の1の時間で終わるようになった、という話は現場でよく聞きます。
在宅で働く人が増え、自分のMacで業務のファイルを扱う機会も増えました。会社が在宅勤務の環境を整えるときの支援は、テレワーク 助成金 2026で制度の対象と流れを整理しています。道具を整えたうえで、自分の手元の作業を速くする技術として、ターミナルの基本を押さえておく価値は大きくなっています。
ターミナルを開く方法と、画面の見方
ターミナルは、Macに最初から入っています。開き方は次の2つです。
- Finderで「アプリケーション」フォルダの中の「ユーティリティ」フォルダを開き、「ターミナル」を開きます
- Spotlight(command+スペース)で「ターミナル」と入力して開きます
開くと、1行目に文字が表示され、その後ろで入力を待つ状態になります。この行をプロンプトと呼びます。プロンプトには、多くの場合、ユーザー名、Macの名前、いまいる場所が表示されます。「~」はホームフォルダ、つまり自分のユーザー名のフォルダを表す記号です。
Macのターミナルで動いているのは、シェルと呼ばれる、コマンドを読み取って実行するプログラムです。Appleの公式サポートには次のように書かれています。
macOS 10.15以降では、Macのデフォルトのログインシェルおよびインタラクティブシェルとして、zshが使用されます。それ以前のバージョンのmacOSでも、zshをデフォルトにすることができます。 出典: support.apple.com
同じページによると、macOS 10.14以前の標準のシェルはbashで、zshはbashと若干の違いはあるものの互換性があると説明されています。ネット上の解説記事にbashと書かれていても、この記事で紹介する基本のコマンドは、zshでもbashでも同じように使えます。
基本コマンド早見表
まず、この記事で紹介する基本のコマンドを表で整理します。細かい使い方は次の節から順に解説します。
| やりたいこと | コマンド | 例 |
|---|---|---|
| いまいる場所を確かめる | pwd |
pwd |
| フォルダの中身を見る | ls |
ls -l |
| 場所を移動する | cd |
cd Documents |
| フォルダを作る | mkdir |
mkdir -p 2026/10 |
| 空のファイルを作る | touch |
touch memo.txt |
| コピーする | cp |
cp memo.txt backup.txt |
| 移動する、名前を変える | mv |
mv memo.txt note.txt |
| 削除する | rm |
rm -i memo.txt |
| ファイルの中身を見る | cat less |
less data.csv |
| 先頭や末尾だけ見る | head tail |
tail -n 20 log.txt |
| 文字を探す | grep |
grep 温度 data.csv |
| ファイルを探す | find |
find . -name "*.csv" |
| Finderやアプリで開く | open |
open . |
| 使い方を調べる | man |
man ls |
この14個を覚えれば、日常のファイル操作はほとんどターミナルで行えます。最初から全部を覚える必要はありません。最初の3つ、pwd、ls、cdだけで、ターミナルの中を自由に歩き回れるようになります。
いまの場所を確かめ、移動するコマンド
ターミナルの操作は、いまどこにいるかを知ることから始まります。Finderなら窓の上に表示されているフォルダの名前を、ターミナルでは自分で確かめる必要があります。
pwd:いまいる場所を表示する
pwdと打つと、いまいるフォルダの場所が、一番上から順に表示されます。たとえば/Users/ユーザー名/Documentsと表示されれば、書類フォルダにいるということです。迷ったら、まずpwdを打つ習慣を付けておくと、間違った場所でファイルを消すような失敗を防げます。
ls:フォルダの中身を一覧で見る
lsと打つと、いまいるフォルダの中のファイルとフォルダの名前が並びます。よく使う形は次のとおりです。
| 打ち方 | 表示される内容 |
|---|---|
ls |
名前だけを並べる |
ls -l |
大きさ、更新日時、権限などを1行ずつ表示する |
ls -a |
名前が「.」で始まる隠しファイルも表示する |
ls -lh |
大きさをKやMなど読みやすい単位で表示する |
-lや-aのように、コマンドの後ろに付けて動きを変えるものをオプションと呼びます。ls -laのように、複数のオプションをまとめて付けることもできます。
cd:場所を移動する
cdの後ろにフォルダの名前を付けると、そのフォルダに移動します。
| 打ち方 | 移動先 |
|---|---|
cd Documents |
いまいる場所の中のDocumentsフォルダ |
cd .. |
1つ上のフォルダ |
cd ~ または cd だけ |
ホームフォルダ |
cd - |
直前にいたフォルダ |
cd ~/Desktop |
ホームフォルダの中のデスクトップ |
フォルダの名前に空白が含まれる場合は、名前全体を引用符で囲みます。cd "My Files"のように打たないと、ターミナルは空白の前後を別の言葉として読み取ってしまいます。Finderからフォルダをターミナルの窓に引っ張って落とすと、そのフォルダの場所が自動で入力されるので、長い名前や空白を含む名前のときに便利です。
フォルダとファイルを作るコマンド
mkdir:フォルダを作る
mkdir 写真と打つと、いまいる場所に「写真」というフォルダができます。-pを付けると、途中のフォルダもまとめて作れます。mkdir -p 2026/10/センサーと打てば、2026の中に10、その中にセンサー、という3段のフォルダが一度にできます。年と月でフォルダを分けてデータを整理するときに重宝します。
touch:空のファイルを作る
touch memo.txtと打つと、中身が空のファイルができます。すでに同じ名前のファイルがある場合は、中身は変わらず、更新日時だけが今の時刻に変わります。メモ用のファイルを用意するときや、作業の印としてファイルを作るときに使います。
コピー、移動、名前の変更をするコマンド
cp:コピーする
cp 元のファイル コピー先の順に打ちます。cp report.pdf backup/と打つと、report.pdfがbackupフォルダの中にコピーされます。フォルダごとコピーするときは-Rを付けて、cp -R 2026 2026_backupのように打ちます。
mv:移動する、名前を変える
mvは、ファイルの移動と名前の変更の両方に使います。mv report.pdf 書類/と打てば移動、mv report.pdf 報告書.pdfと打てば名前の変更です。Finderと違い、移動先に同じ名前のファイルがあると、確認なしで上書きされることがあります。大事なファイルを扱うときはmv -iと打つと、上書きの前に確認してくれます。
ワイルドカードでまとめて操作する
「*」は、どんな文字にも当てはまる記号です。cp *.csv backup/と打つと、名前が.csvで終わるファイルをすべてbackupフォルダにコピーできます。mv 2026-10-*.csv 10月/と打てば、2026年10月の日付で始まるファイルだけを10月のフォルダにまとめて移せます。Finderで1つずつ選んでいた作業が、1行で終わります。
削除のコマンドと、取り返しのつかない失敗を防ぐ方法
ターミナルでいちばん注意が要るのが、削除のコマンドです。
rm:ファイルを削除する
rm memo.txtと打つと、memo.txtが削除されます。ここで必ず知っておきたいのは、rmで削除したファイルはゴミ箱に入らない、ということです。Finderで削除したファイルはゴミ箱から戻せますが、rmで消したファイルは、その場で消えます。
フォルダを中身ごと削除するときはrm -rを使いますが、これは最も慎重に扱うべき操作です。場所を間違えて打つと、大事なデータがまとめて消えます。次の3つの習慣を守ると、失敗を大きく減らせます。
- 削除の前に
pwdとlsで、いまいる場所と消す対象を目で確かめる rm -iを使い、1件ずつ確認しながら消す- ワイルドカードを使うときは、先に
lsで同じ指定を打ち、どのファイルが当てはまるかを確かめる
3つ目は特に大切です。rm *.csvを打つ前にls *.csvを打てば、消えるファイルの一覧を事前に見られます。
rmdir:空のフォルダを削除する
rmdirは、中身が空のフォルダだけを削除するコマンドです。中にファイルが残っていると削除されないので、rm -rより安全です。空のフォルダを片づけるときは、まずrmdirを使う習慣を付けておきます。
センサーのデータの整理を手伝っていた現場で、古いデータを消すつもりで場所を間違え、その月のデータを丸ごと消してしまった、という失敗を聞いたことがあります。バックアップがあったので事なきを得ましたが、削除のコマンドを打つ前に場所を確かめる大切さは、こうした経験から身にしみるものです。大事なデータは、削除の前に必ずコピーを取っておきます。
ファイルの中身を確かめるコマンド
ファイルを開かずに、中身をターミナルで確かめることもできます。
| コマンド | 使い方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
cat |
中身をすべて表示する | 短いファイル |
less |
1画面ずつ表示し、上下に動かして読む | 長いファイル。qで終了 |
head |
先頭の数行を表示する | CSVの項目名を確かめる |
tail |
末尾の数行を表示する | ログの最新の記録を見る |
wc -l |
行の数を数える | データの件数を確かめる |
head -n 5 data.csvと打てば先頭の5行、tail -n 20 log.txtと打てば末尾の20行が表示されます。何万行もあるCSVを表計算のアプリで開くと時間がかかりますが、headなら一瞬で項目の並びを確かめられます。
ファイルや文字を探すコマンド
grep:ファイルの中の文字を探す
grep 探したい文字 ファイル名の順に打つと、その文字を含む行だけが表示されます。grep エラー log.txtと打てば、ログの中でエラーという文字を含む行だけを取り出せます。-iを付けると英字の大文字と小文字を区別せずに探し、-rを付けるとフォルダの中のファイルをまとめて探します。
find:条件に合うファイルを探す
find 探す場所 条件の順に打ちます。find . -name "*.csv"と打つと、いまいる場所から下のフォルダをすべてたどり、名前が.csvで終わるファイルを一覧で表示します。「.」は、いまいる場所を表す記号です。
mdfind:Spotlightの検索をターミナルから使う
Macには、Spotlightの検索をターミナルから使えるmdfindというコマンドもあります。mdfind 請求書と打つと、Spotlightで「請求書」と検索したときと同じように、Mac全体から当てはまるファイルが表示されます。ファイルの中身まで検索の対象になるので、名前を忘れたファイルを探すときに役立ちます。
Macならではの便利なコマンド
ここからは、Macに特有の、知っておくと便利なコマンドを紹介します。
| コマンド | できること | 例 |
|---|---|---|
open |
Finderやアプリで開く | open . でいまの場所をFinderで開く |
open -a |
アプリを指定して開く | open -a TextEdit memo.txt |
open -R |
Finderで場所を表示する | open -R report.pdf |
pbcopy |
結果をクリップボードに入れる | pwd | pbcopy |
pbpaste |
クリップボードの中身を出す | pbpaste > memo.txt |
caffeinate |
Macをスリープさせない | caffeinate -i |
say |
文字を読み上げる | say 作業が終わりました |
open .は、ターミナルとFinderを行き来するときに最もよく使うコマンドです。ターミナルで目的のフォルダまで移動したら、open .でそのフォルダをFinderで開けます。
pbcopyは、コマンドの結果をそのままクリップボードに入れるコマンドです。ls | pbcopyと打つと、ファイルの一覧がクリップボードに入り、メールや表計算のアプリにそのまま貼り付けられます。「|」は、左のコマンドの結果を右のコマンドに渡す記号で、パイプと呼ばれます。
caffeinateは、時間のかかる作業の途中でMacがスリープしないようにするコマンドです。大量のファイルのコピーや、データの処理を夜通し動かすときに使います。-iを付けると、操作しない状態が続いてもスリープに入らなくなり、止めるときはcontrol+Cを押します。
作業を速くするキーの操作
コマンドを覚えるのと同じくらい大事なのが、入力を速くする操作です。
| 操作 | できること |
|---|---|
| Tabキー | ファイル名やフォルダ名の続きを自動で補う |
| 上矢印キー | 直前に打ったコマンドを呼び出す |
| control+C | 実行中のコマンドを止める |
| control+A | 行の先頭に移動する |
| control+E | 行の末尾に移動する |
| control+R | 過去に打ったコマンドを検索する |
| control+L | 画面を片づける(clearと同じ) |
いちばん効くのはTabキーです。長いフォルダ名の最初の数文字を打ってTabキーを押すと、残りが自動で補われます。打ち間違いが減り、存在しない名前を打つ失敗もなくなります。上矢印キーで過去のコマンドを呼び出し、一部だけ書き換えて実行する、という使い方も覚えておくと、同じような操作を繰り返すときに便利です。過去に打ったコマンドの一覧はhistoryで表示できます。
コマンドの使い方を忘れたときは、manで説明書を開けます。man lsと打つと、lsのオプションの一覧が表示されます。上下の矢印で読み進め、qで終わります。英語の説明ですが、オプションの記号と短い説明を拾い読みするだけでも十分に役立ちます。
ターミナルの見た目と使い勝手を整える
コマンドに慣れてきたら、ターミナルそのものの設定も見直すと、作業がしやすくなります。Appleの公式のターミナルのユーザガイドでは、次のような機能が紹介されています。
1つ目は、プロファイルです。プロファイルとは、背景の色や文字の大きさ、窓のタイトルなどの見た目の組み合わせのことです。ユーザガイドによると、複数のサーバにログインしている場合、プロファイルごとに背景の色や窓のタイトルを変えておくと、目的の窓を見つけやすくなります。仕事用の作業と個人の作業で窓の色を分けておくと、間違った窓でコマンドを打つ失敗が減ります。ターミナルに入っている既存のプロファイルを使うことも、自分で作ることもできます。
2つ目は、マークとブックマークです。大量の結果が流れる作業の途中で印を付けておき、あとからその場所にすばやく戻れる機能です。長いログを読むときに役立ちます。
3つ目は、インスペクタです。ユーザガイドによると、インスペクタを使うと、実行中の処理を表示して管理したり、窓のタイトルや背景の色を変えたりできます。止まらなくなった処理を確かめるときに使えます。
文字の大きさも見直しておきたい設定の1つです。小さな文字で長時間作業すると目が疲れます。ターミナルの設定のプロファイルから文字の大きさを選べるので、無理なく読める大きさにしておきます。
実務で使える組み合わせの例
コマンドは1つずつより、組み合わせたときに本領を発揮します。センサーのデータを整理する場面を例に、ここまでのコマンドをどう組み合わせるかを紹介します。
センサーから書き出されたCSVのファイルが、ダウンロードのフォルダに何百個も溜まっている状態を考えます。ファイルの名前は「2026-10-01_hause1.csv」のように、日付とハウスの番号でできているとします。
まず、どれだけのファイルがあるかを確かめます。ダウンロードのフォルダに移動してls *.csv | wc -lと打つと、CSVのファイルの数が表示されます。wc -lは行の数を数えるコマンドで、パイプでつなぐと、lsが出した一覧の行の数、つまりファイルの数を数えてくれます。
次に、整理先のフォルダを作ります。mkdir -p ~/センサー/2026/10と打てば、ホームフォルダの下に年と月の入れ物が一度にできます。そのうえでmv 2026-10-*.csv ~/センサー/2026/10/と打てば、10月のファイルだけがまとめて移ります。移す前にls 2026-10-*.csvで対象を確かめておくのは、削除のときと同じ心得です。
ハウス1のデータだけを確かめたいときは、ls ~/センサー/2026/10/*hause1*と打てば一覧が出ます。ある日のデータで温度が異常に高い記録がないかを探すなら、grepでその値を含む行だけを取り出せます。最近1週間に更新されたファイルだけを探したいときは、find ~/センサー -name "*.csv" -mtime -7と打つと、7日以内に変更されたCSVだけが一覧になります。
最後に、作業の結果を報告にまとめます。ls ~/センサー/2026/10 | pbcopyと打てば、整理したファイルの一覧がクリップボードに入り、メールにそのまま貼り付けられます。ここまでの操作は、慣れれば数分で終わります。Finderで同じことをしようとすると、ファイルを1つずつ選んで動かすだけで、何十分もかかる作業です。
Homebrewでコマンドを追加する
Macに最初から入っていないコマンドを使いたくなったときに出てくるのが、Homebrewです。Homebrewは、Mac用のソフトウェアを入れたり、更新したり、管理したりするための道具で、パッケージマネージャーと呼ばれます。開発の仕事では、プログラミングの言語や、データを扱う道具の多くをHomebrewで入れるのが一般的です。
入れ方は、Homebrewの公式サイトに載っている手順に従います。ネット上の解説記事に書かれた手順を写すのではなく、必ず公式サイトで今日時点の手順を確かめてから実行します。入れたあとによく使う操作は次のとおりです。
| 打ち方 | できること |
|---|---|
brew install 名前 |
ソフトウェアを入れる |
brew update |
Homebrew自体の情報を新しくする |
brew upgrade |
入れたソフトウェアを新しい版に上げる |
brew list |
入れたソフトウェアの一覧を見る |
brew uninstall 名前 |
ソフトウェアを外す |
Homebrewは便利ですが、何でも入れればよいというものではありません。使う予定のないソフトウェアを入れ続けると、Macの中が散らかり、更新のたびに時間がかかるようになります。仕事で必要になったものだけを入れ、使わなくなったら外す、という管理を心がけます。
ターミナルを安全に使うための心得
ターミナルは、Macの深い部分まで操作できる強力な道具です。その分、使い方を誤ると、Macの設定を壊したり、大事なデータを失ったりするおそれがあります。最初のうちに、次の3つの心得を押さえておきます。
1つ目は、意味のわからないコマンドを貼り付けて実行しないことです。ネット上の記事やメッセージで「これを貼り付ければ直る」と紹介されているコマンドの中には、Macの設定を大きく変えるものや、悪意のあるものも含まれます。何をするコマンドかをmanや公式の説明で確かめてから実行します。
2つ目は、sudoの扱いです。sudoは、管理者の権限でコマンドを実行するための言葉で、実行するとMacのパスワードを求められます。管理者の権限で実行したコマンドは、Macの仕組みに関わる場所まで書き換えられるので、sudo rmのような組み合わせは特に危険です。sudoを付けるように言われたときは、本当に必要かを一度立ち止まって考えます。
3つ目は、作業の前にバックアップを取ることです。Macの標準のバックアップの機能であるTime Machineなどで、日頃からバックアップを取っておけば、万一の失敗でも元に戻せます。大量のファイルを動かしたり消したりする作業の前は、対象のフォルダをcp -Rで丸ごとコピーしておくと、さらに安心です。
ターミナルとファイル管理を1つの画面で扱いたいときの候補
ここまでの基本を覚えると、Finderとターミナルを行き来する場面が増えてきます。Finderで目的のフォルダを探し、ターミナルを開いてそこまでcdで移動し、作業が終わったらopen .でFinderに戻る。この往復は、慣れても手間が残ります。AIの道具をターミナルで動かしながら、できたファイルをFinderで確かめる作業では、この往復がさらに増えます。
そうした場合の候補の1つに、Macのファイル管理の道具のAtriensがあります。公式サイトによると、フォルダごとにターミナルが1つ結び付いていて、開いているフォルダでそのままコマンドを打てます。フォルダを切り替えるとターミナルも一緒に切り替わるので、cdを打つ必要がないと説明されています。外付けのディスクや別の場所にあるフォルダを、ファイルを動かさずにサイドバーの1つの案件の下にまとめて表示する機能や、Obsidianの保管庫をサイドバーに並べる機能もあります。
料金は、サイドバー、ターミナル、プレビュー、Gitなど、Mac単体の機能はすべて期限なく無料と案内されています。iPhoneやiPadからMacのターミナルを見て操作する機能は有料で、月額780円、年額6,800円、買い切り14,800円(いずれも税込)から選べます。対応するのはmacOS 14(Sonoma)以降のApple Siliconを搭載したMacで、アカウントの登録は不要です。ターミナルとファイル管理の往復に手間を感じている人は、無料の範囲で試してから判断できます。
Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ターミナルの基本は、地方でも仕事の幅を広げる
フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から見ると、地方に住みながら都市部の仕事を受けて長く続けている人ほど、こうした基本の道具を地道に身につけています。ターミナルのコマンドを覚えたからといってすぐに報酬が上がるわけではありませんが、データの整理や作業の自動化を自分でこなせる人は、「この人に任せれば細かい作業まで片づけてくれる」と信頼され、次の依頼につながっていきます。
発注者と受注者が直接やり取りする形では、この信頼がそのまま仕事の続き方に表れます。仲介の手数料が乗らないので、同じ予算でも発注者はより多くの作業を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接取引できる仕組みは、地方から都市部の仕事を受ける人にとって、通勤の距離に関係なく力を発揮できる形です。
ターミナルを入口に、技術の仕事へ進む道もあります。開発の仕事の年収と単価の目安はソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的な統計をもとにまとめています。業務の改善やAIの活用を支援する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。セキュリティやデータの扱いに関わる仕事はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が参考になります。
最初の一歩は、ターミナルを開いてpwdとlsを打つことです。いまいる場所と、そこにあるものを確かめる。この2つから始めて、1日に1つずつコマンドを増やしていけば、1か月後にはFinderでの作業の多くをターミナルで片づけられるようになっています。
よくある質問
Q. Macのターミナルはどこから開けますか?
Finderで「アプリケーション」フォルダの中の「ユーティリティ」フォルダを開くと「ターミナル」があります。Spotlight(command+スペース)で「ターミナル」と入力して開くこともできます。よく使うなら、開いたあとにDockのアイコンを右クリックし、「オプション」から「Dockに保持」を選んでおくと、次から1回で開けます。
Q. rmで削除したファイルは元に戻せますか?
rmで削除したファイルはゴミ箱に入らず、その場で削除されます。Finderの削除のようにゴミ箱から戻すことはできないので、Time Machineなどのバックアップがない限り、元に戻すのは困難です。削除の前にpwdとlsで場所と対象を確かめ、rm -iで1件ずつ確認しながら消す習慣を付けると安心です。
Q. bashとzshで使えるコマンドは違いますか?
Appleの公式サポートによると、macOS 10.15以降の標準のシェルはzshで、10.14以前はbashでした。zshはbashと若干の違いはあるものの互換性があると説明されています。ls、cd、cp、mv、rmなどの基本のコマンドはどちらでも同じように使えます。設定ファイルの名前など、細かい部分は違うことがあります。
Q. コマンドの使い方を忘れたときはどうすればいいですか?
ターミナルで「man コマンド名」と打つと、そのコマンドの説明書が表示されます。たとえば「man ls」と打てば、lsのオプションの一覧を読めます。上下の矢印で読み進め、qを押すと終わります。説明は英語ですが、オプションの記号と短い説明を拾い読みするだけでも十分に役立ちます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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